JP2002154872A - 圧電磁器組成物及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子 - Google Patents
圧電磁器組成物及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子Info
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】無鉛で、結晶粒径が小さく、機械的質係数Ｑｍ
が大きく、しかも周波数定数が大きい圧電磁器組成物を
提供する。 【解決手段】以下(A)〜(C)のいずれかの圧電磁器組成物
とする。 (A)(1-v)[(Li1-yNay)zNbO3]・v[Bi1/2Na1/2TiO3]（但
し、0.001≦v≦0.2、0.80≦y≦0.97、0.98≦z≦1）で表
される組成物、(B)(1-v-x)[(Li1-yNay)zNbO3]・xLMnO3
・v[Bi1/2Na1/2TiO3]（但し、0.001≦v≦0.2、0.80≦y
≦0.97、0.98≦z≦1、0.001≦x≦0.05、LはY、Er、Ho、
Tm、Lu及びYbからなる群から選ばれる少なくとも１種の
金属元素）で表される組成物、(C)上記の(A)と(B)のい
ずれかの組成物に、Mn、Cr、Coから選ばれる少なくとも
１種を、MnO2、Cr2O3、CoOに換算して、0.01〜1質量％
の範囲内となるように添加した組成物。
が大きく、しかも周波数定数が大きい圧電磁器組成物を
提供する。 【解決手段】以下(A)〜(C)のいずれかの圧電磁器組成物
とする。 (A)(1-v)[(Li1-yNay)zNbO3]・v[Bi1/2Na1/2TiO3]（但
し、0.001≦v≦0.2、0.80≦y≦0.97、0.98≦z≦1）で表
される組成物、(B)(1-v-x)[(Li1-yNay)zNbO3]・xLMnO3
・v[Bi1/2Na1/2TiO3]（但し、0.001≦v≦0.2、0.80≦y
≦0.97、0.98≦z≦1、0.001≦x≦0.05、LはY、Er、Ho、
Tm、Lu及びYbからなる群から選ばれる少なくとも１種の
金属元素）で表される組成物、(C)上記の(A)と(B)のい
ずれかの組成物に、Mn、Cr、Coから選ばれる少なくとも
１種を、MnO2、Cr2O3、CoOに換算して、0.01〜1質量％
の範囲内となるように添加した組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックフ
ィルタ、圧電セラミック発振子、アクチュエータ、各種
センサ等の圧電素子の材料として有用な圧電磁器組成物
及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子に関する。
ィルタ、圧電セラミック発振子、アクチュエータ、各種
センサ等の圧電素子の材料として有用な圧電磁器組成物
及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、圧電セラミック材料としてＰｂＴ
ｉＯ3を主成分とする、いわゆるチタン酸鉛系セラミッ
クス、Ｐｂ(Ｔｉ，Ｚｒ)Ｏ3を主成分とする、いわゆる
チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス、又は様々な複合
ペロブスカイト組成物、例えばＰｂ(Ｍｇ1/3Ｎｂ2/3)Ｏ
3、Ｐｂ(Ｎｉ1/3Ｎｂ2/3)Ｏ3等を何種類か固溶する多成
分系圧電磁器組成物が使われてきた。これらの組成物で
は成分の組成比を選ぶことにより用途に応じた様々な特
性の圧電磁器を得ることができる。これらの圧電セラミ
ックスは、セラミック発振子、セラミックフィルタ、圧
電ブザー、圧電点火栓、超音波振動子等に用いられてい
る。
ｉＯ3を主成分とする、いわゆるチタン酸鉛系セラミッ
クス、Ｐｂ(Ｔｉ，Ｚｒ)Ｏ3を主成分とする、いわゆる
チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス、又は様々な複合
ペロブスカイト組成物、例えばＰｂ(Ｍｇ1/3Ｎｂ2/3)Ｏ
3、Ｐｂ(Ｎｉ1/3Ｎｂ2/3)Ｏ3等を何種類か固溶する多成
分系圧電磁器組成物が使われてきた。これらの組成物で
は成分の組成比を選ぶことにより用途に応じた様々な特
性の圧電磁器を得ることができる。これらの圧電セラミ
ックスは、セラミック発振子、セラミックフィルタ、圧
電ブザー、圧電点火栓、超音波振動子等に用いられてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のチタン
酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスは、周波数定数が２
０００Ｈｚ・ｍ程度と小さいため、１０ＭＨｚ程度以上
の厚み縦振動の共振子では、素子の厚みが０．２ｍｍ以
下になり、加工が困難であった。
酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスは、周波数定数が２
０００Ｈｚ・ｍ程度と小さいため、１０ＭＨｚ程度以上
の厚み縦振動の共振子では、素子の厚みが０．２ｍｍ以
下になり、加工が困難であった。
【０００４】また、上記の従来の材料は主成分として多
量の鉛を含んでいるため、環境保護の観点から問題があ
った。
量の鉛を含んでいるため、環境保護の観点から問題があ
った。
【０００５】更に、従来の材料は結晶粒径が大きいた
め、高周波の発振子等に使用することは困難であった。
め、高周波の発振子等に使用することは困難であった。
【０００６】また、圧電セラミックスには、機械的質係
数Ｑｍ（以下、「機械的Ｑ」という。）が大きいことが
望まれている。機械的Ｑは、振動における共振の先鋭度
を表す係数で、この値が大きいほど共振曲線が鋭くな
る。
数Ｑｍ（以下、「機械的Ｑ」という。）が大きいことが
望まれている。機械的Ｑは、振動における共振の先鋭度
を表す係数で、この値が大きいほど共振曲線が鋭くな
る。
【０００７】そこで、本発明は前記従来の問題を解決す
るため、通常の焼成方法で製造が容易で、鉛を含まず、
結合係数及び周波数定数が大きく、かつ結晶粒径が小さ
く、同時に機械的Ｑが大きい圧電磁器組成物及びそれを
用いた圧電素子と圧電共振子を提供することを目的とす
る。
るため、通常の焼成方法で製造が容易で、鉛を含まず、
結合係数及び周波数定数が大きく、かつ結晶粒径が小さ
く、同時に機械的Ｑが大きい圧電磁器組成物及びそれを
用いた圧電素子と圧電共振子を提供することを目的とす
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の第１の圧電磁器組成物は、一般式：（１−ｖ）
［（Ｌｉ1-yＮａy）zＮｂＯ3］・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2Ｔ
ｉＯ3］で表されることを特徴とする圧電磁器組成物で
ある。但し、０．００１≦ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦
０．９７、０．９８≦ｚ≦１である。
本発明の第１の圧電磁器組成物は、一般式：（１−ｖ）
［（Ｌｉ1-yＮａy）zＮｂＯ3］・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2Ｔ
ｉＯ3］で表されることを特徴とする圧電磁器組成物で
ある。但し、０．００１≦ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦
０．９７、０．９８≦ｚ≦１である。
【０００９】また、本発明の第２の圧電磁器組成物は、
一般式：（１−ｖ−ｘ）［（Ｌｉ1- yＮａy）zＮｂＯ3］
・ｘＬＭｎＯ3・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2ＴｉＯ3］で表され
ることを特徴とする圧電磁器組成物である。但し、０．
００１≦ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦０．９７、０．９
８≦ｚ≦１、０．００１≦ｘ≦０．０５、ＬはＹ、Ｅ
ｒ、Ｈｏ、Ｔｍ、Ｌｕ及びＹｂからなる群から選ばれる
少なくとも１種の金属元素である。
一般式：（１−ｖ−ｘ）［（Ｌｉ1- yＮａy）zＮｂＯ3］
・ｘＬＭｎＯ3・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2ＴｉＯ3］で表され
ることを特徴とする圧電磁器組成物である。但し、０．
００１≦ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦０．９７、０．９
８≦ｚ≦１、０．００１≦ｘ≦０．０５、ＬはＹ、Ｅ
ｒ、Ｈｏ、Ｔｍ、Ｌｕ及びＹｂからなる群から選ばれる
少なくとも１種の金属元素である。
【００１０】また、本発明の第３の圧電磁器組成物は、
上記第１又は第２の本発明の圧電磁器組成物に、Ｍｎ、
Ｃｒ及びＣｏからなる群から選ばれる少なくとも１種
を、それぞれＭｎＯ2、Ｃｒ2Ｏ3、ＣｏＯに換算して、
０．０１〜１質量％の範囲内で添加したことを特徴とす
る。
上記第１又は第２の本発明の圧電磁器組成物に、Ｍｎ、
