JP5436082B2 - ノイズ低減装置及びノイズ低減方法 - Google Patents

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Description

本発明は、映像信号のノイズを低減するノイズ低減装置及びノイズ低減方法に関するものである。
近年、映像信号をMPEGのような符号化方式によって符号化することが行われている。符号化された映像を復号して得られる映像信号には、符号化に起因して生じる符号化方式に特有のノイズが含まれることがあり、このノイズを効果的に低減することが望まれる。
従来、映像信号のノイズを低減する手段として、フレーム間の映像信号の相関に基づいてノイズを低減する巡回型フィルタ及びフレーム内の画素間の映像信号の相関に基づいてノイズを低減する空間型フィルタが知られている。巡回型フィルタは、動きの大きな映像において残像を発生させる傾向がある。また、空間型フィルタは、輪郭部などの画素間の相関が弱い映像において鮮鋭感を低下させる傾向がある。この点を考慮して、映像の特徴に応じて空間型フィルタと巡回型フィルタの強度を制御する技術が公知である。例えば特許文献1には、映像の動きを検出し、動きが小さい映像に対しては巡回型フィルタの強度を強くし、動きの大きい映像に対しては巡回型フィルタの強度を弱めるとともに空間型フィルタの強度を強める技術が開示されている。
特開2002−10106号公報
MPEGで符号化した映像には、ランダムノイズと符号化に起因するブロックノイズとが含まれる場合がある。ランダムノイズとブロックノイズを含む映像に対して効果的にノイズ低減を行うためには、巡回型フィルタと空間型フィルタの双方の強度を強くすることが望ましい。しかしながら、特許文献1の技術では、映像の動きが大きいか否かの判定結果に基づいて巡回型フィルタ又は空間型フィルタのいずれか一方の強度を強くすることしかできないため、符号化に起因するノイズを含む映像のノイズを十分に低減できない場合があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、符号化に起因するノイズを含む映像に対して効果的にノイズ低減を行うことが可能なノイズ低減装置を提供することを目的とする。
本発明のノイズ低減装置は、
入力される映像信号の各フレームのノイズを低減するノイズ低減装置であって、
現フレームに含まれるノイズを前フレームを用いて低減する巡回型ノイズ低減手段と、
入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズを低減する符号化ノイズ低減手段と、
現フレームと前フレームとの間で画素値の差分を取得し、第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数と、を含む差分値の度数分布を生成する生成手段と、
第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数とに基づいて、前記巡回型ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度及び前記符号化ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明のノイズ低減方法は、
入力される映像信号の各フレームのノイズを低減するノイズ低減方法であって、
映像信号を入力する入力工程と、
入力される映像信号の現フレームに含まれるノイズを前フレームを用いて低減する巡回型ノイズ低減工程と、
入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズを低減する符号化ノイズ低減工程と、
現フレームと前フレームとの画素値の差分を取得し、第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数と、を含む差分値の度数分布を生成する生成工程と、
第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数とに基づいて、前記巡回型ノイズ低減工程におけるノイズ低減の強度及び前記符号化ノイズ低減工程におけるノイズ低減の強度を制御する工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、符号化に起因するノイズを含む映像に対して効果的にノイズ低減を行うことが可能となる。
