JP3184296B2 - 強誘電体冷陰極 - Google Patents

強誘電体冷陰極

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JP3184296B2 JP13322892A JP13322892A JP3184296B2 JP 3184296 B2 JP3184296 B2 JP 3184296B2 JP 13322892 A JP13322892 A JP 13322892A JP 13322892 A JP13322892 A JP 13322892A JP 3184296 B2 JP3184296 B2 JP 3184296B2
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達男 伊藤
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Panasonic Holdings Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/306Ferroelectric cathodes

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビームを放出する強
誘電体冷陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の電子ビームを放出する強誘
電体冷陰極であり、例えばH.Gundel等によって
報告されたものである。(ジャーナル オブ アプライ
ド フィジックス 69(2),Pp975’91)4
1は第1の電極、42は強誘電体、43は第2の櫛形電
極である。
【0003】以上のように構成された従来の強誘電体冷
陰極に於いて、第1の電極41と第2の櫛形電極43の
間に交番電界を印加すると強誘電体42内部に印加され
た電界を打ち消すような向きに分極が生じ、この分極が
印加交番電界の変化に伴って反転する際に第2の櫛形電
極43の近傍に存在する電子をクーロン力により弾き飛
ばし電子放出を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、第2の櫛形電極43の近傍に存在する電
子の供給減は、周囲の電離したガスや第2の櫛形電極4
3から浸みだした電子と考えられているが、不明確であ
り制御も難しいので電子放出特性の安定した実用的な電
子放出源としては使えないという問題点を有していた。
更に、飛び出した電子の一部は第2の櫛形電極43に吸
収されてしまい電子放出の効率が落ちるという問題点も
有していた。
【0005】本発明はかかる点に鑑み、実用的な電子放
出源としての強誘電体冷陰極を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、強誘電体
と、前記強誘電体の一方の面に形成された第1の電極
と、前記強誘電体の他方の面に形成された櫛型構造をし
た第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極間に
交番電界を印加する手段とを有すると共に、前記強誘電
体の前記第2の電極が形成された側の表面層とその他の
部分の抵抗率が異なっている事を特徴とした強誘電体冷
陰極である。
【0007】第2の発明は、強誘電体と、前記強誘電体
の一方の面に形成された第1の電極と、前記強誘電体の
他方の面に形成された櫛型構造をした第2の電極と、前
記第1の電極と前記第2の電極間に交番電界を印加する
手段と、前記第1の電極と前記第2の電極間に間欠的に
前記強誘電体の絶縁破壊電圧以上の電圧を印加する手段
とを有する事を特徴とした強誘電体冷陰極である。
【0008】第3の発明は、強誘電体と、前記強誘電体
の一方の面に形成された第1の電極と、前記強誘電体の
他方の面に形成された櫛型構造をした第2の電極と、前
記第1の電極と前記第2の電極間に交番電界を印加する
手段とを有するとともに、前記第2の電極を分割し、
割した電極間に電位差を与えることを特徴とした強誘電
体冷陰極である。
【0009】第4の発明は、強誘電体と、前記強誘電体
の一方の面に形成された第1の電極と、前記強誘電体の
他方の面に形成された櫛型構造をした第2の電極と、前
記第1の電極と前記第2の電極間に交番電界を印加する
手段と、前記第2の電極表面を覆うように形成された絶
縁膜と、前記絶縁膜上に形成されかつその電位が前記第
2の電極のそれよりも低い第3の電極とを有してなるこ
とを特徴とする強誘電体冷陰極である
