JPH0951532A - 歪み除去装置 - Google Patents

歪み除去装置

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JPH0951532A
JPH0951532A JP8030067A JP3006796A JPH0951532A JP H0951532 A JPH0951532 A JP H0951532A JP 8030067 A JP8030067 A JP 8030067A JP 3006796 A JP3006796 A JP 3006796A JP H0951532 A JPH0951532 A JP H0951532A
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image
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Application number
JP8030067A
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English (en)
Inventor
Kazuo Saigo
賀津雄 西郷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Picture Signal Circuits (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCT及び逆DCTによる圧縮歪みを適応的
に平滑化すること。 【解決手段】 圧縮歪みを生じた画像をフィルタサイズ
画像抽出回路92に入力してフィルタサイズ画像毎に順
次抽出する。更に大領域画素データ抽出回路93と小領
域画素データ抽出回路94により、中心画素周囲の大領
域画素データと小領域画素データとを夫々抽出する。次
に画素情報抽出回路101、102によって2つの領域
の画素データの変化の大きさを抽出し、それらを閾値算
出回路104に供給して平滑化閾値を算出する。ε−フ
ィルタ105では、フィルタサイズ画像の各画素データ
と中心画素データとの差分である画素データ間差分の絶
対値を平滑化閾値で比較する。そして画素データ間差分
の絶対値が平滑化閾値以下のとき、中心画素を平滑化す
ることによって、歪みを適応的に除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の歪みを除去
する歪み除去装置に関するものであり、特にDCT(離
散コサイン変換)を用いた符号化方式によって圧縮符号
化した画像を復号器で再生させたとき、再生画像に生じ
た圧縮歪みを除去し、画質改善を図るものである。
【0002】
【従来の技術】画像をディジタル信号で伝送又は記録す
る場合、圧縮符号化技術は必須の技術である。現在、最
も普及した圧縮符号化方式としてDCT符号化方式があ
る。この方式は画像を複数のブロックに分割し、ブロッ
ク毎にDCTによって画像を周波数変換した後、視覚的
に冗長な周波数成分を量子化によって大幅に削減し、画
像信号を符号化するものである。
【0003】このDCT符号化方式は、画像の絵柄内容
に対して適当な圧縮率の範囲であれば、優れた画質と符
号化効率を発揮する。しかし圧縮するには厳しい絵柄内
容の画像であって、この画像を決められた高い圧縮率で
伝送又は記録する必要がある場合、視覚的に検出され易
い歪みが生じるという欠点がある。
【0004】例えば、画像の濃淡変化の大きな輪郭やエ
ッジの近傍の平坦部分では、リンギングにも似た「モヤ
モヤ」としたモスキート歪みと呼ばれる圧縮歪みが生じ
る。また、図20に示す複雑な枝や葉を含んだ木立のよ
うに、濃淡変化はさほど大きくないが、小刻みに濃淡が
変化するテクスチャ画像では、テクスチャ画像全体に
「ざわざわ」とした歪みがのってしまうことがある。こ
れらの圧縮歪みはいずれも、圧縮による高周波数成分の
大幅な削減のため生じたものであり、その成分が低周波
数成分又は中周波数成分へ漏れ込んでしまった結果とみ
なされている。
【0005】上記のような圧縮歪みを除去する従来法と
しては、ε−フィルタがよく知られている。このフィル
タの詳細は例えば電子情報通信学会の論文誌(A)、vo
l.J65-A 、pp.297-304,1982年、「ε−分離非線形ディ
ジタルフィルタとその応用」に報告されている。このフ
ィルタの特徴は、エッジを保護しつつ、歪みを除去する
点である。次の(1)式はε−フィルタの特性を示す演
算式である。
【数1】 Mは平滑化に用いる画素数を示し、S(k,l)はスケ
ールファクタである。(1)式に示すように、ある画素
位置(x,y)における画素データp(x,y)を、そ
の近傍の画素データp(x+k,y+l)を用いて平滑
化して歪みを除去するが、平滑化される中心の画素デー
タと近傍の画素データとの差の絶対値がある値、例えば
閾値εよりも大きい場合には、その近傍の画素データを
平滑化に用いない。
【0006】このフィルタは図21(a)に示すよう
に、矩形の濃淡変化を有する輝度信号に、例えば絶対値
で閾値ε以下のノイズが重畳すると、この場合の輝度信
号は図21(b)のようになる。図21(b)の信号の
立ち上がり及び立ち下がり部分で示すように、閾値εよ
り大きな信号の変化は、ノイズによる変化ではなく、信
号本来の変化であることを示している。即ちこれは濃淡
の異なる正規の信号である。このように輝度信号は閾値
εによって濃淡信号が濃の信号レベルと、淡の信号レベ
ルとに分けられる。そしてこのフィルタは、濃淡の信号
の夫々に重畳されたノイズ信号を独立に平滑化するよう
にしている。このため濃淡変化の信号は保護され、ノイ
ズのみが除去されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のε−フィル
タは、フィルタ中心の画素データと近傍の周囲画素デー
タとの差の絶対値が閾値εよりも大きいか否かで、近傍
周囲の画素のデータを中心画素の平滑化に加えるか否か
を判別している。すなわち、閾値εはノイズ振幅の絶対
値に相当し、処理すべき中心画素は、所定のノイズレベ
ル差内の画素値を有する近傍周囲の画素信号を用いて平
滑化される。
【0008】処理すべき画像全体に±ε以下の振幅のノ
イズが重畳している場合は、このような閾値εを有する
ε−フィルタを用いて画像歪みを除去すればよい。しか
し圧縮画像のように画像内の異なる絵柄内容において異
なる振幅のノイズ(歪み)が生じる場合、次のような問
題点が発生する。即ち、濃淡変化の大きな輪郭やエッジ
の近傍のモスキート雑音における歪みの振幅は、テクス
チャ画像に発生する歪みの振幅に比べ大である。
【0009】このため、一定の閾値εを有するε−フィ
ルタを用いて画像全領域をフィルタ処理する際、閾値ε
を濃淡変化の大きな輪郭や、エッジの近傍のモスキート
歪みの振幅に合わせると、テクスチャ画像に存在する細
かな輪郭までもが平滑化され、画像がぼかされてしま
う。逆に、閾値εをテクスチャ画像の歪みの振幅に合わ
せると、濃淡変化の大きな輪郭やエッジの近傍のモスキ
ート歪みの除去効果は小さくなる。
【0010】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、画像の濃淡変化の大きさや歪み
の振幅の大きさに対応させて、ε−フィルタの閾値εの
値を変化させて適応的に平滑化を行い、画像歪みを除去
する歪み除去装置を実現することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、圧縮符号化により複数の画素データよりなる原画像
に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪みを除去する
歪み除去装置であって、前記劣化画像から縦m画素×横
n画素のフィルタ画素サイズの画像信号を抽出するフィ
ルタサイズ画像抽出手段と、前記フィルタサイズ画像抽
出手段で得られた画像信号の画素データのうち、最小
値、最大値、中央値を夫々出力する画素特徴値検出手段
と、前記画素特徴値検出手段で得られた中央値と最小値
の差を第1の絶対値とし、前記画素特徴値検出手段で得
られた中央値と最大値の差を第2の絶対値とするとき、
前記第1又は第2の絶対値のうち小さい方を平滑化閾値
の上限値として出力する平滑化閾値算出手段と、前記フ
ィルタサイズ画像抽出手段で得られた画像信号の中心位
置の画素データを中心画素データとし、前記中心位置の
周辺に位置する周辺画素の画素データを周辺画素データ
とする場合に、前記中心画素データと前記周辺画素デー
タの差分値である差分データの絶対値が、前記平滑化閾
値算出手段の出力する平滑化閾値以下のときのみ前記差
分データを所定の値で除したものを前記フィルタサイズ
画像抽出手段の中心画素データに加算して平滑化する画
像平滑化フィルタ手段と、を具備することを特徴とする
ものである。
【0012】本願の請求項2の発明は、圧縮符号化によ
り複数の画素データよりなる原画像に劣化を生じた場合
に、劣化画像の画像歪みを除去する歪み除去装置であっ
て、前記劣化画像から縦m画素×横n画素のフィルタ画
素サイズの画像信号を抽出するフィルタサイズ画像抽出
手段と、前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号が
入力され、フィルタ画素サイズ内における濃淡変化の大
きさを示す微分画像信号を算出する微分画像算出手段
と、画素データの大小を比較するための閾値を設定する
と共に、前記微分画像算出手段で得られた微分画像信号
を前記閾値で分け、前記閾値以上の画像のとき第1の制
御信号を出力し、前記所定の閾値未満の画像のとき第2
の制御信号を発生する閾値設定手段と、前記フィルタサ
イズ画像抽出手段の画像信号が入力され、前記閾値設定
手段から第1の制御信号が与えられたとき、前記画像信
号を平滑化閾値の大きい第1の劣化画像信号として出力
し、前記閾値設定手段から第2の制御信号が与えられた
とき、前記画像信号を平滑化閾値の小さい第2の劣化画
像信号として出力する画像信号選択手段と、前記画像信
号選択手段で選択された第1の劣化画像信号と第2の劣
化画像信号とに対して夫々異なる平滑化処理を行う画像
平滑化フィルタ手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0013】本願の請求項3の発明は、圧縮符号化によ
り複数の画素データよりなる原画像に劣化を生じた場合
に、劣化画像の画像歪みを除去する歪み除去装置であっ
て、前記劣化画像から縦m画素×横n画素のフィルタ画
素サイズの画像信号を抽出するフィルタサイズ画像抽出
手段と、前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号に
対して平滑化処理を行う画像平滑化手段と、前記画像平
滑化手段の平滑化画像信号と前記フィルタサイズ画像抽
出手段の非平滑化画像信号とが入力され、前記平滑化画
像信号と前記非平滑化画像信号との差分信号を算出し、
この信号を差分画像信号として出力する差分画像算出手
段と、画素データの大小を比較するための閾値を設定す
ると共に、前記差分画像算出手段で得られた差分画像信
号を前記閾値で分け、前記閾値以上の画像のとき第1の
制御信号を出力し、前記閾値未満の画像のとき第2の制
御信号を発生する閾値設定手段と、前記フィルタサイズ
画像抽出手段の画像信号が入力され、前記閾値設定手段
から第1の制御信号が与えられたとき、前記画像信号を
平滑化閾値の大きい第1の劣化画像信号として出力し、
前記閾値設定手段から第2の制御信号が与えられたと
き、前記画像信号を平滑化閾値の小さい第2の劣化画像
信号として出力する画像信号選択手段と、前記画像信号
選択手段で選択された第1の劣化画像信号と第2の劣化
画像信号とに対して夫々異なる平滑化処理を行う画像平
滑化フィルタ手段と、を具備すること特徴とするもので
ある。
【0014】本願の請求項4の発明は、圧縮符号化によ
り複数の画素データよりなる原画像に劣化を生じた場合
に、劣化画像の画像歪みを除去する歪み除去装置であっ
て、前記劣化画像から縦m画素×横n画素(m、nは奇
数)のフィルタ画素サイズの画像信号を抽出するフィル
タサイズ画像抽出手段と、前記フィルタサイズ画像抽出
手段で得られたフィルタ画素サイズの画像信号のうち中
心に位置する画素データを中心画素データとし、前記中
心位置の周辺に位置する画素データを周辺画素データと
するとき、前記中心画素データと前記周辺画素データと
の差分の絶対値である差分絶対値を算出する差分絶対値
算出手段と、前記差分絶対値算出手段で得られた差分絶
対値を前記フィルタ画素サイズの画像信号の全てについ
て加算し、加算結果を差分絶対値和として出力する差分
絶対値和算出手段と、画素データの変化の大小を比較す
るための閾値を設定すると共に、前記差分絶対値和算出
手段で得られた差分絶対値和を前記閾値で分け、前記差
分絶対値和が前記閾値以上のとき第1の制御信号を出力
し、前記差分絶対値和が前記閾値未満のとき第2の制御
信号を発生する閾値設定手段と、前記フィルタサイズ画
像抽出手段の画像信号が入力され、前記閾値設定手段か
ら第1の制御信号が与えられたとき、前記画像信号を平
滑化閾値の大きい第1の劣化画像信号として出力し、前
記閾値設定手段から第2の制御信号が与えられたとき、
前記画像信号を平滑化閾値の小さい第2の劣化画像信号
として出力する画像信号選択手段と、前記画像信号選択
手段で選択された第1の劣化画像信号と第2の劣化画像
信号とに対して夫々異なる平滑化処理を行う画像平滑化
フィルタ手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0015】本願の請求項5の発明では、前記画像平滑
化フィルタ手段は、前記フィルタサイズ画像抽出手段で
得られた画像信号の中心位置の画素データを中心画素デ
ータとし、前記中心位置の周辺に位置する周辺画素の画
素データを周辺画素データとするとき、前記中心画素デ
ータに対する前記各周辺画素データの差分値を算出し、
この信号を画素データ間差分値と出力する画素データ間
差分算出手段と、前記画素データ間差分算出手段で得ら
れた画素データ間差分値を差分絶対値に変換する絶対値
算出手段と、前記絶対値算出手段で算出された差分絶対
値が所定の平滑化閾値以下であるとき、前記画素データ
間差分値を平滑化したものを平滑化調整値として算出
し、前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られた画像信
号に前記平滑化調整値を加算することにより、平滑化画
素データを生成する画像データ平滑化調整手段と、を有
