JP2008223835A - 差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法 - Google Patents

差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 差動制限機構付き差動装置の摩擦多板クラッチを作動させる電動モータの初期停止位置を適切に設定する。
【解決手段】 差動制限機構付き差動装置の制御装置は、内燃機関の始動後に所定時間間隔で、前回の初期停止位置であるa点から電動モータを第1の所定モータ回転角だけb点まで逆転させた後に、電動モータを正転させて摩擦多板クラッチをc点において完全に係合させ、続いて電動モータを第2の所定モータ回転角だけ逆転させたd点を、新たな初期停止位置として設定する。これにより、内燃機関の始動後の温度変化による摩擦多板クラッチの部品の伸縮や摩擦多板クラッチの摩擦材の摩耗を考慮した適切な初期停止位置を得ることができる。初期停止位置の設定は、摩擦多板クラッチが係合してもステアリングホイールに伝達される操舵トルクが変動して運転者に不快感を与えないように、車両の停止時か、あるいは車両の特定の走行状態でのみ行われる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、内燃機関の出力を左右の駆動輪へ駆動力として分配する差動機構と;前記差動機構の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチと;第1カムプレートおよび第2カムプレートと、これらカムプレートの各々に相対向するように形成されたカム溝に収納されるボールとを備え、電動モータの回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチを係合させるボールカム機構と;電動モータの実モータ回転角を検出する回転角センサと;電動モータへ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータの実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置とを備える差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法に関する。
かかる差動制限機構付き差動装置は、下記特許文献1により公知である。
特開2005−249080号公報
ところで、この種の差動制限機構付き差動装置において、差動制限トルクを精度良く制御するためには、摩擦多板クラッチのクリアランス、つまり摩擦多板クラッチを係合させる電動モータの初期停止位置を精密に管理することが重要であるが、前記クリアランスは摩擦多板クラッチを構成する部品の温度変化に伴う伸縮により変動するため、電動モータの適正な初期停止位置も変動することになる。
従って、電動モータの初期停止位置を一定位置に設定すると、前記クリアランスが増加したときに摩擦多板クラッチが係合するまでの電動モータの回転角が増加して応答性が低下したり、前記クリアランスが減少したときに摩擦多板クラッチが係合状態になって意図せぬ差動制限トルクが発生したりする問題がある。
そこで、摩擦多板クラッチの温度変化を補償するように電動モータの初期停止位置を制御することで前記クリアランスを一定に管理することが考えられる。しかしながら、電動モータの初期停止位置は摩擦多板クラッチの係合位置を基準として管理されるため、例えば所定時間間隔で電動モータの初期停止位置の設定を実行する場合には、その実行時に車両が走行中でかつ旋回中であると、初期停止位置の設定のために摩擦多板クラッチが係合した瞬間に操舵トルクが変動してしまい、運転者に不快感を与える可能性がある。従って、電動モータの初期停止位置の設定を実行するタイミングを、ステアリングホイールに伝わる操舵トルクが変動しないように適切に設定する必要がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、差動制限機構付き差動装置の摩擦多板クラッチを作動させる電動モータの初期停止位置を適切に設定することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、内燃機関の出力を左右の駆動輪へ駆動力として配分する差動機構と;前記差動機構の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチと;第1カムプレートおよび第2カムプレートと、これらカムプレートの各々に相対向するように形成されたカム溝に収納されるボールとを備え、電動モータの回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチを係合させるボールカム機構と;電動モータの実モータ回転角を検出する回転角センサと;電動モータへ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータの実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