Ｃｒ及びＣｏからなる群から選ばれる少なくとも１種
を、それぞれＭｎＯ2、Ｃｒ2Ｏ3、ＣｏＯに換算して、
０．０１〜１質量％の範囲内で添加したことを特徴とす
る。
【００１１】また、本発明の圧電素子は、上記第１〜第
３のいずれかの圧電磁器組成物を用いたことを特徴とす
る。
３のいずれかの圧電磁器組成物を用いたことを特徴とす
る。
【００１２】また、本発明の圧電共振子は、上記第１〜
第３のいずれかの圧電磁器組成物を用いた圧電素子と容
量素子よりなることを特徴とする。
第３のいずれかの圧電磁器組成物を用いた圧電素子と容
量素子よりなることを特徴とする。
【００１３】ここで、ｖの範囲を０．００１〜０．２と
したのは、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。機械的Ｑは、発振子等の用途で
は挿入損失を少なくするために大きいことが好ましい。
ｖは０．０２以上で０．１以下の範囲内が特に好まし
い。
したのは、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。機械的Ｑは、発振子等の用途で
は挿入損失を少なくするために大きいことが好ましい。
ｖは０．０２以上で０．１以下の範囲内が特に好まし
い。
【００１４】また、ｙの範囲を０．８０〜０．９７とし
たのは、この範囲外では焼結性が劣るためである。ｙは
０．８３以上で０．９３以下の範囲内が特に好ましい。
たのは、この範囲外では焼結性が劣るためである。ｙは
０．８３以上で０．９３以下の範囲内が特に好ましい。
【００１５】更に、ｚの範囲を０．９８〜１としたの
は、ｚが０．９８未満では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。
は、ｚが０．９８未満では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。
【００１６】また、ｘの範囲を０．００１〜０．０５と
したのは、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。ｘは０．００５以上で０．０３
以下の範囲内が特に好ましい。
したのは、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に
得られないからである。ｘは０．００５以上で０．０３
以下の範囲内が特に好ましい。
【００１７】また、Ｍｎ、Ｃｒ及びＣｏの少なくとも一
種の添加量をＭｎＯ2、Ｃｒ2Ｏ3又はＣｏＯに換算し
て、０．０１〜１質量％の範囲内としたのは、上記と同
様、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に得られ
ないからである。これらの添加量は、上記と同様に換算
して０．１質量％以上で０．５質量％以下の範囲内が特
に好ましい。
種の添加量をＭｎＯ2、Ｃｒ2Ｏ3又はＣｏＯに換算し
て、０．０１〜１質量％の範囲内としたのは、上記と同
様、この範囲外では機械的Ｑの改善効果が十分に得られ
ないからである。これらの添加量は、上記と同様に換算
して０．１質量％以上で０．５質量％以下の範囲内が特
に好ましい。
【００１８】また、上記Ｌは、Ｙ、Ｅｒ及びＹｂからな
る群から選ばれる少なくとも１種の元素が更に好まし
い。
る群から選ばれる少なくとも１種の元素が更に好まし
い。
【００１９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電磁器組成物の
実施の形態を説明する。
実施の形態を説明する。
【００２０】本発明の圧電磁器組成物を作製するため
に、原料としてＬｉ2ＣＯ3、Ｎａ2ＣＯ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｙ
2Ｏ3、Ｅｒ2Ｏ3、Ｈｏ2Ｏ3、Ｔｍ2Ｏ3、Ｌｕ2Ｏ3、Ｙｂ
2Ｏ3、Ｂｉ2Ｏ3、ＴｉＯ2、ＣｏＯ、Ｃｒ2Ｏ3及びＭｎ3
Ｏ4を準備し、これらから適宜選択した原料からなる粉
体を表１に示す組成比となるように秤量した。次いで、
秤量した原料粉体をボールミルを用いてエタノールとと
もに２０時間混合し、１２０℃で１５時間乾燥させた
後、１０００℃で２時間仮焼した。得られた仮焼体を粗
粉砕した後、ボールミルを用いてエタノールとともに１
５時間粉砕した。１２０℃で１５時間乾燥後、有機バイ
ンダーを加えて造粒した後、粉体を直径１３ｍｍ、厚さ
１ｍｍの円板状の圧粉体に７０ＭＰａで加圧成形した。
これを１０００〜１２５０℃の温度で１時間焼成した。
焼成後、各組成で最大の密度の磁器を厚さ０．３５ｍｍ
に研磨した後、その両面にＣｒ−Ａｕの蒸着を施して電