することを特徴とするものである。
【0016】本願の請求項8の発明は、圧縮符号化によ
り複数の画素データよりなる原画像に劣化を生じた場合
に、劣化画像の画像歪みを除去する歪み除去装置であっ
て、前記劣化画像から縦m画素×横n画素(m、nは奇
数)のフィルタ画素サイズの画像信号を抽出するフィル
タサイズ画像抽出手段と、前記フィルタサイズ画像抽出
手段で得られたフィルタ画素サイズの画像信号の中心に
位置する画素データを中心画素データとし、前記劣化画
像から前記中心画素データ又は前記中心画素データの近
傍画素データを含み、且つ前記フィルタ画素サイズの画
像信号の画素データ数より多い複数画素データである第
1の複数画素データを抽出する第1の画素データ抽出手
段と、前記劣化画像から前記中心画素データを含み、且
つ前記第1の画素データ抽出手段で抽出する画素データ
数より少ない複数画素データである第2の複数画素デー
タを抽出する第2の画素データ抽出手段と、前記第1の
画素データ抽出手段で得られた第1の複数画素データの
変化の大きさを画素情報として抽出する第1の画素情報
抽出手段と、前記第2の画素データ抽出手段で得られた
第2の複数画素データの変化の大きさを画素情報として
抽出する第2の画素情報抽出手段と、前記第1の画素情
報抽出手段で得られた第1の画素情報を前記第2の画素
情報抽出手段で得られた第2の画素情報で補正しながら
平滑化閾値を算出する平滑化閾値算出手段と、前記フィ
ルタサイズ画像抽出手段で得られたフィルタ画素サイズ
の中心位置の周辺に位置する周辺画素の画素データを周
辺画素データとするとき、前記中心画素データと前記周
辺画素データの差分値である差分データの絶対値が、前
記平滑化閾値算出手段の出力する平滑化閾値以下のとき
のみ、前記差分データを所定の値で除したものを前記フ
ィルタサイズ画像抽出手段の中心画素データに加算して
平滑化する画像平滑化フィルタ手段と、を具備すること
を特徴とするものである。
【0017】本願の請求項9の発明では、前記第1の画
素情報抽出手段は、前記第1の画素データ抽出手段で得
られた第1の複数画素データに対して、前記第1の複数
画素データの連続する画素データ間の1次差分絶対値の
平均を画素情報として抽出するものであり、前記第2の
画素情報抽出手段は、前記第2の画素データ抽出手段で
得られた第2の複数画素データに対して、前記第2の複
数画素データの連続する画素データ間の1次差分絶対値
の平均を画素情報として抽出するものであり、前記平滑
化閾値算出手段は、前記第1の画素情報抽出手段で得ら
れた画素情報に対して、第1の重み付け係数を乗じて第
1の閾値成分を算出する第1の閾値成分算出手段と、前
記第2の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
て、第2の重み付け係数を乗じて第2の閾値成分を算出
する第2の閾値成分算出手段と、前記第1の閾値成分算
出手段で得られた第1の閾値成分から前記第2の閾値成
分算出手段で得られた第2の閾値成分を差し引いて平滑
化閾値を算出する閾値差分手段と、前記閾値差分手段で
得られた平滑化閾値が前記第2の画素情報抽出手段で得
られた画素情報によって制限された範囲にあるとき、前
記閾値差分手段で得られた平滑化閾値を補正する閾値補
正手段と、を有することを特徴とするものである。
【0018】本願の請求項10の発明では、前記第1の
画素情報抽出手段は、前記第1の画素データ抽出手段で
得られた第1の複数画素データに対して、連続する画素
データ間の2次差分絶対値の平均を画素情報として抽出
するものであり、前記第2の画素情報抽出手段は、前記
第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画素デ
ータに対して、連続する画素データ間の2次差分絶対値
の平均を画素情報として抽出するものであり、前記平滑
化閾値算出手段は、前記第1の画素情報抽出手段で得ら
れた画素情報に対して、第1の重み付け係数を乗じて第
1の閾値成分を算出する第1の閾値成分算出手段と、前
記第2の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
て、第2の重み付け係数を乗じて第2の閾値成分を算出
する第2の閾値成分算出手段と、前記第1の閾値成分算
出手段で得られた第1の閾値成分から前記第2の閾値成
分算出手段で得られた第2の閾値成分を差し引いて平滑
化閾値を算出する閾値差分手段と、前記閾値差分手段で
得られた平滑化閾値が前記第2の画素情報抽出手段で得
られた画素情報によって制限された範囲にあるとき、前
記閾値差分手段で得られた平滑化閾値を補正する閾値補
正手段と、を有するものであることを特徴とするもので
ある。
【0019】本願の請求項11の発明では、前記第1の
画素情報抽出手段は、前記第1の画素データ抽出手段で
得られた第1の複数画素データに対して、連続する画素
データ間の1次差分絶対値の平均を画素情報として抽出
するものであり、前記第2の画素情報抽出手段は、前記
第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画素デ
ータに対して、連続する画素データ間の1次差分絶対値
の平均を1次差分画素情報として抽出する1次差分画素
情報抽出手段と、前記第2の画素データ抽出手段で得ら
れた第2の複数画素データに対して、連続する画素デー
タ間の2次差分絶対値の平均を2次差分画素情報として
抽出する2次差分画素情報抽出手段と、を有するもので
あり、前記平滑化閾値算出手段は、前記第1の画素情報
抽出手段で得られた画素情報に対して、第1の重み付け
係数を乗じて第1の閾値成分を算出する第1の閾値成分
算出手段と、前記1次差分画素情報抽出段で得られた1
次差分画素情報に対して、第2の重み付け係数を乗じて
第2の閾値成分を算出する第2の閾値成分算出手段と、
前記第1の閾値成分算出手段で得られた第1の閾値成分
から前記第2の閾値成分算出手段で得られた第2の閾値
成分を差し引いて平滑化閾値を算出する閾値差分手段
と、前記閾値差分手段で得られた平滑化閾値が、前記1
次差分画素情報抽出手段で得られた1次差分画素情報に
よって制限された所定の範囲あるいは前記2次差分画素
情報抽出手段で得られた2次差分画素情報とによって制
限された所定の範囲にあるとき、前記閾値差分手段で得
られた平滑化閾値を補正する閾値補正手段と、を有する
ことを特徴とするものである。
【0020】DCT符号化方式によって圧縮し劣化を生
じた劣化画像では、画像の濃淡変化の大きな輪郭やエッ
ジの近傍の平坦部分に発生する歪みと、濃淡変化はさほ
ど大きくないが小刻みに濃淡が変化するテクスチャ画像
に発生する歪みとで、その歪みの大きさが異なる。すな
わち、前者の歪みの大きさは後者のそれに比べて大であ
る。このため、これら歪みを除去するには、歪みの大き
さに対して適応的に歪み除去の大きさが変えられる画像
平滑化フィルタ手段が必要である。
【0021】このような理由から、本願の請求項1の発
明によれば、劣化画像をm×n画素のフィルタサイズ画
像毎に順次抽出し、フィルタサイズ画像の画素データの
最小値、最大値および中央値を算出する。次に、中央値
と最小値の差の絶対値および中央値と最大値の差の絶対
値を算出し、どちらか小さい絶対値を平滑化閾値(歪み
の大きさ)の上限値として出力する。最後的に、フィル
タサイズ画像の各画素データと平滑化対象画素の中心画
素データとの差分である画素データ間差分の絶対値を平
滑化閾値と比較し、画素データ間差分の絶対値が平滑化
閾値以下のときの画素データ間差分のみを用いて平滑化
対象画素の中心画素を平滑化する。これによって、歪み
除去の大きさをフィルタサイズ画像内の濃淡変化の大き
さに対して適応的に変化させることができる。
【0022】又本願の請求項2、5、6及び7の発明に
よれば、劣化画像の濃淡変化の大きさを示す微分画像を
算出し、微分画像を所定の閾値で分け、所定の閾値以上
の微分画像の画像位置に対応する第1の劣化画像(歪み
成分の大きさも大の画像)と閾値未満の微分画像の画像
位置に対応する第2の劣化画像(歪み成分の大きさも小
の画像)を出力する。次に、第1の劣化画像と第2の劣
化画像に対し、平滑化される中心画素とその画素に近接
し平滑化に用いられる周囲画素との画素データの差分で
ある画素データ間差分と画素データ間差分の絶対値を算
出する。最終的に、第1の劣化画像と第2の劣化画像の
画素データ間差分の絶対値が所定の平滑化閾値(歪みの
大きさ)以下であるとき(ただし、第1の劣化画像に関
する平滑化閾値は第2の劣化画像に関する平滑化閾値よ
り大)、その画素データ間差分を用いて中心画素を平滑
化することで、歪み除去の大きさを微分画像の大きさに
よって変えることができる。
【0023】又本願の請求項3、5、6及び7の発明に
よれば、劣化画像の平滑化画像と劣化画像との差分画
像、すなわち歪み成分を含んだ画像を算出し、差分画像
を所定の閾値で分け、閾値以上の差分画像の画像位置に
対応する第1の劣化画像(歪み成分の大きさも大の画
像)と閾値未満の差分画像の画像位置に対応する第2の
劣化画像(歪み成分の大きさも小の画像)を出力する。
次に、第1の劣化画像と第2の劣化画像に対し、平滑化
される中心画素とその画素に近接し平滑化に用いられる
周囲画素との画素データの差分である画素データ間差分
と画素データ間差分の絶対値を算出する。最終的に、第
1の劣化画像と第2の劣化画像の画素データ間差分の絶
対値が所定の平滑化閾値(歪みの大きさ)以下であると
き(ただし、第1の劣化画像に関する平滑化閾値は第2
の劣化画像に関する閾値より大)、その画素データ間差
分を用いて中心画素を平滑化することで、歪み除去の大
きさを差分画像の大きさによって変えることができる。
【0024】又本願の請求項4、5、6及び7の発明に
よれば、劣化画像をm×n画素のフィルタサイズ画像毎
に順次抽出し、フィルタサイズ画像の中心画素データと
その周辺各画素データとの差分絶対値の総和を算出す
る。次に、前記差分絶対値の総和を所定の閾値で分け、
所定の閾値以上の差分絶対値の総和の画像位置に対応す
る第1の劣化画像(歪み成分の大きさも大の画像)と閾
値未満の差分絶対値の総和の画像位置に対応する第2の
劣化画像(歪み成分の大きさも小の画像)を出力する。
次に、第1の劣化画像と第2の劣化画像に対し、平滑化
される中心画素とその画素に近接し平滑化に用いられる
周囲画素との画素データの差分である画素データ間差分
と画素データ間差分の絶対値を算出する。最終的に、第
1の劣化画像と第2の劣化画像の画素データ間差分の絶
対値が所定の平滑化閾値(歪みの大きさ)以下であると
き(ただし、第1の劣化画像に関する平滑化閾値は第2
の劣化画像に関する平滑化閾値より大)、その画素デー
タ間差分を用いて中心画素を平滑化することで、歪み除
去の大きさをフィルタサイズ画像の差分絶対値の総和の
大きさによって変えることができる。
【0025】又本願の請求項8、9、10、11の発明
によれば、劣化画像に対し、平滑化される平滑化対象画
素データないしはその近傍画素データを含む大きな画像
領域の複数画素データと、前記対象画素データを含む小
さな画像領域の複数画素データとを抽出し、大きな画像
領域の画素データの変化の大きさをあらわす画素情報と
小さな画像領域の画素データの変化の大きさをあらわす
画素情報とを抽出する。次に、大きな画像領域の画素情
報を小さな画像領域の画素情報によって補正しながら平
滑化対象画素データの平滑化閾値を算出する。最終的
に、平滑化対象画素データと平滑化対象画素データの周
辺に位置する周辺画素データとの差分値と差分絶対値を
算出し、前記差分絶対値が前記平滑化閾値以下のときの
み、前記差分値を所定の値で除したものを平滑化対象画
素データに加算して平滑化する。これによって、歪みの
除去の大きさを大きな画像領域の画素情報に対応させる
と同時に小さな画像領域の画素情報によっても局所的に
補正できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の第1実施形態における歪み除
去装置について図1及び図4を参照しつつ説明する。図
1は第1実施形態における歪み除去装置の全体構成を示
すブロック図である。図示しない符号化装置で、DCT
等により圧縮された画像信号は、記録媒体に記録される
か、又は伝送用として受信側の復号装置に出力される。
本図に示す歪み除去装置は、一般に記録媒体の再生時に
又は受信側の復号装置に使用される装置である。
【0027】復号装置で復号された画像信号は、原画像
に比較して劣化している場合が多い。このような劣化画
素を含む画像信号は図1の入力端子1を介してフィルタ
サイズ画像抽出回路2に入力される。フィルタサイズ画
像抽出回路2は入力画像信号を縦m画素×横n画素(本
実施形態ではm=nで、m、nは奇数値とする)のフィ
ルタ画素サイズ毎に順次に切り出す回路である。タイミ
ングクロック生成器3はフィルタサイズ画像抽出回路
2、バッファメモリ4、及び後述する他の回路部の動作
タイミングを制御する制御信号の発生回路である。
【0028】バッファメモリ4はフィルタ画素サイズの
画像信号を記憶するメモリである。遅延回路5はタイミ
ングクロック生成器3の出力する制御信号を遅延させ、
他の回路部との時間調整をする回路である。遅延回路6
はバッファメモリ4に記憶されたフィルタ画素サイズの
画像信号を一時保持し、他の回路部との時間を調整した
後、フィルタ画素サイズの画像信号をε−フィルタ11
に供給する回路である。
【0029】最小値検出回路7、中央値検出回路8及び
最大値検出回路9は夫々、バッファメモリ4から供給さ
れたフィルタ画素サイズの画像信号に対して最小値、中
央値及び最大値を検出する画素特徴値検出手段である。
ε値算出回路10は最小値検出回路7、中央値検出回路
8及び最大値検出回路9から供給される最小値、中央値
及び最大値に対して、中央値と最小値の差を第1の絶対
値として算出すると共に、中央値と最大値の差を第2の
絶対値として算出し、第1及び第2の絶対値を比較する
平滑化閾値算出手段である。そしてどちらか小さい絶対
値を閾値εとしてε−フィルタ11に供給する。
【0030】ε−フィルタ11は、平滑化対象の中心画
素とその周囲画素との差分の絶対値の大きさによって、
周囲画素を平滑化に用いるか否かを選択し、平滑化画像
信号を発生する画像平滑化フィルタ手段である。
【0031】図4はε−フィルタ11の具体的な構成を
示すブロック図である。図4の画素データ間差分算出回
路61は図1の遅延回路6から出力された画像信号に対
して、フィルタの中心画素とその周囲画素との画素デー
タの差分である画素データ間差分値を算出する画素デー
