JP5053732B2 - 軸受装置及びシート繰出装置 - Google Patents

軸受装置及びシート繰出装置

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Description

本発明は軸受装置及びシート繰出装置に係り、更に詳しくは、特別な工具若しくは作業を伴うことなくローラを着脱することのできる軸受装置と、当該軸受装置を利用したシート繰出装置に関する。
帯状のシートを繰り出す場合には、その繰出経路の途中にドライブローラと、当該ドライブローラとの間にシートを挟み込むピンチローラを設け、前記ドライブローラを回転駆動させることによってシートの繰り出しを行う構成が一般的に採用されている。
このようなドライブローラやピンチローラは、シートを傷つけないように樹脂やゴム等の弾性部材によって構成されるため、使用しているうちにその表面がシート幅に対応した凹形状に磨耗し、シート繰出不良が発生するようになるため、定期的に交換しなければならない。
ローラを支持する軸受装置としては、例えば、図3に示される構成が知られている。この軸受装置は、フレームFに設けられたベアリング50と、当該ベアリング50に支持された保持手段51と、この保持手段51を介して支持されたローラ52とを備えて構成されている。ローラ52は、その中心にローラ軸53を備えており、当該ローラ軸53を介して保持手段51に支持される構成となっている。保持手段51は、ベアリング50に回転可能に支持される回転軸54と、ローラ軸53の一端側を受容するハウジング55と、当該ハウジング55の外側からローラ軸53を固定するねじ56とを含み、保持手段51が回転することにより、ローラ52が一体的に回転可能となっている。
また、その他のローラ支持構造としては、図4に示されるように、前記保持手段を省略してベアリング50にローラ軸53を直接支持させるとともに、当該ローラ軸53の外周側にストップリング57を装着する構成等も知られている。
しかしながら、このような軸受構造にあっては、ローラ52の着脱作業を行う際に、ねじ56やストップリング57の着脱を行わなければならず、それ専用の工具が必要となり、工具レスでの作業を不可避にする、という問題がある。
ところで、特許文献1には、回転軸の回転とロックとを選択的に行うことのできるロック機構が開示されている。同ロック機構は、ハウジングと回転軸との間にワンウェイクラッチを設け、当該クラッチを介して回転軸の回転とロックとが行えるようになっている。
実開昭62−146219号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたロック機構は、操作用の摘みを軸方向に移動させることによってクラッチのON−OFF動作を行うものであり、回転軸の回転とロックとを行うための摘みを必須の構成部品とする他、摘みの位置を初期位置に保つためのばね等も必要になる、という不都合がある。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、工具を用いた作業を必要とすることなくローラの着脱を行うことのできる軸受装置と、当該軸受装置を備えたシート繰出装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、ローラ軸を保持する保持手段と、当該保持手段回転可能に支持するベアリングとを備えた軸受装置において、
前記保持手段は、前記ローラ軸の一方向の回転を抑制する第1の回転抑制手段と、前記ローラ軸の他方向の回転を抑制する第2の回転抑制手段とを備え、
前記保持手段に前記ローラ軸を受容させたときに、前記第1及び第2の回転抑制手段により、当該ローラ軸が保持手段と相対回転不能に保持されるという構成を採っている。
本発明において、前記第1及び第2の回転抑制手段は、ワンウェイクラッチにより構成され、これらワンウェイクラッチが前記ローラ軸に沿って配置される、という構成を採っている。
また、本発明は、帯状のシートを挟み込んで当該シートに繰出力を付与するシート繰出装置において、
前記シートに繰出力を付与するドライブローラと、当該ドライブローラとの間に前記シートを挟み込むピンチローラと、前記ドライブローラのローラ軸を保持する保持手段と、当該保持手段に回転力を付与する駆動手段とを備え、
前記保持手段は、前記ローラ軸の一方向の回転を抑制する第1の回転抑制手段と、前記ローラ軸の他方向の回転を抑制する第2の回転抑制手段とを備え、
前記保持手段に前記ローラ軸を受容させたときに、前記第1及び第2の回転抑制手段により、当該ローラ軸が保持手段と相対回転不能に保持される、という構成を採ることができる。
前記シート繰出装置において、前記第1及び第2の回転抑制手段は、ワンウェイクラッチにより構成され、これらワンウェイクラッチが前記ローラ軸に沿って配置される、という構成を採っている。
本発明は、保持手段に第1及び第2の回転抑制手段を設け、当該保持手段がローラ軸を回転不能に保持する構成としたから、ローラ軸を保持手段に受容させるだけの作業でローラ軸の回転規制を行うことができる。すなわち、ローラ軸を回転抑制するための特別な作業を必要とすることがない。
また、第1及び第2の回転抑制手段は、ローラ軸に沿って配置されるワンウェイクラッチによるものとしたから、汎用部品を利用することで構造の簡易化を図りつつコストの低廉化も達成することができる。
更に、前記軸受構造を帯状のシート繰出装置に適用した場合には、従来のような着脱作業のための専用工具を必要とせず、ローラの交換作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係るシート繰出装置の要部概略正面図が示され、図2には、その一部を省略した拡大側面図が示されている。これらの図において、シート繰出装置10は、フレームFの面内に設けられたドライブローラ11と、当該ドライブローラ11との間に帯状のシートSを挟み込むとともに、ドライブローラ11と相互に作用してシートSに繰出力を付与するピンチローラ12と、このピンチローラ12を介して同期回転可能に設けられた従動ローラ13と、前記フレームFの面内に設けられたベアリング15(図2参照)を介してそれぞれ回転可能に設けられるとともに、前記ドライブローラ11及び従動ローラ13をそれぞれ保持する二つの保持手段17、18と、保持手段17に駆動力を付与する駆動手段19とを備えて構成されている。ここで、シートSは、上部に位置する図示しない支持装置を介してロール状に支持されており、当該シートSは前記ドライブローラ11及びピンチローラ12を介して図1中下方に向かって繰り出し可能に設けられている。