置とを備える差動制限機構付き差動装置において、前記制御装置は、差動機構に差動制限力を付与しないときの電動モータの停止位置である初期停止位置に実モータ回転角を合わせるときの目標モータ回転角として、内燃機関の始動時の電動モータの初期停止位置に対応した目標モータ回転角を固定値として常時記憶するとともに、電動モータを前記押力が増加する方向に駆動して摩擦多板クラッチが係合する実モータ回転角を検出し、この検出した実モータ回転角から電動モータの初期停止位置に対応する目標モータ回転角を定める電動モータの初期停止位置設定機能を備え、内燃機関の始動後に前記初期停止位置設定機能により、電動モータの初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角を設定し、これ以後は前記新たな目標モータ回転角を電動モータの実モータ回転角を初期停止位置に合わせるときの目標モータ回転角として使用することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記初期停止位置設定機能による電動モータの初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、車両の停止時に実行することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記初期停止位置設定機能による電動モータの初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、車両の走行時に実行するときは、
(1) ステアリング操舵角が所定値以下
(2) 右駆動輪および左駆動輪の回転数差が所定値以下
(3) 駆動輪に生じる駆動力が所定値以下
の三つの条件が全て満たされるときであることを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記初期停止位置設定機能による電動モータの初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、内燃機関の始動後に所定時間が経過する毎に実行することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記初期停止位置設定機能は、電動モータを前記押力が減少する方向に第1の所定モータ回転角だけ駆動した後に前記押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなるときの実モータ回転角を摩擦多板クラッチが係合する実モータ回転角として検出し、この検出した実モータ回転角から前記押力が減少する方向に第2の所定モータ回転角だけ駆動したときの実モータ回転角を電動モータの初期停止位置に対応するモータ回転角として定めることを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
尚、実施の形態の電子制御ユニットUは本発明の制御装置に対応する。
請求項1の構成によれば、内燃機関の始動後に電動モータを押力が増加する方向に駆動して摩擦多板クラッチが係合する実モータ回転角を検出し、この検出した実モータ回転角から電動モータの初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角を設定し、これ以後は前記新たな目標モータ回転角を電動モータの実モータ回転角を初期停止位置に合わせるときの目標モータ回転角として使用するので、内燃機関の始動後に電動モータの初期停止位置を逐次更新し、差動機構の温度変化による部品の伸縮や摩擦多板クラッチの摩擦材の摩耗を考慮した適切な電動モータの初期停止位置を得ることができる。
また請求項2の構成によれば、初期停止位置設定機能による新たな目標モータ回転角の設定を車両の停止時に実行するので、その設定時に摩擦多板クラッチが係合しても操舵トルクが変動することがなく、運転者に不快感を与えるのを防止することができる。
また請求項3の構成によれば、初期停止位置設定機能による目標モータ回転角の設定を車両の走行時に実行するときは、(1) ステアリング操舵角が所定値以下、(2) 右駆動輪および左駆動輪の回転数差が所定値以下、(3) 駆動輪に生じる駆動力が所定値以下、の三つの条件が全て満たされるときに限られるので、その設定時に摩擦多板クラッチが係合しても操舵トルクが変動するのを最小限に抑え、運転者に不快感を与えるのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、初期停止位置設定機能による新たな目標モータ回転角の設定を内燃機関の始動後に所定時間が経過する毎に実行するので、内燃機関の始動後の経過時間に応じて変化する温度による部品の伸縮を考慮し、より適切な電動モータの初期停止位置を得ることができる。