タ間差分算出手段である。絶対値算出回路62は画素デ
ータ間差分算出回路61から出力された画素データ間差
分値の絶対値を算出する絶対値算出手段である。平滑化
閾値回路63は絶対値算出回路62から供給された画素
データ間差分値の絶対値のうち、図1のε値算出回路1
0から供給された平滑化閾値ε以下の絶対値のときの
み、画素データ間差分算出回路61の画素値を通過させ
る制御信号を画素データ間差分選択回路64に出力する
回路である。
【0032】画素データ間差分選択回路64は平滑化閾
値回路63から通過の制御信号が入力されたときのみ、
画素データ間差分算出回路61から出力された画素デー
タ間差分値を通し、遮断の制御信号が入力されたとき、
画素データ間差分算出回路61から出力された画素デー
タを0に変換して出力する回路である。画素データ間差
分加算回路65は画素データ間差分選択回路64から供
給されたm×n個の画素データ間差分値を加算し、画素
データ間差分加算値を出力する回路である。
【0033】平滑化調整値算出回路66は画素データ間
差分加算回路65から供給された画素データ間差分加算
値を、例えばフィルタ画素サイズの画素の総数m×nで
除算し、1画素当たりの平滑化調整値を算出する回路で
ある。平滑化画素算出回路67は遅延回路6から出力さ
れた中心画素のデータと、平滑化調整値算出回路66か
ら供給された平滑化調整値との和を演算し、中心画素の
平滑化画素データとして出力する回路である。この平滑
化画素データは図1の出力端子12を介して外部の画像
メモリ等へ出力される。ここで画素データ間差分値選択
回路64,画素データ間差分加算回路65,平滑化調整
値算出回路66,平滑化画素算出回路67は、フィルタ
サイズ画像抽出手段で得られた画像から平滑化画素デー
タを生成する画像データ平滑化調整手段の機能を有して
いる。
【0034】このように構成された第1実施形態の歪み
除去装置の動作について説明する。まず信号源から出力
される原画像にDCT変換及び量子化等の信号処理を行
う。この圧縮された信号を逆DCT変換等により復調及
び伸長処理を行う。この信号処理過程で画質が劣化した
輝度信号を劣化画像信号と呼ぶ。この劣化画像信号を図
1の入力端子1に入力する。この劣化画像信号はタイミ
ングクロック生成器3の制御信号に従って、フィルタサ
イズ画像抽出回路2に与えられ、縦m画素×横n画素の
フィルタ画素サイズの画像信号に変換される。そしてこ
の画像信号はバッファメモリ4に供給され、ここで一時
保持される。
【0035】バッファメモリ4は、フィルタ画素サイズ
の画像信号を遅延回路6、最小値検出回路7、中央値検
出回路8及び最大値検出回路9に供給する。遅延回路6
は後述する他の回路部との動作のタイミングをとり、バ
ッファメモリ4から出力されたフィルタ画素サイズの画
像信号をε−フィルタ11に供給する。また遅延回路5
もタイミングクロック生成器3の制御信号を遅延させ、
ε−フィルタ11に出力する。
【0036】最小値検出回路7、中央値検出回路8及び
最大値検出回路9は夫々、バッファメモリ4から供給さ
れたフィルタ画素サイズの画像信号に対して、画素デー
タの最小値、中央値及び最大値を検出してそれらをε値
算出回路10に与える。ε値算出回路10は、中央値と
最小値の差を演算してこれを第1の絶対値とし、中央値
と最大値の差を演算してこれを第2の絶対値とする。そ
してε値算出回路10は第1及び第2の絶対値のうち、
小さい方を平滑化閾値εとしてε−フィルタ11に与え
る。この閾値εは圧縮歪みの大きさの上限値に相当す
る。
【0037】ここでε−フィルタ11の動作について、
図5に示すフィルタ画素サイズの画像信号を用いて具体
的に説明する。図5(a)は図1の遅延回路6から出力
される縦3×横3のフィルタ画素サイズの画像信号の一
例を示す。そして平滑化対象となる中心画素p(x,
y)のデータは7とする。図4の画素データ間差分算出
回路61はこの画像信号が与えられると、フィルタの中
心に位置する画素データ7と、その周囲に位置する画素
データの差分である画素データ間差分値を算出する。こ
こで算出された画素データ間差分値は図5(b)のよう
になる。
【0038】この画素データ間差分値を絶対値算出回路
62に供給すると、3×3の各画素データが図5(c)
に示すような絶対値に変換され、平滑化閾値回路63に
出力される。平滑化閾値回路63はこのような画素デー
タ間差分絶対値が供給されると、これらの絶対値のう
ち、図1のε値算出回路10から供給された平滑化閾値
ε以下の絶対値を判別し、画素データ間差分選択回路6
4に対してゲートを解放する通過制御信号を出力する。
【0039】ここで平滑化閾値εとして例えば「5」が
与えられると、平滑化閾値回路63は画素データ間差分
選択回路64に対して「5」以下の画素データを通過さ
せる制御信号を与える。画素データ間差分選択回路64
では画素データ間差分算出回路61から供給された画素
データ間差分値を平滑化閾値回路63からの制御信号で
選択する。そうすると画素データ間差分選択回路64は
図5(d)に示すような画像信号を出力する。
【0040】画素データ間差分選択回路64からの画素
データ間差分値が画素データ間差分加算回路65に入力
されると、3×3個の画素データが加算され、画素デー
タ間差分加算値として図5(e)に示すような「−9」
が出力される。この信号は平滑化調整値算出回路66に
与えられ、フィルタ画素サイズの画素数9で除算され、
平滑化調整値として「−9/9」が出力される。この平
滑化調整値が平滑化画素算出回路67に出力されると、
遅延回路6から出力されたフィルタ画素サイズの中心画
素のデータ「7」と加算され、最終的な中心画素の平滑
化画素データとして「6」が出力される。
【0041】このように平滑化画素データq(x,y)
は(1)式に示した変換式で変換され、出力端子12か
ら出力される。こうして歪みが除去されたフィルタ画素
サイズの画像信号が図示しない外部の画像メモリ等へ出
力される。
【0042】ここで画素データ間差分選択回路64、画
素データ間差分加算回路65、平滑化調整値算出回路6
6、平滑化画素算出回路67は、絶対値算出回路62で
算出された差分絶対値が、平滑化閾値回路63で得られ
た閾値以下であるとき、画素データ間差分値を平滑化し
たものを平滑化調整値として算出し、フィルタサイズ画
像抽出手段で得られた画像信号に平滑化調整値を加算す
ることにより、平滑化画素データを生成する画像データ
平滑化調整手段を構成している。
【0043】以上のように第1実施形態によれば、ε−
フィルタで劣化画像を平滑化するにあたって、フィルタ
画素サイズの画素データの最小値と中央値の差を第1の
絶対値とし、最大値と中央値の差を第2の絶対値とす
る。そしてどちらか小さい方の絶対値を平滑化閾値又は
期待される歪みの大きさとし、この値を基に画素単位で
平滑化の大きさ、ひいては歪み除去の大きさを変化させ
ることができる。
【0044】なお上記実施形態では、図4の画素データ
間差分加算回路65において加算された画素データ間差
分値をフィルタ画素の画素データの総数で除算して平滑
化調整値を算出したが、演算高速のためフィルタサイズ
に合わせ2のべき乗値で除算してもよい。また本実施形
態では画素データ間差分値を単純加算し、スケールファ
クタS(x,y)として1/9を設定したが、画素デー
タ間差分値に対して中心画素に近接しているほど、重み
付けの値を大にするようなスケールファクタS(x,
y)を用いてもよい。さらに、本実施形態では最も簡単
なε−フィルタを用いたが、設定された閾値に基づいて
非線形的な平滑化を行うε−フィルタや他の改良型フィ
ルタを用いてもよい。
【0045】(実施の形態2)本発明の第2実施形態に
おける歪み除去装置について図2及び図4を参照しつつ
説明する。図2は第2実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。図2に示すブロック
のうち、図1と同じ名称のブロックは第1実施形態と同
じ機能を有し、同様の動作を行うものであるので、それ
らの詳細な説明は省略する。また図4に示すε−フィル
タの構成及びその動作も第1実施形態と同一であり、説
明は省略する。
【0046】図示しない符号化装置でDCT等により圧
縮された画像信号は、記録媒体に記録されるか、又は伝
送用として受信側の復号装置に出力される。復号装置で
復号された劣化部分を含む劣化画像信号は、入力端子2
1を介してフィルタサイズ画像抽出回路22に入力され
る。フィルタサイズ画像抽出回路22は入力画像信号
を、例えば縦m画素×横n画素のフィルタ画素サイズ毎
に順次切り出す回路である。
【0047】タイミングクロック生成器23はフィルタ
サイズ画像抽出回路22、バッファメモリ24、及び後
述する他の回路部の動作タイミングを制御する制御信号
の発生回路である。バッファメモリ24はフィルタ画素
サイズの画像信号を一時保持するメモリである。遅延回
路25はタイミングクロック生成器23の制御信号を遅
延させる回路である。遅延回路26はバッファメモリ2
4に記憶されたフィルタ画素サイズの画像信号を保持
し、他の回路部との時間調整をする回路である。
【0048】2微分フィルタ27は、バッファメモリ2
4の画像信号を入力し、例えば(2)式に示すようなフ
ィルタ係数で演算する微分画像算出手段であり、2次元
ラプラシアンフィルタで構成される。
【数2】 この演算によって2微分フィルタ27は入力信号の2次
微分を行い、画像の濃淡変化の大きさを算出する。閾値
回路28は、画素データの大小を比較するための閾値を
設定すると共に、2微分フィルタ27の2次微分値が入
力されると、2次微分値の絶対値を算出し、その絶対値
を所定の閾値で仕分ける閾値設定手段である。そして閾
値回路28は2次微分値の絶対値が所定の閾値以上のと
き第1の制御信号を発生し、また2次微分値の絶対値が
所定の閾値未満のとき第2の制御信号を発生する。
【0049】信号選択回路29は閾値回路28から出力
された第1の制御信号及び第2の制御信号に基づき、遅
延回路26の出力を選択してε−フィルタ30又はε−
フィルタ31に与える画像信号選択手段である。第1の
制御信号の場合はフィルタ画素サイズの画像信号を第1
の劣化画像信号としてε−フィルタ30に与え、第2の
制御信号の場合はフィルタ画素サイズの画像信号を第2
の劣化画像信号としてε−フィルタ31に与える。但
し、ε−フィルタ30はε−フィルタ31よりも大きな
値の平滑化閾値εを有するε−フィルタである。ε−フ
ィルタ30、ε−フィルタ31は、信号選択回路29で
選択された第1の劣化画像信号、第2の劣化画像信号に
対して夫々異なる平滑化処理を行う画像平滑化フィルタ
手段を構成している。
【0050】ε−フィルタ30及びε−フィルタ31の
構成は、信号選択回路29から図4の画素データ間差分
算出回路61及び平滑化画素算出回路67にフィルタ画
素サイズの画像信号が供給されること、また平滑化閾値
回路63には、あらかじめε−フィルタ30又はε−フ
ィルタ31用の異なる平滑化閾値が設定されている以外
は第1実施形態と同様である。
【0051】図2の出力選択回路32は、遅延回路25
を介してタイミングクロック生成器23から出力された
制御信号に従って、ε−フィルタ30又はε−フィルタ
31で平滑化された画素データを選択する回路である。
出力選択回路32で選択された平滑済みの画素データは
出力端子33を介して外部の画像メモリ等に出力され
る。
【0052】このように構成された第2実施形態の歪み
除去装置の動作について説明する。まず図2において、
信号源から出力された原画像にDCT変換及び量子化等
が行われ、さらに復号装置で復号された劣化画像信号は
入力端子21に入力される。この劣化画像信号はタイミ
ングクロック生成器23の制御信号に従って、フィルタ
サイズ画像抽出回路22に入力され、縦m画素×横n画
素のフィルタ画素サイズの画像信号に変換される。この
画像信号はバッファメモリ24に入力され、一旦保持さ
れる。
【0053】次にバッファメモリ24はフィルタ画素サ
イズの画像信号を遅延回路26及び2次微分フィルタ2
7に出力する。遅延回路26は後述する他の回路部の動
作タイミングとり、バッファメモリ24から出力された
フィルタ画素サイズの画像信号を信号選択回路29に供
給する。また遅延回路25もタイミングクロック生成器
23の制御信号を後述する他の回路部の動作に要する時
間だけ遅延させ、信号選択回路29及び出力選択回路3
2に出力する。
【0054】2次微分フィルタ27では、例えばフィル
タ画素サイズの画像信号の中心画素データを(2)式に
示すフィルタの中心位置に来るよう設定し、この式でフ
ィルタリングして2次微分値を算出する。ここで算出さ
れた2次微分値は閾値回路28に出力される。閾値回路
28は入力された2次微分値を絶対値に変換し、所定の
閾値と比較する。そして2次微分値の絶対値が所定の閾
値以上のときは、第1の制御信号を出力し、2次微分値
の絶対値が所定の閾値未満のときは、第2の制御信号を
出力し、信号選択回路29に与える。
【0055】信号選択回路29は閾値回路28から出力
された第1の制御信号又は第2の制御信号に基づき、遅
延回路26の出力するフィルタ画素サイズの画像信号を
ε−フィルタ30又はε−フィルタ31へ選択して振り
分ける。即ち、第1の制御信号が入力されたときは、フ
ィルタ画素サイズの画像信号をε−フィルタ30に与
え、第2の制御信号が入力されたときは、フィルタ画素
サイズの画像信号をε−フィルタ31に与える。
【0056】ε−フィルタ30及びε−フィルタ31は
信号選択回路29から供給されたフィルタ画素サイズの
画像信号に対して、第1実施形態のε−フィルタ11と
同様の動作をする。但し、図4の平滑化閾値回路63に
は、あらかじめ所定の平滑化閾値、即ちε−フィルタ3
0の平滑化閾値がε−フィルタ31のそれよりも大きい
値で設定されている。このため、2次微分値の絶対値が
所定の閾値以上のときは、フィルタ画素サイズの画像信
号をε−フィルタ30で処理し、2次微分値の絶対値が
所定の閾値未満のときは、フィルタ画素サイズの画像信
号をε−フィルタ31で処理する。
【0057】ε−フィルタ30又はε−フィルタ31で
平滑化された中心画素のデータは、出力選択回路32に
与えられる。出力選択回路32は遅延回路25からのタ
イミングの制御信号に従って、ε−フィルタ30又はε
−フィルタ31のいずれかで平滑化された画素データを
選択し、平滑化された中心画素のデータを出力端子33
を介して外部の画像メモリ等に出力する。
【0058】このように第2実施形態によれば、まず劣
化画像の2次微分、即ち画像の濃淡変化の大きさを算出
