JP5055408B2 - 映像処理装置、映像処理方法、映像処理プログラム、記憶媒体 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態1に係る映像処理装置100の機能ブロック図である。映像処理装置100は、入力された映像信号のノイズを補正する装置であり、映像取得部110、復号処理部120、量子化パラメータ取得部130、記憶部140、ノイズ量算出部150、ノイズ低減処理部160を備える。
一般に、映像信号を符号化する際には、量子化処理を実施する。この処理は、映像信号の高周波成分を間引いて情報量を圧縮するのが主な目的であるといえる。例えば、各周波数成分の振幅値を量子化パラメータで除算し、振幅値のスケールを小さくする。これにより、各周波数成分の振幅値を表現するために必要なビット数が減り、また微小な振幅値は0で近似して簡易化するなどの処理を施すことができる。結果として、映像を表現するために必要な情報量を削減することができる。
以下では、映像処理装置100がノイズ量を算出し、そのノイズ量を用いてノイズ低減処理を実施する手順を説明する。
映像取得部110は、任意の映像信号源から映像信号を取得する。
復号処理部120は、映像取得部110が取得した映像信号を復号化する。量子化パラメータ取得部130は、映像信号を復号化する過程で得られる量子化パラメータを取得する。映像内のブロック毎に量子化パラメータが設定されている場合は、各ブロックの量子化パラメータを取得する。
量子化パラメータ取得部130が量子化パラメータを取得する手法は、符号化手法によって異なる。例えば先に述べたように、映像信号そのものに量子化パラメータが記録されている場合は、その値を取得すればよい。必ずしも映像信号そのものから量子化パラメータを導出する必要はないが、いずれの符号化手法が採用されている場合であっても、復号処理を実施する際に量子化パラメータの値が必要となるので、その値を取得すればよい。
ノイズ量算出部150は、量子化パラメータ取得部130が取得した量子化パラメータを取得する。また、記憶部140から、量子化パラメータに基づき当該映像のノイズ量を算出するための閾値を取得する。
ノイズ量算出部150は、当該映像内の映像ブロックのうち、量子化パラメータの値が上記閾値を超えているブロックの数をカウントする。ノイズ量算出部150は、そのカウント結果を用いて、当該映像のノイズ量を算出する。
量子化パラメータの値が閾値を超えているブロックが多いということは、高周波成分を多く除去されているブロック数が多いということである。高周波成分が多く除去されたブロックを復号すると、符号化前後の差異が大きくなると考えられるので、当該ブロックは復号化後のノイズが大きいものとして取り扱う。ノイズが大きいブロックが多いほど、当該映像全体のノイズ量は大きいと考えられるので、量子化パラメータが閾値を超えているブロック数をもって、ノイズ量と定義することにした。
量子化パラメータが閾値を超えているブロック数そのものをノイズ量としてもよいし、これに何らかの演算式を適用してノイズ量を改めて算出してもよい。いずれの場合でも、量子化パラメータが閾値を超えているブロック数に基づき、当該映像のノイズ量を算出する点は共通である。この点は、以下の実施形態でも同様である。
ノイズ低減処理部160は、ノイズ量算出部150が算出したノイズ量に応じて、当該映像のノイズを低減する量を調整した上で、ノイズ低減処理を実施する。具体的には、当該映像のノイズ量が大きければ、ノイズ低減処理の強度をより強くする。例えば、高周波フィルタで除去する高周波成分の低減量(フィルタゲイン)を大きくする。
量子化処理は、符号化過程において高周波成分を除去する処理であるため、本ステップにおいて高周波成分を除去する量を増やすのは、2重に高周波成分を除去しているかのようにも思える。しかし、符号化過程において高周波成分を除去した映像を復号化すると、元の高周波成分が符号化過程で失われているがゆえに、かえって高周波ノイズが生じてしまう場合がある。この典型的な例として、画像がブロック境界で格子状に区切られているかのように見える、ブロックノイズがある。このように、復号化後に生じるノイズを効果的に除去するためにも、本ステップは必要であると考えられる。
復号化後のノイズ量を算出する基準として、本実施形態1では量子化パラメータを用いている。この理由は、復号側で量子化パラメータを必ず取得できる点のほか、量子化パラメータが情報圧縮の程度を示唆する点も加味している。すなわち、量子化パラメータの値が大きいということは、高周波成分がより多く除去されていることになるので、復号化後により多くのノイズが発生すると考えられる。したがって、量子化パラメータの大小に基づきノイズ量を推定することは、妥当性があると考えられる。本発明は、これら2重の利点を効果的に享受することができる点で、有利であると考える。
以上のように、本実施形態1に係る映像処理装置100は、量子化パラメータの値が閾値を超えているブロック数を用いて、当該映像のノイズ量を算出する。映像符号化の過程で量子化処理を実施している場合、復号側でもその量子化パラメータを取得できるようになっていると思われるので、ノイズ量を算出するために特殊な情報を用いたり、独自の算出手法を採用したりする必要がなくなり、確実にノイズ量を算出することができる。
実施形態1では、量子化パラメータが閾値を超えているか否かを基準として、ノイズ量を算出した。本発明の実施形態2では、量子化パラメータの値をその大小に基づき複数レベルに段階分けし、各レベルに付与した重み付け係数を乗算した上で集計する。これにより、当該映像のノイズの程度をより詳細に分析し、復号化後のノイズ量をより適正に算出することを図る。映像処理装置100の構成は実施形態1と同様であるため、以下では上記算出手法にかかる差異点を中心に説明する。
