JP5053227B2 - 連続鋳造用タンディッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に用いられる連続鋳造用タンディッシュに関する。
鋼の連続鋳造においては、精錬工程で成分と温度を調整された溶鋼は、取鍋により連続鋳造工程に輸送される。輸送された溶鋼は、連続鋳造機の鋳型に注入されるが、取鍋から直接鋳型に注入すると、溶鋼の流量の制御が難しい。またその一方で、取鍋を交換しつつ、鋳型に継続的に溶鋼を供給して、鋳造を連続的に行う必要がある。このため、一般的に、取鍋の溶鋼は、注入ノズルなどを通じて一旦タンディッシュと呼ばれる中間容器内に注入され、タンディッシュ内で流量調整された後、鋳型内に供給されている。
上述のタンディッシュは、種々の形のものが存在するが、例えば図11に示すように舟型のものが多く用いられている。注入ノズル100からタンディッシュ110の中央部に溶鋼Mが供給され、舟の舳先に相当する端部の流出口111から連続鋳造機の鋳型(図示せず)に耐火物のノズル112を通じて溶鋼Mが流出される。タンディッシュ110の端部の流出口111には、例えば上下に移動して流出口111の開口面積を調整する棒状のストッパー113が設けられており、このストッパー113によりタンディッシュ110内の溶鋼Mの流量制御が行われている。
タンディッシュは、上述のように流量を制御しつつ溶鋼を鋳型に供給する機能を持つほかに、鋼の精錬時に不可避的に混入した酸化物であるスラグや、脱酸のために添加されたアルミから生成されるアルミナなどの非金属介在物を、その比重が鋼の比重よりも小さいことを利用してタンディッシュ内で浮上分離させる機能を有している。これにより、溶鋼中の大量の非金属介在物やスラグがそのまま鋳型内に供給され鋳片に混入することがなく、非金属介在物などが原因で生じる圧延時の疵などを抑制できる。
一方、タンディッシュは上述の機能を有するが、タンディッシュから鋳型に流出した溶鋼の凝固を防止するため、タンディッシュ内では、鋳型内の溶鋼の凝固が始まるいわゆる液相線温度に過熱度(スーパーヒート)と呼称される付加的温度を付与するように溶鋼を加熱している。
このようにタンディッシュ内の溶鋼を加熱するため、例えば図11に示すようにタンディッシュ110内の注入ノズル100と流出口111間には、溶鋼Mを加熱するプラズマ加熱電極(プラズマトーチ)120が設けられる。また、プラズマ加熱電極120を挟んで注入ノズル100側と流出口111側には、一対の上堰121、122がそれぞれ設けられ、一対の上堰121、122間のプラズマ加熱電極120に対向する位置には、下堰123が設けられる。そして、注入ノズル100からタンディッシュ110内に供給された溶鋼Mは、下堰123に衝突してプラズマ加熱電極120側に上昇し、プラズマ加熱電極120と溶鋼M間に発生したプラズマにより加熱される(特許文献1)。
特開2005−28402号公報
このようにプラズマ加熱電極120により溶鋼Mを加熱した場合、例えば図12に示すようにプラズマ加熱電極120の直下の湯面M付近の溶鋼Mのみが高温に加熱され、タンディッシュ110内に供給された溶鋼Mの平均温度よりも数100℃高くなった高温領域130が形成される。この高温領域130の溶鋼Mは、他の領域の溶鋼Mに比べて比重が軽くなるため、湯面M付近に滞留しようとする。したがって、高温領域130の溶鋼Mの流速に比べて、高温領域130と下堰123間の領域131を流れる溶鋼Mの流速が速くなり、領域131の溶鋼Mの方が流れやすくなる。そうすると、上述のタンディッシュ110のように、単に上堰121、122間に下堰123を設けただけでは、タンディッシュ110内に流入した溶鋼Mは、高温領域130を通過せず、領域131を通過して下流側に流れる。この場合、高温領域130の熱が領域131に伝達し難いため、タンディッシュ110における溶鋼Mの加熱効率が悪くなる。特に、例えば取鍋から注入ノズル100を介してタンディッシュ110内に供給される溶鋼Mの温度が低い場合、溶鋼Mを所定の温度まで加熱できないおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、連続鋳造用のタンディッシュにおいて、溶鋼の加熱効率を向上させることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、取鍋からの溶鋼の流入部と鋳型への溶鋼の流出部との間に設けられた一対の上堰と、前記一対の上堰間に位置するように設けられた一対の下堰と、前記一対の上堰間の上方に設けられ、カソードトーチを備えたシングルトーチ式のプラズマ加熱装置と、を有し、前記流入部側の下堰には、当該下堰の厚み方向に貫通する第1の貫通孔が形成され、前記流出部側の下堰の下端には、当該下堰の厚み方向に貫通する第2の貫通孔が形成され、前記各下堰の上端と定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼湯面間の距離は下記式(1)を満たし、かつ、前記第1の貫通孔の下端とタンディッシュ内底面間の距離は下記式(2)を満たし、かつ、前記第1の貫通孔の高さは下記式(3)を満たし、かつ、前記第1の貫通孔の開口面積は下記式(4)を満たし、かつ、前記一対の下堰間の距離は下記式(5)を満たすことを特徴としている。なお、下記式(1)におけるプラズマ加熱領域の溶鋼通過量Qとは、プラズマ加熱装置により溶鋼が加熱される領域、すなわち各下堰と溶鋼湯面間の領域を通過する溶鋼量をいう。また下記式(3)における最大湯面幅Wとは、タンディッシュ幅方向(定常操業時において流入部から流出部へと向かう溶鋼の流れに対して直交する水平方向)の最大湯面幅をいう。
