JPH07118463B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents
プラズマcvd装置Info
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- JPH07118463B2 JPH07118463B2 JP454588A JP454588A JPH07118463B2 JP H07118463 B2 JPH07118463 B2 JP H07118463B2 JP 454588 A JP454588 A JP 454588A JP 454588 A JP454588 A JP 454588A JP H07118463 B2 JPH07118463 B2 JP H07118463B2
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- discharge
- electrode
- reaction vessel
- electric field
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、太陽電池,燃料電池,薄膜半導体,電子写真
感光体及び光センサなどの各種電子デバイスに使用され
る大面積薄膜の製造に適したプラズマCVD装置に関する
ものである。
感光体及び光センサなどの各種電子デバイスに使用され
る大面積薄膜の製造に適したプラズマCVD装置に関する
ものである。
[従来の技術] 第12図は従来より用いられている大面積薄膜製造装置の
構成を示す断面図であり、その技術的手段は例えば特願
昭61−106314号等に掲載されているように公知の技術で
ある。図中1は反応容器であり、この中にはグロー放電
プラズマを発生させるための電極2,3が平行に配置され
ている。4は低周波電源であり、例えば60Hzの商用周波
数の電力を上記電極2,3に供給するものとなっている。
なお上記低周波電源4としては直流や高周波数の電源で
あってもよい。コイル5は上記反応容器1を囲繞する如
く巻装されており、交流電源6から交流電力を供給され
る。7は反応ガス導入管であり、図示しないボンベに連
通し、モノシランとアルゴンの混合ガスを上記反応容器
1に供給するものである。排気孔8は、真空ポンプ9に
連通しており、反応容器1内のガスを排気するものであ
る。
構成を示す断面図であり、その技術的手段は例えば特願
昭61−106314号等に掲載されているように公知の技術で
ある。図中1は反応容器であり、この中にはグロー放電
プラズマを発生させるための電極2,3が平行に配置され
ている。4は低周波電源であり、例えば60Hzの商用周波
数の電力を上記電極2,3に供給するものとなっている。
なお上記低周波電源4としては直流や高周波数の電源で
あってもよい。コイル5は上記反応容器1を囲繞する如
く巻装されており、交流電源6から交流電力を供給され
る。7は反応ガス導入管であり、図示しないボンベに連
通し、モノシランとアルゴンの混合ガスを上記反応容器
1に供給するものである。排気孔8は、真空ポンプ9に
連通しており、反応容器1内のガスを排気するものであ
る。
さて、薄膜製造に際しては基板10を図示のように電極2,
3の面と直交する姿勢で、かつ電極2,3が形成する放電空
間の外側に適宜な手段で支持する。そして真空ポンプ9
を駆動して反応容器1内の排気を行なった後、反応ガス
導入管7からモノシランとアルゴンの混合ガスを供給す
る。
3の面と直交する姿勢で、かつ電極2,3が形成する放電空
間の外側に適宜な手段で支持する。そして真空ポンプ9
を駆動して反応容器1内の排気を行なった後、反応ガス
導入管7からモノシランとアルゴンの混合ガスを供給す
る。
反応容器1内に充満させた混合ガスの圧力を0.05ないし
0.5Torrに保ち、低周波電源4から電極2,3に電圧を印加
すると、グロー放電プラズマが発生する。一方、コイル
5には例えば100Hzの交流電圧を印加し、電極2,3間に発
生する電界Eと直交する方向の磁界Bを発生させる。こ
の磁界における磁束密度は10ガウス程度で良い。
0.5Torrに保ち、低周波電源4から電極2,3に電圧を印加
すると、グロー放電プラズマが発生する。一方、コイル
5には例えば100Hzの交流電圧を印加し、電極2,3間に発
生する電界Eと直交する方向の磁界Bを発生させる。こ
の磁界における磁束密度は10ガウス程度で良い。
反応ガス導入管7から供給されたガスのうちモノシラン
ガスは、電極2,3の間に生じるグロー放電プラズマによ
ってラジカルSiに分解され、基板10の表面に付着して薄
膜を形成する。このとき、アルゴンイオンなどの荷電粒
子は、電極2,3間で電界Eによるクーロン力F1=qEと、
ローレンツ力F2=q(V・B)とによっていわゆるE・
