JP5053524B2 - 電子放出素子 - Google Patents

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    • H01J2201/312Cold cathodes having an electric field perpendicular to the surface thereof
    • H01J2201/3125Metal-insulator-Metal [MIM] emission type cathodes

Description

本発明は、所定の電界が印加されることにより電子を放出し得るように構成された電子放出素子に関する。
この種の電子放出素子(electron emitter)は、所定の真空度の真空中で、電子放出部(エミッタ部)に所定の電界が印加されることで、当該電子放出部(エミッタ部)から電子が放出されるように構成されている。
かかる電子放出素子は、電子線を利用した種々の装置における電子線源として用いられている。かかる装置の具体例としては、ディスプレイ(特にフィールドエミッションディスプレイ[FED])、電子線照射装置、光源装置、電子部品製造装置、電子回路部品、等を挙げることができる。
電子放出素子がFEDに適用される場合、複数の電子放出素子が二次元的に配列される。また、これら複数の電子放出素子に対応して、複数の蛍光体が、各電子放出素子と所定の間隔をもってそれぞれ配置される。
かかる構成のFEDにおいては、二次元配列された複数の電子放出素子中の、任意の位置のものが選択的に駆動されることによって、任意の位置の電子放出素子から電子が放出される。この放出された電子が蛍光体に衝突して、任意の位置の蛍光体より蛍光が発せられることで、所望の表示を行うことができる。
電子線照射装置は、例えば、半導体チップの製造工程にて、ウェハーを重ねる際に絶縁膜を固化する用途で用いられている。また、電子線照射装置は、印刷インキを硬化・乾燥させる用途で用いられている。また、電子線照射装置は、医療機器をパッケージに入れたまま殺菌する用途で用いられている。電子線照射装置は、上述の用途で従来用いられてきた紫外線照射装置に比べて、高出力化が容易であり、照射対象物における照射線の吸収効率が高い。
電子放出素子を光源装置に適用する場合の適用対象としては、高輝度・高効率が要求される光源装置が好適である。具体例としては、プロジェクタの光源装置を挙げることができる。この種の光源装置として従来用いられてきた超高圧水銀ランプ等に比べて、電子放出素子を用いた光源装置は、小型化、長寿命化、高速化、環境負荷低減が可能であるという特徴を有している。また、電子放出素子を用いた光源装置には、LEDの代替品としての用途がある。かかる光源装置は、例えば、屋内照明器具、自動車用ランプ、信号機、携帯電話向け小型液晶ディスプレイのバックライトとして用いられ得る。また、電子放出素子と蛍光体とを組み合わせることで、電子写真装置における感光ドラムを露光するための発光デバイスを構成することが可能である。
電子放出素子を電子部品製造装置に適用する場合の適用対象としては、例えば、電子ビーム蒸着装置等の成膜装置の電子ビーム源、プラズマCVD装置におけるプラズマ生成用(ガス等の活性化用)電子源、ガス分解用途の電子源等がある。
電子放出素子を電子回路部品に適用する場合の適用対象としては、例えば、スイッチ、リレー、ダイオード等のデジタル素子や、オペアンプ等のアナログ素子がある。かかる電子回路部品に電子放出素子を適用した場合、大電流出力化、高増幅率化が可能である。
電子放出素子の用途としては、他に、例えば、テラHz駆動の高速スイッチング素子、大電流出力素子等の、真空マイクロデバイスがある。また、電子放出素子は、誘電体を帯電させるための電子源としても好適に用いられ得る。
この電子放出素子の具体例として、下記の各特許文献に記載のものを挙げることができる。
下記特許文献1及び2に記載の電子放出素子における電子放出部(エミッタ部)は、尖った先端部を有する微細な導体電極からなる。また、かかる電子放出素子においては、エミッタ部に対向して対向電極が設けられている。そして、かかる電子放出素子は、対向電極とエミッタ部との間に所定の駆動電圧が印加されることで、当該エミッタ部における上述の先端部から電子が放出されるように構成されている。
下記特許文献1及び2に記載の電子放出素子を製造する際には、上述の通りの微細な構造の導体電極からなるエミッタ部を形成するためには、エッチングや精密フォーミング加工(エレクトロファインフォーミング加工)等による微細加工を行うが必要であり、製造工程が複雑となっていた。
また、下記特許文献1及び2に記載の電子放出素子において、上述の導体電極の先端部から充分な量の電子を放出させるためには、駆動電圧として高電圧を印加する必要があった。よって、この電子放出素子を駆動するためのIC等の駆動素子として、高電圧駆動に対応可能な高価なものが必要であった。
このように、導体電極からなるエミッタ部を備えた下記特許文献1及び2に記載の電子放出素子においては、当該電子放出素子、及び当該電子放出素子が適用された装置の製造コストが高くなるという問題があった。
そこで、誘電体の薄層からなるエミッタ部を備えた電子放出素子が案出された(例えば、下記特許文献3〜6参照)。かかる電子放出素子を、以下、「誘電体膜型電子放出素子」と称する。
下記特許文献3〜6に記載の誘電体膜型電子放出素子は、上述のエミッタ部と、カソード電極と、アノード電極とを備えている。前記カソード電極は、エミッタ部の表(おもて)面側(front surface side:電子放出側)に形成されている。前記アノード電極は、前記エミッタ部の裏面側(reverse surface side)、又は、前記エミッタ部の前記表面側であって前記カソード電極と所定の間隔を隔てた位置に形成されている。すなわち、前記エミッタ部の前記表面側に、前記カソード電極も前記アノード電極も形成されていないエミッタ部表面(surface of the emitter)の露出部が、前記カソード電極の外縁部近傍に存在するように、当該誘電体膜型電子放出素子が構成されている。
この誘電体膜型電子放出素子は、以下のように動作する。