また請求項5の構成によれば、初期停止位置設定機能は、電動モータを押力が減少する方向に第1の所定モータ回転角だけ駆動した後に押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなるときの実モータ回転角を摩擦多板クラッチが係合する実モータ回転角として検出し、この検出した実モータ回転角から押力が減少する方向に第2の所定モータ回転角だけ駆動したときの実モータ回転角を電動モータの初期停止位置に対応するモータ回転角として定めるので、初期停止位置の設定を開始する時点で既に摩擦多板クラッチが係合しているような場合でも、電動モータを押力が減少する方向に前記第1の所定モータ回転角だけ駆動することで、摩擦多板クラッチの係合を一度確実に解除してから初期停止位置の設定を開始することができ、電動モータの初期停止位置の設定精度を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図12は本発明の実施の形態を示すもので、図1は自動車用内燃機関の後面図、図2は差動機構およびアクチュエータの拡大断面図、図3は差動機構の構造を示す図2の3部拡大図、図4はアクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図、図5は摩擦多板クラッチの構造を示す図3の5部拡大図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9は電動モータの制御系のブロック図、図10は実施の形態の作用を説明するフローチャート、図11は初期停止位置制御時の電動モータの回転角の説明図、図12は電動モータの初期停止位置制御の作用説明図である。
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの自動車の車体前部に横置きに搭載された内燃機関Eは、その左側面に変速機Tが一体に結合され、変速機Tの後面に差動機構Dが設けられる。車体中心線から左方向にずれて配置された差動機構Dから右方向にハーフシャフト11(インターミディエイトシャフト)が延びており、ハーフシャフト11に右駆動輪(図示せず)を駆動する右車軸12が接続され、また差動機構Dから左方向に延びる左車軸13を介して左駆動輪(図示せず)が駆動される。ハーフシャフト11の右端はエンジンブロック22に固定したステー10に支持される。
図2を併せて参照すると明らかなように、差動機構Dを収納するハウジング14は、変速機Tのケーシングと一体に形成されたハウジング本体15と、ハウジング本体15の左端開口部を覆うように複数本のボルト16…で固定されたカバープレート17とを備える。差動機構Dの右側に離間して取り付けられたアクチュエータAは、差動機構Dのハウジング本体15の右端開口部に嵌合するアクチュエータケース18と、アクチュエータケース18の右端開口部を覆うように複数本のボルト19…で固定されたアクチュエータカバー20とを備えており、アクチュエータケース18を貫通する複数本のボルト21…でエンジンブロック22に固定される。差動機構DおよびアクチュエータAは差動装置を構成する。
ハウジング14の内部に収納された差動機構Dは、ハウジング本体15にローラベアリング23で支持された右側の第1ケース24と、カバープレート17にローラベアリング25で支持された左側の第2ケース26とを複数本のボルト27…で結合したディファレンシャルケース28を備えており、第1ケース24の外周に変速機Tにより駆動されるアクスルドライブギヤ29が複数本のボルト30で固定される。
次に、図3および図5〜図7を参照して差動機構Dの構造を説明する。
ハウジング14内に収納される差動機構Dは、十字状に交差するように一体化された4本のピニオンシャフト31…を備える。円形断面を有するピニオンシャフト31…は端部に面取31a…が形成されており、その面取31a…が第1ケース24の内周面に形成された4本の支持溝24a…に嵌合する。4本のピニオンシャフト31…には4個のピニオン32…が回転自在に支持される。ピニオン32…と第1ケース24の内周面との間にスペーサ33…が配置されており、これらのスペーサ33…によってピニオン32…の径方向の位置が規制される。
第1ケース24の内部に挿入されたハーフシャフト11の外周は、右側のサイドギヤ34Rにスプライン結合されてスナップリング35で抜け止めされる。また第2ケース26を貫通して第1ケース24の内部に挿入された左車軸13の右端は、クラッチインナー37にスプライン結合されてスナップリング38で抜け止めされる。クラッチインナー37の右側面に左側のサイドギヤ34Lが一体に形成される。左右のサイドギヤ34L,34Rは4個のピニオン32…に噛み合っている。
クラッチインナー37の外周に対向するように第1ケース24の内周にクラッチアウター40が一体に形成されており、クラッチアウター40の内周面に複数枚(実施の形態では5枚)のクラッチプレート41…の外周部がスプライン嵌合するとともに、クラッチインナー37の外周面に複数枚(実施の形態では6枚)のクラッチディスク42…の内周部がスプライン嵌合する。クラッチディスク42…の両面に貼り付けた摩擦材43…がクラッチプレート41…に接触するように、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…は交互に配置される。
