JP5053700B2 - 光学センサの状態判別方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

光学センサの状態判別方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明はインクジェット記録装置に搭載される光学センサの状態を判別する方法に関する。
近年のインクジェット記録装置には、高画質化や高精度化、ユーザ利便性の向上などを目的に、装置の記録条件を適宜検出および測定するための様々なセンサが搭載されている。このようなセンサとしては、例えば、記録媒体の端部位置や幅(サイズ)を検出するためのセンサ、記録媒体の有無やその厚みを検出するためのセンサ、さらに記録媒体に記録された所定パターンの濃度等を測定するためのセンサなどが挙げられる。
記録媒体の端部位置や幅の検出は、記録媒体に対する正確な記録位置を実現するために有効である。特に、記録媒体に余白を設けずに画像を記録する「縁無し記録」を行う際には、記録位置ずれによる余白の出現を回避しつつも、記録媒体外にはみ出して吐出されるインクを最小限に抑えることが望まれる。このような場合であっても、記録媒体の端部位置や幅の検出が正確に行われれば、記録媒体に対し正確な位置に画像が記録されるように記録位置を制御することが出来るので、高精度な「縁無し記録」を実現することが可能となる。
このように、記録媒体の端部を検出するセンサとしては、一般に、1つの発光素子と1つの受光素子によって構成される反射型の光学センサが用いられる。発光素子から照射された光は記録媒体で反射して、受光素子によって受光される。受光素子の出力は反射した光の強度(反射光強度)によって変化するが、記録媒体の端部が反射面になる場合には反射光強度が低下するので、出力もこれに伴って低下する。よって、端部を検出するための出力閾値をあらかじめ設定しておくことにより、受光素子の出力結果とその位置から記録媒体の端部を検出することが出来る。同様の検出動作を記録媒体の両端で行うことで、記録媒体の幅を算出することも可能となる。
記録媒体の厚みを検出することは、インクジェット記録ヘッドと記録媒体の間隔(紙間距離)を最適に維持するために有効である。記録媒体の厚みを検出し、薄い記録媒体が検出された場合には記録ヘッドを記録媒体に近づける方向に調整し、厚い記録媒体が検出された場合には、記録ヘッドを記録媒体から遠ざける方向に調整する。これによって、様々な厚みの記録媒体が取り付けられた場合でも、記録ヘッドと記録媒体の距離を一定に保つことが可能となる。紙間距離を一定に保つことで、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置を精度の高い状態で制御したり、インク滴の吐出により発生するミストの量を管理したりすることが出来る。
このように、記録媒体の厚みを検出するためのセンサとしては、測距センサと呼ばれる反射型の光学センサが一般に用いられる。測距センサは、LEDやレーザー等の投光素子と、PSD(Position Sensitive Detectoer;位置検出素子)やラインセンサ等の受光素子によって、光学系が構成されている。投光素子から照射された光は測定対象物によって反射し、受光素子はその反射光を受光する。センサと測定対象物までの距離が変化すると、それに応じて受光素子が受ける反射光の重心(最も強いパワーが受信される位置)も変移する。受光素子は反射光の重心位置を検出し、三角測距法などによって測定対象物までの距離を算出することができる。
記録媒体に記録された所定パターンの濃度等を測定することは、出力画像の濃度を調整したり、インク滴の着弾位置を制御したりするために有効である。インクジェット記録装置の場合、記録ヘッドから吐出されるインク滴の量(吐出量)が変動したり、インク色によってばらついていたりすると、出力された画像においても、その濃度や色相が不安定になる。よって、入力信号に対する出力画像濃度の関係が、吐出量によらず安定した状態となるように、入力信号に対する出力信号を、吐出量に応じて変換するための出力変換テーブルがあらかじめ複数用意されている。そして、単色のインクで記録した所定の階調パターンを、複数色のインクについて記録し、濃度センサを用いて各パターンの濃度を検出することにより、得られた検出値に応じた適切な出力テーブルをインク色ごとに設定することが出来る。
このように、複数のカラーパターンの濃度を検出するためのセンサとしては、赤、緑、青の発光波長を持つLED等の発光素子と、それらの波長域に対する感度を有する受光素子によって構成される反射型の光学系センサが多く用いられる。また、赤、緑、青を含んだ波長を発光する白色LED等の発光素子と、反射光から赤、緑、青の波長をそれぞれ透過させる3種類のフィルタと、その透過光を受光する受光素子とによって構成される反射型の光学系センサも用いられる。そして、記録媒体に記録された単色インクの階調パターンに対し、そのインクが持つ吸光特性に合った光を照射すると、パターンの濃度に応じて、照射光に対する反射光量が変位する。この反射光量を受光素子によって検出することにより、個々のパターンの濃度を求めることが出来る。検出された濃度が基準の濃度より高い場合は、当該パターンの階調(入力信号)に対する出力信号が標準よりも低く抑えられた出力変換テーブルが選択される。また、検出された濃度が基準の濃度より低い場合は、当該パターンの階調(入力信号)に対する出力信号が標準よりも高く設定された出力変換テーブルが選択される。以上説明したような、濃度検出方法は、特許文献1などに開示されている。