極を形成した。この素子を１５０℃のシリコンオイル中
で、両電極間に４ｋＶ／ｍｍの直流電界を３０分間印加
して分極処理を行なった。
に、原料としてＬｉ2ＣＯ3、Ｎａ2ＣＯ3、Ｎｂ2Ｏ5、Ｙ
2Ｏ3、Ｅｒ2Ｏ3、Ｈｏ2Ｏ3、Ｔｍ2Ｏ3、Ｌｕ2Ｏ3、Ｙｂ
2Ｏ3、Ｂｉ2Ｏ3、ＴｉＯ2、ＣｏＯ、Ｃｒ2Ｏ3及びＭｎ3
Ｏ4を準備し、これらから適宜選択した原料からなる粉
体を表１に示す組成比となるように秤量した。次いで、
秤量した原料粉体をボールミルを用いてエタノールとと
もに２０時間混合し、１２０℃で１５時間乾燥させた
後、１０００℃で２時間仮焼した。得られた仮焼体を粗
粉砕した後、ボールミルを用いてエタノールとともに１
５時間粉砕した。１２０℃で１５時間乾燥後、有機バイ
ンダーを加えて造粒した後、粉体を直径１３ｍｍ、厚さ
１ｍｍの円板状の圧粉体に７０ＭＰａで加圧成形した。
これを１０００〜１２５０℃の温度で１時間焼成した。
焼成後、各組成で最大の密度の磁器を厚さ０．３５ｍｍ
に研磨した後、その両面にＣｒ−Ａｕの蒸着を施して電
極を形成した。この素子を１５０℃のシリコンオイル中
で、両電極間に４ｋＶ／ｍｍの直流電界を３０分間印加
して分極処理を行なった。
【００２１】以上の工程により作製した圧電磁器組成物
について、平均結晶粒径、誘電率、厚み縦振動の電気機
械結合係数ｋｔ、機械的Ｑを測定した。その測定結果を
表１に示す。なお、表中の係数（ｚ、ｙ、ｖ、ｘ）及び
元素Ｌは、下記組成式に従う。 （１−ｖ）［（Ｌｉ1-yＮａy）zＮｂＯ3］・ｖ［Ｂｉ
1/2Ｎａ1/2ＴｉＯ3］、又は（１−ｖ−ｘ）［（Ｌｉ1-y
Ｎａy）zＮｂＯ3］・ｘＬＭｎＯ3・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2
ＴｉＯ3］ また、表中の添加物の欄の質量％は、組成物全体に占め
る添加物の含有量である。
について、平均結晶粒径、誘電率、厚み縦振動の電気機
械結合係数ｋｔ、機械的Ｑを測定した。その測定結果を
表１に示す。なお、表中の係数（ｚ、ｙ、ｖ、ｘ）及び
元素Ｌは、下記組成式に従う。 （１−ｖ）［（Ｌｉ1-yＮａy）zＮｂＯ3］・ｖ［Ｂｉ
1/2Ｎａ1/2ＴｉＯ3］、又は（１−ｖ−ｘ）［（Ｌｉ1-y
Ｎａy）zＮｂＯ3］・ｘＬＭｎＯ3・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2
ＴｉＯ3］ また、表中の添加物の欄の質量％は、組成物全体に占め
る添加物の含有量である。
【００２２】また、表１において、＊印を付した試料１
は、本発明の範囲外である比較例として製造した圧電磁
器組成物である。
は、本発明の範囲外である比較例として製造した圧電磁
器組成物である。
【００２３】
【表１】 結晶 結合 試料 組 成 添加物 粒径 係数 機械的番号 z y v L x 質量％ μm 誘電率 kt Ｑ 1* 0.99 0.88 - - 46 116 0.32 290 2 0.99 0.88 0.001 - - 13 109 0.32 340 3 0.99 0.88 0.005 - - 6.5 119 0.33 380 4 0.99 0.88 0.02 - - 4.5 186 0.34 420 5 0.99 0.88 0.05 - - 2.5 228 0.37 450 6 0.99 0.88 0.1 - - 2.1 213 0.35 610 7 0.99 0.88 0.2 - - 0.9 280 0.33 520 8 0.99 0.88 0.1 Y 0.001 1.6 192 0.36 740 9 0.99 0.88 0.1 Y 0.005 1.2 208 0.38 1050 10 0.99 0.88 0.1 Y 0.02 1.0 221 0.40 1100 11 0.99 0.88 0.1 Y 0.05 1.1 246 0.36 630 12 0.99 0.88 0.1 Er 0.01 1.0 223 0.40 870 13 0.99 0.88 0.1 Er 0.02 0.8 241 0.43 930 14 0.99 0.88 0.1 Ho 0.01 1.7 214 0.38 890 15 0.99 0.88 0.1 Ho 0.02 1.2 257 0.46 1110 16 0.99 0.88 0.1 Tm 0.01 1.6 222 0.43 1420 17 0.99 0.88 0.1 Lu 0.01 1.5 235 0.37 850 18 0.99 0.88 0.1 Yb 0.02 1.0 231 0.46 1030 19 1.00 0.88 0.05 - - 2.4 209 0.33 430 20 0.98 0.88 0.05 - - 