JP5053704B2 - 電着塗装のための水洗方法 - Google Patents

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Description

本発明は電着塗装のための水洗方法に関し、より詳細には電着塗装において電着塗料浴液から引き上げた被塗物を水洗するための水洗方法に関する。
電着塗装は、一般的に知られているように、電着塗料を含む電着塗料浴液中に導電性の被塗物を浸漬し、被塗物を一方の電極として電着塗料浴液中の他方の電極との間に電位差を形成し、被塗物と反対の電荷を帯びた塗膜形成成分を被塗物表面に電着させることによって被塗物を塗装するものである。
より詳細には、電着塗料浴液から引き上げられた被塗物には電着されていない塗膜形成成分(以下、未電着塗料成分と言う)やカウンターイオンなどが付着しているので、被塗物を電着塗料浴液に浸漬した後、未電着塗料などを水洗除去し、そして焼付処理に付して電着塗装を完了している(例えば特許文献1を参照のこと)。
このような電着塗装は他の塗装方法に比べて自動化が容易であり、被塗物への塗料のつきまわり性が良く、均一な厚さの塗膜が得られ、塗料の損失が少なく、環境に対する負荷が小さく、安全性が高いなどの利点があり、例えば自動車ボディの下塗りなどの塗装ラインに用いられている。
塗装ラインでは被塗物を搬送しつつ、電着塗料浴液に浸漬した後、電着塗料浴液から引き上げた被塗物を水洗および焼付処理に付している。自動車ボディを被塗物とする場合、自動車ボディをオーバーヘッドコンベアからハンガで単に吊下げて搬送し、コンベアの移動ラインに沿って上下動させるのが一般的であり(例えば特許文献2、特に図1を参照のこと)、このような搬送機構は、電着塗料浴液への浸漬のみならず、その後の水洗および焼付処理においても共通して用いられている。
特開2003−105594号公報 特開2002−206195号公報 特開2004−315837号公報 特開2005−60029号公報 特開2005−60030号公報 特開2005−60031号公報 特開2005−60032号公報
特許文献1は電着塗装装置および方法に関し、水洗水の排出量が低減されたクローズドシステムが記載されている。
特許文献2は特に電着塗装のための対向流式表面処理装置および方法に関し、従来一般的に使用されている搬送機構が記載されている。
特許文献3は自動車ボディなどのワークの処理システムに関し、ワークに対し浸漬中に「ゆすり動作」を行うことが記載されている。
特許文献4は自動車ボディなどの被搬送体の昇降装置に関し、特許文献5〜7は被搬送体を昇降させて処理する搬送方法および/または設備に関し、これら特許文献4〜7には揺動式リンク機構により支持体を介して被搬送体を略鉛直方向に昇降させることが記載されている。
電着塗装において未電着塗料成分などが被塗物に残留すると、焼付処理後、「二次タレ」などと呼ばれる仕上がり不良が塗膜表面に生じて塗装外観を損なうこととなるので、電着塗料浴液から引き上げた被塗物は焼付処理前に十分に水洗することが重要である。このため従来の水洗方法では多数の水洗槽を用いて、被塗物に水をスプレーしたり、被塗物を水洗浴液中に浸漬したりしている。被塗物をライン生産方式で電着塗装する場合、電着塗料浴液から引き上げた被塗物は多数の水洗槽を順次通過することとなるため、水洗に要するライン長が非常に長くなり、広い設備スペースを要していた。
例えば自動車ボディを電着塗装する場合、塗料成分を回収する1次水洗系において3つの水洗槽を用い、工業用水および純水などでより高度な水洗を行う2次水洗系において2つの水洗槽を用いており、合計5つの水洗槽が存在することになる(例えば特許文献1を参照のこと)。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、高い洗浄性を有し、よりコンパクトな設備スペースで実施することのできる電着塗装のための水洗方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの要旨においては、電着塗装において電着塗料浴液から引き上げた被塗物を水洗するための水洗方法であって、
被塗物を搬送しつつ、
被塗物の少なくとも下方部分を水洗槽内の水洗浴液中に沈めて浸漬し(本明細書において「入槽」と言う)、
被塗物を水洗浴液から引き上げ、および被塗物の少なくとも下方部分を水洗浴液中に沈めて浸漬することより成る引上浸漬操作を該水洗槽に対して少なくとも1回、例えば1〜5回実施し、および
被塗物を水洗浴液から引き上げて該水洗槽から取り出す(本明細書において「出槽」と言う)
ことを含む水洗方法が提供される。従来の被塗物の水洗方法では、1つの水洗槽に対して、被塗物を水洗浴液に最初に浸漬させた(入槽)後に単に引上げるのみ(出槽)か、スプレー洗浄を実施するかのいずれかのみであった。これに対して本発明によれば、同一の水洗槽において、入槽および出槽に加えてその間に被塗物の引上浸漬操作を少なくとも1回実施しているので、1つの水洗槽を用いて、従来の水洗方法で2つまたはそれ以上の水洗槽を用いた場合に相当する洗浄性が得られる。このような本発明の水洗方法は、被塗物の凹部および隙間などに入り込んだ塗料成分も水で十分に置換でき、よって、非常に高い洗浄性を得ることができる。即ち、従来より少ない数の水洗槽でより高い洗浄性が得られ、設備スペースを縮小(またはライン長を短縮)することができる。
尚、本発明を通じて「水」とは、水を主成分とする洗浄用流体を意味するものとし、例えば水洗に用いた後の水から未電着塗料成分などを濾過(例えば限外濾過、逆浸透膜濾過)して得られる濾液、工業用水および純水などを包含するものである。また、「水洗浴液」とは水洗槽に収容された状態の水を意味する。
また、本発明を通じて「引き上げる」とは、被塗物の全部を槽内の液(水洗浴液または電着塗料浴液)から露出させる(または液面より高い位置に持ち上げる)ことを意味するものとする。
本発明において、前記引上浸漬操作を実施する前、間および後の少なくとも1つにて被塗物に水をスプレーして洗浄し(本明細書においてそれぞれ前洗浄、中間洗浄および後洗浄と言う)、このスプレーした水を前記水洗槽に流入させることが好ましい。これにより、洗浄性を更に向上させることができる。
これに加えて、またはこれに代えて、洗浄性を更に向上させるため、被塗物の少なくとも下方部分を水洗浴液に浸漬している間、被塗物を水洗浴液中で揺動させてもよい。
また本発明において、被塗物を水洗槽から取り出した(出槽)後、および後洗浄を実施する場合はその後、被塗物を傾斜させた状態で維持することが好ましい。これにより、被塗物の表面に付着した、未電着塗料成分などを含み得る水分を十分に落とし(またはタレ切れさせ)、本発明による高洗浄性の効果を十分に発揮させることができる。
本発明のもう1つの要旨によれば、電着塗装において電着塗料浴液から引き上げた被塗物を水洗するための水洗方法であって、
被塗物を搬送しつつ、
電着槽内の電着塗料浴液から引き上げた被塗物に水をスプレーして予備洗浄し、予備洗浄にてスプレーした水を該電着槽へ流入させ、
被塗物に対して少なくとも2つの水洗槽にて順次、本発明の上記水洗方法をそれぞれ実施し、および、
被塗物に高純度の水、例えば純水をスプレーして仕上洗浄し、仕上洗浄にてスプレーした水を搬送方向にて最下流に位置する水洗槽へ流入させる
ことを含む水洗方法もまた提供される。ここで、後洗浄後だけでなく、予備洗浄後および仕上洗浄後にも被塗物を傾斜させた状態で維持することが好ましい。このような本発明の水洗方法に付した被塗物は、未電着塗料成分などが十分に除去されており、焼付処理後に塗膜表面に生じ得る「二次タレ」などの仕上がり不良を効果的に低減でき、高い塗膜品質を得ることができる。
本発明の1つの態様においては、被塗物を搬送しつつ水洗浴液中に沈めて浸漬し、および水洗浴液から引き上げるために、
移動体を、水洗槽(または処理液槽)が設置された処理ラインに沿って走行移動自在に配置し、前記移動体に、被塗物(または被搬送体)を姿勢調整自在に保持する吊下支持装置と、該吊下支持装置を昇降させる昇降装置と、前記吊下支持装置を作動して被塗物の姿勢を調整する姿勢調整装置を設け、前記水洗槽に対応して昇降装置を操作し吊下支持装置を昇降させて保持された被塗物を水洗浴液(処理液)に浸漬させ処理する搬送設備であって、