Bドリフト運動を起こす。尚Vは荷電粒子の速度であ
る。
ガスは、電極2,3の間に生じるグロー放電プラズマによ
ってラジカルSiに分解され、基板10の表面に付着して薄
膜を形成する。このとき、アルゴンイオンなどの荷電粒
子は、電極2,3間で電界Eによるクーロン力F1=qEと、
ローレンツ力F2=q(V・B)とによっていわゆるE・
Bドリフト運動を起こす。尚Vは荷電粒子の速度であ
る。
かくして荷電粒子はE・Bドリフトにより初速を与えら
れた状態で、電極2,3と直交する方向に飛び出し、基板1
0に向けて飛んでいく。しかし電極2,3間に生じる電界の
影響が小さい放電空間では、コイル6により生じた磁界
Bによるサイクロトロン運動により、Larmor軌道を描い
て飛んでいく。従ってアルゴイオンなどの荷電粒子が基
板10を直撃することは少ない。
れた状態で、電極2,3と直交する方向に飛び出し、基板1
0に向けて飛んでいく。しかし電極2,3間に生じる電界の
影響が小さい放電空間では、コイル6により生じた磁界
Bによるサイクロトロン運動により、Larmor軌道を描い
て飛んでいく。従ってアルゴイオンなどの荷電粒子が基
板10を直撃することは少ない。
一方、電気的に中性であるラジカルSiは磁界Bの影響を
受けず、上記荷電粒子群の軌道からそれて基板10に至
り、その表面に非晶質薄膜を形成する。この時、ラジカ
ルSiはLarmor軌道を飛んでゆく荷電粒子と衝突するた
め、電極2,3の前方だけでなく、左あるいは右に広がっ
た形で非晶質薄膜が形成される。しかも磁界Bを交流電
源6により変動させているので、基板10の表面に非晶質
薄膜を均一に形成することが可能となる。なお電極2,3
の長さは、反応容器1の長さの許す限り長くしても何等
問題がないので、基板10が長尺ものであっても、その表
面に均一な非晶質薄膜を形成することが可能となる。
受けず、上記荷電粒子群の軌道からそれて基板10に至
り、その表面に非晶質薄膜を形成する。この時、ラジカ
ルSiはLarmor軌道を飛んでゆく荷電粒子と衝突するた
め、電極2,3の前方だけでなく、左あるいは右に広がっ
た形で非晶質薄膜が形成される。しかも磁界Bを交流電
源6により変動させているので、基板10の表面に非晶質
薄膜を均一に形成することが可能となる。なお電極2,3
の長さは、反応容器1の長さの許す限り長くしても何等
問題がないので、基板10が長尺ものであっても、その表
面に均一な非晶質薄膜を形成することが可能となる。
[発明が解決しようとする課題] 上記の従来の装置では、グロー放電プラズマを発生させ
る電極間の放電電界Eと直交する方向に磁界Bを発生さ
せることにより、大面積の成膜を容易に可能としてい
る。しかしながら次のような問題がある。
る電極間の放電電界Eと直交する方向に磁界Bを発生さ
せることにより、大面積の成膜を容易に可能としてい
る。しかしながら次のような問題がある。
大面積の成膜を行なう場合、電極として長尺のものを
用いる必要がある。長尺の電極を用いて安定したプラズ
マを発生させるには、その電源の周波数は可能な限り低
い方が容易であるため、数10Hz〜数100kHzの電源が用い
られている。
用いる必要がある。長尺の電極を用いて安定したプラズ
マを発生させるには、その電源の周波数は可能な限り低
い方が容易であるため、数10Hz〜数100kHzの電源が用い
られている。
しかし周波数が低くなり半周期の間のイオン移動距離が
電極間隔を越えるような条件の下では、直流放電の場合
と同様に、プラズマを維持するためにイオン衝突によっ
て陰極より放出された二次電子が本質的な役割を担うこ
とになる。そのため電極に巻が付着して絶縁されると、
その部分では放電が起こらないようになる。従ってこの
場合は電極表面を常にクリーンに保つ必要がある。その
ため電極を頻繁に交換したり、あるいは電極を頻繁に掃
除したり等の繁雑な作業が必要であり、コスト高の要因
の一つとなっている。
電極間隔を越えるような条件の下では、直流放電の場合
と同様に、プラズマを維持するためにイオン衝突によっ
て陰極より放出された二次電子が本質的な役割を担うこ
とになる。そのため電極に巻が付着して絶縁されると、
その部分では放電が起こらないようになる。従ってこの
場合は電極表面を常にクリーンに保つ必要がある。その
ため電極を頻繁に交換したり、あるいは電極を頻繁に掃
除したり等の繁雑な作業が必要であり、コスト高の要因
の一つとなっている。
上記欠点を補うために、プラズマ発生電源に例えば
13.56MHzの高周波電源を用いると、放電維持に対する電
極放出二次電子は本質的なものでなくなり、電極上に膜
等の絶縁物が存在していても、電極間にはグロー放電が
形成される。しかしながら長尺の電極を用いる場合は、
高周波による表皮効果により電流の大部分が表面(約0.