2.1 212 0.35 520 21 0.99 0.88 0.1 - - 0.2MnO2 0.9 215 0.34 1150 22 0.99 0.88 0.1 - - 0.2Cr2O3 1.3 224 0.36 850 23 0.99 0.88 0.1 - - 0.2CoO 1.7 237 0.40 890 24 0.99 0.88 0.05 Y 0.02 0.2MnO2 1.1 171 0.41 1430 25 0.99 0.88 0.05 Er 0.02 0.2Cr2O3 1.0 232 0.41 1280 26 0.99 0.88 0.05 Yb 0.02 0.2CoO 1.4 263 0.40 1320 また、上記試料のすべてで、厚み縦振動の周波数定数Ｎ
ｔは２７００〜３２００Ｈｚ・ｍの範囲内にあった。こ
れは、従来のチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
の値の約１．５倍に相当する。
ｔは２７００〜３２００Ｈｚ・ｍの範囲内にあった。こ
れは、従来のチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
の値の約１．５倍に相当する。
【００２４】表１から明らかなように、比較例（試料
１）を除く試料２〜２６では、平均結晶粒径が１３μｍ
以下であり、且つ機械的Ｑが３４０以上である圧電磁器
組成物が得られた。また、第２の発明に含まれるＬＭｎ
Ｏ3の成分を含む試料８〜１８では、更に結晶粒径が小
さく、機械的Ｑが大きい。更に、上記に加えて添加物と
して、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｃｏの元素を含有する試料２１〜２
６では、更に結晶粒径が小さく、機械的Ｑが大きい。こ
のように、本発明によれば機械的Ｑが大きく、結晶粒径
の小さい圧電磁器組成物を提供ができる。
１）を除く試料２〜２６では、平均結晶粒径が１３μｍ
以下であり、且つ機械的Ｑが３４０以上である圧電磁器
組成物が得られた。また、第２の発明に含まれるＬＭｎ
Ｏ3の成分を含む試料８〜１８では、更に結晶粒径が小
さく、機械的Ｑが大きい。更に、上記に加えて添加物と
して、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｃｏの元素を含有する試料２１〜２
６では、更に結晶粒径が小さく、機械的Ｑが大きい。こ
のように、本発明によれば機械的Ｑが大きく、結晶粒径
の小さい圧電磁器組成物を提供ができる。
【００２５】なお、本発明の圧電磁器組成物は、上記の
実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載した数値範囲、元素であれば、上記と同様、有用な効
果が得られる。
実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記
載した数値範囲、元素であれば、上記と同様、有用な効
果が得られる。
【００２６】上記本発明の圧電磁器組成物から分極電極
を取り除いた後、更に図１のようなエネルギー閉じ込め
型の共振子となるようにＣｒ−Ａｕ電極を形成した。図
１において、圧電素子１は、圧電セラミックス２と電極
３とから構成されている。これにより、高周波用の圧電
素子を提供することができる。
を取り除いた後、更に図１のようなエネルギー閉じ込め
型の共振子となるようにＣｒ−Ａｕ電極を形成した。図
１において、圧電素子１は、圧電セラミックス２と電極
３とから構成されている。これにより、高周波用の圧電
素子を提供することができる。
【００２７】また、この圧電素子にチタン酸バリウム磁
器よりなる容量素子を主として銀粉末とエポキシ樹脂よ
りなる導電性接着剤で接続した。これにより、圧電素子
と容量素子よりなる図２に示す圧電共振子を提供するこ
とができる。図２において、圧電共振子４は、圧電セラ
ミックス２、電極３、容量素子５及び導電性接着剤６か
ら構成されている。ここで、容量素子の容量の温度変化
率を変えると圧電共振子の温度特性を制御できる。な
お、本発明の圧電素子と圧電共振子は、厚み縦振動モー
ドに限定されるものではなく、厚みすべりモードも含ま
れる。
器よりなる容量素子を主として銀粉末とエポキシ樹脂よ
りなる導電性接着剤で接続した。これにより、圧電素子
と容量素子よりなる図２に示す圧電共振子を提供するこ
とができる。図２において、圧電共振子４は、圧電セラ
ミックス２、電極３、容量素子５及び導電性接着剤６か
ら構成されている。ここで、容量素子の容量の温度変化
率を変えると圧電共振子の温度特性を制御できる。な