ところで、以上説明したような様々な光学センサは、インクを吐出する記録ヘッドを搭載しながら走査するキャリッジに取り付けられていることが多く、検出を行う際には、対象となる記録媒体の位置に、キャリッジによって位置決めされる。しかしながら、このような構成では、記録ヘッドの吐出に伴って発生するインクミストに光学センサが曝され、記録回数が増すに従って徐々に汚染されて行くという弊害が生じる。具体的に説明すると、ミストとは、記録ヘッドからの吐出動作や記録媒体上での跳ね返りなどによって発生する細かいインク滴のことを示し、速度が遅いために記録ヘッドと記録媒体の間の空間を浮遊する。このようなミストが発生する状態で記録動作を行うと、キャリッジの移動に伴ってミストが舞い、その一部は光学センサの素子表面に付着する。ミストが付着した発光素子や受光素子では、発光量や受光量がミストに遮られて減少し、センサ自体の性能が低下する。結果、センサの検出結果に基づいて行われる様々な制御も有効に実行できなくなる。よって、このような構成を有するインクジェット記録装置では、適切な時期に光学センサのメンテナンスや調整、あるいは交換を行い、センサ機能を回復させることが望まれる。この場合、必要以上のメンテナンス処理や交換を避けるためにも、センサの性能を回復させるための時期を正確に判断することが求められる。
例えば特許文献2には、センサ自体の出力状態を確認するモードを用意し、その出力値が所定の閾値を下回った時点で、センサの出力光量(パワー)を調整する方法が開示されている。さらに同文献によれば、光量を調整してもなお、出力値が所定の閾値を超えない場合には、センサに取り付けられている保護部材を交換するようにユーザに報知する方法も開示されている。このようにすれば、記録回数に伴って光学センサの性能が徐々に低下していく状況においても、センサ性能を適宜回復したり、寿命や保護部材の交換時期をユーザに報知したりすることによって、センサが良好に機能しない状態での検出を回避することが可能になる。
特開平05−346626号 特開2004−291601号
しかしながら、カラーパターンの濃度を検出するセンサのように、赤、緑、青の発光波長を持つ発光素子と、それらの波長域に対する感度を持つ受光素子を有する光学センサにおいては、付着するインクミストの色によって、性能低下の状況が異なってくる。言い換えると、特定のインク色を多く使用して記録を行っていると、付着するミストの多くもこのインク色となるので、これらミストが特定色を吸光するフィルタの役割を果たし、発光素子における発光量の低下のみならず、その分光特性も歪めてしまうのである。
図8(a)および(b)は、青色LEDにおける記録動作前と記録動作後の分光特性を、全インク色を均等に使用して記録動作を行った場合と、イエローに偏らせて記録動作を行った場合とで比較した結果を示す図である。両図において、実線は、記録動作を行う前の青色LEDの分光特性、破線は記録動作を行った後の分光特性をそれぞれ示している。これら分光特性は、全て正規化されて示されている。
図8(a)は、記録動作を行う前と、4色のインク(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)を均等に用いて記録動作を行った後の分光特性を示しているが、これらの差は殆ど現れていない。一方、同図(b)は、記録動作を行う前と、イエローだけを用いた記録動作を行った後での分光特性を示しており、記録動作を行った後の分光特性には長波長側に歪が生じているのが分かる。これは、青色LEDの分光特性に対するイエローインクの分光透過率が、短波長側と長波長側で大きな違いを有することに起因する。本発明者らの検討によれば、互いに補色である組み合わせ、すなわち青色LEDに対してはイエローインク、緑色LEDに対してはマゼンタインクが、その分光特性に特に影響を与えやすいことが確認された。無論、分光特性の歪みは、単色インクを使用し続けた場合に限って起こるものではない。いくつかのインク色を組み合わせて記録動作を行った場合であっても、多かれ少なかれ発生する現象である。但し、図8(a)に示したように、異なる複数のインク色が使用された場合には、それらのインク色の分光透過特性が合成されて影響を与えるので、単色インクの分光透過特性に比べて変動の度合いが緩やかになる。
図8(b)のように、分光特性が歪んだ状態のLEDを用いて濃度測定を行うと、その反射光や検出結果にも影響がおよび、正確な検出結果が得られなくなる。これは、同じ記録装置であっても長期的に使用しつづけた場合に、濃度測定の再現性が損なわれる懸念があることを意味している。同時に、特定のインク色に偏った記録を行っている状況では、短期間の使用であっても、センサが正常に機能しなくなる懸念も含んでいる。
