JP3853257B2 - モスキート歪み低減装置およびモスキート歪み低減方法 - Google Patents

モスキート歪み低減装置およびモスキート歪み低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不可逆符号化された映像信号の復号時に生じるモスキート歪を低減するモスキート歪の低減装置およびモスキート歪低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データは非常に多くの情報量を含んでいる。そのため、画像データをそのままの形で処理するのは、メモリ容量および通信速度の点で実用的ではない。そこで、画像データ圧縮技術が重要となる。
【0003】
画像データ圧縮の国際標準規格の一つとしてMPEG(Moving Picture Coding Expert Group)がある。MPEG規格は、動画像データの高能率符号化を行う際の規格であり、例えば、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4等が広く知られている。
【0004】
動画像データは、これらの高能率符号化を用いて、符号化された圧縮画像データに変換される。また、高能率符号化により符号化された画像データは、復号器により符号化時と逆の手順で変換することにより復号化された画像データが得られる。
【0005】
しかし、圧縮画像データを復号化して得られた画像データは、量子化を行う際に生じる量子化誤差により特有の量子化歪みを有する。例えば、この量子化歪みには、ブロック歪みまたはリンギングノイズ等がある。
【0006】
ここで、ブロック歪みとは、量子化の際に一定のマクロブロックごとに分割して圧縮処理を行うため、マクロブロックごとに圧縮処理の差が発生し、複号化の際の画像データにブロック状の歪みが発生することである。一方、リンギングノイズの主な例としてはモスキート歪みがあり、このモスキート歪みとは、MPEG規格による画像圧縮の圧縮率を高くしてファイル容量を小さくしたとき、高域成分を含む画像のエッジ部分に発生するノイズのことをいい、画像を表示させた際に蚊(モスキート)の大群が画像のエッジにまとわりついているように見えるためモスキート歪みと呼ばれる。
【0007】
このモスキート歪みを低減させる方法は、主にブロック境界位置、量子化レベル、または動きベクトル等の復号化時に得られる復号化情報を用いることが多い。しかし、画像表示装置等の復号装置を持たない場合または復号装置を持っていたとしても回路ブロック的に分離されている場合には、復号化情報が得られないためモスキート歪みの低減化を行うことができない。
【0008】
そこで、特開平09−51532号公報には、復号化情報を得ることができない場合でもモスキート歪みの低減を行うことができる装置が開示されている。
【0009】
図14は特開平09−51532号公報のモスキート歪み低減装置の一例を示すブロック図である。
【0010】
図14に示すモスキート歪み低減装置は、入力端子1、フィルタサイズ画像抽出回路52、大領域画素データ抽出回路53、小領域画素データ抽出回路54、タイミングクロック発生器55、メモリ56,57,58、遅延回路59,60,63、画素情報抽出回路61,62、閥値算出回路64、ε−フィルタ65および出力端子7から構成される。
【0011】
まず、入力端子1に画像データが入力される。入力端子1に入力された画像データは、フィルタサイズ画像抽出回路52、大領域画素データ抽出回路53および小領域画素データ抽出回路54に与えられる。
【0012】
図15はフィルタサイズ抽出回路52、大領域画素データ抽出回路53および小領域画素抽出回路54により切り出される画素データの一例を示した図である。
【0013】
フィルタサイズ画像抽出回路52は、図15(a)に示すように、入力された画像データを縦m画素×横n画素((m>1、n>1)の奇数値)のフィルタ画素サイズごとに順次画素データを切り出す。大領域画素データ抽出回路53は、図15(b)に示すように、フィルタサイズ画素抽出回路52によって切り出されたフィルタ画素サイズの中心画素又はその周辺画素を含み、フィルタ画素サイズの画素数よりも多い複数の画素(上限画素数は画像1画面、1フレームまたは画像1フィールドの全画素とする)の画素データを抽出する。小領域画素データ抽出回路54は、図15(c)に示すように、フィルタサイズ画像抽出回路52により切り出されたフィルタ画素サイズの中心画素を含み、さらに大領域画素データ抽出回路53で抽出された画素数よりも少ない3画素以上の画素データを抽出する。
【0014】
図14に示すタイミングクロック発生回路55は、フィルタサイズ画像抽出回路52、大領域画素データ抽出回路53、小領域画素データ抽出回路54およびメモリ56,57,58にタイミング信号を供給する。
【0015】
メモリ56は、フィルタサイズ抽出回路52により切り出された画素データを保持し遅延回路60に与える。メモリ57は、大領域画素データ抽出回路53により切り出された画素データを保持し画素情報抽出回路61に与える。メモリ58は、小領域抽出回路54により切り出された画素データを保持し画素情報抽出回路62に与える。画素情報抽出回路61は、メモリ57により与えられる大領域画素抽出回路53により切り出された画素データについての統計量、例えば総和、平均、偏差、相関、差分または2次差分についてのそれら統計量を画素データとして抽出し、遅延回路63に与える。画素情報抽出回路62は、メモリ58により与えられる小領域画素抽出回路54により切り出された画素データについて同様に統計量を画素データとして抽出する。
【0016】
遅延回路63は、画素情報抽出回路62により抽出された小領域画素データと同期するように遅延量を調整し、画素情報抽出回路61により与えられる大領域画素データを閥値算出回路64に与える。閥値算出回路64は、遅延回路63により与えられる大領域画素データと小領域画素データとから平滑化閾値を決定する。
【0017】
遅延回路59,60は、閥値算出回路64により与えられる平滑化閥値と同期するように遅延量を調整し、各々タイミングクロックおよび画素データをε−フィルタ65に与える。
【0018】
ε−フィルタ65は、平滑化閾値を入力される画素データの閾値として画素データの平滑化を行う。ε−フィルタは、空間座標(x、y)点における画素p(x、y)について次式のように表される。
【0019】
【数1】
Figure 0003853257
【0020】
上式において、Mは平滑化に用いる画素数を示し、S(k、l)はスケールファクタを示す。上式に示すように、ある画素位置における画素データp(x、y)をその近傍の画素データp(x+k、y+l)を用いて平滑化して歪みを低減するが、平滑化される中心の画素データと近傍の画素データとの差の絶対値が平滑化閾値より大きい場合には、その近傍の画素データを平滑化に用いない。ここで、近傍の画素データを平滑化に用いない理由を以下に説明する。
【0021】
図16は大きな濃淡の変化を有する輝度信号にノイズが重畳した場合の一例を示す図である。
【0022】
図16(a)は矩形の大きな濃淡変化を有する輝度信号を示す図であり、図16(b)は図16(a)に閾値ε以下のノイズが重畳した場合を示す図である。
【0023】
図16(a)に示すように、矩形の大きな濃淡変化がある輝度信号の場合、ε−フィルタ65は、輪郭やエッジに相当する部分が閾値εを超えているためフィルタをかけず本来の輝度信号の濃淡変化がそのまま保護される。
【0024】
一方、図16(b)に示すように、ノイズが重畳した濃淡変化がある輝度信号の場合、ε−フィルタ65は、ノイズによる濃淡変化が閾値ε以下のため、濃の輝度信号と淡の輝度信号とを平滑化して元の輝度信号へと復元化させることができる。
【0025】
このようにして、大領域画像データと小領域画像データとによって平滑化の対象となる画素データの平滑化閾値が算出され、大きな画像領域に基づいて歪み除去が設定されると同時に小さな画像領域の情報によって局所的な歪み除去の補正が可能となる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大きな画像領域と小さな画像領域との各々の画素データからε−フィルタの閾値を適応的に変更する方法では、回路規模が大きく複雑となり、さらに、回路規模の増大に伴い部品数も増加しコストの増加につながる。そのため、低コストを必須要件とする表示装置等においては、ε−フィルタの閾値を適応的に変更する方法を用いることが困難となる。
