JP2007265122A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像データの全周波数帯域におけるノイズの除去を行うとともに、特定の高周波成分を強調して鮮明な画像を得ることが出来る画像処理装置を提供する。
【解決手段】m個の分割画像を生成するアダマール変換部3と、第1画像信号レベルの(m−n)個の制限画像を出力し、分割画像を第1画像信号レベルを超えた第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号を通過させると共に、第1、第2画像信号レベル間では第1、第2画像信号レベル間を通過する分割画像を反転して通過させてn個の強調制限画像を出力するリミッタ部4と、リミッタ部4から出力された制限画像と強調制限画像とから1つの修正画像を生成する逆アダマール変換部5と、1つの修正画像が生成されたタイミングで前記入力画像を遅延させる遅延部6と、遅延させた入力画像から1つの修正画像を減算して、画像のノイズ除去と強調を行う減算部7と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MPEG等の圧縮符号化された画像データを復号化した画像に対する画質改善を行う画像処理装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているように、画像処理装置において、画像データの画質改善を行う方法としては、ローパスフィルタを用いて高域成分のノイズを除去する方法があった。このローパスフィルタを用いて高域成分のノイズを除去する方法では高域成分の画像レベルも低下してしまうので、この低下を補正するためにエンハンス回路を用いて高域成分の強調を行っていた。
図5に特許文献1に記載されている従来の画像処理装置の概要を示す。
図5に示すように従来の画像処理装置は、MPEG復号化器32と、2次元LPF33と、減算器34と、コアリング回路35と、MMI36と、CPU37と、エンハンス回路38と、加算器39と、から構成される。
MPEG復号化器32は、MPEG方式で圧縮符号化された画像データを復号化する。
2次元LPF33は、例えば3×3の2次元フィルターであり、{1,2,1,2,4,2,1,2,1}の係数で、画像データの対応するデータと乗算し、乗算結果を16で除算するフィルターである。このフィルターをかけることにより画像の低域成分の画像データを得る。
減算器34は、MPEG復号化器32で復号された画像データから2次元LPF33のフィルターをかけた画像の低域成分の画像データを減算し、高域成分のみを抽出する。
コアリング回路35は、減算器34で得られた高域成分に含まれるレベルの小さい信号となっているノイズを除去する。
MMI36は、マンマシーンインターフェース回路であり、ユーザによってコアリング回路35において除去されるノイズのコアリングレベルのパラメータを入力しCPU37を介して送信される。
CPU37は、MMI36から入力されるコアリングレベルのパラメータと後述するエンハンスレベルのパラメータをそれぞれ送信する。
エンハンス回路38は、コアリング回路35からノイズを除去した高域成分の画像データを、MMI36からユーザによって入力されるエンハンスレベルのパラメータによって所定レベルに設定する。
加算器39は、2次元LPF33から低域成分の画像データを、エンハンス回路38入力から高域成分の画像データを、それぞれ入力して加算し、高域成分が強調された画像データを生成する。
画像信号は高域の周波数成分を強調することにより、エッジ部分が強調され、見た目の鮮鋭度が増すことが知られている。
次に、動作について説明する。
図6(a)に示すように、MPEG方式で圧縮符号化された画像データをMPEG復号化器32で復号化した画像データを得る。この画像データにはノイズが含まれているから、2次元LPF33により図6(b)に示すようにノイズを除去した低域成分データとする。
次に、図6(a)に示される画像データから図6(b)に示される低域成分データを減算器34により減算すると図6(C)に示す高域成分データが得られる。この高域成分データにはノイズが含まれているから、コアリング回路35により除去すると、図6(d)に示すコアリング後データとなる。
このコアリング後データをエンハンス回路38によりコアリングして図6(e)に示すコアリング後データを得るから図6(b)に示す低域成分データに加算器39で加算して図6(f)に示す最終処理画像データを得る。
このようにして、画像データを低域成分と高域成分とに分けることにより、ノイズを除去し、かつ高域成分が強調された良好な画像となる最終処理画像データを得ることが出来る。
特開2004−172944号公報