クラッチアウター40の内周面にプレッシャプレート44の外周部がスプライン嵌合し、このプレッシャプレート44の左側面は最右端に位置するクラッチディスク42の右側面に当接可能に対向する。プレッシャプレート44の右側面に対向する第1ケース24の内面に、径方向に延びる複数個(実施の形態では4個)の梃子レバー収納凹部24bが形成されており、各々の梃子レバー収納凹部24bの径方向外端に梃子レバー45の径方向外端の支点45aが揺動自在に係合する。
アクチュエータケース18の内部において、ハーフシャフト11の外周にニードルベアリング46(図1参照)を介して第1中空軸47が相対回転自在かつ軸方向移動自在に嵌合する。第1ケース24の内部において、第1中空軸47の左端に第2中空軸48の右端が相対回転不能に凹凸係合し、更に第2中空軸48の左端に第3中空軸49の右端が相対回転不能に凹凸係合する。第2中空軸48の左端側に第1ケース24の内周面に沿うように拡径した拡径部48aが形成されており、第3中空軸49の直径は拡径部48aの最大直径に一致している。
第2中空軸48の拡径部48aに複数個(実施の形態では6個)の貫通孔48bが形成されており、第1ケース24の内面から突出する4個の延出部24c…が貫通孔48bを緩く貫通して拡径部48aの内側に突出する。各々の延出部24cの先端は摩擦ワッシャ50を介して右側のサイドギヤ34Rの背面に当接する。尚、左側のサイドギヤ34Lの背面、つまりクラッチインナー37の左側面は、摩擦ワッシャ51を介して第2ケース26の内面に当接する。
第3中空軸49には、その左端側に開口するU字状の切欠49a…が90°間隔で4個形成されている。これらの切欠49a…によって4本のピニオンシャフト31…と、その外周に嵌合するスペーサ33…との干渉を回避しながら、第3中空軸49は軸方向に移動することができる。そして第3中空軸49の左端に、梃子レバー45の径方向内端に設けられた力点45bを押圧する押圧部49bが形成される。そして梃子レバー45の中間部に、プレッシャプレート44の右側面に当接する作用点45cが設けられる。
このようにして、クラッチインナー37、クラッチアウター40、クラッチプレート41…、クラッチディスク42…、プレッシャプレート44および梃子レバー45…により、左車軸13をディファレンシャルケース28に締結するための摩擦多板クラッチ52が構成される。
次に、図2、図4および図8に基づいて、第1〜第3中空軸47,48,49を介して摩擦多板クラッチ52を係合させるアクチュエータAの構造を説明する。
アクチュエータケース18およびアクチュエータカバー20の内部に延びる第1中空軸47の右端にフランジ部材61が摺動自在に嵌合しており、第1中空軸47にクリップ62で係止したスプリングシート63とフランジ部材61の背面との間にコイルスプリング64が圧縮状態で配置される。
フランジ部材61およびアクチュエータカバー20の内壁面20a間のハーフシャフト11上に、第1カムプレート67および第2カムプレート68がそれぞれニードルベアリング69,70を介して回転自在、かつ軸方向移動自在に支持される。第1カムプレート67はスラストベアリング85を介してフランジ部材61に当接し、第2カムプレート68はスラストベアリング86を介してアクチュエータカバー20の内壁面20aに当接する。第1、第2カムプレート67,68の対向面に傾斜したカム溝67a…,68a…が形成されており、相対向するカム溝67a…,68a…にそれぞれボール71…が収納される。第1、第2カムプレート67,68およびボール71…はボールカム機構72を構成する。
アクチュエータケース18に、第1軸73がボールベアリング74およびニードルベアリング75を介して支持され、また第2軸76がボールベアリング77,78を介して支持される。アクチュエータケース18に支持した電動モータ79の出力軸79aに直列に接続された第1軸73に設けられた第1ギヤ80が、第2軸76に設けられた第2、第3ギヤ81,82のうちの第2ギヤ81に噛合する。また第1、第2カムプレート67,68の外周にそれぞれ第4、第5ギヤ83,84が形成されており、第4ギヤ83が第2軸76の第2ギヤ81に噛合するとともに、第5ギヤ84が第2軸76の第3ギヤ82に噛合する。第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比は僅かに異なっている。
図9に示すように、アクチュエータAの電動モータ79の作動を制御する電子制御ユニットUは、LSD(差動制限)制御部91と、モータ制御部92とを備える。例えばアンチロックブレーキ装置の電子制御ユニットから車輪速信号が入力されたLSD制御部91は、車両の加減速、旋回方向、ヨーレート等に基づいて差動機構Dに発生させるべき目標差動トルクを算出し、この目標差動トルクを電動モータ79の目標モータ回転角に変換する。LSD制御部91が出力する電動モータ79の目標モータ回転角と、レゾルバよりなる回転角センサ65(図4参照)で検出した電動モータ79の実モータ回転角との偏差が入力されるモータ制御部92は、その偏差がゼロに収束するように、モータドライバー93を介して電動モータ79の実モータ回転角をフィードバック制御する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する。