01mm)を流れることになるため、電気抵抗が増加するこ
とになる。例えば電極の長さが約1m以上になると、電極
上に電位分布が現われて一様なプラズマが発生しなくな
る。すなわち分布定数回路で考えると、第13図に示す様
になる。すなわち電極の単位長さ当りの抵抗Rが放電部
分のインピーダンスZ1,Z2…,Znに比べて無視できないほ
ど大きくなってくると、電極内に電位分布が現われる。
なおxは電極の長さ方向の距離を示している。従って高
周波電源を用いる場合は、大面積の成膜を行なうことは
非常に困難であり、実際上これまでは実現できなかっ
た。
13.56MHzの高周波電源を用いると、放電維持に対する電
極放出二次電子は本質的なものでなくなり、電極上に膜
等の絶縁物が存在していても、電極間にはグロー放電が
形成される。しかしながら長尺の電極を用いる場合は、
高周波による表皮効果により電流の大部分が表面(約0.
01mm)を流れることになるため、電気抵抗が増加するこ
とになる。例えば電極の長さが約1m以上になると、電極
上に電位分布が現われて一様なプラズマが発生しなくな
る。すなわち分布定数回路で考えると、第13図に示す様
になる。すなわち電極の単位長さ当りの抵抗Rが放電部
分のインピーダンスZ1,Z2…,Znに比べて無視できないほ
ど大きくなってくると、電極内に電位分布が現われる。
なおxは電極の長さ方向の距離を示している。従って高
周波電源を用いる場合は、大面積の成膜を行なうことは
非常に困難であり、実際上これまでは実現できなかっ
た。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決し目的を達成するために次のよ
うな手段を講じた。すなわち、反応容器と、この反応容
器内に反応ガスを減圧して導入する手段と、上記反応容
器内に相対して収容された一対の放電用電極と、この放
電用電極にグロー放電用電圧を供給する電源と、上記放
電用電極を囲繞し当該放電用電極間に発生した電界と直
交する向きの磁界を発生させるコイルと、このコイルに
磁界発生用の電流を供給する交流電源とを有し、上記放
電電界空間外に当該電界と平行に支持した基板へ非晶質
薄膜を形成するものにおいて、上記一対の放電用電極の
夫々を、断面が円形又は楕円形の複数本の柱状体を並べ
て形成するようにした。
うな手段を講じた。すなわち、反応容器と、この反応容
器内に反応ガスを減圧して導入する手段と、上記反応容
器内に相対して収容された一対の放電用電極と、この放
電用電極にグロー放電用電圧を供給する電源と、上記放
電用電極を囲繞し当該放電用電極間に発生した電界と直
交する向きの磁界を発生させるコイルと、このコイルに
磁界発生用の電流を供給する交流電源とを有し、上記放
電電界空間外に当該電界と平行に支持した基板へ非晶質
薄膜を形成するものにおいて、上記一対の放電用電極の
夫々を、断面が円形又は楕円形の複数本の柱状体を並べ
て形成するようにした。
[作用] 上段手段を講じたことにより次のような作用を呈する。
すなわち放電用電極のそれぞれを、断面が円形または楕
円形の複数本の柱状体を並べて形成したので、従来の平
行平板電極に比べてその表面積が数倍程度広くなり、か
つ対向電極間の静電容量が著しく小さくなり、放電イン
ピーダンスが増大する。その結果、電圧効果が著しく小
さくなり、電圧分布がなくなり、平行平板電極に比べて
数倍程度の長さを有する電極を用い得、大面積の非晶質
薄膜を製造可能となる。
すなわち放電用電極のそれぞれを、断面が円形または楕
円形の複数本の柱状体を並べて形成したので、従来の平
行平板電極に比べてその表面積が数倍程度広くなり、か
つ対向電極間の静電容量が著しく小さくなり、放電イン
ピーダンスが増大する。その結果、電圧効果が著しく小
さくなり、電圧分布がなくなり、平行平板電極に比べて
数倍程度の長さを有する電極を用い得、大面積の非晶質
薄膜を製造可能となる。
[実施例] (1)第1図は本発明の第1実施例の構成を示す断面図
である。なお第12図と同一部分には同一番号を付してあ
る。1は反応容器で、その中にはグロー放電プラズマを
発生させるためのメッシュ電極12,13が平行に配置され
ている。電極12及び13は第2図の様に円柱を並べた平行
メッシュ状の電極を、第3図のように2段に重ね合せて
形成されている。この場合、一方の面から見て円柱部材
が互いに重なり合わない状態に配置されている。14は高
周波電源であり、例えば13.56MHzの周波数の電源を上記
メッシュ電極12,13に供給する如く接続されている。コ