前記昇降装置は、移動体の走行方向の前後一方に配設されて走行方向に直交する水平方向の第1支持軸と、他方に配設されて該第1支持軸に平行で第1支持軸に対して接近離間自在な第2支持軸と、該第2支持軸に回転自在に支持されて遊端部に遊端支持軸を介して前記吊下支持装置を回動自在に支持するクランクアームと、前記第1支持軸に固定され先端部が前記クランクアームの中間位置に連結軸を介して連結された揺動アームと、前記クランクアームを第2支持軸を中心に回動させるアーム駆動装置とを具備した搬送設備を用いる。
従来の一般的な搬送機構では、被塗物はコンベアから単に吊下げられており、コンベアの移動ラインに沿って上下動するので、被塗物を水洗する場合、同一の水洗槽において入槽から出槽までの間に引上浸漬操作を少なくとも1回実施しようとすると、非常に長い水洗槽を用いる必要があり、現実的でない。これに対して、上記の搬送設備は昇降装置により被塗物を自由に上下動させることができるので、本発明の実施に好適に利用できる。加えて、上記の搬送設備は姿勢調整装置により被塗物の姿勢を任意に変えることもできるので、被塗物の降下および上昇速度ならびに被塗物を水洗浴液中に沈める際および水洗浴液から引き上げる際の姿勢を適切に設定することにより、水洗槽の入槽部および出槽部の長さを、従来の一般的な搬送機構を適用して浸漬洗浄する場合よりも短くすることができる。また、上記の搬送設備は姿勢調整装置により被塗物を水洗浴液中で揺動させ、洗浄性を更に向上させることもできる。
上記のような搬送設備によれば、前記姿勢調整装置を用いて被塗物をその搬送方向前部が下方を向くように傾斜させつつ、前記昇降装置を用いて吊下支持装置を降下させて被塗物を水洗浴液中に沈め、および該姿勢調整装置を用いて被塗物をその搬送方向前部が上方を向くように傾斜させつつ、該昇降装置を用いて吊下支持装置を上昇させて被塗物を水洗浴液から引き上げることができる。
より詳細には、上記の搬送設備によれば、昇降装置に、第2支持軸に支持されたクランクアームと、第1支持軸に支持されるとともにクランクアームの中間位置に連結された揺動アームとを設けて、第2支持軸を第1支持軸に接近離間自在としたので、クランクアームの遊端部の軌跡を略鉛直方向に沿って形成することができる。上記クランク機構により、クランクアームの遊端部に遊端回動輪を介して支持された吊下支持装置を略鉛直方向に沿って昇降移動させることができるので、複数の移動体を処理ラインに沿って配置した場合の前後の配置ピッチを小さくすることができるとともに、被塗物の位置制御が容易となり、処理のための昇降動作をより簡単な制御で実施することができる。
上記搬送設備において、第2支持軸から連結軸までのクランクアームの長さと、連結軸から遊端支持軸までのクランクアームの長さと、第1支持軸から連結軸までの揺動アームの長さとを略同一または同一とすることが好ましい。これにより、遊端回動輪の移動軌跡を略鉛直または鉛直方向に沿って形成することができる。
アーム駆動装置は、第1の構成において、第1支持軸を回転駆動し揺動アームを介してクランクアームを回動する装置、または第2支持軸を回転駆動してクランクアームを回動する装置、あるいは第2支持軸を第1支持軸に対して接近離間駆動し揺動アームを介してクランクアームを回動する装置の少なくとも1つから選択される。これにより、良好にクランクアームを回動させることができる
アーム駆動装置は、第2の構成において、第1支持軸に固定された第1受動レバーと、該第1受動レバーの遊端部を押し引き駆動する直線駆動装置とを具備する。これにより、受動レバーを押し引き駆動する直線駆動装置により、簡単な構造で良好にクランクアームを回動させることができる。
アーム駆動装置は、第3の構成において、第1支持軸を直接、または機械式伝動装置を介して回転駆動する回転駆動装置を具備する。よって、回転駆動装置により、直接あるいはギヤ装置を介して第1支持軸を回動させ揺動アームおよびクランクアームを介して吊下支持装置を昇降移動させる。これにより、簡単な構造で、移動体をコンパクトに形成することができ、特に被塗物の重量が小さい場合に好適となる。
上記第2の構成におけるアーム駆動装置は、直線駆動装置の負荷を軽減する昇降支援装置を有し、
前記昇降支援装置は、レバーを介して第1支持軸を駆動方向に回動付勢するバランスウエイトを有する。これにより、バランスウエイトの荷重を利用して直線駆動装置の負荷を軽減でき、動力の削減と磨耗等の低減に寄与できる。
上記第2の構成におけるアーム駆動装置は、直線駆動装置の負荷を軽減する昇降支援装置を有し、
前記昇降支援装置は、レバーを介して第1支持軸を駆動方向に回動付勢するエア式の付勢用シリンダと、前記付勢用シリンダに所定圧のエアを供給する蓄圧器とを有する。これにより、蓄圧器のエア圧を利用して付勢用シリンダを介して直線駆動装置の負荷を軽減でき、動力の削減と磨耗等の低減に寄与できる。またコンパクトに構成することができる。
また、姿勢調整装置は、第2支持軸に固定された第2受動レバーと、該第2受動レバーの遊端部を押し引き駆動する直線駆動装置と、第2支持軸と遊端支持軸とを連結連動する伝動装置とで構成される。これにより、姿勢調整装置をコンパクトに構成することができる。
また、吊下支持装置は、互いに平行な上部ビームおよび下部ビームと、上部ビームおよび下部ビームを回動自在に連結する前後一対の吊下フレーム材からなる平行リンク機構を具備し、
クランクアームの遊端部に遊端支持軸を介して上部ビームが回動自在に支持され、前記下部ビームに被塗物の保持具を設ける。よって、姿勢調整装置により遊端支持軸を中心に上部ビームを回動した時に、平行リンク機構により上部ビームの傾動と下部ビームの傾動を連動させて、姿勢調整による被塗物の搬送方向の移動距離を少くすることができる。したがって、移動体の前後の配置ピッチをさらに小さくすることができる。また姿勢調整に必要な遊端支持軸の回転モーメントを大幅に削減することができる。
あるいは、吊下支持装置は、上部ビームおよび下部ビームと、上部ビームおよび下部ビームを回動自在に連結する前後一対の吊下フレーム材とを有し、吊下フレーム材の連結部間の上部ビームの長さより、吊下フレーム材の連結部間の下部ビームの長さが短く形成された逆台形のリンク機構を具備し、
クランクアームの遊端部に遊端支持軸を介して上部ビームが回動自在に支持され、前記下部ビームに被塗物の保持具を設ける。よって、姿勢調整装置により遊端支持軸を中心に上部ビームを回動した時に、逆台形のリンク機構により、上部ビームの傾斜角より下部ビーム(被塗物)の傾斜角を大きくすることができる。これにより、姿勢調整装置による動作範囲を小さくすることができる。また外力により吊下フレームを傾斜させて下部ビームを変位させることで、下部ビーム(被塗物)を傾斜させることができ、外部から被塗物の姿勢調整が可能となる。
移動体が水洗槽の一側部に沿って走行自在に配置され、
クランクアームの遊端部に、遊端支持軸を介して吊下支持装置が片持ち状に支持され、
前記吊下支持装置の吊下フレーム材が、上部ビームから回動自在に垂下された垂直部と、垂直部の下端側から水洗槽側に突出された水平支持部とで前面視L字形に形成されていてよい。よって、吊下フレームが片持ち状に支持されることで、移動体を水洗槽の一側部を走行させればよく、設備全体をコンパクトに構成することができる。また吊下フレームを前面視L字形に形成したので、被塗物の上方に障害物がなく、被塗物を大きく傾斜させることができる。これにより姿勢制御の許容範囲を拡大することができる。さらに片側や両側から吊下フレームヘの被塗物の搬入出を容易に行える。
移動体を、処理ラインに沿って設けられた走行レールに車輪を介して走行自在な搬送台車により構成し、
前記搬送台車に前記車輪の少なくとも1つを回転させて走行駆動する走行駆動装置を有する自走式走行装置を設けてよい。このような自走式走行装置により、各搬送台車の位置制御や速度制御を容易に行うことができる。
あるいは、移動体を、処理ラインに沿って設けられた走行レールに車輪を介して走行自在な搬送台車により構成し、
前記搬送台車を走行駆動する他動式走行装置を設け、
前記他動式走行装置は、処理ラインに沿って一定間隔ごとに設置された加圧ローラと、前記加圧ローラを回転駆動するローラ駆動装置と、搬送台車に設けられて前記加圧ローラが当接する摩擦部とを有するものとしてよい。このような他動式走行装置により、各搬送台車を軽量化、簡易化することができ、コストダウンに寄与することができる。