差動機構Dは通常の差動機能に加えて差動制限機能を発揮するもので、その差動制限機能により発生する差動制限トルクはアクチュエータAの作動により発生する。
先ず、差動機構Dの通常の差動機能について説明する。
内燃機関Eの駆動力が変速機Tを介して差動機構Dのアクスルドライブギヤ29に入力されると、アクスルドライブギヤ29にボルト30…で結合されたディファレンシャルケース28が回転する。車両が直進状態にあるとき、4個のピニオン32…はピニオンシャフト31…に対して回転せず、ピニオン32…に噛み合う左側のサイドギヤ34Lと一体の左車軸13と、ピニオン32…に噛み合う右側のサイドギヤ34Rと一体のハーフシャフト11とは同速で回転し、左右の駆動輪に駆動力が均等に配分される。
例えば、車両が左旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が減速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が増速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。同様に、車両が右旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が増速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が減速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。
次に、アクチュエータAの作動により発生する差動制限機能について説明する。
アクチュエータAの電動モータ79を駆動すると、その出力軸79aに結合した第1軸73の第1ギヤ80の回転が第2ギヤ81に伝達されて第2軸76が回転する。第2軸76が回転すると、第2ギヤ81および第4ギヤ83を介して第1カムプレート67が回転し、かつ第3ギヤ82および第5ギヤ84を介して第2カムプレート68が回転するが、第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比とが僅かに異なっているため、ボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68が相対回転する。その結果、第1、第2カムプレート67,68のカム溝67a…,68a…の相対位置が、図8(A)の状態から図8(B)の状態に変化し、ボール71…によって第1、第2カムプレート67,68が相互に離反する方向に駆動される。
ボールカム機構72により発生する右向きの荷重を受けた第2カムプレート68は、アクチュエータカバー20によって右方向への移動を阻止される。従って、ボールカム機構72により発生する左向きの荷重、つまり摩擦多板クラッチ52を係合させる押力を受けた第1カムプレート67は左方向に移動し、スラストベアリング85およびフランジ部材61を介して第1中空軸47を左方向に押圧する。
アクチュエータAによって第1中空軸47に左向きの押力が作用すると、第1中空軸47に結合された第2中空軸48および第3中空軸49が左方向に移動し、第3中空軸49の左端に設けた押圧部49b…が4個の梃子レバー45…の力点45b…を押圧する。その結果、各梃子レバー45は支点45aを中心に揺動し、その作用点45cがプレッシャプレート44を左方向に押圧することで、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が相互に密着し、クラッチインナー37およびクラッチアウター40が一体に結合される。
梃子レバー45の支点45aおよび力点45b間の距離L1は、支点45aおよび作用点45c間の距離L2よりも大きく設定されているため、梃子レバー45に入力される押力F1をL1/L2倍に倍力した押力F2でプレッシャプレート44を押圧することができ、これによりアクチュエータAの電動モータ79を小型化しても摩擦多板クラッチ52に充分な押力を加えることができる。
このようにして摩擦多板クラッチ52が係合すると、クラッチインナー37と一体の左車軸13がディファレンシャルケース28と一体化されることで、左車軸13とハーフシャフト11とが、つまり左車軸13と右車軸12とが相対回転不能に一体化され、差動機構Dの差動機能が制限されてぬかるみ等の軟弱地からの脱出を可能にしたり、高速直線走行時の安定性を高めたりすることができる。このとき、電動モータ79を駆動する電流を制御してアクチュエータAが発生する押力を変化させ、摩擦多板クラッチ52に所定のスリップを発生させることで、差動機構Dに任意の大きさの差動制限トルクを発揮させることができる。
以上のように、アクチュエータAが発生した摩擦多板クラッチ52の押力を、内燃機関Eの駆動力が伝達されるハーフシャフト11を介さずに、そのハーフシャフト11の外周に軸方向移動可能かつ相対回転可能に配置された第1〜第3中空軸47,48,49を介して伝達するので、内燃機関Eの駆動力を伝達することでハーフシャフト11のスプライン結合部に作用する摩擦力でアクチュエータAが発生する押力が減じられることがなくなり、摩擦多板クラッチ52を安定良く係合させることが可能になる。