まず、第1段階として、前記カソード電極と前記アノード電極との間に、前記カソード電極の方が高電位となるような電圧が印加される。この印加電圧によって形成された電界によって、前記エミッタ部(特に前記の露出部)が所定の分極状態に設定される。
次に、第2段階として、前記カソード電極と前記アノード電極との間に、前記カソード電極の方が低電位となるような電圧が印加される。このとき、前記カソード電極の外縁部から電子が放出されるとともに、前記エミッタ部の分極が反転し、エミッタ部表面に電子が蓄積される。再度カソード電極が高電位となるように電圧が印加された際に、エミッタ部の分極反転に伴い、この蓄積された電子が双極子との静電斥力により放出される。この電子が外部からの所定の電界により所定方向に飛翔することで、この誘電体膜型電子放出素子による電子放出が行われる。
特開平7−147131号公報 特開2000−285801号公報 特開2004−146365号公報 特開2004−172087号公報 特開2005−116232号公報 特開2005−142134号公報
本発明の誘電体膜型電子放出素子は、上述した従来の電子放出素子よりもさらなる電子放出の高効率化・高出力化、及び駆動速度の高速化が達成された誘電体膜型電子放出素子である。
本発明の誘電体膜型電子放出素子(以下、単に「電子放出素子」と称する。)は、機械的品質係数が高い誘電体材料の薄層からなるエミッタ部を備えている。すなわち、かかるエミッタ部の機械的品質係数(以下、「Qm値」と称する。)は、いわゆる低Qm材料(Qm値が100以下である材料)よりも高い値を有している。前記エミッタ部のQm値は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上である。第1電極は、前記エミッタ部の表(おもて)面側(front surface side:電子放出側)に形成されている。第2電極は、前記エミッタ部の前記表面とは反対側の裏面側(reverse surface side)、又は、前記エミッタ部の前記表面側であって前記カソード電極と所定の間隔を隔てた位置に形成されている。すなわち、前記エミッタ部の前記表面側に、前記第1及び第2電極が形成されていないエミッタ部表面(surface of the emitter)の露出部が、前記第1電極の外縁部近傍に存在するように、本発明の電子放出素子が構成されている。
かかる構成を有する本発明の電子放出素子においては、前記第1電極と前記第2電極との間に所定の波形の駆動電圧が印加される。これにより、前記駆動電圧の極性に応じて、前記エミッタ部の前記表面(front surface)上に電子が一旦蓄積された後、当該エミッタ部における分極が反転して、当該電子が当該表面の双極子との静電斥力によって外部に放出される。
本発明においては、動作時に機械的変形を用いない静的なデバイスである電子放出素子の電子放出特性が、本来は電圧の印加による機械的変形の状態を表す材料特性値であるQm値によってコントロールされ得る。
本発明の電子放出素子においては、前記第1電極の縁部と、前記エミッタ部の表面との間に、ギャップが形成されていることが好適である。かかる構成においては、前記第1電極の縁部が庇形状(overhanging shape)に形成されることで、かかる庇(overhang)の下方に前記ギャップが形成されている。
かかる構成によれば、前記駆動電圧によって前記エミッタ部の前記表面側に形成される電界が、前記ギャップ部分に集中する。すなわち、駆動電圧の大部分がギャップ部分に印加された形となる。これにより、低駆動電圧にて高出力の電子放出を行うことが可能になる。
また、前記構成の電子放出素子が、前記エミッタ部の前記裏面側に配置されていて当該エミッタ部を支持する基体をさらに備えており、前記エミッタ部が前記基体の表面(front surface)上に固着して設けられていてもよい。
さらに、前記構成の電子放出素子において、前記第2電極が前記基体の前記表面上に固着して設けられていて、前記エミッタ部が前記第2電極上に固着して設けられていてもよい。かかる構成においては、前記基体の前記表面上に前記第2電極が固着して設けられ、この第2電極上に前記エミッタ部が固着して設けられ、前記エミッタ部の前記表面側に前記第1電極が設けられている。かかる構成によれば、当該電子放出素子を高密度で2次元配列することが可能になり、特にFEDに応用した場合に高解像度のFEDが得られる。また、かかる構成によれば、前記第1電極と前記第2電極との間には、前記エミッタ部からなる誘電体層が介在している。よって、両電極を前記エミッタ部の前記表面側に設ける構成とは異なり、両電極間に比較的高電圧の駆動電圧を印加した場合であっても当該表面における沿面放電の発生が抑制される。
更に、前記構成の電子放出素子においては、前記エミッタ部が1〜300μmの厚さで構成されていることが好適である。
前記エミッタ部の厚さが1μm未満であると、当該エミッタ部を構成する誘電体層の欠陥が多くなり、当該誘電体層の緻密化が不十分となる。よって、電子放出作用に供しない当該誘電体層内部の欠陥部分の電界強度が、電子放出箇所(前記エミッタ部を構成する誘電体層における電子放出作用に供される箇所)の電界強度よりも強くなってしまう。この場合、当該電子放出箇所における充分な電子放出特性を得ることができなくなる。また、前記第1電極と前記第2電極とが前記エミッタ部を挟んで配置されている構成にあっては、両電極間の距離が小さくなりすぎることで、駆動電圧の印加によって絶縁破壊が生じるおそれがある。
一方、前記エミッタ部の厚さが300μmを超えると、駆動電圧の印加によって当該エミッタ部に生じる応力が大きくなる。この大きな応力によっても当該エミッタ部を良好に支持し得るためには、前記基体の厚さをより厚くすることが必要となる。このような構成では、電子放出素子の小型化・薄型化が困難になる。また、前記第1電極と前記第2電極とが前記エミッタ部を挟んで配置されている構成にあっては、電子放出動作に必要な所定の電界強度を得るための駆動電圧が大きくなる。この場合、高電圧対応の駆動ICが必要になる等、電子放出素子の製造コストが上昇してしまう。