映像取得部110が映像信号を取得すると、本動作フローが開始される。復号処理部120は、映像取得部110が取得した映像信号を復号化する。
量子化パラメータ取得部130は、実施形態1で説明したように、復号処理の過程で得られる各映像ブロックの量子化パラメータを取得する。
ノイズ量算出部150は、量子化パラメータ取得部130が取得した、各映像ブロックの量子化パラメータの値を、その大小によって複数レベルに区分けする。ここでは3レベルに区分けする例を示したが、これに限られるものではない。ノイズ量算出部150は、当該量子化パラメータの値が3レベルのいずれに属するかを判定する。
ノイズ量算出部150は、当該量子化パラメータの値が属するレベルに応じて、あらかじめ定めておいた重み付け係数を当該量子化パラメータに乗算する。実施形態1では量子化パラメータの値をそのまま用いていたところ、本実施形態2では重み付け係数を乗じた後の値を用いる。これにより、重み付け係数を調整するなどして、ノイズ量を算出する過程をよりきめ細かく調整することができる。
本ステップにおける重み付け係数は、必ずしも全てのブロックについて共通でなくともよい。例えば、重要度が低いと思われるブロックについては各レベルの重み付け係数を全体的に小さくし、重要度が高いと思われるブロックについては、LV2〜3を他のブロックよりも高めに設定する、などの調整を施すこともできる。
重み付け係数の値は、記憶部140などの記憶装置にあらかじめ格納しておき、必要なときに適宜読み出せばよい。
ノイズ量算出部150は、以上のステップを画面全体のブロックに対して実施完了したか否かを判定する。完了していなければステップS202に戻って同様の処理を繰り返し、完了していればステップS209へ進む。
ノイズ量算出部150は、実施形態1と同様に、量子化パラメータの値が閾値を超えているブロック数をカウントし、その結果に基づき当該映像のノイズ量を算出する。実施形態1と異なるのは、本実施形態では重み付け係数を量子化パラメータに乗算した上で閾値と比較する点である。ノイズ低減処理部160の処理は、実施形態1と同様である。
以上のように、本実施形態2によれば、ノイズ量算出部150は、量子化パラメータをレベル分けし、各レベルに重み付け係数を割り当てる。ノイズ量算出部150は、量子化パラメータと重み付け係数を乗算した結果を集計して、当該映像のノイズ量を算出する。これにより、記憶部140が格納している閾値に加えて重み付け係数も調整することができるので、ノイズ量を算出する過程をより細かく調整することができる。
実施の形態1〜2では、量子化パラメータが閾値を超えたブロック数をカウントし、その値を当該映像のノイズ量として採用することとした。その他の変形例として、量子化パラメータが閾値を超えたブロック数をカウントし、その値を総ブロック数で除算した値、すなわち量子化パラメータが大きいブロックが全体に占める割合を、ノイズ量として定義することもできる。
図3は、本発明の実施形態4に係る映像処理装置100の機能ブロック図である。本実施形態4における映像処理装置100は、実施形態1〜3で説明した構成において、ノイズ低減処理部160の内部機能として、高周波フィルタ161とエッジフィルタ162を備える。その他の構成は、実施形態1〜3と同様である。
以上のように、本実施形態4によれば、ノイズ量算出部150は、算出したノイズ量に基づき、各ノイズフィルタのフィルタゲインを調整する。これにより、算出したノイズ量に合わせてノイズ補正処理量を調整することができる。
図4は、本発明の実施形態5に係る映像処理装置100の機能ブロック図である。本実施形態5における映像処理装置100は、実施形態1〜4で説明した構成に加え、新たにコアリング処理部171とシャープネス処理部172を備える。その他の構成は、実施形態1〜4と同様である。
以上のように、本実施形態5によれば、ノイズ量算出部150の算出結果にしたがって高周波ノイズを低減する処理を施した上で、さらにシャープネス処理部172によって輪郭強調処理を施すことにより、ノイズを除去しつつ鮮明な映像を得ることができる。
実施形態4〜5では、高周波フィルタ161、エッジフィルタ162、コアリング処理部171、およびシャープネス処理部172の処理対象は、映像の画面全体であるものとしたが、これら各部の処理対象を、画面の一部のブロックのみに限定してもよい。例えば量子化パラメータの値(または重み付け後の量子化パラメータの値)が閾値を超えているブロックに対してのみ、上記各部の処理を施すようにしてもよい。
図5は、本発明に係る映像処理装置100が実施する映像補正量と、当該映像のノイズ量との関係を概念的に示す図である。
以上の実施形態1〜7において、映像取得部110が映像信号を取得する取得元として以下のような例が考えられる。
(映像信号源の例1)アナログ映像放送波から映像信号を取得する。
(映像信号源の例2)デジタル映像放送波から映像信号を取得する。
(映像信号源の例3)Blu−ray(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk:登録商標)、HDDなどの記憶媒体に記録されている映像信号を取得する。
(映像信号源の例4)IP放送波、CATV放送波などの放送波から映像信号を取得する。
(映像信号源の例5)外付け映像記録装置、外付け映像取得装置などの外部装置から、映像信号を取得する。
