JP2007028489A - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像処理装置10は、JPEG圧縮処理された際に画像データに含まれるノイズ成分を除去する装置であって、量子化テーブル作成部12、補正強度算出部13、特徴量算出部14および補正強度調整部15を備えている。量子化テーブル作成部12は、画像データに含まれるヘッダ情報に基づいて圧縮処理に用いられる量子化テーブルを抽出する。特徴量算出部14は、量子化テーブルに対して所望のノイズ成分に相当する部分の重み付けを行い、重み付け後の量子化テーブルの総和を特徴量として算出する。補正強度算出部15は、この特徴量の大きさに基づいて、補正強度を算出する。
【選択図】 図6
Description
このとき、圧縮フォーマットとしては、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式の圧縮フォーマットが広く採用されている。JPEGは、静止画像圧縮方式の一種であって、その特性の1つとしては、圧縮の程度をユーザ自らが自由に設定できる点がある。この場合、圧縮率を高めるとブロックノイズやモスキートノイズといわれるノイズが発生し、画質を劣化させてしまう。このため、画像処理装置においては、このような各種ノイズ成分を除去するために、各画像データに対して補正処理が実施される。
この構成によれば、画像処理の適用判断においてユーザの負担を軽減し、かつ印刷速度を低下させることなく、容易に高画質の印刷を実行することができる。
すなわち、上記公報に開示された画像処理装置では、圧縮率や印刷時におけるサイズ変換の程度に応じて補正強度を変更しているが、このような補正強度の変更では、元々ノイズの発生していない画像まで一律に補正処理を行ってしまうおそれがある。ここで、ノイズ除去が不要な画像データについても補正処理を行った結果、逆にその画像の画質を低下させてしまうおそれがあることから、常に適切な補正処理が行われるとは言い難い。
従来の画像処理装置では、単に量子化テーブルの総和を特徴量として決定された補正強度によって補正処理を行うため、どの種類のノイズ成分が多く含まれているかを判定することができない。このため、量子化テーブルの総和が同じであればノイズ成分の種類に関わらず一律の補正強度によって補正処理を行っている。しかし、このような補正処理では、ノイズ成分が特定の種類に偏っている場合には、適正な補正処理を行うことができなくなるおそれがある。
ここでは、特徴量と所定の閾値との比較結果に基づいて補正強度の調整を行う。具体的には、特徴量が所定の閾値よりも小さい場合には、重み付けされたブロックノイズ等のノイズ成分があまり多く含まれていないと判定し、補正強度を弱くして補正処理(ノイズの除去)を行う。
ここでは、特徴量と所定の閾値との比較結果に基づいて補正強度の調整を行う。具体的には、特徴量が所定の閾値以上である場合には、ブロックノイズ等のノイズ成分が多く含まれていると判定し、補正強度を強くして補正処理(ノイズの除去)を行う。
これにより、ブロックノイズ等特定のノイズ成分の量が多い画像データに対して適正な補正強度を設定し、所定のノイズの成分を効果的に除去することが可能になる。
ここでは、画像データに含まれるヘッダ情報の中から、量子化テーブルを抽出する。
これにより、量子化テーブルを画像データに含まれる情報の中から容易に抽出することができる。
ここでは、画像をプリントした際に目立ち易いブロックノイズを優先的に除去するために、量子テーブルにおけるブロックノイズ側に相当する部分の重み付けを行う。
ここでは、モスキートノイズを優先的に除去するために、量子テーブルにおけるモスキートノイズ側に相当する部分の重み付けを行う。
また、上述したブロックノイズの成分に対する重み付け、除去とモスキートノイズの成分に対する重み付け、除去とをそれぞれ行うことで、よりノイズ成分が少ない画像を得ることができる。
従来の画像処理プログラムでは、単に量子化テーブルの総和を特徴量として決定された補正強度によって補正処理を行うため、どの種類のノイズ成分が多く含まれているかを判定することができない。このため、量子化テーブルの総和が同じであればノイズ成分の種類に関わらず一律の補正強度によって補正処理を行っている。しかし、このような補正処理では、ノイズ成分が特定の種類に偏っている場合には、適正な補正処理を行うことができなくなるおそれがある。
第2の発明に係る画像処理装置によれば、ブロックノイズの量が少ない画像データに対して不必要な補正が行われて画質を低下させることを防止することができる。
第3の発明に係る画像処理装置によれば、ブロックノイズ等特定のノイズ成分の量が多い画像データに対して適正な補正強度を設定し、所定のノイズの成分を効果的に除去することが可能になる。