お、本発明の圧電素子と圧電共振子は、厚み縦振動モー
ドに限定されるものではなく、厚みすべりモードも含ま
れる。
【００２８】本発明の圧電磁器組成物は、機械的Ｑが大
きく、結晶粒径が小さいため、低損失の高周波用共振子
に特に適している。周波数定数も従来のチタン酸ジルコ
ン酸鉛系圧電磁器組成物の約１．５倍程度にも達する程
度に大きいため、同じ周波数の厚み縦振動の共振子で
は、その厚みが従来の約１．５倍になる。このため、高
周波帯域での応用については特に有用な効果が得られ
る。また、本発明の圧電磁器組成物は、結合係数が大き
いため、加速度センサ等の各種センサー、アクチュエー
タ等に特に好適である。更に、本発明の圧電磁器組成物
は、鉛を含まないため、環境保護の観点からも好まし
い。
きく、結晶粒径が小さいため、低損失の高周波用共振子
に特に適している。周波数定数も従来のチタン酸ジルコ
ン酸鉛系圧電磁器組成物の約１．５倍程度にも達する程
度に大きいため、同じ周波数の厚み縦振動の共振子で
は、その厚みが従来の約１．５倍になる。このため、高
周波帯域での応用については特に有用な効果が得られ
る。また、本発明の圧電磁器組成物は、結合係数が大き
いため、加速度センサ等の各種センサー、アクチュエー
タ等に特に好適である。更に、本発明の圧電磁器組成物
は、鉛を含まないため、環境保護の観点からも好まし
い。
【００２９】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無鉛であって、製造が容易であり、微小結晶粒径であ
り、機械的Ｑが大きく、周波数定数が大きい圧電磁器組
成物及び圧電素子と圧電共振子を提供することができ、
その工業的価値は大である。
無鉛であって、製造が容易であり、微小結晶粒径であ
り、機械的Ｑが大きく、周波数定数が大きい圧電磁器組
成物及び圧電素子と圧電共振子を提供することができ、
その工業的価値は大である。
【図１】本発明の圧電素子の平面図である。
【図２】本発明の圧電共振子の断面図である。
１ 圧電素子 ２ 圧電セラミックス ３ 電極 ４ 圧電共振子 ５ 容量素子 ６ 導電性接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 4G031 AA01 AA07 AA08 AA11 AA14 AA16 AA19 AA22 AA35 BA10 GA02
Claims (5)
- 【請求項１】 一般式：（１−ｖ）［（Ｌｉ1-yＮａy）
zＮｂＯ3］・ｖ［Ｂｉ 1/2Ｎａ1/2ＴｉＯ3］で表される
ことを特徴とする圧電磁器組成物。但し、０．００１≦
ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦０．９７、０．９８≦ｚ≦
１である。 - 【請求項２】 一般式：（１−ｖ−ｘ）［（Ｌｉ1-yＮ
ａy）zＮｂＯ3］・ｘＬＭｎＯ3・ｖ［Ｂｉ1/2Ｎａ1/2Ｔ
ｉＯ3］で表されることを特徴とする圧電磁器組成物。
但し、０．００１≦ｖ≦０．２、０．８０≦ｙ≦０．９
７、０．９８≦ｚ≦１、０．００１≦ｘ≦０．０５、Ｌ
はＹ、Ｅｒ、Ｈｏ、Ｔｍ、Ｌｕ及びＹｂからなる群から
選ばれる少なくとも１種の金属元素である。 - 【請求項３】 Ｍｎ、Ｃｒ及びＣｏからなる群から選ば
れる少なくとも１種を、それぞれＭｎＯ2、Ｃｒ2Ｏ3、
ＣｏＯに換算して、０．０１〜１質量％の範囲内で添加
したことを特徴とする請求項１又は２のいずれかに記載
の圧電磁器組成物。 - 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載の圧電磁
器組成物を用いた圧電素子。 - 【請求項５】 請求項１〜３のいずれかに記載の圧電磁
器組成物を用いた圧電素子と容量素子よりなる圧電共振
子。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000348445A JP2002154872A (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 圧電磁器組成物及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子 |
| US10/008,890 US6514427B2 (en) | 1999-10-18 | 2001-11-13 | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric element containing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000348445A JP2002154872A (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 圧電磁器組成物及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002154872A true JP2002154872A (ja) | 2002-05-28 |