し、次に2次微分の大きさによって劣化画像を大きく2
つに分ける。そしてそれらの画像信号に対して平滑化閾
値の異なるε−フィルタを用いて平滑化する。これによ
って画像に生じた歪みの大きさに合わせて歪み除去を行
うことができる。
【0059】なお第2実施形態では、画像の濃淡変化の
大きさを算出するのに2次微分を用いたが、垂直方向及
び水平方向の1次微分の和を用いてもよい。また、閾値
回路では2次微分値を2段階に分けたが、画像の歪みの
大きさに合わせて多段階に分けてもよく、その場合は分
ける数に合わせて平滑化閾値の異なるε−フィルタを複
数用意する。更に本実施形態では、平滑化による除去手
段として図4に示すような最も簡単なε−フィルタを用
いたが、ある閾値に基づいて非線形的に平滑化を行うε
−フィルタや、改良したフィルタを用いてもよい。
【0060】(実施の形態3)次に本発明の第3実施形
態における歪み除去装置について図3及び図4を参照し
つつ説明する。図3は第3実施形態における歪み除去装
置の全体構成を示すブロック図である。図3及び図4に
おいて第1、第2実施形態と同一機能を有するブロック
は同一の名称を付け、それらの詳細な説明は省略する。
【0061】図3に示すフィルタサイズ画像抽出回路4
2、タイミングクロック生成器43、バッファメモリ4
4、遅延回路45、遅延回路46、出力選択回路53
は、第2実施形態におけるフィルタサイズ画像抽出回路
22、タイミングクロック生成器23、バッファメモリ
24、遅延回路25、遅延回路26、出力選択回路32
と全く同一の動作をする回路である。
【0062】さて平滑化回路47は、例えば(3)式に
示すようなフィルタ係数を有する画像平滑化手段であ
る。
【数3】
【0063】平滑化回路47は劣化画像のフィルタサイ
ズ内の画素データを周囲画素で加算平均し、平滑化画像
信号を生成する。差分信号算出回路48は平滑化回路4
7から与えられたフィルタ画素サイズの平滑化画像信号
と、バッファメモリ44から供給されたフィルタ画素サ
イズの非平滑化画像信号との差分データを算出する差分
画像算出手段である。
【0064】閾値回路49は、画素データの大小を比較
するための閾値を設定すると共に、差分信号算出回路4
8の出力する差分データを絶対値に変換し、その絶対値
を所定の閾値で分ける閾値設定手段である。そして閾値
回路49は、差分データの絶対値が所定の閾値以上のと
き第1の制御信号を出力し、また差分信号の絶対値が所
定の閾値未満のとき第2の制御信号を出力する回路であ
る。
【0065】信号選択回路50は閾値回路49から出力
された第1の制御信号及び第2の制御信号に基づき、遅
延回路46から入力されたフィルタ画素サイズの画像信
号を、ε−フィルタ51又はε−フィルタ52に仕分け
をして出力する分離平滑化手段である。信号選択回路5
0は第1の制御信号が与えられると、遅延回路46の画
像信号をε−フィルタ51に出力し、第2の制御信号が
与えられると、遅延回路46の画像信号をε−フィルタ
52に出力する。なお、ε−フィルタ51の平滑化閾値
はε−フィルタ52よりも大とする。
【0066】ε−フィルタ51及びε−フィルタ52の
構成は、第1実施形態のε−フィルタと同様であるが、
信号選択回路50からフィルタ画素サイズの画像信号が
画素データ間差分算出回路61及び平滑化画素算出回路
67に供給される点、また平滑化閾値回路63にあらか
じめε−フィルタ51及びε−フィルタ52用の異なる
平滑化閾値が設定されている点が異なる。
【0067】このように構成された第3実施形態の歪み
除去装置の動作について、特に第2実施形態と異なる部
分について説明する。まず図3において、信号源から出
力される原画像にDCT変換及び量子化等が行われ、さ
らに復号装置で復号された劣化画像信号は入力端子21
に入力される。この劣化画像信号はタイミングクロック
生成器43の制御信号に従ってフィルタサイズ画像抽出
回路42に入力され、所定のフィルタ画像サイズで抽出
される。そしてこの画像はバッファメモリ44に保持さ
れる。そしてバッファメモリ44に保持されたフィルタ
画素サイズの画像信号は遅延回路46、平滑化回路4
7、差分信号算出回路48に出力される。
【0068】平滑化回路47では、例えばフィルタ画素
サイズの画像信号の中心画素データが(3)式のフィル
タの中心に来るようにフィルタリングし、フィルタ内の
画素データを平均化した平滑化画像信号を算出する。差
分信号算出回路48は、平滑化回路47からの平滑化画
像信号と、バッファメモリ44からの非平滑化画像信号
との間で差分データを算出する。
【0069】閾値回路49は入力された差分データを絶
対値に変換した後、所定の閾値と比較する。そして閾値
回路49は、差分データの絶対値が所定の閾値以上のと
きは第1の制御信号を発生し、また差分データの絶対値
が所定の閾値未満のときは第2の制御信号を発生し、第
1又は第2の制御信号を信号選択回路50に与える。
【0070】信号選択回路50は閾値回路49から供給
された第1の制御信号又は第2の制御信号に従って、遅
延回路46から出力されたフィルタ画素サイズの画像信
号をε−フィルタ51又はε−フィルタ52に振り分け
る。ε−フィルタ51とε−フィルタ52は夫々第2実
施形態のε−フィルタ30とε−フィルタ31と同様な
動作をする。即ち、図4の平滑化閾値回路63には、異
なる平滑化閾値としてε−フィルタ51の平滑化閾値が
ε−フィルタ52のそれよりも大きな値で設定されてい
る。
【0071】従って、差分データの絶対値が所定の閾値
以上のときは、フィルタ画素サイズの画像信号がε−フ
ィルタ51で処理され、差分データの絶対値が所定の閾
値未満のときは、フィルタ画素サイズの画像信号がε−
フィルタ52で処理される。ε−フィルタ51又はε−
フィルタ52で平滑化された中心画素のデータは出力選
択回路53に供給される。出力選択回路53は遅延回路
45からのタイミングの制御信号に従って、ε−フィル
タ51又はε−フィルタ52のいずれかを選択し、平滑
化された中心画素のデータを出力端子54を介して外部
の画像メモリ等に出力する。
【0072】このように第3実施形態によれば、まず劣
化画像とその平滑化画像との差分データ、すなわち歪み
成分を含んだ信号を抽出する。次に差分データの大きさ
によって劣化画像を大きく2つに分け、それらに対して
平滑化閾値の異なるε−フィルタを用いて平滑化する。
これによって、画像に生じた歪みの大きさに合わせてそ
の歪み除去することができる。
【0073】なお、第3実施形態では、劣化画像とその
平滑化画像との差分データを利用したが、劣化画像と劣
化画像を水平ないしは垂直にシフトした画像との差分デ
ータを用いてもよい。又、閾値回路49では差分データ
を2段階に分けたが、画像の歪みの大きさに合わせて多
段階に分けてもよい。更に平滑化による除去手段とし
て、図4に示すような最も簡単なε−フィルタを用いた
が、ある閾値に基づいて非線形的に平滑化を行うε−フ
ィルタや改良した他のフィルタを用いてもよい。
【0074】以上のように第1〜第3の実施形態は、い
ずれも画像の濃淡変化の大きさ、あるいは歪みの大きさ
に対して、ε−フィルタのεの閾値を変化させて適応的
な平滑化を行って歪みを除去することができる。但し、
各実施形態はそれぞれ異なる構成のため、次のような個
別の特徴がある。
【0075】第1実施形態にあっては、画素単位でε−
フィルタの平滑化閾値(期待される歪みの大きさの上限
値に相当)を適応的に変化することができる。このた
め、局所的な歪みの大きさ変化に対しても歪み除去効果
が大きい。
【0076】第2実施形態にあっては、画像の濃淡変化
の大きさに直接対応した微分値に基づいて劣化画像に期
待される歪みの大きさを2分し、それらを平滑化閾値の
異なるε−フィルタを用いて平滑化する。このため、画
像の濃淡変化の大きさと歪み変化の大きさとの対応関係
から、大きな濃淡変化の近傍に発生した大きな歪みの変
化、及び小さな濃淡変化の近傍に発生した小さな歪み変
化を夫々異なる条件で除去することができる。また他の
実施形態に比べ演算量が少なくてすむ。
【0077】第3実施形態にあっては、劣化画像とその
平滑化画像との差分、すなわち歪み成分を含んだ信号に
基づいて直接劣化画像の歪みの大きさ領域を2分し、そ
れらを平滑化閾値の異なるε−フィルタを用いて平滑化
する。このため、画像に生じた歪みの大きさに合わせ
て、画像信号の歪みを除去することができる。
【0078】(実施の形態4)次に本発明の第4実施形
態における歪み除去装置について図6及び図4を参照し
つつ説明する。図6は第3実施形態における歪み除去装
置の全体構成を示すブロック図である。図6及び図4に
おいて第1、第2、第3実施形態と同一機能を有するブ
ロックは同一の名称を付け、それらの詳細な説明は省略
する。
【0079】図6に示すフィルタサイズ画像抽出回路7
2、タイミングクロック生成器73、バッファメモリ7
4、遅延回路75、遅延回路76、出力選択回路84
は、第3実施形態におけるフィルタサイズ画像抽出回路
42、タイミングクロック生成器43、バッファメモリ
44、遅延回路45、遅延回路46、出力選択回路53
と夫々同一の動作をする回路である。
【0080】また、画素データ間差分算出回路77、絶
対値算出回路78は、図4の画素データ間差分算出回路
61、絶対値算出回路62と夫々同一の動作をする差分
絶対値算出手段である。画素データ間差分算出回路77
はバッファメモリ74から出力された画像信号に対し
て、フィルタの中心画素とその周囲画素との画素データ
の差分である画素データ間差分値を算出する回路であ
る。絶対値算出回路78は画素データ間差分算出回路7
7から出力された画素データ間差分値の絶対値を算出す
る回路である。
【0081】絶対値和算出回路79は絶対値算出回路7
8から供給されたm×n個の画素データ間差分値の絶対
値を加算し、画素データ間差分絶対値和を出力する差分
絶対値和算出手段である。閾値回路80は、画素データ
の大小を比較するための閾値を設定すると共に、絶対値
和算出回路79の出力する画素データ間差分絶対値和を
所定の閾値で仕分ける閾値設定手段である。そして閾値
回路80は、画素データ間差分絶対値和が所定の閾値以
上のとき第1の制御信号を出力し、また画素データ間差
分絶対値和が所定の閾値未満のとき第2の制御信号を出
力する回路である。
【0082】信号選択回路81は閾値回路80から出力
された第1の制御信号又は第2の制御信号に基づき、遅
延回路76から入力されたフィルタ画素サイズの画像信
号を、ε−フィルタ82又はε−フィルタ83に仕分け
をして出力するものである。そして信号選択回路81は
第1の制御信号が与えられると、画像信号をε−フィル
タ82に出力し、第2の制御信号が与えられると、画像
信号をε−フィルタ82に出力する。なお、ε−フィル
タ82の平滑化閾値はε−フィルタ82のものよりも大
とする。
【0083】ε−フィルタ82及びε−フィルタ83の
構成は、第1実施形態のε−フィルタと同様であるが、
信号選択回路81からフィルタ画素サイズの画像信号が
図4の画素データ間差分算出回路61及び平滑化画素算
出回路67に供給される点、また平滑化閾値回路63に
あらかじめε−フィルタ82及びε−フィルタ83に用
いられる異なった値の平滑化閾値が設定されている点が
異なる。
【0084】このように構成された第4実施形態の歪み
除去装置の動作について、特に第3実施形態と異なる部
分について説明する。まず信号源から出力される原画像
にDCT変換及び量子化等の信号処理を行う。さらに復
号装置で復号した劣化画像信号を入力端子21に入力す
る。この劣化画像信号はタイミングクロック生成器73
の制御信号に従ってフィルタサイズ画像抽出回路72に
入力され、所定のフィルタ画像サイズで抽出される。そ
してこの画像はバッファメモリ74に保持される。そし
てバッファメモリ74に保持されたフィルタ画素サイズ
の画像信号は遅延回路76、画素データ間差分算出回路
77に出力される。
【0085】画素データ間差分算出回路77では、バッ
ファメモリ74から供給されたm×n個の画素データの
中心に位置する画素データと、その周囲に位置する画素
データの差分である画素データ間差分値を算出する。こ
の画素データ間差分値を絶対値算出回路78に供給する
と、m×n個の画素データ差分値は絶対値に変換され、
絶対値和算出回路79に与えられる。絶対値和算出回路
79はm×n個の画素データ間差分値の絶対値を加算
し、その和である画素データ間差分絶対値和を算出す
る。
【0086】閾値回路80は、絶対値和算出回路79か
ら入力された画素データ間差分絶対値和を所定の閾値と
比較する。そして閾値回路80は、画素データ間差分絶
対値和が所定の閾値以上のとき、第1の制御信号を出力
し、また画素データ間差分絶対値和が所定の閾値未満の
とき、第2の制御信号を出力し、信号選択回路81に与
える。
【0087】信号選択回路81は閾値回路80から出力
された第1の制御信号又は第2の制御信号に従って、遅
延回路76の出力するフィルタ画素サイズの画像信号を
ε−フィルタ82又はε−フィルタ83へ選択して振り
分ける。ε−フィルタ82とε−フィルタ83は、夫々
第3実施形態のε−フィルタ51とε−フィルタ52と
同様な動作をする。図6のε−フィルタ82の平滑化閾
値は、ε−フィルタ83の平滑化閾値よりも大きい。
【0088】従って、画素データ間差分絶対値和が所定
の閾値以上のときは、フィルタ画素サイズの画像信号が
ε−フィルタ82で処理され、画素データ間差分絶対値
和が所定の閾値未満のときは、フィルタ画素サイズの画
像信号がε−フィルタ83で処理される。ε−フィルタ
82又はε−フィルタ83で平滑化された中心画素のデ
ータは出力選択回路84に供給される。出力選択回路8
4は遅延回路75からのタイミングの制御信号に従っ
て、ε−フィルタ82又はε−フィルタ83のいずれか
で平滑化された中心画素のデータを出力端子85を介し
て外部の画像メモリ等に出力する。
【0089】このように第4実施形態によれば、まず劣
化画像のm×n個の画素データの中心に位置する画中心
画素データと、その周囲に位置する周辺画素データとの
画素データ間差分値の絶対値の和である画素データ間差
分絶対値和を算出する。次に画素データ間差分絶対値和
の大きさによって劣化画像を大きく2つに分け、それら
に対して平滑化閾値の異なるε−フィルタを用いて平滑
化する。これによって歪み除去の大きさが、平滑化され
る中心対象画素データとその周辺画素データとの差分の
大きさに対応するようになり、適応的な歪み除去が可能
となる。
【0090】なお、第4実施形態では、閾値回路80で