第5の発明に係る画像処理装置によれば、ブロックノイズ成分を効果的に除去することができる。
第6の発明に係る画像処理装置によれば、モスキートノイズの成分を効果的に除去することができるとともに、ブロックノイズの成分とモスキートノイズの成分とに対する処理をそれぞれ行うことで、よりノイズ成分が少ない画像を得ることができる。
[画像処理装置10全体の構成]
本実施形態に係る画像処理装置10は、図1に示すように、CPU1、ROM2、ワーキングメモリ3、フレームメモリ4、データ入出力装置5およびハードディスク6を備えており、それぞれがバス7を介して接続されている。
ROM2は、画像ノイズ除去プログラムを含む各種コンピュータプログラムや各種パラメータを格納する。
フレームメモリ4は、JPEG方式により圧縮符号化された静止画像を復号化して得られた画像データを記憶するためのメモリである。
データ入出力装置5に入力されたR,G,Bの3色に対応するそれぞれの画像データは、それぞれR成分画像データ、G成分画像データ、B成分画像データとして一旦別々のフレームメモリ4に記憶され、その上で画像ノイズ除去処理が行われる。画像ノイズ除去処理が終了すると、R,G,Bの3色の画像データは、データ入出力装置5から外部に出力され、あるいはハードディスク6に記憶される。
本実施形態の画像処理装置10における画像データに含まれるノイズ成分の除去処理について、図2〜図6を用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、本実施形態の画像処理装置10では、図2に示すフローチャートに従って、入力された画像データに含まれるノイズ成分の除去処理を行う。
Y=(RToY[0][0]*R+RToY[0][1]*G+RToY[0][2]*B)/10000 ・・・式(1)
Cr=(RToY[1][0]*R+RToY[1][1]*G+RToY[1][2]*B)/10000+2048
・・・式(2)
Cb=(RToY[2][0]*R+RToY[2][1]*G+RToY[2][2]*B)/10000+2048
・・・式(3)
(ただし、RToY[i][j]はYCrCb変換係数とする。)
なお、本実施形態では、YCC色空間に変換してノイズ除去処理を行っている。ここで、JPEG方式では、図3に示すように第1圧縮処理としてRGBをYCCへと変換し、YCC色空間において圧縮/拡張を行っている。このとき、ブロックノイズやモスキートノイズが発生するため、同じ色空間で画像ノイズ除去処理することで、補正処理の精度を向上させることができる。
R=(YToR[0][0]*Y+YToR[0][1]*(Cr-2048)+YToR[0][2]*(Cb-2048)/10000
・・・式(4) G=(YToR[1][0]*Y+YToR[1][1]*(Cr-2048)+YToR[1][2]*(Cb-2048)/10000
・・・式(5) B=(YToR[2][0]*Y+YToR[2][1]*(Cr-2048)+YToR[2][2]*(Cb-2048)/10000
・・・式(6) (ただし、YToR[i][j]はYC結合係数とする。)
なお、本実施形態においては、処理を行う際におけるデータ落ちを抑制するため、8Bitデータを12Bitに拡張して処理しているが、8Bitデータのままで処理してもよい。
本実施形態の画像処理装置10では、上述した画像データに含まれるノイズ成分を除去する過程において、CPU1がROM2に格納されている画像ノイズ除去プログラムを読み込んで各ハードウェアを制御することで、図6に示すような機能ブロックを形成する。このため、画像処理装置10は、機能ブロックとして、図6に示すヘッダ解析部11、量子化テーブル作成部12、重み付け部13、特徴量算出部14および補正強度算出部15を備えている。
量子化テーブル作成部12は、ヘッダ解析部11における解析結果に基づいて、図4(a)に示すような量子化テーブルを抽出する。
重み付け部13は、上記量子化テーブルにおけるブロックノイズ側に相当する部分に対して重み付けを行って、図4(b)に示すような量子化テーブルを得る。
補正強度算出部15は、上記特徴量の大きさを所定の閾値と比較しながら補正強度を算出する。例えば、上記特徴量が所定の閾値よりも小さい場合には、補正強度を通常よりも弱めるように算出する一方、閾値よりも大きい場合には、補正強度を通常よりも強めるように補正強度を算出する。