前記ドライブローラ11は、ローラ軸11Bと、当該ローラ軸11Bの外周に回転不能に取り付けられた円筒状のローラ本体11Aとを備え、当該ローラ軸11Bは、ローラ本体11Aの一端すなわち図2中左端から所定量突出する長さに設定されている。また、従動ローラ13は、従動ローラ軸13B及び従動ローラ本体13Aを備え、実質的にドライブローラ11と同一構造となっている。なお、各ローラ本体11A、13Aはゴム材によって構成されている。
前記ピンチローラ12は、図1に示されるように、上端部がフレームFに回転可能に支持されたアーム24の下端部に回転可能に設けられている。アーム24とフレームFとの間にはコイルばね25が掛け渡されており、当該コイルばね25により、ピンチローラ12がドライブローラ11、従動ローラ13に付勢されるようになっている。
前記保持手段17、18は、図2に示されるように、ベアリング15に回転可能に支持された略同一構造体となっている。従って、ここでは、重複した説明を回避するために、ドライブローラ11を保持する保持手段17について説明するものとし、従動ローラ13を保持する保持手段18については同一符号を用いて説明を省略する。
前記保持手段17は、ベアリング15に回転可能に支持された回転軸27と、当該回転軸27の一端に連なるとともに、前記ローラ軸11Bを受容してこれを保持するハウジング28と、このハウジング28内に設けられた第1及び第2の回転抑制手段としての第1及び第2のワンウェイクラッチ30、31とからなる。ここにおいて、前記保持手段17、ベアリング15によりローラ11の軸受装置32が構成されている。
第1のワンウェイクラッチ30は、ローラ軸11Bの一方向の回転、例えば、図1中右側回転を抑制する一方、第2のワンウェイクラッチ31は、ローラ軸11Bの他方向の回転、例えば、左側回転を抑制するようになっている。これらワンウェイクラッチ30、31は、同構造のものが使用され、ハウジング28へ圧入する方向を逆にして相互に隣り合うようにローラ軸11Bに沿って直列配置とされている。
前記駆動手段19は、フレームFに支持されたモータMと、このモータMによって回転する駆動軸35と、当該駆動軸35と前記保持手段17の回転軸27とに固定された一対のプーリ36、37と、これらプーリ36、37間に巻装されたタイミングベルト38とからなる。
次に、本実施形態におけるシート繰出装置10の動作について説明する。
シートSの繰り出しに備えた初期作業は、先ず、ピンチローラ12をコイルばね25の付勢力に抗して図1中矢印a方向に回転させてドライブローラ11との間に隙間を形成し、上部に位置する支持装置からシートSを所定長さ引き出し、ドライブローラ11よりも下方に通過させた後にピンチローラ12を初期位置に戻す。これにより、シートSはドライブローラ11とピンチローラ2との間に挟み込まれ、ドライブローラ11が回転(図1中左回転)することでシートSの繰り出しが行われる。
ドライブローラ11は、駆動手段19を駆動させることにより保持手段17を介して回転可能となる。すなわち、駆動手段19の駆動によって保持手段17の回転軸27が回転するが、ドライブローラ11のローラ軸11Bは、ハウジング28内における第1及び第2のワンウェイクラッチ30、31で何れの方向にも回転が抑制された状態に保たれるため、保持手段17とドライブローラ11とが相対回転することはなく、ドライブローラ11は保持手段17との一体的な回転となる。なお、ドライブローラ11の図2中右端側には、図示しないローラ軸押さえを必要に応じて設けることができる。
前記ドライブローラ11及び受動ローラ13を交換するときは、保持手段17、18からそれぞれ抜き出し、別途のローラのローラ軸を保持手段17、18に差し込めば足りる。
従って、このような実施形態によれば、ローラ交換時の着脱作業を工具レスで簡易且つ迅速に行うことができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
例えば、前記実施形態では、従動ローラ13が保持手段17に対して相対回転を抑制される場合を図示、説明したが、当該従動ローラ13は保持手段17を用いることなくフレームFに直接回転可能に支持する構成としてもよい。
また、第1、第2の回転抑制手段は、ワンウェイクラッチに限定されることなく、定回転ラチェット等の一方方向への回転が抑制できるものであればよい。
また、ドライブローラ11及び従動ローラ13は、それぞれ片持ち支持構造の場合に限らず、軸方向両側が略対称となる構造の支持構造としてもよい。この場合、ローラ軸11B、13Bをローラ11、13の軸方向両側から突出させればよい。そして、図示例のフレームFに対して離間接近可能な移動フレームを配置し、この移動フレームに保持手段17を設けてローラ軸を受容させるようにすることができる。この場合、保持手段17がローラ軸11の軸方向両側に位置することになるため、第1及び第2のワンウェイクラッチを、それぞれの保持手段に分散して配置することもできる。
本実施形態に係るシート繰出装置の概略正面図。 ピンチローラを省略した図1の拡大側断面図。 従来の軸受構造を示す側断面図 従来の他の軸受構造を示す側断面図。
符号の説明
10 シート繰出装置
11 ドライブローラ
11B ローラ軸
12 ピンチローラ
17 保持手段
19 駆動手段
30 ワンウェイクラッチ(第1の回転抑制手段)
31 ワンウェイクラッチ(第2の回転抑制手段)
32 軸受装置
S シート