ノイズ低減装置の構成を示すブロック図。 フレーム間差分ヒストグラムとノイズ低減強度との関係を示す図。 制御部の構成を示すブロック図。 MPEGノイズ低減強度とヒストグラム積算値との関係を示す図。 巡回型ノイズ低減強度とヒストグラム積算値との関係を示す図。 制御部の構成を示すブロック図。 第2の閾値Th2以下にピークが存在するヒストグラムの例を示す図。
(実施例1)
本発明の第1の実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係るノイズ低減装置の構成を示すブロック図である。ノイズ低減装置は、符号化ノイズ低減手段としてのMPEGノイズ低減部1、巡回型ノイズ低減手段としての巡回型ノイズ低減部2、生成手段としてのヒストグラム生成部3、制御手段としての制御部4を備える。ノイズ低減装置は、入力される映像信号100に含まれるノイズを低減した映像信号200を出力する。このノイズ低減装置は、MPEG符号化方式で符号化された映像を復号して表示や出力を行うデジタルテレビやDVDプレーヤ等の映像機器において、復号した映像に含まれるランダムノイズ及びブロックノイズを低減するために用いることができる。
入力される映像信号100は、MPEG方式で符号化された映像信号を含む。MPEGで符号化された映像信号を復号して得られる映像信号には、MPEG方式による符号化に起因するノイズであるブロックノイズが含まれることがある。MPEGノイズ低減部1は、MPEG方式の符号化におけるブロック境界の情報に基づいて、フレーム内のブロック境界の周辺の画素に対して平滑化処理を行うことによってブロックノイズを低減する空間型のノイズ低減フィルタを含んで構成される。
巡回型ノイズ低減部2は、入力される映像信号の現フレームと、不図示のフレームメモ
リに保持する1フレーム前のフレーム(前フレーム)と、の差分に巡回係数を乗じ、現フレームに加算することにより、現フレームのノイズを低減する。なお、フレームメモリに保持する前フレームは、ノイズ低減装置により出力される映像信号200の1フレーム前のものであっても良いし、入力される映像信号100の1フレーム前のものであっても良い。また、2フレーム以上前のフレームであっても良い。要は、フレーム間の相関が強い映像において、現フレームのノイズを前フレームを用いて低減することが可能なものであれば、どのようなタイプの巡回型ノイズ低減部であっても良い。
ヒストグラム生成部3は、入力される映像信号の現フレームと、不図示のフレームメモリに保持する1フレーム前のフレーム(前フレーム)と、の間で画素値の差分を取得し、取得した差分の絶対値の度数分布をヒストグラムとして生成する。なお、フレームメモリに保持する前フレームは、ノイズ低減装置により出力される映像信号200の1フレーム前のものであっても良いし、入力される映像信号100の1フレーム前のものであっても良い。また、2フレーム以上前のフレームであっても良い。要は、ヒストグラムを生成するために、現フレームと前フレームとの画素値の差分を複数の画素について取得することができれば良い。ヒストグラム生成部3と巡回型ノイズ低減部2とは、フレームメモリを共有しても良いし、それぞれ別個のフレームメモリを備えていても良い。
制御部4は、ヒストグラム生成部3の生成するフレーム間の画素値の差分のヒストグラムに基づいて、MPEGノイズ低減部1によるノイズ低減の強度及び巡回型ノイズ低減部2によるノイズ低減の強度を制御する。MPEGノイズ低減部1によるノイズ低減の強度(MPEGノイズ低減強度)の制御は、例えば、平滑化の対象となる画素の範囲を変化させることによって行う。MPEGノイズ低減強度を強くする場合には、平滑化の対象画素範囲を広く設定し、MPEGノイズ低減強度を弱くする場合には、平滑化の対象画素範囲を狭く設定する。巡回型ノイズ低減部2によるノイズ低減の強度(巡回型ノイズ低減強度)の制御は、例えば、巡回係数を変化させることによって行う。巡回型ノイズ低減強度を強くする場合には、巡回係数を大きく設定し、巡回型ノイズ低減強度を弱くする場合には、巡回係数を小さく設定する。
制御部4によるMPEGノイズ低減強度び巡回型ノイズ低減強度の制御について、図2に基づいて説明する。本実施例では、ヒストグラム生成部3が生成したヒストグラムに基づいて、MPEGノイズ低減強度及び巡回型ノイズ低減強度の制御を大きく3種類に分ける。