【0010】
【作用】本発明の第1の作用は強誘電体表面層近傍の抵
抗率を制御することにより、電極から強誘電体への電子
供給量を制御すると共に、電極の極性が反転したときに
浸みだした電子が電極に戻る時間を分極反転の時間より
も長くすることにより安定な電子放出を行う。
【0011】本発明の第2の作用は電極間に間欠的に強
誘電体の絶縁破壊電圧以上の電圧を印加することによ
り、強誘電体中に電流を流し印加電圧が絶縁破壊電圧よ
りも低くなったときに強誘電体内に残った電子を電子供
給源として利用するものである。
【0012】本発明の第3の作用は強誘電体の一方の面
に設けられた櫛形構造をした電極を分割し電極間に電位
差を与えることにより強誘電体表面上で沿面放電を生じ
させ電圧が低くなったときに表面に残った電子を電子供
給源として利用するものである。
【0013】本発明の第4の作用は強誘電体から飛び出
した電子よりも電極の電位を低くすることにより電子が
電極に吸収されることを防止するものである。
【0014】
【実施例】(実施例1) 図1は本発明の第1の実施例に於ける強誘電体冷陰極の
構成図を示すものである。1は第1の電極であり例えば
強誘電体2にスパッタ等により成膜されている。2は強
誘電体であり例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3、
PLZT( (Pb,La)(Zr,Ti)O3)Bat
IO3等である。強誘電体2内部には不純物(例えばS
b,Mo,Ta,Nb,V,W等)を導入したり、結晶
成長中の温度や圧力等の条件を変えることにより、結晶
欠陥が生じている。3は第2の電極であり、櫛形構造に
なっており、接地されている。4は絶縁膜であり酸化シ
リコン等の膜である。5は絶縁膜4上に設けられた第3
の電極であり、接地電位よりも低い電位になっている。
【0015】以上のように構成された第1の実施例の強
誘電体冷陰極について、以下その動作を説明する。第1
の電極1に交番電界を印加する第1の電極1が正極性に
なった時に第2の電極3から強誘電体2の結晶欠陥を通
じて電子が強誘電体2の表面に供給される。供給された
電子は強誘電体2の分極により、表面近傍にトラップさ
れる。次に第1の電極1が負極性になるとトラップされ
ていた電子は第2の電極3に戻ろうとするが電子の移動
よりも速く強誘電体2の分極が反転し表面近傍にトラッ
プされていた電子がクーロン力により弾き飛ばされ、電
子放出が行われる。第2の電極3は絶縁膜4に覆われて
おり、絶縁膜4上には接地電位よりも低い電位を持つ第
3の電極5があるので放出電子は第2の電極3および第
3の電極5に吸収されることなく飛び出すことになるの
で電流量を多くすることができる。交番電界が正負反転
する毎に上記のサイクルが行われ、安定した電子放出が
行われることになる。
【0016】以上のように第1の実施例によれば、結晶
欠陥を導入した強誘電体を用いることにより安定した電
子放出源としての強誘電体冷陰極を得ることができる。
更に第3の電極を接地電位よりも負電位にすることによ
り、放出する電流量を多くすることができる。なお、上
記実施例に於いて強誘電体に結晶欠陥を導入して表面層
の抵抗率を制御する代わりに強誘電体2の表面にセシウ
ム等の仕事関数の低い物質を島状に成膜することによ
り、強誘電体表面層の抵抗率を制御すると共に、電子放
出量を多くする事ができる。
【0017】(実施例2) 図2は本発明の第2の実施例に於ける強誘電体冷陰極の
構成を示す図である。21は第1の電極であり、22は
強誘電体であり実施例1に述べたものと同様の材料から
なる。23は第2の電極であり、1μmラインアンドス
ペースの櫛形電極構造になっている。上記のように構成
された強誘電体冷陰極について、以下その動作を説明す
る。まず、第1の電極21と第2の電極23の間に強誘
電体22の絶縁破壊電圧以上の電圧、即ち電界強度にし
て10MV/cm程度を印加すると強誘電体22中を電流
が流れる。次に電圧を下げていくと強誘電体22は再び
絶縁物となり、この時、強誘電体22内部に存在する電
子はトラップされる。次に第1の電極21と第2の電極
23間に交番電界を印加すると強誘電体内部にトラップ
されていた余剰電子は強誘電体22の分極の効果により
放出される。以上のように第1の電極21と第2の電極
23間に交番電界に加えて間欠的に絶縁破壊電圧以上の
電圧を印加する事により、効果的に強誘電体22に電子
を供給することができる。
【0018】(実施例3) 以下本発明の第3の実施例について図面を参照しなが
ら、説明する。