【0027】
また、画質改善の観点から鑑みると、モスキート歪みの発生原因である急峻なエッジに存在していた高周波成分は符号化・復号化の際に行われる量子化により大きく減衰しているため、従来のε−フィルタによる閾値制御では、モスキート歪みを低減して、さらに符号化前の原画像に近づけることができない。また、単純に減衰した高域成分を増幅する方法を用いた場合には、新たなリンギングを付加してしまったり、一度、低減させたリンギングを再度強調してしまう場合がある。
【0028】
本発明の目的は、簡易にモスキート歪みを低減し、かつ失われたエッジの高域成分を補償しつつモスキート歪みの発生を抑制するモスキート歪み低減装置およびモスキート歪み低減方法を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
(第1の発明)
本発明に係るモスキート歪み低減装置は、圧縮符号化された映像信号を復号化することにより得られる映像信号に含まれるモスキート歪みを低減するモスキート歪み低減装置であって、映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号を第1の2次微分信号として出力する第1の2次微分手段と、第1の2次微分検出手段から出力される第1の2次微分信号の絶対値を算出する第1の絶対値算出手段と、絶対値算出手段により算出された絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数を出力し、絶対値算出手段により算出された絶対値が第2の所定値より小さい場合に正の振幅係数を出力する振幅係数出力手段と、2次微分手段から出力される第1の2次微分信号に振幅係数出力手段から出力される振幅係数を乗算する振幅可変手段と、振幅可変手段の乗算結果と映像信号とを加算して出力する加算手段とを備えたものである。
【0030】
本発明に係るモスキート歪み低減装置においては、映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号が第1の2次微分手段により第1の2次微分信号として出力され、第1の2次微分検出手段から出力される第1の2次微分信号の絶対値が第1の絶対値算出手段により算出され、絶対値算出手段により算出された絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数が出力され、絶対値算出手段により算出された絶対値が第2の所定値より小さい場合に振幅係数出力手段により正の振幅係数が出力される。そして、2次微分手段から出力される第1の2次微分信号に振幅係数出力手段から出力される振幅係数が振幅可変手段により乗算され、振幅可変手段の乗算結果と映像信号とが加算手段により加算され出力される。
【0031】
この場合、第1の2次微分手段により映像信号の特定周波数に対して第1の2次微分信号が出力され、正弦波として発生するモスキート歪みが180度反転した位相で抽出される。絶対値算出手段により算出された絶対値が第2の所定値よりも小さい場合には正の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、リンギングを低減することができる。絶対値が第1の所定値よりも大きい場合には符号反転された負の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、輪郭の高周波成分を補償することができる。したがって、簡易な回路構成で、モスキート歪を低減し、かつモスキート歪みにより失われた輪郭を補償することが可能となる。また、復号化時に必要な情報を用いないため、復号器と容易に独立した構成の機器に適用することが可能である。
【0032】
(第2の発明)
第2の発明に係るモスキート歪み低減装置は、第1の発明に係るモスキート歪み低減装置の構成において、第1の周波数より高い第2の周波数での2次微分信号を第2の2次微分信号として出力する第2の2次微分手段をさらに備え、振幅可変手段は、振幅係数出力手段から出力される振幅係数が負の場合に第2の2次微分手段から出力される第2の2次微分信号に振幅係数を乗算して出力し、振幅係数出力手段から出力される振幅係数が正の場合に第1の2次微分手段から出力される第1の2次微分信号に振幅係数を乗算して出力するものである。
【0033】
この場合、振幅係数出力手段から出力される振幅係数が負の場合に、振幅可変手段によりリンギング低減に用いた第1の周波数より高い第2の周波数での第2の2次微分信号に振幅係数が乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、映像信号のオーバーシュートを短くすることができる。その結果、リンギングが抑えられ、より原映像信号に近い映像信号を得ることができる。
【0034】
(第3の発明)
第3の発明に係るモスキート歪み低減装置は、第2の発明に係るモスキート歪み低減装置の構成において、第2の2次微分手段から出力される第2の2次微分信号の絶対値を算出する第2の絶対値算出手段と、第2の絶対値算出手段により算出された絶対値に基づいて振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて振幅可変手段に出力する振幅係数変調手段とをさらに備えたものである。
【0035】
この場合、第2の絶対値算出手段により算出された絶対値に基づいて、振幅係数変調手段により振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて振幅可変手段に出力させることができる。したがって、振幅係数が大きいときは振幅係数を変化させて映像信号に加算することができる。その結果、圧縮されてない映像信号が入力されたときに過剰に輪郭補正が働くことを防ぐことが可能となる。
【0036】
(第4の発明)
第4の発明に係るモスキート歪み低減装置は、第1〜第3の発明のいずれかに係るモスキート歪み低減装置の構成において、映像信号における所定の特徴または情報を検出する特徴検出手段と、特徴検出手段の検出結果に基づいて振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて振幅可変手段に出力する振幅係数変調手段とをさらに備えたものである。
【0037】
この場合、映像信号における所定の特徴または情報を特徴検出手段により検出し、検出結果に基づいて振幅係数出力手段から出力される振幅係数を振幅変調手段により変化させて振幅可変手段に出力することができる。その結果、映像信号が、高品位な画像の場合であっても高品位な画像のディティール消失を回避することが可能となる。
【0038】
(第5の発明)
第5の発明に係るモスキート歪み低減方法は、圧縮符号化された映像信号を復号化することにより得られる映像信号に含まれるモスキート歪みを低減するモスキート歪み低減方法であって、映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号を第1の2次微分信号として出力するステップと、第1の2次微分信号の絶対値を算出するステップと、算出された第1の2次微分信号の絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数を出力し、算出された第1の2次微分信号の絶対値が第2の所定値より小さい場合に正の振幅係数を出力するステップと、第1の2次微分信号に出力される振幅係数を乗算するステップと、乗算結果と映像信号とを加算して出力するステップとを備えたものである。
【0039】
第5の発明に係るモスキート歪み低減方法においては、映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号が第1の2次微分信号として出力され、第1の2次微分信号の絶対値が算出され、算出された第1の2次微分信号の絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数が出力され、算出された第1の2次微分信号の絶対値が第2の所定値より小さい場合に正の振幅係数が出力される。そして、第1の2次微分信号に出力される振幅係数が乗算され、乗算結果と映像信号とが加算されて出力される。