そして、誘電体組織の緻密化、絶縁破壊の防止、電子放出素子の小型化・薄型化、低電圧駆動化を達成しつつ、製造歩留まりが良く安定した電子放出性能を得るためには、前記エミッタ部が5〜100μmの厚さに形成されていることが好適である。
ここで、本発明の電子放出素子は、特に、以下のような動作を行い得るように構成されていることが好適である。まず第1段階として、前記第1電極が前記第2電極よりも低電位となるような駆動電圧が印加されることで、前記第1電極から前記エミッタ部の前記表面に向けて電子の放出(供給)が行われる。すなわち、当該エミッタ部の当該表面上に、電子が蓄積される(当該表面が帯電される)。次に、第2段階として、前記第1電極が前記第2電極よりも高電位となるような駆動電圧が印加されることで、当該エミッタ部の分極が反転する。これにより、当該エミッタ部の当該表面上に蓄積された電子が放出される。かかる構成によれば、前記第1段階における前記エミッタ部の前記表面の帯電量制御が比較的容易に行われ得る。したがって、安定した電子放出量が高い制御性で得られる。
特に、前記第1電極に開口部を形成することが好適である。かかる構成によれば、当該開口部に対応する前記エミッタ部の前記表面が外部に(電子放出方向に向けて)露出する。これにより、前記ギャップを構成する前記第1電極の前記縁部が、当該第1電極の平面視における外縁部だけでなく、当該第1電極の平面視における内部にも形成され得る。よって、上述の電子放出箇所が増加し、電子放出量が向上される。また、当該開口部が、前記エミッタ部の前記表面から放出される電子に対して、ゲート電極又はフォーカス電子レンズのような機能を果たし得る。よって、放出電子の直進性を向上させることができる。これにより、複数の電子放出素子を平面状に配列した場合、隣接する電子放出素子間のクロストークが減少する。特に、当該電子放出素子がFEDに応用された場合に、当該FEDの解像度が向上する。
以下、本発明の好適な実施の形態を、表及び必要に応じて図面を参照しながら説明する。
<電子放出素子を用いたFEDの概略構成>
図1は、本実施形態に係る電子放出素子10を用いて構成された、FEDとしてのディスプレイ100の概略構成を示す一部断面図である。このディスプレイ100は、電子放出素子10と、透明板130と、コレクタ電極132と、蛍光体層134と、バイアス電圧源136と、を備えている。
透明板130は、電子放出素子10の上方に配置されていて、ガラスやアクリル製の板から構成されている。コレクタ電極132は、透明板130の下面(すなわち電子放出素子10と対向する面)に形成されていて、ITO(インジウム・錫酸化物)薄膜等の透明電極により構成されている。蛍光体層134は、コレクタ電極132の下面(同上)に形成されている。電子放出素子10と蛍光体層134との間の空間は、所定の真空度(例えば102〜10-6Pa、より好ましくは10-3〜10-5Pa)の減圧雰囲気とされている。バイアス電圧源136は、所定の抵抗器を介してコレクタ電極132と接続されていて、当該コレクタ電極132にコレクタ電圧Vcを印加し得るように構成されている。
このディスプレイ100は、コレクタ電圧Vcの印加によって発生する電界によって、電子放出素子10から放出された電子がコレクタ電極132に向かって飛翔し、この飛翔した電子が蛍光体層134と衝突して蛍光を発することにより、所定の画素の発光が行われるように構成されている。
<電子放出素子の概略構成>
電子放出素子10は、基体11と、エミッタ部12と、第1電極14と、第2電極16と、パルス発生源18と、を備えている。
基体11は、エミッタ部12、第1電極14、及び第2電極16を支持するための基板であって、ガラスやセラミックスの板材から構成されている。
エミッタ部12は、誘電体材料の多結晶体からなる薄層であり、その厚さhは、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜100μmに構成されている。かかるエミッタ部12を構成する誘電体材料は、機械的品質係数(Qm値)が高い材料からなる。すなわち、かかる誘電体材料のQm値は、いわゆる低Qm材料(Qm値が100以下である材料)よりも高い値を有している。当該誘電体材料のQm値は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上である。エミッタ部12の表(おもて)面12aには、図1に示されている通り、結晶粒界等に基づく微視的な凹凸が形成されている。この凹凸による当該表面12aの表面粗さが、Ra(中心線平均粗さ:単位μm)で0.05以上3以下となるように、本実施形態のエミッタ部12が形成されている。
エミッタ部12の表面12a側には、第1電極14が形成されている。第1電極14は、導電性物質からなる。この導電性物質の具体例としては、金属膜、金属粒子、非金属導電性膜(カーボン膜や非金属導電性酸化物膜等)、非金属導電性粒子(カーボン粒子や導電性酸化物粒子等)を挙げることができる。上述の金属膜や金属粒子の材質としては、白金、金、銀、イリジウム、パラジウム、ロジウム、モリブデン、タングステン及びこれらの合金が好ましい。また、上述の非金属導電性膜や非金属導電性粒子の材質としては、黒鉛、ITO(インジウム・錫酸化物)、LSCO(ランタン・ストロンチウム・銅酸化物)が好ましい。この第1電極14が金属粒子や非金属導電性粒子から形成される場合の粒子形状としては、鱗片状、板状、箔状、針状、棒状、コイル状が好ましい。
第1電極14は、前記エミッタ部12の前記表面12a上に、塗布や蒸着等によって、厚さが0.1〜20μmとなるように形成されている。ここで、第1電極14は、前記エミッタ部12の前記表面12a上に直接的に形成されていてもよいし、所定のコーティング層を介して間接的に形成されていてもよい。
第2電極16は、前記エミッタ部12の裏面12bと接するように配置されている。この第2電極16は、金属膜からなり、厚さが20μm以下、より好適には5μm以下となるように形成されている。この第2電極16は、上述の第1電極14と同様の方法により、基体11における図中上側の表面上に固着して形成されている。そして、この第2電極16における図中上側の表面上に、エミッタ部12が固着して設けられている。なお、ここでいう「固着」とは、有機系や無機系の接着剤を用いることなく直接かつ緊密に接合されることを意味するものとする。