【0019】図3に於いて31は第1の電極であり、3
2は強誘電体であり実施例1に述べたものと同様の材料
からなる。33a,33bは第2の電極であり、電極3
3bは接地されている。
【0020】上記のように構成された強誘電体冷陰極に
ついて、以下その動作を説明する。まず、第1の電極3
1と第2の電極33a間に電界を印加すると強誘電体3
2中に分極が生じるがこの時第2の電極33aと同33
b間には沿面放電が生じ強誘電体32表面を電流が流れ
る。次に第2の電極33aの電位が接地電位に近づくと
沿面放電は消滅しこの際、強誘電体32表面に電子がト
ラップされる。次に逆極性の電圧を第1の電極31と第
2の電極33aの間に印加すると強誘電体32内部の分
極が逆転し表面にトラップされていた電子はクーロン力
により弾き飛ばされ、電子放出が生じる。
【0021】以上のように第2の電極を分割し双方の電
位を異ならせることにより、強誘電体表面に電子供給を
行い、安定した特性の強誘電体冷陰極を得ることができ
る。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の発明によれ
ば、表面層の抵抗率を制御した強誘電体を電極でサンド
イッチ構造にすることにより、安定した電子放出特性の
強誘電体冷陰極を得ることができる。
【0023】また、本発明の第2の発明によれば、強誘
電体中にリーク電流を流して電子を供給することによ
り、安定した電子放出特性の強誘電体冷陰極を得ること
ができる。
【0024】また、本発明の第3の発明によれば、強誘
電体表面だけに沿面放電を生じさせるので、強誘電体に
ダメージを与えることなく電子を供給することができ
る。
【0025】また、本発明の第4の発明によれば、強誘
電体表面から放出された電子が電極に吸収されることな
く出てくるので、電流量を多く取れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に於ける強誘電体冷陰極
の構成図
【図2】本発明の第2の実施例に於ける強誘電体冷陰極
の構成図
【図3】本発明の第3の実施例に於ける強誘電体冷陰極
の構成図
【図4】従来の強誘電体冷陰極の構成図
【符号の説明】
1 第1の電極 2 強誘電体 3 第2の電極 4 絶縁膜 5 第3の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−312738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/312

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体と、前記強誘電体の一方の面に
    形成された第1の電極と、前記強誘電体の他方の面に形
    成された櫛型構造をした第2の電極と、前記第1の電極
    と前記第2の電極間に交番電界を印加する手段とを有す
    ると共に、前記強誘電体の前記第2の電極が形成された
    側の表面層とその他の部分の抵抗率が異なっている事を
    特徴とする強誘電体冷陰極。
  2. 【請求項2】 強誘電体と、前記強誘電体の一方の面に
    形成された第1の電極と、前記強誘電体の他方の面に形
    成された櫛型構造をした第2の電極と、前記第1の電極
    と前記第2の電極間に交番電界を印加する手段と、前記
    第1の電極と前記第2の電極間に間欠的に前記強誘電体
    の絶縁破壊電圧以上の電圧を印加する手段とを有する事
    を特徴とする強誘電体冷陰極。
  3. 【請求項3】 強誘電体と、前記強誘電体の一方の面に
    形成された第1の電極と、前記強誘電体の他方の面に形
    成された櫛型構造をした第2の電極と、前記第1の電極
    と前記第2の電極間に交番電界を印加する手段とを有す
    るとともに、前記第2の電極を分割し、分割した電極間
    に電位差を与えることを特徴とする強誘電体冷陰極。
  4. 【請求項4】 強誘電体と、前記強誘電体の一方の面に
    形成された第1の電極と、前記強誘電体の他方の面に形
    成された櫛型構造をした第2の電極と、前記第1の電極
    と前記第2の電極間に交番電界を印加する手段と、前記
    第2の電極表面を覆うように形成された絶縁膜と、前記
    絶縁膜上に形成されかつその電位が前記第2の電極のそ
    れよりも低い第3の電極とを有してなる強誘電体冷陰
    極。
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