【0040】
この場合、映像信号の特定周波数に対して第1の2次微分信号が出力され、正弦波として発生するモスキート歪みが180度反転した位相で抽出される。算出された絶対値が第2の所定値よりも小さい場合には正の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、リンギングを低減することができる。絶対値が第1の所定値よりも大きい場合には符号反転された負の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、輪郭の高周波成分を補償することができる。したがって、簡易な回路構成で、モスキート歪を低減し、かつモスキート歪みにより失われた輪郭を補償することが可能となる。また、復号化時に必要な情報を用いないため、復号器と容易に独立した構成の機器に適用することが可能である。
【0041】
(第6の発明)
第6の発明に係るモスキート歪み低減方法は、第5の発明に係るモスキート歪み低減方法において、第1の周波数より高い第2の周波数での2次微分信号を第2の2次微分信号として出力するステップと、出力される振幅係数が負の場合に第2の2次微分信号に振幅係数を乗算して出力し、出力される振幅係数が正の場合に第1の2次微分信号に振幅係数を乗算して出力するステップをさらに備えたものである。
【0042】
この場合、出力される振幅係数が負の場合に、リンギング低減に用いた第1の周波数より高い第2の周波数での第2の2次微分信号に振幅係数が乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、映像信号のオーバーシュートを短くすることができる。その結果、リンギングが抑えられ、より原映像信号に近い映像信号を得ることができる。
【0043】
(第7の発明)
第7の発明に係るモスキート歪み低減方法は、第6の発明に係るモスキート歪み低減方法において、第2の2次微分信号の絶対値を算出するステップと、算出された第2の2次微分信号の絶対値に基づいて出力される振幅係数を変化させるステップとをさらに備えたものである。
【0044】
この場合、算出された絶対値に基づいて、出力される振幅係数を変化させて出力させることができる。したがって、振幅係数が大きいときは振幅係数を変化させて映像信号に加算することができる。その結果、圧縮されてない映像信号が入力されたときに過剰に輪郭補正が働くことを防ぐことが可能となる。
【0045】
(第8の発明)
第8の発明に係るモスキート歪み低減方法は、第5〜第7の発明のいずれかに係るモスキート歪み低減方法において、映像信号における所定の特徴または情報を検出するステップと、検出結果に基づいて出力される振幅係数を変化させるステップとをさらに備えたものである。
【0046】
この場合、映像信号における所定の特徴または情報を検出し、検出結果に基づいて出力される振幅係数を変化させて出力することができる。その結果、映像信号が、高品位な画像の場合であっても高品位な画像のディティール消失を回避することが可能となる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置およびモスキート歪低減方法について説明する。
【0048】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図である。
【0049】
図1に示すモスキート歪み低減装置は、入力端子1、二次微分フィルタ2、絶対値算出部3、振幅係数算出部4、振幅可変部5、加算器6および出力端子7を備える。
【0050】
まず、図1に示すように、入力端子1に復号化されたデジタル信号DSが入力される。ここで、本発明の第1の実施の形態において入力端子1に入力される復号化されたデジタル信号DSは、8ビット(1バイト)のデジタル信号とする。
【0051】
入力端子1は、復号化されたデジタル信号DSを二次微分フィルタ2および加算器6に与える。二次微分フィルタ2は、与えられるデジタル信号DSの二次微分信号を抽出し、絶対値算出部3および振幅可変部5に与える。この二次微分フィルタ2で用いるフィルタについては後述する。絶対値算出部3は、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号の絶対値を算出して振幅係数算出部4に与える。振幅係数算出部4は、与えられる二次微分信号の絶対値の振幅係数の大きさに応じて、後述する方法により換算された振幅係数を振幅可変部5に与える。
【0052】
振幅可変部5は、二次微分フィルタ2により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号に振幅係数算出部4により与えられる振幅係数を乗算する。振幅可変部5は、乗算されたデジタル信号DSの二次微分信号を加算器6に与える。加算器6は、入力端子1により与えられるデジタル信号DSに振幅可変部5により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号を加算して出力端子7を介して出力する。
【0053】
第1の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置は、二次微分フィルタ2が第1の2次微分検出手段に相当し、絶対値算出部3が第1の絶対値算出手段に相当し、振幅係数算出部4が振幅係数出力手段に相当し、振幅可変部5が振幅可変手段に相当し、加算器6が加算手段に相当する。
【0054】
次に、図1に示す二次微分フィルタ2において用いるフィルタについて説明する。
【0055】
図1に示す二次微分フィルタ2は、デジタル信号DSの二次微分信号を取り出すフィルタである。図1の入力端子に入力されるデジタル信号DSは、無限の高周波パルスにより構成される。無限の高周波パルスにより構成されるデジタル信号DSは、有限の帯域幅を有する伝送媒体(フィルタ)等を通過すると、波形がなまって隣接するパルスと符号間干渉を起こす場合がある。この符号間干渉を防止する条件として、ナイキストの理論により導き出される伝送媒体の帯域幅がある。例えば二次微分フィルタ2は、ナイキスト周波数fsの1/2の周波数に関する二次微分を取るとした場合、デジタル信号DSの値Zおよび一次微分フィルタh(z)の関係は、次式のように表される。
【0056】
h(z)=1−Z-1 …(2)
式(2)によれば、二次微分フィルタh(z)は次式のように表される。
【0057】
h(z)=1/2(1−2Z-1+Z-2) …(3)
一方、ナイキストの理論により導かれる最適な条件のサンプリング周波数1/2fsの場合は、一次微分フィルタh(z)は、次式のように表される。
【0058】
h(z)=1−Z-2 …(4)
式(4)によれば、二次微分フィルタh(z)は、次式のように表される。
【0059】
h(z)=1/2(1−2Z-2+Z-4) …(5)
次に、図2(a)は画像データを8×8画素のマクロブロックごとに分割する状態を示す図であり、図2(b)は1つのマクロブロックをDCT変換したDCT係数の一例を示す図であり、図2(c)は量子化係数を示す図であり、図2(d)は量子化されたDCT係数を示す図である。
【0060】
図2に示すように、量子化されたDCT係数γuvは、DCT係数Suvを量子化係数Quvで除算し、さらに整数化処理を行うことにより得られる。また、DCT係数は、水平右方向または垂直下方向になるほど高周波成分を含む。右端の上部にある係数は、画像データのナイキスト周波数における周波数成分とほぼ一致するとみなすことができる。
【0061】
モスキート歪みは、図2(d)に示すように、量子化を行う際に画像データ内のエッジ部分等の高調波成分を大幅に量子化させることにより、復号化時に必要な高調波成分の過不足が生じてモスキート歪みが発生する。すなわち、大幅に量子化された画像データにおいては、高周波成分になるほど粗く量子化されるため、復号化時に高周波成分の過不足が発生してモスキート歪みが発生しやすくなる。したがって、量子化されたDCT係数は、最も高周波成分を示すDCT係数の値が0になる可能性が高い。例えば、DCT係数の値が0の場合、そのDCT係数の値によりモスキート歪みは発生しないため、DCT係数が0でなくかつ最も高周波成分を示すDCT係数がモスキート歪みの発生の要因となる。
