JP2006278318A - 光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子放出素子を用いた光源において、該電子放出素子からの電子放出に基づく蛍光体発光の利用率を高め、高輝度の発光を実現させる。
【解決手段】光源10Gは、透明基板40と、前記透明基板40に対向して配された固定基板110と、前記固定基板110上に配された1以上の電子放出素子12と、前記透明基板40の前記固定基板110と対向する面に形成された蛍光体層44と、前記電子放出素子12から間欠的に放出されるパルス状の電子流146の軌道を偏向する軌道偏向手段150A、150Bとを有し、前記軌道偏向手段150A、150Bによる前記パルス状の電子流146の軌道の偏向により、前記蛍光体層44に対する電子流の照射位置を二次元的に走査して、前記パルス状の電子流146の拡散を行う。
【選択図】図43

Description

本発明は、エミッタ部に形成された電極に対する駆動電圧の供給によってエミッタ部から電子を放出する電子放出素子を用いた光源(面光源を含む)に関する。
近時、電子放出素子は、駆動電極及びコモン電極を有し、フィールドエミッションディスプレイ(FED)やバックライトのような種々のアプリケーションに適用されている。FEDに適用する場合、複数の電子放出素子を二次元的に配列し、これら電子放出素子に対する複数の蛍光体を、所定の間隔をもってそれぞれ配置するようにしている。
この電子放出素子の従来例としては、例えば特許文献1〜5があるが、いずれもエミッタ部に誘電体を用いていないため、対向電極間にフォーミング加工もしくは微細加工が必要となったり、電子放出のために高電圧を印加しなければならず、また、パネル製作工程が複雑で製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、エミッタ部を誘電体で構成することが考えられているが、誘電体からの電子放出として、例えば非特許文献1及び2にて諸説が述べられている。
また、最近では、カーボンナノウォールを用いた光源の開発も進められている(例えば特許文献6及び7参照)。
特開平1−311533号公報 特開平7−147131号公報 特開2000−285801号公報 特公昭46−20944号公報 特公昭44−26125号公報 特開2004−362960号公報 特開2004−362959号公報 「安岡、石井「強誘電体陰極を用いたパルス電子源」応用物理第68巻第5号、p546〜550(1999)」 「V.F.Puchkarev, G.A.Mesyats, On the mechanism of emission from the ferroelectric ceramic cathode」, J.Appl.Phys., vol. 78, No. 9, 1 November, 1995, p. 5633-5637
本発明は、これら電子放出素子を用いた光源において、該電子放出素子からの電子放出に基づく蛍光体発光の利用率を高め、高輝度の発光を実現させることができる光源を提供することを目的とする。
本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射される電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射される電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。しかも、電子照射面からの高効率な蛍光体の発光が可能となる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流(電子流パルス)を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。特に、電子流を間欠的に放出するようにしているため、電子流が放出されていない期間においても蛍光体の残光による発光が持続し、発光の高効率化が可能となる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。特に、電子流を間欠的に放出するようにしているため、電子流が放出されていない期間においても蛍光体の残光による発光が持続し、発光の高効率化が可能となる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された2以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であり、複数の前記電子放出素子から放出されるパルス状の電子流が前記メタルバック層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子のパルス状の電子流の放出タイミングが異なることを特徴とする。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された2以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であり、複数の前記電子放出素子から放出される前記電子流パルスが前記メタルバック層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子の前記電子流パルスの放出タイミングが異なることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。特に、ピーク値の小さいパルス状の電子流を複数の電子放出素子から異なるタイミングで放出するようにしているため、蛍光体飽和を抑制しつつ蛍光体発光に必要な電子流量を確保でき、発光の高効率化と高輝度化を図ることができる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記透明基板上に配された2以上の電子放出素子と、前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であり、複数の前記電子放出素子から放出されるパルス状の電子流が前記蛍光体層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子のパルス状の電子流の放出タイミングが異なることを特徴とする。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記透明基板上に配された2以上の電子放出素子と、前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であり、複数の前記電子放出素子から放出される前記電子流パルスが前記蛍光体層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子の前記電子流パルスの放出タイミングが異なることを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。特に、ピーク値の小さいパルス状の電子流を複数の電子放出素子から異なるタイミングで放出するようにしているため、蛍光体飽和を抑制しつつ蛍光体発光に必要な電子流量を確保でき、発光の高効率化と高輝度化を図ることができる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記電子放出素子から間欠的に放出されるパルス状の電子流の軌道を偏向する軌道偏向手段とを有し、前記軌道偏向手段による前記パルス状の電子流の軌道の偏向により、前記蛍光体層に対する電子流の照射位置を二次元的に走査して、前記パルス状の電子流の拡散を行うことを特徴とする。これにより、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が実現できる。
そして、前記軌道偏向手段は、前記電子放出素子の周囲に配置された複数の拡散電極とを有し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、複数の前記拡散電極にそれぞれ印加された電圧信号によって生成される電界によって偏向するようにしてもよい。これにより、直進性の高い電子流を用いた場合、静電界による拡散と比べて電子流の拡散を大きくし易くなり、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。
前記軌道偏向手段は、磁界発生手段を有し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、前記磁界発生手段にて発生した磁界によって偏向するようにしてもよい。
この場合、電子流の拡散に高電圧を必要としないため、制御回路の低コスト化が可能となり、しかも、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。
前記軌道偏向手段は、前記電子放出素子の周囲に配置された複数の拡散電極と、前記磁界発生手段とを有し、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、複数の前記拡散電極にそれぞれ印加された電圧信号によって生成される電界と、前記磁界発生手段にて発生した磁界によって偏向するようにしてもよい。
この場合、電子流の拡散に高電圧を必要としないため、制御回路の低コスト化が可能となり、また、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。しかも、電界又は磁界単体の場合と比べて、電子流の拡散率を大きくすることが可能となる。
また、前記構成において、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流のレベルが、1つの電子放出期間内において時間の経過に伴って変化する場合に、前記軌道偏向手段は、前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、1つの電子放出期間内で偏向する際に、偏向された前記電子流によって前記蛍光体層に照射される電子の量が一定になるように、前記電子流のレベルに応じて、前記電子流の偏向速度を制御するようにしてもよい。
これにより、均一で広範囲の蛍光体発光を得ることが可能となる。レベルが高い電子流を偏向するときは、同一蛍光体領域に照射する時間を短くし、レベルが低い電子流を偏向するときは、同一蛍光体領域に照射する時間を長くすることで、同一蛍光体領域に照射される電子量の均一化を図ることができる。
また、前記軌道偏向手段は、前記電子放出素子が形成されている基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有するようにしてもよい。あるいは、前記軌道偏向手段は、前記固定基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有するようにしてもよい。電子流の軌道を偏向するには、軌道偏向手段と電子放出素子の高精度な位置合せが必要となる。電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンと電子放出素子を、例えば、同一基準位置でスクリーン印刷により同一の固定基板上に形成することで、安価に電子放出素子との高精度な位置合せが可能となる。
また、前記軌道偏向手段は、前記固定基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有し、前記電子放出素子は、前記電界印加用の電極膜及び/又は前記磁界印加用のコイルパターンをアライメントマークとして前記固定基板に実装されていてもよい。電子流の軌道を偏向するには、軌道偏向手段と電子放出素子の高精度な位置合せが必要となる。電子放出素子の実装を、前記電界印加用の電極膜及び/又は前記磁界印加用のコイルパターンを位置基準として行うことにより、安価に電子放出素子との高精度な位置合せが可能となる。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上において複数の列に沿って縦方向に配された複数の電子放出素子と、前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、前記固定基板上において前記電子放出素子が配された列に隣接する列に沿って縦方向に配された複数の拡散電極とを有し、前記電子放出素子から放出された電子流を、前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって横方向に拡散することを特徴とする。
これにより、過剰電子量による蛍光体飽和の抑制、発光の広がりをもって均一な面発光が可能となる。
そして、前記構成のおいて、前記拡散電極に印加される前記電圧信号の電圧レベルが0Vであってもよい。この場合、コストの低廉化、光源の低背化にも有利になる。もちろん、前記拡散電極に印加される前記電圧信号の電圧レベルが100V以下の低電圧であってもよい。
また、前記構成において、前記拡散電極は、多数の開口を有するメッシュ電極で構成され、前記電子放出素子から放出され、且つ、前記メッシュ電極の開口を通過した電子流を前記メッシュ電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散するようにしてもよい。
前記メッシュ電極は、矩形状を有し、前記電子放出素子上に設置されていてもよい。この場合、電子放出素子上にメッシュ電極を設置するだけでよく、高精度な位置決めが必要でないため、組立作業の簡略化及び製造コストの低廉化を効率よく図ることができる。
また、前記拡散電極は、矩形状の前記メッシュ電極を半円筒状に丸めた形状を有し、前記電子放出素子を覆うように設置されていてもよい。この場合、電子放出素子に対する拡散電極の位置決め固定が容易になり、横方向への拡散をほぼ左右対称にすることができる。これは、むらのない面発光の実現に寄与する。
また、本発明に係る光源は、透明基板と、前記透明基板に対向して配された固定基板と、前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板に形成された蛍光体層及び拡散電極とを有し、前記透明基板は、前記固定基板に対向する上板と、該上板と前記固定基板間に配される少なくとも2つの側板とを有し、且つ、前記固定基板上の前記電子放出素子を覆うように固定され、前記蛍光体層及び前記拡散電極は、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて形成され、前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散することを特徴とする。
また、本発明に係る光源は、大型固定基板上に1以上の発光管が設置され、前記大型固定基板のうち、前記発光管が設置されていない部分に光反射膜が形成された光源であって、前記発光管は、透明基板と、該透明基板に対向して配された固定基板とを具備したハウジングと、前記ハウジング内において前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、前記透明基板に形成された蛍光体層及び拡散電極とを有し、前記透明基板は、前記固定基板に対向する上板と、該上板と前記固定基板間に配される少なくとも2つの側板とを有し、且つ、前記固定基板上の前記電子放出素子を覆うように固定され、前記蛍光体層及び前記拡散電極は、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて形成され、前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散することを特徴とする。この場合、前記ハウジングの外面のうち、前記2つの側面の下部にも前記光反射膜が形成されていてもよい。
これにより、各発光管の上板及び2つの側板から光が光源の前方に出射されると共に、2つの側板から大型固定基板に向けて出射した光が光反射層にて反射されて光源の前方に向かうことになり、むらのない発光状態であって、且つ、輝度の高い面発光を得ることができ、均一な面発光を実現させるための構造を容易に構築することができる。
しかも、大型固定基板に対向する大型透明基板の設置並びにスペーサ(大型透明基板を支えるスペーサ)の設置が不要となるため、光源の軽量化、薄型化、コストの低廉化を図ることができる。
そして、前記構成において、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて前記蛍光体層が形成され、前記蛍光体層上にメタルバック層として機能する前記拡散電極が形成されていてもよいし、あるいは、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて透明電極にて構成された前記拡散電極が形成され、前記拡散電極上に前記蛍光体層が形成されていてもよい。
メタルバック層や透明電極が拡散電極を兼用するため、配線の簡略化を図ることができる。
上述した発明において、前記透明基板のうち、前記固定基板と反対の面に光拡散板が設置されていてもよい。これにより、固定基板等に設置される電子放出素子の個数を効果的に減らすことができ、消費電力の低減化に有利となる。
以上説明したように、本発明に係る光源によれば、電子放出素子を用いた光源において、該電子放出素子からの電子放出に基づく蛍光体発光の利用率を高め、高輝度の発光を実現させることができる。
以下、本発明に係る光源の実施の形態例を図1〜図102を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る光源10は、液晶ディスプレイ用のバックライト等の画像表示を行うディスプレイに準拠した光源であって、図1に示すように、多数の電子放出素子12が例えば画素等の発光素子に対応してマトリックス状あるいは千鳥状に配列された発光部14と、該発光部14を駆動するための駆動回路16とを有する。
この場合、1発光素子当たり1つの電子放出素子12を割り当ててもよいし、1発光素子当たり複数の電子放出素子12を割り当てるようにしてもよい。この実施の形態では、説明を簡単にするために、1発光素子当たり1つの電子放出素子12を割り当てた場合を想定して説明する。
駆動回路16は、発光部14に対して行を選択するための複数の行選択線18が配線され、同じく発光部14に対してデータ信号Sdを供給するための複数の信号線20が配線されている。
さらに、この駆動回路16は、行選択線18に選択的に選択信号Ssを供給して、例えば1行単位に電子放出素子12を順次選択する行選択回路22と、信号線20にパラレルにデータ信号Sdを出力して、行選択回路22にて選択された行(選択行)にそれぞれデータ信号Sdを供給する信号供給回路24と、入力される制御信号Sv(映像信号等)及び同期信号Scに基づいて行選択回路22及び信号供給回路24を制御する信号制御回路26とを有する。
ここで、本実施の形態に係る光源10に使用される電子放出素子12について図2〜図24を参照しながら説明する。
電子放出素子12は、図2に示すように、エミッタ部30と、該エミッタ部30の表面に形成された上部電極32と、エミッタ部30の裏面に形成された下部電極34とを有する。このように、電子放出素子12は、エミッタ部30を上部電極32と下部電極34でサンドイッチした構造となっているため、容量性負荷となる。従って、この電子放出素子12は一種のコンデンサとしてみることができる。
上部電極32と下部電極34間には、駆動回路16からの駆動電圧Vaが印加される。
そして、図2に示すように、この電子放出素子12を光源10として利用する場合は、上部電極32の上方に、例えばガラスやアクリル製の透明基板40が配置され、該透明基板40の裏面(上部電極32と対向する面)に、例えば透明電極にて構成されたアノード電極42が配置され、該アノード電極42には蛍光体層44が塗布される。なお、アノード電極42にはバイアス電源46(バイアス電圧Vc)が抵抗Rを介して接続される。
また、電子放出素子12は、当然のことながら、真空空間内に配置される。雰囲気中の真空度は、102〜10-6Paが好ましく、より好ましくは10-3〜10-5Paである。
このような範囲を選んだ理由は、低真空では、(1)空間内に気体分子が多いため、プラズマを生成し易く、プラズマが多量に発生され過ぎると、その正イオンが多量に上部電極32に衝突して損傷を進めるおそれや、(2)放出された電子流がアノード電極42に到達する前に気体分子に衝突してしまい、バイアス電圧Vcで十分に加速した電子流による蛍光体層44の励起が十分に行われなくなるおそれがあるからである。
一方、高真空では、構造体の支持、及び真空のシール部が大きくなり、小型化に不利になるという問題があるからである。
そして、電子放出素子12は、図2に示すように、上部電極32に、エミッタ部30が露出される複数の貫通部48が形成されている。特に、エミッタ部30の表面は、誘電体の粒界による凹凸50が形成されており、上部電極32の貫通部48は、前記誘電体の粒界における凹部52に対応した部分に形成されている。図2の例では、1つの凹部52に対応して1つの貫通部48が形成される場合を示しているが、複数の凹部52に対応して1つの貫通部48が形成される場合もある。また、上部電極32の材料及び/又は焼成条件を調整することにより、貫通部48を微細化することが可能である。これにより、1つの凹部52に複数の貫通部48を形成したり、誘電体の粒界における凸部58上にも貫通部48を形成することが可能である。エミッタ部30を構成する誘電体の粒径は、0.1μm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは2μm〜7μmである。図2の例では、誘電体の粒径を3μmとしている。