しかしながら、上述したように、画像データを低域成分と高域成分とに分けて高域成分のみのノイズ除去を行う従来の画像処理装置では、狭い高周波成分範囲のノイズの除去しか行うことが出来ず、画像データの全周波数帯域におけるノイズ(画像データに含まれる低域ノイズ、符号化によるリンギング状の量子化ノイズ等)の除去を全て行うことが出来ないという問題点があった。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、狭い高周波成分範囲のノイズの除去だけではなく、画像データの全周波数帯域におけるノイズの除去を行うとともに、特定の高周波成分を強調して鮮明な画像を得ることが出来る画像処理装置を提供することを目的とする。
本願発明における第1の発明は、2次元画像からノイズを除去した鮮明な画像を生成する画像処理装置において、入力画像を、m個(m:4に等しいかそれ以上の整数)の周波数特性を有するm個の周波数分割帯域で分割するアダマール変換によりm個の分割画像として生成するアダマール変換部と、前記m個の分割画像のうち、前記(m−n(n:1に等しいかそれ以上でm以下の整数))個の分割画像を、予め定められた第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルだけを通過させて前記(m−n)個の制限画像を出力し、残りのn個の分割画像を、前記予め定められた第1画像信号レベルを超えた第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号を通過させると共に、前記第1、第2画像信号レベル間では前記第1、第2画像信号レベル間を通過する前記残りのn個の分割画像を反転して通過させて強調制限画像を出力するm個のリミッタ部と、前記m個のリミッタ部から出力された(m−n)個の制限画像とn個の強調制限画像の逆アダマール変換を行って(m−n)個の補正画像とn個の強調補正画像から1つの修正画像を生成する逆アダマール変換部と、前記逆アダマール変換部で1つの修正画像が生成されたタイミングで前記入力画像を出力されるように前記入力画像を遅延させる遅延部と、前記遅延部で遅延させた前記入力画像から前記1つの修正画像を減算して、前記第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像のノイズ除去と前記第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像の強調を行う減算部と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
本発明の画像処理装置によれば、2次元画像からノイズを除去した鮮明な画像を生成する画像処理装置において、入力画像を、m個(m:4に等しいかそれ以上の整数)の周波数特性を有するm個の周波数分割帯域で分割するアダマール変換によりm個の分割画像として生成するアダマール変換部と、m個の分割画像のうち、(m−n(n:1に等しいかそれ以上でm以下の整数))個の分割画像を、予め定められた第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルだけを通過させて(m−n)個の制限画像を出力し、残りのn個の分割画像を、予め定められた第1画像信号レベルを超えた第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号を通過させると共に、第1、第2画像信号レベル間では第1、第2画像信号レベル間を通過する残りのn個の分割画像を反転して通過させて強調制限画像を出力するm個のリミッタ部と、m個のリミッタ部から出力された(m−n)個の制限画像とn個の強調制限画像の逆アダマール変換を行って(m−n)個の補正画像とn個の強調補正画像から1つの修正画像を生成する逆アダマール変換部と、逆アダマール変換部で1つの修正画像が生成されたタイミングで入力画像を出力されるように入力画像を遅延させる遅延部と、遅延部で遅延させた入力画像から1つの修正画像を減算して、第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像のノイズ除去と第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像の強調を行う減算部と、 を備えたことにより、狭い高周波成分範囲のノイズの除去だけではなく、画像データの全周波数帯域におけるノイズの除去を行うとともに、特定の高周波成分を強調して鮮明な画像を得ることが出来る。
以下に本発明の実施形態に係る画像処理装置について図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の概要を示す図であり、(A)は構成図を示す図であり、(B)は、アダマール変換、逆アダマール変換における変換式を示す図である。
図2は、アダマール変換部による4つの周波数特性を示す図であり、(A)は最も低域成分の周波数特性を示す図であり、(B)は低域成分の次の中域成分の周波数特性を示す図であり、(C)は中高域成分の周波数特性を示す図であり、(D)は高域成分の周波数特性を示す図である。