このような状況において、特許文献2に開示されているような、受光センサの出力値(パワー)のみから光学センサの使用の可否を判断する方法を採用しても、分光特性の歪に伴う性能の低下を判別することは出来ない。安全を見るために、センサのメンテナンスをユーザに頻繁に要求すると、今度はユーザビリティの低下を招いてしまう。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、複数色の発光波長に対応した発光素子と受光素子を有する光学センサに、カラーインクのミストが付着する状況においても、センサ性能の状況を正確に判断する方法および当該方法を実行する記録装置を提供することである。
そのために本発明においては、複数の色のインクを吐出する記録ヘッドと、発光波長が互いに異なる第1の発光素子および第2の発光素子を含む光学センサと、を有するインクジェット記録装置における、前記光学センサの状態判別方法であって、前記記録ヘッドがインクを吐出した吐出回数を、前記複数の色ごとにカウントする工程と、前記インクの付着による前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性の変化を示す値を、前記複数の色のインクそれぞれの前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性への影響を示す係数と、カウントされた前記吐出回数とを用いて算出する工程と、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれについて算出された前記値に基づいて、前記光学センサの状態を判別する工程とを有することを特徴とする。
また、複数の色のインクを吐出する記録ヘッドと、発光波長が互いに異なる第1の発光素子および第2の発光素子を含む光学センサと、前記記録ヘッドがインクを吐出した吐出回数を、前記複数の色ごとにカウントする手段と、インクの付着による前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性の変化を示す値を、前記複数の色のインクそれぞれの前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性への影響を示す係数と、カウントされた前記吐出回数とを用いて算出する手段と、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれについて算出された前記値に基づいて、前記光学センサの状態を判別する手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、使用するインク色の累積吐出回数と、個々のインクがそれぞれのLEDに与える影響の程度を少なくとも考慮に入れることによって、キャリッジに備えられた光学センサの性能の低下状況を判断することが出来る。よって、複数色の発光波長に対応した発光素子と受光素子を有する光学センサに、カラーインクのミストが付着する状況においても、センサ性能の状況を正確に判断することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細な説明を行う。
図1は、本発明に使用可能なインクジェット記録装置の内部構成を説明するための斜視図である。キャリッジ101は、様々な検出動作に用いられる光学センサ102と記録データに応じて4色のインクを吐出する記録ヘッド103とを搭載しており、搬送ベルト104の回動に伴ってシャフト105上をX方向に往復走査する。一方、記録媒体106は、不図示の搬送ローラによってY方向に間欠搬送される。プラテン107によってZ方向から支持される記録媒体106上の領域が、記録ヘッド103による記録領域となる。
記録動作時、搬送ローラによって所定の位置まで搬送された記録媒体106に対し、キャリッジ101に搭載された記録ヘッド103は、1回分の記録走査を行う。すなわち、記録ヘッド103は、キャリッジ101がX方向へ移動する最中、記録データに応じた適切なタイミングで記録媒体106に向けてインクを吐出する。1回分の記録走査が終了すると、搬送ローラが記録媒体106をY方向に所定量搬送し、次の記録走査を行うべき記録媒体106の領域を、プラテン107上に配置させる。このような記録走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体106には段階的に画像が形成されて行く。
図2は、本実施例で採用する光学センサ102の、各光学素子の配置を説明するための側面図である。本実施例で採用する光学センサ102は、2つの発光素子201および203と1つの受光素子202によって構成される。発光素子201は赤色LEDであり、照射した光の中心軸が記録媒体106の法線に対し45度の角度で入射するように設置されている。受光素子202はフォトダイオードであり、LED201の照射光を正反射角で受光可能な位置に設置されている。発光素子203は可視光LEDであり、赤(発光波長:約620〜640nm)、緑(約510〜530nm)および青(約460〜480nm)の3色の光を含んで発光している。発光素子203は、その反射面の中心が、発光素子201の記録媒体106上での反射面の中心と一致するように設置されている。フォトダイオード202は、LED203の45度角の拡散反射光を受光する。フォトダイオード202の受光領域は、光学センサ102のカバー部材によって形成される開口部によって調整されており、ここでは記録媒体106上の約2mm四方の反射光を受光するようになっている。LED201および203の照射領域は、フォトダイオード202の受光領域よりも広くなるように調整されている。