ところで、摩擦多板クラッチ52の係合応答性をできるだけ高めるには、差動機構Dに差動制限力を付与しないときの電動モータ79の停止位置である初期停止位置を、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が接触しない範囲で両者間のクリアランスができるだけ小さくなるように設定することが望ましい。但し、クリアランスは差動機構Dの温度変化に伴う部品の熱膨張により変動し、またクリアランスは摩擦多板クラッチ52の使用に伴ってクラッチディスク42…に貼り付けた摩擦材43…が摩耗するのに応じて変動するため、電動モータ79の初期停止位置を一律に設定するだけではクリアランスを小さくすることは困難である。この問題を解消するための電動モータ79の初期停止位置の設定手法を以下に説明する。
先ず、図10のフローチャートに基づいて、電動モータ79の初期停止位置(以下、ゼロ点とも言う)の設定手法を説明する。尚、このルーチンはシステムの通電中に1msec周期で実行される。
ステップS1で今回イグニッションスイッチがONでなく、内燃機関Eの始動前の状態であるとき、電動モータ79のゼロ点の設定は行わない。前記ステップS1で今回イグニッションスイッチがONしており、かつステップS2で前回イグニッションスイッチがOFFしているとき、つまり今回内燃機関Eが始動したとき、ステップS3で電子制御ユニットUの不揮発メモリに予め記憶されているゼロ点(固定値)に基づいて電動モータ79のゼロ点を設定する。具体的には、摩擦多板クラッチ52を係合解除する方向に電動モータ79を駆動し、ボールカム機構72のボール71がカム溝67a,67bの端部に突き当たって目標モータ回転角が実モータ回転角に追従しなくなる位置まで戻してから、不揮発メモリに予め記憶されているゼロ点まで摩擦多板クラッチ52を係合させる方向に電動モータ79を駆動する。このときのゼロ点は、個々の差動機構Dに固有の値として工場での組立時やメンテナンス時に記憶されるもので、差動機構Dの温度により摩擦多板クラッチ52のクリアランスが最も小さくなっている状態でも、その摩擦多板クラッチ52が係合しない位置に余裕を持って設定される。そして続くステップS8で後述する経過時間カウンタを0にリセットする。
前記ステップS2で前回イグニッションスイッチがOFFでないとき、つまり内燃機関Eの始動後には、ステップS4で前記経過時間カウンタのカウント値が所定時間(実施の形態では10min)と比較さる。経過時間が所定時間である10min以上になっていれば、ステップS5で車両の走行中にゼロ点の設定を行うか否かを判定する。
走行中にゼロ点の設定を行うのは、以下の(1) 、(2) 、(3) の三つの条件が全て成立したときである。
(1) ステアリング操舵角が所定値以下
(2) 右駆動輪および左駆動輪の回転数差が所定値以下
(3) 駆動輪に生じる駆動力が所定値以下
上記(1) のステアリング操舵角の所定値は、例えば±5°である。この所定値は、車輪のスリップアングルから発生するサイドフォースを、運転者がステアリング反力として感じない範囲に設定される。
上記(2) の右駆動輪および左駆動輪の回転数差の所定値は、例えば5rpmである。ステアリング操舵角が小さくても、片輪氷結路のようなスプリットμ路では、左右一方の車輪がスリップすることで左右輪の回転数差が発生し、このような状態で差動制限トルクが発生すると、運転者は操舵トルクの変動として感じる場合がある。よって前記所定値は、運転者が操舵トルクの変動を感じない範囲に設定される。
上記(3) の駆動輪に生じる駆動力の所定値は、タイヤが路面を蹴る力、つまりタイヤのトルクをタイヤの半径で除した値に換算して、例えば300Nである。駆動輪に生じる駆動力が大きい状態で差動制限トルクが発生すると、操舵トルクを含む車両挙動に変化が生じ易いので、前記所定値は運転者が車両挙動の変化を感じない範囲(具体的にはタイヤの転がり抵抗に相当する駆動力)に設定される。尚、駆動輪に生じる駆動トルクは、エンジン回転数、吸気負圧、可変動弁機構の作動状態に基づいて内燃機関Eの出力マップから検索したエンジントルクに、ギヤポジション情報やブレーキ情報を考慮して算出することができる。
前記ステップS5で(1) 、(2) 、(3) の何れかの条件が成立しない場合には、ステップS6で車両の停止中にゼロ点の設定を行うか否かを判定する。
停止中にゼロ点の設定を行う条件は、以下の(1) 、(2) 、(3) の三つの条件が全て成立したときである。
(1) 車速がゼロ(または微小な所定値以下)
(2) ギヤポジションがNポジションあるいはPポジション(オートマチックトランスミッションの場合)
(3) ブレーキ作動中(ブレーキスイッチがON)
