JP3114886B2 - 圧電セラミックス - Google Patents
圧電セラミックスInfo
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Description
利用する高周波用圧電素子として用いたときに、共振周
波数の温度係数が小さく、機械的Q値が高いという優れ
た物性を示す新規な圧電セラミックスに関するものであ
る。
子、セラミックスフィルター、セラミックス共振子、超
音波振動素子、焦電素子などとして広く利用されてお
り、その用途はますます拡大されつつあるが、これとと
もにその要求特性も多岐にわたって厳しくなってきてい
る。
につれて圧電特性のみならず誘電特性の優れた材料が要
望されている。例えば表面弾性波素子用材料としては電
気機械結合係数が大きい、表面波速度(又は遅延時間)
の温度係数が小さい、さらに10MHz以上の高周波で
使用するために誘電率が小さいなどの特性を備えた材料
が要望されている。
は、これまでLiNbO3単結晶、LiTaO3単結
晶、ZnO薄膜、圧電セラミックスなどが知られている
が、これらの中で、圧電セラミックスコストの点で有利
であり、しかも組成を変えることによって種々の異なっ
た特性のものとすることができる。この中でも特に圧電
特性及び温度特性の優れているPZT系材料がこれまで
精力的に開発されてきた。
タン酸鉛を主体とし、これにMn、Cr、Co、Feな
どの金属の酸化物を添加したり、あるいは
良したものが知られている。しかし、これらのものは一
般に温度特性をよくすると誘電率が高くなる傾向がある
ため、高周波用圧電素子としては不適当である。そのた
め、表面波素子としてはPZT系材料の中より小さな誘
電率をもつ組成系について、種々研究されているが、こ
れまで実効誘電率350以下のものを得ることができ
ず、従来のPZT系材料においては、これを高周波で用
いる場合、入出力インピーダンスが低下して外部回路と
の間にインピーダンスの不整合を生じたり、あるいは入
出力間で容量的に結合して出力波形にリップルを生じる
などの欠点を伴うのを免れない。
同時に含有させたチタン酸鉛系材料も高周波用圧電素子
として提案されているが、このものはPZT系材料に比
べて誘電率が低く、圧電特性も良好であるものの、焼結
性が劣り大型磁器とすることが困難な上に、分極条件が
きびしく、大量生産に際し歩留りを高くしにくいという
欠点がある。
克服した、低誘電率、高Qmt値のものとして、チタン
酸鉛、チタン酸ビスマス及びチタン酸カルシウムを基本
構成成分とし、かつチタンがマンガン又はニオブで置換
されたものが提案されている(特開昭60−19105
5号公報)。しかし、このものは厚み縦振動の3倍波を
用いる高周波用共振子として利用する場合、共振周波数
の温度係数(TCF)が小さく、機械的Q値が高いとい
うこの材料固有のすぐれた物性を発揮することができな
いという欠点がある。
材料として知られているチタン酸鉛、チタン酸ビスマス
及びチタン酸カルシウムを基本構成成分とする圧電セラ
ミックスについて、厚み縦振動の3倍波を利用する高周
波用圧電素子として用いた場合においても、その本来の
特性である共振用周波数の温度係数が小さく、機械的Q
値が高いという物性が十分に発揮される新規な圧電セラ
ミックスを提供することを目的としてなされたものであ
る。
鉛、チタン酸ビスマス及びチタン酸カルシウムを基本構
成成分とする圧電セラミックスにおいて、チタン酸鉛の
一部をストロンチウム又はバリウムあるいはその両方で
置換すると同時に、チタンの一部をマンガン又はニオブ
あるいはその両方で置換することにより、その目的を達
成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をな
すに至った。
も1種の金属、xは0.95〜1.02の範囲の数、a
は0.01〜0.30の範囲の数、b及びcはそれぞれ
0.01〜0.25の範囲の数であって、0.02≦a
+b+c≦0.35である)で表わされる基本組成にお
いて、TiがMn0.5〜5原子%又はNb0.5〜5
原子%あるいはその両方で置換されている組成物から成
る圧電セラミックスを提供するものである。
(I)で表わされる、チタン酸鉛、チタン酸ビスマス、
チタン酸カルシウム及びチタン酸ストロンチウム又はチ
タン酸バリウムあるいはその両方を基本構成成分とする
組成物から成っている。この組成物におけるチタン酸ビ
スマスの全組成物に対する含有モル比aは0.01〜
0.30の範囲にあることが必要である。これが0.0
1未満になるとセラミックスの焼結性が低下し、素体の
変形が著しくなるし、また0.30を超えると粒界に異
相が析出して圧電特性がそこなわれる。次に、チタン酸
ストロンチウム及びチタン酸バリウムの含有モル比b
は、0.01〜0.25の範囲にあることが必要で、こ
れが0.01未満になると機械的Q値の改善が不十分に
なるし、またこれが0.25よりも多くなると圧電特性
が劣化する。さらに、チタン酸カルシウムの含有モル比
cについては、0.01〜0.25の範囲にあることが
必要で、これが0.01未満では圧電特性及び温度特性
がともに低下するに、また0.25を超えると誘電率が
300以上となって高周波用として使用できなくなる。
本発明においては、このチタン酸カルシウムの含有モル
比cが0.10以下の場合に、特にすぐれた圧電特性が
得られる。
は通常1であるが、原料中のPb供給成分の量の多少や
焼成条件の差異により、ある程度変動する場合がある。
しかし、本発明においては、Pbの原子比xが0.95
〜1.02の範囲であれば十分にその目的を達成するこ
とができる。もし、これが0.95未満になると圧電特
性が劣化するし、1.02を超えると焼結性が低下し
て、圧電セラミックスとしては不適当なものとなる。な
お、このxは1よりも小さい方が劣化傾向が少なくな
る。
n又はNbあるいはその両方で置換されていることが必
要である。この置換の割合は、それぞれについて0.5
〜5原子%の範囲で選ばれる。この割合が0.5原子%
未満では、分極中に絶縁破壊を生じやすいし、また5原
子%を超えると焼結性が低下する上に、電気抵抗が低下
して分極不能になり、いずれも圧電素子として使用でき
なくなる。このMnとNbの置換割合はいずれも単独の
ものについてのものであり、MnとNbの両方で置換さ
れる場合の合計量の上限は、それぞれの上限値の和すな
わち10原子%となる。
ミックスを製造する際に慣用されている方法によって製
造することができる。すなわち、Pb、Ti、Bi、C