【0062】
図2(d)に示すように、例えばDCT係数の水平方向成分のみに着目する。この場合、DCT係数の最も右から1番目に位置するDCT係数の値は0でありモスキート歪みの要因とならない。そして、DCT係数の最も右から2番目に位置するDCT係数の値は0でなく、かつ最も高周波成分を示すためモスキート歪の要因となる。この場合、水平8画素の最も高いDCT係数から2つ目未満の時には、リンギングの周期は2周期未満であり、水平8画素の最も高いDCT係数から2つ目以上の時にはリンギングの周期は2周期以上である。このことから、2周期未満のリンギングは視覚的にはリンギング状として顕著に表れない。図2(d)に示す水平8画素のブロックの場合、リンギングが2周期分(3画素×2周期<8画素)しか含まれないことになり、最も高いDCT係数から2つ目以上の場合には、周期が少ないためリンギング現象が顕著に現れず、むしろブロック歪みによる現象が顕著に現れる。
【0063】
これらのことより、低減すべきリンギングの周波数は、DCT係数の最も高周波成分から1つ低周波側にあるDCT係数が示す値となる。したがって、第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置では、式(5)に示す二次微分フィルタh(z)を用いる。
【0064】
次に、図3は図1の振幅係数算出部4の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0065】
図3に示すように、振幅係数算出部4は、量子化部41およびLUT(ルック・アップ・テーブル)42により構成される。
【0066】
まず、量子化部41は、図1の絶対値算出部3により与えられる二次微分信号の絶対値を32段階に量子化する。この32段階の量子化は、二次微分信号の絶対値が8ビット(256階調)から構成されるため、二次微分信号の絶対値に1/8を乗算することにより実現できる。続いて、量子化部41は、32段階に量子化された絶対値をLUT42に与える。LUT42は、量子化部41により与えられる32分割の量子化された絶対値に応じて振幅係数を出力する。
【0067】
ここで、図を用いてLUT42の働きにより32段階に量子化された絶対値が振幅係数に換算される場合の一例について説明する。
【0068】
図4は図3のLUT42に入力される量子化された絶対値と出力される振幅係数の値との関係を示す図である。
【0069】
図4は、縦軸がLUT42により出力される振幅係数の値を示し、横軸が入力されるデジタル信号DSの値を示す。ここで、本発明の実施の形態においては、予め設定された第1の閾値、第2の閾値および第3の閾値の関係は、第1の閾値≦第2の閾値≦第3の閾値の関係を有する。
【0070】
図4に示すように、振幅係数算出部4は、二次微分信号の絶対値が予め設定された第1の閥値よりも小さいときには振幅係数を大きく設定する。例えば、入力値0の場合には出力値7を振幅係数として出力し、入力値2の場合には出力値6を振幅係数として出力する。そして、二次微分信号の絶対値が予め設定された第1の閥値よりも大きいときには振幅係数を小さく設定する。例えば、入力値8の場合には出力値0を振幅係数として出力し、入力値18の場合にも出力値0を振幅係数として出力する。
【0071】
一方、振幅係数算出部4は、二次微分信号の絶対値が予め設定された第2の閥値よりも大きいときには振幅係数の値を負の振幅係数の値に換算して出力する。例えば、入力値22の場合には出力値−1を振幅係数として出力し、入力値26の場合には出力値−2を振幅係数として出力する。また、二次微分の絶対値が予め定めた第3の閥値よりも大きい場合には振幅係数0を出力する。例えば、入力値30の場合には出力値0を振幅係数として出力する。
【0072】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置に輝度信号が入力された場合の動作について説明する。
【0073】
図5は符号化前の本来の画像データの輝度信号と二次微分フィルタ2により出力される二次微分輝度信号を示す波形図である。
【0074】
図5(a)は符号化前の本来の輝度信号と復号化後の輝度信号とを示す波形図であり、図5(b)は二次微分フィルタ2により取り出される二次微分輝度信号を示す波形図である。図5(a),(b)の波形図においては、縦軸が輝度を示しており、横軸が空間座標を示している。
【0075】
図5(a)に示すように、符号化前の本来の輝度信号は、輝度101〜輝度122(図中黒三角)からなり、復号化後の輝度信号は、輝度201〜輝度222(図中白丸)からなる。また、図5(b)に示すように、二次微分フィルタ2から取り出される二次微分輝度信号は、輝度301〜輝度322(図中黒四角)からなる。
【0076】
符号化前の本来の輝度信号の輝度110、輝度111と、復号化後の輝度信号の輝度210、輝度211とでは輝度の値に差がある。この差が復号化後の輝度信号を含む画像データにモスキート歪みが発生していることを示す。
【0077】
一方、図5(b)に示すように、二次微分フィルタ2により出力される輝度301〜輝度322は、図5(a)の復号化後の輝度信号と比較して位相が180度反転している。したがって、復号化後の輝度信号の輝度201〜輝度222に対して、二次微分フィルタ2により取り出されるれる輝度信号の輝度301〜322を振幅係数算出部4を介して加算することによりモスキート歪みを低減することができる。
【0078】
また、図1に示す振幅係数算出部4において、二次微分輝度信号の絶対値の振幅係数が小さな値である場合には、リンギングが発生していることを示すため、図3に示すLUT42において大きな振幅係数として算出され加算器6に与えられる。それにより、加算器6は、算出結果を復号化されたデジタル信号DSに加算してリンギングを抑制することができる。さらに、二次微分信号の絶対値の振幅係数が大きな値である場合には、エッジ部分を示しているため振幅係数の値を負の係数値に換算する。それにより、復号化の際に消失されたエッジ成分を取り戻すことができる。
【0079】
このように、第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置は、所定の周波数に対する二次微分輝度信号を取り出すことにより正弦波の位相が180度ずれるため、二次微分成分の振幅係数が小さい場合は原信号に加算してリンギングを低減し、振幅係数が大きい場合は符号反転して原信号に加算することでエッジ強調を行うことができる。したがって、簡易な回路で効果的にモスキート歪みを低減することができる。
【0080】
また、復号化時に必要とされるブロック境界位置、量子化レベルまたは動きベクトル等の情報を用いず、復号器から独立した構成の機器に適用することが可能である。
【0081】
なお、本発明の第1の実施の形態においては、モスキート歪みの抑制についてDCT係数の水平方向成分のみ考慮したが、これに限らず、垂直成分について行ってもよい。また、LUT42において32段階としたが、これに限定されず、1または複数の段階に分割すればよい。二次微分フィルタ2でナイキスト周波数1/2を用いる場合を説明したが、これに限らず、他の任意の周波数を用いてもよい。さらに、入力されるデジタル信号を8ビットのデジタル信号としたが、これに限定されず、他の任意のビット数を有するデジタル信号としてもよい。
【0082】
また、第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置では、振幅可変部5において、1/8の演算を行わせることにより回路規模の削減が可能となる。すなわち、モスキート歪み低減装置の入力前の信号と出力後の信号とのゲインを同じにした場合、LUT42の出力が量子化された絶対値に乗算されることからLUT42の出力値が小数となる。現に電子回路等により小数を表現する場合には回路規模が大きくなる。したがって、入出力前後の信号のゲインが2の倍数となるように、LUT42の値を整数として乗算した後、下位ビットだけを切捨てれば、整数として取り扱うことが可能となり、さらに小さな回路規模で実現することができる。これにより、さらなる部品数の削減が実現できコスト削減が可能となる。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置およびその低減方法について説明する。