しかして、前記ステップS5で走行中にゼロ点の設定を行うべきと判定された場合と、前記ステップS6で停止中にゼロ点の設定を行うべきと判定された場合とには、ステップS7で電動モータ79のゼロ点の設定を実行する。具体的には、電動モータ79を摩擦多板クラッチ52を係合解除する方向に前回のゼロ点から第1の所定モータ回転角(実施の形態では300°)だけ駆動した後に、電動モータ79を摩擦多板クラッチ52を係合させる方向に駆動する。
この電動モータ79の駆動によりボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68は相互に離反するように移動し、摩擦多板クラッチ52のクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が係合して密着する方向に圧縮される。そしてクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…がそれ以上圧縮できない限界位置に達すると実モータ回転角が目標モータ回転角に追従できなくなり、両者の偏差が次第に増加する。そして前記偏差が所定の閾値(例えば、60deg)を越えると摩擦多板クラッチ52が完全に係合したと判断し、その位置で電動モータ79を停止させる。
続いて電動モータ79を摩擦多板クラッチ52を係合解除する方向に、第2の所定モータ回転角(実施の形態では255°)だけ回転させ、その位置を新たなゼロ点とする。そしてステップS8で経過時間カウンタを0にリセットする。
差動機構Dの温度変化に伴う部品の伸縮により、摩擦多板クラッチ52が係合するときの実モータ回転角が変化する。前記第1の所定モータ回転角は、前記実モータ回転角の変化幅の最大値として設定されるもので、現在のゼロ点で既に摩擦多板クラッチ52が係合してしまっている場合の対策である。
また前記第2の所定モータ回転角は、実験的に設定されるものである。即ち、第2カムプレート68とアクチュエータカバー20の内壁面20aとの間に実験用のロードセルを仮に配置しておき、摩擦多版クラッチ52が完全に係合する位置から電動モータ79を逆回転させてロードセルにより検出される荷重を監視し、その荷重がゼロになったときの電動モータ79の逆回転角を前記第2の所定モータ回転角とする。
上述した図10のフローチャートのルーチンの実行後に差動制限制御に移行するが、内燃機関Eの始動後の差動制限力を付与しないときの電動モータ79の位置(実モータ回転角)を初期停止位置(ゼロ点)に対応した目標モータ回転角に合わせる動作は、この差動制限制御の中で行われる。
図10のフローチャートに基づいて説明した作用を、図11および図12に基づいて再度説明する。
図11のa点を前回のゼロ点としたとき、摩擦多板クラッチ52のクリアランスは、図12(A)に示すように過大であるとする。この状態から電動モータ79を第1の所定モータ回転角だけ逆転させて図11のb点で停止させた後、電動モータ79正転させて摩擦多板クラッチ52を図11のc点で完全に係合させると、摩擦多板クラッチ52のクリアランスは、図12(B)に示すようにゼロになる。続いて電動モータ79を第2の所定モータ回転角だけ再び逆転させて図11のd点、つまり今回の新しいゼロ点で停止させると、そのときの摩擦多板クラッチ52のクリアランスは図12(C)に示すように最適の大きさに設定される。
以上のように、内燃機関Eの始動後に所定の時間が経過する毎にゼロ点の再設定が行われるので、差動機構Dの温度が変化して摩擦多板クラッチ52のクリアランスが変動しても、それじ応じて常に最適のゼロ点を設定することができ、摩擦多板クラッチ52の引きずりを防止しながら、必要最小限のクリアランスを確保して摩擦多板クラッチ52の係合応答性を高めることができる。しかも摩擦多板クラッチ52の摩擦材43…が摩耗してクリアランスが変動した場合にも、それに応じて常に最適のゼロ点を設定することができる。
またゼロ点の再設定を行う際に摩擦多板クラッチ52を一旦係合させる必要があるが、それを車両の停止中に行うことで、摩擦多板クラッチ52の係合に伴い操舵トルクが変動して運転者に不快感を与えるのを防止することができる。また車両の走行中のゼロ点の再設定は、ステアリング操舵角が所定値以下であり、右駆動輪および左駆動輪の回転数差が所定値以下であり、かつ駆動輪に生じる駆動力が所定値以下の状態に限って行われるので、摩擦多板クラッチ52が係合しても操舵トルクの変動を最小限に抑え、運転者の不快感を解消することができる。
尚、前記ステップS7におけるゼロ点の再設定中に、前記ステップS5あるいは前記ステップS6の条件が外れた場合には、その時点でゼロ点の再設定は中止される。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では回転角センサ65を電動モータ79の出力軸79aに設けているが、電動モータ79の出力軸79aからボールカム機構72のへの動力伝達経路の任意の位置に配置することができる。
自動車用内燃機関の後面図 差動機構およびアクチュエータの拡大断面図 差動機構の構造を示す図2の3部拡大図 アクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図 摩擦多板クラッチの構造を示す図3の5部拡大図 図3の6−6線断面図 図3の7−7線断面図 図4の8−8線断面図 電動モータの制御系のブロック図 実施の形態の作用を説明するフローチャート 初期停止位置制御時の電動モータの回転角の説明図 電動モータの初期停止位置制御の作用説明図