図3は、図2(A)〜図2(D)の各周波数成分のリミッタ特性を図3(A)〜図3(D)でそれぞれ対応して個々に示す図である。
図4は、画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図であり、(A)は水平方向の画素数が360である画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図であり、(B)は水平方向の画素数が720である画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図である。
図1に示すように、本発明に係る画像処理装置は、復号化処理部2と、アダマール変換部3と、リミッタ(リミッタ部)4と、逆アダマール変換部5と、遅延部6と、減算部7と、から構成される。
復号化処理部2は、例えばMPEG方式で圧縮符号化された符号化画像データを復号化し、復号画像データを生成する。
アダマール変換部3は、図1(B)に示す変換式によるアダマール変換により復号化処理部2で復号化された復号画像データを4つの周波数帯域に分割し、4つの周波数成分を得る。
リミッタ4は、アダマール変換部3で生成された4つの周波数成分のそれぞれにリミッタをかけて低レベル信号成分を生成する。
逆アダマール変換部5は、例えば、図1(B)のような逆アダマール変換により、リミッタ4で生成された4つの低レベル信号成分に逆アダマール変換をかけて補正用画像データ(修正画像)を生成する。
尚アダマール変換部3、リミッタ4、逆アダマール変換部5は、説明の簡略化のため4つの構成としているが、より高性能を得るために4つ以上のm個の構成としてもよいのはもちろんである。
遅延部6は、復号化処理部2で復号化された画像データを遅延させて逆アダマール変換部5から得られる補正用画像データ(修正画像)とタイミングを合わせた遅延復号画像データを生成する。
減算部7は、遅延部6で生成された遅延復号画像データから逆アダマール変換部5で生成された補正用画像データ(修正画像)を減算して画像データを生成する。
次に、動作について説明する。
まず、MPEG方式で圧縮符号化された符号化画像データを入力し、復号化処理部2により、復号化して復号画像データを得る。
そして、アダマール変換部3に復号画像データを入力して、図2(A)〜図2(D)に示すような4つの周波数成分に変換するアダマール変換により、復号化処理部2で復号化された復号画像データを4つの周波数成分に変換し、4つの周波数成分を得る。
図2のフィルター特性のグラフについて説明すると、横軸に周波数を示す。Tはサンプリング周波数で、画素データの画素数が720のとき、T=13.5MHzとする。従ってこのとき画素データに含まれる画像の周波数帯域は1/2Tとなる。また縦軸には周波数成分のゲインを示し1.0を最大値とする。
次に、リミッタ4に、アダマール変換部3で生成された4つの周波数成分を入力しそれぞれの周波数成分に図3(A)〜図3(D)の入出力特性からなるリミッタをかけて低レベル信号成分を生成する。
図3(A)〜図3(D)に示す入出力特性について説明すると、横軸に周波数成分の入力レベルを示し最大値をx、最小値を−xとする。縦軸にはリミッタの出力レベルを示し、最大値をy、最小値を−yとする。
そして、各入出力特性に示す斜線部がリミッタを通過する周波数成分のレベルであり、この図の第一象限と第三象限の斜線部の周波数成分がノイズレベルに相当するから、周波数成分のノイズレベルに応じて斜線部の形状及びレベルを設定する。
図3(C)、図3(E)においては、入力の中央部以上のレベル部分が反転して示してあるが、これはこのレベルの周波数成分を強調するために用いるものである。従って入力の低いレベル(例えば最大値を1.0としたとき10/256=0.039)をノイズレベルとし、それ以上のレベル部分を強調部分とする。
ここでは、強調部分は1つとしてあるが1つ以上のn個(m以下)でもよいのはもちろんである。
そして、逆アダマール変換部5で、リミッタ4で生成された4つの低レベル信号成分に逆アダマール変換をかけて補正用画像データ(修正画像)を生成する。
この補正用画像データを遅延部6で生成される補正用画像データ(修正画像)とタイミングを合わせた遅延復号画像データから減算部7で減算して画像データを生成する。
この逆アダマール変換部5で生成された補正用画像データ(修正画像)は4つの低レベル信号成分から構成された復号画像データに含まれる全周波数帯域におけるノイズ成分と特定の周波数成分のデータの符号が反転した成分に相当するから、遅延部6で遅延復号画像から補正用画像データ(修正画像)を減算することにより、復号画像データに含まれる全周波数帯域におけるノイズ成分を除去し、特定の周波数を強調したことになる。
尚、アダマール変換部3でアダマール変換により4つの周波数成分に変換しているが、周波数帯は出来るだけ多いほうが強調できる周波数をより細かく設定ができ、効果的であることはいうまでもなく、この4つの周波数帯に限定されるものではなく4つ以上としてもよいのはもちろんである。