【0084】
図6は本発明の第2の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図である。
【0085】
図6に示すモスキート歪み低減装置は、入力端子1、二次微分フィルタ2、絶対値算出部3、振幅係数算出部4、加算器6、出力端子7、二次微分フィルタ8および振幅可変部9から構成される。
【0086】
まず、図6に示すように、入力端子1に復号化されたデジタル信号DSが入力される。ここで、入力端子1に入力される復号化されたデジタル信号DSは、8ビット(1バイト)のデジタル信号とする。
【0087】
入力端子1は、復号化されたデジタル信号DSを二次微分フィルタ2、二次微分フィルタ8および加算器6に与える。二次微分フィルタ2は、与えられる復号化されたデジタル信号DSの二次微分信号を抽出し、絶対値算出部3および振幅可変部9に与える。二次微分フィルタ8は、与えられる復号化されたデジタル信号DSの二次微分信号を抽出して振幅可変部9に与える。絶対値算出部3は、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号の絶対値を算出し振幅係数算出部4に与える。
【0088】
振幅係数算出部4は、絶対値算出部3により与えられる二次微分信号の絶対値の大きさに応じて、予め設定された第1の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を小さな振幅係数の値に換算し、予め設定された第2の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を負の振幅係数の値に換算し、予め設定された第3の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を零の振幅係数の値に換算して振幅可変部9に与える。この振幅係数算出部4の予め設定された第1の閥値、第2の閥値および第3の閥値の詳細については第1の実施の形態の構成と同様である。
【0089】
振幅可変部9は、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値の場合には、二次微分フィルタ8により与えられる二次微分信号に振幅係数を乗算し、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値でない場合には、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号に振幅係数を乗算する。振幅可変部9の内部構成および動作については後述する。
【0090】
そして、振幅可変部9は、算出されたデジタル信号DSの二次微分信号を加算器6に与える。加算器6は、入力端子1により与えられるデジタル信号DSおよび振幅可変部9により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号を加算し、出力端子7を介して出力する。
【0091】
第2の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置は、二次微分フィルタ2が第1の2次微分検出手段に相当し、絶対値算出部3が第1の絶対値算出手段に相当し、振幅係数算出部4が振幅係数出力手段に相当し、振幅可変部9が振幅可変手段に相当し、加算器6が加算手段に相当し、二次微分フィルタ8が第2の2次微分フィルタに相当する。
【0092】
次に、図6に示す二次微分フィルタ8において用いるフィルタについて説明する。
【0093】
二次微分フィルタ8は、二次微分フィルタ2において設定された周波数より高い周波数の二次微分信号を取り出すフィルタである。これは、エッジ強調を行う周波数が低いと、オーバーシュートの期間が長くなってしまうため、周波数を高く設定する。
【0094】
したがって、本発明の第2の実施の形態においては、二次微分フィルタ2において用いるフィルタは、図1の二次微分フィルタと同じく、式(5)に示す二次微分フィルタを用い、二次微分フィルタ8において用いるフィルタは、式(5)に示すフィルタよりも高い周波数を示す式(3)に示す二次微分フィルタを用いる。
【0095】
図7は図6の振幅可変手段9の内部構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、振幅可変手段9は、選択部91、加算部92、入力端子901,902,903および出力端子910から構成される。
【0096】
図6の振幅係数算出部4により出力される振幅係数は、入力端子901に入力され、図6に示す二次微分フィルタ2により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号は入力端子902に入力され、図6に示す二次微分フィルタ8から入力される第2の二次微分信号は入力端子903に入力される。
【0097】
入力端子901に入力される振幅係数は、選択部91および加算部92に与えられる。入力端子902に入力される二次微分フィルタ2により与えられる第1の二次微分信号2は選択部91に与えられる。二次微分フィルタ8により与えられる第2の二次微分信号は選択部91に与えられる。選択部91は、入力端子901により与えられる振幅係数の値に応じて入力端子902により与えられる第1の二次微分信号および入力端子903により与えられる第2の二次微分信号のいずれか一方を選択し、加算部92に与える。加算部92は、入力端子901により与えられる振幅係数および選択部91により与えられる第1の二次微分信号および第2の二次微分信号のいずれか一方を加算し、出力端子910を介して出力する。
【0098】
選択部91における選択方法は、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値であるか否かを判定し、その結果に応じて選択を行う。例えば、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値の場合には、二次微分フィルタ8により与えられる二次微分信号に負の値の振幅係数を乗算し、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値でない場合には、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号に負の値でない振幅係数を乗算する。そして、選択部91は、算出したいずれか一方の二次微分信号を加算部92に与える。加算部92は、選択部91により与えられる算出された二次微分信号と図6に示す振幅係数算出部4により与えられる振幅係数とをさらに乗算し、加算器6に出力する。
【0099】
図8は符号化前の本来の画像データの輝度信号と二次微分フィルタ2により出力される二次微分輝度信号とを示す波形図である。
【0100】
図8(a)は符号化前の本来の画像データの輝度信号と復号化後の輝度信号とを示す波形図であり、図8(b)の二次微分フィルタ2により取り出される二次微分輝度信号を示す波形図であり、図8(c)は二次微分フィルタ8により取り出される二次微分輝度信号を示す波形図である。図8(a),(b),(c)の波形図においては、縦軸が輝度を示しており、横軸が空間座標を示している。
【0101】
まず、図8(a)に示すように、符号化前の本来の輝度信号は、輝度101〜輝度122(図中黒三角)であり、復号化後の輝度信号は、輝度201〜輝度222(図中白丸)である。また、図8(b)に示すように、二次微分フィルタ2により取り出される二次微分輝度信号は、輝度301〜輝度322(図中黒四角)であり、図8(c)に示すように、二次微分フィルタ8により取り出される二次微分輝度信号は、輝度401〜輝度422(図中白四角)である。
【0102】
また、図8に示すように、モスキート歪みが発生している場合は、エッジ部分(図8の区間A)の高周波成分が失われている。図8(b)に示すように、エッジ部分では、二次微分フィルタ2により出力される二次微分輝度信号の絶対値が大きな値を示すため、図6に示す振幅係数算出部4において、予め設定された第2の閾値より絶対値が大きいと判断され、振幅係数を負の振幅係数値として換算し振幅可変部9に与える。そして、振幅可変部9において図7に示す選択部91の働きにより、二次微分フィルタ8の二次微分信号と負の振幅係数値とが乗算される。そして、乗算部92の働きにより乗算された乗算結果と振幅係数値とがさらに乗算され加算器6に出力される。