量子化テーブルは、図3に示すように、RGB色空間をYCC色空間に変換する第1圧縮後、YCC色空間を量子化する第2圧縮の際に用いられるテーブルであって、この量子化テーブルによって圧縮率等が設定される。また、量子化テーブルは、図4(a)に示すように、8×8の画素群によって形成されており、入力された画像データに含まれるヘッダ情報の中から抽出される。さらに、量子化テーブルは、図4(a)に示すように、縦横が縦方向の波と横方向の波とに対応しており、低周波成分が左上部に、高周波成分が右下部にそれぞれ対応するように構成されている。例えば、ブロックノイズについては、画像データから低周波成分を除去していくにつれて発生し易くなるノイズであるため、圧縮処理した画像データにブロックノイズが多く含まれる場合には、図中左上部の値が大きい量子化テーブルが抽出される。反対に、モスキートノイズについては、画像データから高周波成分を除去していくにつれて発生し易くなるノイズであるため、圧縮した画像データにモスキートノイズが多く含まれる場合には、図中右下部の値が大きい量子化テーブルが抽出される。
本実施形態の画像処理装置10では、以上のように、除去対象となるブロックノイズ側に相当する量子化テーブルの部分(図4(a)の斜線部分参照)に重み付けし、重み付け後の量子化テーブル(図4(b)参照)の総和をとってこれを特徴量する。そして、この特徴量の大きさに基づいて補正強度Xの調整を行う。
[本画像処理装置10の特徴]
(1)
本実施形態の画像処理装置10は、JPEG圧縮処理された際に画像データに含まれるノイズ成分を除去する装置であって、図6に示すように、機能ブロックとして、量子化テーブル作成部12、補正強度算出部13、特徴量算出部14および補正強度算出部15を備えている。量子化テーブル作成部12は、画像データに含まれるヘッダ情報に基づいて圧縮処理に用いられる量子化テーブル(図4(a)参照)を抽出する。特徴量算出部14は、量子化テーブル(図4(a)参照)に対して所望のノイズ成分に相当する部分の重み付けを行い、重み付け後の量子化テーブル(図4(b)参照)の総和を特徴量として算出する。補正強度算出部15は、この特徴量の大きさに基づいて、補正強度を算出する。そして、画像処理装置10では、調整後の補正強度を用いてノイズ成分の除去を行う。
これにより、ブロックノイズ、モスキートノイズのそれぞれについて、量子化テーブルの対応部分に重み付けを行って特徴量を算出し、この特徴量に基づいて補正強度を算出することで、適正な補正強度によって特定のノイズ成分を効果的に除去することが可能になる。そして、特定のノイズ成分を除去する必要がないような画像データでは、補正処理によって逆に画質を低下させてしまうといった不具合の発生を防止して、常に適正な補正処理を行うことが可能になる。
本実施形態の画像処理装置10では、図5に示すように、補正強度算出部15が、特徴量が所定の閾値未満である場合には、ステップS18において、補正強度を弱めるように調整する。
ここで、特徴量が所定の閾値未満になるということは、重み付けした側のノイズ成分が余り多く含まれていないことを意味している。
(3)
本実施形態の画像処理装置10では、図5に示すように、補正強度算出部15が、特徴量が所定の閾値以上である場合には、ステップS16において、補正強度を強めるように調整する。
これにより、特徴量が所定の閾値以上になる場合には、そのノイズ成分を除去するための補正強度を強くすることで、適正な補正を行って効果的に所望のノイズ成分を除去することができる。
本実施形態の画像処理装置10では、量子化テーブル作成部12が、入力された画像データのヘッダ情報から量子化テーブルを抽出する。
これにより、画像データに関する各種情報(圧縮比、リサイズ比等)を含むヘッダ情報から量子化テーブルを抽出することで、容易に量子化テーブルを作成することができる。
本実施形態の画像処理装置10では、特徴量算出部14が、量子化テーブルにおけるブロックノイズに相当する側の部分(図4(a)の斜線部分参照)に対して重み付けを行う。
これにより、画像データに基づいて写真プリントした際にモスキートノイズよりも目立ち易いブロックノイズが多く含まれているかを認識した上で適正な補正強度を設定してノイズ除去処理を行うことができる。この結果、ブロックノイズ成分を効果的に除去して、良好な画質の画像を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、量子化テーブルについての重み付け処理を、ブロックノイズの成分に相当する側の部分に対して行って補正強度の調整を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
具体的には、図7に示すフローチャートに従って処理が行われる。