図3は、本実施例で採用するインクジェット記録装置の主に濃度補正に関わる制御の構成を説明するためのブロック図である。CPU301は、ROM309に格納されている制御プログラムやパラメータおよび各種テーブルに従い、様々な演算処理のほか記録装置全体の制御を司っている。その際の作業領域としては、RAM300が使用される。
外部に接続されたホストコンピュータ302から送られてくる画像データは、不図示のインターフェイスを介してCPU301に入力される。CPU301は、受信した画像データを記録装置が可能な記録データ、すなわちシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの記録信号に色変換し、これをプリントバッファ303に格納する。プリントバッファ303に格納された記録信号は、各インク色が各画素に対してドットを記録するか(1)否か(0)が示された2値信号であり、記録データ(1)のみをカウントすることにより、個々のインク色の吐出回数を取得することが出来る。CPU301は、このようにしてインク色別に取得した各色の吐出回数を、EEPROM304に記憶されている過去の累積回数に加算し、新たな累積吐出回数としてEEPROM304に上書きする。
LED駆動回路305は、CPU301の指示に従い、光学センサ102内に設置されたLED201および203の点灯および消灯動作を実行する。ここでは、可視光LED203に含まれる赤色発光、緑色発光および青色発光が、便宜上、3つのLED(203a、203bおよび203c)から出力されるものとして示されている。
フォトダイオード202では受信した光の強度に応じた電流が発生し、この電流はI/V変換回路306によって電圧に変換された後、増幅回路307によって適切なレベルまで増幅される。増幅回路307からの出力電圧はCPU301が監視しており、増幅後の電圧がA/D変換を行うのに適切な値になるように、CPU301はゲインレベルを調整することが出来る。適切な値まで増幅された電圧はA/D変換回路308によって、10bitのデジタル信号に変換され、RAM300に一時的に保存される。
搬送モータドライバ310は、CPU301の指示に従って、記録媒体の搬送力となる搬送モータ311を駆動する。また、キャリッジモータドライバ312は、CPU301の指示に従って、キャリッジ103の移動力となるキャリッジモータ313を駆動する。更に、ヘッドドライバ314は、プリントバッファ303に格納された記録データに基づいて記録ヘッド315からインクを吐出させるべく、CPU301の指示に従って記録ヘッド315を駆動させる。
図4は、本実施例のCPU301が実行する各色濃度補正モード(カラーキャリブレーション)の各工程を説明するためのフローチャートである。
ユーザは、例えば記録ヘッドを交換したタイミングなどにおいて、カラーキャリブレーションの実行を指示することが出来る。カラーキャリブレーションが開始されると、CPU301は、搬送モータドライバ310を制御して記録媒体を1枚給紙する。そして、搬送モータドライバ310、キャリッジモータドライバ312およびヘッドドライバ314を制御することにより、ROM309にあらかじめ記憶されているカラーキャリブレーション用のテストパターンを記録する(ステップS1)。一般にこのテストパターンは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのそれぞれ単色について、複数段階の階調(例えば16階調)に対応する複数のパッチ(16×4色=64パッチ)で構成されている。
このようなテストパターンの記録が完了すると、記録媒体を排出しないまま、CPU301は、光学センサ102を用いて、各パッチについての反射率の測定を実行する(ステップS2)。具体的には、CPU301は、LED駆動回路305を介してLED203のうち測定対象となるパッチの色に応じた1つを点灯し、フォトダイオード202の測定領域が対象パッチの上を通過するようにキャリッジ103を走査させる。そして、フォトダイオード202で受信され、A/D変換回路によって10bitデータに変換された反射光強度を取得する。更に、得られた反射光強度の、記録媒体の白紙領域での反射強度に対する比を求め、これを対象となるパッチの反射率としてRAM309に一時的に保存する。このような工程を、各色各階調のパッチについて行う。
なお、反射光強度測定の際、点灯されるLEDは、パッチの色の補色となるLEDがその都度選択される。すなわち、イエローのパッチを測定する際には青色LEDが、マゼンタのパッチを測定する際には緑色LEDが、更にシアンのパッチを測定する際には赤色LEDがそれぞれ点灯される。このように補色のLEDを光源として使用するのは、反射光のダイナミックレンジを出来るだけ大きくするためである。ブラックのパッチについては、全ての可視光帯域において強い吸光特性を持っているので、どの色のLEDも好適に使用することが出来る。
続くステップS3において、CPU301は、一時的にRAM309に保存されている