第1電極14及び第2電極16には、これら両電極間に駆動電圧Vaを印加するためのパルス発生源18が接続されている。
なお、本実施形態の構成においては、1枚の層状の基体11、エミッタ部12、及び第2電極16に対して、第1電極14が2次元的に配列されることで、電子放出素子10が2次元的に多数形成されている。そして、図1における左側には、当該2次元的に多数配列・形成されている電子放出素子10のうちの1つの一部が図示されているものとする。また、図1における右端には、隣接するもう1つの電子放出素子10の端部の第1電極14が図示されているものとする。
第1電極14には、複数の開口部20が形成されている。この開口部20は、エミッタ部12の表面12aを、電子放出素子10の外部の媒質(すなわち上述の真空雰囲気:以下同様)に向けて露出するように形成されている。なお、第1電極14の外縁部21においても、エミッタ部12の表面12aが前記媒質に向けて露出している箇所が形成されている。
そして、本実施形態の電子放出素子10は、以下に詳述するように、第1電極14から供給された電子が、開口部20及び外縁部21に対応するエミッタ部12の表面12a上に蓄積された後に、この表面12a上に蓄積された電子が、当該電子放出素子10の外部に向けて(すなわち蛍光体層134に向けて)放出されるように構成されている。
<電子放出素子の構成の詳細>
図2は、図1に示した電子放出素子10の要部を拡大した断面図である。
エミッタ部12の表面12aには、上述の通り、結晶粒界(図2における符号B参照)等に起因する微視的な凹部24が形成されている。そして、第1電極14の開口部20は、前記凹部24に対応した部分に形成されている。なお、図2(及び図1)においては、1つの開口部20が1つの凹部24と対応するように形成されている場合が示されているが、1つの開口部20が複数の凹部24と対応するように形成されている場合もあり得る。あるいは、複数の開口部20が1つの凹部24と対応するように形成されている場合もあり得る。
第1電極14における、開口部20の近傍の部分である周部26は、凹部24の表面(エミッタ部12の表面12a)と離隔することで、庇(overhang)のように前記媒質内に張り出すように形成されている。すなわち、凹部24の表面(エミッタ部12の表面12a)と、第1電極14の周部26におけるエミッタ部12と対向する面26aと、の間に、ギャップ28が形成されている。そして、第1電極14における、開口部20の周部26が、側断面視にて庇状に形成されている。(したがって、以下の説明では、「周部26」を「庇部(overhanging portion)26」と記す。また、「周部26におけるエミッタ部12と対向する面26a」を「庇部26の下面26a」と記す。)。
本電子放出素子10においては、エミッタ部12の表面12aの凹凸形状における、凸部の頂点付近の面と、庇部26の下面26aと、のなす角の最大角度θが、1°≦θ≦60°となるように構成されている。
また、本電子放出素子10においては、エミッタ部12の表面12aと、庇部26の下面26aと、の間の鉛直方向に沿った最大間隔dが、0μm<d≦10μmとなるように、エミッタ部12及び第1電極14が形成されている。
そして、エミッタ部12の表面12aと、第1電極14と、当該電子放出素子10の外部の前記媒質(真空)と、の接触箇所において、トリプルジャンクション(3重点)26cが形成されている。このトリプルジャンクション26cは、第1電極14と第2電極16との間に駆動電圧Vaを印加した場合に、電気力線の集中(電界集中)が生じる箇所(電界集中部)である。なお、ここにいう「電気力線の集中」とは、仮に第1電極14,エミッタ部12,及び第2電極16を側断面視無限長の平板として電気力線を描く場合に、第2電極16から均等間隔で発した電気力線が集中する箇所をいうものとする。この電界集中部における電気力線の集中(電界集中)の様子は、有限要素法による数値解析によってシミュレーションすることで簡単に確認され得る。
さらに、本実施形態において、開口部20の内縁を構成する庇部26の先端26bが前記電界集中部となるような形状を備えている。具体的には、庇部26の側断面視における形状は、当該庇部26の先端26bに向かって鋭角に尖っている(厚みが徐々に薄くなっていく)ように形成されている。
なお、上述のような電界集中部を構成する、庇部26の先端26b及び前記トリプルジャンクション26cは、図1における外縁部21にも形成されている。
ここで、開口部20の内縁により構成される貫通孔20aは、平面視にて、円形、楕円形、多角形、不定形など、様々な形状に形成され得る。また、当該貫通孔20aは、平面視における貫通孔20aの面積と同面積の円形に当該貫通孔20aの形状を近似した場合に、当該円形の直径の平均(以下、「貫通孔20aの平均径」と称する)が、0.1μm以上、20μm以下となるような大きさに形成されている。その理由は、以下の通りである。
図2に示されているように、エミッタ部12のうちの、駆動電圧Vaの印加に応じて分極が反転あるいは変化する部分は、第1電極14が形成されている直下の部分(第1の部分)40と、庇部26の先端26bから貫通孔20aの中心部に向かう領域に対応した部分(第2の部分)42とからなる。この第2の部分42は、電子放出に寄与するエミッタ部12の表面12aの領域(電子放出領域)のうちの、主要な部分を構成する。この第2の部分42の発生範囲は、駆動電圧Vaの大きさや、上述の電界集中部における電界集中の度合いによって変化し得る。
この点、貫通孔20aの平均径が上述の範囲(0.1μm以上、20μm以下)であれば、上述の第1の部分40及び第2の部分42にて、充分な量かつ効率のよい電子の放出が行われ得る。
一方、貫通孔20aの平均径が0.1μm未満の場合、前記第2の部分42の面積が小さくなる。よって、この第2の部分42の面積が小さくなることで、放出される電子の量が少なくなる。また、貫通孔20aの平均径が20μmを超える場合、エミッタ部12の表面12aにおける、開口部20から露出した部分のうちの、第2の部分42の割合(占有率)が小さくなる。よって、電子の放出効率が低下する。