イル5は上記反応容器1を囲繞する如く巻装されてお
り、交流電源6から交流電力を供給される。7は反応ガ
ス導入管であり、図示しないボンベに連通し、モノシラ
ンとアルゴンの混合ガスを上記反応容器1に供給するも
のである。排気孔8は真空ポンプ9に連通しており、反
応容器1内のガスを排気するものである。
である。なお第12図と同一部分には同一番号を付してあ
る。1は反応容器で、その中にはグロー放電プラズマを
発生させるためのメッシュ電極12,13が平行に配置され
ている。電極12及び13は第2図の様に円柱を並べた平行
メッシュ状の電極を、第3図のように2段に重ね合せて
形成されている。この場合、一方の面から見て円柱部材
が互いに重なり合わない状態に配置されている。14は高
周波電源であり、例えば13.56MHzの周波数の電源を上記
メッシュ電極12,13に供給する如く接続されている。コ
イル5は上記反応容器1を囲繞する如く巻装されてお
り、交流電源6から交流電力を供給される。7は反応ガ
ス導入管であり、図示しないボンベに連通し、モノシラ
ンとアルゴンの混合ガスを上記反応容器1に供給するも
のである。排気孔8は真空ポンプ9に連通しており、反
応容器1内のガスを排気するものである。
さて薄膜製造に際しては、基板10を第4図に示すよう
に、メッシュ電極12,13の面と平行な姿勢に適宜な手段
で支持する。そして真空ポンプ9を駆動して反応容器1
内の排気を行なった後、反応ガス導入管からモノシラン
とアルゴンの混合ガスを供給する。上記混合ガスを反応
容器1内に充満させてその圧力を0.05乃至0.5Torrに保
ち、高周波電源14から電極12,13に電圧を印加すると、
メッシュ電極12,13間にグロー放電プラズマが発生す
る。一方、コイル5には例えば100Hzの交流電圧を印加
し、電極12,13間に発生する電界Eと平行な方向の磁界
Bを発生させる。この磁界における磁束密度は10ガウス
程度で良い。
に、メッシュ電極12,13の面と平行な姿勢に適宜な手段
で支持する。そして真空ポンプ9を駆動して反応容器1
内の排気を行なった後、反応ガス導入管からモノシラン
とアルゴンの混合ガスを供給する。上記混合ガスを反応
容器1内に充満させてその圧力を0.05乃至0.5Torrに保
ち、高周波電源14から電極12,13に電圧を印加すると、
メッシュ電極12,13間にグロー放電プラズマが発生す
る。一方、コイル5には例えば100Hzの交流電圧を印加
し、電極12,13間に発生する電界Eと平行な方向の磁界
Bを発生させる。この磁界における磁束密度は10ガウス
程度で良い。
反応ガス導入管7から供給されたガスのうちモノシラン
ガスは、メッシュ電極12,13の間に生じるグロー放電プ
ラズマにより、ラジカルSiに分解され、基板10の表面に
付着して薄膜を形成する。このとき、アルゴンイオンな
どの荷電粒子は、メッシュ電極12,13間で電界Eによる
クーロン力F1=qEと、ローレンツ力F2=q(V・B)と
によって、いわゆるE×Bドリフト運動を起こす。な
お、Vは荷電粒子の速度である。かくして荷電粒子はE
×Bドリフトにより、メッシュ電極12,13と平行な方向
に移動し、反応ガスを攪拌する働きをする。メッシュ電
極12,13間に生じる電界の影響が小さい放電空間の外側
では、コイル5により生じた電界Bによるサイクロトロ
ン運動によりLarmor軌道を描いて飛んでいく。従ってア
ルゴンイオンなどの荷電粒子が基板10を直撃することは
少ない。
ガスは、メッシュ電極12,13の間に生じるグロー放電プ
ラズマにより、ラジカルSiに分解され、基板10の表面に
付着して薄膜を形成する。このとき、アルゴンイオンな
どの荷電粒子は、メッシュ電極12,13間で電界Eによる
クーロン力F1=qEと、ローレンツ力F2=q(V・B)と
によって、いわゆるE×Bドリフト運動を起こす。な
お、Vは荷電粒子の速度である。かくして荷電粒子はE
×Bドリフトにより、メッシュ電極12,13と平行な方向
に移動し、反応ガスを攪拌する働きをする。メッシュ電
極12,13間に生じる電界の影響が小さい放電空間の外側
では、コイル5により生じた電界Bによるサイクロトロ
ン運動によりLarmor軌道を描いて飛んでいく。従ってア
ルゴンイオンなどの荷電粒子が基板10を直撃することは
少ない。
一方、電気的に中性であるラジカルSiは磁界Bの影響を
受けず、上記荷電粒子群の軌道よりそれて基板10に至
り、その表面に非晶質膜を形成する。この時ラジカルSi
はLarmor軌道を飛んで行く荷電粒子と衝突するため、電