各色各階調のパッチの反射率を、ROM309に予め記録されているターゲットデータと比較する。ターゲットデータとは、各色の各階調に対応して用意される理想の反射率であり、測定されたパッチの反射率がターゲットデータよりも大きい場合は、そのパッチの濃度が理想よりも低い状態を意味する。また、測定されたパッチの反射率がターゲットデータよりも小さい場合は、そのパッチの濃度が理想よりも高い状態を意味する。
CPU301は、それぞれのインク色について、各階調の反射率とターゲットデータとの比較を行い、その総合的な結果に基づいて、ROM309に格納されている複数の出力変換テーブルの中から、適切な1つのテーブルを選択する。選択したテーブルをEEPROM304に記憶させることにより、個々のインク色に対応する出力変換テーブルの設定がなされる(ステップS4)。具体的には、例えば各階調の反射率がターゲットデータよりも総合的に高いと判断される場合、各パッチの濃度は理想よりも低いと判断され、入力信号よりも高い出力信号が設定されている出力変換テーブルが設定される。また、各階調の反射率がターゲットデータよりも総合的に低いと判断される場合、各パッチの濃度は理想よりも高いと判断され、入力信号よりも低い出力信号が設定されている出力変換テーブルが設定される。
以上で、本実施例のカラーキャリブレーションが終了する。以後、通常の記録動作を実行する際、CPU301は、各インク色夫々に対して設定された出力変換テーブルを用いて、入力信号に対する出力信号の補正変換を実行する。これにより、1次色のみならず、2次色以上の混合色であっても、理想的な濃度と発色を実現することが可能となる。
記録ヘッドにおいては、その製造工程上、ヘッド単位やインク色単位で、どうしても多少の吐出量ばらつきが含まれている。よって、記録装置に装着する記録ヘッドを交換した場合には、交換の前後で画像の発色性が異なってしまう場合がある。このような場合であっても、上述したようなカラーキャリブレーションを行うことにより、交換の前後で画像の発色性を理想的な状態に揃えることが出来る。以上説明したカラーキャリブレーションは、記録ヘッドを交換したタイミングのほか、ユーザの判断によって適宜実行することが出来る。
次に、本発明の特徴的な内容である光学センサ102の性能判定動作について説明する。図5は、本実施例のCPU301が実行する光学センサ性能判定モードの各工程を説明するためのフローチャートである。このような、光学センサ性能判定モードは、光学センサ102による反射率測定が実行される前工程(例えば図4のステップS2の前工程)として行われる。
光学センサ性能判定モードが開始されると、CPU301は、EEPROM304に記憶されている、現段階の各色の累積吐出回数(D)と、各インク色が各LEDに与える影響の度合い示す影響係数(C)をインク色別に読み出す。ここで、現段階の累積吐出回数とは、光学センサが記録装置に取り付けられてからの、あるいは光学センサに対するメンテナンス処理が最後に行われてからの、吐出回数をインク色ごとに累積した値を示す。光学センサの性能判定に各色の累積吐出回数を求めるのは、光学センサ102に付着して性能を低下させるインク色毎のミストの量が、インク色毎の累積吐出回数と相関があるためである。
一方、影響係数とは、各インク色が、どの程度光学センサ102に付着しやすいか、また夫々のLEDが発光する分光特性をどの程度歪ませるかを定める係数であり、本実施例では−1.0〜+1.0の範囲の値が取られている。影響係数が大きいインクを多く用いた場合のほうが、影響係数が小さいインクを用いた場合よりも、光学センサの性能を早い時期に低下させることになる。このような影響係数は、EEPROMに保存されているが、その値の決定方法については、後述する。
ステップS401で、各色の累積吐出回数と影響係数の読み込みが完了すると、ステップS402では、得られた累積吐出回数(D)と影響係数(C)の値から、3つのLED毎にミストから受ける影響の程度を表す影響度数(影響レベル)(R)の算出を行う。影響度数(R)は0を中心に正負の値を取るパラメータであり、絶対値が大きいほど濃度測定時の測定精度が低いことを示す。記録に使用されるインク色がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)である場合、赤(R)、緑(G)および青(B)の各LEDに対する影響度数Rは次の式によって求められる。
Figure 0005053700
上式によれば、累積吐出回数が大きな値を有する場合でも、影響係数Cによっては、影響度数が小さくなる場合がある。これは、例えばミストの付着によって光量自体は低下するが、各インク色のミストが比較的バランスのとれた状態で発生することにより、光学センサとしての性能への影響が小さい場合などに相当する。また、所定のインク色の累積吐出回数が小さな値を有する場合でも、そのインク色の影響係数が高く、反対方向の影響係数を持つインク色の累積吐出回数が小さい場合には、影響度数Rの値は大きくなる。このように、全インク色の累積吐出回数の総数が同じ場合であっても、どのインク色が多く使われたかによって影響度数Rは変化する。
ステップS402によって各LEDの影響度数Rが求められると、ステップS403に進み、CPU301は、予めEEPROM304に記録されている判定閾値を読み出して、これを各LEDの影響度数Rの絶対値と比較する。ここで、判定閾値とは、LED精度の許容の限界に対応する影響度数の絶対値であり、LEDによらず共通の値が採られている。判定閾値の決定方法に関しては後に詳しく説明する。