ケース1は、ヒストグラムにおいて、第1の閾値以上(Th1以上)の差分値の度数が所定の第1の基準値以下の場合(例えば0以下の場合)である。この場合、入力される映像信号の動きが小さいと判定できる。このような動きの小さい映像の場合、MPEG方式で符号化してもブロックノイズは発生しにくい。従って、ケース1では、MPEG符号化に起因するノイズは少ないと推定できるので、MPEGノイズ低減強度を弱く設定する。また、小さい動きしか検出されない映像の場合、巡回型ノイズ低減強度を強くしても残像妨害は生じにくいので、巡回型ノイズ低減強度を強く設定する。これにより入力される映像信号に含まれるランダムノイズを効果的に低減できる。
ケース2は、ヒストグラムにおいて、第2の閾値以上(Th2(>Th1)以上)の差分値の度数が所定の第2の基準値以上ある場合である。この場合、入力される映像信号の動きが大きいと判定できる。このような動きの大きい映像をMPEG方式で符号化した場合、ブロックノイズが発生し易い。従って、ケース2では、MPEG符号化に起因するノイズが多いと推定できるので、MPEGノイズ低減強度を強く設定する。また、大きい動きが検出される映像の場合、巡回型ノイズ低減部2によるノイズ低減の強度を強くすると残像妨害が生じ易いので、巡回型ノイズ低減強度を弱く設定する。これにより、残像妨害
の発生を抑制しつつ、MPEG符号化に起因するブロックノイズを効果的に低減することができる。
ケース3は、ヒストグラムにおいて、第2の閾値以上(Th2以上)の差分値の度数は第2の基準値より少ないが、第1の閾値以上で第2の閾値より少ない(Th1以上でTh2より少ない)差分値の度数が所定の第3の基準値以上ある場合である。この場合、入力される映像信号の動きはケース2ほど大きくはないものの、小さな変化が多数生じている映像であると判定できる。或いは、ランダムなノイズを多数含む映像であると判定することができる。MPEG方式による符号化は、このような小さい変化が多数生じる映像において、ブロックノイズを発生させ易いという特性がある。従って、ケース3では、MPEG符号化に起因するノイズが多いと推定できるので、MPEGノイズ低減強度を強く設定する。また、ランダムノイズを多数含む映像の場合、巡回型ノイズ低減部2によるノイズ低減が有効である。ケース3の場合、巡回型ノイズ低減強度を強くした場合に残像妨害が生じるほどの大きな動きは検出されていないので、巡回型ノイズ低減強度も強く設定する。
第1の基準値は、入力される映像信号の動きがほとんど無いか否かを第1の閾値Th1以上の差分値の度数に基づいて判定する場合の基準となる度数である。第2の基準値は、入力される映像信号の動きが大きいか否かを第2の閾値Th2以上の差分値の度数に基づいて判定する場合の基準となる度数である。第3の基準値は、入力される映像信号に小さな変化が多数生じているか否かを第1の閾値Th1以上第2の閾値Th2未満の差分値の度数に基づいて判定する場合の基準となる度数である。第1の閾値Th1及び第2の閾値Th2は、映像信号に動きがほとんど無いか、比較的小さいか又は比較的大きいかを判定するための差分値の基準となる値である。映像信号が8ビットの場合、例えば第1の閾値Th1を10近辺の値、第2の閾値Th2を20近辺の値に設定することができる。この値は、MPEGノイズ低減部1や巡回型ノイズ低減部2の仕様に応じて決定されるべき定数である。
図3は、制御部4の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部4は、第1積算部5、第2積算部6、MPEGノイズ低減強度設定部7、巡回型ノイズ低減強度設定部8、加算器9を備える。制御部4は、ヒストグラム生成部3からのヒストグラムの入力を受け、MPEGノイズ低減部1にMPEGノイズ低減強度(例えば平滑化の対象画素範囲の設定値)を出力し、巡回型ノイズ低減部2に巡回型ノイズ低減強度(例えば巡回係数の設定値)を出力する。第1積算部5は、ヒストグラムにおける第1の閾値Th1以上第2の閾値Th2未満の差分値の度数の積算値Sum1を出力する。第2積算部6は、ヒストグラムにおける第2の閾値Th2以上の差分値の度数の積算値Sum2を出力する。MPEGノイズ低減強度設定部7には、第1積算部5から出力される積算値Sum1と第2積算部6から出力される積算値Sum2との和(Sum1+Sum2)が入力される。巡回型ノイズ低減強度設定部8には、第2積算部6から出力される積算値Sum2が入力される。
図4は、MPEGノイズ低減強度設定部7において用いられる、積算値Sum1と積算値Sum2との和(Sum1+Sum2)に応じてMPEGノイズ低減強度を決定する強度特性の一例を示す。図4に示すように、MPEGノイズ低減強度は、積算値の和(Sum1+Sum2)が小さい場合には弱く設定され、積算値の和(Sum1+Sum2)の増加に伴って強く設定される。積算値の和(Sum1+Sum2)が或る値以上においてMPEGノイズ低減強度は最大強度に設定される。