極12,13の前方だけでなく、左あるいは右に広がった形
で非晶質薄膜が形成される。しかも磁界Bを変動させて
いるので、基板10の表面には非晶質薄膜を均一に形成さ
せることが可能となる。
受けず、上記荷電粒子群の軌道よりそれて基板10に至
り、その表面に非晶質膜を形成する。この時ラジカルSi
はLarmor軌道を飛んで行く荷電粒子と衝突するため、電
極12,13の前方だけでなく、左あるいは右に広がった形
で非晶質薄膜が形成される。しかも磁界Bを変動させて
いるので、基板10の表面には非晶質薄膜を均一に形成さ
せることが可能となる。
このように本実施例によれば、プラズマ発生電源に高周
波例えば1MHz乃至50MHzの電源を用い、電極として第2
図に示すような円柱を並べた平行メッシュ状の電極を第
3図のように重ねて用いている。したがって平行平板電
極に比べて表面積が約3.14倍だけ広くなり、かつ静電容
量が著しく小さくなり、第13図に示した放電インピーダ
ンスZが大きくなる。その結果電圧降下が著しく小さく
なり、電圧分布がなくなり、平行平板電極に比べて約3
倍の長さの電極を用いることができ、大面積の非晶質薄
膜を製造可能となる。
波例えば1MHz乃至50MHzの電源を用い、電極として第2
図に示すような円柱を並べた平行メッシュ状の電極を第
3図のように重ねて用いている。したがって平行平板電
極に比べて表面積が約3.14倍だけ広くなり、かつ静電容
量が著しく小さくなり、第13図に示した放電インピーダ
ンスZが大きくなる。その結果電圧降下が著しく小さく
なり、電圧分布がなくなり、平行平板電極に比べて約3
倍の長さの電極を用いることができ、大面積の非晶質薄
膜を製造可能となる。
(2)第5図は本発明の第2実施例の構成を示す断面図
である。なお第1図に示す第1実施例と同一部分には同
一符号を付し、説明は省略する。本実施例が前記第1実
施例と異なる点は、電極として第6図にその詳細を示す
ように、第1実施例と同様の円柱を2列に並べたメッシ
ュ状の電極22,23を基板10に対して直角に並べて設けた
点である。かくして本実施例においては平行平板電極に
比べて2段の電極22,23を側面から見て重ならないよう
ギリギリの状態とした場合、 表面積が約3.14倍広くなり、かつ静電容量が著しく小さ
くなり、第13図に示した放電インピーダンスZが大きく
なる。従って第1実施例と同様に従来の平行平板電極に
比べて電圧降下が著しく小さくなり、電圧分布がなくな
り、平行平板電極に比べると約3倍の長さの電極を用い
ることができ、大面積の非晶質薄膜を製造できる。
である。なお第1図に示す第1実施例と同一部分には同
一符号を付し、説明は省略する。本実施例が前記第1実
施例と異なる点は、電極として第6図にその詳細を示す
ように、第1実施例と同様の円柱を2列に並べたメッシ
ュ状の電極22,23を基板10に対して直角に並べて設けた
点である。かくして本実施例においては平行平板電極に
比べて2段の電極22,23を側面から見て重ならないよう
ギリギリの状態とした場合、 表面積が約3.14倍広くなり、かつ静電容量が著しく小さ
くなり、第13図に示した放電インピーダンスZが大きく
なる。従って第1実施例と同様に従来の平行平板電極に
比べて電圧降下が著しく小さくなり、電圧分布がなくな
り、平行平板電極に比べると約3倍の長さの電極を用い
ることができ、大面積の非晶質薄膜を製造できる。
(3)第7図は本発明の第3実施例の構成を示す断面図
である。本実施例が前記第1実施例と異なる点は、電極
として、電気抵抗が小さくかつ対向電極間の静電容量の
小さい構造、すなわち第8図及び第9図に示す構造の電
極を、基板10に対して平行に配設した点である。第8図
に示すように電極32は電力供給板30aで一端で連結さ
れ、絶縁支持台31a,31bにて支持された構造となってお
り、電極33は電力供給板30bで一端を連結され他端部位
を絶縁支持台31a,31bで支持された構造となっている。
なお第9図は第8図の断面図である。なお電極32,33は
いずれも断面が円形をなす棒状体からなっている。
である。本実施例が前記第1実施例と異なる点は、電極
として、電気抵抗が小さくかつ対向電極間の静電容量の
小さい構造、すなわち第8図及び第9図に示す構造の電
極を、基板10に対して平行に配設した点である。第8図
に示すように電極32は電力供給板30aで一端で連結さ
れ、絶縁支持台31a,31bにて支持された構造となってお
り、電極33は電力供給板30bで一端を連結され他端部位
を絶縁支持台31a,31bで支持された構造となっている。