また、エミッタ部12の表面12aにおける、電子放出に寄与し得る全表面積に対する、開口部20の面積の合計の割合が、5〜80%となるように、開口部20が形成されていることが好適である。ここで、上述の、「エミッタ部12の表面12aにおける、電子放出に寄与し得る全表面積」とは、第1電極14の外縁部21(図1参照)の近傍にて露出しているエミッタ部12の表面(第1電極14の外周部の直下のエミッタ部12の表面12aであって、図2における第2の部分42に対応する部分)と、開口部20の全開口面積とを合算した面積に相当する。
<電子放出素子の等価回路構成>
また、本実施形態の電子放出素子10は、図3に示されているように、電気回路的な特性として、第1電極14と第2電極16との間に、エミッタ部12によるコンデンサC1と、上述の各ギャップ28による複数のコンデンサCaの集合体によるコンデンサC2とが直列に接続された構成に近似され得る。このコンデンサC2は、各ギャップ28(図2参照)による複数のコンデンサCaが互いに並列に接続されてなる。
もっとも、上述の複数のコンデンサCaの集合体によるコンデンサC2と、エミッタ部12によるコンデンサC1とが、単純に直列接続された等価回路は実際的ではない。すなわち、図1及び図2に示されているような、第1電極14における開口部20の形成個数・状態に応じて、エミッタ部12によるコンデンサC1のうちの一部が、集合体によるコンデンサC2と直列接続されるように、当該等価回路が構成され得る。
ここで、例えば、図4に示されているように、エミッタ部12によるコンデンサC1のうちの25%が、集合体によるコンデンサC2と直列接続された場合を想定して、容量計算を行ってみる。
ギャップ28は、真空であることから、比誘電率は1となる。そして、ギャップ28の最大間隔dを0.1μm、1つのギャップ28の部分の面積Sを1μm×1μmとし、ギャップ28の数を10,000個とする。また、エミッタ部12の比誘電率を2000、エミッタ部12の厚さを20μm、第1電極14と第2電極16の対向面積を200μm×200μmとする。
以上の仮定の下では、集合体によるコンデンサC2の容量値は0.885pFとなり、エミッタ部12によるコンデンサC1の容量値は35.4pFとなる。そして、エミッタ部12によるコンデンサC1のうち、集合体によるコンデンサC2と直列接続されている部分を全体の25%としたとき、当該直列接続された部分における容量値(集合体によるコンデンサC2の容量値を含めた容量値)は0.805pFとなり、残りの容量値は26.6pFとなる。
上述のエミッタ部12によるコンデンサC1のうち、集合体によるコンデンサC2と直列接続された部分以外の残りの部分は、当該直列接続された部分と並列接続されている。よって、第1電極14と第2電極16との間の全体の合成容量値は、27.5pFとなる。この合成容量値は、エミッタ部12によるコンデンサC1の容量値35.4pFの78%である。つまり、全体の合成容量値は、エミッタ部12によるコンデンサC1の容量値よりも小さくなる。
このように、ギャップ28によるコンデンサCaの容量値、及び当該ギャップ28の集合体の合成容量C2は、直列接続されるエミッタ部12によるコンデンサC1よりも非常に小さいものとなる。すなわち、このコンデンサCa(C2)及びC1の直列回路に駆動電圧Vaを印加した場合の分圧の大部分が、容量の小さな方のコンデンサCa(C2)の方に印加され得るように、当該電子放出素子10が構成されている。換言すれば、駆動電圧Vaの大部分がギャップ28(図2参照)に印加され得るように、当該電子放出素子10が構成されている。
<電子放出素子の電子放出動作原理>
次に、電子放出素子10の電子放出動作の原理について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、駆動電圧Vaの波形を示す図である。図6及び図7は、電子放出素子10の動作説明のための模式図である。
本実施形態において、第1電極14と第2電極16との間に印加される駆動電圧Vaとしては、図5に示されている通りの、基準電圧(波動の中心に対応する電圧)が0[V]、振幅が(V1+V2)[V]、周期が(T1+T2)[s]の矩形波の交流電圧が用いられる。この駆動電圧Vaにおいては、第1段階としての時間T1にて、第1電極14の方が第2電極16よりも低電位となる(負電圧)V2となり、続く第2段階としての時間T2にて、第1電極14の方が第2電極16よりも高電位となる(正電圧)V1となる。
また、初期状態において、エミッタ部12の分極方向が一方向に揃えられている場合(具体例として、図6(A)に示されているように、双極子の負極がエミッタ部12の表面12aに向いた状態となっている場合)を想定して、以下の動作説明をする。
まず、第1電極14と第2電極16との間の電圧が基準電圧である初期状態では、図6(A)に示されているように、双極子の負極がエミッタ部12の表面12aに向いた状態となっている。よって、エミッタ部12の表面12aは、電子がほとんど蓄積されていない状態となっている。
その後、負電圧V2が印加されると、図6(B)に示されているように、分極が反転する。この分極反転によって、前記した電界集中部である先端26bや、トリプルジャンクション26cにおいて、電界集中が発生する。これにより、第1電極14における前記の電界集中部からエミッタ部12の表面12aに向けた電子の放出(供給)が起こる。例えば、図6(C)に示されているように、表面12aのうちの、開口部20から露出した部分や、庇部26の近傍の部分に、電子が蓄積される。すなわち、表面12aが帯電する。この表面12aの帯電は、当該エミッタ部12の表面抵抗値に基づく一定の飽和状態となるまで可能であり、駆動電圧波形等により帯電量を制御することが可能である。このように、第1電極14(特に前記の電界集中部)が、エミッタ部12(表面12a)への電子供給源として機能する。