図5は、巡回型ノイズ低減強度設定部8において用いられる、積算値Sum2に応じて巡回型ノイズ低減強度を決定する強度特性の一例を示す。図5に示すように、巡回型ノイ
ズ低減強度は、積算値Sum2が小さい場合には最大強度に設定され、積算値Sum2が或る値以上において積算値Sum2の増加に伴って弱く設定される。
ケース1の場合には、積算値の和(Sum1+Sum2)が小さく且つ積算値Sum2が小さいため、制御部4は、MPEGノイズ低減強度を弱く設定し、巡回型ノイズ低減強度を強く設定する。ケース2の場合には、積算値の和(Sum1+Sum2)が大きく且つ積算値Sum2が大きいため、制御部4は、MPEGノイズ低減強度を強く設定し、巡回型ノイズ低減強度を弱く設定する。ケース3の場合には、積算値の和(Sum1+Sum2)が中程度乃至大きく且つ積算値Sum2が小さいため、制御部4は、MPEGノイズ低減強度を強く設定し、巡回型ノイズ低減強度を強く設定する。
以上説明したように、本実施例に係るノイズ低減装置によれば、フレーム間の画素値の差分のヒストグラムに基づいてMPEGノイズ低減強度及び巡回型ノイズ低減強度を制御できる。よって、入力される映像信号の動きの大小だけでなく、MPEG符号化に起因するノイズの多少に応じた、最適なノイズ低減処理を行うことができる。従って、入力される映像信号がMPEGにより符号化された映像信号の場合に、映像信号に含まれる通常のランダムノイズを効果的に低減することができるとともに、映像信号に含まれるMPEG符号化に起因するブロックノイズをも好適に低減することができる。
なお、本実施例では、MPEGノイズ低減部1の後段に巡回型ノイズ低減部2を直列に接続する構成について説明したが、接続の順番は逆であっても良いし、両者を並列に接続する構成であっても良い。また、フレームを構成する全ての画素についてフレーム間の画素値の差分を取得してヒストグラムを生成する例について説明したが、フレーム内の所定の領域を構成する画素についてフレーム間の画素値の差分を取得してヒストグラムを生成するようにしても良い。所定の領域は、例えばフレームの上下左右を一定幅クロップして得られる中央側の領域や、注目画素の周辺領域などを例示できる。また、フレームを複数の領域に分割し、領域毎に、フレーム間の画素値の差分のヒストグラムを生成しても良い。これにより、領域毎に映像の特徴を判定して、領域毎にMPEGノイズ低減強度及び巡回型ノイズ低減強度を異ならせる制御も可能となる。例えば、動きの小さい映像と動きの大きな映像とがフレーム内に混在する映像に対して、動きの大きな領域のみMPEGノイズ低減強度を強くするなど、領域毎に最適なノイズ低減の強度制御を行うことが可能となる。
MPEGノイズ低減部1は、MPEG方式の符号化における圧縮率の情報に基づいてブロックノイズを低減する機能を備えていても良い。これは、MPEG方式の符号化において圧縮率を高くした場合、ブロックノイズが発生し易い傾向があるからである。この場合、制御部4は、圧縮率が高いほど、MPEGノイズ低減強度を強く設定するようにしても良い。入力される映像信号がMPEG方式で符号化された映像ではない場合には、MPEGノイズ低減部1によるノイズ低減を無効化するようにノイズ低減装置を構成しても良い。また、MPEGノイズ低減部1及び巡回型ノイズ低減部2に加えて、フレーム内の画素間相関に基づいてノイズを低減する公知の空間型ノイズ低減部を更に備えたノイズ低減装置の構成としても良い。
本発明は、符号化ノイズ低減手段としてMPEG以外の符号化方式に起因する符号化ノイズを低減する手段を備えた構成のノイズ低減装置にも適用可能である。その場合、符号化ノイズが発生し易い条件をヒストグラムに基づいて判定できるように、差分の閾値や度数の基準値を当該符号化方式の特性に基づいて適切に設定して、制御部4を構成することが好ましい。また、複数の符号化方式にそれぞれ対応する複数の符号化ノイズ低減部と、入力される映像信号の符号化方式を判別する判別部とを更に備え、判別部による判別結果に応じて使用する符号化ノイズ低減部を切り換えるようにしても良い。