以上の実施の形態1〜8で説明した映像処理装置100の各機能部の処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して、この記憶媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各機能部の処理を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
Claims (13)
- 映像を処理する装置であって、
映像を信号化した映像信号を受け取る映像取得部と、
前記映像内のブロック毎の量子化パラメータを取得する量子化パラメータ取得部と、
前記映像を復号して得られる復号映像内のノイズ量を算出するための閾値を記憶する記憶部と、
前記量子化パラメータおよび前記閾値を用いて前記ノイズ量を算出するノイズ量算出部と、
前記ノイズ量算出部が算出したノイズ量に応じて前記ノイズの低減処理を実施するノイズ低減処理部と、
を備え、
前記ノイズ量算出部は、
前記量子化パラメータの値が前記閾値を超えている前記ブロックの数に基づき、前記ノイズ量を算出し、
前記ノイズ低減処理部は、
前記ノイズ量が大きくなるほど、前記ノイズを低減させる量を増加させる
ことを特徴とする映像処理装置。 - 前記ノイズ量算出部は、前記ノイズ量を算出する際に、
前記映像内のブロック毎の量子化パラメータの値を複数レベルに段階分けし、
前記レベルそれぞれに異なる重み係数を割り当て、
前記ブロックの量子化パラメータの値に、当該量子化パラメータが属する前記レベルに割り当てた前記重み係数を乗算した値が、前記閾値を超えている前記ブロックの数をカウントし、そのカウント結果を用いて前記ノイズ量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ量算出部は、前記ノイズ量を算出する際に、
前記量子化パラメータが前記閾値を超えている前記ブロックの数が、前記映像内の全ブロック数に対して占める割合を用いて、前記ノイズ量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ量算出部は、前記ノイズ量を算出する際に、
前記映像内のブロック毎の量子化パラメータを複数レベルに段階分けし、
前記レベルそれぞれに異なる重み係数を割り当て、
前記ブロックの量子化パラメータの値に、当該量子化パラメータが属する前記レベルに割り当てた前記重み係数を乗算した値が、前記閾値を超えている前記ブロックの数をカウントし、そのカウント結果を前記映像内の全ブロック数で除算した値を用いて、前記ノイズ量を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像の高周波成分を除去する高周波フィルタを備え、
前記ノイズ量の大きさに合わせて前記高周波フィルタが前記高周波成分を除去する量を加減する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像の輪郭部分のノイズを除去するエッジフィルタを備え、
前記ノイズ量の大きさに合わせて前記エッジフィルタが前記輪郭部分のノイズを除去する量を加減する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像の全画面に対してコアリング処理を実施するコアリング部を備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像内のブロックのうち前記量子化パラメータが前記閾値を超えているブロックに対してコアリング処理を実施するコアリング部を備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像の全画面に対して輪郭強調処理を実施するシャープネス処理部を備える
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 前記ノイズ低減処理部は、
前記映像内のブロックのうち前記量子化パラメータが前記閾値を超えているブロックに対して輪郭強調処理を実施するシャープネス処理部を備える
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項記載の映像処理装置。 - 映像を処理する方法であって、
映像を信号化した映像信号を受け取るステップと、
前記映像内のブロック毎の量子化パラメータを取得する量子化パラメータ取得ステップと、
前記映像を復号して得られる復号映像内のブロックにノイズが基準値よりも多く存在しているか否かを判定するための閾値を記憶した記憶装置から前記閾値を取得するステップと、
前記量子化パラメータおよび前記閾値を用いて前記ノイズ量を算出するノイズ量算出ステップと、
前記ノイズ量算出ステップで算出したノイズ量に応じて前記ノイズの低減処理を実施するノイズ低減処理ステップと、
を有し、
前記ノイズ量算出ステップでは、
前記量子化パラメータの値が前記閾値を超えている前記ブロックの数に基づき、前記ノイズ量を算出し、
前記ノイズ低減処理ステップでは、
前記ノイズ量が大きくなるほど、前記ノイズを低減させる量を増加させる
ことを特徴とする映像処理方法。 - 請求項11記載の映像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする映像処理プログラム。
- 請求項12記載の映像処理プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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