本発明によれば、同一の水洗槽において、入槽および出槽に加えてその間に被塗物の引上浸漬操作を少なくとも1回実施しているので、高い洗浄性を有し、よりコンパクトな設備スペースで実施することのできる水洗方法が提供される。このような本発明の水洗方法は自動車ボディを被塗物とする場合に好適に利用することができる。
本発明の実施に際しては、被塗物を自由に上下動させることができると共に、被塗物の姿勢を任意に変えることができる搬送設備が好適に用いられる。被塗物の降下および上昇速度ならびに被塗物を水洗浴液中に沈める際および水洗浴液から引き上げる際の姿勢を適切に制御することにより、水洗槽の入槽部および出槽部を、従来の一般的な搬送機構を適用して浸漬洗浄する場合よりも短くすることができる。
1.電着塗装のための水洗方法
本発明の電着塗装のための水洗方法は、被塗物として例えば自動車ボディを用い、以下のようにして実施できる。
図1Aに全体を示すように、自動車ボディ(または車体)Mを塗装ラインRに沿って搬送しつつ予備洗浄、1次洗浄、2次洗浄および仕上洗浄を実施する。
予備洗浄(または0次洗浄)
まず、電着槽D’の電着塗料浴液から引き上げた自動車ボディMは、ノズル301から水をスプレーして予備洗浄することが好ましく、予備洗浄後、自動車ボディMを傾斜した状態に維持することによってタレ切れさせることが好ましい。予備洗浄にてスプレーした水は電着槽D’へ流入させてよい。
1次洗浄
次に図1Bを参照して、1次水洗槽D1に差し掛かった自動車ボディMにノズル311から水をスプレーして前洗浄する。スプレー後の水は1次水洗槽D1に流入させる。
そして、自動車ボディMの少なくとも下方部分を1次水洗槽D1の水洗浴液中に沈めて浸漬し(入槽)、その後、引上浸漬操作を少なくとも1回実施する。図1Bには1回の場合を示すが、それ以上、例えば1〜5回引上浸漬操作を実施してよい。このとき、自動車ボディMは水洗浴液中にその全体を沈めるようにしてもよく(フルディップ)、あるいはその下方部分のみを沈めるようにしてもよい(ハーフディップ)。後者の場合、自動車ボディMの露出部分にノズル312から水をスプレーして中間洗浄することが好ましい。尚、図1Bに示すノズル312は単なる例示であり、任意の適切な位置に1つまたはそれ以上のノズルを設けてよい。
このように自動車ボディMを搬送しつつ水洗槽D1にて(および後述する水洗槽D2においても同様に)水洗浴液中に沈めて浸漬し、その後、水洗浴液から引き上げるためには適切な搬送設備を用いる必要がある。
例えば、図2および図11(図11は図1Aと同様に、入槽後、出槽前に実施する引上浸漬操作を省略して示す)を参照して、
水洗槽D1が設置された処理ラインに沿って移動体(例えば搬送台車)1を走行移動自在に配置し、
この移動体1に、
自動車ボディMを姿勢調整自在に保持する吊下支持装置9と、
吊下支持装置9を昇降させる昇降装置6と、
吊下支持装置9を作動して自動車ボディMの姿勢を調整する姿勢調整装置51
を設け、
水洗槽D1に対応して昇降装置6を操作し吊下支持装置9を昇降させて保持された自動車ボディMを水洗浴液に浸漬させ処理する搬送設備を用いることができる。
この搬送設備に関するより詳細な説明は後述するものとする。
上記のような搬送設備を用いれば、自動車ボディMを個々に上下動させることができると共に、自動車ボディMの姿勢を任意に変えることができる。図11を参照して、自動車ボディMの降下および上昇速度ならびに自動車ボディMを水洗浴液中に沈める際の姿勢(入槽姿勢1)および水洗浴液から引き上げる際の姿勢(出槽姿勢2)の仰角を許容可能な範囲で比較的大きく設定することにより、入槽および出槽に要するライン長をより短くすることができる。また、水洗槽D1から自動車ボディMと共に持ち出される水洗浴液の量を削減することも可能となる。
通常、自動車ボディMの入槽姿勢はその前部が下方に向いた姿勢であり、他方、出槽姿勢はその前部が上方に向いた姿勢である。入槽開始および出槽完了時点における自動車ボディMの姿勢(すなわち入槽姿勢1および出槽姿勢2)は、例えば仰角約30〜80°、好ましくは約40〜60°の範囲で適宜設定できる。
また、自動車ボディMは入槽後、出槽までの間、水平に保持してもよい(浸漬姿勢)が、引き上げる際は上記のような出槽姿勢とし、再び浸漬する際は上記のような入槽姿勢としてもよい(いずれも図示せず)。
また、自動車ボディMは入槽後、出槽までの間、より高い洗浄性を得るために水洗浴液中で揺動させてよい(図示せず)。尚、この揺動操作は浸漬している間に亘って実施する必要はなく、適宜実施すればよい。
以上のようにして引上浸漬操作を実施した後、1次水洗槽D1から自動車ボディMを引き上げる際(出槽)、自動車ボディMにノズル313から水をスプレーして後洗浄する。スプレー後の水は1次水洗槽D1に流入させる。後洗浄後、自動車ボディMを傾斜した状態に維持することによって十分にタレ切れさせることが好ましい。タレ切れにより自動車ボディMから落ちる水は、例えば床面を1次水洗槽D1に向かって低くなるように傾斜させることにより、1次水洗槽D1に流入させる。
上記のような予備洗浄および1次洗浄に用いる水は循環利用することができる。図1Aを参照して、電着槽D’の電着塗料浴液をライン314から濾過器310に通し、これにより得られた濾液をライン316、317および318を通じてそれぞれノズル301、312および313へ送って予備洗浄、中間洗浄および後洗浄に用いる。他方、未電着塗料成分の濃度が上昇した濃縮液はライン315を通じて電着槽D’に戻し、1次水洗槽D1からオーバーフローして電着槽D’に流入する水と混合してよい。前洗浄には、1次水洗槽D1の水洗浴液を底部から抜き出し、ライン319を通じてノズル311へ送って、これを用いてよいが、濾過器310で得られた濾液を用いてもよい。濾過器310は、例えば限外濾過(UF)膜などを用いるものであってよい。
2次洗浄
次に、2次水洗槽D2に移った自動車ボディMに対し、1次洗浄と同様の操作を実施する。1次水洗において上述したような搬送設備を用いることにより、2次水洗においても同様の効果を得ることができる。2次水洗槽D2の水洗浴液は1次水洗槽D1にオーバーフローするようになっている。
2次洗浄に用いる水もまた循環利用することができる。図1Aを参照して、2次水洗槽D2の水洗浴液をライン324から濾過器320に通し、これにより得られた濾液をライン326および327を通じてそれぞれノズル322および323へ送って中間洗浄および後洗浄に用いる。他方、未電着塗料成分などの濃度が上昇した濃縮液はライン325を通じて電着槽D’の適当な位置に戻してよい(図示せず)。前洗浄には、2次水洗槽D2の水洗浴液を底部から抜き出し、ライン329を通じてノズル321へ送って、これを用いてよいが、濾過器320で得られた濾液を用いてもよい。濾過器320は、例えば限外濾過(UF)膜や、逆浸透(RO)膜などを用いるものであってよい。
しかし、本実施形態はこれに限定されず、例えば工業用水などを用い、循環利用せずに廃棄してもよい。
仕上洗浄
2次洗浄後、ライン330を通じて供給される高純度の水、例えば純水を自動車ボディMにノズル301からスプレーして仕上洗浄する。
仕上洗浄のスプレーは高純度の水を噴霧することによって実施してよい(ミスト洗浄)。本実施形態によれば、仕上洗浄でスプレーする液量はそれ以前のスプレー洗浄より少量でよく、また、ミスト洗浄を適用することにより、自動車ボディMの細部まで高純度の水と接触させることができる。
仕上洗浄後、自動車ボディMを傾斜した状態に維持することによって十分にタレ切れさせることが好ましい。タレ切れにより自動車ボディMから落ちる水は、例えば床面を2次水洗槽D2に向かって低くなるように傾斜させることにより、2次水洗槽D1に流入させる。
このような本実施形態の電着塗装のための水洗方法によれば、従来の水洗方法ではそれぞれ3段および2段で実施していた1次水洗および2次水洗をいずれも1段で実施でき、同等以上の高い洗浄性を得ることができる。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば1次水洗を2段で実施してもよい。
2.搬送設備
以下、上記のような本発明の電着塗装のための水洗方法において好適に用いられる搬送設備として、いくつかの実施の形態における塗装ライン設備を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