【0103】
このように、第2の実施の形態のモスキート歪み低減装置は、リンギング検出に用いた二次微分フィルタ2の周波数より二次微分フィルタ8の周波数の方が高いため、符号化・復号化によって失われたエッジ部の高周波を強く回復させることがなく、かつオーバーシュートの幅も狭いため、再度リンギングの発生を防止することができ、原画に近い画像を得ることができる。
【0104】
なお、本発明の第2の実施の形態では、二次微分フィルタ2のフィルタにおいてナイキスト周波数を用いることとしたが、これに限らず、他の任意の周波数で行ってもよい。ただし、この場合、二次微分フィルタ8は、二次微分フィルタ2よりも低い周波数のフィルタでなければならない。
【0105】
また、図7の選択手段91により2個の二次微分フィルタの出力を切り替えることとしたが、これに限らず、他の任意の数の二次微分フィルタの混合比を変えることとしてもよい。
【0106】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置およびその低減方法について説明する。
【0107】
図9は本発明の第3の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図である。
【0108】
図9に示すモスキート歪み低減装置は、入力端子1、二次微分フィルタ2、絶対値算出部3、振幅係数算出部4、加算器6、出力端子7、二次微分フィルタ8、振幅可変部9、絶対値算出部10および振幅係数変調部11により構成される。
【0109】
まず、図9に示すように、入力端子1に復号化されたデジタル信号DSが入力される。ここで、入力端子1に入力される復号化されたデジタル信号DSは、8ビット(1バイト)のデジタル信号とする。
【0110】
入力端子1は、復号化されたデジタル信号DSを二次微分フィルタ2、加算器6および二次微分フィルタ8に与える。二次微分フィルタ2は、与えられる復号化されたデジタル信号DSの二次微分信号を抽出して、絶対値算出部3および振幅可変部9に与える。二次微分フィルタ8は、復号化されたデジタル信号DSの二次微分信号を抽出し、振幅可変部9および絶対値算出部10に与える。
【0111】
絶対値算出部3は、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号の絶対値を算出し振幅係数算出部4に与える。
【0112】
振幅係数算出部4は、絶対値算出部3により与えられる二次微分信号の絶対値の大きさに応じて、予め設定された第1の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を小さな振幅係数の値に換算し、予め設定された第2の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を負の振幅係数の値に換算し、予め設定された第3の閾値より絶対値が大きいときは振幅係数の値を零の振幅係数の値に換算して振幅係数変調部11に与える。この振幅係数算出部4の予め設定された第1の閥値、第2の閥値および第3の閾値の構成の詳細については第1の実施の形態の構成と同様である。
【0113】
振幅係数変調部11は、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数の値に基づいて後述する選択方法により振幅係数の選択を行い、選択された振幅係数の値を振幅可変部9に与える。
【0114】
次に、振幅可変部9は、振幅係数変調部11により与えられる振幅係数が負の値の場合には、二次微分フィルタ8により与えられる二次微分信号に負の値の振幅係数を乗算し、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数が負の値でない場合には、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号に負の値でない振幅係数を乗算する。振幅可変部9の構成は、第2の実施の形態の図7に示す構成と同様である。
【0115】
次いで、振幅可変部9は、算出されたデジタル信号DSの二次微分信号を加算器6に与える。加算器6は、入力端子1により与えられるデジタル信号DSおよび振幅可変部9により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号を加算し出力端子7を介して出力する。
【0116】
第3の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置は、二次微分フィルタ2が第1の2次微分検出手段に相当し、絶対値算出部3が第1の絶対値算出手段に相当し、振幅係数算出部4が振幅係数出力手段に相当し、振幅可変部9が振幅可変手段に相当し、加算器6が加算手段に相当し、二次微分フィルタ8が第2の2次微分フィルタに相当し、絶対値算出部10が第2の絶対値算出手段に相当し、振幅係数変調部11が振幅係数変調手段に相当する。
【0117】
次に、図10は図9の振幅係数変調部11の内部構成の一例を示す模式図である。
【0118】
図10に示すように、振幅係数変調部11は、1/2ビットシフタ12、1/4ビットシフタ13、1/8ビットシフタ14、選択部15、入力端子921,922および出力端子931により構成される。
【0119】
まず、図10に示す振幅係数変調部11は、振幅係数算出部4により出力入力端子921に振幅係数が与えられる。入力端子921は、選択部15および1/2ビットシフタ12、1/4ビットシフタ13、1/8ビットシフタ14に振幅係数を与える。1/2ビットシフタ12は入力端子921を介して与えられる振幅係数を1/2の振幅係数に換算し選択部15に与える。1/4ビットシフタ13は、入力端子921を介して与えられる振幅係数を1/4の振幅係数に換算し、選択部15に与える。1/8ビットシフタ14は、入力端子921を介して与えられる振幅係数を1/8の振幅係数に換算し選択部15に与える。一方、入力端子922は、絶対値算出部10により与えられる二次微分フィルタ8により取り出される第2の二次微分成分の絶対値が入力される。選択部15は、入力端子922を介して与えられる絶対値算出部10の第2の二次微分信号の絶対値に応じて入力端子921により与えられる振幅係数、1/2ビットシフタ12により与えられる振幅係数、1/4ビットシフタ13により与えられる振幅係数および1/8ビットシフタ14により与えられる振幅係数のうちいずれか1つを選択し出力端子931に出力する。選択部15は、高周波成分を絶対値算出部10により検出し、振幅係数変調部11により振幅係数の値が小さくなるように選択する。
【0120】
図10に示す振幅係数変調部11の内部構成について図8を用いて本発明の第3の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置の動作について説明する。
【0121】
図8(c)に示すように、二次微分フィルタ8により取り出される二次微分輝度信号の値は小さな値を示すため、その二次微分輝度信号の値を強調して原信号に加算してもリンギングは発生しない。しかし、図8(a)に示すように、本来の輝度信号のエッジ部分(図8の区間A)は高周波成分を多く含むため、エッジ部分の値を強調すると再度リンギングが発生する。そのため、高周波成分を絶対値算出部10によりエッジ部分を検出し、振幅係数変調部11により振幅係数の値が小さくなるように、図10の選択手段15において用いる振幅係数の値を切り替える。
【0122】
以上のように、第3の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置においては、圧縮が行われていない画像データが入力された場合においても過剰に輪郭補正が働くことを防ぐことができる。したがって、圧縮符号化および複号化が行われていない信号が入力された場合またはエッジ成分の高周波成分が失われていない信号が入力された場合でもエッジ強調が過剰に働くことを防止することができる。
【0123】
なお、本発明の第3の実施の形態では、図10において振幅係数変調部をビットシフタと選択手段とにより構成したが、これに限らず、同一の機能を有する他の任意の手段で構成してもよい。また、図10の選択手段15が、絶対値算出部10からの出力に応じて選択を行うが、選択手段15と絶対値算出部10の間にLPF(ローパスフィルタ: Low Pass Filter)等を挿入し、振幅係数変調部11の適応画素範囲を広げてもよい。この場合、さらにエッジの強調が過剰に働くことを防止できる。
【0124】
また、図11は図10に示す振幅係数変調部11を第1の実施の形態に用いた振幅係数変調部5により構成した場合のブロック図である。
【0125】
この場合でも、圧縮が行われていない画像データが入力された場合においても過剰に輪郭補正が働くことを防ぐことができる。したがって、圧縮符号化および複号化が行われていない信号が入力された場合またはエッジ成分の高周波が失われていない信号が入力された場合でもエッジ強調が過剰に働くことを防止することができる。
【0126】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置およびその低減方法について説明する。
【0127】
図12は本発明の第4の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置の一構成を示すブロック図である。
【0128】
図12に示すモスキート歪み低減装置は、入力端子1、二次微分フィルタ2、絶対値算出部3、振幅係数算出部4、振幅可変部5、加算器6、出力端子7、振幅係数変調部11および特徴検出部16により構成される。
【0129】
まず、図12に示すように、入力端子1に復号化されたデジタル信号DSが入力される。ここで、入力端子1に入力される復号化されたデジタル信号DSは、8ビット(1バイト)のデジタル信号とする。
【0130】
入力端子1は、復号化されたデジタル信号DSを二次微分フィルタ2、加算器6および特徴検出部16に与える。二次微分フィルタ2は、与えられる復号化されたデジタル信号DSの二次微分信号を抽出して絶対値算出部3および振幅可変部5に与える。絶対値算出部3は、二次微分フィルタ2により与えられる二次微分信号の絶対値を算出し振幅係数算出部4に与える。
【0131】
振幅係数算出部4は、絶対値算出部3により与えられる二次微分信号の絶対値の大きさに応じて、予め設定された第1の閾値より絶対値が大きいときは、振幅係数の値を小さな振幅の係数の値に換算し、予め設定された第2の閾値より絶対値が大きいときは、振幅係数の値を負の振幅係数の値に換算し、予め設定された第3の閾値より絶対値が大きいときは、振幅係数の値を零の振幅係数の値に換算して振幅係数変調部11に与える。この振幅係数算出部4の予め設定された第1の閥値、第2の閥値および第3の閾値の詳細については第1の実施の形態構成と同様である。
【0132】
特徴検出部16は、入力端子1から入力されるデジタル信号DSの特性を後述する方法により検出し、特徴に応じて振幅係数変調部11に制御信号を与える。振幅変調部11は、特徴検出部16により与えられる制御信号に基づき、振幅係数算出部4により与えられる振幅係数の選択を行い、選択された振幅係数を振幅可変部5に与える。
【0133】
次に、振幅可変部5は、二次微分フィルタ2により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号と振幅係数算出部4により与えられる振幅係数とを乗算する。そして、振幅可変部5は、算出されたデジタル信号DSの二次微分信号を加算器6に与える。加算器6は、入力端子1により与えられるデジタル信号DSおよび振幅可変部5により与えられるデジタル信号DSの二次微分信号を加算し、出力端子7を介して出力する。
【0134】
第4の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置は、二次微分フィルタ2が第1の2次微分検出手段に相当し、絶対値算出部3が第1の絶対値算出手段に相当し、振幅係数算出部4が振幅係数出力手段に相当し、振幅可変部5が振幅可変手段に相当し、加算器6が加算手段に相当し、振幅係数変調部11が振幅係数変調手段に相当し、特徴検出部16が特徴検出手段に相当する。
【0135】
続いて、図13は特徴検出部16の内部構成の一例を示すブロック図である。図13に示す特徴検出部16は、ラッチ部17,21、差分算出部18、絶対値部19、累積加算部20、正規化換算部22および応答制御部23から構成される。
【0136】
まず、特徴検出部16に与えられる復号化されたデジタル信号DSは、ラッチ部17および差分算出部18に与えられる。ラッチ部17は、デジタル信号DSの1画素分遅延させて、遅延させたデジタル信号DSを差分算出部18に与える。差分算出部は、各々近い場所に存在するデジタル信号DSの1画素と遅延されたデジタル信号DSの1画素との差分値を算出し、絶対値算出部19に与える。絶対値算出部19は、与えられる差分値の絶対値を算出し累積加算部20に与える。累積加算部20は、1フレーム期間の絶対値を累積加算し、累積加算された差分値の絶対値をラッチ部21に与える。ラッチ部21は、累積加算部20により出力される1フレーム期間の累積加算の差分値の絶対値を1フレーム期間保持させ、正規化部22に与える。正規化部22は、与えられる1フレーム期間の累積加算された差分値の絶対値を16段階の値で表現し、応答制御部23に与える。応答制御部23は、16段階の値で表現された1フレーム期間の差分値の絶対値を1フレームごとにLPF(ローパスフィルタ: Low Pass Filter)処理を行い、かつ必要に応じてLPFの応答性を制御する。すなわち、応答性制御部23は、復号化されるデジタル信号DSが1フレームごとに同じ画像データを有する時はLPFの通過フィルタ周波数を低く設定し、異なる画像データを有する時はLPFの通過フィルタ周波数を高く設定する働きをする。
【0137】
このように、特徴検出部16は、デジタル信号DSの1フレーム期間の画面全体において隣接する画素の差分の絶対値の総和を算出するため、ナイキスト周波数成分を抽出していることとなる。一般に、画像の圧縮符号化および復号化の過程において圧縮率が高くなれば、画面全体でのナイキスト周波数成分が減少する。このことより、隣接する画素の差分の絶対値の総和の算出結果と画像の圧縮率に相関が生じることがわかる。
【0138】
したがって、ナイキスト周波数成分が大きい場合には、特徴検出部16の算出結果は大きくなり、振幅係数変調部11によりデジタル信号DSに対する加算が抑制される。
【0139】
以上のことから、第4の実施の形態に係るモスキート歪み低減装置は、特徴検出部16によりデジタル信号全体の画素を1フレーム毎の特徴である情報を検出することができる。すなわち、高品位な画像の入力を検出し、振幅係数変調部11により動作が抑制されるように制御することで高品位な画像データの詳細部分(ディテール)の消失を回避することができる。
【0140】
なお、本発明の第4の実施の形態において、特徴検出部16の構成について説明したが、これに限らず、文字を検出する検出ブロックを追加し、検出ブロックにより振幅変調部11を制御させてもよい。また、復号器と独立した構成としたが、これに限らず、復号器の中に本発明のモスキート歪み低減装置を挿入し、量子化情報または動きベクトル情報等の復号情報をさらに含めて振幅係数変調部11を制御してもよい。
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の2次微分手段により映像信号の特定周波数に対して第1の2次微分信号が出力され、正弦波として発生するモスキート歪みが180度反転した位相で抽出される。絶対値算出手段により算出された絶対値が第2の所定値よりも小さい場合には正の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、リンギングを低減することができる。絶対値が第1の所定値よりも大きい場合には符号反転された負の振幅係数が第1の2次微分信号に乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、輪郭の高周波成分を補償することができる。したがって、簡易な回路構成で、モスキート歪を低減し、かつモスキート歪みにより失われた輪郭を補償することが可能となる。また、復号化時に必要な情報を用いないため、復号器と容易に独立した構成の機器に適用することが可能である。