Family
ID=18822037
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000348445A Pending JP2002154872A (ja) | 1999-10-18 | 2000-11-15 | 圧電磁器組成物及びそれを用いた圧電素子と圧電共振子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002154872A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7101491B2 (en) | 2002-07-16 | 2006-09-05 | Denso Corporation | Piezoelectric ceramic composition and method of production of same, piezoelectric element, and dielectric element |
| WO2006117952A1 (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Murata Manufacturing Co., Ltd | 圧電体磁器組成物、及び圧電セラミック電子部品 |
| EP1737011A3 (en) * | 2005-06-23 | 2009-08-05 | Ngk Insulators, Ltd. | Electron emitter |
-
2000
- 2000-11-15 JP JP2000348445A patent/JP2002154872A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7101491B2 (en) | 2002-07-16 | 2006-09-05 | Denso Corporation | Piezoelectric ceramic composition and method of production of same, piezoelectric element, and dielectric element |
| WO2006117952A1 (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Murata Manufacturing Co., Ltd | 圧電体磁器組成物、及び圧電セラミック電子部品 |
| KR100905886B1 (ko) * | 2005-04-28 | 2009-07-03 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 압전체 자기 조성물, 및 압전 세라믹 전자부품 |
| US7754095B2 (en) | 2005-04-28 | 2010-07-13 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric ceramic electronic component |
| US7910016B2 (en) | 2005-04-28 | 2011-03-22 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Piezoelectric ceramic composition and piezoelectric ceramic electronic component |
| EP1737011A3 (en) * | 2005-06-23 | 2009-08-05 | Ngk Insulators, Ltd. | Electron emitter |
| US7723909B2 (en) | 2005-06-23 | 2010-05-25 | Ngk Insulators, Ltd. | Electron emitter formed of a dielectric material characterized by having high mechanical quality factor |
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