H≦Q/(0.05ρW)・・・・・(1)
≧0.1・・・・・(2)
≦2t・・・・・(3)
≦0.2S・・・・・(4)
L≦4D・・・・・(5)
但し、H:各下堰の上端と定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼湯面間の距離(m)、Q:プラズマ加熱領域の溶鋼通過量(kg/s)、ρ:溶鋼密度(kg/m)、W:溶鋼の最大湯面幅(m)、h:第1の貫通孔の下端とタンディッシュ内底面間の距離(m)、h:第1の貫通孔の高さ(m)、t:流入部側の下堰の厚み(m)、S:プラズマ加熱領域の溶鋼流路断面積(m)、S:第1の貫通孔の開口面積(m)、L:一対の下堰間の距離(m)、D:カソードトーチの外径(m)
発明者らは、先ず、プラズマ加熱電極と下堰の上端間に十分な溶鋼流路を確保して溶鋼を加熱するため、図12に示すような下堰について、その厚みを厚くすることを試みた。しかしながら、この場合、下堰を厚くした分、タンディッシュ内に貯留できる溶鋼量が少なくなり、タンディッシュ内で溶鋼中の介在物を分離除去するという機能が低下する。そこで、本発明では、一対の上堰間に一対の下堰を設けている。これによって、タンディッシュ内に貯留できる溶鋼量を確保して溶鋼中の介在物の除去機能を維持することができる。また、本発明の一対の下堰の上端と定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼湯面間の距離が上記式(1)を満たしているので、下堰と溶鋼湯面間のプラズマ加熱領域を流れる溶鋼の流速を十分に確保できる。この式(1)の詳細については後述する。そしてこの結果、プラズマ加熱領域内の溶鋼は、プラズマ加熱装置により直接加熱されて高温になった高温領域に衝突し、従来滞留していた高温領域の溶鋼をプラズマ加熱領域内で十分に攪拌することができる。そして、プラズマ加熱領域内の溶鋼は、高温領域の溶鋼を攪拌しながら直進して加熱される。したがって、プラズマ加熱領域内の溶鋼を効率よく加熱することができる。しかも、一対の下堰間の距離が上記式(5)を満たしているので、プラズマ加熱領域内の溶鋼は、高温領域全体を確実に通過する。この式(5)の詳細については後述する。したがって、プラズマ加熱領域内の溶鋼をさらに効率よく加熱することができる。
また、単に上述の一対の下堰を設けただけでは、一対の下堰に挟まれた領域(以下、「下堰間領域」という。)の溶鋼が滞留してしまう。そこで、本発明では、流入部側の下堰に第1の貫通孔を形成し、流出部側の下堰の下端に第2の貫通孔を形成している。第1の貫通孔は、タンディッシュ内に供給された溶鋼が直接第1の貫通孔を通過しないように、上記式(2)〜式(4)を満たすように形成されている。これら式(2)〜式(4)の詳細については後述する。そして定常操業時において、タンディッシュ内の溶鋼は、流入部側の下堰に衝突して下堰に沿って上昇する。そうすると、ベルヌーイの定理により第1の貫通孔の上流側の溶鋼は下流側の溶鋼よりも圧力が低くなるため、第1の貫通孔の下流側から上流側への溶鋼の逆流が発生する。これによって、プラズマ加熱領域を流れる溶鋼の一部が第1の貫通孔に流れ、下堰間領域内の溶鋼に第1の貫通孔に向かう流れが形成される。また、プラズマ加熱領域を通過した溶鋼の一部が、下流側から第2の貫通孔を通過して下堰間領域内に流入し、第1の貫通孔に向かって流れる。このように、下堰間領域内に第1の貫通孔に向かう溶鋼の流れを形成することができるので、この領域内の溶鋼も効率よく加熱することができる。しかも、プラズマ加熱領域で加熱された溶鋼の一部が、下堰間領域を介してプラズマ加熱領域に循環されるので、さらに効率よく溶鋼を加熱することができる。
以上のように、本発明によれば、プラズマ加熱領域の溶鋼が当該領域内を攪拌しながら直進しつつ、下堰間領域に溶鋼の流れを形成してプラズマ加熱領域に溶鋼を循環させることができるので、タンディッシュ内の溶鋼の加熱効率を向上させることができる。
前記プラズマ加熱装置が、シングルトーチ式のプラズマ加熱装置に代えて、カソードトーチとアノードトーチを備えたツイントーチ式のプラズマ加熱装置である場合、前記一対の下堰間の距離は、前記式(5)に代えて、下記式(6)を満たすのが好ましい。
L≦R+2D+2D・・・・・(6)