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について説明する。実施例1と共通の構成要素については実施例1と同一の名称及び符号を用いることとし、詳細な説明を省略する。図6は、実施例2に係るノイズ低減装置における制御部4の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本実施例の制御部4は、実施例1に係るノイズ低減装置の制御部4の構成に加えて、ヒストグラムのピークを検出するピーク検出部10及び乗算器11を更に備えている。その他の構成は実施例1と同じである。ピーク検出部10は、ヒストグラム生成部3から入力されるフレーム間の画素値の差分のヒストグラムにおいて、第2の閾値Th2以下の差分値の度数にピークが存在するか否かを検出する。具体的には、第2の閾値Th2以下の差分値であって、その度数が所定の第4の基準値を超えるような差分値が存在する場合に、ピークが存在するとみなす。
図7に、第2の閾値以下(Th2以下)の範囲にピークが存在する場合のフレーム間の画素値の差分のヒストグラムの例を示す。図7の例では、第1の閾値Th1においてピークが存在している。ピークが存在することが検出される場合、入力される映像信号には、動きエッジが存在するか、或いはフェードイン又はフェードアウトのような画像全体にわたる変化が生じている可能性が高い。このような映像信号に対して巡回型ノイズ低減部2によるノイズ低減を強く作用させると、妨害が発生する可能性がある。
そこで、本実施例の制御部4は、ピーク検出部10によってこのようなピークの存在が検出された場合、巡回型ノイズ低減強度を弱める制御を行う。具体的には、ピーク検出部10は、第2の閾値Th2以下の範囲にピークが検出されない場合にはk=1、ピークが検出される場合には0≦k<1となる係数kを出力する。そして、係数kは、乗算器11において、巡回型ノイズ低減強度設定部8からの出力に乗算される。これにより、ピークが検出される場合には巡回型ノイズ低減強度を弱く設定することができる。係数kは定数でも良いし、ピークの高さに応じた可変値としても良い。係数kを可変値とする場合は、ピークの高さを取得し、ピークの高さが高いほど係数kが小さくなるようにすることができる。
本実施例に係るノイズ低減装置によれば、フレーム間の画素値の差分のヒストグラムに基づいてノイズ低減強度を制御することにより、入力される映像の動きの大小だけでなく動きエッジやフェード等の特徴に応じた最適なノイズ低減処理を行うことができる。従って、入力される映像のノイズをより効果的に低減することができるとともに、高品位な映像信号を出力することが可能となる。
1:MPEGノイズ低減部、2:巡回型ノイズ低減部、3:ヒストグラム生成部、4:制御部

Claims (10)

  1. 入力される映像信号の各フレームのノイズを低減するノイズ低減装置であって、
    現フレームに含まれるノイズを前フレームを用いて低減する巡回型ノイズ低減手段と、
    入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズを低減する符号化ノイズ低減手段と、
    現フレームと前フレームとの間で画素値の差分を取得し、第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数と、を含む差分値の度数分布を生成する生成手段と、
    第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数とに基づいて、前記巡回型ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度及び前記符号化ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするノイズ低減装置。
  2. 前記生成手段は、フレームを複数の領域に分割し、当該領域毎に、前記取得した差分の値の度数分布を生成することを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減装置。
  3. 前記制御手段は、前記生成手段の生成する度数分布において、
    1の閾値以上の差分値の度数が1の基準値以下の場合、入力される映像信号の動きが小さく且つ前記符号化方式に起因するノイズが少ないと判定し、
    前記第1の閾値より大きい2の閾値以上の差分値の度数が2の基準値以上である場合、入力される映像信号の動きが大きく且つ前記符号化方式に起因するノイズが多いと判定し、
    前記第2の閾値以上の差分値の度数が前記第2の基準値より少なく、且つ、前記第1の閾値以上で前記第2の閾値より小さい差分値の度数が3の基準値以上である場合、入力される映像信号の動きが小さく且つ前記符号化方式に起因するノイズが多いと判定し、