画素データ間差分絶対値和を2段階に分けたが、画像の
歪みの大きさに合わせて多段階に分けてもよい。更に平
滑化による除去手段として、図4に示すような最も簡単
なε−フィルタを用いたが、ある閾値に基づいて非線形
的に平滑化を行うε−フィルタや、改良した他のフィル
タを用いてもよい。
【0091】(実施の形態5)次に本発明の第5実施形
態における歪み除去装置について図7及び図4を参照し
つつ説明する。図7は第5実施形態における歪み除去装
置の全体構成を示すブロック図である。図7及び図4に
おいて第1から第4実施形態と同一機能を有するブロッ
クは同一の名称を付け、それらの詳細な説明は省略す
る。本図に示す歪み除去装置は、一般に記録媒体の再生
時に、又は受信側の復号装置に使用される装置である。
【0092】復号装置で復号された画像信号は、原画像
に比較して劣化している場合が多い。このような画像の
劣化部分を含む複数の画素データを図7の入力端子91
を介して、フィルタサイズ画像抽出回路92、大領域画
素データ抽出回路93、小領域画素データ抽出回路94
に入力する。フィルタサイズ画像抽出回路92は入力画
像信号を縦m画素×横n画素(m>1、n>1の奇数
値)のフィルタ画素サイズ毎に順次に切り出す回路であ
る。
【0093】これに対して大領域画素データ抽出回路9
3は、フィルタサイズ画像抽出回路92で切り出された
フィルタ画素サイズの中心画素又はその近傍画素を含
み、フィルタ画素サイズの画素数よりも多い複数画素
(上限画素数は画像1フレーム又は画像1フィールドの
全画素とする)の画素データを抽出する第1の画像デー
タ抽出手段である。大領域画素データ抽出回路93の複
数画素抽出の仕方としては、例えば、図8の(a)〜
(n)に示すような抽出方法がある。外枠の四角形は画
像の1フレーム又は1フィールドの画像範囲を表し、黒
丸はフィルタサイズ画像抽出回路92で切り出されたフ
ィルタ画素サイズの中心画素を示し、白丸は大領域画素
データ抽出回路93で抽出する画素を示す。ただし、図
8は説明図であるため、枠内の白丸の数は実際の画素数
とは対応しない。
【0094】なお、図8の(a)、(c)、(e)、
(g)、(i)、(k)、(l)、(m)、(n)に黒
丸で示す中心画素は、他の画素である白丸と共に大領域
画素データ抽出回路93で抽出される。また、図8の
(a)、(c)、(e)、(g)、(i)では、縦方向
及び横方向に連続して画素データが抽出され、(k)と
(m)では横方向に、(l)と(n)では縦方向に連続
して画素データが抽出される。さらに図8の(b)、
(d)、(h)では、縦方向に一定の画素間隔を置いて
横方向に連続して画素データが抽出され、(f)と
(j)では横方向に一定の画素間隔を置いて縦方向に連
続して画素データが抽出される。ただし、図8(b)、
(d)、(f)、(h)、(j)では、中心画素の黒丸
が抽出されない場合を示したが、黒丸が白丸の位置にあ
って、白丸と一緒に抽出される場合も存在する。
【0095】小領域画素データ抽出回路94は、フィル
タサイズ画像抽出回路92で切り出されたフィルタ画素
サイズの中心画素を含み、しかも大領域画素データ抽出
回路93で抽出された画素数よりも少なく、3画素以上
の複数画素データを抽出する第2の画像データ抽出手段
である。小領域画素データ抽出回路93の複数画素抽出
の仕方としては、例えば、図8の(g)、(i)、
(m)、(n)に示すような抽出方法がある。
【0096】タイミングクロック生成器95は、フィル
タサイズ画像抽出回路92、領域画素データ抽出回路9
3、小領域画素データ抽出回路94、メモリ96、メモ
リ97、メモリ98、及び後述する他の回路部の動作タ
イミングを制御する制御信号を発生する回路である。
【0097】メモリ96はフィルタ画素サイズ画像抽出
回路62の画像信号を保持するメモリである。メモリ9
7は大領域画素データ抽出回路93の画像信号を保持す
るメモリである。メモリ98は小領域画素データ抽出回
路94の画像信号を保持するメモリである。遅延回路9
9はタイミングクロック生成器95の出力する制御信号
を遅延させ、他の回路部との時間調整をする回路であ
る。遅延回路100はメモリ96から出力されたフィル
タ画素サイズの画像信号を一時保持し、後述の閾値算出
回路104からの出力と同期させるための時間調整を行
い、フィルタ画素サイズの画像信号をε−フィルタ10
5に供給する回路である。
【0098】画素情報抽出回路101は、メモリ97か
ら供給された大領域画素データについて画素データの変
化の大きさを画素情報として抽出する第1の画像情報抽
出手段である。画素データの変化としては、大領域画素
データの統計量、例えば、総和、平均、偏差、相関、あ
るいは大領域画素データの隣接する画素データ間の1次
差分又は2次差分(あるいはそれら差分の絶対値)の統
計量、例えば、総和、平均、偏差、相関などがある。
【0099】画素情報抽出回路102は、メモリ98か
ら供給された小領域画素データについて画素データの変
化の大きさを画素情報として抽出する第2の画素情報抽
出手段である。抽出する画素データの変化としては、画
素情報抽出回路101で抽出された画素データの変化と
同じ統計量が対応する。遅延回路103は、画素情報抽
出回路101で抽出された画素情報を一旦保持し、画素
情報抽出回路102から出力される画素情報と同期させ
て閾値算出回路104へ画素情報を出力する回路であ
る。
【0100】閾値算出回路104は、遅延回路103か
ら入力された画素情報を画素情報抽出回路102から入
力された画素情報によって補正しながら、歪み除去の大
きさを決めるための平滑化閾値を算出する平滑化閾値算
出手段である。例えば、図9(a)及び(b)に示すよ
うに、遅延回路103から入力された大領域画素データ
の画素情報をD1とし、画素情報抽出回路102から入
力された小領域画素データの画素情報D2とし、算出す
る平滑化閾値をTHとする。この場合、閾値THは画素
情報D1の大きさに合わせて増大させると共に、画素情
報D2の大きさによって山形に補正する。即ち本実施形
態の閾値THは、大領域の画像の歪みの大きさに対応す
る画素情報D1の値を歪み除去のベースとし、局所的な
画像の変化を示す画素情報D2によって補正するように
設定するものである。
【0101】画素情報D2による補正は、画素情報D2
の小さな低域部分と大きな高域部分で閾値THを低めに
設定し、歪み除去とボケの抑制をバランスさせ、視覚的
に感度が高い画素情報D2の低域部分に近い中域部分で
閾値THを高めに設定することにより、歪み除去効果を
大きくする補正である。また、この場合、画素情報D1
とD2の統計量によってレンジが異なるため、最終的に
算出される閾値THが、歪み除去の大きさとして適当な
値になるように、画素情報D1とD2とに補正のための
係数を乗じる。なお、図9の(a)と(b)の違いは、
(a)に示す曲線のプロフィールを、(b)に示す直線
で近似したことである。このように算出された閾値TH
は図7のε−フィルタ105に供給される。
【0102】ε−フィルタ105の構成は、遅延回路1
00から出力された画像信号が図4の画素データ間差分
算出回路61及び平滑化画素算出回路67に供給される
こと、また図4の平滑化閾値回路63には、閾値算出回
路104から出力された閾値が設定される点が、上記の
第2、第3及び第4実施形態と異なる。
【0103】このように構成された第5実施形態の歪み
除去装置の動作について、特に第4実施形態と異なる部
分について説明する。まず図7において、信号源から出
力される原画像にDCT変換及び量子化等の信号処理を
行う。さらに復号装置で復号した劣化画像信号を入力端
子91に入力する。この劣化画像信号はタイミングクロ
ック生成器95の制御信号に従って、フィルタサイズ画
像抽出回路92、大領域画素データ抽出回路93、小領
域画素データ抽出回路94に与えられる。
【0104】フィルタサイズ画像抽出回路92に供給さ
れた劣化画像信号は、縦m画素×横n画素のフィルタ画
素サイズの画像信号に変換される、そしてこの画像信号
はメモリ96に供給され、ここで一時保持される。メモ
リ96に保持されたフィルタ画素サイズの画像信号は、
タイミングクロック生成器95の制御信号に従って遅延
回路100へ出力され、ここで一時保持されて、閾値算
出回路104からの出力を待って、ε−フィルタ105
へ供給される。
【0105】一方、大領域画素データ抽出回路93に供
給された劣化画像信号は、フィルタ画素サイズの中心画
素又はその近傍画素を含んだフィルタ画素サイズの画素
数よりも多い複数画素データ(大領域画素データ)の画
像信号に変換される。そしてこの画像信号はメモリ97
に出力され、ここで一時保持される。メモリ97に保持
された画像信号は、タイミングクロック生成器95の制
御信号に従って画素情報抽出回路101に出力される。
【0106】小領域画素データ抽出回路94に供給され
た劣化画像信号は、フィルタ画素サイズの中心画素を含
み、しかも大領域画素データよりも少ない複数画素デー
タ(小領域画素データ)の画像信号に変換される。そし
てこの画像信号はメモリ98に出力され、ここで一時保
持される。メモリ98に保持された画像信号は、タイミ
ングクロック生成器95の制御信号に従って画素情報抽
出回路102に出力される。
【0107】画素情報抽出回路101に入力された大領
域画素データは、統計処理されてそれら画素データの変
化の大きさを表す値(大領域画素データの画素情報)と
して抽出される。この大領域画素データの画素情報は遅
延回路103に供給され、一旦保持された後、画素情報
抽出回路102からの出力を待って、閾値算出回路10
4に出力される。画素情報抽出回路102に入力された
小領域画素データは、画素情報抽出回路101と同じ統
計処理によってそれら画素データの変化の大きさを表す
値(小領域画素データの画素情報)として抽出される。
この小領域画素データの画素情報は閾値算出回路104
に供給される。
【0108】閾値算出回路104に供給された大領域画
素データの画素情報D1は、同じく供給された小領域画
素データの画素情報D2によって図9のように補正さ
れ、平滑化のための閾値THとして算出される。この閾
値はε−フィルタ105へ供給される。ε−フィルタ1
05において、遅延回路100から出力されたフィルタ
画素サイズの画素信号は図4の画素データ間差分算出回
路61に供給され、閾値算出回路104から出力された
閾値が図4の平滑化閾値回路63に供給される以外は、
第1実施形態のε−フィルタ11の動作と同様である。
ε−フィルタ105で平滑化された中心画素のデータは
出力端子106を介して外部の画像メモリ等に出力され
る。
【0109】このように第5実施形態によれば、大領域
の画素データの変化の大きさ情報と小領域の画素データ
の変化の大きさ情報とによって、平滑化対象画素の平滑
化閾値が算出される。このため、大きな画像領域に基づ
いて歪み除去の大きさのベースが設定されると同時に、
小さな画像領域の情報によって局所的な歪み除去の補正
が可能となる。
【0110】なお、第5実施形態では、画素情報抽出回
路101と画素情報抽出回路102において、それぞれ
の画素情報として1つの画素データの統計量を抽出した
が、複数の統計量を抽出しても良い。また、画素情報抽
出回路101と画素情報抽出回路102とで同一の統計
量を用いたが、例えば一方が平均値で、もう一方が分散
値など、異なる統計量を組み合わせても良い。更に平滑
化による除去手段として、図4に示すような最も簡単な
ε−フィルタを用いたが、ある閾値に基づいて非線形的
に平滑化を行うε−フィルタや、改良した他のフィルタ
を用いてもよい。
【0111】(実施の形態6)次に本発明の第6実施形
態における歪み除去装置について図10、図11及び図
4を参照しつつ説明する。図10は第6実施形態におけ
る歪み除去装置の全体構成を示すブロック図である。図
10、図11及び図4において第5実施形態と同一機能
を有するブロックは同一の名称を付け、それらの詳細な
説明は省略する。
【0112】図10に示す入力端子111、フィルタサ
イズ画像抽出回路112、大領域画素データ抽出回路1
13、小領域画素データ抽出回路114、タイミングク
ロック生成器115、メモリ116、メモリ117、メ
モリ118、遅延回路119、遅延回路120、出力端
子129は、夫々第5実施形態における入力端子91、
フィルタサイズ画像抽出回路92、大領域画素データ抽
出回路93、小領域画素データ抽出回路94、タイミン
グクロック生成器95、メモリ96、メモリ97、メモ
リ98、遅延回路99、遅延回路100、出力端子10
6と全く同一の動作をするものである。従ってこれらの
回路の説明は省略し、これ以外の部分についてのみ説明
する。
【0113】1次差分画素情報抽出回路121は、メモ
リ117から供給された大領域画素データについて、画
素データ間の差分絶対値の平均を画素情報として抽出す
る回路である。図11は、1次差分画素情報抽出回路1
21の具体的な構成を示すブロック図である。本図に示
すように、1次差分画素情報抽出回路121は、画素デ
ータ間差分算出回路130、絶対値算出回路131、平
均値算出回路132により構成される。画素データ間差
分算出回路130は図10のメモリ117から供給され
た画像信号に対して、連続して隣接する画素データ間の
差分値を算出する回路である。
【0114】例えば入力された画像信号において、図8
の(g)のように縦方向よりも横方向に画素データ数が
多い(又は等しい)場合、図12の(a)のように横方
向に連続する画素データ間の差分値を算出する。一方、
図8の(i)のように画素データが横方向よりも縦方向
に多い場合、図12の(c)のように縦方向に連続する
画素データ間の差分値を算出する。また、図8の(h)
のように横方向に間引かれた配列の画素データからなる
場合は、図12の(b)のように横方向に連続する画素
データ間の差分値を算出し、図8の(j)のように縦方
向に間引かれた画素データからなる場合は、図12の
(d)のように縦方向に連続する画素データ間の差分値
を算出する。
【0115】なお、図12では差分する方向が一方向し
か示されていないが、反対方向でもよい。また、図8の
(g)や(i)のように縦方向と横方向に共に画素デー
タが連続している場合は、横方向に連続する画素データ
間の差分値と縦方向に連続する画素データ間の差分値の
両方を算出してもよい。
【0116】図11の絶対値算出回路131は上記画素
データ間の差分値の絶対値を算出する回路である。平均
値算出回路132は絶対値算出回路131の出力する画
素データ間の差分値の絶対値を累積加算し、その総和を