但し、L:一対の下堰間の距離(m)、R:カソードトーチとアノードトーチの中心間距離(m)、D:カソードトーチの外径(m)、D:アノードトーチの外径(m)
本発明によれば、連続鋳造用のタンディッシュにおいて、溶鋼の加熱効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるタンディッシュ1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。図2は、タンディッシュ1の横断面の説明図である。
例えばタンディッシュ1は、図1及び図2に示すように外形が水平方向に長い細長形状に形成され、内部に溶鋼Mを貯留できる。例えばタンディッシュ1の中央付近の天井面1aには、流入部としての注入ノズル10が下方向に向けて挿入されている。この注入ノズル10により、上方の取鍋11からタンディッシュ1内に溶鋼Mを流入させることができる。タンディッシュ1の端部付近の底面1bには、流出部としての流出口12が形成されている。流出口12には、図示しない連続鋳造機の鋳型に連通するノズル13が接続されている。この流出口12とノズル13により、タンディッシュ1内の溶鋼Mを鋳型に供給できる。そして、タンディッシュ1内には、注入ノズル10から溶鋼Mが流入され、流出口12から排出されるので、注入ノズル10側(上流側)から流出口12側(下流側)に向かって流れる溶鋼の流れが形成される。
流出口12の上方には、流量調節棒14が設けられている。流量調節棒14は、上下動して流出口12の開口面積を変えて、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流量を調整できる。
タンディッシュ1内であって、注入ノズル10と流出口12との間には、溶鋼Mを加熱するプラズマ加熱装置20が設けられている。プラズマ加熱装置20は、シングルトーチ式のプラズマ加熱装置であり、カソードトーチ21(陰極)とアノード22(陽極)を備えている。カソードトーチ21は、定常操業時のタンディッシュ1内の溶鋼Mの湯面Mの上方に配置されている。アノード22は、例えば鉄板であって、カソードトーチ21に対向する位置のタンディッシュ1の底面1b内に埋設されている。このプラズマ加熱装置20により、カソードトーチ21と溶鋼M間にプラズマを発生させ、そのジュール熱と輻射熱により溶鋼Mが加熱される。
カソードトーチ21を挟んで注入ノズル10側と流出口12側には、一対の耐火物堰である、第1の上堰30と第2の上堰31がそれぞれ設けられている。第1の上堰30と第2の上堰31は、タンディッシュ1の側壁面1cに固定されて、形成されている。第1の上堰30と第2の上堰31の上面には、カソードトーチ21を囲うように支持板32が設けられ、カソードトーチ21は支持板32に支持されている。そして、これら第1の上堰30、第2の上堰31、支持板32及び湯面Mに囲まれた空間内において、プラズマ加熱装置20によりプラズマが発生する。
第1の上堰30と第2の上堰31の間であって、プラズマ加熱装置20を挟む位置には、一対の耐火物堰である、注入ノズル10側の第1の下堰40と流入口12側の第2の下堰41が設けられている。第1の下堰40と第2の下堰41は、タンディッシュ1の底面1bに固定され、底面1bから上方向に向けて形成されている。図1及び図3に示すように、第1の下堰40の幅方向(タンディッシュ1内の溶鋼流路と直交する方向、すなわち図3中のX方向)の中央部には、当該第1の下堰40の厚み方向に貫通する第1の貫通孔42が形成されている。第1の貫通孔42は、例えば略長方形に形成されている。また第2の下堰41の下端の幅方向中央部(タンディッシュ1内の溶鋼流路と直交する方向の中央部)には、図1に示すように、当該第2の下堰41の厚み方向に貫通する第2の貫通孔43が形成されている。第2の貫通孔43は、例えば略長方形に形成されている。そして、プラズマ加熱装置20により、これら一対の下堰40、41の上端と湯面M間の領域50(以下、プラズマ加熱領域50という。)の溶鋼Mが加熱される。
第1の下堰40と第2の下堰41は、図2、図4及び下記式(1)に示すように、各下堰40、41と定常操業時のタンディッシュ1内の溶鋼Mの湯面M間の距離H、HがQ/(0.05ρW)以下になるように形成されている。例えば、Q=5(t/min)=5000/60(kg/s)、W=1(m)、ρ=7200(kg/m)の場合、H、Hの上限は、5000/(60×0.05×7200×1)=0.231(m)となる。なお、各下堰40、41と湯面M間の距離H、Hは、下記式(1)を満たしていればよいが、距離HとHは同じ距離であるのが好ましい。
、H≦Q/(0.05ρW)・・・・・(1)
但し、H、H:各下堰40、41の上端と定常操業時のタンディッシュ1内の溶鋼Mの湯面M間の距離(m)、Q:プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの通過量(kg/s)、ρ:溶鋼Mの密度(kg/m)、W:溶鋼Mの最大湯面幅(m)