さらに、この電子放出素子12は、図3に示すように、上部電極32のうち、貫通部48の周部54におけるエミッタ部30と対向する面54aが、エミッタ部30から離間している。つまり、上部電極32のうち、貫通部48の周部54におけるエミッタ部30と対向する面54aとエミッタ部30との間にギャップ56が形成され、上部電極32における貫通部48の周部54が庇状(フランジ状)に形成された形となっている。従って、以下の説明では、「上部電極32の貫通部48の周部54」を「上部電極32の庇部54」と記す。なお、図2、図3、図5A、図5B、図6A、図6B、図8、図10等の例では、誘電体の粒界の凹凸50の凸部58の断面を代表的に半円状で示してあるが、この形状に限るものではない。
また、この電子放出素子12では、上部電極32の厚みtcを、0.01μm≦tc≦10μmとし、エミッタ部30の上面、すなわち、誘電体の粒界における凸部58の表面(凹部52の内壁面でもある)と、上部電極32の庇部54の下面54aとのなす角の最大角度θを、1°≦θ≦60°としている。また、エミッタ部30の誘電体の粒界における凸部58の表面(凹部52の内壁面)と、上部電極32の庇部54の下面54aとの間の鉛直方向に沿った最大間隔dを、0μm<d≦10μmとしている。
さらに、この電子放出素子12では、貫通部48の形状、特に、図4に示すように、上面から見た形状は孔60の形状であって、例えば円形状、楕円形状、トラック状のように、曲線部分を含むものや、四角形や三角形のように多角形状のものがある。図4の例では、孔60の形状として円形状の場合を示している。
この場合、孔60の平均径は、0.1μm以上、10μm以下としている。この平均径は、孔60の中心を通るそれぞれ異なる複数の線分の長さの平均を示す。また、上部電極32の材料及び/又は焼成条件を調整することにより、貫通部48を微細化した場合、孔60の平均径を0.05μm以上、0.1μm以下とすることが可能である。このように、貫通部48を微細化、高集積化することにより、放出電子量(電子流のレベル)及び電子放出効率の向上を図ることができる。
ここで、エミッタ部30は誘電体にて構成される。誘電体は、好適には、比誘電率が比較的高い、例えば1000以上の誘電体を採用することができる。このような誘電体としては、チタン酸バリウムのほかに、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛等、又はこれらの任意の組み合わせを含有するセラミックスや、主成分がこれらの化合物を50重量%以上含有するものや、前記セラミックスに対してさらにランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物、もしくはこれらのいずれかの組み合わせ、又は他の化合物を適切に添加したもの等を挙げることができる。
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)とチタン酸鉛(PT)の2成分系nPMN−mPT(n,mをモル数比とする)においては、PMNのモル数比を大きくすると、キュリー点が下げられて、室温での比誘電率を大きくすることができる。
特に、n=0.85〜1.0、m=1.0−nでは比誘電率3000以上となり好ましい。例えば、n=0.91、m=0.09では室温の比誘電率15000が得られ、n=0.95、m=0.05では室温の比誘電率20000が得られる。
次に、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、チタン酸鉛(PT)、ジルコン酸鉛(PZ)の3成分系では、PMNのモル数比を大きくする他に、正方晶と擬立方晶又は正方晶と菱面体晶のモルフォトロピック相境界(MPB:Morphotropic Phase Boundary)付近の組成とすることが比誘電率を大きくするのに好ましい。例えば、PMN:PT:PZ=0.375:0.375:0.25にて比誘電率5500、PMN:PT:PZ=0.5:0.375:0.125にて比誘電率4500となり、特に好ましい。さらに、絶縁性が確保できる範囲内でこれらの誘電体に白金のような金属を混入して、誘電率を向上させるのが好ましい。この場合、例えば、誘電体に白金を重量比で20%混入させるとよい。
また、エミッタ部30は、上述したように、圧電/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、エミッタ部30として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛等、又はこれらのいずれかの組み合わせを含有するセラミックスが挙げられる。
主成分がこれらの化合物を50重量%以上含有するものであってもよいことはいうまでもない。また、前記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有するセラミックスは、エミッタ部30を構成する圧電/電歪層の構成材料として最も使用頻度が高い。
また、圧電/電歪層をセラミックスにて構成する場合、前記セラミックスに、さらに、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物、もしくはこれらのいずれかの組み合わせ、又は他の化合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。また、前記セラミックスにSiO2、CeO2、Pb5Ge311もしくはこれらのいずれかの組み合わせを添加したセラミックスを用いてもよい。具体的には、PT−PZ−PMN系圧電材料にSiO2を0.2wt%、もしくはCeO2を0.1wt%、もしくはPb5Ge311を1〜2wt%添加した材料が好ましい。
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とからなる成分を主成分とし、さらにランタンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが好ましい。
圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質であってもよく、多孔質の場合、その気孔率は40%以下であることが好ましい。
エミッタ部30として反強誘電体層を用いる場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分を主成分とするもの、さらにはジルコン酸鉛に酸化ランタンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したものが望ましい。
また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよく、多孔質の場合、その気孔率は30%以下であることが望ましい。
さらに、エミッタ部30にタンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SrBi2Ta29)を用いた場合、分極反転疲労が小さく好ましい。このような分極反転疲労が小さい材料は、層状強誘電体化合物で、(BiO22+(Am-1m3m+12-という一般式で表される。ここで、金属Aのイオンは、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Pb2+、Bi3+、La3+等であり、金属Bのイオンは、Ti4+、Ta5+、Nb5+等である。さらに、チタン酸バリウム系、ジルコン酸鉛系、PZT系の圧電セラミックスに添加剤を加えて半導体化させることも可能である。この場合、エミッタ部30内で不均一な電界分布をもたせて、電子放出に寄与する上部電極32との界面近傍に電界集中を行うことが可能となる。
また、圧電/電歪/反強誘電体セラミックスに、例えば鉛ホウケイ酸ガラス等のガラス成分や、他の低融点化合物(例えば酸化ビスマス等)を混ぜることによって、焼成温度を下げることができる。
また、圧電/電歪/反強誘電体セラミックスで構成する場合、その形状はシート状の成形体、シート状の積層体、あるいは、これらを他の支持用基板に積層又は接着したものであってもよい。
また、エミッタ部30に非鉛系の材料を使用する等により、エミッタ部30を融点もしくは蒸散温度の高い材料とすることで、電子もしくはイオンの衝突に対し損傷しにくくなる。
そして、エミッタ部30を形成する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法、エアロゾルデポジション法、パウダージェットデポジション法(大気圧下での微粒子の高速噴射成膜法)等の各種厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の各種薄膜形成法を用いることができる。特に、圧電/電歪材料の粉末化したものを、エミッタ部30として形成し、これに低融点のガラスやゾル粒子を含浸する方法をとることが好ましい。この手法により、700℃あるいは600℃以下といった低温での膜形成が可能となる。
上部電極32は、焼成後に薄い膜が得られる有機金属ペーストが用いられる。例えば白金レジネートペースト等の材料を用いることが好ましい。また、分極反転疲労を抑制する酸化物電極、例えば、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化イリジウム(IrO2)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3)、La1-xSrxCoO3(例えばx=0.3や0.5)、La1-xCaxMnO3(例えばx=0.2)、La1-xCaxMn1-yCoy3(例えばx=0.2、y=0.05)、もしくはこれらを例えば白金レジネートペーストに混ぜたものが好ましい。また、白金レジネートペーストに金レジネートペーストやイリジウムレジネートペーストを混ぜたものも微細な貫通部48を形成し易く好ましい。
また、上部電極32として、図5A及び図5Bに示すように、複数の鱗片状の形状を有する物質62(例えば黒鉛)の第1集合体64や、図6A及び図6Bに示すように、鱗片状の形状を有する物質62を含んだ導電性物質66の第2集合体68も好ましく用いられる。この場合、第1集合体64や第2集合体68でエミッタ部30の表面を完全に覆うのではなく、エミッタ部30が一部露出する貫通部48を複数設けて、エミッタ部30のうち、貫通部48を臨む部分を電子放出領域とする。
上部電極32は、上記材料を用いて、スクリーン印刷、スプレー、コーティング、ディッピング、塗布、電気泳動法等の各種の厚膜形成法や、スパッタリング法、イオンビーム法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)、めっき等の各種の薄膜形成法による通常の膜形成法に従って形成することができ、好適には、前者の厚膜形成法によって形成するとよい。
一方、下部電極34は、導電性を有する物質、例えば金属が用いられ、白金、モリブデン、タングステン等によって構成される。また、高温酸化雰囲気に対して耐性を有する導体、例えば金属単体、合金、絶縁性セラミックスと金属単体との混合物、絶縁性セラミックスと合金との混合物等によって構成され、好適には、白金、イリジウム、パラジウム、ロジウム、モリブデン等の高融点貴金属や、銀−パラジウム、銀−白金、白金−パラジウム等の合金を主成分とするものや、白金とセラミック材料とのサーメット材料によって構成される。さらに好適には、白金のみ又は白金系の合金を主成分とする材料によって構成される。
また、下部電極34として、カーボン、グラファイト系の材料を用いてもよい。なお、電極材料中に添加されるセラミック材料の割合は、5〜30体積%程度が好適である。もちろん、上述した上部電極32と同様の材料を用いるようにしてもよい。
下部電極34は、好適には上記厚膜形成法によって形成する。下部電極34の厚さは、20μm以下であるとよく、好適には5μm以下であるとよい。
エミッタ部30、上部電極32及び下部電極34をそれぞれ形成するたびに熱処理(焼成処理)することで、一体構造にすることができる。
エミッタ部30、上部電極32及び下部電極34を一体化させるための焼成処理に係る温度としては、500〜1400℃の範囲、好適には、1000〜1400℃の範囲とするとよい。さらに、膜状のエミッタ部30を熱処理する場合、高温時にエミッタ部30の組成が不安定にならないように、エミッタ部30の蒸発源と共に雰囲気制御を行いながら焼成処理を行うことが好ましい。
焼成処理を行うことで、特に、上部電極32となる膜が例えば厚み10μmから厚み0.1μmに収縮すると同時に複数の孔等が形成されていき、結果的に、図2に示すように、上部電極32に複数の貫通部48が形成され、貫通部48の周部54が庇状に形成された構成となる。もちろん、上部電極32となる膜に対して事前(焼成前)にエッチング(ウェットエッチング、ドライエッチング)やリフトオフ等によってパターンニングを施した後、焼成するようにしてもよい。この場合、後述するように、貫通部48として切欠き形状やスリット形状を容易に形成することができる。
なお、エミッタ部30を適切な部材によって被覆し、該エミッタ部30の表面が焼成雰囲気に直接露出しないようにして焼成する方法を採用してもよい。
次に、電子放出素子12の電子放出原理について説明する。先ず、上部電極32と下部電極34との間に駆動電圧Vaが印加される。この駆動電圧Vaは、例えば、パルス電圧あるいは交流電圧のように、時間の経過に伴って、基準電圧(例えば0V)よりも高い又は低い電圧レベルから基準電圧よりも低い又は高い電圧レベルに急激に変化する電圧として定義される。
また、エミッタ部30の上面と上部電極32と該電子放出素子12の周囲の媒質(例えば、真空)との接触箇所においてトリプルジャンクションが形成されている。ここで、トリプルジャンクションとは、上部電極32とエミッタ部30と真空との接触により形成される電界集中部として定義される。なお、前記トリプルジャンクションには、上部電極32とエミッタ部30と真空が1つのポイントとして存在する3重点も含まれる。雰囲気中の真空度は、102〜10-6Paが好ましく、より好ましくは10-3〜10-5Paである。
この電子放出素子12では、トリプルジャンクションは、上部電極32の庇部54や上部電極32の周縁部に形成されることになる。従って、上部電極32と下部電極34との間に上述のような駆動電圧Vaが印加されると、上記したトリプルジャンクションにおいて電界集中が発生する。
ここで、電子放出素子12の第1の電子放出方式について図7及び図8を参照しながら説明する。図7の第1出力期間T1(第1段階)において、上部電極32に基準電圧(この場合、0V)よりも低い電圧V2が印加され、下部電極34に基準電圧よりも高い電圧V1が印加される。この第1出力期間T1では、上記したトリプルジャンクションにおいて電界集中が発生し、上部電極32からエミッタ部30に向けて電子放出が行われ、例えばエミッタ部30のうち、上部電極32の貫通部48から露出する部分や上部電極32の周縁部近傍の部分に電子が蓄積される。すなわち、エミッタ部30が帯電することになる。このとき、上部電極32が電子供給源として機能する。
次の第2出力期間T2(第2段階)において、駆動電圧Vaの電圧レベルが急減に変化、すなわち、上部電極32に基準電圧よりも高い電圧V1が印加され、下部電極34に基準電圧よりも低い電圧V2が印加されると、今度は、上部電極32の貫通部48に対応した部分や上部電極32の周縁部近傍に帯電した電子は、逆方向へ分極反転したエミッタ部30の双極子(エミッタ部30の表面に負極性が現れる)により、エミッタ部30から追い出され、図8に示すように、エミッタ部30のうち、前記電子の蓄積されていた部分から、貫通部48を通じて電子が放出される。もちろん、上部電極32の外周部近傍からも電子が放出され、全体として電子流として放出されることになる。
次に、第2の電子放出方式について説明する。先ず、図9の第1出力期間T1(第1段階)において、上部電極32に基準電圧よりも高い電圧V3が印加され、下部電極34に基準電圧よりも低い電圧V4が印加される。この第1出力期間T1では、電子放出のための準備(例えばエミッタ部30の一方向への分極等)が行われる。次の第2出力期間T2(第2段階)において、駆動電圧Vaの電圧レベルが急減に変化、すなわち、上部電極32に基準電圧よりも低い電圧V4が印加され、下部電極34に基準電圧よりも高い電圧V3が印加されると、今度は、上記したトリプルジャンクションにおいて電界集中が発生し、この電界集中によって上部電極32から1次電子が放出され、エミッタ部30のうち、貫通部48から露出する部分並びに上部電極32の外周部近傍に衝突することとなる。これによって、図10に示すように、1次電子が衝突した部分から2次電子(1次電子の反射電子を含む)が放出される。すなわち、第2出力期間T2の初期段階において、前記貫通部48並びに上部電極32の外周部近傍から2次電子が放出され、電子流として放出されることとなる。
そして、この電子放出素子12においては、上部電極32に複数の貫通部48を形成したことから、各貫通部48並びに上部電極32の外周部近傍から均等に電子が放出され、全体の電子放出特性のばらつきが低減し、電子放出の制御が容易になると共に、電子放出効率が高くなる。
また、電子放出素子12では、上部電極32の庇部54とエミッタ部30との間にギャップ56が形成された形となることから、駆動電圧Vaを印加した際に、該ギャップ56の部分において電界集中が発生し易くなる。これは、電子放出の高効率化につながり、駆動電圧の低電圧化(低い電圧レベルでの電子放出)を実現させることができる。
上述したように、上部電極32は、貫通部48の周部において庇部54が形成されることから、上述したギャップ56の部分での電界集中が大きくなることとも相俟って、上部電極32の庇部54から電子が放出され易くなる。これは、電子放出の高出力、高効率化につながり、駆動電圧Vaの低電圧化を実現させることができる。これにより、例えば電子放出素子12を多数並べて構成された光源10の高輝度化を図ることができる。
また、上述した第1の電子放出方式(エミッタ部30に蓄積された電子を放出させる方式)や第2の電子放出方式(上部電極32からの1次電子をエミッタ部30に衝突させて2次電子を放出させる方式)のいずれにしても、上部電極32の庇部54がゲート電極(制御電極、フォーカス電子レンズ等)として機能するため、放出電子の直進性を向上させることができる。これは、電子放出素子12を多数並べて例えばディスプレイの電子源として構成した場合に、クロストークを低減する上で有利となる。
このように、電子放出素子12においては、高い電界集中を容易に発生させることができ、しかも、電子放出箇所を多くすることができ、電子放出について高出力、高効率を図ることができ、低電圧駆動(低消費電力)も可能となる。
特に、エミッタ部30の少なくとも上面は、誘電体の粒界による凹凸50が形成され、上部電極32は、誘電体の粒界における凹部52に対応した部分に貫通部48が形成されるようにしたので、上部電極32の庇部54を簡単に実現させることができる。
また、エミッタ部30の上面、すなわち、誘電体の粒界における凸部58の表面(凹部52の内壁面)と、上部電極32の庇部54の下面54aとのなす角の最大角度θを、1°≦θ≦60°とし、エミッタ部30の誘電体の粒界における凸部58の表面(凹部52の内壁面)と、上部電極32の庇部54の下面54aとの間の鉛直方向に沿った最大間隔dを、0μm<d≦10μmとしたので、これらの構成により、ギャップ56の部分での電界集中の度合いをより大きくすることができ、電子放出についての高出力、高効率、並びに駆動電圧の低電圧化を効率よく図ることができる。
また、貫通部48を孔60の形状としている。図3に示すように、エミッタ部30のうち、上部電極32と下部電極34(図2参照)間に印加される駆動電圧Vaに応じて分極が反転あるいは変化する部分は、上部電極32が形成されている直下の部分(第1部分70)と、貫通部48の内周から貫通部48の内方に向かう領域に対応した部分(第2部分72)であり、特に、第2部分72は、駆動電圧Vaのレベルや電界集中の度合いによって変化することになる。従って、この電子放出素子12では、孔60の平均径を、0.1μm以上、10μm以下としている。この範囲であれば、貫通部48を通じて放出される電子の放出分布にばらつきがほとんどなくなり、効率よく電子を放出することができる。
さらに、上部電極32の材料として、Ptレジネートペーストを主体とした合金電極を適用し、焼成条件を調整すると、孔60の平均径を0.1μm未満とすることができる。特に、焼成時に昇温を急速に行うことにより、平均径0.1μm未満の孔60を高密度に形成することができ、特に好ましい。一方、孔60の平均径が10μmを超えると、エミッタ部30の前記貫通部48から露出した部分のうち、電子放出に寄与する部分(第2部分)72の割合(占有率)が小さくなり、電子の放出効率が低下する。
また、この電子放出素子12においては、図11に示すように、電気的な動作において、上部電極32と下部電極34間に、エミッタ部30によるコンデンサC1と、各ギャップ56による複数のコンデンサCaの集合体とが形成された形となる。すなわち、各ギャップ56による複数のコンデンサCaは、互いに並列に接続された1つのコンデンサC2として構成され、等価回路的には、集合体によるコンデンサC2にエミッタ部30によるコンデンサC1が直列接続された形となる。
実際には、集合体によるコンデンサC2にエミッタ部30によるコンデンサC1がそのまま直列接続されることはなく、上部電極32への貫通部48の形成個数や全体の形成面積等に応じて、直列接続されるコンデンサ成分が変化する。
ここで、図12に示すように、例えばエミッタ部30によるコンデンサC1のうち、その25%が集合体によるコンデンサC2と直列接続された場合を想定して、容量計算を行ってみる。先ず、ギャップ56の部分は真空であることから比誘電率は1となる。そして、ギャップ56の最大間隔dを0.1μm、1つのギャップ56の部分の面積S=1μm×1μmとし、ギャップ56の数を10,000個とする。また、エミッタ部30の比誘電率を2000、エミッタ部30の厚みを20μm、上部電極32と下部電極34の対向面積を200μm×200μmとすると、集合体によるコンデンサC2の容量値は0.885pF、エミッタ部30によるコンデンサC1の容量値は35.4pFとなる。そして、エミッタ部30によるコンデンサC1のうち、集合体によるコンデンサC2と直列接続されている部分を全体の25%としたとき、該直列接続された部分における容量値(集合体によるコンデンサC2の容量値を含めた容量値)は0.805pFであり、残りの容量値は26.6pFとなる。