【0142】
また、振幅係数出力手段から出力される振幅係数が負の場合に、振幅可変手段によりリンギング低減に用いた第1の周波数より高い第2の周波数での第2の2次微分信号に振幅係数が乗算され、乗算結果が映像信号に加算される。それにより、映像信号のオーバーシュートを短くすることができる。その結果、リンギングが抑えられ、より原映像信号に近い映像信号を得ることができる。さらに、算出された絶対値に基づいて、振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて振幅可変手段に出力させることができる。したがって、振幅係数が大きいときは振幅係数を変化させて映像信号に加算することができる。その結果、圧縮されてない映像信号が入力されたときに過剰に輪郭補正が働くことを防ぐことが可能となる。
【0143】
また、映像信号における所定の特徴または情報を検出し、検出結果に基づいて出力される振幅係数を変化させて出力することができる。その結果、映像信号が、高品位な画像の場合であっても高品位な画像のディティール消失を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図
【図2】量子化の際に用いるDCT係数の一例を示す模式図
【図3】図1の振幅係数算出部の内部構成の一例を示すブロック図
【図4】図3のLUTに入力される量子化された絶対値と出力される振幅係数の値との関係を示す図
【図5】符号化前の本来の画像データの輝度信号と二次微分フィルタ2により出力される二次微分輝度信号を示す波形図
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図
【図7】図6の振幅可変手段の内部構成の一例を示すブロック図
【図8】符号化前の本来の画像データの輝度信号と二次微分フィルタ2により出力される二次微分輝度信号とを示す波形図
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置のブロック図
【図10】図9の振幅係数変調部の内部構成の一例を示す模式図である。
【図11】図10に示す振幅係数変調部を第1の実施の形態に用いた振幅係数変調部とする場合のブロック図
【図12】本発明の第4の実施の形態におけるモスキート歪み低減装置の一構成を示すブロック図
【図13】特徴検出部の内部構成の一例を示すブロック図
【図14】特開平09−51532のモスキート歪み低減装置の一例を示すブロック図
【図15】フィルタサイズ抽出回路、大領域画素データ抽出回路および小領域画素抽出回路により切り出される画素データの一例を示した図
【図16】大きな濃淡の変化を有する輝度信号にノイズが重畳した場合の一例を示す図
【符号の説明】
1 映像入力端子
2,8 二次微分フィルタ
3,10,19 絶対値算出部
4 振幅係数算出部
5,9 振幅可変部
6 加算器
7 出力端子
11 振幅係数変調部
12 1/2ビットシフタ
13 1/4ビットシフタ
14 1/8ビットシフタ
15,91 選択部
16 特徴検出部
17,21 ラッチ部
18 差分器
20 累積加算部
22 正規化部
23 応答制御部
52 フィルタサイズ画像抽出回路
53 大領域画素データ抽出回路
54 小領域画素データ抽出回路
55 タイミングクロック発生器
56,57,58 メモリ
59,60,63 遅延回路
61,62 画素情報抽出回路
64 閾値算出回路
65 ε−フィルタ
92 掛け算部
101 復号化後の画像データの輝度
102 符号化前の本来の画像データの輝度
103 二次微分フィルターの出力輝度

Claims (8)

  1. 圧縮符号化された映像信号を復号化することにより得られる映像信号に含まれるモスキート歪みを低減するモスキート歪み低減装置であって、
    前記映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号を第1の2次微分信号として出力する第1の2次微分手段と、
    前記第1の2次微分検出手段から出力される第1の2次微分信号の絶対値を算出する第1の絶対値算出手段と、
    前記絶対値算出手段により算出された絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数を出力し、前記絶対値算出手段により算出された絶対値が第2の所定値より小さい場合に正の振幅係数を出力する振幅係数出力手段と、
    前記2次微分手段から出力される第1の2次微分信号に前記振幅係数出力手段から出力される振幅係数を乗算する振幅可変手段と、
    前記振幅可変手段の乗算結果と前記映像信号とを加算して出力する加算手段とを備えたことを特徴とするモスキート歪み低減装置。
  2. 前記第1の周波数より高い第2の周波数での2次微分信号を第2の2次微分信号として出力する第2の2次微分手段をさらに備え、
    前記振幅可変手段は、
    前記振幅係数出力手段から出力される振幅係数が負の場合に前記第2の2次微分手段から出力される第2の2次微分信号に前記振幅係数を乗算して出力し、前記振幅係数出力手段から出力される振幅係数が正の場合に前記第1の2次微分手段から出力される第1の2次微分信号に前記振幅係数を乗算して出力することを特徴とする請求項1記載のモスキート歪み低減装置。
  3. 前記第2の2次微分手段から出力される第2の2次微分信号の絶対値を算出する第2の絶対値算出手段と、
    前記第2の絶対値算出手段により算出された絶対値に基づいて前記振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて前記振幅可変手段に出力する振幅係数変調手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のモスキート歪み低減装置。
  4. 前記映像信号における所定の特徴または情報を検出する特徴検出手段と、
    前記特徴検出手段の検出結果に基づいて前記振幅係数出力手段から出力される振幅係数を変化させて前記振幅可変手段に出力する振幅係数変調手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモスキート歪み低減装置。
  5. 圧縮符号化された映像信号を復号化することにより得られる映像信号に含まれるモスキート歪みを低減するモスキート歪み低減方法であって、
    前記映像信号のナイキスト周波数より低い第1の周波数での2次微分信号を第1の2次微分信号として出力するステップと、
    前記第1の2次微分信号の絶対値を算出するステップと、
    前記算出された第1の2次微分信号の絶対値が第1の所定値より大きい場合に負の振幅係数を出力し、前記算出された第1の2次微分信号の絶対値が第2の所定値より小さい場合に正の振幅係数を出力するステップと、
    前記第1の2次微分信号に前記出力される振幅係数を乗算するステップと、
    前記乗算結果と前記映像信号とを加算して出力するステップとを備えたことを特徴とするモスキート歪み低減方法。
  6. 前記第1の周波数より高い第2の周波数での2次微分信号を第2の2次微分信号として出力するステップと、
    前記出力される振幅係数が負の場合に前記第2の2次微分信号に前記振幅係数を乗算して出力し、前記出力される振幅係数が正の場合に前記第1の2次微分信号に前記振幅係数を乗算して出力するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項5記載のモスキート歪み低減方法。
  7. 前記第2の2次微分信号の絶対値を算出するステップと、
    前記算出された第2の2次微分信号の絶対値に基づいて前記出力される振幅係数を変化させるステップとをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載のモスキート歪み低減方法。
  8. 前記映像信号における所定の特徴または情報を検出するステップと、
    前記検出結果に基づいて前記出力される振幅係数を変化させるステップとをさらに備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のモスキート歪み低減方法。
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