ステップS403における比較の結果、影響度数の絶対値が閾値に満たない場合は、光学センサの性能は濃度測定(反射率測定)に対応可能であると判断し、ステップS404に進み、所定の濃度測定動作を実行する。一方、ステップS403で、影響度数の絶対値が閾値以上であった場合には、光学センサの性能は濃度測定(反射率測定)に対応不可能であると判断し、ステップS405に進み、濃度測定動作を中止し、その旨をユーザに報知する。以上で、本処理が終了する。
なお、ステップS405で、濃度測定を中止した旨をユーザに報知した後においては、例えば、光学センサに対するメンテナンス処理の実行をユーザに推奨しても良いし、光学センサ自体が交換可能である場合には、センサの交換をユーザに勧めても良い。そして、このような処理を実行した後には、EEPROM304に記録されている各色の累積吐出回数をリセットする。
次に、上記影響度数の算出に用いた影響係数Cの適切な設定方法を説明する。本実施例における影響係数Cは、ミストを実際に付着させたLEDを用いて反射率測定を行うことにより、適正値を判断することが出来る。
まず、任意の単色インクによる記録動作の前後において、それぞれのLEDを用いて反射率を測定する。そして、記録動作の前後における反射率の変位量を取得する。つまり、LEDにミストが付着していない状態と、所定量の単色ミストが付着した状態のそれぞれで反射率を求め、その変位量を算出する。このような反射率の測定および変位量の算出を、4種類のインクそれぞれについて行う。ここで、記録動作後(ミスト付着後)の反射率が記録動作前の反射率よりも低い場合、すなわち高濃度側にずれた場合、変位量は正の値を有する。一方、記録動作後(ミスト付着後)の反射率が記録動作前の反射率よりも高い場合、すなわち低濃度側にずれた場合、変位量は負の値を有する。全ての組み合わせ(4色×3LED=12種類)における変位量が算出され、この中で最も大きな変異量の絶対値を用いて正規化を行うことにより、各組み合わせの影響係数Cが−1.0〜+1.0の範囲で取得される。このように取得した影響係数は、本実施例ではEEPROM304に記憶され、濃度測定動作を実行するタイミングで、CPU301によって読み出される。
続いて、ステップS403で各LEDの影響度数(R)と比較するための閾値の決定方法を説明する。本実施例において、光学センサ102の精度を判定するための判定閾値は、反射率の測定誤差がどの程度まで許容できるかによって定められる。例えば、出力画像における品位の観点から、1%までの測定誤差を許容しようとする場合には、誤差が1%となるような累積吐出回数を実験的に求めておけばよい。具体的には、例えば青色LEDに対してイエローインクの影響係数CBYが0.8の場合、イエローインクのみを使用した記録動作の実行と反射率の誤差測定を繰り返すことにより、測定誤差が1%となるイエローインクの累積吐出回数を求める。このようにして得られた累積吐出回数が、例えば1.0×10xであった場合、判定閾値は0.8×10xとなる。この場合、マゼンタインクの係数が例えば−0.2であったとすると、マゼンタインクのみを使用して記録動作を行った場合、累積吐出回数が4.0×10xとなったときに濃度測定誤差が1%となる。
以上説明したように、本実施例によれば、光学センサの性能の低下状況を、使用するインク色の累積吐出回数と、個々のインクがそれぞれのLEDに与える影響の程度から判断し、光学センサの性能判別を行う。これにより、付着されたミスト量に順ずる光量の低下のみならず、各LEDの分光特性の変位に伴う、不正確な反射率検出(濃度検出)を事前に防ぐことが出来る。
以下に、本発明の第2の実施例を説明する。本実施例においても実施例1と同様に、図1〜図5に示したインクジェット記録装置、光学センサ、カラーキャリブレーションを採用するものとする。
記録動作中に発生するミストの光学センサ102への付着のしやすさは、記録動作中の温度や湿度にも影響を受ける。本実施例では、このような状況も加味し、記録動作中の温度や湿度に応じて各色の累積吐出回数に補正を加え、実施例1よりもさらに高精度に光学センサ102の性能状態を判断する。そのために、本実施例の記録装置には、装置周辺の温度および湿度を検出するための温湿度検出手段が備えられている。また、EEPROM304には、時々の累積吐出回数と共に、カウントした累積吐出回数に補正を加えるための付着係数変換テーブルAが格納されている。
図6は、記録動作中の累積吐出回数を求めるためにCPU301が実行する各工程を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、CPU301は、まずステップS501において、記録装置の本体内に取り付けられている温度・湿度検出手段から周辺温度および湿度を取得する。