これら直列接続された部分と残りの部分は並列接続されているから、全体の容量値は、27.5pFとなる。この容量値は、エミッタ部30によるコンデンサC1の容量値35.4pFの78%である。つまり、全体の容量値は、エミッタ部30によるコンデンサC1の容量値よりも小さくなる。
このように、複数のギャップ56によるコンデンサCaの集合体については、ギャップ56によるコンデンサCaの容量値が相対的に小さいものとなり、エミッタ部30によるコンデンサC1との分圧から、印加電圧Vaのほとんどはギャップ56に印加されることになり、各ギャップ56において、電子放出の高出力化が実現される。
また、集合体によるコンデンサC2は、エミッタ部30によるコンデンサC1に直列接続された構造となることから、全体の容量値は、エミッタ部30によるコンデンサC1の容量値よりも小さくなる。このことから、電子放出は高出力であり、全体の消費電力は小さくなるという好ましい特性を得ることができる。
次に、上述した電子放出素子12の3つの変形例について図13〜図15を参照しながら説明する。
先ず、第1の変形例に係る電子放出素子12aは、図13に示すように、貫通部48の形状、特に、上面から見た形状が切欠き74の形状である点で異なる。切欠き74の形状としては、図13に示すように、多数の切欠き74が連続して形成されたくし歯状の切欠き76が好ましい。この場合、貫通部48を通じて放出される電子の放出分布のばらつきを低減し、効率よく電子を放出する上で有利となる。特に、切欠き76の平均幅を、0.05μm以上、10μm以下とすることが好ましい。この平均幅は、切欠き74の中心線を直交するそれぞれ異なる複数の線分の長さの平均を示す。
第2の変形例に係る電子放出素子12bは、図14に示すように、貫通部48の形状、特に、上面から見た形状がスリット78である点で異なる。ここで、スリット78とは、長軸方向(長手方向)の長さが短軸方向(短手方向)の長さの10倍以上であるものをいう。従って、長軸方向(長手方向)の長さが短軸方向(短手方向)の長さの10倍未満のものは孔60(図4参照)の形状として定義することができる。また、スリット78としては、複数の孔60が連通してつながったものも含まれる。この場合、スリット78の平均幅は、0.05μm以上、10μm以下とすることが好ましい。貫通部48を通じて放出される電子流の放出分布のばらつきを低減し、効率よく電子を放出する上で有利になるからである。この平均幅は、スリット78の中心線を直交するそれぞれ異なる複数の線分の長さの平均を示す。
第3の変形例に係る電子放出素子12cは、図15に示すように、エミッタ部30の上面のうち、貫通部48と対応する部分、例えば誘電体の粒界の凹部52にフローティング電極80が存在している点で異なる。この場合、フローティング電極80も電子供給源となることから、電子の放出段階(上述した第1の電子放出方式における第2出力期間T2(図7参照))において、多数の電子を貫通部48を通じて外部に放出させることができる。この場合、フローティング電極80からの電子放出は、フローティング電極80/誘電体/真空のトリプルジャンクションにおける電界集中によるものが考えられる。
ここで、電子放出素子12の特性、特に、電圧−電荷量特性(電圧−分極量特性)について説明する。
この電子放出素子12は、真空中において、図16の特性に示すように、基準電圧=0(V)を基準とした非対称のヒステリシス曲線を描く。
この特性について説明すると、先ず、エミッタ部30のうち、電子が放出される部分を電子放出部と定義したとき、基準電圧が印加されるポイントp1(初期状態)では、前記電子放出部に電子がほとんど蓄積されていない状態となっている。その後、負電圧を印加すると、前記電子放出部において、エミッタ部30が分極反転した双極子の正電荷の量が増し、それに伴って、第1段階における上部電極32から電子放出部へ向けた電子放出が起きて、電子が蓄積されていくこととなる。負電圧のレベルを負方向に大きくしていくと、前記電子放出部への電子の蓄積に伴って、ある負電圧のポイントp2において正電荷の量と負電荷の量が平衡な状態となり、負電圧のレベルを負方向に大きくしていくと、さらに電子の蓄積量が増加し、これに伴って、負電荷の量が正電荷の量よりも多い状態となる。ポイントp3において電子の蓄積飽和状態となる。ここでの負電荷の量は、蓄積したまま残っている電子の量と、エミッタ部30が分極反転した双極子の負電荷の量の合計である。
その後、負電圧のレベルを小さくしていき、さらに、基準電圧を超えて正電圧を印加していくと、ポイントp4において、第2段階における電子の放出が開始される。この正電圧を正方向に大きくすれば、電子の放出量が増加し、ポイントp5では、正電荷の量と負電荷の量が平衡な状態となる。そして、ポイントp6では、蓄積されていた電子がほとんど放出され、正電荷の量と負電荷の量の差が初期状態とほぼ同じになる。すなわち、電子の蓄積はほとんどなくなり、エミッタ部30が分極した双極子の負電荷のみが電子放出部に現れている状態である。
そして、この特性の特徴ある部分は、以下の点である。
(1)正電荷の量と負電荷の量が平衡な状態であるポイントp2における負電圧をV1、ポイントp5における正電圧をV2としたとき、
|V1|<|V2|
である。
(2)より詳しくは、1.5×|V1|<|V2|である。
(3)ポイントp2における正電荷の量と負電荷の量の変化の割合をΔQ1/ΔV1、ポイントp5における正電荷の量と負電荷の量の変化の割合をΔQ2/ΔV2としたとき、
(ΔQ1/ΔV1)>(ΔQ2/ΔV2)
である。
(4)電子が蓄積飽和状態となる電圧をV3、電子の放出が開始される電圧をV4としたとき、
1≦|V4|/|V3|≦1.5
である。
次に、図16の特性を電圧−分極量特性の立場で説明する。初期状態において、エミッタ部30が一方向に分極されて、例えば双極子の負極がエミッタ部30の上面に向いた状態(図17A参照)となっている場合を想定して説明する。
先ず、図16に示すように、基準電圧(例えば0V)が印加されるポイントp1(初期状態)では、図17Aに示すように、双極子の負極がエミッタ部30の上面に向いた状態となっていることから、エミッタ部30の上面には電子がほとんど蓄積されていない状態となっている。
その後、負電圧を印加し、該負電圧のレベルを負方向に大きくしていくと、負の抗電圧を超えたあたり(図16のポイントp2参照)から分極が反転しはじめ、図16のポイントp3にて全ての分極が反転することになる(図17B参照)。この分極反転によって、上記したトリプルジャンクションにおいて電界集中が発生し、第1段階における上部電極32からエミッタ部30に向けた電子放出が起こり、例えばエミッタ部30のうち、上部電極32の貫通部48から露出する部分や上部電極32の周縁部近傍の部分に電子が蓄積される(図17C参照)。特に、上部電極32から、エミッタ部30のうち、上部電極32の貫通部48から露出する部分に向けて電子が放出(内部放出)されることになる。そして、図16のポイントp3において電子の蓄積飽和状態となる。
その後、負電圧のレベルを小さくしていき、さらに、基準電圧を超えて正電圧を印加していくと、ある電圧レベルまでは、エミッタ部30の上面の帯電状態が維持される(図18A参照)。正電圧のレベルをさらに大きくいくと、図16のポイントp4の直前において、双極子の負極がエミッタ部30の上面に向き始める領域が発生し(図18B参照)、さらに、レベルを上げて図16のポイントp4以降において、双極子の負極によるクーロン反発力により、電子の放出が開始される(図18C参照)。この正電圧を正方向に大きくすれば、電子の放出量が増加し、正の抗電圧を超えたあたり(ポイントp5)から分極が再び反転する領域が拡大して、ポイントp6では、蓄積されていた電子がほとんど放出され、このときの分極量は初期状態の分極量とほぼ同じになる。
そして、この電子放出素子12の特性の特徴ある部分は、以下の点となる。
(A)負の抗電圧をv1、正の抗電圧をv2としたとき、
|v1|<|v2|
である。
(B)より詳しくは、1.5×|v1|<|v2|である。
(C)負の抗電圧v1を印加した際における分極の変化の割合をΔq1/Δv1、正の抗電圧v2を印加した際における分極の変化の割合をΔq2/Δv2としたとき、
(Δq1/Δv1)>(Δq2/Δv2)
である。
(D)電子が蓄積飽和状態となる電圧をv3、電子の放出が開始される電圧をv4としたとき、
1≦|v4|/|v3|≦1.5
である。
この電子放出素子12は、上述のような特性を有することから、複数の発光素子に応じて配列された複数の電子放出素子12を有し、各電子放出素子12からの電子放出によって発光を行う光源10に簡単に適用させることができる。
そして、図1の駆動回路の説明に戻り、この駆動回路16において、行選択回路22及び信号供給回路24には電源回路90(例えば50V及び0V)が接続され、特に、行選択回路22と電源回路90間の負極ラインとGND(グランド)間にパルス電源92が接続されている。パルス電源92は、後述する電荷蓄積期間Tdに基準電圧(例えば0V)、電子放出期間Thに電圧(例えば−400V)とされたパルス状の電圧波形を出力する。
行選択回路22は、電荷蓄積期間Tdに、選択行に対して選択信号Ssを出力し、非選択行に対して非選択信号Snを出力する。また、行選択回路22は、電子放出期間Thに電源回路90からの電源電圧(例えば50V)とパルス電源92からの電圧(例えば−400V)が加わった一定電圧(例えば−350V)を出力する。
信号供給回路24は、パルス生成回路94と振幅変調回路96とを有する。パルス生成回路94は、電荷蓄積期間Tdにおいて、一定のパルス周期で一定の振幅(例えば50V)を有するパルス信号Spを生成、出力し、電子放出期間Thにおいて、基準電圧(例えば0V)を出力する。
振幅変調回路96は、電荷蓄積期間Tdにおいて、パルス生成回路94からのパルス信号Spをそれぞれ選択行に関する発光素子の輝度レベルに応じて振幅変調し、それぞれ選択行に関する発光素子のデータ信号Sdとして出力し、電子放出期間Thにおいて、パルス生成回路94からの基準電圧をそのまま出力する。これらのタイミング制御並びに選択された複数の発光素子の輝度レベルの振幅変調回路96への供給は、信号供給回路24を通じて行われる。
例えば図19A〜図19Cにおいて3つの例を示すように、輝度レベルが低い場合は、パルス信号Spの振幅を低レベルVslとし(図19A参照)、輝度レベルが中位の場合は、パルス信号Spの振幅を中レベルVsmとし(図19B参照)、輝度レベルが高い場合は、パルス信号Spの振幅を高レベルVshとする(図19C参照)。この例では、3つに分けた例を示したが、光源10に適用する場合には、パルス信号Spを、発光素子の輝度レベルに応じて、例えば128段階や256段階に振幅変調される。
ここで、信号供給回路24の変形例について図20〜図21Cを参照しながら説明する。
変形例に係る信号供給回路24aは、図20に示すように、パルス生成回路98とパルス幅変調回路100とを有する。パルス生成回路98は、電荷蓄積期間Tdにおいて、電子放出素子12に印加される電圧波形(図21A〜図21Cにおいて実線で示す)において、立ち上がり部分の波形が連続的にレベルが変化するパルス信号Spa(図21A〜図21Cにおいて破線で示す)を生成、出力し、電子放出期間Thにおいて、基準電圧を出力する。そして、パルス幅変調回路100は、電荷蓄積期間Tdにおいて、パルス生成回路98からのパルス信号Spaのパルス幅Wp(図21A〜図21C参照)をそれぞれ選択行に関する発光素子の輝度レベルに応じて変調し、それぞれ選択行に関する発光素子のデータ信号Sdとして出力する。電子放出期間Thにおいてはパルス生成回路98からの基準電圧をそのまま出力する。この場合も、これらのタイミング制御並びに選択された複数の発光素子の輝度レベルのパルス幅変調回路100への供給は、信号供給回路24aを通じて行われる。
例えば図21A〜図21Cにおいて3つの例を示すように、輝度レベルが低い場合は、パルス信号Spaのパルス幅Wpを短くして、実質的な振幅を低レベルVslとし(図21A参照)、輝度レベルが中位の場合は、パルス信号Spaのパルス幅Wpを中位の長さにして、実質的な振幅を中位レベルVsmとし(図21B参照)、輝度レベルが高い場合は、パルス信号Spaのパルス幅Wpを長くして、実質的な振幅を高レベルVshとする(図21C参照)。ここでは、3つの例を示したが、光源10に適用する場合には、パルス信号Spaを、発光素子の輝度レベルに応じて、例えば128段階や256段階にパルス幅変調される。
ここで、上述した電子の蓄積に係る負電圧のレベルを変化させた場合の特性図の変化を、図19A〜図19Cに示すパルス信号Spに対する3つの振幅変調の例と、図21A〜図21Cに示すパルス信号Spaに対する3つのパルス幅変調の例との関連でみると、図19A及び図21Aに示す負電圧のレベルVslでは、図22Aに示すように、電子放出素子12に蓄積される電子の量が少ない。図19B及び図21Bに示す負電圧のレベルVsmでは、図22Bに示すように、蓄積される電子の量が中位であり、図19C及び図21Cに示す負電圧のレベルVshでは、図22Cに示すように、蓄積される電子の量が多く、ほぼ飽和状態となっている。
しかし、これら図22A〜図22Cに示すように、電子の放出が開始されるポイントp4の電圧レベルはほとんど同じになっている。すなわち、電子を蓄積した後、ポイントp4に示す電圧レベルまで印加電圧が変化したとしても、電子の蓄積量にほとんど変化はなく、メモリ効果が発揮されることがわかる。
ここで、上述した本実施の形態に係る光源10の1つの駆動方法について図23及び図24を参照しながら説明する。図23は、代表的に1行1列、2行1列及びn行1列の画素の動作を示す。なお、ここで使用する電子放出素子12は、図16のポイントp2における抗電圧v1が例えば−20V、ポイントp5における抗電圧v2が+70V、ポイントp3における電圧v3が−50V、ポイントp4における電圧v4が+50Vの特性を有する。
また、図23に示すように、全部の行を選択する期間を1フレームとしたとき、該1フレーム内に1つの電荷蓄積期間Tdと1つの電子放出期間Thが含まれており、1つの電荷蓄積期間Tdには、n個の選択期間Tsが含まれる。各選択期間Tsはそれぞれ対応する行の選択期間Tsとなるため、対応しないn−1個の行については非選択期間Tnとなる。
そして、この駆動方法は、電荷蓄積期間Tdに、全ての電子放出素子12を走査して、ON対象(発光対象)の画素に対応した複数の電子放出素子12にそれぞれ対応する発光素子の輝度レベルに応じた電圧を印加することにより、ON対象の発光素子に対応した複数の電子放出素子12にそれぞれ対応する発光素子の輝度レベルに応じた量の電荷(電子)を蓄積させ、次の電子放出期間Thに、全ての電子放出素子12に一定の電圧を印加して、ON対象の発光素子に対応した複数の電子放出素子12からそれぞれ対応する発光素子の輝度レベルに応じた量の電子を放出させて、ON対象の発光素子を発光させるというものである。
具体的に説明すると、図24にも示すように、先ず、1行目の選択期間Tsにおいては、1行目の行選択線18に例えば50Vの選択信号Ssが供給され、その他の行の行選択線18に例えば0Vの非選択信号Snが供給される。1列目の発光素子のうち、ON(発光)とすべき発光素子の信号線20に供給されるデータ信号Sdの電圧は、0V以上、30V以下の範囲であって、且つ、それぞれ対応する発光素子の輝度レベルに応じた電圧となる。輝度レベル最大であれば0Vとなる。このデータ信号Sdの輝度レベルに応じた変調は、図1に示す振幅変調回路96や図20に示すパルス幅変調回路100を通じて行われる。
これにより、1行目のONとすべき各発光素子にそれぞれ対応する電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間にはそれぞれ輝度レベルに応じて−50V以上、−20V以下の電圧が印加される。その結果、上述した各電子放出素子12には、印加された電圧に応じた電子が蓄積されることになる。例えば1行1列目の発光素子に対応する電子放出素子12は、例えば最大輝度レベルであることから、図16の特性のポイントp3の状態となり、エミッタ部30のうち、上部電極32の貫通部48から露出する部分に最大量の電子が蓄積されることになる。
なお、OFF(消光)を示す発光素子に対応する電子放出素子12に供給されるデータ信号Sdの電圧は、例えば50Vであり、これにより、OFF対象の発光素子に対応する電子放出素子12には0Vが印加され、これは、図16の特性のポイントp1の状態となり、電子の蓄積は行われない。
1行目へのデータ信号Sdの供給が終了した後、2行目の選択期間Tsにおいては、2行目の行選択線18に50Vの選択信号Ssが供給され、その他の行の行選択線18に0Vの非選択信号Snが供給される。この場合も、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間にはそれぞれ輝度レベルに応じて−50V以上、−20V以下の電圧が印加される。このとき、非選択状態にある例えば1行目の発光素子に対応する電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間には0V以上、50V以下の電圧が印加されるが、この電圧は、図16の特性のポイント4に達しないレベルの電圧であることから、1行目のうち、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12から電子が放出されるということはない。つまり、非選択状態の1行目の発光素子が、選択状態の2行目の画素に供給されるデータ信号Sdの影響を受けるということがない。
以下同様に、n行目の選択期間Tsにおいては、n行目の行選択線18に50Vの選択信号Ssが供給され、その他の行の行選択線18に0Vの非選択信号Snが供給される。この場合も、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間にはそれぞれ輝度レベルに応じて−50V以上、−20V以下の電圧が印加される。このとき、非選択状態にある1行〜(n−1)行の各発光素子に対応する電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間には0V以上、50V以下の電圧が印加されるが、これら非選択状態の各発光素子のうち、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12から電子が放出されるということはない。
n行目の選択期間Tsが経過した段階で、電子放出期間Thに入る。この電子放出期間Thでは、全電子放出素子12の上部電極32には、信号供給回路24を通じて基準電圧(例えば0V)が印加され、全電子放出素子12の下部電極34には、−350Vの電圧(パルス電源92の−400V+行選択回路22の電源電圧50V)が印加される。これにより、全電子放出素子12の上部電極32と下部電極34間に高電圧(+350V)が印加される。全電子放出素子12は、それぞれ図16の特性のポイントp6の状態となり、図18Cに示すように、エミッタ部30のうち、前記電子の蓄積されていた部分から、貫通部48を通じて電子が放出される。もちろん、上部電極32の外周部近傍からも電子が放出される。
つまり、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12から電子が放出され、放出された電子は、これら電子放出素子12に対応するアノード電極42に導かれて、対応する蛍光体層44を励起し、発光する。この発光は、透明基板40の表面を通じて外方に放射されることになる。
以後同様に、フレーム単位に、電荷蓄積期間Tdにおいて、ON(発光)とすべき発光素子に対応する電子放出素子12に電子を蓄積し、電子放出期間Thにおいて、蓄積されていた電子を放出して蛍光発光させることで、その発光が、透明基板40の表面を通じて外方に放射されることになる。
このように、本実施の形態では、1フレーム期間にわたって電子流が放出されるのではなく、1フレーム期間内の電子放出期間Thに電子流が放出されることから、パルス状に電子流が放出されることになる。すなわち、電子放出素子12から放出される電子流は、パルス状の電子流あるいは電子流パルスとして定義することもできる。
次に、上述した電子放出素子12を使用した本実施の形態に係る光源10の好ましい構成例について図25〜図35を参照しながら説明する。
先ず、第1の具体例に係る光源10aは、図25に示すように、上述した透明基板40と、一方の板面が透明基板40の裏面に対向して配された固定基板110とを有する。透明基板40の裏面には上述したように透明電極によるアノード電極42と蛍光体層44が形成されている。また、固定基板110の主面には、例えば図2に示すような複数の電子放出素子12が二次元的に配列されている。なお、透明基板40と固定基板110間は真空とされている。
電子放出素子12の二次元配列は、例えば図26に示すように、矩形状の複数の電子放出ユニット112(後述する)を二次元的に配列することにより形成することができる。
この電子放出ユニット112は、図27に示すように、1つの強誘電体シート114(エミッタ部30)の上面に例えば16個の上部電極32が例えばマトリックス状に配列され、強誘電体シート114の下面のうち、前記上部電極32と対応する箇所にそれぞれ下部電極34(図示せず)が形成されて構成されている。つまり、1つの電子放出ユニット112に16個の電子放出素子12がマトリックスに配列された形態となっている。