差分値算出に用いた画素データの数で除し、この演算結
果を画素データ間の差分絶対値の平均(以下、第1の画
素情報と呼ぶ)として遅延回路123へ出力する回路で
ある。
【0117】図10の1次差分画素情報抽出回路122
は、メモリ118から供給された小領域画素データにつ
いて画素データ間の差分絶対値の平均を画素情報として
抽出する回路である。1次差分画素情報抽出回路122
は、1次差分画素情報抽出回路121の構成と全く同じ
であり、図11に示すように画素データ間差分算出回路
130、絶対値算出回路131、平均値算出回路132
から構成される。1次差分画素情報抽出回路122は小
領域画素データにおける画素データ間の差分絶対値の平
均(以下、第2の画素情報と呼ぶ)を算出し、この第2
の画素情報を第2閾値算出回路125と閾値補正回路1
27へ出力する。
【0118】遅延回路123は1次差分画素情報抽出回
路121から入力された第1の画素情報を一旦保持し、
1次差分画素情報抽出回路122から出力される第2の
画素情報と同期させて、第1の画素情報を第1閾値算出
回路124と閾値補正回路127へ出力する回路であ
る。第1閾値算出回路124は入力された第1の画素情
報(以下、D1と略す)に所定の補正係数αを乗じてα
D1を出力する第1の閾値成分算出手段である。第2閾
値算出回路125は入力された第2の画素情報(以下、
D2と略す)に所定の補正係数βを乗じてβD2を出力
する第2の閾値成分算出手段である。
【0119】閾値差分回路126は、補正した第1の画
素情報の値αD1から補正した第2の画素情報の値βD
2を減算し、この減算結果を第1の平滑化閾値(以下、
TH1と略す)として出力する閾値差分手段である。
【0120】図13の(a)は、閾値差分回路126に
よるTH1の算出方法の具体例を示したものである。こ
こでは、D1とD2に乗ずる補正係数α、βを夫々2.0
、0.5 としてTH1の値を算出した。αとβの値は対
象として扱う画像の圧縮率によって調整可能で、圧縮率
の増大に伴い、αとβの補正係数を高くする必要があ
る。即ちTH1は、大領域画素データのD1の増大に伴
い高くし、小領域画素データのD2の増大に伴い低くす
る。つまり、D1の増大は画像の広い領域の複雑度の上
昇に相当し、圧縮による歪も大きくなるので、TH1を
上げる必要がある。これに対し、D2の増大は輪郭やエ
ッジの強さ(明瞭度)の上昇に相当し、より明確な輪郭
やエッジは保護するため(歪み除去によるボケを抑制す
るため)TH1を下げる必要がある。閾値差分回路12
6で算出されたTH1は閾値補正回路127に出力され
る。
【0121】閾値補正回路127は、閾値差分回路12
6から入力されたTH1が、1次差分画素情報抽出回路
122から入力されたD2によって制限された範囲にあ
るとき、TH1を、遅延回路123から入力されたD1
に基づいて算出した第2の平滑化閾値(以下、TH2と
略す)で置き換える閾値補正手段である。例えば、図1
3の(b)では、閾値補正回路127でTH1の値をT
H2の値に置換する範囲をグレーで示している。グレー
の範囲はD2の小さな値における微弱なテクスチャ画像
領域のボケを抑制する範囲である。このため、TH2の
値はTH1よりも低い値とし、例えば、D1の値の半分
以下にする。なお、閾値補正回路127は入力されたT
H1が、D2によって制限された範囲内であるときはT
H2を出力し、TH1が制限範囲内にないときはTH1
をそのままε−フィルタ128に出力する。
【0122】ε−フィルタ128は、遅延回路120か
ら出力された画像信号が図4の画素データ間差分算出回
路61及び平滑化画素算出回路67に供給されること、
また平滑化閾値回路63には、閾値補正回路127から
出力された平滑化閾値TH1又はTH2が設定される点
が異なる以外は第1実施形態と全く同じである。
【0123】このように構成された第6実施形態の歪み
除去装置の動作について、特に第5実施形態と異なる部
分について説明する。図10において、入力端子111
から遅延回路120、メモリ117、メモリ118まで
の夫々動作は、第5実施形態の入力端子91から遅延回
路100、メモリ97、メモリ98までの夫々の動作と
全く同一であるため説明を省略する。
【0124】1次差分画素情報抽出回路121に入力さ
れた大領域画素データは、1次差分画素情報抽出回路1
21の下位構成である図11の画素データ間差分算出回
路130にまず供給される。例えば図12に示すよう
に、画素データ間差分算出回路130では、大領域画素
データを、連続する隣接した画素データ間の差分値に変
換して絶対値算出回路131に供給する。絶対値算出回
路131は差分値を絶対値に変換して平均値算出回路1
32に供給する。平均値算出回路132は差分値の絶対
値を累積加算し、この総和を絶対値の数で除算すること
により差分絶対値の平均値に変換する。この平均値は第
1の画素情報として図10の遅延回路123に出力され
る。遅延回路123に入力された第1の画素情報は一旦
保持され、第2閾値算出回路125からの出力を待っ
て、閾値差分回路126と閾値補正回路127とに出力
される。
【0125】他方、1次差分画素情報抽出回路122に
入力された小領域画素データは、1次差分画素情報抽出
回路121と全く同じ処理によって、画素データ間の差
分絶対値の平均に変換される。この平均値は第2の画素
情報として第2閾値算出回路125に出力される。
【0126】第1閾値算出回路124に入力された第1
の画素情報と、第2閾値算出回路125に入力された第
2の画素情報とは、図13(a)に示すように夫々所定
の値で重み付けられる。そして閾値差分回路126は重
み付けされた第1の画素情報から重み付けされた第2の
画素情報を減算し、第1の閾値を出力する。この第1の
閾値は閾値補正回路127に出力される。
【0127】閾値補正回路127に入力された第1の平
滑化閾値は、もしその値が1次差分画素情報抽出回路1
22から供給された第2の画素情報の所定の範囲内にあ
るとき、第1の平滑化閾値は遅延回路123から入力さ
れた第1の画素情報に基づいて補正され、この補正値は
第2の平滑化閾値として出力される。しかし、入力され
た第1の平滑化閾値が第2の画素情報の所定の範囲内に
ないときは、第1の平滑化閾値がそのまま第2の平滑化
閾値として出力される。
【0128】このように第1の平滑化閾値と第2の平滑
化閾値が同じときには、第1の平滑化閾値がε−フィル
タ128へ出力され、第1の平滑化閾値と第2の平滑化
閾値と異なるときは、第2の平滑化閾値がε−フィルタ
128へ出力される。
【0129】ε−フィルタ128の動作は、遅延回路1
20から出力されたフィルタ画素サイズの画素信号が図
4の画素データ間差分算出回路61に供給され、閾値補
正回路127から出力された第1の平滑化閾値又は第2
の平滑化閾値が図4の平滑化閾値回路63に供給される
以外は、第1実施形態のε−フィルタ11の動作と同様
である。ε−フィルタ128で平滑化された中心画素の
データは出力端子129を介して外部の画像メモリ等に
出力される。
【0130】このように第6実施形態によれば、大領域
の画素データ間の平均差分絶対値と、小領域の画素デー
タ間の平均差分絶対値とによって平滑化対象画素の平滑
化閾値が算出される。このため、大きな画像領域に基づ
いて歪み除去の大きさのベースが設定されると同時に、
小さな画像領域の情報によって輪郭、エッジ、及び微弱
な変化の画像のボケを抑制することができる。
【0131】なお、第6実施形態では、閾値差分回路1
26において第1の平滑化閾値算出を線形的に算出した
が、第5実施形態の図9(a)ように非線形な算出に依
ってもよい。更に平滑化による除去手段として、図4に
示すような最も簡単なε−フィルタを用いたが、ある平
滑化閾値に基づいて非線形的に平滑化を行うε−フィル
タや改良した他のフィルタを用いてもよい。
【0132】(実施の形態7)本発明の第7実施形態に
おける歪み除去装置について図14及び図15を参照し
つつ説明する。図14は第7実施形態における歪み除去
装置の全体構成を示すブロック図である。本図において
第6実施形態と同一機能を有するブロックは同一の名称
を付け、それらの詳細な説明は省略する。
【0133】図14に示す入力端子141、フィルタサ
イズ画像抽出回路142、大領域画素データ抽出回路1
43、小領域画素データ抽出回路144、タイミングク
ロック生成器145、メモリ146、メモリ147、メ
モリ148、遅延回路149、遅延回路150、遅延回
路153、第1閾値算出回路154、第2閾値算出回路
155、閾値差分回路156、閾値補正回路157、ε
−フィルタ158、出力端子159は、第6実施形態に
おける入力端子111、フィルタサイズ画像抽出回路1
12、大領域画素データ抽出回路113、小領域画素デ
ータ抽出回路114、タイミングクロック生成器11
5、メモリ116、メモリ117、メモリ118、遅延
回路119、遅延回路120、遅延回路123、第1閾
値算出回路124、第2閾値算出回路125、閾値差分
回路126、閾値補正回路127、ε−フィルタ12
8、出力端子129と夫々同一の動作をする回路であ
る。従って、これらの回路の説明は省略し、異なる部分
のみについて説明する。
【0134】2次差分画素情報抽出回路151は、メモ
リ147から供給された大領域画素データに対して、画
素データ間の2次差分絶対値の平均を画素情報として抽
出する回路である。図15は2次差分画素情報抽出回路
151の具体的な構成を示すブロック図である。2次差
分画素情報抽出回路151は、画素データ間差分算出回
路160、画素データ間差分算出回路161、絶対値算
出回路162、平均値算出回路163により構成され
る。これらのうち、画素データ間差分算出回路160、
絶対値算出回路162、平均値算出回路163は、図1
1の画素データ間差分算出回路130、絶対値算出回路
131、平均値算出回路132と夫々同じ機能を有する
回路である。
【0135】画素データ間差分算出回路160は、図1
2のように連続して隣接する画素データ間の差分値を算
出する回路である。画素データ間差分算出回路161
は、画素データ間差分算出回路160で算出された画素
データ間の差分値をさらに差分し、2次差分値を算出す
る回路である。図16は画素データ間差分算出回路16
0で算出された画素データ間の差分値を、画素データ間
差分算出回路161で更に差分する方法を示している。
なお差分の方法は、図11の画素データ間の差分値算出
の方法と同じである。
【0136】図15の絶対値算出回路162は、画素デ
ータ間差分算出回路161で算出された2次差分値を絶
対値に変換し、2次差分絶対値を算出する回路である。
平均値算出回路163は、絶対値算出回路162で算出
された2次差分絶対値の累積加算をし、これを総画素数
で除算することにより2次差分絶対値の平均値を算出す
る。
【0137】図17は、本実施形態の2次差分絶対値の
平均の特徴を説明したものである。図17(a)のよう
に画素濃淡値が右上がりに緩やかに上昇している場合、
1次差分絶対値の平均は2.0 となり、2次差分絶対値の
平均は0.5 で、2次差分絶対値の平均は1次差分絶対値
の平均より小さくなる。これに対して図17(b)のよ
うに、画素濃淡値が局所的に変化する画像では、1次差
分絶対値の平均は3.2、2次差分絶対値の平均は8.0 と
なり、2次差分絶対値のほうが1次差分絶対値より大き
くなる。
【0138】一般に、グラデーションのかかったような
画素濃淡値が緩やかに一定方向に変化するような画像、
例えば図17(a)に示すような画像では、歪み除去の
大きさを低くし、平坦化を防ぐ必要がある。また、平坦
部に発生したパルス状の歪みの場合、例えば、画像をブ
ロックに分割しDCT圧縮する場合に発生するタイル状
の歪みであるブロック歪みは、視覚的に大きく目立つの
で、歪み除去の大きさを大きくする必要がある。従って
図17(a)、(b)のような画像の場合、歪み除去の
平滑化閾値の大きさを決める指標としては、1次差分絶
対値の平均より2次差分絶対値の平均の方がより優れて
いる。
【0139】図14の2次差分画素情報抽出回路152
は、メモリ148から供給された小領域画素データに対
して、小領域画素データの2次差分絶対値を算出する回
路であり、2次差分画素情報抽出回路151と同一の機
能を有する。それ以外の回路は第6実施形態と同一のた
め説明は省略する。
【0140】このように構成された第7実施形態の歪み
除去装置の動作について、特に第6実施形態と異なる部
分について説明する。図14において、入力端子141
から遅延回路150、メモリ147、メモリ148まで
は、第6実施形態の入力端子111から遅延回路12
0、メモリ117、メモリ118までと夫々同一に動作
するため説明は省略する。
【0141】2次差分画素情報抽出回路151に入力さ
れた大領域画素データは、2次差分画素情報抽出回路1
51の下位構成である図15の画素データ間差分算出回
路160にまず供給される。画素データ間差分算出回路
160は、例えば図16に示すように大領域画素データ
を連続する隣接した画素データ間の差分値にまず変換
し、画素データ間差分算出回路161に供給する。画素
データ間差分算出回路161は図16に示すように画素
データ間の差分値の差分を更に算出し、画素データ間の
2次差分値を出力する。絶対値算出回路162は供給さ
れた差分値を絶対値に変換し、平均値算出回路163に
出力する。平均値算出回路163は供給された2次差分
値の絶対値を累積加算し、この総和を2次差分値の数で
除算することにより差分絶対値の平均値を算出する。こ
の平均値は第1の画素情報として遅延回路153に出力
される。
【0142】他方、2次差分画素情報抽出回路152に
入力された小領域画素データは2次差分画素情報抽出回
路152と同様に処理される。すなわち、小領域画素デ
ータは画素データ間の2次差分絶対値の平均値に変換さ
れ、この平均値が第2の画素情報として第2閾値算出回
路155及び閾値補正回路157に出力される。遅延回
路153及び2次差分画素情報抽出回路152の出力端
から出力端子159までの動作は、第6実施形態におけ
る遅延回路123及び1次差分画素情報抽出回路122
の出力端から出力端子129までの動作と夫々同じであ
り、それらの説明は省略する。
【0143】このように第7実施形態によれば、大領域
の画素データの画素データ間の2次差分絶対値の平均
と、小領域の画素データ間の2次差分絶対値の平均とに
基づいて、平滑化対象画素の平滑化閾値が算出される。
このため、大きな画像領域に基づいて歪み除去の大きさ
のベースが設定されると同時に、小さな画像領域の情報