上記式(1)の根拠について説明する。上述したように、プラズマ加熱装置20により、当該プラズマ加熱装置20直下の湯面M付近に高温領域51が形成され、高温領域51の溶鋼Mは湯面M付近に滞留しようとする。そこで、この高温領域51の溶鋼Mに流れを形成するため、すなわちプラズマ加熱領域50の溶鋼Mを十分に攪拌するために、高温領域51に所定の流速の溶鋼Mを衝突させる必要がある。そこで、発明者らは、プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの適正流速を解析するため、汎用の数値流体解析ソフト「FLUENT」を用いてシミュレーションを行った。その結果、高温領域51の溶鋼Mに流れを形成するための適正流速、すなわちプラズマ加熱領域50の溶鋼Mを十分に攪拌するための高温領域51での適正な溶鋼Mの流速の下限値は0.05m/sであることが分かった。したがって、各下堰40、41と湯面M間の距離H、Hを代表してHとすると、プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流速Q/(ρWH)は、下記式(7)と表すことができる。そして、下記式(7)を距離Hについて整理すれば、上記式(1)を導出することができる。
0.05≦Q/(ρWH)・・・・・(7)
なお、上述の各下堰40、41と湯面M間の距離H、Hは、定常に近い状態における操業変動と、プラズマ加熱による各下堰40、41の耐火物の溶損を考慮し、50mm以上であるのが好ましい。
また、第1の下堰40と第2の下堰41は、図4及び下記式(5)に示すように、第1の下堰40と第2の下堰41間の距離Lが4D以下になるように配置されている。
L≦4D・・・・・(5)
但し、L:第1の下堰40と第2の下堰41間の距離(m)、D:カソードトーチ21の外径(m)
上記式(5)の根拠について説明する。通常、シングルトーチ式のプラズマ加熱装置20により発生したプラズマが直接湯面Mに衝突する長さは、カソードトーチ20の外径Dの2倍程度であり、伝熱によってさらに2倍程度の長さの領域が高温領域51となることが知られている。そして、プラズマ加熱領域50において溶鋼Mを効率よく加熱するためには、溶鋼Mが高温領域51全体を通過する必要がある。したがって、一対の下堰40、41間の距離Lが高温領域51の長さ4Dを超えると、一部の溶鋼Mは、高温領域51を通過することなく、第1の下堰40と第2の下堰41に挟まれた領域52(以下、下堰間領域52という。)へ流れてしまうため、一対の下堰40、41間の距離Lは高温領域51の長さ4D以下であることが必要となり、上記式(5)が導出される。ちなみに、一対の下堰40、41間の距離Lは高温領域51の長さの下限値は特に規定するものではないが、カソードトーチ21に近くなるほど、下堰40、41の損耗頻度が大きくなるため、下堰40、41の損耗頻度の観点から2D以上とすることが好ましい。
但し、上述の一対の下堰40、41間の距離Lを設定する際に、第1の上堰30と第1の下堰40間、及び第2の上堰31と第2の下堰41間の距離も考慮するのが好ましい。すなわち、第1の上堰30と第1の下堰40間、及び第2の上堰31と第2の下堰41間を、要求される鋳造速度に対応できる量の溶鋼Mが通過できることを考慮して設定することが重要である。
さらに、第1の下堰40に形成された第1の貫通孔42は、図4及び下記式(2)に示すように、第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ1の底面1bとの間の距離hが0.1m以上になるように形成されている。また第1の貫通孔42は、下記式(3)に示すように、第1の貫通孔42の高さhが第1の下堰40の厚みtの2倍以下になるように形成されている。さらに第1の貫通孔42は、図3及び下記式(4)に示すように、第1の貫通孔42の開口面積Sがプラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流路断面積Sの20%以下になるように形成されている。なお、第1の貫通孔42の個数は、複数であってもよいが1つであるのが好ましい。また、第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ1の底面1bとの間の距離hは0.1m、第1の貫通孔42の高さhは0.05m、第1の貫通孔42の開口面積Sはプラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流路断面積Sの20%であることが好ましい。
≧0.1・・・・・(2)
≦2t・・・・・(3)
≦0.2S・・・・・(4)
但し、h:第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ内底面1b間の距離(m)、h:第1の貫通孔42の高さ(m)、t:第1の下堰40の厚み(m)、S:プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流路断面積(m)、S:第1の貫通孔42の開口面積(m