特に、図27の例では、16個の上部電極32が4行4列に配列され、各行における4つの上部電極32がそれぞれリード線116を介して電気的に接続され、最も右側に存する4列目における4つの上部電極32がそれぞれリード線118を介して電気的に接続されている。下部電極34においても同様の配列と電気的接続がなされている。
そして、固定基板110の主面に複数の下部電極配線120が形成され、これら複数の下部電極配線120が形成された固定基板110の主面に枠体122が設置される。枠体122は、列方向及び行方向に配列された複数の堰124によって複数の升目が例えばマトリックス状に配列された形態を有し、各升目にそれぞれ電子放出ユニット112が挿入設置されている。各升目の大きさ(平面形状)は1つの電子放出ユニット112の平面形状よりもわずかに大きく設定され、各電子放出ユニット112をそれぞれ升目内に挿入設置し易い構成にしている。なお、図26及び図27は、下部電極配線120が見えるように、いくつかの電子放出ユニット112を取り外して図示してある。
図27に示すように、枠体122の堰124上には上部電極配線126が形成され、さらに、下部電極配線120のコモンリード線128と上部電極配線126のコモンリード線130が固定基板110の1つの側面に引き出されている。
また、上部電極配線126と各電子放出ユニット112における上部電極32との電気的接続は、4列目の上部電極32から延びるリード線132とこれら4列目の上部電極32に近接する堰124上に配線された上部電極配線126とが導電ペースト134によって電気的に接続されることで行われる。
下部電極配線120と各電子放出ユニット112における下部電極34(図示せず)との電気的接続は、固定基板110の主面に形成された下部電極配線120と、下部電極34が導体ペースト(図示せず)等で電気的に接続されることで行われる。
そして、図25に示すように、各電子放出ユニット112における複数の電子放出素子12から放出された電子が透明基板40の裏面に形成された蛍光体層(図示せず)に当たることによって、蛍光体層が励起して外部に蛍光体発光として具現されることになる。
この第1の具体例に係る実施の形態に係る光源10aにおいては、各電子放出ユニット112での電子励起による蛍光体発光を効率よく行わせることができ、LEDの発光効率以上の発光効率を実現させることができる。しかも、水銀を用いる必要がないため、環境に対する負荷が低いという利点もある。
上述の例では、16個の電子放出素子12が形成された電子放出ユニット112を使用した例を示したが、その他、図28に示す第2の具体例に係る光源10bのように、強誘電体チップ136を使用した電子放出素子12を配列するようにしてもよい。
すなわち、この第2の具体例に係る光源10bでは、固定基板110に、下部電極配線120と上部電極配線126がそれぞれ間を置いて隣接して形成され、これら下部電極配線120と上部電極配線126を跨ぐようにそれぞれ複数の電子放出素子12が設置されている。各電子放出素子12は、強誘電体チップ136(エミッタ部30)の上面に上部電極32が形成され、強誘電体チップ136の下面に下部電極34(図示せず)が形成された形態を有する。そして、上部電極32と上部電極配線126とが導電ペースト138によって電気的に接続され、下部電極34(図示せず)と下部電極配線120とが導電ペースト140によって電気的に接続されている。
上述の例では、全ての電子放出素子12を含む1つの発光部14を有し、該発光部14に対して1つの駆動回路16を接続するようにしたが、その他、図29に示す第3の具体例に係る光源10cのように、2以上の面光源部Z1〜Z6を有するようにしてもよい。図29の例では、6つの面光源部Z1〜Z6を具備させた場合を示す。各面光源部Z1〜Z6は、複数の電子放出素子12が二次元的に配列されて構成され、それぞれ独立に駆動回路16が接続されている。
これによって、面光源部Z1〜Z6単位に発光/消光を制御することができ、段階的な調光(デジタル的な調光)を行うことができる。特に、各面光源部Z1〜Z6にそれぞれ独立に接続される駆動回路16に変調回路を設けることによって、各面光源部Z1〜Z6の発光分布をそれぞれ独立に制御することができる。つまり、デジタル的な調光に加えて、アナログ的な調光を実現でき、きめ細かな調光を行うことができる。
図29の例では、各面光源部Z1〜Z6の面積をそれぞれ同じにした場合を示したが、各面光源部Z1〜Z6の面積を異ならせるようにしてもよい。例えば図30に示す第4の具体例に係る光源10dでは、第1面光源部Z1及び第6面光源部Z6をそれぞれ横長で、且つ、長辺の長い長方形状とし、第2面光源部Z2及び第5面光源部Z5をそれぞれ縦長で、且つ、長辺が第1面光源部Z1及び第6面光源部Z6よりも短い長方形状とし、第3面光源部Z3及び第4面光源部Z4をそれぞれ横長で、且つ、長辺が第1面光源部Z1及び第6面光源部Z6よりも短い長方形状とした場合を示す。
また、図31に示す第5の具体例に係る光源10eのように、各面光源部Z1〜Z6に含まれる複数の電子放出素子12をそれぞれ2つのグループ(第1グループG1及び第2グループG2)に分け、各面光源部Z1〜Z6において、第1グループG1に含まれる電子放出素子12の発光時に、該第1グループG1に含まれる電子放出素子12の電力を、第2グループG2に含まれる電子放出素子12に回収し、第2グループG2に含まれる電子放出素子12の発光時に、該第2グループG2に含まれる電子放出素子12の電力を、第1グループG1に含まれる電子放出素子12に回収するようにしてもよい。
あるいは、図32に示す第6の具体例に係る光源10fのように、6つの面光源部Z1〜Z6を2つのグループ(第1グループG1及び第2グループG2)に分け、第1グループG1に関する面光源部Z1〜Z3の各電子放出素子12の発光時に、これら電子放出素子12の電力を、第2グループG2に関する面光源部Z4〜Z6の電子放出素子12に回収し、第2グループG2に関する面光源部Z4〜Z6の各電子放出素子12の発光時に、これら電子放出素子12の電力を、第1グループG1に関する面光源部Z1〜Z3の電子放出素子12に回収するようにしてもよい。
上述した第3〜第6の変形例に係る光源10c〜10fでは、発光部14を6つの面光源部Z1〜Z6に分離した例を示したが、面光源部の数は任意に設定することができる。
次に、本実施の形態に係る光源10の各種実施の形態について図33〜図101を参照しながら説明する。
先ず、第1の実施の形態に係る光源10Aは、図33に示すように、透明基板40と、該透明基板40に対向して配置された固定基板110と、固定基板110の主面(透明基板40と対向する面)側に配列された複数の電子放出素子12とを有する。
固定基板110の主面のうち、電子放出素子12が形成されていない部分に拡散電極150が形成されている。透明基板40の裏面(固定基板110と対向する面)のほぼ全面に蛍光体層44が形成され、該蛍光体の端面に金属膜によるアノード電極42が形成されている。このアノード電極42は、メタルバック層152としても機能する。アノード電極42の形成法は、スパッタリング法や蒸着法のほか、金属箔を貼り付ける方法でもよい。金属膜としては、特に、Ag、Alが好ましい。反射率が高く、適度な柔軟性を有するからである。
電子放出素子12と蛍光体層44の配列パターンとしては、例えば図34に示すように、複数の電子放出素子12をマトリックス状に配列し、さらに、蛍光体層44を列方向に沿ってストライプ状に形成するようにしてもよいし、例えば図35に示すように、複数の電子放出素子12を千鳥状に配列し、これら電子放出素子12に対応した位置に蛍光体層44をそれぞれ独立に形成するようにしてもよい。さらに、電子放出素子12の配列とは関係なく、蛍光体層44は、透明基板40の裏面に所望の発行パターンを考慮して決定されてもよい。
そして、図33に示すように、固定基板110上に形成された電子放出素子12から放出された電子流146がアノード電極42によって加速されて、蛍光体層44に衝突し、蛍光体発光154が生ずる。この蛍光体発光154はメタルバック層152(アノード電極42)の存在によってほぼ100%が表面発光として外部に出射される。
また、拡散電極150で生成する電界により電子流146が拡散し、透明基板40上の蛍光体層44が励起されることから、過剰電子量による蛍光体飽和が抑制され、高効率な状態で蛍光体層44を発光させ、且つ、発光の広がりをもって均一な面発光を得ることが可能である。
この例では、アノード電極42に印加される加速電圧として10kVを想定したとき、蛍光体層44に照射されるパルス状の電子流(電子流パルス)146の面密度をピーク値で50μA/cm2以下となるように電子流146を拡散することができ、過剰な電子量による蛍光体飽和による蛍光体の効率低下を防ぐことができる。
また、拡散電極150に印加する電圧によって、電子放出素子12から放出される電子の広がりをコントロールすることができ、電子の広がりの最適化設計が可能となる。さらに、拡散電極150の表面を鏡面化することで、光反射膜としての効果を持たせることができる。
さらに、パルス状の電子流146を、一定の間隔をもって間欠的に放出することにより、パルス状の電子流146が放出されていない期間においても、蛍光体の残光による発光が持続するため、発光の高効率化が可能となる。
次に、第2の実施の形態に係る光源10Bは、図36に示すように、上述した第1の実施の形態に係る光源10Aとほぼ同様の構成を有するが、固定基板110における透明基板40と対向する面に形成された拡散電極150に加えて、透明基板40と対向する面と反対側の面にも拡散電極156を形成した点で異なる。なお、固定基板110は、透明基板にて構成するようにしてもよい。
この第2の実施の形態においては、拡散電極156と電子放出素子12の駆動電極及びその配線との絶縁距離を確保しつつ、電子流146を拡散するための電界を生成するための設計の自由度が大きくなる。一方、前記絶縁距離の確保には、別途電子放出素子12と固定基板110の間にガラス等の絶縁基板を設けてもよい。
次に、第3の実施の形態に係る光源10Cは、図37に示すように、透明基板40と、該透明基板40に対向して配置された固定基板110と、透明基板40の裏面(固定基板110と対向する面)側に配列された複数の電子放出素子12とを有する。透明基板40の裏面のうち、電子放出素子12が形成された部分以外に透明電極による拡散電極150が形成されている。
固定基板110の主面(透明基板40と対向する面)のほぼ全面に例えば光反射膜142によるアノード電極42が形成され、該アノード電極42の端面に蛍光体層44が形成されている。
そして、各電子放出素子12から放出された電子が固定基板110の主面に形成された蛍光体層44に当たることによって、蛍光体層44が励起して蛍光体発光154として具現される。蛍光体発光154は、アノード電極42(光反射膜142)にて反射されて透明基板40側に向かって進み、該透明基板40を透過することとなる。
この場合、電子放出素子12が形成されていない部分を通じて蛍光体発光154が透過するため、蛍光体発光154を透明基板40の表面からの表示発光として有効に、且つ、高効率に利用することができる。つまり、電子放出素子12が形成されていない部分を有効に利用することができる。
しかも、透明基板40上に形成された電子放出素子12からの電子流146が、透明基板40上に形成された透明電極からなる拡散電極150によって生成された電界によって、例えば、蛍光体層44に照射されるパルス状の電子流146の面密度をピーク値で50μA/cm2となるように、拡散されるため、蛍光体飽和が抑制され、且つ、電子照射面からの蛍光体発光を効率よく、均一な広がりをもって取り出すことが可能である。
さらに、パルス状の電子流146を、一定の間隔をもって間欠的に放出することにより、パルス状の電子流146が放出されていない期間においても、蛍光体の残光による発光が持続するため、発光の高効率化が可能となる。
次に、第4の実施の形態に係る光源10Dは、図38に示すように、上述した第3の実施の形態に係る光源10Cとほぼ同様の構成を有するが、透明基板40における固定基板110と対向する面に形成された拡散電極150に加えて、固定基板110と対向する面と反対側の面にも拡散電極156を形成した点で異なる。
この第4の実施の形態においては、拡散電極156と電子放出素子12の駆動電極及びその配線との絶縁距離を確保しつつ、電子流146を拡散するための電界を生成するための設計の自由度が大きくなる。
次に、拡散電極150等を用いた好ましい実施の形態について図39〜図57を参照しながら説明する。
先ず、第5の実施の形態に係る光源10Eは、図39及び図40に示すように、上述した第1の具体例に係る光源10Aとほぼ同様の構成を有するが、電子放出素子12の周囲に2つの拡散電極(第1拡散電極150A及び第2拡散電極150B)が設置され、さらに、これら第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bが、電子放出素子12の上面(電子放出面160)よりも上方に位置されている点で異なる。
そして、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bにそれぞれ正極性の制御電圧Vfをそれぞれ第1端子162A及び第2端子162Bを通じて印加することによって、電子流146の放出経路に電子流146を拡散させるための一種の静電レンズが形成された形となり、メタルバック層152に向かう電子流146は、途中の静電レンズにて急激に拡散させられ、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。その結果、図40に示すように、電子流146のメタルバック層152に対する照射領域164は、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bが配置されている方向に拡大される。照射領域164の拡大率は、以下のように制御される。
(1)第1拡散電極150Aと第2拡散電極150B間の距離、換言すると、電子放出素子12の大きさが小さいほ拡大率は大きい。
(2)第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bと、電子放出素子12との距離が小さいほど拡大率は大きい。
(3)第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bに印加する電圧としては、アノード電極42に印加される加速電圧以下が好ましく、特に、前記加速電圧と同電圧を印加することが拡大率の点で好ましい。
(4)第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bと、アノード電極42との距離が大きいほど拡大率は大きくなる。
これにより、アノード電極42に印加される加速電圧として10kVを想定したとき、蛍光体層44に照射されるパルス状の電子流146の面密度をピーク値で50μA/cm2以下となるように電子流146を拡散することができ、過剰な電子量による蛍光体飽和による蛍光体層44の効率低下を防ぐことができる。すなわち、この照射領域164の拡大により、蛍光体飽和が抑制され、且つ、電子照射面からの蛍光体発光を効率よく、均一な広がりをもって取り出すことが可能である。
照射領域164の大きさは、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bの設置高さha(電子放出素子12の電子放出面160の水平位置から第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bの水平位置までの距離)や、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150B間の間隔da(水平距離)並びに制御電圧Vfの値を制御することで適宜変更させることができる。
次に、第6の実施の形態に係る光源10Fは、図41に示すように、上述した第5の実施の形態に係る光源10Eとほぼ同様の構成を有するが、拡散電極150が環状に形成されている点で異なる。
拡散電極150の内側形状及び外側形状は、電子放出素子12の外形形状とほぼ相似した形状となっている。例えば図41の例では、電子放出素子12の外形形状が正方形である場合、拡散電極150の内側形状と外側形状も正方形となっている。なお、拡散電極150の内側の開口幅dbは、電子放出素子12の1辺の長さよりも長く設定されている。
そして、拡散電極150に正極性の制御電圧Vfを端子162を通じて印加することによって、この場合も、電子流146(図39参照)の放出経路に電子流146を拡散させるための一種の静電レンズが形成された形となり、メタルバック層152に向かう電子流146は、途中の静電レンズにて急激に拡散させられ、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。その結果、図42に示すように、電子流146のメタルバック層152に対する照射領域164は、拡散電極150を含む平面領域を超える広い領域となる。この照射領域164の拡大により、蛍光体飽和が抑制され、且つ、電子照射面からの蛍光体発光を効率よく、均一な広がりをもって取り出すことが可能となる。
照射領域164の大きさは、拡散電極150の設置高さや、拡散電極150の開口幅db並びに制御電圧Vfの値を制御することで適宜変更させることができる。
また、図42に示すように、電子流146のメタルバック層152に対する照射領域164の拡大率は、以下のように制御される。
(1)拡散電極150の開口幅db、換言すると、電子放出素子12の大きさが小さいほ拡大率は大きい。
(2)拡散電極150と電子放出素子12との距離が小さいほど拡大率は大きい。
(3)拡散電極150に印加する電圧としては、アノード電極42に印加される加速電圧以下が好ましく、特に、前記加速電圧と同電圧を印加することが拡大率の点で好ましい。
(4)拡散電極150とアノード電極42との距離が大きいほど拡大率は大きくなる。
次に、第7の実施の形態に係る光源10Gは、図43に示すように、上述した第5実施の形態に係る光源10Eとほぼ同様の構成を有するが、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bの高さが、電子放出素子12の高さよりも大とされ、さらに、第1拡散電極150Aに接地電位Vss(GND:グランド)が第1端子162Aを通じて印加され、第2拡散電極150Bに定電圧Vfあるいは交流信号(正弦波や三角波等)Seが第2端子162Bを通じて印加される点で異なる。
第2拡散電極150Bに正極性の定電圧+Vfを印加することで、電子放出素子12から放出された電子流146の軌道が第2拡散電極150B寄りに偏向され、反対に、第2拡散電極150Bに負極性の定電圧−Vfを印加することで、電子流146の軌道が第1拡散電極150A寄りに偏向されることになる。
また、図44に示すように、第2拡散電極150Bに正弦波Se(正極性の正弦波及び負極性の正弦波)が連続して印加されることで、電子放出素子12から放出された電子流146の軌道が、正弦波Seの電圧レベルに応じて連続的に偏向されることになる。つまり、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bは、電子流146の軌道を偏向するための電極(偏向電極)として機能することになる。
そして、例えば図44の時点t0では、正弦波Seの電圧レベルが0(V)であることから、電子流146は偏向されずにメタルバック層152に向かって直進し、図45Bに示すように、メタルバック層152上の位置P0に照射される。正極性の電圧レベル(絶対値)が徐々に上昇するに従って、電子流146は第2拡散電極150B寄りに偏向され、正極性の電圧レベル(絶対値)が最大である時点t1では、電子流146は第2拡散電極150B寄りに最も強く偏向され、メタルバック層152上の位置P1(図45A参照)に照射される。その後、電圧レベルが徐々に下降するに従って、電子流146は第2拡散電極150B寄りの偏向が徐々に弱められ、正弦波Seの電圧レベルが0(V)となる時点t2では、再び電子流146は偏向されずに直進し、メタルバック層152上の位置P0(図45B参照)に照射される。
その後、正弦波Seの負極性の電圧レベル(絶対値)が徐々に上昇するに従って、電子流146は第1拡散電極150A寄りに偏向され、負極性の電圧レベル(絶対値)が最大である時点t3では、電子流146は第1拡散電極150A寄りに最も強く偏向され、メタルバック層152上の位置P2(図45C参照)に照射される。その後、負極性の電圧レベル(絶対値)が徐々に下降するに従って、電子流146は第1拡散電極150A寄りの偏向が徐々に弱められ、正弦波Seの電圧レベルが0(V)となる時点t4では、再び電子流146は偏向されずに直進し、メタルバック層152上の位置P0(図45B参照)に照射される。
そして、正弦波Seが連続して印加されることで、電子流146のメタルバック層152上での照射位置が位置P0を中心に位置P1と位置P2との間を往復することとなる。
もちろん、第2拡散電極150Bに正極性の正弦波Seのみを印加した場合は、電子流146のメタルバック層152上での照射位置が位置P0と位置P1との間を往復し、反対に、第2拡散電極150Bに負極性の正弦波Seのみを印加した場合は、電子流146のメタルバック層152上での照射位置が位置P0と位置P2との間を往復することとなる。
このように、第7の実施の形態に係る光源10Gにおいては、電界によって電子流146の軌道を偏向するようにしたので、メタルバック層152に対して、電子流146の照射領域164を二次元的に走査することができる。従って、直進性の高い電子流146を用いた場合に、静電界による拡散と比して電子流146の照射位置を広げることができ、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。