すなわち、ステップS11からステップS14までの処理については、上記実施形態で説明した図5のフローチャートと同様である。ステップS13において量子化テーブルを作成すると、ステップS14における特徴量の算出と平行して、ステップS21において画像の入出力サイズを比較してリサイズの比率を求める。そして、ステップS22において、その比率に基づいて補正強度を自動的に調整する。次に、ステップS23において、ステップS15において算出された特徴量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、特徴量が所定の閾値以上である場合には、重み付けする前の量子化テーブルにモスキートノイズの成分が多く含まれていたことを意味するため、ステップS25において、補正強度Xをαだけ強めた値X(=X+α)になるように調整し、この値を正式な補正強度として設定する。一方、特徴量が所定の閾値未満である場合には、重み付けする前の量子化テーブルにモスキートノイズの成分がそれほど多く含まれていないことを意味するため、ステップS24において、補正強度Xをそのまま正式な補正強度として設定する。ステップS26では、ステップS24あるいはステップS25において設定された補正強度Xに基づいて、JPEG画像データに含まれるノイズ成分(モスキートノイズの成分)の除去を行う。これにより、モスキートノイズを優先的に除去するノイズ成分とする場合でも、重み付けによって所望のノイズ成分を目立たせることで、除去対象となるノイズ成分を効果的に除去することが可能になる。
(B)
上記実施形態では、本発明に係るノイズ成分の除去処理を画像処理装置によって実行させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(C)
上記実施形態では、圧縮画像を復号化する際にRGB変換処理を含んでいるため、図2のフローチャートに示すように、ステップS1においてRGB/YCC変換処理を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(D)
上記実施形態では、画像データに含まれるノイズの除去処理をコンピュータ上で行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
2 ROM
3 ワーキングメモリ
4 フレームメモリ
5 データ入出力装置
6 ハードディスク
7 バス
10 画像処理装置
11 ヘッダ解析部
12 量子化テーブル作成部
13 重み付け部
14 特徴量算出部
15 補正強度算出部
S ステップ
Claims (7)
- 画像データをブロック単位で圧縮符号化し、これを復号化した際に前記画像データに含まれるノイズ成分を除去する画像処理装置であって、
前記圧縮符号化の処理を行う際に前記画像データに基づいて量子化テーブルを抽出する量子化テーブル作成部と、
前記量子化テーブルに基づいて前記量子化テーブルに対する重み付けを行い、重み付けされた前記量子化テーブルの総和を算出してこれを特徴量とする特徴量算出部と、
前記特徴量に基づいて、前記復号化した際に前記画像データに含まれるノイズ成分を除去するための補正強度を算出する補正強度算出部と、
を備えた画像処理装置。 - 前記補正強度算出部は、前記特徴量が所定の閾値未満である場合には、前記補正強度を弱めるように調整する、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記補正強度算出部は、前記特徴量が所定の閾値以上である場合には、前記補正強度を強めるように調整する、
請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記量子化テーブル作成部は、前記画像データのヘッダ部分から前記量子化テーブルを抽出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記特徴量算出部は、前記ノイズ成分に含まれるブロックノイズ側に相当する前記量子化テーブルの部分に重み付けを行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記特徴量算出部は、前記ノイズ成分に含まれるモスキートノイズ側に相当する前記量子化テーブルの部分に重み付けを行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 画像データをブロック単位で圧縮符号化し、これを復号化した際に前記画像データに含まれるノイズ成分を除去する画像処理プログラムであって、
前記圧縮符号化の処理を行う際に前記画像データに基づいて量子化テーブルを抽出する第1のステップと、
前記量子化テーブルに基づいて前記量子化テーブルに対する重み付けを行う第2のステップと、
前記重み付けされた前記量子化テーブルの総和を算出してこれを特徴量とする第3のステップと、
前記特徴量に基づいて、前記復号化した際に前記画像データに含まれるノイズ成分を除去するための補正強度を算出する第4のステップと、
を備えた画像処理方法をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
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