この塗装ライン設備は、たとえば自動車工場において、被塗物または被搬送体である車体Mの電着、水洗および焼付を行うものである。図1Aを参照して、この塗装ラインRの所定位置には、電着槽D’ならびに水洗槽D1およびD2などの複数のディップ槽(処理液槽)Dが設置され、これらディップ槽Dには、処理液(たとえば電着処理液や水洗浴液)などが収容されるとともに、塗装用のディップ槽D(即ち、図1Aの電着槽D’)内の底面または左右側面に塗装用電極板が選択的に配置されている。
本発明に関してディップ槽Dは水洗浴液を収容する水洗槽D1またはD2であるが、以下の説明においてはより一般的にディップ槽として説明する。
図3,図4に示すように、ディップ槽Dの片側にガイド架構Eが設置され、このガイド架構E上に左右一対の走行レールGが塗装ラインRと平行に敷設されており、複数の自走式の搬送台車1が走行レールGに案内されて走行(移動)自在に配置されている。この搬送台車1は移動体の一例として記載しているが、移動体としては、天井部に配設されたレールに案内支持されて走行移動自在な吊下式の走行体なども含むものとする。
これら搬送台車1は、走行レールGに案内される車輪2,3,4が設けられた台車本体5に、クランクアーム7と揺動アーム8とを有するクランク式の昇降装置6が搭載されている。また前記昇降装置6のクランクアーム7の遊端部に片持ち状に支持されて平行リンク機構を有する吊下支持装置9が設けられ、この吊下支持装置9の保持具11に被搬送体である車体Mが保持されている。
前記台車本体5に、略四隅位置に、走行レールG上を走行する走行用車輪2と、走行レールGに左右両側から当接して台車本体5の振れ止めを行う振止用車輪3と、走行レールGの底面に当接して台車本体5の浮き上がりを防止する浮上防止用車輪4と、前部側の走行車輪2を回転駆動して搬送台車1を走行させる走行駆動装置(電動モータ+減速機)14からなる自走式走行装置が設けられている。また台車本体5には、一方の走行レールGに沿って側面に取り付けられた給電レール12から駆動電力を集電する集電装置13が設けられており、この集電装置13は接触式を採用しているが、無接触式を採用してもよい。
前記昇降装置6は、台車本体5の前部側に左右一対の固定軸受部材21が設けられ、前記固定軸受部材21に走行方向に直交する水平方向の第1支持軸22が回転自在に支持されている。また台車本体5の後部側に、左右一対のガイドレール23が走行方向に沿って敷設され、前記ガイドレール23にそれぞれスラストベアリングを介して左右一対の可動軸受部材24が案内されて移動自在に配置されている。そして、これら可動軸受部材24に走行方向に直交する水平方向の第2支持軸25が回転自在に支持され、前記第1支持軸22と第2支持軸とは同一水平面上に位置されている。そして、前記第1支持軸22の一端側(ディップ槽D側)には、揺動アーム8の基端部が固定されており、また第2支持軸25の一端側(ディップ槽D側)には、クランクアーム7の基端部が軸受7aを介して回転自在に支持されている。
図3に示すように、前記クランクアーム7の中間部に連結軸26を介して揺動アーム8の先端部が回動自在に連結され、またクランクアーム7の先端部に遊端支持軸27を介して前記吊下支持装置9が支持されている。ここで好ましくは、第2支持軸25から連結軸26までのクランクアーム7の長さ:L1と、連結軸26から遊端支持軸27までのクランクアーム7の長さ:L2と、第1支持軸22から連結軸26までの揺動アーム8の長さ:L3とすると、L1:L2:L3=1:1:1が最適な設定である。なぜなら、図3に示すように、第1支持軸22を回転駆動して揺動アーム8を、最大角θ゜(図ではたとえば160°)の範囲で回動させ連結軸26を第1円弧軌跡H上でA⇔B間移動させると、可動軸受部材24を介して第2支持軸25が前後方向の直線軌跡I上を往復移動されつつクランクアーム7がC⇔Dの間で回動しクランクアーム7の先端部の遊端支持軸27を鉛直軌跡Jに沿って移動させることができる。なお、ここでL1:L2:L3≒1:1:1でも略鉛直方向の軌跡を形成することができ、所定の許容範囲内であればよい。
上記クランク式の昇降装置6を駆動するアーム駆動装置として、(1)第1支持軸22を回動する回転駆動装置、(2)第2支持軸25を回動する回転駆動装置、(3)可動軸受部材24を走行方向に移動させる直線移動装置があるが、ここでは(1)の第1支持軸22を回動する回転駆動装置を採用している。
前記アーム駆動装置28は、第1支持軸22から突設された昇降用の第1受動レバー29と、固定軸受部材21に配設されて第1受動レバー29を回動させるねじ式の第1直線駆動装置(直線駆動装置)31と、昇降支援装置38を構成するバランスウエイト30とで構成されている。
すなわち、第1受動レバー29は固定軸受部材21間の第1支持軸22に固着されている。また第1直線駆動装置31は、昇降駆動装置34に回転駆動される第1ボールねじ軸35に第1雌ねじ部材36を介して第1受動レバー29の遊端部が連結されたもので、詳細には、第1支持プレート39の上端部に幅方向の第1支持ピン33を介して回動自在に支持された第1揺動ブラケット32と、この第1揺動ブラケット32に設けられた昇降駆動装置(電動モータ)34と、昇降駆動装置34に減速機を介して回転駆動される第1ボールねじ軸35と、第1受動レバー29の遊端部に回動自在に設けられて第1ボールねじ軸35に嵌合される第1雌ねじ部材36とで構成されている。
さらに第1支持軸22の他端側に設けられた昇降支援装置は、第1受動レバー29と相対方向に突設されたウエイト用レバー37を介してバランスウエイト30が取り付けられ、昇降駆動装置34の負荷を軽減するように構成されている。
したがって、昇降駆動装置34により第1ボールねじ軸35を回転駆動して第1雌ねじ部材36を所定量だけ移動させ、第1受動レバー29を介して第1支持軸22がθ゜(図では160°)の範囲で回転される。この時、第1揺動ブラケット32は第1支持ピン33を中心に揺動される。これにより揺動アーム8がθ゜の範囲で回動されて連結軸26が第1円弧軌跡Hに沿って移動され、クランクアーム7を介して可動軸受部材24および第2支持軸25が直線軌跡I上を移動すると同時に、クランクアーム7が第2支持軸25を中心にθ゜の範囲で回動され遊端支持軸27が鉛直軌跡Jに沿って昇降されて吊下支持装置9が昇降移動される。
すなわち、クランクアーム7が最大仰角となって遊端支持軸27を最上位に移動した状態では、図5,図6の左側に示すように、車体Mを搬送台車1の高さ位置まで持ち上げることができ、クランクアーム7の仰角が最大となる上限位置は、たとえば車体Mを最大に傾けるための入槽姿勢や出槽姿勢に採用される。またクランクアーム7の仰角が0°となる中間位置では、図5,図6の中央部に示すように車体Mは、通常の搬送姿勢(図2の姿勢)より少し下位に位置している。さらにクランクアーム7の伏角が最大となる下限位置では、図5,図6の右側に示すように、車体Mはディップ槽Dの最大深さまで下げられた浸漬姿勢にされる。
前記吊下支持装置9は、クランクアーム7の遊端部に第2支持軸25と平行な遊転支持軸27を介して回動自在に支持された吊下部材41と、この吊下部材41が中央部に立設された上部ビーム43と、該上部ビーム43の両端部から前記遊転支持軸27に平行な吊下ピン44,44を介して回動自在に吊下られて互いに平行な前後の吊下フレーム45,45と、両端部が前記前後の吊下フレームの下部間にそれぞれ回動自在に連結されて前記上部ビーム43に平行な連結ビーム(下部ビーム)46,46とで平行リンク機構が構成されている。また前記吊下フレーム45,45には回動自在に設けられて被搬送体を保持する保持具11が設けられている。
また前記吊下フレーム45は、吊下ピン44により吊下げ支持された垂直部45aと、この垂直部45aの下端からアール部45bを介して折り曲げられ一端側(ディップ槽D側)に突出された水平支持部45cとで前面視L形に形成されている。そして水平支持部45c,45cには、連結ビーム46の両端部側に、それぞれ車体Mを保持可能な保持具11が設けられている。なお、上部ビーム43の中央部に吊下部材41を配置したが、吊下ピン44,44の間であれば、車体形状に合わせて前後に位置ずれして吊下部材41を設けてもよい。また遊端支持軸27により直接上部ビーム43の所定位置を支持させてもよい。