次に、第8の実施の形態に係る光源10Hは、図46に示すように、上述した第5の実施の形態に係る光源10Eと同様の構成を有するが、電子放出素子12の周囲に4つの拡散電極(第1拡散電極150A〜第4拡散電極150D)を配置した点で異なる。図46の例では、電子放出素子12の電子放出面160の外形がほぼ正方形であって、各辺に対向して第1拡散電極150A〜第4拡散電極150Dをそれぞれ配置した場合を示す。
そして、第1拡散電極150A〜第4拡散電極に対してそれぞれ端子(第1端子162A〜第4端子)を通じて任意の電圧を印加することによって、電子流146(図43参照)を任意の方向に偏向させることができ、電子流146のメタルバック層152に対する照射領域164をxy方向で自由に制御することができる。
ここで、第1拡散電極150A〜第4拡散電極に対する電圧印加によって電子流146を偏向させる方法の一例(第1の方法)を図47及び図48を参照しながら説明する。
先ず、1つのサイクルを設定し、このサイクルで1つの偏向走査を終えるようにする。この偏向走査は、例えば図47に示すように、メタルバック層152に対する電子流146の照射領域164が第1拡散電極150A寄りの位置P11→第2拡散電極150B寄りの位置P12→第3拡散電極150C寄りの位置P13→第4拡散電極150D寄りの位置P14→第1拡散電極150A寄りの位置P11というように環状に走査させる等が挙げられる。
この偏向走査(環状の偏向走査)を実現するためには、図48に示すように、第1端子162A〜第4端子に印加する正極性の高周波信号波形(凸状の信号波形)Sehをそれぞれ所定時間ずつ遅らせて印加するようにする。一例として、第1端子162Aに印加される正極性の信号波形Sehが最大レベルとなった時点t11で、第2端子162Bへの正極性の信号波形Sehの印加を開始し、第2端子162Bに印加される正極性の信号波形Sehが最大レベルとなった時点t13で、第3端子162Cへの正極性の信号波形Sehの印加を開始し、第3端子162Cに印加される正極性の信号波形Sehが最大レベルとなった時点t15で、第4端子162Dへの正極性の信号波形Sehの印加を開始する。
これにより、図47に示すように、電子流146の照射領域164は、時点t11では、最も第1拡散電極150A寄りの位置P11とされ、第1端子162Aに印加される電圧と第2端子162Bに印加される電圧がほぼ同じとされる時点t12では、第1拡散電極150Aと第2拡散電極150Bとの間の位置P21(電子放出面160の1つのコーナーCN1に対応した位置)とされる。
同様に、時点t13では、最も第2拡散電極150B寄りの位置P12とされ、第2端子162Bに印加される電圧と第3端子162Cに印加される電圧がほぼ同じとされる時点t14では、第2拡散電極150Bと第3拡散電極150Cとの間の位置P22(電子放出面160の1つのコーナーCN2に対応した位置)とされる。
以下同様に、時点t15では最も第3拡散電極150C寄りの位置P13とされ、時点t16では第3拡散電極150Cと第4拡散電極150Dとの間の位置P23(電子放出面160の1つのコーナーCN3に対応した位置)とされ、時点t17では最も第4拡散電極150D寄りの位置P14とされ、時点t18では第4拡散電極150Dと第1拡散電極150Aとの間の位置P24(電子放出面160の1つのコーナーCN4に対応した位置)とされる。
そして、電子放出素子12から電子流146が放出される期間は、図23に示すように、1フレーム期間内の電子放出期間Thである。従って、図48に示すように、1フレーム期間を複数のサイクル(サイクル1、サイクル2、・・・サイクルn)に分け(図48では、時間を有効に使うために、隣接するサイクルにおいて一部重なるようにしている)、各サイクルにおいて、上述した環状の偏向走査を行うことで、1フレーム期間に複数回の環状の偏向走査が行われ、蛍光体層44に照射される電子量をほぼ一定にすることができる。
次に、第1拡散電極150A〜第4拡散電極に対する電圧印加によって電子流146を偏向させる方法の他の例(第2の方法)を図47、図49A〜図49Cを参照しながら説明する。
図49A及び図49Bに示すように、電子放出素子12から放出される電子流レベルは、1つの電子放出期間Th内において時間の経過に伴って変化する。図49Bの例では、時間の経過に伴って電子流レベルが徐々に上昇し、途中のピークレベルを超えた段階から徐々に下降するという変化を示している。
そこで、この第2の方法では、偏向された電子流146によって蛍光体層44に照射される電子の量が一定になるように、電子流レベルに応じて、電子流146の偏向速度を制御する。
例えば、図49Bに示す電子流レベルの分布波形を第1拡散電極150A〜第4拡散電極150Dの数(この例では、4つ)に分け、第1波形領域F1を第1拡散電極150A、第2波形領域F2を第2拡散電極150B、第3波形領域F3を第3拡散電極150C、第4波形領域F4を第4拡散電極150Dに割り当て、各波形領域F1〜F4の積分値がほぼ同じになるように、分割時点を設定する。
そして、図49B及び図49Cに示すように、第1拡散に印加される高周波信号Sehの最大レベルの時点t21が第1波形領域F1の中心位置に対応する時点t31に対応するようにし、第2拡散に印加される高周波信号Sehの最大レベルの時点t22が第2波形領域F2の中心位置に対応する時点t32に対応するようにし、第3拡散に印加される高周波信号Sehの最大レベルの時点t23が第3波形領域F3の中心位置に対応する時点t33に対応するようにし、第4拡散に印加される高周波信号Sehの最大レベルの時点t24が第4波形領域F4の中心位置に対応する時点t34に対応するようにする。
このように、第1拡散電極150A〜第4拡散電極に対する高周波信号Sehの印加タイミングを電子流レベルに応じて制御することによって、偏向された電子流146によって蛍光体層44に照射される電子の量を一定にすることができる。
上述した第2の方法では、1つの電子放出期間Thを4つの分けた例を示したが、第1の方法と同様に、1つの電子放出期間Thを複数のサイクルに分け、各サイクルにおける第1拡散電極150A〜第4拡散電極に対する高周波信号Sehの印加タイミングを電子流レベルに応じて制御することによって、偏向された電子流146によって蛍光体に照射される電子の量をより一定にすることができる。
次に、第9の実施の形態に係る光源10Iは、図50に示すように、第5の実施の形態に係る光源10Eとほぼ同様の構成を有するが、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bに代えて、電子放出素子12の下方に磁界発生手段170を設置した点で異なる。
磁界発生手段170は、コ字状のコア172にコイル174が巻回されて構成され、コイル174に流す電流の方向によってコア172の端部に現れる極性を変化させることができる。図50の例では、コイル174に一方向に電流を流すことによって、コア172の左側端部(第1コア部172a)をN極、右側端部(第2コア部172b)をS極にした場合を示す。そして、電子放出素子12から放出した電子流146は、N極からS極に向かう磁力線176の影響によって、ローレンツ力を受け、偏向されることになる。このとき、電子放出面160から放出されたばかりの電子は、磁力線176とほぼ直交する方向に進行することから、最も強く偏向される。すなわち、ローレンツ力は、電子放出面160からメタルバック層152に向かう方向(以下、垂直方向と記す)の電子の速度成分で発生するため、磁力線176と直交する方向に進む場合に、最も強く働くことになり、これによって、偏向も大きくなる。
従って、磁界発生手段170にて発生した磁界の方向を時間の経過に伴って変化させることによって、電子放出素子12から放出された電子流146の軌道を連続的に偏向させることができる。このように、磁界発生手段170は、電子流146の軌道を偏向するための手段(偏向手段)として機能することになる。
ここで、図51及び図52を参照しながら電子流146の偏向の一例について説明すると、例えば図51の時点t40から時点41にわたって、磁界発生手段170から磁界は発生していないため、電子流146は偏向されずにメタルバック層152に向かって直進し、図52に示すように、メタルバック層152上の位置P0に照射される。その後、時点t41から時点t42にわたってコイル174に一方向に電流が供給され、第1コア部172aがN極、第2コア部172bがS極となることから、電子流146は一方向に偏向され、メタルバック層152上の位置P1(図52参照)に照射される。その後、時点t42から時点t43にわたってコイル174への電流供給が停止されるため、電子流146は偏向されずにメタルバック層152に向かって直進し、メタルバック層152上の位置P0(図52参照)に照射される。その後、時点t43から時点t44にわたってコイル174に他方向に電流が供給され、第1コア部172aがS極、第2コア部172bがN極となることから、電子流146は他方向に偏向され、メタルバック層152上の位置P2(図52参照)に照射される。
そして、上述の処理が繰り返されることで、電子流146のメタルバック層152上での照射位置が位置P0を中心に位置P1と位置P2との間を往復することとなる。
照射領域164の大きさは、コア172のギャップ(第1コア部172aと第2コア部172b間の距離)、磁界の強度、磁界印加空間の構成等によって適宜変更させることができる。また、電子流146の偏向量は、磁界発生手段170での磁界発生の有無、磁界の向き、磁界の強さによって制御することができる。
このように、第9の実施の形態に係る光源10Iにおいては、磁界によって電子流146の軌道を偏向するようにしたので、メタルバック層152に対して、電子流146の照射領域164を二次元的に走査することができる。電界を用いて偏向させる場合と比して、高電圧を必要としないため、制御回路の低コスト化が可能となる。また、この場合も、直進性の高い電子流146を用いた場合に、静電界による拡散と比して電子流146の照射位置を広げることができ、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。
次に、第10の実施の形態に係る光源10Jは、図53に示すように、上述した第9の実施の形態に係る光源10Iとほぼ同様の構成を有するが、磁界発生手段170を固定基板110と透明基板40間であって、且つ、電子放出素子12の近傍に設置した点で異なる。
この場合、磁界発生手段170にて発生した磁界が固定基板110等によって邪魔されずに直接電子流146に作用させることができるため、偏向量を制御し易くなる。
次に、第11の実施の形態に係る光源10Kは、図54に示すように、上述した第9の実施の形態に係る光源10Iとほぼ同様の構成を有するが、2つの磁界発生手段(第1磁界発生手段170A及び第2磁界発生手段170B)を各ギャップの方向が互いに直交する方向となるように配置している点で異なる。図54の例では、第1磁界発生手段170Aにおける第1コア部172Aa及び第2コア部172Abをx方向に配列し、第2磁界発生手段170Bにおける第1コア部172Ba及び第2コア部172Bbをy方向に配列し、これらコア部172Aa、172Ab、172Ba及び172Bbにて囲まれた区画に電子放出素子12を設置した場合を示す。
ここで、各コア部172Aa、172Ab、172Ba及び172Bbにおける極性の組み合わせによって電子流146を偏向させる方法の一例を図55及び図56を参照しながら説明する。
先ず、1つのサイクルを設定し、このサイクルで1つの偏向走査を終えるようにする。この偏向走査は、例えば図55に示すように、メタルバック層152に対する電子流146の照射領域164が第2磁界発生手段170Bの第1コア部172Ba寄りの位置P31→第1磁界発生手段170Aの第2コア部172Ab寄りの位置P32→第2磁界発生手段170Bの第2コア部172Bb寄りの位置P33→第1磁界発生手段170Aの第1コア部172Aa寄りの位置P34→第2磁界発生手段170Bの第1コア部172Ba寄りの位置P31というように環状に走査させる等が挙げられる。
この偏向走査(環状の偏向走査)を実現するためには、図56に示すように、第1磁界発生手段170Aの第1コア部172Aa、第2磁界発生手段170Bの第1コア部172Ba、第1磁界発生手段170Aの第2コア部172Ab、第2磁界発生手段170Bの第2コア部172Bbにおいて現れる極性(例えばN極)をそれぞれ所定時間ずつ遅らせるようにする。
一例として、時点t50から時点t52にわたって第1磁界発生手段170Aの第1コア部172AaをN極、第2コア部172AbをS極とし、時点t52までの途中の時点t51から時点t54にわたって第2磁界発生手段170Bの第1コア部172BaをN極、第2コア部172BbをS極とする。時点t52から時点t53にわたって第1磁界発生手段170Aのコイルへの通電を一時的に停止し、その後、時点t53から時点t56にわたって第1磁界発生手段170Aの第1コア部172AaをS極、第2コア部172AbをN極とする。同様に、時点t54から時点t55にわたって第2磁界発生手段170Bのコイルへの通電を一時的に停止し、その後、時点t55から時点t57にわたって第2の磁界発生手段170Bの第1コア部172BaをS極、第2コア部172BbをN極とする。
これにより、図55に示すように、電子流146の照射領域164は、時点t50から時点t51では、最も第1コア部172Ba寄りの位置P31とされ、時点t51から時点t52では、第1コア部172Baと第2コア部172Abとの間の位置P41(電子放出面160の1つのコーナーCN2に対応した位置)とされ、時点t52から時点t53では、最も第2コア部172Ab寄りの位置P32とされ、時点t53から時点t54では、第2コア部172Abと第2コア部172Bbとの間の位置P42(電子放出面160の1つのコーナーCN3に対応した位置)とされる。
同様に、時点t54から時点t55では、最も第2コア部172Bb寄りの位置P33とされ、時点t55から時点t56では、第2コア部172Bbと第1コア部172Aaとの間の位置P43(電子放出面160の1つのコーナーCN4に対応した位置)とされ、時点t56から時点t57では、最も第1コア部172Aa寄りの位置P34とされとされる。
そして、電子放出素子12から電子流146が放出される期間は、図23に示すように、1フレーム期間内の電子放出期間Thであることから、この電子放出期間Thを複数のサイクルに分け、各サイクルにおいて、上述した環状の偏向走査を行うことで、1つの電子放出期間Thに複数回の環状の偏向走査が行われ、蛍光体層44に照射される電子量をほぼ一定にすることができる。
なお、この第11の実施の形態においても、上述した第2の方法(図49A〜図49C参照)と同様の方式で極性の組合せを行ってもよい。
次に、第12の実施の形態に係る光源10Lは、図57に示すように、上述した第7の実施の形態に係る光源10Gとほぼ同様の構成を有するが、図示しない磁界発生手段によって、固定基板110から透明基板40に向かう磁界を発生させる点で異なる。
この具体的構成例としては、図58に示すように、固定基板110上に電子放出素子12を実装し、さらに、その周囲に、電子流146の偏向を行うための第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bを構成する電極膜180を形成し、その周囲に、電子放出素子12及び電極膜180を囲むように、磁界発生用のコイルパターン182を例えば印刷によって形成する。
コイルパターン182に通電を行うことによって、電子放出素子12と電極膜180に対して上向きの磁界184(固定基板110から透明基板40に向かう磁界)が発生することとなる。
なお、図59に、電子放出素子12、電極膜180及びコイルパターン182を1つのユニット185とした場合に、このユニット185を多数配列させた例を示す。この場合、ユニット185は、例えば同一セラミック基板上に、電子放出素子12、電極膜180及びコイルパターン182が厚膜印刷で形成されたものが好ましく用いられる。また、図60に示すように、予め固定基板110に電極膜180及びコイルパターン182を形成しておき、これら電極膜180及びコイルパターン182をアライメントマーク186として電子放出素子12を実装するようにしてもよい。
この第12の実施の形態に係る光源10Lにおいては、電子流146に対して、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bによって発生する電界と、図示しない磁界発生手段(図58に示すコイルパターン182)によって発生する上向きの磁界を組み合わせた偏向を行うことができる。
例えば、第1拡散電極150Aに接地電位Vssを印加し、第2拡散電極150Bに一定の正電圧Vfを印加することによって、電子流146に水平方向の速度成分を持たせる。電子流146は、生じた水平方向の速度成分に応じた磁界による力を受けて偏向し、らせん運動をしながらメタルバック層152に向けて進行することになる。これにより、メタルバック層152に対して広範囲に電子流146を照射することができ、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。この場合も、電子流146の拡散に高電圧を必要としないため、制御回路の低コスト化が可能となる。
次に、第13の実施の形態に係る光源10Mは、図61に示すように、上述した第12の実施の形態に係る光源10Lとほぼ同様の構成を有するが、図示しない磁界発生手段によって、水平方向に磁界を発生させる点で異なる。
この具体的構成例としては、図62に示すように、固定基板110上に電子放出素子12を実装し、さらに、その周囲に、電子流146の偏向を行うための第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bを構成する電極膜180を形成する。そして、その周囲に、磁界発生用のコイルパターン188を例えば印刷によって形成する。このコイルパターン188は、電子放出素子12及び電極膜180の左側に形成され、且つ、一方向に巻回された第1コイルパターン部188aと、電子放出素子12及び電極膜180の右側に形成され、且つ、他方向に巻回された第2コイルパターン部188bとを有する。
コイルパターン188に通電を行うことによって、例えば第1コイルパターン部188aから第2コイルパターン部188bに向かう磁界190が発生し、この磁界190は、電子放出素子12と電極膜180に対する水平方向の磁界となる。
なお、図63に、電子放出素子12、電極膜180及びコイルパターン188を1つのユニット192とした場合に、このユニット192を多数配列させた例を示す。この場合、ユニット192は、例えば同一セラミック基板上に、電子放出素子12、電極膜180及びコイルパターン188が厚膜印刷で形成されたものが好ましく用いられる。特に、図63の例では、ユニット192間にも電子放出素子12と電極膜180の組合せを形成することによって、高集積度を向上させている。また、図64に示すように、予め固定基板110に電極膜180及びコイルパターン188を形成しておき、これら電極膜180及びコイルパターン188をアライメントマーク194として電子放出素子12を実装するようにしてもよい。
この第13の実施の形態に係る光源10Mにおいては、電子流146に対して、第1拡散電極150A及び第2拡散電極150Bによって発生する電界と、図示しない磁界発生手段(図62に示すコイルパターン188)によって発生する水平方向の磁界190を組み合わせた偏向を行うことができる。
例えば、第1拡散電極150Aに接地電位Vssを印加し、第2拡散電極150Bに一定の正電圧Vfを印加することによって、電子流146に水平方向の速度成分を持たせる。電子流146は、垂直方向の電界によって加速され、垂直方向の速度成分に比例した力を受けて偏向することとなる。この場合、電界による偏向と磁界による偏向の各長所が組み合わされる形となるため、電子流146の偏向量を大きくすることができる。
また、図58及び図62に示すように、固定基板110上に電極膜180とコイルパターン182(又は188)を形成するという構成を採用することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、電子放出素子12から放出される電子流146の軌道を偏向するには、電界及び/又は磁界を発生するための手段と電子放出素子12との高精度な位置合わせが必要となる。図58及び図62に示すように、同一基準で例えばスクリーン印刷によって固定基板110上に電極膜180とコイルパターン182(又は188)を形成することができるため、安価に、且つ、電子放出素子12との高精度な位置合わせが可能となる。
しかも、図60及び図64に示すように、固定基板110上に形成された電極膜180及びコイルパターン182(又は188)をアライメントマーク186(又は194)として、電子放出素子12を実装することにより、さらなる電子放出素子12との高精度な位置合わせが可能となる。
次に、第14の実施の形態に係る光源10Nは、図65に示すように、複数の電子放出素子12A〜12Dを時分割駆動して1つの電子放出素子12として動作させる点で特徴を有する。
すなわち、この光源10Nは、複数の電子放出素子12A〜12Dから放出されるパルス状の電子流146がメタルバック層152の同一領域を照射する。この場合に、前記同一領域を照射する各電子放出素子12A〜12Dのパルス状の電子流146の放出タイミングが異なる。
ところで、蛍光体の発光効率について検討した結果、図66に示すように、蛍光体に照射する電子量(ピーク電流密度)が少ないほど、蛍光体の発光効率が向上していることが判明した。
発光輝度を上げる場合、通常は、1つの電子放出素子12の放出電子量を大きくして、図67の破線Aで示すように、一定の電子放出期間Th内に1つのパルス状の電子流146を蛍光体に照射することが考えられる。