なお第9図は第8図の断面図である。なお電極32,33は
いずれも断面が円形をなす棒状体からなっている。
本実施例においては、電極32,33の長さ方向の電気抵抗
が放電インピーダンスに比べて著しく小さいので、従来
の手段に比べて基板10が長尺なものであってもその表面
に均一な非晶質薄膜を形成することが可能となる。
が放電インピーダンスに比べて著しく小さいので、従来
の手段に比べて基板10が長尺なものであってもその表面
に均一な非晶質薄膜を形成することが可能となる。
(4)第10図は本発明の第4実施例を示す断面図であ
る。本実施例が前記第1実施例と異なる点は、電極とし
て従来の平行平板電極に代えて、電気抵抗が小さくかつ
対向電極間の静電容量の小さい電極42,43を用いた点で
ある。上記電極42,43は第11図に示すように、円形断面
あるいは楕円断面を有する複数個の棒状電極を基板10に
対して平行かつ当間隔に配置し、相隣り合う電極間で放
電させるものとなっている。Sはサイクロトロン運動、
DはE×Bドリフト運動を示す。なお円形断面を有する
電極の表面積は、平行平板電極に比べると、静電容量が
同じ場合には、約3.14倍広いので、高周波電力の電気抵
抗は約3倍少なくなり、電極内に現われる電位分布が著
しく低減される。したがって本実施例においても前記第
1実施例と同様の作用効果を奏し得る。
る。本実施例が前記第1実施例と異なる点は、電極とし
て従来の平行平板電極に代えて、電気抵抗が小さくかつ
対向電極間の静電容量の小さい電極42,43を用いた点で
ある。上記電極42,43は第11図に示すように、円形断面
あるいは楕円断面を有する複数個の棒状電極を基板10に
対して平行かつ当間隔に配置し、相隣り合う電極間で放
電させるものとなっている。Sはサイクロトロン運動、
DはE×Bドリフト運動を示す。なお円形断面を有する
電極の表面積は、平行平板電極に比べると、静電容量が
同じ場合には、約3.14倍広いので、高周波電力の電気抵
抗は約3倍少なくなり、電極内に現われる電位分布が著
しく低減される。したがって本実施例においても前記第
1実施例と同様の作用効果を奏し得る。
なお本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であ
るのは勿論である。
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であ
るのは勿論である。
[発明の効果] 本発明によれば、放電用電極のそれぞれを、断面円形ま
たは楕円形の複数本の柱状体を並べて形成したので、従
来の平行平板電極に比べてその表面積が数倍程度広くな
り、かつ対向電極間の静電容量が著しく小さくなり、ほ
うでniインピーダンスが増大する。その結果、電圧降下
が著しく小さくなり、電圧分布がなくなり、平行平板電
極に比べて数倍程度の長さを有する電極を用い得、大面
積の非晶質薄膜を製造できるプラズマCVD装置を提供で
きる。
たは楕円形の複数本の柱状体を並べて形成したので、従
来の平行平板電極に比べてその表面積が数倍程度広くな
り、かつ対向電極間の静電容量が著しく小さくなり、ほ
うでniインピーダンスが増大する。その結果、電圧降下
が著しく小さくなり、電圧分布がなくなり、平行平板電
極に比べて数倍程度の長さを有する電極を用い得、大面
積の非晶質薄膜を製造できるプラズマCVD装置を提供で
きる。
第1図〜第4図は本発明に係る第1実施例を示す図で、
第1図は装置の断面図、第2図は電極の平面図、第3図
は第2図のIII−III矢視断面図、第4図は第1図の電極
部拡大図である。第5図は本発明の第2実施例を示す装
置の断面図、第6図は同実施例の電極部拡大図である。
第7図は本発明の第3実施例を示す装置の断面図、第8
図は同実施例の電極の斜視図、第9図は同実施例の電極
部拡大図である。第10図は本発明の第4実施例を示す装
置の断面図、第11図は同実施例の電極部拡大図である。
第12図は従来例を示す装置の断面図、第13図は同従来例
の欠点を説明するための図である。 1……反応容器、2,3……電極、4……低周波電源、5
……コイル、6……交流電源、7……反応ガス導入管、
8……排気孔、9……真空ポンプ、10……基板、12,13,
22,23,32,33,42,43……放電用電極、14……高周波電
源。
第1図は装置の断面図、第2図は電極の平面図、第3図
は第2図のIII−III矢視断面図、第4図は第1図の電極
部拡大図である。第5図は本発明の第2実施例を示す装