続くステップS502において、CPU301は、EEPROM304に記憶されている付着係数変換テーブルAを参照することにより、ステップS501で取得した温度と湿度から、適切なミスト付着係数Aを決定する。ここで、付着係数Aとは、温度と湿度の組み合わせに応じて一義的に定められる係数であり、個々の温度と湿度の組み合わせに対する、光学センサへのミストの付着しやすさが、表現されている。そして、前述した判定閾値を決定する際の実験環境での付着の程度を1とし、これよりもミストが付着しやすい組み合わせでは1よりも大きな値が、これよりもミストが付着し難い組み合わせでは1よりも小さな値が設定される。ミスト付着係数変換テーブルAとは、このような付着係数Aが温度と湿度の組み合わせに対応付けられて記憶されたテーブルとなっている。本発明者らが行った実験によれば、低温且つ低湿度であるほど、付着係数Aが高いことが確認されている。
ステップS502によって、付着係数Aが決定されると、実際の記録動作を実行しながら各色の吐出回数をカウントする(ステップS503)。
所定量の記録動作が終了すると、CPU301は、カウントされた各色の吐出回数に対し、ステップS502で決定された付着係数Aを乗算することによって、吐出回数を補正する。さらに、これまでの累積吐出回数をEEPROM304から読み出し、補正後の吐出回数にこれを加算することによって新たな累積吐出回数とし、EEPROM304に上書きする。以上で本処理を終了する。
このように本実施例によれば、ミストが発生しやすい環境で記録動作が行われた場合は本来のカウント値よりも多い値が、ミストの発生しにくい環境で記録動作が行われた場合は本来のカウント値よりも少ない値が、吐出回数として累積吐出回数に加算される。よって、実施例1に比べて、光学センサ102に対するミストの影響をより正確に判断し、光学センサの性能判別をより信頼性の高い状態で実行することが可能となる。
以下に、本発明の第3の実施例を説明する。本実施例においても上述した実施例と同様に、図1〜図5に示したインクジェット記録装置、光学センサ、カラーキャリブレーションを採用するものとする。
記録動作中に発生するミストの光学センサ102への付着のしやすさは、記録動作中の紙間距離によっても影響を受ける。本実施例では、このような状況も加味し、記録動作を行う際の紙間距離に応じて各色の累積吐出回数に補正を加え、実施例1よりもさらに高精度に光学センサ102の性能状態を判断する。そのために、本実施例の記録装置には、反射率測定を行うための光学センサ102とは別に、背景技術の項で説明したようなPSD等を用いた測距センサが備えられているものとする。また、EEPROM304には、時々の累積吐出回数と共に、カウントした累積吐出回数に補正を加えるための付着係数変換テーブルBが格納されている。
図7は、記録動作中の累積吐出回数を求めるためにCPU301が実行する各工程を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、CPU301は、まずステップS601において、給紙された記録媒体と記録ヘッドとの距離を、測距センサを用いて測定する。
続くステップS602において、CPU301は、EEPROM304に記憶されている付着係数変換テーブルBを参照することにより、ステップS601で取得した紙間距離から、適切なミスト付着係数Bを決定する。ここで、付着係数Bとは、紙間距離に応じて一義的に定められる係数であり、各段階の紙間距離に対する光学センサへのミストの付着しやすさが、表現されている。そして、前述した判定閾値を決定する際の実験環境での付着の程度を1とし、これよりもミストが付着しやすい組み合わせでは1よりも大きな値が、これよりもミストが付着し難い組み合わせでは1よりも小さな値が設定される。ミスト付着係数変換テーブルBとは、このような付着係数Bが温度と湿度の組み合わせに対応付けられて記憶されたテーブルとなっている。本発明者らの検討によれば、紙間距離が短いほどミスト付着量が少なく、紙間距離が長いほどミスト付着量が多いことが確認されている。
ステップS602によって、付着係数Bが決定されると、実際の記録動作を実行しながら各色の吐出回数をカウントする(ステップS603)。
所定量の記録動作が終了すると、CPU301は、カウントされた各色の吐出回数に対し、ステップS602で決定された付着係数Bを乗算することによって、吐出回数を補正する。さらに、これまでの累積吐出回数をEEPROM304から読み出し、補正後の吐出回数にこれを加算することによって新たな累積吐出回数とし、EEPROM304に上書きする。以上で本処理を終了する。
このように本実施例によれば、紙間距離が長い状態で記録動作が行われた場合は本来のカウント値よりも多い値が、紙間距離が短い状態で記録動作が行われた場合は本来のカウント値よりも少ない値が、吐出回数として累積吐出回数に加算される。よって、実施例1に比べて、光学センサ102に対するミストの影響をより正確に判断し、光学センサの性能判別をより信頼性の高い状態で実行することが可能となる。
なお、以上説明した実施例2と実施例3は、同時に実施することも出来る。この場合、EEPROM304には、取得された温度、湿度および紙間距離に対応して適切な付着係数が得られるような4次元のLUTが用意されていればよいことになる。
本発明に使用可能なインクジェット記録装置の内部構成例を説明するための斜視図である。 本発明の実施例で採用する光学センサの、各光学素子の配置を説明するための側面図である。 本発明の実施例で採用するインクジェット記録装置の主に濃度補正に関わる制御の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施例におけるCPUが実行する各色濃度補正モード(カラーキャリブレーション)の各工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施例におけるCPUが実行する光学センサ性能判定モードの各工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施例2における記録動作中の累積吐出回数を求めるためにCPUが実行する各工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施例3における記録動作中の累積吐出回数を求めるためにCPU301が実行する各工程を説明するためのフローチャートである。 (a)および(b)は、青色LEDにおける記録動作前と記録動作後の分光特性を、全インク色を均等に使用して記録動作を行った場合と、イエローに偏らせて記録動作を行った場合とで比較した結果を示す図である。
符号の説明
101 キャリッジ
102 光学センサ
103 記録ヘッド
104 搬送ベルト
105 シャフト
106 記録媒体
107 プラテン
201 赤色LED発光素子
202 フォトダイオード
203 可視光LED発光素子
301 CPU
302 ホストコンピュータ
303 プリントバッファ
304 EEPROM
305 LED駆動回路
306 I/V変換回路
307 増幅回路
308 A/D変換回路
309 ROM
310 搬送モータドライバ
311 搬送モータ
312 キャリッジモータドライバ
313 キャリッジモータ
314 ヘッドドライバ
315 記録ヘッド

Claims (7)

  1. 複数の色のインクを吐出する記録ヘッドと、発光波長が互いに異なる第1の発光素子および第2の発光素子を含む光学センサと、を有するインクジェット記録装置における、前記光学センサの状態判別方法であって、
    前記記録ヘッドがインクを吐出した吐出回数を、前記複数の色ごとにカウントする工程と、
    前記インクの付着による前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性の変化を示す値を、前記複数の色のインクそれぞれの前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性への影響を示す係数と、カウントされた前記吐出回数とを用いて算出する工程と、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれについて算出された前記値に基づいて、前記光学センサの状態を判別する工程とを有することを特徴とする光学センサの状態判別方法
  2. カウントされた前記吐出回数と前記係数との乗算を前記複数の色ごとに行うことを含む計算によって前記値を算出することを特徴とする請求項1に記載の光学センサの状態判別方法。
  3. 前記複数の色は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのいずれかを含み、前記複数の発光素子は、赤色LED、緑色LED及び青色LEDのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の光学センサの状態判別方法。
  4. 複数の色のインクを吐出する記録ヘッドと、
    発光波長が互いに異なる第1の発光素子および第2の発光素子を含む光学センサと、
    前記記録ヘッドがインクを吐出した吐出回数を、前記複数の色ごとにカウントする手段と、
    インクの付着による前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性の変化を示す値を、前記複数の色のインクそれぞれの前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれの分光特性への影響を示す係数と、カウントされた前記吐出回数とを用いて算出する手段と、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子のそれぞれについて算出された前記値に基づいて、前記光学センサの状態を判別する手段と
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. カウントされた前記吐出回数と前記係数との乗算を前記複数の色ごとに行うことを含む計算によって前記値を算出することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッドと前記光学センサは、記録媒体に対して走査するキャリッジに搭載されていることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記複数の色は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのいずれかを含み、前記光学センサは、赤色LED、緑色LED及び青色LEDのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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