しかし、この場合、ピーク電流密度が高くなり、図66との関係で見ると、発光効率が悪くなることがわかる。さらに、電子放出期間Th全体にわたって、蛍光体層44に電子流146が照射されるので、蛍光体の残光特性を有効利用することもできない。
そこで、図65に示すように、例えば2行2列に並んだ4つの電子放出素子(第1電子放出素子12A〜第4電子放出素子12D)を1つのユニット(電子放出素子12)とし、これら第1電子放出素子12A〜第4電子放出素子12Dを時分割駆動する。この場合、第1電子放出素子12Aのピーク値の出力時点t61から電子放出期間Thの4分の1の時間(Th/4)が経過した時点t62で第2電子放出素子12Bがピーク値となり、その後、時間(Th/4)が経過した時点t63で第3電子放出素子12Cがピーク値となり、その後、時間(Th/4)が経過した時点t64で第4電子放出素子12Dがピーク値となるように時分割駆動する。
これにより、第1電子放出素子12A〜第4電子放出素子の各ピーク電流密度を上述した例(1つの電子放出素子12の放出電子量を大きくした例)の1/4にすることができ、例えばピーク電流密度として、10μA/cm2以下、さらには、5μA/cm2以下を得ることができ、発光効率として50[lm/W]以上を実現させることができる。
このように、複数の電子放出素子12から放出される低ピーク電流密度のパルス状の電子流146を連続的に重ね合わせることで、必要な電子流レベルを得ることができ、高輝度化と高効率化の両立が可能となる。
さらに、図68に示すように、ピーク電流密度は、例えば50μA/cm2程度まで高いものの、電子流パルス146の時間幅が非常に短い状態で、電子流パルス146を高周波駆動することも好ましい。
この場合、電子流パルス146と電子流パルス146との間に、概ねピーク電流密度がゼロとなる期間を設定することによって、1つの電子流パルス146によって得られる蛍光体の残光を有効利用することができる。従って、この場合は、蛍光体の残光特性を利用した高効率発光が可能となる。
さらに、この場合、複数の電子放出素子12から電子流パルス146を時分割で得ることにより、1つの電子放出素子12の駆動周波数を必要以上に増加させることがないため、電子放出素子12の寿命を損なわないで済む。
また、蛍光体層44の同一領域を、複数の電子放出素子12から時分割放出された電子流パルス146で励起するので、必要な電子流レベルを得ることができ、高輝度化と高効率化の両立が可能となる。
この第14の実施の形態に係る光源10Nは、上述した第1〜第13の実施の形態に係る光源10A〜10Mについても適用させることができる。
次に、蛍光体の発光効率を向上させるのに有効な他の実施の形態について図69〜図74を参照しながら説明する。
先ず、蛍光体の発光効率について検討した結果、図69に示すように、蛍光体に照射される1つの電子流パルスの電子量が少ないほど、また、アノード電極42に印加するバイアス電圧Vcを高くするほど、蛍光体の発光効率が向上していることが判明した。なお、図69において、三角形で示すプロット(直線B参照)は、アノード電極42に印加するバイアス電圧Vcが14kVの場合の特性を示し、四角形で示すプロット(直線C参照)は、バイアス電圧Vcが10kVの場合の特性を示す。
そして、第15の実施の形態に係る光源10Oは、図70に示すように、上述した第14の実施の形態に係る光源10Nとほぼ同様の構成を有するが、4つの電子放出素子12A〜12Dの代わりに1つの電子放出素子12が設けられている点で異なる。そして、電子放出素子12を、該電子放出素子12から放出される電子流パルス146の周波数が例えば14kHzという高周波となるように駆動することに特徴を有する。
例えば図71に示すように、1フレーム期間を4つのサイクルに分けた1つのサイクル(240Hz:4.1msec)を見たとき、破線Dで示すように、1サイクルに1つの電子流パルス146を蛍光体層44に照射した場合、蛍光体の発光効率は30[lm/W]付近であったのに対して、実線Eで示すように、1サイクルに周波数が14kHzの電子流パルス146を蛍光体層44に照射した場合、蛍光体の発光効率は70[lm/W]近くまでと大幅に向上し、図69におけるプロットFで示す特性を得ることができた。これは、各電子流パルス146の電子量が0.1nC/cm2近くまで低減されたことによると思われる。プロットFの特性によって5000cd/m2の輝度を実現することができ、例えば液晶ディスプレイのバックライト用の光源として好適となる。なお、各電子流パルス146の出力期間(電子放出期間Th)の間には、それぞれ電荷蓄積期期間Tdが存在している。
従って、1つの電子放出素子12であっても、該電子放出素子12から出力される電子流パルス146の周波数を制御することで、蛍光体層44に照射される1電子流パルス当たりの電子量を1nC/cm2以下となるようにすることができ、蛍光体の発光効率を向上させることができることがわかる。
次に、第16の実施の形態に係る光源10Pは、図72及び図73に示すように、上述した第6の実施の形態に係る光源10F(図41参照)とほぼ同様の構成を有するが、3つの電子放出素子12A〜12Cに対して1つの拡散電極150を設置した点で異なる。図72及び図73の例では、横方向に配列された3つの電子放出素子12A〜12Cに対応してそれぞれ3つの開口200A〜200Cが設けられた矩形状の1つの拡散を設置した例を示す。
そして、拡散電極150に正極性の制御電圧Vfを端子162を通じて印加することによって、この場合も、電子流146の放出経路に電子流146を拡散させるための一種の静電レンズが形成された形となり、メタルバック層152に向かう電子流146は、途中の静電レンズにて急激に拡散させられ、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。その結果、図74に示すように、電子流146のメタルバック層152に対する照射領域164は、電子放出素子12の占有面積を超える広い領域となる。この照射領域164の拡大により、蛍光体飽和が抑制され、且つ、電子照射面からの蛍光体発光を効率よく、均一な広がりをもって取り出すことが可能となる。
ここで、1つの実験例を示すと、第16の実施の形態に係る光源10Pを、以下の製造条件で作製して、メタルバック層152に対する照射領域164の拡大の割合を確認した。すなわち、赤の蛍光体としてP22−RE1(化成オプトニクス株式会社製)を用い、緑の蛍光体としてP22−GN4(化成オプトニクス株式会社製)を用い、青の蛍光体としてLDP−B3(化成オプトニクス株式会社製)を用い、これら赤、緑及び青の蛍光体を質量で1:1:1の割合で調合して蛍光体層44を形成した。蛍光体層44の厚みは、単位面積当たりの重量で換算したとき、6mg/cm2とした。メタルバック層152の厚みは150nmである。また、電子放出素子12A〜12Cとメタルバック層152間の距離を8mmとし、電子放出素子12A〜12Cと拡散電極150間の距離を0.8mm及び1.25mmとした。
その結果、図74に示すように、メタルバック層152に対する照射領域164は、電子放出素子12の占有面積(2.5mm×2.5mm)のほぼ30倍であった。
照射領域164の大きさは、拡散電極150の設置高さや、拡散電極150の開口200A〜200Cの幅並びに制御電圧Vfの値を制御することで適宜変更させることができる。
そして、この第16の実施の形態に係る光源10Pでは、電子放出素子12A〜12Cから放出される電子流パルス146が、拡散電極150で生成する電界によって拡散することから、蛍光体層44に照射される1電子流パルス当たりの電子量を1nC/cm2以下となるように電子流パルス146を拡散することができ、蛍光体の発光効率を向上させることができる。
なお、上述した第15の実施の形態に係る光源10Oにて示す手法、すなわち、1つの電子放出素子12について電子流パルス146の周波数を高くする手法を上述した第1〜第14の実施の形態に係る光源10A〜10N及び第16の実施の形態に係る10Pに適用してもよい。この場合、複数の電子放出素子12が二次元的に走査されると共に、各電子放出素子12から放出される電子流パルス146が高周波駆動されることから、第1〜第14の実施の形態に係る光源10A〜10N及び第16の実施の形態に係る光源10Pの効果(電子流パルス146の拡散に伴う蛍光体の発光効率の向上)と第15の実施の形態に係る光源10Oの効果(電子流パルス146の高周波駆動に伴う蛍光体の発光効率の向上)によって、さらなる蛍光体の発光効率の向上を図ることができる(相乗効果)。
上述の例では、主に多数の電子放出素子12をマトリックス状に配列した例を示したが、その他、図75〜図77に示す第17の実施の形態に係る光源10Qのように、多数の電子放出素子12を千鳥状に配列するようにしてもよい。
ここで、第17の実施の形態に係る光源10Qの構成について図75〜図77を参照しながら説明する。
この第17の実施の形態に係る光源10Qは、図75に示すように、固定基板110と、該固定基板110の主面上に千鳥配列された多数の電子放出素子12と、固定基板110の主面に形成された多数の上部電極配線126と、固定基板110の主面に形成された多数の下部電極配線120と、固定基板110の主面上にある程度の間隔をあけて設置された拡散電極150と、固定基板110に対向して設けられた透明基板40と、該透明基板40の外周と固定基板110の外周との間に設置された外周スペーサ210と、透明基板40と固定基板110との間に介在された多数の内部スペーサ212とを有する。なお、内部スペーサ212は、図83Bに示すように、固定基板110に実装される径の大きい第1内部スペーサ212aと、透明基板40と第1内部スペーサ212a間に実装される径の小さい第2内部スペーサ212bとを有する。
上部電極配線126と下部電極配線120は互い違いに配線され、そのうち、上部電極配線126は電子放出素子12の上部電極に電気的に接続され、下部電極配線120は電子放出素子12の下部電極に電気的に接続されている。
拡散電極150は、例えば1つの電極板にて構成され、電子放出素子12と対応する位置に多数の第1開口214が設けられ、内部スペーサ212と対応する位置に多数の第2開口216(図79B参照)が設けられている。
透明基板40は、固定基板110と対向する面に蛍光体層44とメタルバック層152(アノード電極42を兼用)がその順番で積層されて形成されている。
そして、図76に示すように、拡散電極150に例えば正極性の制御電圧Vfを端子162を通じて印加することによって、この場合も、電子流146の放出経路に電子流146を拡散させるための一種の静電レンズが形成された形となり、メタルバック層152に向かう電子流146は、途中の静電レンズにて急激に拡散させられ、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。その結果、図77に示すように、1つの電子放出素子12の発光範囲218(破線で囲む領域)は、拡散電極150(図76参照)による拡散作用によって、電子放出素子12の占有面積よりも広い面積になる。従って、この第17の実施の形態に係る光源10Qの発光領域220は、上記の発光範囲218が、電子放出素子12の千鳥配列に従って並べられた形となり、広い範囲にわたって拡大させることができる。この発光領域220の拡大により、蛍光体飽和が抑制され、且つ、電子照射面からの蛍光体発光を効率よく、均一な広がりをもって取り出すことが可能となる。
次に、上述した第17の実施の形態に係る光源10Qの製造方法について図78A〜図83Bの製造工程図を参照しながら説明する。
最初に、固定基板110側の製作について図78A〜図80Bを参照しながら説明する。
先ず、図78Aに示すように、厚みが例えば2.8mmの固定基板110の主面に上部電極配線126、下部電極配線120及び拡散電極用配線222を形成する。具体的には、固定基板110の主面にスクリーン印刷で、銀電極をパターン形成して温度:150℃、時間:5分の乾燥と、温度:600℃での焼成(保持時間:10分)を行って上部電極配線126、下部電極配線120及び拡散電極用配線222を形成する。もちろん、これら上部電極配線126、下部電極配線120及び拡散電極用配線222は、スパッタ法にて形成されたAl(アルミニウム)膜をフォトリソグラフィ技術(リフトオフ法を含む)によってパターンニングして形成するようにしてもよい。
次に、図78Bに示すように、上部電極配線126及び下部電極配線120のうち、電子放出素子12が設置される部分に、電子放出素子12を固定するための接着ペースト224として、銀ペーストをスクリーン印刷する。銀ペーストを使う理由としては、電子放出素子12と固定基板110(ソーダガラス)の熱膨張差による剥がれ、固定基板110の割れをなくすためである。
接着ペースト224(この場合、銀ペースト)を電極パターン(上部電極配線126及び下部電極配線120)上に塗布する理由としては、接着ペースト224を塗る下地に、形成済みの金属膜(電極パターン)があることでも、電子放出素子12と固定基板110(ソーダガラス)の熱膨張差による剥がれ、固定基板110の割れをなくすことができるからである。
また、すでに形成済みの電極パターン(上部電極配線126及び下部電極配線120)が電子放出素子12と固定基板110(ソーダガラス)との間に隙間を作り、接着ペースト224内の溶剤が抜けやすくなる。これにより、接着ペースト224が乾燥時に不必要に広がるのを防ぐことができる。
次に、図78Cに示すように、固定基板110上に電子放出素子12を実装する。具体的には、電子放出素子12を予め決定された実装位置に載置し、温度:150℃、時間:5分の乾燥処理を行う。
電子放出素子12の実装位置は、電極パターン(上部電極配線126及び下部電極配線120)内に位置がわかりやすくなるように、位置決めパターンが形成されている。もちろん、電極パターン上に形成された接着ペースト224の位置から電子放出素子12の実装位置を認識するようにしてもよい。また、電子放出素子12を配置する間隔は、1つの電子放出素子12の発光領域(面積)を測定し、この発光領域が隙間なく配置される間隔としている。
次に、図79Aに示すように、電子放出素子12の上部電極と上部電極配線126との電気的接続、並びに電子放出素子12の下部電極と下部電極配線120との電気的接続を行う。具体的には、電子放出素子12の上部電極と上部電極配線126間に接続ペースト226を塗布し、さらに、電子放出素子12の下部電極と下部電極配線120間に接続ペースト228を塗布し、温度:150℃、時間:5分の乾燥処理を行う。接続ペースト226及び228の塗布はスクリーン印刷又はディスペンサ等で行うことができる。
次に、図79Bに示すように、拡散電極150の組立てを行う。具体的には、固定基板110の主面のうち、電子放出素子12を実装していない部分に、拡散電極150と電子放出素子12の距離(Z軸)を決めるための拡散電極用スペーサ(ガラス製のチップ230及びガラス製のバー232)を、ガラスペーストを用いて実装し、温度:150℃、時間:5分の乾燥処理を行う。なお、バー232の上面には、拡散電極用の配線パターン234が形成されており、固定基板110に形成された拡散電極用配線222とバー232の上面の配線パターン234とが接続ペースト236によって電気的に接続される。
その後、拡散電極150が固定基板110の主面を一部覆うようにして拡散電極用スペーサ(チップ230及びバー232)上に載置される。
拡散電極150は、SUS、インバー42等の金属板(厚さ100μm程度)を用いることができる。拡散電極150には、電子放出素子12と対応する部分(電子放出素子12と重なる部分)に、電子放出素子12の電子放出面とほぼ同サイズの第1開口214があいている。また、その他の部分に第1内部スペーサ212a(図80A参照)を立てるための第2開口216が形成されている。さらに、図示していないが、拡散電極150のXY方向の位置を決めるために使う孔が開いている。この図示しない孔にガラス棒(図示せず)を差込み固定することで、拡散電極150の位置を固定する。
次に、図80Aに示すように、第1内部スペーサ212aを組み立てる。具体的には、径がφ2〜3mmで長さが8〜9mm程度のガラス棒に帯電防止用の銀ペーストを塗布した第1内部スペーサ212aを、拡散電極150に形成されている第1内部スペーサ用の第2開口216に挿通させて固定基板110に実装する。この場合、ガラスペーストを使用して固定し、温度:150℃、時間:5分の乾燥処理を行う。
また、拡散電極150と、拡散電極用スペーサとしてのバー232の上面に形成された配線パターン234とを接続ワイヤ238を介して電気的に接続する。
なお、上述した図示しない拡散電極用スペーサと第1内部スペーサ212aを一体化し、さらにガラス棒を金属に変更することで銀ペーストの削減を図ることも可能である。
次に、図80Bに示すように、外周スペーサ210の組立てを行う。具体的には、固定基板110の外周にフリットガラス(図示せず)を塗布し、その上に外周スペーサ210を固定し、温度:150℃、時間:5分の乾燥処理を行う。なお、外周スペーサ210には、図83Aに示すように、真空排気を行うための排気口240が設けられている。
外周スペーサ210と内部スペーサ212(第1内部スペーサ212a及び第2内部スペーサ212b)では、内部スペーサ212の方が0.2mmほど高く設計されており、固定基板110と透明基板40を接合する際には内部スペーサ212が、固定基板110と透明基板40との間の距離を決める。外周に生じる隙間は、外周に塗布したフリットガラスが吸収する。
次に、透明基板40側の製作について図81A〜図81Cを参照しながら説明する。
先ず、図81Aに示すように、厚みが例えば2.8mmの透明基板40の一方の面(固定基板110と対向することとなる面)にアノード電極42を形成する。このアノード電極42の形成は、透明基板40の一方の面への電極パターンの印刷、又はスパッタ法による金属膜の形成とフォトリソグラフィ技術によるパターンニングによって形成することができる。
次に、図81B及び図82に示すように、透明基板40の一方の面に蛍光体層44とメタルバック層152を形成する。この場合、蛍光体層44をスクリーン印刷にて形成し、メタルバック層152をスパッタ法にて形成する。なお、第2内部スペーサ212b(図81C参照)が実装される部分には、蛍光体層44及びメタルバック層152は形成されていない。
次に、図81Cに示すように、第2内部スペーサ212bの組立てを行う。具体的には、固定基板110に実装した第1内部スペーサ212aに対応する部分(図81Bの工程で、蛍光体層44及びメタルバック層152が形成されていない部分)に、径がφ1mmで長さ1〜2mm程度のガラス棒(第2内部スペーサ212b)をガラスペーストで実装する。ガラスペーストには、ガラスペースト自体の色を白くするためにTiO2の粉末が入っている。固定基板110と透明基板40を接合する際、第1内部スペーサ212aと第2内部スペーサ212bが面合わせになり、1つの内部スペーサ212として機能することとなる。
次に、光源10Qの組立てについて図83A及び図83Bを参照しながら説明する。
先ず、図83Aに示すように、透明基板40の一方の面(固定基板110と対向することとなる面)のうち、蛍光体層44とメタルバック層152が形成されていない部分にゲッタ242を固着し、さらに、透明基板40の外周にフリットガラス244を塗布する。
その後、透明基板40の一方の面と固定基板110の主面とを対向させ、さらに、外周スペーサ210と透明基板40の外周とをフリットガラス244を介して固定する。このとき、第1内部スペーサ212aと第2内部スペーサ212bとが面合わせになるように、温度:475℃で固定基板110と透明基板40とを加熱接合する。
次に、図83Bに示すように、真空封止を行う。具体的には、外周スペーサ210の排気口240から内部の空気を排気し、排気口240を封止することにより行う。その後、ゲッタ242を加熱し活性化させる。
上述の製造工程を踏むことによって、第17の実施の形態に係る光源10Qを製造することができる。
次に、第18の実施の形態に係る光源10Rについて図84〜図86を参照しながら説明する。
この第18の実施の形態に係る光源10Rは、図84及び図85に示すように、上述した第16の実施の形態に係る光源10Pとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
先ず、固定基板110の上面を複数の領域(例えば複数の列Ln1、Ln2、・・・)に分けている。ここで、各列Ln1、Ln2、・・・が延在する方向(x方向)を縦方向と記し、複数の列Ln1、Ln2、・・・が並ぶ方向(y方向)を横方向と記す。
そして、この光源10Rは、固定基板110の上面のうち、例えば奇数の列Ln1、Ln3、Ln5、・・・に対応した部分に、それぞれ縦方向に延びる板状の拡散電極150が配置され、偶数の列Ln2、Ln4、・・・にそれぞれ強誘電体チップ136を使用した複数の電子放出素子12が縦方向に配列されている。なお、図示しないが、1列目に対応した部分と最終列に対応した部分にはそれぞれ拡散電極150が配置されている。
つまり、電子放出素子12が配列された列の両側の列には、それぞれ拡散電極150が存在することになる。また、図84の例では、複数の電子放出素子12は、マトリックス状に配列されることから、行単位に複数の電子放出素子12が横方向に沿って配列された形態となる。
そのため、電子放出素子12から放出される電子流パルス146は、拡散電極150で生成する電界によって横方向に拡散し、透明基板40の表面から見たときの発光状態は、図86に示すように、各行に配列された複数の電子放出素子12による発光領域220が横方向につながった状態となる。
従って、この光源10Rを、液晶ディスプレイ用のバックライトとして使用した場合、電子放出素子12を1行単位あるいは複数行単位に制御することによって、一定の周期(例えば液晶ディスプレイの垂直走査信号の周期等)に従って発光領域220を段階的に縦方向に移動させることができる。