上記式(2)〜式(4)の根拠について説明する。発明者らは、上述した汎用の数値流体解析ソフト「FLUENT」を用い、下記5つのパラメータを条件(a)〜(e)で変更させてシミュレーションを行った。そして、第1の貫通孔42の下流側から上流側へ溶鋼Mの逆流を発生させる条件、すなわち下堰間領域52の溶鋼Mを滞留させずに、当該下堰間領域52の溶鋼Mが第1の貫通孔42に向かう流れを形成する条件を算出し、上記式(2)〜式(4)を導出した。
(a)注入ノズル10から供給される溶鋼Mの流量:10、20、30(リットル/s)
(b)第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ内底面1bとの間の距離h:0.05、0.1、0.15(m)
(c)第1の下堰40の厚みt:
0.05、0.1(m)
(d)第1の貫通孔42の高さh:0.05、0.1、0.15、0.2、0.25(m)
(e)プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流路断面積に対する第1の貫通孔42の開口面積比S/S:0.15、0.2、0.25
ちなみに、第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ内底面1b間の距離hの上限値は特に規定するものではないが、操業停止時に残溶鋼をなるべく少なくするという観点から0.2m以下とすることが好ましい。また、第1の貫通孔42の高さhは、第1の貫通孔42の開口面積Sと第1の貫通孔42の形状により、一義的に決まるため、下限値は特に規定するものではない。さらに、第1の貫通孔42の開口面積Sの下限値は特に規定するものではないが、操業停止時において鋳型への溶鋼Mの供給を充分に確保する場合は、0.01m以上とすることが好ましい。
次に、以上のように構成されたタンディッシュ1の作用について説明する。
定常操業時、図5に示すように、先ず取鍋11から注入ノズル10を介してタンディッシュ1内に溶鋼Mが供給される。注入ノズル10から供給された溶鋼Mは、注入ノズル10の径よりも広がりつつタンディッシュ1の底面1bに衝突し、第1の下堰40に向かって流れる。このとき、第1の上堰30の上流側で溶鋼M中の介在物やスラグの一部が湯面Mに浮上し、第1の上堰30により捕集される。
そして図6に示すように、第1の下堰40の上流側の溶鋼Maは、第1の下堰40に衝突して、第1の上堰30と第1の下堰40の間を湯面Mに向かって上昇する。その後、溶鋼Maは、一対の下堰40、41と湯面M間のプラズマ加熱領域50に進入する。
プラズマ加熱領域50に進入した溶鋼Mbは、流速0.05m/s以上でプラズマ領域50を流れる。そうすると、溶鋼Mbは、プラズマ加熱装置20によって直接加熱される高温領域51の溶鋼Mを十分に攪拌しながら、プラズマ加熱領域50において湯面Mと平行な方向に流れる。このようにプラズマ加熱領域50を流れる溶鋼Mbは、プラズマ加熱装置20によって十分かつ均一に加熱される。なお、プラズマ加熱領域50においても、溶鋼M中に含まれる介在物やスラグが湯面Mに浮上し、第2の上堰31により捕集される。
そして第2の上堰31に衝突して、溶鋼Mcは、第2の上堰31と第2の下堰41の間を下降し、流出口12に向かって流れる。
一方、この定業操業時において、上述のように第1の下堰40の上流側の溶鋼Maは上昇流を形成する。そうすると、ベルヌーイの定理により第1の下堰40の上流側の溶鋼Maの圧力が、第1の下堰40の下流側、すなわち下堰間領域52の溶鋼Mdの圧力よりも低くなる。この圧力差により、下堰間領域52の溶鋼Mdが第1の貫通孔42を通過して上流側に流れる逆流が発生する。したがって、下堰間領域52内に、プラズマ加熱領域50から第1の貫通孔42へ向かう溶鋼Mdの流れが形成される。また、第2の上堰31と第2の下堰41の間を下降する溶鋼Mcは、タンディッシュ1の底面1bに衝突して、その一部が第2の貫通孔43を通過して下堰間領域52内に流入する。したがって、下堰間領域52内には、第2の貫通孔43から第1の貫通孔42へ向かうMdの流れも形成される。このように、下堰間領域52内の溶鋼Mdは滞留することなく第1の貫通孔42へ向かって流れるので、溶鋼Mdも均一に加熱することができる。
このように十分に加熱された溶鋼Mは、図5に示すように流出口12に向かって流れる。そして、溶鋼Mが流出口12に達するまでの間に、溶鋼M中に含まれる残りの介在物やスラグのほとんどが湯面Mに浮上し分離される。
そして、十分に加熱され、かつ介在物とスラグのほとんどが除去された溶鋼Mは、流出口12から流出し、ノズル13を通じて連続鋳造機の鋳型に供給される。