その後、駆動電圧Vaが、負電圧V2から、図7(A)の如く一旦基準電圧となった後、さらに、駆動電圧Vaとして正電圧V1が印加されると、分極が再度反転する(図7(B)参照)。すると、双極子の負極との静電斥力によって、表面12aに蓄積されていた電子が、貫通孔20aを通過して外部に向けて放出される(図7(C)参照)。
なお、第1電極14における、開口部20のない外縁部21(図1参照)においても、上述と同様の電子放出動作が行われる。
<電子放出素子の製造方法の具体例>
次に、上述の構成を有する本実施形態の電子放出素子10(図1等参照)の製造方法の一例について、当該電子放出素子10の構成を図示する図1及び図2の符号を引用しつつ、以下に説明する。
まず、Y23で安定化されたZrOからなる基体11の上に、所定の寸法・形状で、金属Ptを含む金属ペーストの層がスクリーン印刷法により形成される。この金属ペーストの層を1000〜1400℃程度の温度で熱処理することで、厚さ3μmのPtからなる第2電極16が、基体11と固着して一体化した状態で形成される。
次に、第2電極16の上に、本発明の誘電体物質からなる誘電体ペースト層が、スクリーン印刷法により、40μmの塗布厚さとなるように形成される。この誘電体ペースト層の形成は、具体的には、以下の通り行われ得る。
この誘電体物質の原料としては、Pb,Mg,Nb,Zr,Ti,Ni,La,Sr,Mn,Ce等の各元素の酸化物(例えば、PbO、Pb34、MgO、Nb25、TiO2、ZrO2、NiO、La、SrO、MnO、CeO等)、これら各元素の炭酸塩(例えばMgCO、SrCO等)、これら各元素を複数含有する化合物(例えば、MgNb2O等)、又はこれら各元素の単体金属や合金等が用いられ得る。これらの原料は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
そして、本発明の誘電体物質の調製方法については特に制限はないが、例えば、以下の方法により、誘電体組成物が調製され得る。
まず、上述した原料を、各元素の含有率が所望の割合になるように混合する。次に、得られた混合原料を、750〜1300℃で仮焼することで、本発明の誘電体物質が得られる。この仮焼後の誘電体物質は、X線回折装置による回折強度において、ペロブスカイト相の最強回折線の強度に対するパイロクロア相等の異相の最強回折線の強度の比が、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。最後に、得られた仮焼後の誘電体物質を、ボールミル等を用いて粉砕することで、所定の粒子径(例えばレーザー回折法による平均粒径で0.1〜1μm)の誘電体粉末が得られる。
このようにして得られた誘電体粉末を、所定のバインダ及び溶剤の混合液に分散することによって、誘電体ペーストが調製される。そして、上述のスクリーン印刷法により、第2電極16上に、誘電体ペーストの層が形成される。
そして、この誘電体ペースト層を熱処理し、バインダ及び溶剤を蒸散させるとともに誘電体層を緻密化させることで、エミッタ部12が形成される。
更に、形成されたエミッタ部12の上に、上述の第2電極16と同様のスクリーン印刷等の厚膜形成プロセスや、蒸着等の薄膜形成プロセスにより、第1電極14が形成される。例えば、SRO(SrRuO3)、LSCO((La,Sr)CoO3)、LNO(LaNiO3)等の酸化物電極を用いて第1電極14を形成する場合、以下のようなプロセスが用いられ得る。
まず、SrCO3等の原料物質が、ジルコニアボールを用いたボールミルによって湿式混合される。得られた混合物は、1000℃程度の温度で仮焼される。仮焼によって得られた粉末に添加剤としてPbO粉末を添加し、混合して焼結することで、スパッタリングターゲットが得られる。このスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング装置によって薄膜形成を行うことにより、第1電極14が形成される。
以上のようにして、誘電体膜型の電子放出素子10が製造され得る。
<実施例>
上述の通りの製造方法により、下記の通りの電子放出素子の実施例及び比較例を作成し、評価した。実施例及び比較例の評価は、以下の通りの「電子放出効率」を指標として行った。
図1を参照すると、第1電極14と第2電極16との間に印加される駆動電圧をVa、当該電子放出素子10から放出された電子を所定方向に飛翔させる外部電界を形成するためのバイアス電圧源136の電子加速電圧(コレクタ電圧)をVc、当該電子放出素子10から放出された電子による電流(コレクタ電極132とバイアス電圧源136との間を流れる電流)をi、当該電子放出素子10の駆動電力をPとすると、上述の電子放出効率ηは、以下の式で示される。
η=Vc×i/(P+Vc×i
ここで、駆動電力P=[素子のヒステリシス損P1]+[駆動回路での抵抗損P2]
P1は、図8に示されているQ−Vヒステリシスの面積(図8における斜線部分の面積)であり、
P2は、駆動の方法により0≦P2≦(駆動電圧Va×電荷量Q)−(前記Q−Vヒステリシスの面積)=(図8における斜線部分の外側の面積)で表される。ここで、左辺の0は、Q−Vヒステリシスに沿うような電力となるように電子放出素子を駆動させた場合である。
第1電極14として、Pt/LSCO(Ptレジネート中にLSCOを1重量%添加したもの)をエミッタ部12の表面12aにスクリーン印刷し、焼成させてなる電極を用いた。エミッタ部12を構成する誘電体材料として、35.5PMN−39.5PT−25PZを主成分とし、MnO2を0.6重量%混入したものを用いた。この材料のQm値は1074であった。
(比較例1)
Qm値が30の誘電体材料(37.5PMN−37.5PT−25PZにおけるPb元素のうちの6mol%をSrで置換し、0.7mol%をLaで置換したものを主成分とし、CeO2を0.2重量%混入したもの)を用いた場合を比較例1−1とした。また、Qm値が88の誘電体材料を用いた場合を比較例1−2とした。実施例1及び比較例1の評価結果を表1に示す。ここで、表1の「電子放出効率」欄には、比較例1−1における上述のηの値を1とした相対評価の結果が示されている。なお、P2は上述の最大値、駆動電圧は、300V/−70Vであった。
Figure 0005053524