吊下支持装置9を駆動操作する姿勢調整装置51は、前記可動軸受部材24に設置され、クランクアーム7に装備された姿勢調整用の伝動装置52を介して吊下支持装置9が操作されて吊下フレーム45に保持された車体Mを、前傾姿勢、水平姿勢および図示しない後傾姿勢に調整することができる。
すなわち、姿勢調整装置51は、第2支持軸25から突設された第2受動レバー53と、可動軸受部材24に配設されて第2受動レバー53を回動させるねじ式の第2直線駆動装置(直線駆動装置)54とを具備している。前記第2受動レバー53は可動軸受部材24間の第2支持軸25に固定されている。
また第2直線駆動装置54は、姿勢調整駆動装置58に回転駆動される第2ボールねじ軸59に第2雌ねじ部材60を介して第2受動レバー53の遊端部が連結されたもので、詳細には、第2支持プレート55の上端部に、幅方向の第2支持ピン56を介して回動自在に支持された第2揺動ブラケット57と、この第2揺動ブラケット57に設けられた姿勢調整駆動装置(電動モータ)58と、この姿勢調整駆動装置58に減速機を介して回転駆動される第2ボールねじ軸59と、第2受動レバー53の遊端部に回動自在に設けられて第2ボールねじ軸59が嵌合される第2雌ねじ部材60とで構成されている。
また姿勢調整用の伝動装置52は、第2支持軸25の一端部に固定された駆動スプロケット61と、前記遊端支持軸27に固定された受動スプロケット62との間に伝動チェーン63が巻張されて連結連動されている。なお、図示された伝動チェーン63やスプロケット61,62は外部に露出して図示されており、ここではクランクアーム7はディップ槽Dの処理液に浸漬されないものであるが、実際には処理液から保護するためにカバー(図示せず)などが設けられる。
したがって、姿勢調整駆動装置58により第2ボールねじ軸59を回転駆動すると、第2雌ねじ部材60を介して第2受動レバー53が駆動されて第2支持軸25が回転される。さらに第2支持軸25の回転が駆動スプロケット61から伝動チェーン63を介して受動スプロケット62に伝達され、遊端支持軸27が回転されて吊下支持装置9が遊端支持軸27を中心に回動され、平行リンク機構により前後の保持具11,11に保持された車体Mの姿勢が調整される。
ところで、吊下支持装置9は片持ち状に支持されるとともに、前面視がL字形に形成されている。このため、保持具11に保持された車体Mの上方に障害物がなく、しかも遊端支持軸27には平行リンク機構を有する吊下支持装置9を介して車体Mが支持されているので、車体Mの傾斜姿勢を大きくとれるとともに、車体Mの前後方向の移動も少なく、さらに遊転支持軸27の駆動力(回転モーメント)を大幅に削減することができる。
すなわち、図7に示すように、平行リンク式の吊下支持装置9の中心(対角線の交点)と吊下支持装置9および車体の重心Gとが一致し、水平な搬送姿勢では、遊転支持軸27の垂線b上に重心Gが位置している。そして、遊転支持軸27が30°時計方向に回動されると、図8に示すように、上部ビーム43と連結ビーム46と車体Mは30°後部上方に傾斜されるが、吊下フレーム45の垂直部45aは傾斜されずに鉛直姿勢のままであるため、車体Mの前後方向の変位量はδである。さらに遊転支持軸27が80°までさらに回動されると、図9に示すように、上部ビーム43と連結ビーム46と車体Mは80°後部上方に傾斜されるが、吊下フレーム45の垂直部45aは傾斜されずに鉛直姿勢のままであるため、前後方向の車体Mの変位量はγである。これは平行リンク式でない吊下支持装置9’の変位量εの半分以下となり、遊転支持軸27の駆動力も極めて小さくすることができる。
図4において、Pは搬送台車1側とディップ槽D側とを区画するカバープレートで、第1支持軸22および第2支持軸25が嵌合されて移動する挿通空間Paが塗装ラインRと平行に形成されている。
上記構成における塗装ライン設備の動作を図11などを参照して説明する。
1)車体Mが保持具11を介して上位で水平の搬送姿勢で保持された状態で、走行駆動装置14により車輪2,3,4を介して搬送台車1がそれぞれ走行レールGに案内されて塗装ラインR上を走行移動する。
2)搬送台車1がディップ槽D(本発明に関しては水洗槽に該当する)の入口に差し掛かると、アーム駆動装置28により昇降駆動装置34が駆動されて第1ボールねじ軸35が回転駆動され第1受動レバー29を介して第1支持軸22が回転される。これにより揺動アーム8の遊端部が上方に回動されて連結軸26を介してクランクアーム7を上方に回動させると同時に、可動軸受部材24および第2支持軸25が直線軌跡I上を移動される。これにより、クランクアーム7が第2支持軸25を中心に回動されて遊端支持軸27が鉛直軌跡Jに沿って上方に移動される。同時に、姿勢調整装置51の姿勢調整駆動装置58が起動されて第2ボールねじ軸59、第2雌ねじ部材60および第2受動レバー53を介して第2支持軸25が回動され、さらに伝動装置52により遊端支持軸27が回転され、図11で左から2番目に示すように、吊下支持装置9を介して車体Mの前部が下方に傾斜する入槽姿勢にされる。ここで車体形状にもよるが、最大傾斜姿勢は図9に示すようにたとえば80°である。
3)アーム駆動装置28の昇降駆動装置34が逆転駆動されて第1ボールねじ軸35,第1雌ねじ部材36および第1受動レバー29を介して第1支持軸22が回転される。これにより揺動アーム8が下方に回動されて遊端支持軸27が鉛直軌跡Jに沿って下方に移動され、吊下支持装置9を介して車体Mをディップ槽Dの処理液に入槽させる。(図11に示す入槽姿勢1,2)
4)車体Mが下降限に接近すると、姿勢調整装置51により吊下支持装置9を介して車体Mが水平姿勢に戻される。(図11に示す浸漬姿勢)
5)十分な浸漬時間が経過すると、姿勢調整装置51により吊下支持装置9を介して車体Mの前部が上方に傾斜する出槽姿勢に傾斜される。同時にアーム駆動装置28により第1支持軸22が回転されて揺動アーム8が上方に回動されるとともに、可動軸受部材24が移動され、クランクアーム7の遊端支持軸27が鉛直軌跡Jに沿って上方に移動され、車体Mがディップ槽Dの処理液から抜き出される。(図11に示す出槽姿勢1,2)
6)クランクアーム7が上方の回動限に接近して車体Mがディップ槽Dの処理液から完全に抜き出されると、姿勢調整装置51により吊下支持装置9を介して車体Mの前部が下方に傾斜されて水平な搬送姿勢に復帰される。
上記実施の形態1によれば、昇降装置6に、第2支持軸25に支持されたクランクアーム7と、第1支持軸22に支持されるとともにクランクアーム7の中間位置に連結された揺動アーム8とを設け、可動軸受部材24を固定軸受部材21に接近離間自在としたクランク機構を設けたので、クランクアーム7の遊端支持軸の略鉛直方向の鉛直軌跡Jに沿って昇降移動させることができる。したがって、上記クランク機構により、クランクアーム7に遊端支持軸27を介して支持された吊下支持装置9を略鉛直方向に沿って昇降移動させることができ、車体Mの位置制御が容易となり、処理のための昇降動作をより簡単な制御で実施することができる。
アーム駆動装置28によれば、第1受動レバー29を押し引き駆動する第1直線駆動装置31により、揺動アーム8を介してクランクアーム7を簡単な構造で良好に回動させることができる。
また吊下支持装置9では、遊端支持軸27を中心に回動した時に平行リンク機構により、上部ビーム43の傾動と連結ビーム46の傾動を連動させて、姿勢調整による車体Mの搬送方向の移動距離を少なくすることができる。また姿勢調整に必要な遊端支持軸27の回転モーメントを大幅に削減することができる。
さらに吊下フレーム45を前面視L字形に形成したので、車体Mの上方に障害物がなく、車体Mを大きく傾斜させることができる。これにより車体Mの姿勢制御の許容範囲を拡大することができる。また車体Mを吊下フレーム45の保持具11上に搬入したり、搬出したりする際にも、上下の昇降ストロークを十分にとることができるので、容易かつ迅速に行うことができる。
また自走式の走行装置により、各搬送台車1の位置制御や速度制御を容易に行うことができる。
[実施の形態2]