置の断面図、第6図は同実施例の電極部拡大図である。
第7図は本発明の第3実施例を示す装置の断面図、第8
図は同実施例の電極の斜視図、第9図は同実施例の電極
部拡大図である。第10図は本発明の第4実施例を示す装
置の断面図、第11図は同実施例の電極部拡大図である。
第12図は従来例を示す装置の断面図、第13図は同従来例
の欠点を説明するための図である。 1……反応容器、2,3……電極、4……低周波電源、5
……コイル、6……交流電源、7……反応ガス導入管、
8……排気孔、9……真空ポンプ、10……基板、12,13,
22,23,32,33,42,43……放電用電極、14……高周波電
源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市成 譲二 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 高田 二郎 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内
Claims (1)
- 【請求項1】反応容器と、この反応容器内に反応ガスを
減圧して導入する手段と、上記反応容器内に相対して収
容された一対の放電用電極と、この放電用電極にグロー
放電用電圧を供給する電源と、上記放電用電極を囲繞し
当該放電用電極間に発生した電界と直交する向きの磁界
を発生させるコイルと、このコイルに磁界発生用の電流
を供給する交流電源とを有し、上記放電電界空間外に当
該電界と平行に支持した基板へ非晶質薄膜を形成するも
のにおいて、上記一対の放電用電極の夫々を、断面が円
形又は楕円形の複数本の柱状体を並べて形成したことを
特徴とするプラズマCVD装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP454588A JPH07118463B2 (ja) | 1988-01-12 | 1988-01-12 | プラズマcvd装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP454588A JPH07118463B2 (ja) | 1988-01-12 | 1988-01-12 | プラズマcvd装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01181513A JPH01181513A (ja) | 1989-07-19 |
JPH07118463B2 true JPH07118463B2 (ja) | 1995-12-18 |
Family
ID=11587018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP454588A Expired - Fee Related JPH07118463B2 (ja) | 1988-01-12 | 1988-01-12 | プラズマcvd装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07118463B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2785442B2 (ja) * | 1990-05-15 | 1998-08-13 | 三菱重工業株式会社 | プラズマcvd装置 |
JP3844274B2 (ja) | 1998-06-25 | 2006-11-08 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | プラズマcvd装置及びプラズマcvd方法 |
JP3847184B2 (ja) * | 2002-03-14 | 2006-11-15 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP6207880B2 (ja) * | 2012-09-26 | 2017-10-04 | 東芝メモリ株式会社 | プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 |
-
1988
- 1988-01-12 JP JP454588A patent/JPH07118463B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01181513A (ja) | 1989-07-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |