JP5056674B2 - 接合不良のないバンプの形成方法 - Google Patents
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Description
(イ)Sn−Ag合金下地層は、Sn下地層に比べて鉛フリーはんだに対する濡れ性が一層優れ、したがって、Cu配線5に対して一層確実に接合して接合不良のないバンプを形成することができる、
(ロ)このSn−Ag合金下地層を形成するには、図1に示されるように置換メッキにより形成されたSn下地層2の上に極めて薄いAg層9を形成し、このAg層9およびSn下地層2からなる複合層を加熱してAgをSn下地層2に拡散させることにより図2に示されるようにSn−Ag合金下地層10を形成することができ、また、このSn−Ag合金下地層10はSn−Ag合金を置換めっきすることにより直接Cu配線5に形成することができる、
(ハ)形成されたSn−Ag合金下地層10から放射されるα線量についてもバンプと同様に少ないことが好ましく、0.02cph/cm2以下の低α線放射量を示すことが好ましい、などの研究結果が得られたのである。
(1)基板の上に形成されているCu配線に下地層を形成し、この下地層上に鉛フリーはんだバンプを形成する方法において、前記下地層はSn−Ag合金下地層であり、
前記Sn−Ag合金下地層は、置換めっき法によりSn下地層を形成し、このSn下地層の上にAg層を形成して複合層を形成し、得られた複合層を加熱してAgをSn下地層に拡散させることにより形成する接合不良のないバンプの形成方法、
(2)前記Sn−Ag合金下地層は、α線放射量が0.02cph/cm2以下の低α線放射量を示す前記(1)に記載の接合不良のないバンプの形成方法、に特徴を有するものである。
この発明の接合不良のないバンプの形成方法は、図3に示されるように、従来のSn下地層2に代えてSn−Ag合金下地層10を形成する点が相違する。このSn−Ag合金下地層10を形成するには、先に述べたように、図1に示されるように置換メッキにより形成されたSn下地層2の上にさらに極めて薄いAg層9を形成し、このAg層9およびSn下地層2からなる複合層を加熱してAgをSn下地層2に拡散させることにより図2に示されるようにSn−Ag合金下地層10を形成する。このSn−Ag合金下地層10はSn−Ag合金を置換めっきすることにより直接Cu配線5に形成することによっても形成することができる。
次に、図2に示されるソルダーレジスト6とソルダーレジスト6の間の溝7内部に形成されたSn−Ag合金下地層10の上に、図3に示されるようにはんだペースト8を印刷法などの方法により充填する。鉛フリーはんだペースト8は鉛フリーはんだ粉末にフラックスを混合したもの従来法で使用されたものと同じであり、市販されている。この図3に示される鉛フリーはんだペースト8を充填したものをリフロー処理すると、鉛フリーはんだペースト8は溶融し、図4に示されるようにSn−Ag合金下地層10の上に接合不良のないバンプ3が生成する。このとき形成されるSn−Ag合金下地層10はAg:2〜5質量%を含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなる成分組成を有することが好ましい。Sn−Ag合金下地層に含まれるAgを2〜5質量%に定めたのは、Ag含有量が2質量%未満では鉛フリーはんだペーストに対する十分な濡れ性が得られないからであり、一方、5質量%を超えて含有すると融点が上昇して鉛フリーはんだペーストのリフロー処理温度程度の加熱では下地層として機能しなくなるので好ましくないからである。
前記Sn−Ag合金下地層は、通常、市販の置換めっき液を購入し、この置換めっき液を使用してSn−Ag合金下地層を形成している。しかし、市販の置換めっき液を使用して形成したSn−Ag合金下地層からは大量のα線が放射され、半導体装置の誤作動を引き起こすことがある。したがって、この発明で使用する置換めっき液はα線放射量の少ないSn原料およびAg原料を使用して作製した置換めっき液を使用する必要があり、この置換めっき液を使用して形成したSn−Ag合金下地層から放射されるα線放射量を0.02cph/cm2以下に抑える必要がある。
塩化錫:10g/L、チオ尿素酸:80g/L、塩酸:15g/Lおよび次亜リン酸Na:15g/Lを含むSn置換めっき液、
硝酸銀:2g/L、N−アセチル−L−システイン:4.9g/L、2−アミノエタンチオール:7.9g/Lを含むAg置換めっき液、
塩化錫:10g/L、酢酸銀:1.3g/L、チオ尿素酸:80g/L、塩酸:15g/Lおよび次亜リン酸Na:15g/Lを含むSnAg置換めっき液を作製した。
さらに、純度:99.99質量%以上の純銅板を用意した。
純銅板を温度:65℃に加熱されたSn置換めっき液に10分間浸漬してSn置換めっき層を形成し、さらにこのSn置換めっき層を形成した純銅板を温度:25℃に保持された先のAg置換めっき液に1分間浸漬してSn置換めっき層の上にAg置換めっき層を形成して複合めっき層を形成し、この複合めっき層を温度:240℃で10秒間に加熱することによりSn−Ag合金下地層を形成した。このSn−Ag合金下地層のα線放射量を測定した結果、0.02cph/cm2以下であった。
さらに、平均粒径:4.5μmを有し、Ag:3質量%、Cu:0.5質量%を含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなる成分組成を有する鉛フリーはんだ合金粉末とフラックスとからなる市販の鉛フリーはんだペーストを用意した。
この市販の鉛フリーはんだペースト:0.001mm3を、Sn−Ag合金下地層を形成した純銅板の上に載せ、純銅板を温度:240℃で2分間保持し、鉛フリーはんだペーストに含まれる鉛フリーはんだ粉末が溶融してSn−Ag合金下地層を形成した純銅板の上に予め用意した直径:0.6mmのパターンを完全に覆う時間を測定し、その結果を表1に示して濡れ性を評価した。
純銅板を温度:65℃に加熱された先のSn−Ag置換めっき液に10分間浸漬して純銅板の表面にSn―Ag合金下地層を形成した。このSn−Ag合金下地層のα線放射量を測定した結果、0.02cph/cm2以下であった。さらに、実施例1で用意した市販のはんだペースト:0.001mm3を、Sn−Ag合金層を形成した純銅板の上に載せ、純銅板を温度:240℃で2分間保持し、鉛フリーはんだペーストに含まれる鉛フリーはんだ粉末が溶融してSn−Ag合金下地層を形成した純銅板の上に予め用意した直径:0.6mmのパターンを完全に覆う時間を測定し、その結果を表1に示して濡れ性を評価した。
純銅板を温度:65℃に加熱されたSn置換めっき液に10分間浸漬して純銅板の上にSn下地層を形成した。このSn下地層のα線放射量を測定した結果、0.02cph/cm2以下であった。実施例1で用意した市販のはんだペースト:0.001mm3を、Sn下地層を形成した純銅板の上に載せ、純銅板を温度:240℃で2分間保持し、ペーストに含まれる鉛フリーはんだ合金が溶融してSn下地層を形成した純銅板の上に予め用意した直径:0.6mmのパターンを完全に覆う時間を測定し、その結果を表1に示して濡れ性を評価した。
Claims (2)
- 基板の上に形成されているCu配線に下地層を形成し、この下地層上に鉛フリーはんだバンプを形成する方法において、前記下地層はSn−Ag合金下地層であり、
前記Sn−Ag合金下地層は、置換めっき法によりSn下地層を形成し、このSn下地層の上にAg層を形成して複合層を形成し、得られた複合層を加熱してAgをSn下地層に拡散させることにより形成することを特徴とする接合不良のないバンプの形成方法。 - 前記Sn−Ag合金下地層は、α線放射量が0.02cph/cm2以下の低α線放射量を示すことを特徴とする請求項1に記載の接合不良のないバンプの形成方法。
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