本発明の電着塗装のための水洗方法において好適に用いられる塗装ライン設備の実施の形態2を図14〜図20を参照して説明する。この実施の形態2は、実施の形態1におけるクランク式の昇降装置6のアーム駆動装置28の第1直線駆動装置31、姿勢調整装置51の第2直線駆動装置54およびアーム駆動装置28の昇降支援装置、走行装置が変更され、台車本体5の高さを低く形成したもので、実施の形態1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図14〜図18に示すように、台車本体5上に立設されて第1支持軸22を固定軸受部材21を介して支持する固定架台100と、台車本体5上にガイドレール23,23Aを介して前後方向(走行方向)に移動自在に配置された可動架台101が設けられており、可動架台101の支柱部101a上に可動軸受部材24を介して第2支持軸25が回転自在に支持されている。そして前記第1支持軸22および第2支持軸25は、台車本体5から所定高さの同一水平面上に互いに平行に配置されている。さらに第1支持軸22と第2支持軸25の一端側には、カバープレートPの挿通空間Paの両側にそれぞれ配置される一対の円板状の仕切プレート102が取り付けられている。
クランク式の昇降装置6のアーム駆動装置71は、図17に示すように、固定架台100の第1支持軸22に固定された昇所用の第1受動レバー29と、前記第1受動レバー29を回動させるねじ式の第1直線駆動装置72と、蓄圧式の昇降支援装置81とで構成されている。
すなわち、第1直線駆動装置72は、昇降駆動装置79に回転駆動される第1ボールねじ軸73に第1雌ねじ部材75を介して第1受動レバー29の遊端部が連結されたもので、詳細には、台車本体5の他側部(反ディップ槽D側)で前後位置に取り付けられた軸受部材74,74間に前後方向に沿って水平に配設された第1ボールねじ軸73と、前記台車本体5上のガイドレール77に移動自在に案内され前記第1ボールねじ軸73に螺合された雌ねじ部材75を有する第1可動体76と、前記第1受動レバー29の遊端部と前記第1可動体76との間に水平ピンを介して回動自在に連結された第1中間リンクバー78と、前記第1ボールねじ軸73の後端部に連結されて第1ボールねじ軸73を回転駆動する昇降駆動装置79とで構成されている。
したがって、昇降駆動装置79により第1ボールねじ軸73が回転されると、雌ねじ部材75を介して第1可動体76が前後方向にストロークS1の範囲で往復移動され、第1可動体76に第1中間リンクバー78を介して第1受動レバー29が実線と仮想線で示す範囲Q1で往復回動される。これにより図19に示すように、第1支持軸22を介して揺動アーム8を所定範囲で回動させてクランクアーム7を回動させ、遊端支持軸27を鉛直軌跡Jに沿って上限位置と下限位置との間で移動させ、吊下支持装置9を昇降することができる。
昇降支援装置81は、前記第1可動体76にピストンロッド82aが連結されたエア式の付勢用シリンダ82と、付勢用シリンダ82に所定圧のエアを供給する蓄圧タンク(蓄圧器)83とで構成される。すなわち、図20に示すように、付勢用シリンダ82の収縮室82aに、蓄圧タンク83からのエア供給管84が接続され、進展室82bは消音器を介して大気側に開放されている。また蓄圧タンク83にはポート85aから逆止弁を介してエアを補給する蓄圧補充管85が接続されている。また蓄圧補充管85に接続された排気管86には、蓄圧タンク83のエア圧を検出する圧力計87と、蓄圧タンク83のエア圧を所定値に保持する安全弁88と、消音器とが設けられており、蓄圧タンク83のエア圧が所定圧以下になると、たとえば入出庫位置Kでエア供給ユニット(図示せず)からポート85aを介して蓄圧タンク83にエアが補充される。したがって、蓄圧タンク83のエア圧により、付勢用シリンダ82、第1可動体76、第1中間リンクバー78を介して第1受動レバー29が揺動され、吊下支持装置9が上方に付勢される。
可動架台101に配置された姿勢調整装置91は、図16に示すように、第2支持軸25から突設された第2受動レバー53と、第2受動レバー53を回動させる第2直線駆動装置92と、クランクアーム7に装備された姿勢調整用の伝動装置52とで構成され、吊下支持装置9で吊下フレーム45に保持された車体Mを前傾姿勢、水平姿勢および後傾姿勢に調整することができる。
前記第2直線駆動装置92は、姿勢調整駆動装置99に回転駆動される第2ボールねじ軸93に第2雌ねじ部材95を介して第2受動レバー53の遊端部が連結されたもので、詳細には、台車本体5の一側部(ディップ槽D側)に取り付けられた軸受部材94,94間に第2支持軸25の走行方向に沿って水平に配設された第2ボールねじ軸93と、前記可動架台101上のガイドレール97に移動自在に案内され前記第2ボールねじ軸93に螺合された雌ねじ部材95を有する第2可動体96と、前記第2受動レバー53の遊端部と前記第2可動体96との間に水平ピンを介して回動自在に連結された第2中間リンクバー98と、前記第2ボールねじ軸93の後端部に連結された姿勢調整駆動装置99とで構成されている。
したがって、姿勢調整駆動装置99により第2ボールねじ軸93が回転されると、雌ねじ部材95を介して第2可動体96が前後方向に実線と仮想線で示すS2の範囲を移動され、第2可動体96に第1中間リンクバー98を介して第2受動レバー53がQ2の範囲で揺動され第2支持軸25が回動される。
また図18に示すように、搬送台車1の走行装置として、他動式走行装置が採用されている。すなわち、台車本体5の下部に走行方向に沿って摩擦板(摩擦部)111が垂下され、走行レールGに沿って所定間隔ごとに、遊転式加圧ローラ112および駆動式加圧ローラ113と、駆動式加圧ローラ113を回転駆動する電動式の走行用回転駆動装置(ローラ駆動装置)114が配設されている。これにより、各搬送台車1を軽量化、簡易化することができ、コストダウンに寄与することができる。
上記構成における塗装ラインの動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
上記構成によれば、実施の形態1に比較して、クランク式の昇降装置6と姿勢調整装置51の第1,第2直線駆動装置72,92のボールねじ軸73,93をそれぞれ水平方向に配置したので、搬送台車1の全高を低く形成することができ、塗装ライン設備の建屋の高さを低くすることができる。また昇降支援装置81は、蓄圧タンク83から供給される高圧エアを利用して、付勢用シリンダ82により第1可動体76を後方に付勢し、一定の駆動力でクランクアーム7を上方に回動付勢するように構成したので、コンパクトに構成することができる。また安全弁88を圧力調整可能な調整弁とし、車体Mの重量に対応して蓄圧タンク83のエア圧を変更することで、さらにスムーズな昇降が可能となる。
[実施の形態3]
先の実施の形態1,2では、平行リンク機構を有する吊下支持装置9を具備しているが、実施の形態3では逆台形のリンク機構を有する吊下支持装置121を設けたもので、図21〜図22を参照して説明する。
先の平行リンク機構では、上部ビーム43と連結ビーム(下部ビーム)46が常に互いに平行に配置され、姿勢調整装置51により傾斜される上部ビーム43の傾斜角度と、連結ビーム46(車体M)の傾斜角度が常に同一である。また外力により平行リンクを変形しても上部ビーム43と連結ビーム46の傾斜角度は同一で、外力により車体Mの姿勢を調整することができない。
しかしながら、逆台形のリンク機構を有する吊下支持装置121では、姿勢調整装置51により傾斜される上部ビームの角度より連結ビーム46(車体M)の傾斜角度が大きくなるため、姿勢調整装置51による調整角度を小さくすることができる。また、逆台形のリンク機構により外力を加えて変形させると、上部ビーム43は固定されていても、連結ビーム46を傾斜させて車体Mの姿勢を調整することができる。
すなわち、図21(a)に示すように、吊下支持装置121は、クランクアーム7の遊端部が遊転支持軸27を介して回動自在に連結された吊下部材122が中央部に立設された上部ビーム123と、前記上部ビーム123の両端部からそれぞれ吊下ピン124,124を介して回動自在に吊り下げられた吊下フレーム125,125と、両端部が前記前後の吊下フレーム125の下部間にそれぞれ回動自在に連結された連結ビーム(下部ビーム)126とを具備している。また吊下フレーム材125は、その中間部に内側に折り曲げられた段部125aが形成され、吊下ピン124,124間の上部ビーム123の長さLuより、吊下フレーム材125の連結部間の連結ビーム126の長さLdが短くされた逆台形のリンク機構に形成されている。また前記連結ビーム126に、保持具11を設けた点、垂直部と水平支持部とで前面視L形に形成された点は、先の実施の形態1,2と同様に構成されている。