その後、操業を停止して、注入ノズル10からの溶鋼Mの供給を停止する。そして、図7に示すようにタンディッシュ1内に残存する残溶鋼Nの湯面Nが一対の下堰40、41の下方になったときに、プラズマ加熱装置20を停止する。このとき、第1の下堰40の上流側と下流側で残溶鋼Nの圧力差がなくなり、定常操業時に第1の貫通孔42で発生していた逆流が消滅する。そうすると、操業停止後にタンディッシュ1内に残存する残溶鋼Nの大部分が第1の貫通孔42と第2の貫通孔43を通過して下流側に流れ、流出口12から鋳型に流出する。なお、この残溶鋼Nはプラズマ加熱装置20によって加熱されないが、残溶鋼Nの流速は速いため、タンディッシュ1内を流れる間にほとんど温度が低下せず、凝固することはない。
以上の実施の形態によれば、一対の上堰30、31間に、上記式(1)を満たすように一対の下堰40、41を設けたので、溶鋼Mが十分な流速(0.05m/s以上)でプラズマ加熱領域50を流れる。これによって、プラズマ加熱装置20により直接加熱された高温領域51の溶鋼Mをプラズマ加熱領域50内で十分に攪拌することができる。そして、プラズマ加熱領域50において、溶鋼Mが直進する流れを形成することができ、タンディッシュ1内の溶鋼Mを効率よく加熱することができる。このように溶鋼Mの加熱効率が向上することにより、加熱処理の省エネルギー化を促進できる。また、タンディッシュ1内で十分に溶鋼Mを加熱することができるので、タンディッシュ1の上流側の精錬工程の負荷を軽減することができる。
また、上記式(5)を満たすように一対の下堰40、41を設けたので、プラズマ加熱領域50内の溶鋼Mは、高温領域51全体を通過する。このように溶鋼Mが高温領域51を確実に通過するので、タンディッシュ1内の溶鋼Mをさらに効率よく加熱することができる。
また、第1の下堰40に上記式(2)〜上記式(4)を満たすように第1の貫通孔42を形成したので、下堰間領域52の溶鋼Mが第1の貫通孔42を通過して上流側に逆流する。これによって、下堰間領域52内に、プラズマ加熱領域50から第1の貫通孔42へ向かう溶鋼Mの流れが形成される。また、第2の下堰41の下端に第2の貫通孔43を形成したので、第2の下堰42の下流側の溶鋼Mが下堰領域52内に流入する。これによって、下堰間領域52内に、第2の貫通孔43から第1の貫通孔42へ向かうMdの流れも形成される。このように下堰間領域52内の溶鋼Mは滞留することなく第1の貫通孔42へ向かって流れるので、この溶鋼Mも均一に加熱することができる。
特に、第1の貫通孔42と第2の貫通孔43を形成したことにより、プラズマ加熱領域52の溶鋼Mの一部と第2の下堰41の下流側の溶鋼Mの一部が、加熱された状態で下堰間領域52内に流入する。このように加熱された溶鋼Mを循環させることにより、タンディッシュ1内の溶鋼Mをさらに効率よく加熱することができる。
また、タンディッシュ1内では、溶鋼M中の介在物やスラグを十分に分離除去することができるので、鋳型に介在物やスラグが入り込むことを防止でき、品質要求のより高い製品を製造することができる。
また、操業停止時においては、第1の下堰42の上流側に残存する残溶鋼Nが第1の貫通孔42と第2の貫通孔43を通過して流出口12に流出する。したがって、操業停止後に第1の下堰42の上流側に残留する残溶鋼Nを極めて少量にすることができ、鋼の歩留まりを向上させることができる。
以上の実施の形態では、プラズマ加熱装置20としてシングルトーチ式のプラズマ加熱装置を用いたが、図8及び図9に示すようにツイントーチ式のプラズマ加熱装置60を用いてもよい。プラズマ加熱装置60は、カソードトーチ61(陰極)とアノードトーチ62(陽極)の2つのプラズマトーチを備えている。カソードトーチ61とアノードトーチ62は、定常操業時のタンディッシュ1内の溶鋼Mの湯面Mの上方であって、一対の下堰40、41の間にタンディッシュ1の長さ方向(図8中のY方向)に並ぶように配置されている。そして、本実施の形態の第1の下堰40と第2の下堰41は、図10及び下記式(6)に示すように、第1の下堰40と第2の下堰41間の距離LがR+2D+2D以下になるように配置されている。なお、本実施の形態のタンディッシュ1の他の構成については、前記実施の形態のタンディッシュ1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態のタンディッシュ1においても、前記実施の形態で説明した上記式(1)〜式(4)を満たしている。
L≦R+2D+2D・・・・・(6)
但し、L:第1の下堰40と第2の下堰41間の距離(m)、R:カソードトーチ61とアノードトーチ62の中心間距離(m)、D:カソードトーチ61の外径(m)、D:アノードトーチ62の外径(m)
上記式(6)の根拠について説明する。ツイントーチ式のプラズマ加熱装置60においても、シングルトーチ式の場合と同様に、カソードトーチ61とアノードトーチ62により発生したプラズマが直接湯面Mに衝突する長さは、それぞれカソードトーチ61の外径D2倍程度、アノードトーチ62の外径Dの2倍程度であり、伝熱によってさらにそれぞれ2倍程度の長さの領域が、それぞれのトーチ61、62によって高温に加熱される領域となる。ちなみに、カソードトーチ61とアノードトーチ62間において、溶鋼Mは0.05m/s以上で流れており、充分に攪拌されるため、プラズマ加熱装置60を用いた場合の高温領域51は、カソードトーチ61とアノードトーチ62の中心間距離Rにかかわらず形成される。したがって、高温領域51の長さは、カソードトーチ61とアノードトーチ62の中心間距離Rと、カソードトーチ61により高温に加熱される領域のうち、カソードトーチ61の中心より外側の領域(アノードトーチ62と対向していない領域)の長さである2Dと、アノードトーチ62により高温に加熱される領域のうち、アノードトーチ62の中心より外側の領域(カソードトーチ61と対向していない領域)の長さである2Dとを足した長さとなる。そして、プラズマ加熱領域50において溶鋼Mを効率よく加熱するためには、溶鋼Mが高温領域51全体を通過する必要がある。そうすると、一対の下堰40、41間の距離Lは高温領域51の長さR+2D+2D以下となり、上記式(6)が導出される。
なお、本実施の形態のタンディッシュ1の作用及び効果は、前記実施の形態で説明した作用及び効果と同様であるので、説明を省略する。
(ツイントーチ式)
長さ7m、上端幅1.4m、下端幅0.7m、深さ1mの2ストランド用タンディッシュであって、カソードトーチとアノードトーチを有するツイントーチ式のプラズマ加熱装置が設けられたタンディッシュを用いて、下記の種々の条件において、プラズマ加熱による熱効率を評価する実験を行った。熱効率については、(プラズマ加熱による溶鋼の熱量増加分)/(プラズマトーチにより照射した熱量)としている。なお、カソードトーチとアノードトーチの外径D、Dはそれぞれ0.1mであり、トーチ中心間距離Rは0.3mであった。
本実施例では、図8に示したタンディッシュ1において、下堰が1段に設けられた場合と、下堰が2段に設けられ、一対の下堰40、41間の距離Lが0.6m、0.7m、0.8mである場合の4通りの条件で実験を行った。下堰が1段の場合においては、当該下堰はカソードトーチ61とアノードトーチ62の中心を結んだ線の中点位置に設けられている。下堰の上端と湯面Mとの距離Hはいずれの場合も0.05mとした。また、プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの通過量Qを80kg/s、溶鋼Mの密度ρを7000kg/m、溶鋼Mの最大湯面幅Wを1.4mとした。
また、下堰が2段に設けられた場合において、第1の貫通孔42の下端とタンディッシュ内底面1b間の距離hを0.1m、第1の貫通孔42の高さhを0.05m、第1の下堰40の厚みtを0.1m、プラズマ加熱領域50の溶鋼Mの流路断面積Sを0.22m、第1の貫通孔42の開口面積Sを0.044mとした。したがって、本実施例において、上記式(1)〜式(4)をすべて満たしている。
そして、プラズマ照射条件を1MWとして、熱効率の調査を行った。熱効率の調査において、プラズマ加熱による溶鋼Mの熱量増加分としては、取鍋11内の溶鋼温度を1550℃程度で第1の上堰30へ供給し、プラズマ加熱を行わない場合の第2の上堰31の出側の温度と、プラズマ加熱を行った場合の第2の上堰31の出側の温度との差、及び溶鋼供給量から算出した。ちなみに、第1の上堰30の入側の溶鋼温度を取鍋11内溶鋼温度とし、また、第2の上堰31の出側の温度は、第2の上堰31の出側付近に温度計を設定して測定した。
以上の条件で実験を行った結果を表1に示す。表1中、一対の下堰間の距離Lの条件が上記式(6)を満たしていれば「○」が示され、式(6)を満たしていなければ「×」が示されている。また、表1中の熱効率指標は、下堰が1段の場合の熱効率を1として、各条件における熱効率を示している。
表1を参照すると、一対の下堰間の距離Lが0.6m又は0.7mの場合に熱効率が良い結果が得られ、0.8mでは熱効率が低下した。また、0.6mの方は若干下堰耐火物上端に溶損傾向が見られたものの、熱効率は0.7mよりわずかに良かった。
(シングルトーチ式)
次に、前記実施例と同じサイズのタンディッシュであって、カソードトーチを有するシングルトーチ式のプラズマ加熱装置が設けられたタンディッシュを用いて、下記の種々の条件において熱効率を評価する実験を行った。なお、カソードトーチの外径Dは0.1mであった。
本実施例では、図1に示したタンディッシュ1において、下堰が1段に設けられた場合と、下堰が2段に設けられ、一対の下堰40、41間の距離Lが0.3m、0.4m、0.5mである場合の4通りの条件で実験を行った。下堰が1段の場合においては、当該下堰はカソードトーチ21の直下に設けられている。その他の条件については前記実施例と同様であるので説明を省略する。