    入力される映像信号の動きが小さいと判定される場合、動きが大きいと判定される場合よりも、前記巡回型ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度を強く設定し、
    入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズが多いと判定される場合、ノイズが少ないと判定される場合よりも、前記符号化ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度を強く設定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のノイズ低減装置。
  4. 前記制御手段は、前記生成手段の生成する度数分布において、
    前記第2の閾値以下の範囲にピークが存在する場合、存在しない場合よりも、前記巡回型ノイズ低減手段によるノイズ低減の強度を弱く設定することを特徴とする請求項3に記載のノイズ低減装置。
  5. 前記符号化方式はMPEGであり、
    前記符号化ノイズ低減手段は、MPEGによる符号化に係るブロック境界の情報に基づいて、フレーム内のブロック境界の画素に対して平滑化を行う空間型ノイズ低減手段であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のノイズ低減装置。
  6. 入力される映像信号の各フレームのノイズを低減するノイズ低減方法であって、
    映像信号を入力する入力工程と、
    入力される映像信号の現フレームに含まれるノイズを前フレームを用いて低減する巡回型ノイズ低減工程と、
    入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズを低減する符号化ノイズ低減工程と、
    現フレームと前フレームとの画素値の差分を取得し、第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数と、を含む差分値の度数分布を生成する生成工程と、
    第1の閾値以上で第2の閾値未満の差分値の度数と、第2の閾値以上の差分値の度数とに基づいて、前記巡回型ノイズ低減工程におけるノイズ低減の強度及び前記符号化ノイズ低減工程におけるノイズ低減の強度を制御する工程と、
    を備えることを特徴とするノイズ低減方法。
  7. 前記生成工程では、フレームを複数の領域に分割し、当該領域毎に、前記取得した差分の値の度数分布を生成することを特徴とする請求項6に記載のノイズ低減方法。
  8. 前記制御する工程では、前記生成工程で生成する度数分布において、
    1の閾値以上の差分値の度数が1の基準値以下の場合、入力される映像信号の動きが小さく且つ前記符号化方式に起因するノイズが少ないと判定し、
    前記第1の閾値より大きい2の閾値以上の差分値の度数が2の基準値以上である場合、入力される映像信号の動きが大きく且つ前記符号化方式に起因するノイズが多いと判定し、
    前記第2の閾値以上の差分値の度数が前記第2の基準値より少なく、且つ、前記第1の閾値以上で前記第2の閾値より小さい差分値の度数が3の基準値以上である場合、入力される映像信号の動きが小さく且つ前記符号化方式に起因するノイズが多いと判定し、
    入力される映像信号の動きが小さいと判定される場合、動きが大きいと判定される場合よりも、前記巡回型ノイズ低減工程によるノイズ低減の強度を強く設定し、
    入力される映像信号の符号化方式に起因するノイズが多いと判定される場合、ノイズが少ないと判定される場合よりも、前記符号化ノイズ低減工程によるノイズ低減の強度を強く設定する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のノイズ低減方法。
  9. 前記制御する工程では、前記生成工程で生成する度数分布において、
    前記第2の閾値以下の範囲にピークが存在する場合、存在しない場合よりも、前記巡回型ノイズ低減工程によるノイズ低減の強度を弱く設定することを特徴とする請求項8に記載のノイズ低減方法。
  10. 前記符号化方式はMPEGであり、
    前記符号化ノイズ低減工程は、MPEGによる符号化に係るブロック境界の情報に基づいて、フレーム内のブロック境界の画素に対して平滑化を行う空間型ノイズ低減工程であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のノイズ低減方法。
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