したがって、図21(b)(c)に示すように、姿勢調整装置51により遊転支持軸27を介して吊下部材122を回動させ、上部ビーム123を傾斜角θuだけ傾斜させると、逆台形のリンク機構により、連結ビーム126が傾斜角θuより大きい傾斜角θdで傾動され、車体Mを大きく傾斜させることができる。
また図22に示すように、吊下フレーム125,125や連結ビーム126にカムローラ131を設けておき、ディップ槽Dの縁などの外部側にカムローラ131が当接するカムレール132を設けることで、逆台形のリンク機構を変形させて車体Mを傾斜姿勢にすることができる。これにより姿勢調整装置51を作動させることなく、所定値置において車体Mの姿勢を調整することが可能となる。
なお、上記実施の形態において、直線駆動装置31,54,72,92にそれぞれねじ軸式としたが、これに限るものではなく、シリンダ式やラック・ピニオン式などを採用することができる。
[実施の形態4]
本発明の電着塗装のための水洗方法において好適に用いられる塗装ライン設備の実施の形態4を図23〜図28を参照して説明する,この実施の形態4は、先の実施の形態における昇降装置6のアーム駆動装置28,71と、姿勢調整装置51,91が変更されたもので、特に小型、軽量な車体Mに好適に構成され、台車本体5をコンパクトにできるものである。なお、前記実施の形態1〜3と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図23〜図26に示すように、台車本体5の走行方向の前部で固定架台100に固定軸受部材21を介して回転自在に支持された中空状の第1支持軸201が幅方向に配置されている。また台車本体5の走行方向の後部には、可動架台101がガイドレール23を介して前後方向(走行方向)に移動自在に配置され、この可動架台101には可動軸受部材24を介して回転自在に支持された中空状の第2支持軸202が幅方向に配置されている。
車体Mを昇降させるためのアーム駆動装置203は、回転駆動装置(電動モータ204a+減速機204b)204の出力軸と第1支持軸201との間に、機械式伝動装置である昇降用伝動ギヤ装置205が介在されて連結連動されている。すなわち、前記第1支持軸201の一端側(ディップ槽D側)に揺動アーム8が固定され、第1支持軸201の中間部に受動ギヤ205aが固定されている。また、第1支持軸201に平行な中間駆動軸206が軸受部材207を介して固定架台100上に設けられ、固定架台100に設置された前記回転駆動装置204の出力軸に中間駆動軸206が連結連動されている。そしてこの中間駆動軸206に前記受動ギヤ205aに噛合する駆動ピニオン205bが固定され、受動ギヤ205aと駆動ピニオン205bとにより昇降用伝動ギヤ装置205が構成されている。ここで前記受動ギヤ205aは、所定範囲(180°以下)で往復回動されるため、扇形状ギヤが採用されて軽量化が図られている。図25において、208は可動架台101側に電源ケーブルや信号ケーブルを収容したケーブルベヤ(登録商標)である。
前記第2支持軸202を回転駆動して車体Mの姿勢を変更する姿勢調整装置211には、可動架台101に姿勢調整駆動装置(電動モータ212a+減速機212b)212が設置されており、姿勢調整駆動装置212の出力軸212cに連結された中間駆動軸214と、第2支持軸202との間に機械式伝動装置である姿勢調整用伝動ギヤ装置213が介在されている。前記第2支持軸202には、一端側(ディップ槽D側)にクランクアーム7が固定され、他端部に姿勢調整用の伝動ギヤ装置213の受動ギヤ213aが固定されている。そして前記中間駆動軸214に前記受動ギヤ213aに噛合される駆動ピニオン213bが固定されて連結連動されている。ここで前記受動ギヤ213aは、所定範囲で往復回動されるため、扇形状ギヤが採用されて軽量化が図られている。
ところで、塗装用のディップ槽D(即ち、図1Aに示す電着槽D’)内には塗装用電極板(図示せず)が配置され、前記塗装用電極板と車体Mとの電位差を利用して均質に塗装する電着塗装が行われている。
上記実施の形態4によれば、第1支持軸201を回転駆動するアーム駆動装置203が、回転駆動装置204の出力軸に昇降用伝動ギヤ装置205を介して第1支持軸201に連結連動されている。また第2支持軸202を回転駆動する姿勢調整装置211が、姿勢調整駆動装置212の出力軸に姿勢調整用伝動ギヤ装置213を介して第2支持軸202に連結連動される。したがって、実施の形態1〜3で示した第1直線駆動装置31,72を有するアーム駆動装置28および第2直線駆動装置54,92を有する姿勢調整駆動装置58に比較して、部品点数を大幅に削減して台車本体5の前後左右幅と高さとを十分に減少させることができ、搬送台車1の全体を軽量化およびコンパクト化することができる。また構造が簡易化されて、製造コストおよびメンテナンスコストを削減することができる。
[実施の形態4の変形形態]
次に図29,図30を参照して、実施の形態4におけるアーム駆動装置203および姿勢調整装置211の変形例を説明する。前記実施の形態4では、機械式伝動装置として歯車を利用した昇降用伝動ギヤ装置215および姿勢調整用伝動ギヤ装置213が採用されているが、この変形例ではチェーンを利用して昇降用巻掛伝動装置241および姿勢調整用巻掛伝動装置251としたものである。
すなわち、前記昇降用巻掛伝動装置241および姿勢調整用巻掛伝動装置251は、第1支持軸201,第2支持軸202にそれぞれ固定された扇形の受動スプロケット242,252と、回転駆動装置204,姿勢調整駆動装置212の出力軸に連結連動された中間駆動軸206,214の駆動スプロケット243,253と、両端が受動スプロケット242,252の歯部の両端に連結されて受動スプロケット242,252から駆動スプロケット243,253にわたって巻回された駆動チェーン244,254と、受動スプロケット242,252と駆動スプロケット243の間で駆動チェーン244,254をそれぞれ緊張させるテンション用スプロケット245,255とでそれぞれ構成されている。したがって、回転駆動装置204,姿勢調整駆動装置212の回転力を駆動チェーン244,254を介して第1支持軸201,第2支持軸202にそれぞれ動力伝連して、車体Mの昇降と姿勢調整とをそれぞれ行うことができる。
上記変形例によれば、実施の形態4と同様の作用効果を奏することができる。
なお、実施の形態4と同変形形態では、回転駆動装置204,姿勢調整駆動装置212の出力軸と第1,第2支持軸201,202との間に機械式伝動装置205,213,241,251を介在させたが、回転駆動装置204,姿勢調整駆動装置212の出力軸と第1,第2支持軸201,202とを直接連結することもできる。
また、上記各実施の形態において、アーム駆動装置28,71は、第1支持軸22を回転させるように構成したが、第2支持軸25をアーム駆動用と姿勢調整用の二重軸として回転駆動することもできる。また支持軸22,25の回転駆動に替えて、直線駆動装置により固定軸受部材21と可動軸受部材24の少なくとも一方を他方に対して接近離間移動させる構造としてもよい。
以上、本発明の電着塗装のための水洗方法において好適に用いられる搬送設備の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば特許文献3〜6に記載されるような装置または設備を利用することも可能である。