通常、液晶ディスプレイは、動画像を表示させた場合に、いわゆる尾引きと呼ばれる残像現象が生じるが、バックライトとして使用した光源10Rの発光領域220を上述のように縦方向に移動させることで、残像現象を改善することができ、擬似的にインパルス表示させることができる。これは、液晶ディスプレイにおける動画質の表示特性の改善につながる。
次に、第19の実施の形態に係る光源10Sについて図87を参照しながら説明する。
この第19の実施の形態に係る光源10Sは、図87に示すように、上述した第18の実施の形態に係る光源10Rとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
すなわち、先ず、1列目Ln1に対応した部分の拡散電極150aの幅W1と、最終列に対応した部分の拡散電極(図示せず)の幅をほぼ同じにし、さらに、電子放出素子12が配列された列の間に存在する拡散電極150b、150c、・・・の幅W2を、1列目Ln1に対応した部分の拡散電極150aの幅W1のほぼ2倍にしている。
例えば図87の例では、2列目Ln2に配列されている電子放出素子12の一方の端面250a(1列目Ln1に近接する端面)から1列目Ln1に対応した部分の拡散電極150aの一方の端面252aまでの距離Dn1は、電子放出素子12の横方向の長さDnのほぼ2倍とされている。また、2列目Ln2に配列されている電子放出素子12の他方の端面250b(3列目Ln3に近接する端面)から3列目Ln3に対応した部分の拡散電極150bの中心線Lmaまでの距離Dn2も、電子放出素子12の横方向の長さDnのほぼ2倍とされている。
同様に、4列目Ln4に配列されている電子放出素子12の一方の端面250c(3列目Ln3に近接する端面)から3列目Ln3に対応した部分の拡散電極150bの中心線Lmaまでの距離Dn3も、電子放出素子12の横方向の長さDnのほぼ2倍とされ、4列目Ln4に配列されている電子放出素子12の他方の端面250d(5列目Ln5に近接する端面)から5列目Ln5に対応した部分の拡散電極150cの中心線Lmbまでの距離Dn4も、電子放出素子12の横方向の長さDnのほぼ2倍とされている。その他の列も同様である。
さらに、この第19の実施の形態では、図88に示すように、透明基板40の表面に対向して光拡散板254を設置するようにしている。光拡散板254としては、透明基板40の表面に出射された光を縦方向に拡散する方式のものを採用することができる。これにより、各行間(例えば1行と2行との間、2行と3行との間等)を広げることができる。例えば図87に示すように、光拡散板254での発光領域258における縦方向の長さDmaを、透明基板40の表面での発光領域220における縦方向の長さDmbの例えば5倍にすることができる。その結果、電子放出素子12の設置個数を大幅に低減することができ、配線の設計の自由度を向上させることができると共に、消費電力の低減化を図ることができる。しかも、第18の実施の形態のようなほぼ正方形状の強誘電体チップ136ではなく、図87に示すように、縦方向に延びる長尺の強誘電体チップ256を用いることで実装コストの削減を大幅に図ることができ、結果的に製造コストの低廉化を図ることができる。
上述の例では、1つの電子放出素子12から放出される電子流146による透明基板40の表面での発光領域の拡大率を、横方向について5倍、縦方向について5倍とした場合を示したが、これに限るわけではなく、拡散電極150に印加される電圧や光拡散板254の材料や設置箇所等によって任意の拡大率を適宜選択することができる。
次に、第20の実施の形態に係る光源10Tについて図89を参照しながら説明する。
この第20の実施の形態に係る光源10Tは、図89に示すように、上述した第5の実施の形態に係る光源10Eとほぼ同様の構成を有するが、固定基板110上に実装される電子放出素子12として、強誘電体チップ136(図84参照)あるいは長尺の強誘電体チップ(図87参照)を使用した電子放出素子12とした点で異なる。この場合も、固定基板110に形成された下部電極配線120に電子放出素子12の下部電極34が電気的に接続され、固定基板110に形成された図示しない上部電極配線に電子放出素子12の上部電極32が電極的に接続されている。
そして、上部電極32には、常時0Vが印加され、拡散電極150には、約5kVの制御電圧Vfが印加される。これにより、電子流146の放出経路に電子流146を拡散させるための一種の静電レンズが形成された形となり、メタルバック層152に向かう電子流146は、途中の静電レンズにて急激に拡散させられ、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。
ただ、この場合、拡散電極150に約5kVの制御電圧Vfを印加するための高電圧電源が別途必要になり、コスト的に不利になるおそれがあると共に、下部電極配線120と拡散電極150間の絶縁距離並びに上部電極32と拡散電極150間の絶縁距離を大きくとる必要があるため、光源10Tの低背化も限界が生じるおそれがある。
そこで、図90に示す第21の実施の形態に係る光源10Uのように、拡散電極150に0V、あるいは100V等の低電圧Vgを印加することが好ましい。
すなわち、この第21の実施の形態に係る光源10Uでは、上部電極32に常時0Vが印加され、拡散電極150には例えば0Vや100V等の低電圧Vgが印加されることになる。これにより、電子放出素子12から放出された電子流146は、拡散電極150から離間するようにしてメタルバック層152に向かうことになる。従って、メタルバック層152に向かう電子流146は、電子放出素子12の上面中央の上方において交差し、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。
この場合、拡散電極150に0Vや100V等の低電圧Vgを印加することから、高電圧電源が不要となる。拡散電極150に100V等の低電圧Vgを印加する場合は、低コストの低電圧電源を設置するだけで済み、特に、拡散電極150に0Vを印加する場合は、低電圧電源も不要となる。これは、コストの低廉化に有利になる。しかも、下部電極配線120と拡散電極150間の絶縁距離並びに上部電極32と拡散電極150間の絶縁距離を大きくとる必要がないため、光源10Uの低背化にも有利になる。
なお、図91に示す変形例に係る光源10Uaのように、拡散電極150を固定基板110の上面に対して斜めに設置するようにしてもよい。この場合、拡散電極150の離間幅Dpや傾斜角度θaによって電子流146の拡散率(1つの電子放出素子12に対応した発光領域の面積/1つの電子放出素子12における電子放出面の面積)を自由に変更することができる。
次に、第22の実施の形態に係る光源10Vについて図92を参照しながら説明する。
この第22の実施の形態に係る光源10Vは、図92に示すように、複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256の上に拡散電極150としてのメッシュ電極260を設置している。
メッシュ電極260は、長方形状あるいは正方形状の金属製のメッシュ電極260を半円筒状に丸め、各端面を固定基板110の上面に固定することにより、固定基板110上に設置されている。この場合、例えば半円筒状のメッシュ電極260の頂部の直下に強誘電体チップ256が位置するように位置決めされて設置される。
そして、メッシュ電極260に0Vあるいは100V等の低電圧を印加することにより、図93にも示すように、メッシュ電極260とメタルバック層152(アノード電極42)間の等電位面が変化し、メッシュ電極260の開口を通り抜けた電子流146の経路が、変化した等電位面によって曲げられ、横方向に拡散することになる。
メッシュ電極260としては、例えば線径がφ40μmの金属線をメッシュ状に編み込んだものであって、例えば200メッシュ(1インチに200個の開口があるメッシュ)で、開口率約50%ぐらいが好ましい。
メッシュ電極260の1インチの開口数や開口率、金属線の線径等は、電子流146の拡散率、電子放出素子12のサイズ(電子放出面の面積)、固定基板110と透明基板40間のギャップ、メッシュ電極260に印加する電圧等によって適宜変更することができる。もちろん、メッシュ電極260の曲率半径を変えることで、電子流146の拡散率を適宜変更することができる。
しかし、1インチの開口数が少なすぎると、電子流146の拡散がまばらになり、島状の発光領域が形成され、表示品質を著しく劣化させるおそれがあり、1インチの開口数が多すぎると、電子放出素子12から放出された電子流146のほとんどがメッシュ電極260に捕獲され、メッシュ電極260が一種のシールド電極として機能してしまうおそれがある。
このように、第22の実施の形態に係る光源10Vにおいては、拡散電極150としてメッシュ電極260を用い、且つ、メッシュ電極260の両端面を固定基板110に固定するようにしたので、電子放出素子12に対する拡散電極150の位置決め固定が容易になり、横方向への拡散をほぼ左右対称にすることができる。これは、むらのない面発光の実現に寄与する。
ここで、第22の実施の形態に係る光源10Vの変形例について図94〜図99を参照しながら説明する。
先ず、第1の変形例に係る光源10Vaは、図94に示すように、1つの電子放出素子12を覆うように、半球状あるいはパラボラ状の第1メッシュ電極260Aを設置した点で異なる。
この場合、電子放出素子12からの電子流146を四方八方に拡散することができる。
次に、第2の変形例に係る光源10Vbは、図95に示すように、複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256の上に2つ折りにされた第2メッシュ電極260B(拡散電極150)を設置している点で異なる。
この場合も、第22の実施の形態と同様に、第2メッシュ電極260Bの開口を通り抜けた電子流146を横方向に拡散することができる。電子流146の拡散率は、第2メッシュ電極260Bの屈曲角θbを変えることによって適宜変更することができる。
次に、第3の変形例に係る光源10Vcは、図96に示すように、複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256の上に、小さな半球状あるいはパラボラ状のドーム262が多数形成された第3メッシュ電極260Cが設置されている点で異なる。この場合、図96に示すように、1つの電子放出素子12に対応して1つのドーム262が位置するように第3メッシュ電極260Cを配置してもよいし、電子放出素子12の位置とドーム262の位置とを関連付けずに設置するようにしてもよい。
この第3の変形例に係る光源10Vcでは、第3メッシュ電極260Cの開口を通り抜けた電子流146がランダムに拡散することから、むらのない発光を実現させることができる。
なお、電子流146をランダムに拡散させる第3メッシュ電極260Cの形状としては、図97に示すように、波状に変形させた第3メッシュ電極260Ca等が考えられる。
次に、第4の変形例に係る光源10Vdは、図98に示すように、複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256の上に、矩形状の第4メッシュ電極260Dが水平方向に沿って設置されている点で異なる。この場合、第4メッシュ電極260Dに多数の開口が形成されていることから、第4メッシュ電極260Dに0Vあるいは100V等の低電圧を印加することにより、第4メッシュ電極260D近傍の等電位面が変化し、その変化により電子流146の経路が曲げられ、電子流146は四方八方に拡散することになる。
通常、電子放出素子12上に拡散電極150を設置する場合は、拡散電極150に形成された開口と電子放出素子12とを高精度に位置決めして行う必要がある。また、例えば図92に示すように、半円筒状のメッシュ電極260を設置する場合は、メッシュ電極260の頂部の直下に強誘電体チップ256が位置するように位置決めする必要がある。
しかし、この第4の変形例においては、第4メッシュ電極260Dに多数の開口が形成されていることから、強誘電体チップ256の上に、矩形状の第4メッシュ電極260Dを設置するだけでよく、電子放出素子12と特定の開口とを位置決めする等のような高精度な位置決め作業が不要となる。しかも、第4メッシュ電極260Dに対して特殊な加工を施す必要がない。従って、この第4の変形例においては、組立作業の簡略化、製造コストの低廉化を効率よく図ることができる。
次に、第5の変形例に係る光源10Veは、図99に示すように、複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256の上に2つの長方形状の第5メッシュ電極260Eをそれぞれ固定基板110の上面に対して傾斜するように設置している点で異なる。この構成は、上述した第21の実施の形態の変形例に係る光源10Ua(図91参照)とほぼ同様である。
この場合も、電子放出素子12から放出された電子流146は、第5メッシュ電極260Eから離間するようにしてメタルバック層152に向かうことになる。従って、メタルバック層152に向かう電子流146は、電子放出素子12の上面中央の上方において交差し、その後、該メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなる。
次に、第23の実施の形態に係る光源10Wについて図100を参照しながら説明する。
この第23の実施の形態に係る光源10Wは、図100に示すように、固定基板110上に複数の電子放出素子12が形成された長尺の強誘電体チップ256が実装され、さらに、固定基板110上に、強誘電体チップ256を覆うようにコ字状の透明基板40が被せられて構成されている。つまり、固定基板110及び透明基板40は、強誘電体チップ256を覆う1つのハウジング264を構成し、この光源10Wは、該ハウジング264を有する発光管266として構成される。
透明基板40は、固定基板110に対向する上板40aと、該上板40aと固定基板110間に配される2つの側板(第1側板40b及び第2側板40c)を有する。
そして、透明基板40の内壁、特に、上板40aの内壁面(固定基板110と対向する面)と、第1側板40bの内壁面(第2側板40cと対向する面)の上部と、第2側板40cの内壁面(第1側板40bと対向する面)の上部とにかけて蛍光体層44が形成され、さらに、この蛍光体層44上に拡散電極150として機能するメタルバック層152(アノード電極42)が形成されている。
そして、電子放出素子12から放出された電子流146は、メタルバック層152に向かうことになるが、このとき、メタルバック層152が3つの面に連続して形成されていることから、電子流146は、メタルバック層152に近づくにつれて徐々に拡散することとなり、透明基板40の上板40a、第1側板40b及び第2側板40cにおいて発光が行われる。
この例では、1つの光源10W(発光管266)を示したが、図101に示すように、発光面積の広い大型の面光源270を構成する場合は、大型固定基板272の上面に複数の発光管266を所定の間隔を置いて配列し、さらに、大型固定基板272の上面のうち、発光管266が設置されていない部分に光反射層274を形成すると共に、各発光管266の第1側板40b及び第2側板40cの各下部にも光反射層274を形成する。
これによって、各発光管266の上板40a、第1側板40bの上部及び第2側板40cの上部から光276が面光源270の前方に出射されると共に、第1側板40bの上部及び第2側板40cの上部から大型固定基板272に向けて出射した光278が光反射層274にて反射されて面光源270の前方に向かうことになり、むらのない発光状態であって、且つ、輝度の高い面発光を得ることができ、均一な面発光を実現させるための構造を容易に構築することができる。
しかも、面光源270とした場合、大型固定基板272に対向する大型透明基板の設置並びにスペーサ(大型透明基板を支えるスペーサ)の設置が不要となるため、面光源270の軽量化、薄型化、コストの低廉化を図ることができる。また、アノード電極42(メタルバック層152)が拡散電極150を兼用するため、配線の簡略化を図ることができる。
上記の例では、透明基板40の内壁に、蛍光体層44を形成した後、該蛍光体層44上にメタルバック層152を形成するようにしたが、その他、図102に示す変形例に係る光源10Waのように、透明基板40の内壁に、拡散電極150として機能する透明電極280(アノード電極42)を形成した後、該透明電極280上に蛍光体層44を形成するようにしてもよい。
なお、この発明に係る光源は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る光源を示す構成図である。 電子放出素子を示す構成図である。 電子放出素子の要部を拡大して示す断面図である。 上部電極に形成された貫通部の形状の一例を示す平面図である。 図5Aは、上部電極の他の例を示す断面図であり、図5Bは、要部を拡大して示す断面図である。 図6Aは、上部電極のさらに他の例を示す断面図であり、図6Bは、要部を拡大して示す断面図である。 第1の電子放出方式での駆動電圧の電圧波形を示す図である。 第1の電子放出方式の第2出力期間での電子放出の様子を示す説明図である。 第2の電子放出方式での駆動電圧の電圧波形を示す図である。 第2の電子放出方式の第2出力期間での電子放出の様子を示す説明図である。 上部電極と下部電極間に接続された各種コンデンサの接続状態を示す等価回路図である。 上部電極と下部電極間に接続された各種コンデンサの容量計算を説明するための図である。 電子放出素子の第1の変形例を一部省略して示す平面図である。 電子放出素子の第2の変形例を一部省略して示す平面図である。 電子放出素子の第3の変形例を一部省略して示す断面図である。 電子放出素子の電圧−電荷量特性(電圧−分極量特性)を示す図である。 図17Aは、図16のポイントp1での状態を示す説明図であり、図17Bは、図16のポイントp2での状態を示す説明図であり、図17Cは、図16のポイントp2からポイントp3に至るまでの状態を示す説明図である。 図18Aは、図16のポイントp3からポイントp4に至るまでの状態を示す説明図であり、図18Bは、図16のポイントp4に至る直前の状態を示す説明図であり、図18Cは、図16のポイントp4からポイントp6に至るまでの状態を示す説明図である。 図19A〜図19Cは、振幅変調回路によるパルス信号の振幅変調を示す波形図である。 変形例に係る信号供給回路を示すブロック図である。 図21A〜図21Cは、パルス幅変調回路によるパルス信号のパルス幅変調を示す波形図である。 図22Aは、図19A又は図21Aにおける電圧Vslが印加されたときのヒステリシス曲線を示す図であり、図22Bは、図19B又は図21Bにおける電圧Vsmが印加されたときのヒステリシス曲線を示す図であり、図22Cは、図19C又は図21Cにおける電圧Vshが印加されたときのヒステリシス曲線を示す図である。 光源の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。 図23に示す駆動方法での印加電圧関係を示す表図である。 第1の具体例に係る光源の一例を示す構成図である。 第1の具体例に係る光源における電子放出ユニットの配列形態の一例を示す斜視図である。 図26における符号Lcで示す部分の拡大図である。 第2の具体例に係る光源の要部を示す斜視図である。 第3の具体例に係る光源を示す構成図である。 第4の具体例に係る光源を示す構成図である。 第5の具体例に係る光源を示す構成図である。 第6の具体例に係る光源を示す構成図である。 第1の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 電子放出素子と蛍光体の配列パターンの一例を示す平面図である。 電子放出素子と蛍光体の配列パターンの他の例を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第3の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第4の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第5の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第5の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の拡散状態の一例を示す説明図である。 第6の実施の形態に係る光源の要部を示す平面図である。 第6の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の拡散状態の一例を示す説明図である。 第7の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第7の実施の形態に係る光源の第2拡散電極に印加される正弦波の一例を示す波形図である。 図45A〜図45Cは、第7の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の偏向状態の一例を示す説明図である。 第8の実施の形態に係る光源の要部を示す平面図である。 第8の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の偏向状態の一例を示す説明図である。 第8の実施の形態に係る光源において、1サイクルに第1端子〜第4端子に印加する正極性の高周波信号波形(凸状の信号波形)を示す波形図である。 図49Aは、電子放出期間に電子放出素子の上部電極と下部電極間に印加される電圧を示す波形図であり、図49Bは、電子放出期間における電子流レベルの変化を示す波形図であり、図49Cは、電子放出期間に第1端子〜第4端子に印加する正極性の高周波信号波形(凸状の信号波形)を示す波形図である。 