以上の条件で実験を行った結果を表1に示す。表1中、一対の下堰間の距離Lの条件が上記式(5)を満たしていれば「○」が示され、式(5)を満たしていなければ「×」が示されている。表1を参照すると、一対の下堰間の距離Lが0.3m又は0.4mの場合に熱効率が良い結果が得られ、0.5mでは熱効率が低下した。また、0.3mの方は若干下堰耐火物上端に溶損傾向が見られたものの、熱効率は0.4mよりわずかに良かった。
Figure 0005053227
本発明は、連続鋳造用のタンディッシュを用いて、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に有用である。
本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの横断面の説明図である。 第1の下堰及び第1の貫通孔を側面から見たタンディッシュの縦断面の説明図である。 プラズマ加熱装置周辺のタンディッシュの縦断面の説明図である。 定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼の流れの様子を示すタンディッシュの縦断面の説明図である。 定常操業時のプラズマ加熱装置周辺の溶鋼の流れの様子を示すタンディッシュの縦断面の説明図である。 操業停止時にタンディッシュ内に残存する残溶鋼の流れの様子を示すタンディッシュの縦断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの横断面の説明図である。 プラズマ加熱装置周辺のタンディッシュの縦断面の説明図である。 従来のタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 従来のプラズマ加熱装置周辺の溶鋼の流れの様子を示すタンディッシュの縦断面の説明図である。
符号の説明
1 タンディッシュ
10 注入ノズル
11 取鍋
12 流出口
13 ノズル
14 流量調節棒
20 プラズマ加熱装置
21 カソードトーチ
22 アノード
30 第1の上堰
31 第2の上堰
32 支持板
40 第1の下堰
41 第2の下堰
42 第1の貫通孔
43 第2の貫通孔
50 プラズマ加熱領域
51 高温領域
52 下堰間領域
60 プラズマ加熱装置
61 カソードトーチ
62 アノードトーチ
M 溶鋼

Claims (2)

  1. 鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、
    取鍋からの溶鋼の流入部と鋳型への溶鋼の流出部との間に設けられた一対の上堰と、
    前記一対の上堰間に位置するように設けられた一対の下堰と、
    前記一対の上堰間の上方に設けられ、カソードトーチを備えたシングルトーチ式のプラズマ加熱装置と、を有し、
    前記流入部側の下堰には、当該下堰の厚み方向に貫通する第1の貫通孔が形成され、
    前記流出部側の下堰の下端には、当該下堰の厚み方向に貫通する第2の貫通孔が形成され、
    前記各下堰の上端と定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼湯面間の距離は下記式(1)を満たし、
    かつ、前記第1の貫通孔の下端とタンディッシュ内底面間の距離は下記式(2)を満たし、
    かつ、前記第1の貫通孔の高さは下記式(3)を満たし、
    かつ、前記第1の貫通孔の開口面積は下記式(4)を満たし、
    かつ、前記一対の下堰間の距離は下記式(5)を満たすことを特徴とする、連続鋳造用タンディッシュ。
    H≦Q/(0.05ρW)・・・・・(1)
    ≧0.1・・・・・(2)
    ≦2t・・・・・(3)
    ≦0.2S・・・・・(4)
    L≦4D・・・・・(5)
    但し、H:各下堰の上端と定常操業時のタンディッシュ内の溶鋼湯面間の距離(m)、Q:プラズマ加熱領域の溶鋼通過量(kg/s)、ρ:溶鋼密度(kg/m)、W:溶鋼の最大湯面幅(m)、h:第1の貫通孔の下端とタンディッシュ内底面間の距離(m)、h:第1の貫通孔の高さ(m)、t:流入部側の下堰の厚み(m)、S:プラズマ加熱領域の溶鋼流路断面積(m)、S:第1の貫通孔の開口面積(m)、L:一対の下堰間の距離(m)、D:カソードトーチの外径(m)
  2. 前記プラズマ加熱装置は、シングルトーチ式のプラズマ加熱装置に代えて、カソードトーチとアノードトーチを備えたツイントーチ式のプラズマ加熱装置であって、
    前記一対の下堰間の距離は、前記式(5)に代えて、下記式(6)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造用タンディッシュ。
    L≦R+2D+2D・・・・・(6)
    但し、L:一対の下堰間の距離(m)、R:カソードトーチとアノードトーチの中心間距離(m)、D:カソードトーチの外径(m)、D:アノードトーチの外径(m)
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