によって輪郭、エッジ、及び微弱な変化の画像のボケを
抑制することができる。
【0144】(実施の形態8)本発明の第8実施形態に
おける歪み除去装置について図18を参照しつつ説明す
る。図18は第8実施形態における歪み除去装置の全体
構成を示すブロック図である。本図において第6実施形
態及び第7実施形態と同一機能を有するブロックは同一
の名称を付け、それらの詳細な説明は省略する。
【0145】図18に示す入力端子171、フィルタサ
イズ画像抽出回路172、大領域画素データ抽出回路1
73、小領域画素データ抽出回路174、タイミングク
ロック生成器175、メモリ176、メモリ177、メ
モリ178、遅延回路179、遅延回路180、1次差
分画素情報抽出回路181、1次差分画素情報抽出回路
182、遅延回路184、第1閾値算出回路185、第
2閾値算出回路186、閾値差分回路187、閾値補正
回路188、ε−フィルタ189、出力端子190は、
第6実施形態における入力端子111、フィルタサイズ
画像抽出回路112、大領域画素データ抽出回路11
3、小領域画素データ抽出回路114、タイミングクロ
ック生成器115、メモリ116、メモリ117、メモ
リ118、遅延回路119、遅延回路120、1次差分
画素情報抽出回路121、1次差分画素情報抽出回路1
22、遅延回路123、第1閾値算出回路124、第2
閾値算出回路125、閾値差分回路126、閾値補正回
路127、ε−フィルタ128、出力端子129と夫々
同一の動作をする回路であり、それらの説明は省略す
る。
【0146】第6実施形態と異なる部分は、メモリ17
8と閾値補正回路188との間に2次差分画素情報抽出
回路183を更に付加したことである。なお、2次差分
画素情報抽出回路183は第7実施形態の2次差分画素
情報抽出回路152と全く同一の動作し、小領域画素デ
ータ間の2次差分絶対値の平均を算出する回路とする。
そして、この2次差分絶対値の平均を閾値補正回路18
8に供給する。従って、閾値補正回路188は、新たに
付加した2次差分画素情報抽出回路183からの出力に
よって、第6実施形態の閾値補正回路127と幾分異な
る動作をする。
【0147】閾値補正回路188は、閾値差分回路18
7から供給された第1の平滑化閾値(以下、TH1と略
す)が、1次差分画素情報抽出回路182から第2閾値
算出回路186を介して供給された小領域画素データ間
の1次差分絶対値の平均である第2の画素情報(以下、
D2と略す)と、2次差分画素情報抽出回路183から
供給された小領域画素データ間の2次差分絶対値の平均
である第3の画素情報(以下、D3と略す)とによって
制限された範囲にあるとき、TH1を、遅延回路184
から供給された大領域画素データ間の1次差分絶対値の
平均である第1の画素情報(以下、D1と略す)に基づ
いた第2の平滑化閾値(以下、TH2と略す)で置き換
える回路である。
【0148】例えば、図19は、第6実施形態の図13
の(b)の閾値算出例を基にし、D3を付加した場合の
閾値算出例を示したものである。閾値補正回路188に
よって平滑化閾値が変更される範囲は、図19のTH2
(第2の平滑化閾値)としてサークルで囲んだグレー部
分(濃いグレー部分(ア)と薄いグレー部分(イ))で
示してある。それ以外の範囲は閾値差分回路187から
入力された第1の平滑化閾値(TH1)の値がそのまま
設定される。なお、図19の濃いグレー部分は、第6実
施形態の図13の(b)のTH2の部分と同一である。
また薄いグレー部分(イ)は、歪み除去によるボケの弊
害を更に防ぐため、D2の範囲が広げられた場合を示し
てある。
【0149】図19のサークルで囲んだグレー部分
(ア) 、(イ)の範囲で、D3とD2の値が比較され、
D3がD2より小さければ、(ア)と(イ)の値に相当
する画像部分で、平滑化閾値の値を小さくする。例えば
D1にγ(ただし、0<γ<1)を乗じたγD1を用い
る。これによって、第7実施形態における図17(a)
の場合のように、1次差分絶対値の平均D2だけでは識
別できない画像のなだらかに変化する領域の平坦化を抑
制できる。なおこの場合、γは(ア)と(イ)のそれぞ
れの領域で係数を換えてもよく、特にグレー部分(イ)
の範囲において、γをより小さくすることで、画像の平
坦化を防ぐことができる。
【0150】一方、図19のサークルで囲んだグレー部
分(ア)の範囲で、D3がD2よりも大きければ、
(ア)に相当する画像部分で平滑化閾値を大きくする。
例えば、D1にδ(ただし、δ<1)を乗じたδD1を
用いる。これによって、第7実施形態における図17
(b)の場合のように、平坦部に発生したパルス状の歪
みをより完全に除去することができる。
【0151】図18の閾値補正回路188は、閾値差分
回路187から供給された第1の平滑化閾値(TH1)
に変更がなければTH1を出力し、またTH1が異なる
値TH2に変更された場合にはTH2を出力してε−フ
ィルタ189に与える。
【0152】上記の第6実施形態、第7実施形態、第8
実施形態の違いは、画素データ間の画素情報として、1
次差分絶対値の平均、あるいは2次差分絶対値の平均、
あるいはそれらの両方を用いるかに依っている。演算量
を考慮すれば1次差分絶対値の平均でも歪み除去の効果
は十分であるが、歪み除去による画像の局所的なボケの
抑制や歪み除去をより完全にするためには、2次差分絶
対値の平均を用いればよい。なお、上記の各実施形態で
は1次差分絶対値又は2次差分絶対値の平均値を用いた
が、それらの中央値を指標として用いても同様の効果が
得られる。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はいずれ
も、画像の濃淡変化の大きさあるいは歪みの大きさに基
づいて、異なる歪みの大きさ含んだ劣化画像を適応的に
平滑化し、歪みを除去することができる。
【0154】特に請求項1の発明によれば、平滑化され
る画素を中心にその周囲画素を含むフィルタサイズ画像
内の濃淡変化の大きさに基づいて、歪みを画素単位で適
応的に平滑化することができる。
【0155】又請求項2、5、6及び7の発明によれ
ば、画像の濃淡変化の大きさに対応する微分値に基づい
て劣化画像を2分し、それらに対して異なる平滑化を行
うことで、大きな濃淡変化近傍の大きな歪み、及び小さ
な濃淡変化近傍の小さな歪みを除去することができる。
【0156】又請求項3、5、6及び7の発明によれ
ば、劣化画像とその平滑化画像との差分信号に基づいて
劣化画像を2分し、それらに対して異なる平滑化を行う
ことで、画像に生じた歪みの大きさに合わせて歪みを除
去することができる。
【0157】又請求項3、5、6及び7の発明によれ
ば、劣化画像とその平滑化画像との差分信号に基づいて
劣化画像を2分し、それらに対して異なる平滑化を行う
ことで、画像に生じた歪みの大きさに合わせて歪みを除
去することができる。
【0158】又請求項4、5、6及び7の発明によれ
ば、平滑化される画素とその周辺画素との差分絶対値の
和に基づいて平滑化の大きさを分け、平滑化される画素
周辺に生じた歪みの大きさに合わせて歪みを除去するこ
とができる。
【0159】又請求項8、9、10及び11の発明によ
れば、劣化画像の各画素の平滑化の大きさを、その画素
周囲の、大きな画像領域と小さな画像領域の画素データ
の変化の大きさによって変えることができ、画像に生じ
た歪みを適応的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の各実施形態の歪み除去装置に用いられ
るε−フィルタの構成例を示すブロック図である。
【図5】各実施形態のε−フィルタの動作原理の一例を
示す説明図である。
【図6】本発明の第4実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5実施形態における歪み除去装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第5実施形態〜第8実施形態における
画素データ抽出方法を示す説明図である。
【図9】本発明の第5実施形態〜第8実施形態における
平滑化閾値算出に関する説明図である。
【図10】本発明の第6実施形態における歪み除去装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第6実施形態〜第8実施形態におけ
る1次差分画素情報抽出回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図12】本発明の第5実施形態〜第8実施形態におけ
る画素データ間の差分算出法に関する説明図である。
【図13】本発明の第5実施形態〜第7実施形態におけ
る限定的閾値算出回路の算出法に関する説明図である。
【図14】本発明の第7実施形態における歪み除去装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第7実施形態と第8実施形態におけ
る2次差分画素情報抽出回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図16】本発明の第7実施形態と第8実施形態におけ
る2次差分画素情報抽出回路における2次差分算出法を
示す説明図である。
【図17】本発明の第7実施形態と第8実施形態の2次
差分画素情報抽出回路における2次差分算出法と1次差
分算出法による算出例を示す説明図である。
【図18】本発明の第8実施形態における歪み除去装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第8実施形態における限定的閾値算
出回路の算出法に関する具体的説明図である。
【図20】テクスチャ画像の一例を示す図である。
【図21】ε−フィルタの動作を示す信号波形図であ
る。
【符号の説明】
1,21,41,71,91,111,141,171
入力端子 2,22,42,72,92,112,142,172
フィルタサイズ画像抽出回路 3,23,43,73,95,115,145,175
タイミングクロック生成器 4,24,44,74 バッファメモリ 5,6,25,26,45,46,75,76,99,
100,103,119,120,123,149,1
50,153,179,180,184 遅延回路 7 最小値検出回路 8 中央値検出回路 9 最大値検出回路 10 ε値算出回路 11,30,31,51,52,82,83,105,
128,158,189 ε−フィルタ 12,33,54,85,106,129,159,1
90 出力端子 27 2次微分フィルタ 28,49,80 閾値回路 29,50,81 信号選択回路 32,53,84 出力選択回路 47 平滑化回路 48 差分信号算出回路 61,77,130,160,161 画素データ間差
分算出回路 62,78,131,162 絶対値算出回路 63 平滑化閾値回路 64 画素データ間差分選択回路 65 画素データ間差分加算回路 66 平滑化調整値算出回路 67 平滑化画素算出回路 79 絶対値和算出回路 93,113,143,173 大領域画素データ抽出
回路 94,114,144,174 小領域画素データ抽出
回路 96,97,98,116,117,118,146,
147,148,176,177,178 メモリ 101,102 画素情報抽出回路 104 閾値算出器回路 121,122,181,182 1次差分画素情報抽
出回路 123,154,185 第1閾値算出回路 125,155,186 第1閾値算出回路 126,156,187 閾値差分回路 127,157,188 閾値補正回路 132,163 平均値算出回路 151,152,183 2次差分画素情報抽出回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮符号化により複数の画素データより
    なる原画像に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪み
    を除去する歪み除去装置であって、 前記劣化画像から縦m画素×横n画素のフィルタ画素サ
    イズの画像信号を抽出するフィルタサイズ画像抽出手段
    と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られた画像信号の
    画素データのうち、最小値、最大値、中央値を夫々出力
    する画素特徴値検出手段と、 前記画素特徴値検出手段で得られた中央値と最小値の差
    を第1の絶対値とし、前記画素特徴値検出手段で得られ
    た中央値と最大値の差を第2の絶対値とするとき、前記
    第1又は第2の絶対値のうち小さい方を平滑化閾値の上
    限値として出力する平滑化閾値算出手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られた画像信号の
    中心位置の画素データを中心画素データとし、前記中心
    位置の周辺に位置する周辺画素の画素データを周辺画素
    データとする場合に、前記中心画素データと前記周辺画
    素データの差分値である差分データの絶対値が、前記平
    滑化閾値算出手段の出力する平滑化閾値以下のときのみ
    前記差分データを所定の値で除したものを前記フィルタ
    サイズ画像抽出手段の中心画素データに加算して平滑化
    する画像平滑化フィルタ手段と、を具備することを特徴
    とする歪み除去装置。
  2. 【請求項2】 圧縮符号化により複数の画素データより
    なる原画像に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪み
    を除去する歪み除去装置であって、 前記劣化画像から縦m画素×横n画素のフィルタ画素サ
    イズの画像信号を抽出するフィルタサイズ画像抽出手段
    と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号が入力さ
    れ、フィルタ画素サイズ内における濃淡変化の大きさを
    示す微分画像信号を算出する微分画像算出手段と、 画素データの大小を比較するための閾値を設定すると共
    に、前記微分画像算出手段で得られた微分画像信号を前
    記閾値で分け、前記閾値以上の画像のとき第1の制御信
    号を出力し、前記所定の閾値未満の画像のとき第2の制
    御信号を発生する閾値設定手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号が入力さ
    れ、前記閾値設定手段から第1の制御信号が与えられた