第9の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 磁界発生手段における第1コア部と第2コア部の極性の組合せを示すタイミングチャートである。 第9の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の偏向状態の一例を示す説明図である。 第10の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第11の実施の形態に係る光源の要部を示す平面図である。 第11の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の偏向状態の一例を示す説明図である。 第1磁界発生手段における第1コア部と第2コア部並びに第2磁界発生手段における第1コア部及び第2コア部の極性の組合せを示すタイミングチャートである。 第12の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 固定基板上に電極膜とコイルパターンを形成し、電子放出素子を実装した状態を示す斜視図である。 電子放出素子、電極膜及びコイルパターンを1つのユニットとした場合に、このユニットを多数配列させた例を示す斜視図である。 予め固定基板に形成された電極膜及びコイルパターンをアライメントマークとして電子放出素子を実装する状態を示す説明図である。 第13の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 固定基板上に電極膜とコイルパターンを形成し、電子放出素子を実装した状態を示す斜視図である。 電子放出素子、電極膜及びコイルパターンを1つのユニットとした場合に、このユニットを多数配列させた例を示す斜視図である。 予め固定基板に形成された電極膜及びコイルパターンをアライメントマークとして電子放出素子を実装する状態を示す説明図である。 第14の実施の形態に係る光源の要部を示す斜視図である。 ピーク電流密度に対する蛍光体の発光効率の変化を示す特性図である。 第14の実施の形態に係る光源による時分割駆動の一例を示す説明図である。 第14の実施の形態に係る光源による時分割駆動の他の例を示す説明図である。 1電子流パルス当たりの電子量に対する蛍光体の発光効率の変化を示す特性図である。 第15の実施の形態に係る光源の要部を示す斜視図である。 第15の実施の形態に係る光源の駆動、特に、電子流パルスの周波数制御を示す特性図である。 第16の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 第16の実施の形態に係る光源を示す平面図である。 第16の実施の形態に係る光源において、メタルバック層に対する電子流の照射領域の拡散状態の一例を示す説明図である。 第17の実施の形態に係る光源を示す分解斜視図である。 第17の実施の形態に係る光源を示す構成図である。 1つの電子放出素子の発光範囲と光源の発光領域を示す説明図である。 図78Aは、固定基板に配線パターンを形成した状態を示す工程図であり、図78Bは、配線パターン上に接着ペーストを形成した状態を示す工程図であり、図78Cは、固定基板上に電子放出素子を実装した状態を示す工程図である。 図79Aは、配線パターンと電子放出素子との電気的接続を示す工程図であり、図79Bは、拡散電極の組立てを示す工程図である。 図80Aは、第1内部スペーサの組立てを示す工程図であり、図80Bは、外周スペーサの組立てを示す工程図である。 図81Aは、透明基板上にアノード電極を形成した状態を示す工程図であり、図81Bは、透明基板上に蛍光体層及びメタルバック層を形成した状態を示す工程図であり、図81Cは、第2内部スペーサの組立てを示す工程図である。 透明基板にアノード電極、蛍光体層及びメタルバック層を形成した状態を一部省略して示す断面図である。 図83Aは、透明基板と固定基板との加熱接合を示す工程図であり、図83Bは、真空封止を示す工程図である。 第18の実施の形態に係る光源において、固定基板上での電子放出素子と拡散電極の配置関係を一部省略して示す平面図である。 第18の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 第18の実施の形態に係る光源において、透明基板の表面上での発光領域の広がりを示す説明図である。 第19の実施の形態に係る光源において、固定基板上での電子放出素子と拡散電極の配置関係、並びに透明基板の表面上での発光領域の広がり及び光拡散板による発光領域の広がりを示す平面図である。 第19の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 第20の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 第21の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 第21の実施の形態に係る光源の変形例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 電子放出素子から放出した電子流のメッシュ電極による拡散作用を模式的に示す説明図である。 第22の実施の形態に係る光源の第1の変形例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源の第2の変形例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源の第3の変形例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源の第3の変形例におけるメッシュ電極の他の例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源の第4の変形例を一部省略して示す構成図である。 第22の実施の形態に係る光源の第5の変形例を一部省略して示す構成図である。 第23の実施の形態に係る光源を一部省略して示す構成図である。 第23の実施の形態に係る光源を複数並べて面光源とした例を示す説明図である。 第23の実施の形態に係る光源の変形例を一部省略して示す構成図である。
符号の説明
10、10a〜10f、10A〜10U、10Ua、10V、10Va〜10Vd、10W、10Wa…光源
12、12a、12b、12c、12A〜12D…電子放出素子
14…発光部 30…エミッタ部
32…上部電極 34…下部電極
40…透明基板 42…アノード電極
44…蛍光体層 48…貫通部
50…凹凸 110…固定基板
112…電子放出ユニット 114…強誘電体シート
120…下部電極配線 136、256…強誘電体チップ
146…電子流(電子流パルス)
150、150a〜150c、150A〜150D、156…拡散電極
152…メタルバック層 154…蛍光体発光
160…電子放出面
170、170A、170B…磁界発生手段
174…コイル 182、188…コイルパターン
186、194…アライメントマーク 220、258…発光領域
254…光拡散板
260、260A〜260C、260Ca、260D、260E…メッシュ電極
264…ハウジング 266…発光管
270…面光源 272…大型固定基板
274…光反射層

Claims (30)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、
    前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記メタルバック層に照射される電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする光源。
  2. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、
    前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、前記蛍光体層に照射される電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする光源。
  3. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、
    前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記メタルバック層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする光源。
  4. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、
    前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記蛍光体層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であることを特徴とする光源。
  5. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された2以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、
    前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記メタルバック層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であり、
    複数の前記電子放出素子から放出されるパルス状の電子流が前記メタルバック層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子のパルス状の電子流の放出タイミングが異なることを特徴とする光源。
  6. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記透明基板上に配された2以上の電子放出素子と、
    前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、
    前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記蛍光体層に照射されるパルス状の電子流の面密度がピーク値で50μA/cm2以下であり、
    複数の前記電子放出素子から放出されるパルス状の電子流が前記蛍光体層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子のパルス状の電子流の放出タイミングが異なることを特徴とする光源。
  7. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、
    前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記メタルバック層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であることを特徴とする光源。
  8. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記透明基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、
    前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記蛍光体層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であることを特徴とする光源。
  9. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された2以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記蛍光体層の前記固定基板と対向する面に形成されたメタルバック層と、
    前記固定基板のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記メタルバック層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であり、
    複数の前記電子放出素子から放出される前記電子流パルスが前記メタルバック層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子の前記電子流パルスの放出タイミングが異なることを特徴とする光源。
  10. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記透明基板上に配された2以上の電子放出素子と、
    前記固定基板の前記透明基板と対向する面に形成された光反射膜と、
    前記光反射膜の前記透明基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記透明基板上のうち、前記電子放出素子以外の部分に形成された拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子は、電子流を間欠的に放出し、
    前記電子放出素子から放出された電子流パルスを前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散し、
    前記蛍光体層に照射される前記電子流パルスは、1電子流パルス当たりの電子量が1nC/cm2以下であり、
    複数の前記電子放出素子から放出される前記電子流パルスが前記蛍光体層の同一領域を照射し、前記同一領域を照射する各電子放出素子の前記電子流パルスの放出タイミングが異なることを特徴とする光源。
  11. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記電子放出素子から間欠的に放出されるパルス状の電子流の軌道を偏向する軌道偏向手段とを有し、
    前記軌道偏向手段による前記パルス状の電子流の軌道の偏向により、前記蛍光体層に対する電子流の照射位置を二次元的に走査して、前記パルス状の電子流の拡散を行うことを特徴とする光源。
  12. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    前記電子放出素子の周囲に配置された複数の拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、複数の前記拡散電極にそれぞれ印加された電圧信号によって生成される電界によって偏向することを特徴とする光源。
  13. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    磁界発生手段を有し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、前記磁界発生手段にて発生した磁界によって偏向することを特徴とする光源。
  14. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    前記電子放出素子の周囲に配置された複数の拡散電極と、磁界発生手段とを有し、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、複数の前記拡散電極にそれぞれ印加された電圧信号によって生成される電界と、前記磁界発生手段にて発生した磁界によって偏向することを特徴とする光源。
  15. 請求項11記載の光源において、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流のレベルは、1つの電子放出期間内において時間の経過に伴って変化し、
    前記軌道偏向手段は、
    前記電子放出素子から放出されたパルス状の電子流の軌道を、1つの電子放出期間内で偏向する際に、偏向された前記電子流によって前記蛍光体層に照射される電子の量が一定になるように、前記電子流のレベルに応じて、前記電子流の偏向速度を制御することを特徴とする光源。
  16. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    前記電子放出素子が形成されている基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有することを特徴とする光源。
  17. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    前記固定基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有することを特徴とする光源。
  18. 請求項11記載の光源において、
    前記軌道偏向手段は、
    前記固定基板上に形成された電界印加用の電極膜及び/又は磁界印加用のコイルパターンを有し、
    前記電子放出素子は、前記電界印加用の電極膜及び/又は前記磁界印加用のコイルパターンをアライメントマークとして前記固定基板に実装されていることを特徴とする光源。
  19. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上において複数の列に沿って縦方向に配された複数の電子放出素子と、
    前記透明基板の前記固定基板と対向する面に形成された蛍光体層と、
    前記固定基板上において前記電子放出素子が配された列に隣接する列に沿って縦方向に配された複数の拡散電極とを有し、
    前記電子放出素子から放出された電子流を、前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって横方向に拡散することを特徴とする光源。
  20. 請求項1〜10、12、14、19のいずれか1項に記載の光源において、
    前記拡散電極に印加される前記電圧信号の電圧レベルが0Vであることを特徴とする光源。
  21. 請求項1〜10、12、14、19のいずれか1項に記載の光源において、
    前記拡散電極に印加される前記電圧信号の電圧レベルが100V以下の低電圧であることを特徴とする光源。
  22. 請求項1〜10、12、14、19、20、21のいずれか1項に記載の光源において、
    前記拡散電極は、多数の開口を有するメッシュ電極で構成され、
    前記電子放出素子から放出され、且つ、前記メッシュ電極の開口を通過した電子流を前記メッシュ電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散することを特徴とする光源。
  23. 請求項22記載の光源において、
    前記メッシュ電極は矩形状を有し、前記電子放出素子上に設置されていることを特徴とする光源。
  24. 請求項22記載の光源において、
    前記拡散電極は、矩形状の前記メッシュ電極を半円筒状に丸めた形状を有し、前記電子放出素子を覆うように設置されていることを特徴とする光源。
  25. 透明基板と、
    前記透明基板に対向して配された固定基板と、
    前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板に形成された蛍光体層及び拡散電極とを有し、
    前記透明基板は、前記固定基板に対向する上板と、該上板と前記固定基板間に配される少なくとも2つの側板とを有し、且つ、前記固定基板上の前記電子放出素子を覆うように固定され、
    前記蛍光体層及び前記拡散電極は、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて形成され、
    前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散することを特徴とする光源。
  26. 大型固定基板上に1以上の発光管が設置され、
    前記大型固定基板のうち、前記発光管が設置されていない部分に光反射膜が形成された光源であって、
    前記発光管は、
    透明基板と、該透明基板に対向して配された固定基板とを具備したハウジングと、
    前記ハウジング内において前記固定基板上に配された1以上の電子放出素子と、
    前記透明基板に形成された蛍光体層及び拡散電極とを有し、
    前記透明基板は、前記固定基板に対向する上板と、該上板と前記固定基板間に配される少なくとも2つの側板とを有し、且つ、前記固定基板上の前記電子放出素子を覆うように固定され、
    前記蛍光体層及び前記拡散電極は、前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて形成され、
    前記電子放出素子から放出された電子流を前記拡散電極に印加された電圧信号によって生成される電界によって拡散することを特徴とする光源。
  27. 請求項26記載の光源において、
    前記ハウジングの外面のうち、前記2つの側面の下部にも前記光反射膜が形成されていることを特徴とする光源。
  28. 請求項25〜27のいずれか1項に記載の光源において、
    前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて前記蛍光体層が形成され、
    前記蛍光体層上にメタルバック層として機能する前記拡散電極が形成されていることを特徴とする光源。
  29. 請求項25〜27のいずれか1項に記載の光源において、
    前記透明基板における上板の内壁面と、少なくとも前記2つの側板の内壁面とにかけて透明電極にて構成された前記拡散電極が形成され、
    前記拡散電極上に前記蛍光体層が形成されていることを特徴とする光源。
  30. 請求項1〜29のいずれか1項に記載の光源において、
    前記透明基板のうち、前記固定基板と反対の面に光拡散板が設置されていることを特徴とする光源。
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