一方、リミッタ4で負極性にした信号成分は、減算部7で遅延復号画像に加算されることになり、エンハンス回路を用いなくても、その高域成分をより自然に強調することが出来る。
図4は、画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図であり、図4(A)は水平方向の画素数が360である画像データの周波数帯域を複数の縦線で示す領域とすると、この画像データの高域成分を強調するには図2(B)に示す周波数成分を図4(A)の(2)の入出力特性を有するリミッタにかける。
また、図4(B)は水平方向の画素数が720である画像データの周波数帯域を複数の縦線で示す領域とすると、この画像データの高域成分を強調するには図2(C)に示す周波数成分を図4(B)の(2)の入出力特性を有するリミッタにかける。
このようにすれば、画像データからノイズを除去しながら同時に画像データの画素数に応じた高域成分の強調を行うことが出来る。
高域成分の強調は1つのみではなく複数のリミッタで行ってもよいのはもちろんである。
以上述べてきたように、アダマール変換部3で変換された複数(4以上)の周波数成分にそれぞれにリミッタをかけた後、逆アダマール変換部5で1つの補正用画像データとすることにより復号画像データに含まれる全周波数帯域におけるノイズ成分が得られるので、この補正用画像データを復号画像データから減算することによりノイズ成分が減少した画像データを得ることが出来る。
さらに、全周波数帯域におけるノイズの除去を行うとともに、特定の高周波成分を強調することにより鮮明な画像を得ることが出来る。
本発明の実施形態に係る画像処理装置の概要を示す図であり、(A)は構成図を示す図であり、(B)は、アダマール変換、逆アダマール変換における変換式を示す図である。 アダマール変換部による4つの周波数特性を示す図であり、(A)は最も低域成分の周波数特性を示す図であり、(B)は低域成分の次の中域成分の周波数特性を示す図であり、(C)は中高域成分の周波数特性を示す図であり、(D)は高域成分の周波数特性を示す図である。 図2(A)〜図2(D)の各周波数成分のリミッタ特性を図3(A)〜図3(D)でそれぞれ対応して個々に示す図である。 画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図であり、(A)は水平方向の画素数が360である画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図であり、(B)は水平方向の画素数が720である画像データの周波数帯域に対するリミッタ特性を示す図である。 従来の画像処理装置の概要を示す。 従来の画像処理装置における各部分の波形図を示す。
符号の説明
1・・・画像処理装置、2・・・復号化処理部、3・・・アダマール変換部、4・・・リミッタ(リミッタ部)、5・・・逆アダマール変換部、6・・・遅延部、7・・・減算部




Claims (1)

  1. 2次元画像からノイズを除去した鮮明な画像を生成する画像処理装置において、
    入力画像を、m個(m:4に等しいかそれ以上の整数)の周波数特性を有するm個の周波数分割帯域で分割するアダマール変換により、m個の分割画像として生成するアダマール変換部と、
    前記m個の分割画像のうち、前記(m−n(n:1に等しいかそれ以上でm以下の整数))個の分割画像を、予め定められた第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルだけを通過させて前記(m−n)個の制限画像を出力し、残りのn個の分割画像を、前記予め定められた第1画像信号レベルを超えた第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号を通過させると共に、前記第1、第2画像信号レベル間では前記第1、第2画像信号レベル間を通過する前記残りのn個の分割画像を反転して通過させて強調制限画像を出力するm個のリミッタ部と、
    前記m個のリミッタ部から出力された(m−n)個の制限画像とn個の強調制限画像の逆アダマール変換を行って(m−n)個の補正画像とn個の強調補正画像から1つの修正画像を生成する逆アダマール変換部と、
    前記逆アダマール変換部で1つの修正画像が生成されたタイミングで前記入力画像を出力されるように前記入力画像を遅延させる遅延部と、
    前記遅延部で遅延させた前記入力画像から前記1つの修正画像を減算して、前記第1画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像のノイズ除去と前記第2画像信号レベルの範囲内にある画像信号レベルの画像の強調を行う減算部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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