    とき、前記画像信号を平滑化閾値の大きい第1の劣化画
    像信号として出力し、前記閾値設定手段から第2の制御
    信号が与えられたとき、前記画像信号を平滑化閾値の小
    さい第2の劣化画像信号として出力する画像信号選択手
    段と、 前記画像信号選択手段で選択された第1の劣化画像信号
    と第2の劣化画像信号とに対して夫々異なる平滑化処理
    を行う画像平滑化フィルタ手段と、を具備することを特
    徴とする歪み除去装置。
  3. 【請求項3】 圧縮符号化により複数の画素データより
    なる原画像に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪み
    を除去する歪み除去装置であって、 前記劣化画像から縦m画素×横n画素のフィルタ画素サ
    イズの画像信号を抽出するフィルタサイズ画像抽出手段
    と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号に対して平
    滑化処理を行う画像平滑化手段と、 前記画像平滑化手段の平滑化画像信号と前記フィルタサ
    イズ画像抽出手段の非平滑化画像信号とが入力され、前
    記平滑化画像信号と前記非平滑化画像信号との差分信号
    を算出し、この信号を差分画像信号として出力する差分
    画像算出手段と、 画素データの大小を比較するための閾値を設定すると共
    に、前記差分画像算出手段で得られた差分画像信号を前
    記閾値で分け、前記閾値以上の画像のとき第1の制御信
    号を出力し、前記閾値未満の画像のとき第2の制御信号
    を発生する閾値設定手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号が入力さ
    れ、前記閾値設定手段から第1の制御信号が与えられた
    とき、前記画像信号を平滑化閾値の大きい第1の劣化画
    像信号として出力し、前記閾値設定手段から第2の制御
    信号が与えられたとき、前記画像信号を平滑化閾値の小
    さい第2の劣化画像信号として出力する画像信号選択手
    段と、 前記画像信号選択手段で選択された第1の劣化画像信号
    と第2の劣化画像信号とに対して夫々異なる平滑化処理
    を行う画像平滑化フィルタ手段と、を具備すること特徴
    とする歪み除去装置。
  4. 【請求項4】 圧縮符号化により複数の画素データより
    なる原画像に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪み
    を除去する歪み除去装置であって、 前記劣化画像から縦m画素×横n画素(m、nは奇数)
    のフィルタ画素サイズの画像信号を抽出するフィルタサ
    イズ画像抽出手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られたフィルタ画
    素サイズの画像信号のうち中心に位置する画素データを
    中心画素データとし、前記中心位置の周辺に位置する画
    素データを周辺画素データとするとき、前記中心画素デ
    ータと前記周辺画素データとの差分の絶対値である差分
    絶対値を算出する差分絶対値算出手段と、 前記差分絶対値算出手段で得られた差分絶対値を前記フ
    ィルタ画素サイズの画像信号の全てについて加算し、加
    算結果を差分絶対値和として出力する差分絶対値和算出
    手段と、 画素データの変化の大小を比較するための閾値を設定す
    ると共に、前記差分絶対値和算出手段で得られた差分絶
    対値和を前記閾値で分け、前記差分絶対値和が前記閾値
    以上のとき第1の制御信号を出力し、前記差分絶対値和
    が前記閾値未満のとき第2の制御信号を発生する閾値設
    定手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段の画像信号が入力さ
    れ、前記閾値設定手段から第1の制御信号が与えられた
    とき、前記画像信号を平滑化閾値の大きい第1の劣化画
    像信号として出力し、前記閾値設定手段から第2の制御
    信号が与えられたとき、前記画像信号を平滑化閾値の小
    さい第2の劣化画像信号として出力する画像信号選択手
    段と、 前記画像信号選択手段で選択された第1の劣化画像信号
    と第2の劣化画像信号とに対して夫々異なる平滑化処理
    を行う画像平滑化フィルタ手段と、を具備することを特
    徴とする歪み除去装置。
  5. 【請求項5】 前記画像平滑化フィルタ手段は、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られた画像信号の
    中心位置の画素データを中心画素データとし、前記中心
    位置の周辺に位置する周辺画素の画素データを周辺画素
    データとするとき、前記中心画素データに対する前記各
    周辺画素データの差分値を算出し、この信号を画素デー
    タ間差分値と出力する画素データ間差分算出手段と、 前記画素データ間差分算出手段で得られた画素データ間
    差分値を差分絶対値に変換する絶対値算出手段と、 前記絶対値算出手段で算出された差分絶対値が所定の平
    滑化閾値以下であるとき、前記画素データ間差分値を平
    滑化したものを平滑化調整値として算出し、前記フィル
    タサイズ画像抽出手段で得られた画像信号に前記平滑化
    調整値を加算することにより、平滑化画素データを生成
    する画像データ平滑化調整手段と、を有するものである
    ことを特徴とする請求項2,3, 4のいずれか1項記載
    の歪み除去装置。
  6. 【請求項6】 前記画像平滑化フィルタ手段は、前記第
    1の劣化画像信号に対する平滑化閾値を前記第2の劣化
    画像信号に対する平滑化閾値よりも大きくしたことを特
    徴とする請求項5記載の歪み除去装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ画素サイズを構成する全て
    の画素データ毎に歪み除去の処理を行うことを特徴とす
    る請求項2, 3, 4のいずれか1項記載の歪み除去装
    置。
  8. 【請求項8】 圧縮符号化により複数の画素データより
    なる原画像に劣化を生じた場合に、劣化画像の画像歪み
    を除去する歪み除去装置であって、 前記劣化画像から縦m画素×横n画素(m、nは奇数)
    のフィルタ画素サイズの画像信号を抽出するフィルタサ
    イズ画像抽出手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られたフィルタ画
    素サイズの画像信号の中心に位置する画素データを中心
    画素データとし、前記劣化画像から前記中心画素データ
    又は前記中心画素データの近傍画素データを含み、且つ
    前記フィルタ画素サイズの画像信号の画素データ数より
    多い複数画素データである第1の複数画素データを抽出
    する第1の画素データ抽出手段と、 前記劣化画像から前記中心画素データを含み、且つ前記
    第1の画素データ抽出手段で抽出する画素データ数より
    少ない複数画素データである第2の複数画素データを抽
    出する第2の画素データ抽出手段と、 前記第1の画素データ抽出手段で得られた第1の複数画
    素データの変化の大きさを画素情報として抽出する第1
    の画素情報抽出手段と、 前記第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画
    素データの変化の大きさを画素情報として抽出する第2
    の画素情報抽出手段と、 前記第1の画素情報抽出手段で得られた第1の画素情報
    を前記第2の画素情報抽出手段で得られた第2の画素情
    報で補正しながら平滑化閾値を算出する平滑化閾値算出
    手段と、 前記フィルタサイズ画像抽出手段で得られたフィルタ画
    素サイズの中心位置の周辺に位置する周辺画素の画素デ
    ータを周辺画素データとするとき、前記中心画素データ
    と前記周辺画素データの差分値である差分データの絶対
    値が、前記平滑化閾値算出手段の出力する平滑化閾値以
    下のときのみ、前記差分データを所定の値で除したもの
    を前記フィルタサイズ画像抽出手段の中心画素データに
    加算して平滑化する画像平滑化フィルタ手段と、を具備
    することを特徴とする歪み除去装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の画素情報抽出手段は、 前記第1の画素データ抽出手段で得られた第1の複数画
    素データに対して、前記第1の複数画素データの連続す
    る画素データ間の1次差分絶対値の平均を画素情報とし
    て抽出するものであり、 前記第2の画素情報抽出手段は、 前記第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画
    素データに対して、前記第2の複数画素データの連続す
    る画素データ間の1次差分絶対値の平均を画素情報とし
    て抽出するものであり、 前記平滑化閾値算出手段は、 前記第1の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
    て、第1の重み付け係数を乗じて第1の閾値成分を算出
    する第1の閾値成分算出手段と、 前記第2の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
    て、第2の重み付け係数を乗じて第2の閾値成分を算出
    する第2の閾値成分算出手段と、 前記第1の閾値成分算出手段で得られた第1の閾値成分
    から前記第2の閾値成分算出手段で得られた第2の閾値
    成分を差し引いて平滑化閾値を算出する閾値差分手段
    と、 前記閾値差分手段で得られた平滑化閾値が前記第2の画
    素情報抽出手段で得られた画素情報によって制限された
    範囲にあるとき、前記閾値差分手段で得られた平滑化閾
    値を補正する閾値補正手段と、を有するものであること
    を特徴とする請求項8記載の歪み除去装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の画素情報抽出手段は、 前記第1の画素データ抽出手段で得られた第1の複数画
    素データに対して、連続する画素データ間の2次差分絶
    対値の平均を画素情報として抽出するものであり、 前記第2の画素情報抽出手段は、 前記第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画
    素データに対して、連続する画素データ間の2次差分絶
    対値の平均を画素情報として抽出するものであり、 前記平滑化閾値算出手段は、 前記第1の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
    て、第1の重み付け係数を乗じて第1の閾値成分を算出
    する第1の閾値成分算出手段と、 前記第2の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
    て、第2の重み付け係数を乗じて第2の閾値成分を算出
    する第2の閾値成分算出手段と、 前記第1の閾値成分算出手段で得られた第1の閾値成分
    から前記第2の閾値成分算出手段で得られた第2の閾値
    成分を差し引いて平滑化閾値を算出する閾値差分手段
    と、 前記閾値差分手段で得られた平滑化閾値が前記第2の画
    素情報抽出手段で得られた画素情報によって制限された
    範囲にあるとき、前記閾値差分手段で得られた平滑化閾
    値を補正する閾値補正手段と、を有するものであること
    を特徴とする請求項8記載の歪み除去装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の画素情報抽出手段は、 前記第1の画素データ抽出手段で得られた第1の複数画
    素データに対して、連続する画素データ間の1次差分絶
    対値の平均を画素情報として抽出するものであり、 前記第2の画素情報抽出手段は、 前記第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画
    素データに対して、連続する画素データ間の1次差分絶
    対値の平均を1次差分画素情報として抽出する1次差分
    画素情報抽出手段と、 前記第2の画素データ抽出手段で得られた第2の複数画
    素データに対して、連続する画素データ間の2次差分絶
    対値の平均を2次差分画素情報として抽出する2次差分
    画素情報抽出手段と、を有するものであり、 前記平滑化閾値算出手段は、 前記第1の画素情報抽出手段で得られた画素情報に対し
    て、第1の重み付け係数を乗じて第1の閾値成分を算出
    する第1の閾値成分算出手段と、 前記1次差分画素情報抽出段で得られた1次差分画素情
    報に対して、第2の重み付け係数を乗じて第2の閾値成
    分を算出する第2の閾値成分算出手段と、 前記第1の閾値成分算出手段で得られた第1の閾値成分
    から前記第2の閾値成分算出手段で得られた第2の閾値
    成分を差し引いて平滑化閾値を算出する閾値差分手段
    と、 前記閾値差分手段で得られた平滑化閾値が、前記1次差
    分画素情報抽出手段で得られた1次差分画素情報によっ
    て制限された所定の範囲あるいは前記2次差分画素情報
    抽出手段で得られた2次差分画素情報とによって制限さ
    れた所定の範囲にあるとき、前記閾値差分手段で得られ
    た平滑化閾値を補正する閾値補正手段と、を有するもの
    であることを特徴とする請求項8記載の歪み除去装置。
JP8030067A 1995-05-29 1996-01-23 歪み除去装置 Pending JPH0951532A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007336222A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Sony Corp ノイズリダクション方法、プログラム、装置及び撮像装置
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