符号の説明
52 摩擦多板クラッチ
65 回転角センサ
67 第1カムプレート
67a カム溝
68 第2カムプレート
67b カム溝
71 ボール
72 ボールカム機構
79 電動モータ
D 差動機構
E 内燃機関
U 電子制御ユニット(制御装置)

Claims (5)

  1. 内燃機関(E)の出力を左右の駆動輪へ駆動力として分配する差動機構(D)と;
    前記差動機構(D)の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチ(52)と;
    第1カムプレート(67)および第2カムプレート(68)と、これらカムプレート(67,68)の各々に相対向するように形成されたカム溝(67a,67b)に収納されるボール(71)とを備え、電動モータ(79)の回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチ(52)を係合させるボールカム機構(72)と;
    電動モータ(79)の実モータ回転角を検出する回転角センサ(65)と;
    電動モータ(79)へ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータ(79)の実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置(U)と;
    を備える差動制限機構付き差動装置において、
    前記制御装置(U)は、差動機構(D)に差動制限力を付与しないときの電動モータ(79)の停止位置である初期停止位置に実モータ回転角を合わせるときの目標モータ回転角として、内燃機関(E)の始動時の電動モータ(79)の初期停止位置に対応した目標モータ回転角を固定値として常時記憶するとともに、電動モータ(79)を前記押力が増加する方向に駆動して摩擦多板クラッチ(52)が係合する実モータ回転角を検出し、この検出した実モータ回転角から電動モータ(79)の初期停止位置に対応する目標モータ回転角を定める電動モータ(79)の初期停止位置設定機能を備え、内燃機関(E)の始動後に前記初期停止位置設定機能により、電動モータ(79)の初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角を設定し、これ以後は前記新たな目標モータ回転角を電動モータ(79)の実モータ回転角を初期停止位置に合わせるときの目標モータ回転角として使用することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  2. 前記初期停止位置設定機能による電動モータ(79)の初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、車両の停止時に実行することを特徴とする、請求項1に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  3. 前記初期停止位置設定機能による電動モータ(79)の初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、車両の走行時に実行するときは、
    (1) ステアリング操舵角が所定値以下
    (2) 右駆動輪および左駆動輪の回転数差が所定値以下
    (3) 駆動輪に生じる駆動力が所定値以下
    の三つの条件が全て満たされるときであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  4. 前記初期停止位置設定機能による電動モータ(79)の初期停止位置に対応する新たな目標モータ回転角の設定を、内燃機関(E)の始動後に所定時間が経過する毎に実行することを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  5. 前記初期停止位置設定機能は、電動モータ(79)を前記押力が減少する方向に第1の所定モータ回転角だけ駆動した後に前記押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなるときの実モータ回転角を摩擦多板クラッチ(52)が係合する実モータ回転角として検出し、この検出した実モータ回転角から前記押力が減少する方向に第2の所定モータ回転角だけ駆動したときの実モータ回転角を電動モータ(79)の初期停止位置に対応するモータ回転角として定めることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013087477A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Omron Automotive Electronics Co Ltd 電子制御装置

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