本実施例においては、Pt/Au/Irの重量比が93.0/4.5/2.5となるように有機金属化合物を混合し、当該混合物をスクリーン印刷・焼成させてなる第1電極14を用いた。エミッタ部12を構成する誘電体材料として、Qm値が1074の誘電体材料である、上述の実施例1と同一の誘電体材料を用いた場合を実施例2−1とした。また、エミッタ部12を構成する誘電体材料として、37.5PMN−25PT−37.5PZにおけるPb元素のうちの8mol%をSrで置換したものを主成分とし、MnO2を0.2重量%混入したものを用いた場合を実施例2−2とした。この材料のQm値は508であった。
(比較例2)上述の比較例1−1と同一の材料である、Qm値が30の誘電体材料(37.5PMN−37.5PT−25PZにおけるPb元素のうちの6mol%をSrで置換し、0.7mol%をLaで置換したものを主成分とし、CeO2を0.2重量%混入したもの)を用いた場合を比較例2−1とした。また、Qm値が88の誘電体材料を用いた場合を比較例2−2とした。さらに、Qm値が95の誘電体材料を用いた場合を比較例2−3とした。実施例2及び比較例2の評価結果を表2に示す。ここで、表2の「電子放出効率」欄には、比較例2−1における上述のηの値を1とした相対評価の結果が示されている。なお、P2は上述の最大値、駆動電圧は、200V/−50Vであった。
Figure 0005053524
これらの評価結果から明らかなように、本発明の範囲内である実施例1及び実施例2によれば、比較例1−1及び2−1の1.2倍以上という、高い電子放出効率が得られた。また、P2を0とした場合においても同様の高い電子放出効率が得られている。これらの実施例における、電子放出効率の向上は、以下のメカニズムによるものと考えられる。以下、図2を参照しつつ、当該メカニズムについて説明する。
本実施形態の電子放出素子10においては、上述の通り、第1段階にて、第1電極14の庇部26からエミッタ部12の表面12aに電子が供給され、当該表面12aに電子が蓄積される。その後、第2段階にて、エミッタ部12の分極が反転することで、静電斥力により、当該表面12aに蓄積された電子が貫通孔20aを介して外部に放出される。
ここで、エミッタ部12を構成する誘電体物質のQm値が高い場合、上述の分極反転が高速で行われる。これにより、エミッタ部12の表面12aへの電子の蓄積、及び当該蓄積された電子の外部への放出が高速で行われ得る。よって、当該電子放出素子10が収容されている前記媒質における、開口部20近傍を飛翔している電子が、第1電極14によってトラップされる確率が減少する。したがって、当該電子放出素子10における電子放出量が増大する。
また、第1電極14の直下にない第2の部分42は、電子放出動作の中核を担う部分であるにもかかわらず、第1電極14の直下にある第1の部分40よりも、電界強度が小さくなる。特に、本実施形態の電子放出素子10においては、第1電極14に庇部26が形成されていて、上述の第2の部分42は、当該庇部26とギャップ28を隔てて下方に設けられた凹部24に形成されている。よって、当該凹部24の表面であるエミッタ部12の表面12aと、第1電極14との間には、ギャップ28の最大間隔d程度の大きな間隙が形成されている。したがって、当該第2の部分42においては、第1の部分40よりも分極の反転が起こりにくくなるはずである。しかしながら、エミッタ部12を構成する誘電体物質のQm値が高い場合、このような第2の部分42においても充分に高速で確実に分極の反転が生じ得る。
すなわち、本実施形態の構成によれば、庇部26を有するエミッタ部12及び第1電極14の構造によって電界集中の度合いが高まり、且つ上述のようなQm値の高い誘電体材料からなるエミッタ部12が用いられることで分極反転が高速化される。これにより、電子放出量及び電子放出効率の向上が達成され得る。
以上の通り、本実施形態の構成によれば、本来は動的な特性値であるQm値を用いて、静的な誘電体膜素子である電子放出素子10の電子放出特性を向上させることができる。
<変形例の示唆>
なお、上述の実施形態及び実施例は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態及び実施例を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態等に何ら限定されるものではなく、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において種々の変形を施すことができることは当然である。
以下、先願主義の下で本願の出願の際に追記し得る程度(時間の許す限り)で、変形例について幾つか例示するが、変形例とてこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。本願発明を、上述の実施形態等及び下記変形例の記載に基づき限定解釈すること(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素を、実施形態等の記載に基づき限定解釈すること)は、先願主義の下で出願を急ぐ出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
(i)本発明に係る電子放出素子の構成は、前記実施形態の電子放出素子10の構成に限定されない。例えば、前記実施形態においては、第1電極14がエミッタ部12の表面12aに形成され、第2電極16がエミッタ部12の裏面12bに形成されていたが、両電極がともに前記表面12a上に形成されていてもよい。また、第1電極14,エミッタ部12,第2電極16を複数層に積層した多層構造としてもよい。
(ii)基体としての基体11は、セラミックスの他、ガラスや金属を用いることができる。このセラミックスの種類に特に制限はない。もっとも、耐熱性、化学的安定性、及び絶縁性の点から、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むセラミックスからなることが好ましく、中でも、機械的強度が大きく、靭性に優れる点から、安定化された酸化ジルコニウムからなることが更に好ましい。