本発明の1つの実施形態における電着塗装のための水洗方法を説明するための概略全体図であって、塗装ラインに沿って見た模式図である。 図1の実施形態における水洗方法を説明するための1つの水洗槽およびその付近の図であって、塗装ラインに沿って見た模式図である。 本発明の電着塗装のための水洗方法に好適に用いられる塗装ライン設備(搬送設備)の実施の形態1を示す搬送台車の斜視図である。 同搬送台車の塗装作業状態を示す側面図である。 同搬送台車の塗装作業状態を示す正面図である。 同搬送台車の昇降動作を示す側面図である。 図5に示す搬送台車の平面図である。 同搬送台車の吊下支持装置の水平搬送状態を示す側面図である。 同搬送台車の吊下支持装置の傾斜状態を示す側面図である。 同搬送台車の吊下支持装置の最大傾斜状態を示す側面図である。 同搬送台車による車体の塗装作業を説明する斜視図である。 本発明の電着塗装のための水洗方法を説明するための模式図であって、車体の浸漬引上操作の連続動作を示す正面図である。 走行形式の異なる搬送台車を示す側面図である。 同搬送台車の塗装作業状態を示す正面図である。 本発明の電着塗装のための水洗方法に好適に用いられる塗装ライン設備(搬送設備)の実施の形態2を示す搬送台車の斜視図である。 同搬送台車の全体平面図である。 図15に示すI−I断面図である。 図15に示すII−II断面図である。 同搬送台車の正面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ昇降装置の動作を示す側面図である。 同搬送台車の昇降支援装置の構成図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明の電着塗装のための水洗方法に好適に用いられる塗装ライン設備(搬送設備)の実施の形態3を示し、吊下支持装置の姿勢調整動作を示す側面図である。 同吊下支持装置の他の姿勢調整方法を説明する概略側面図である。 本発明の電着塗装のための水洗方法に好適に用いられる塗装ライン設備(搬送設備)の実施の形態4を示す斜視図である。 同搬送台車の側面図である。 同搬送台車の平面図である。 同搬送台車の正面図である。 同搬送台車のアーム駆動装置および姿勢調整装置を示す側面図である。 同クランクアームと吊下支持装置の絶縁構造部を示す側面図である。 同クランクアームと吊下支持装置の絶縁構造部を示す、図28Aに示すF−F断面図である。 本発明の電着塗装のための水洗方法に好適に用いられる塗装ライン設備(搬送設備)の実施の形態4の変形例を示し、アーム駆動装置および姿勢調整装置の側面図である。 同アーム駆動装置および姿勢調整装置の平面図である。
符号の説明
R 塗装ライン(処理ライン)
D ディップ槽
D1、D2 水洗槽
D’ 電着槽
M 車体(被塗物)
G 走行レール
1 搬送台車(移動体)
2 走行用車輪
3 振止用車輪
4 浮上防止用車輪
5 台車本体
6 昇降装置
7 クランクアーム
8 揺動アーム
9 吊下支持装置
11 保持具
12 給電レール
13 集電装置
14 走行駆動装置
21 固定軸受部材
22 第1支持軸
23 ガイドレール
24 可動軸受部材
25 第2支持軸
26 連結軸
27 遊端支持軸
28 アーム駆動装置
29 第1受動レバー
30 バランスウエイト
31 第1直線駆動装置
32 第1揺動ブラケット
33 第1支持ピン
34 昇降駆動装置
35 第1ボールねじ軸
36 第1雌ねじ部材
37 ウエイト用レバー
38 昇降支援装置
41 吊下部材
43 上部ビーム
44 吊下ピン
45 吊下フレーム
46 連結ビーム
51 姿勢調整装置
52 伝動装置
53 第2受動レバー
54 第2直線駆動装置
55 第2支持プレート
56 第2支持ピン
57 第2揺動ブラケット
58 姿勢調整駆動装置
59 第2ボールねじ軸
60 第2雌ねじ部材
61 駆動スプロケット
62 受動スプロケット
63 伝動チェーン
71 アーム駆動装置
72 第1直線駆動装置
73 第1ボールねじ軸
75 第1雌ねじ部材
76 第1可動体
78 第1中間リンクバー
79 昇降駆動装置
81 昇降支援装置
82 付勢用シリンダ
83 蓄圧タンク
84 エア供給管
85 蓄圧補充管
86 排気管
87 圧力計
88 安全弁
91 姿勢調整装置
92 第2直線駆動装置
93 第2ボールねじ軸
94 軸受部材
95 第2雌ねじ部材
96 第2可動体
97 ガイドレール
98 第2中間リンクバー
99 姿勢調整駆動装置
100 固定架台
101 可動架台
111 摩擦板
112 遊転式加圧ローラ
113 駆動式加圧ローラ
114 走行用回転駆動装置
121 吊下支持装置
122 吊下部材
123 上部ビーム
124 吊下ピン
125 吊下フレーム材
126 連結ビーム
131 カムローラ
132 カムレール
201 第1支持軸
202 第2支持軸
203 アーム駆動装置
204 回転駆動装置
205 昇降用伝動ギヤ装置
206 中間駆動軸
208 ケーブルベヤ
211 姿勢調整装置
212 姿勢調整駆動装置
213 姿勢調整用伝動ギヤ装置
214 中間駆動軸
215 昇降用伝動ギヤ装置
220 吊下部材
221 絶縁構造
222 吊下支持ピン
223 吊下プレート
224 連結プレート
225 角筒体
226 第1絶縁筒
227 第2絶縁筒
228 連結ボルト
231 導電装置
232 主ケーブル
233 副ケーブル
241 昇降用巻掛伝動装置
242 受動スプロケット
243 駆動スプロケット
244 駆動チェーン
245 テンション用スプロケット
251 姿勢調整用巻掛伝動装置
252 受動スプロケット
253 駆動スプロケット
254 駆動チェーン
255 テンション用スプロケット
301、311、312、313、321、322、323、331 ノズル
310、320 濾過器

Claims (4)

  1. 電着塗装において電着塗料浴液から引き上げた自動車ボディを水洗するための水洗方法であって、
    自動車ボディを搬送しつつ、
    自動車ボディの下方部分のみを水洗槽内の水洗浴液中に沈めて浸漬し、
    自動車ボディを水洗浴液から引き上げ、および自動車ボディの下方部分のみを水洗浴液中に沈めて浸漬することより成る引上浸漬操作を該水洗槽に対して少なくとも1回実施し、および
    自動車ボディを水洗浴液から引き上げて該水洗槽から取り出す
    ことを含む、水洗方法であって、
    前記引上浸漬操作を実施する前、間および後の少なくとも1つにて自動車ボディに水をスプレーして洗浄し、スプレーした水を前記水洗槽に流入させることを更に含み、
    自動車ボディを水洗槽から取り出した後、自動車ボディを傾斜させた状態で維持し、
    前記自動車ボディを搬送しつつ水洗浴液中に沈めて浸漬し、および水洗浴液から引き上げるために、
    移動体を、水洗槽が設置された処理ラインに沿って走行移動自在に配置し、前記移動体に、自動車ボディを姿勢調整自在に保持する吊下支持装置と、該吊下支持装置を昇降させる昇降装置と、前記吊下支持装置を作動して自動車ボディの姿勢を調整する姿勢調整装置を設け、前記水洗槽に対応して昇降装置を操作し吊下支持装置を昇降させて保持された自動車ボディを水洗浴液に浸漬させ処理する搬送設備であって、
    前記昇降装置は、移動体の走行方向の前後一方に配設されて走行方向に直交する水平方向の第1支持軸と、他方に配設されて該第1支持軸に平行で第1支持軸に対して接近離間自在な第2支持軸と、該第2支持軸に回転自在に支持されて遊端部に遊端支持軸を介して前記吊下支持装置を回動自在に支持するクランクアームと、前記第1支持軸に固定され先端部が前記クランクアームの中間位置に連結軸を介して連結された揺動アームと、前記クランクアームを第2支持軸を中心に回動させるアーム駆動装置とを具備した搬送設備
    を用いる、
    水洗方法。
  2. 電着塗装において電着塗料浴液から引き上げた自動車ボディを水洗するための水洗方法であって、
    自動車ボディを搬送しつつ、
    電着槽内の電着塗料浴液から引き上げた自動車ボディに水をスプレーして予備洗浄し、予備洗浄にてスプレーした水を該電着槽へ流入させ、
    自動車ボディに対して少なくとも2つの水洗槽にて順次、請求項1に記載の水洗方法をそれぞれ実施し、および、
    自動車ボディに高純度の水をスプレーして仕上洗浄し、仕上洗浄にてスプレーした水を搬送方向にて最下流に位置する水洗槽へ流入させる
    ことを含む、水洗方法。
  3. 前記姿勢調整装置を用いて自動車ボディをその搬送方向前部が下方を向くように傾斜させつつ、前記昇降装置を用いて吊下支持装置を降下させて自動車ボディを水洗浴液中に沈め、および
    該姿勢調整装置を用いて自動車ボディをその搬送方向前部が上方を向くように傾斜させつつ、該昇降装置を用いて吊下支持装置を上昇させて自動車ボディを水洗浴液から引き上げる
    ことを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記引上浸漬操作を実施する間に、自動車ボディの水洗浴液からの露出部分にノズルから水をスプレーして自動車ボディの水洗浴液からの露出部分を洗浄することを更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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