Claims (4)

  1. ローラ軸を保持する保持手段と、当該保持手段回転可能に支持するベアリングとを備えた軸受装置において、
    前記保持手段は、前記ローラ軸の一方向の回転を抑制する第1の回転抑制手段と、前記ローラ軸の他方向の回転を抑制する第2の回転抑制手段とを備え、
    前記保持手段に前記ローラ軸を受容させたときに、前記第1及び第2の回転抑制手段により、当該ローラ軸が保持手段と相対回転不能に保持されることを特徴とする軸受装置。
  2. 前記第1及び第2の回転抑制手段は、ワンウェイクラッチにより構成され、これらワンウェイクラッチが前記ローラ軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
  3. 帯状のシートを挟み込んで当該シートに繰出力を付与するシート繰出装置において、
    前記シートに繰出力を付与するドライブローラと、当該ドライブローラとの間に前記シートを挟み込むピンチローラと、前記ドライブローラのローラ軸を保持する保持手段と、当該保持手段に回転力を付与する駆動手段とを備え、
    前記保持手段は、前記ローラ軸の一方向の回転を抑制する第1の回転抑制手段と、前記ローラ軸の他方向の回転を抑制する第2の回転抑制手段とを備え、
    前記保持手段に前記ローラ軸を受容させたときに、前記第1及び第2の回転抑制手段により、当該ローラ軸が保持手段と相対回転不能に保持されることを特徴とするシート繰出装置。
  4. 前記第1及び第2の回転抑制手段は、ワンウェイクラッチにより構成され、これらワンウェイクラッチが前記ローラ軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項3記載のシート繰出装置。
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