a、Sr、Ba、Mn及びNbを酸化物又は焼成により
酸化物に変わりうる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、
シュウ酸塩、硝酸塩の形で、所定の割合で配合し、ボー
ルミルなどを用いて十分に粉砕混合したのち、この混合
物を700〜900℃の温度において仮焼する。次い
で、この仮焼物を粉砕し、水及びバインダーを加えて混
練後、0.5〜2ton/cm2の圧力を加えて所要形
状に加圧成形したのち、1150〜1250℃の温度に
おいて2〜4時間焼結する。この焼結は大気中で行うこ
ともできるが、酸素雰囲気中で、ホットプレス又は熱間
静水圧プレスしながら行うと、よりち密な焼結体を得る
ことができる。
説明する。なお、各例中における圧電特性は以下の方法
により求めたものである。
クスを作成し、この円板の両面に銀電極を焼き付け80
〜120℃、40〜60kv/cmの条件で分極処理を
行う。次いで両面を研摩して0.5〜0.6mmの厚さ
とし、その両面に銅電極を取り付けて試料を製造した。
この試料についてI.R.Eの標準回路の方法にしたが
って、厚み方向の電気機械結合係数(Kt)及び機械的
品質係数(Qmt)を測定した。
範囲で、常法により厚み方向の共振周波数の温度係数
(TCF)を測定した。
O3、SrCO3又はBaCO3、MnO2及びNb2
O5の各粉末を用い、これらの粉末の最終組成に対応す
る計算量を秤取し、ボールミルを用いて十分に混合した
のち、900℃で2時間仮焼し、得られた仮焼物をボー
ルミルで粉砕した。次いで、バインダーとしてポリビニ
ルアルコールを少量添加し、2ton/cm2の圧力で
所定の形状に加圧成形したのち、この成形体を1150
〜1220℃の範囲の温度で3時間焼結し、圧電セラミ
ックスを製造した。このようにして得た圧電セラミック
スの厚み縦振動の3倍波の共振特性を測定し、その結果
を表1に示す。
rのモル比0.10とBaのモル比0.05のものが得
られるように、原料の使用量を変える以外は全く実施例
8と同じ操作を繰り返し、圧電セラミックスを製造し
た。このようにして得た圧電セラミックスの各特性を測
定し、その結果を表1に示す。
CO3、MnO2及びNb2O5の各粉末を用い、実施
例1と同様にして圧電セラミックスを製造した。このよ
うにして得た圧電セラミックスの各特性を測定し、その
結果を表1に示す。
3を用いること以外は、比較例1と同様にして、圧電セ
ラミックスを製造した。このようにして得た圧電セラミ
ックスの各特性を測定し、その結果を表1に示す。
にわたって、電気機械結合係数と機械的品質係数が高
く、かつ共振周波数の温度係数が小さいという長所を有
し、厚み縦振動の3倍波を利用する高周波用圧電素子と
して、広範な用途に供することができる。さらに、この
ような圧電特性、誘電特性及び温度特性を維持しなが
ら、比較的広い組成範囲にわたって良好な焼結を行うこ
とができ、ち密なものとすることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のMeはSr及びBaの中から選ばれた少なくと
も1種の金属、xは0.95〜1.02の範囲の数、a
は0.01〜0.30の範囲の数、b及びcはそれぞれ
0.01〜0.25の範囲の数であって、0.02≦a
+b+c≦0.35である)で表わされる基本組成にお
いて、TiがMn0.5〜5原子%又はNb0.5〜5
原子%あるいはその両方で置換されている組成物から成
る圧電セラミックス。 - 【請求項2】 一般式中のcが0.02〜0.10であ
る請求項1記載の圧電セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03238914A JP3114886B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 圧電セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03238914A JP3114886B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 圧電セラミックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558724A JPH0558724A (ja) | 1993-03-09 |
JP3114886B2 true JP3114886B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=17037152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03238914A Expired - Lifetime JP3114886B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 圧電セラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3114886B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719718U (ja) * | 1993-09-10 | 1995-04-07 | 日本システム株式会社 | 観光望遠鏡 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2619825B2 (ja) * | 1995-05-08 | 1997-06-11 | ライオン株式会社 | 歯ブラシ |
JP6110973B1 (ja) * | 2015-10-02 | 2017-04-05 | 日新製鋼株式会社 | 金属屋根材及び屋根葺き方法 |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP03238914A patent/JP3114886B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0719718U (ja) * | 1993-09-10 | 1995-04-07 | 日本システム株式会社 | 観光望遠鏡 |
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JPH0558724A (ja) | 1993-03-09 |
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