なお、ここにいう「安定化された酸化ジルコニウム」とは、安定化剤の添加により結晶の相転移を抑制した酸化ジルコニウムをいい、安定化酸化ジルコニウムの他、部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。安定化された酸化ジルコニウムとしては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有するものを挙げることができる。中でも、振動部の機械的強度が特に高くなる点で、酸化イットリウムを安定化剤として含有させたものが好ましく、この際、酸化イットリウムは、1.5〜6モル%含有させることが好ましく、2〜4モル%含有させることが更に好ましい。また、更に酸化アルミニウムを0.1〜5モル%含有させたものが好ましい。
安定化された酸化ジルコニウムの結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよい。もっとも、強度、靭性、及び耐久性の観点から、主たる結晶相が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相であるものが好ましい。
(iii)エミッタ部12を構成する誘電体物質としては、Qm値が上述の範囲内にある任意の材料が用いられ得る。例えば、実施例に挙げられているような鉛系の圧電/電歪材料の他に、非鉛系の圧電/電歪材料が用いられ得る。非鉛系の具体例としては、ニオブ酸リチウム(LiNbO3),タンタル酸リチウム(LiTaO3),これらの固溶体(LiNb1-xTax3),これらのLiをKやNaで置換したもの(一般式ABO3[ここで、AはK,Na,Liのうちの少なくとも1種、BはNb及び/又はTaである。]),四ホウ酸リチウム(Li247)等を挙げることができる。
(iv)エミッタ部12を構成する誘電体物質の調製方法としては、上述の実施例に示された方法以外の様々な方法が用いられ得る。例えば、アルコキシド法や共沈法等も用いられ得る。更に、第1電極14や第2電極16が形成された後には熱処理がなされることが好適であるが、この熱処理はなされなくても差し支えない。但し、第2電極16と基体11とを固着し一体化するためには、上述の実施例の通り、基体11上に第2電極16を形成した後に熱処理が行われることが好ましい。
(v)第1電極14や第2電極16は、金属や、導電性粒子以外の導電性物質を用いて構成することも可能である。金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、金、銀、及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を挙げることができる。中でも、圧電/電歪部を熱処理する際の耐熱性が高い点で、白金、又は白金を主成分とする合金が好ましい。あるいは、コストが低いにもかかわらず耐熱性が高い点で、銀−パラジウム合金が好ましい。
(vi)また、第1電極14における開口部20は、様々な形状に形成され得る。すなわち、先端26bにて電気力線が集中するような庇部26の断面形状は、図2に示されているような、第1電極14の厚さ方向の中央部分に鋭角を有する形状以外にも、例えば、第1電極14の厚さ方向の最下面に鋭角を有する形状等、先端26bに向かって第1電極14の厚さが徐々に薄くなっていくような形状により容易に実現できる。また、開口部20の形状は、当該開口部20の内壁面において、側断面視にて鋭角な形状を有する突起物や導電性微粒子を付着させたりすることによっても実現可能である。また、前記開口部20の形状は、当該開口部20の内壁面が双曲面状(特に開口部20の内縁部分における側断面視上端部と下端部とがともに鋭角となるような双曲面状)に形成されることによっても実現可能である。
(vii)本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態・実施例や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能な、いかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態に係る電子放出素子を一部省略して示す断面図である。 前記電子放出素子の要部を拡大して示す断面図である。 第1電極とエミッタ部との間のギャップ形成により第1電極−第2電極間の電界が受ける影響について説明するための等価回路図である。 第1電極とエミッタ部との間のギャップ形成により第1電極−第2電極間の電界が受ける影響について説明するための等価回路図である。 前記電子放出素子に適用される駆動電圧の波形を示す図である。 前記電子放出素子の動作説明のための模式図である。 前記電子放出素子の動作説明のための模式図である。 誘電体材料のQ−Vヒステリシスを示す図である。
10…電子放出素子、 11…基板、 12…エミッタ部、
12a…表面、 12b…裏面、 14…第1電極、
16…第2電極、 20…開口部、 26…庇部、
28…ギャップ

Claims (4)

  1. 機械的品質係数の値が100を超える誘電体材料の薄層からなるエミッタ部と、
    そのエミッタ部の表面側に設けられた第1電極と、
    前記エミッタ部の前記表面側、又は前記表面とは反対側の裏面側に設けられた第2電極と、
    を備えたことを特徴とする電子放出素子。
  2. 請求項1に記載の電子放出素子であって、
    前記第1電極の縁部と、前記エミッタ部の前記表面との間にギャップが形成されていることを特徴とする電子放出素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子放出素子において、
    前記エミッタ部の前記裏面側に配置されていて当該エミッタ部を支持する基体をさらに備え、
    前記エミッタ部は前記基体の表面上に固着して設けられたことを特徴とする電子放出素子。
  4. 請求項3に記載の電子放出素子であって、
    前記第2電極は、前記基体の前記表面上に固着して設けられ、
    前記エミッタ部は、前記第2電極上に固着して設けられていることを特徴とする電子放出素子。
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