JP5206591B2 - 連続鋳造用タンディッシュ - Google Patents

連続鋳造用タンディッシュ Download PDF

Info

Publication number
JP5206591B2
JP5206591B2 JP2009131762A JP2009131762A JP5206591B2 JP 5206591 B2 JP5206591 B2 JP 5206591B2 JP 2009131762 A JP2009131762 A JP 2009131762A JP 2009131762 A JP2009131762 A JP 2009131762A JP 5206591 B2 JP5206591 B2 JP 5206591B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tundish
molten steel
long side
side wall
injection nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009131762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010274321A (ja
Inventor
健彦 藤
一誠 竹▲崎▼
清 重松
勝弘 淵上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2009131762A priority Critical patent/JP5206591B2/ja
Publication of JP2010274321A publication Critical patent/JP2010274321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5206591B2 publication Critical patent/JP5206591B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

本発明は、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に用いられる連続鋳造用タンディッシュに関する。
鋼の連続鋳造においては、精錬工程で成分と温度を調整された溶鋼は、取鍋内に貯留されて、連続鋳造工程を実施する連続鋳造機まで輸送される。輸送された溶鋼は、連続鋳造機の鋳型に注入されるが、取鍋から直接鋳型に注入すると、溶鋼の流量の制御が難しい。またその一方で、取鍋を交換しつつ、鋳型に継続的に溶鋼を供給して、鋳造を連続的に行う必要がある。このため、一般的に、取鍋の溶鋼は、注入ノズルなどを通じて一旦タンディッシュと呼ばれる中間容器内に注入され、タンディッシュ内で流量調整された後、鋳型内に供給されている。
上述のタンディッシュは、種々の形のものが存在するが、例えば底面が平面形状をなす舟型のものが用いられている(特許文献1)。このようなタンディッシュによれば、注入ノズルからタンディッシュの中央部に溶鋼が供給され、舟の舳先に相当する両端部の流出口から2つの連続鋳造機の鋳型に耐火物のノズルを通じて溶鋼が流出される。タンディッシュの両端部の流出口には、例えば上下に移動して流出口の開口面積を調整する棒状のストッパーが設けられており、このストッパーによりタンディッシュ内の溶鋼の流量制御が行われている。
タンディッシュは、上述のように流量を制御しつつ溶鋼を鋳型に供給する機能を持つほかに、鋼の精錬時に不可避的に混入した酸化物であるスラグや、脱酸のために添加されたアルミから生成されるアルミナなどの非金属介在物を、その比重が鋼の比重よりも小さいことを利用してタンディッシュ内で浮上分離させる機能を有している。これにより、溶鋼中の非金属介在物などがそのまま鋳型内に供給されることが防止されて鋳片に混入することがなく、非金属介在物などが原因で生じる圧延時の疵などを抑制できる。
しかしながら、上述した特許文献1のタンディッシュを用いた場合、図12に示すように、タンディッシュ100の底面101が平面形状であって、底面101と長辺壁102との間のコーナー部は、湾曲せず鋭角に形成されているため、タンディッシュ100内を十分に上昇せずに底面101に沿った溶鋼Mの流れ、いわゆる直送流Fが形成される。この直送流Fにより、注入ノズル110から供給された溶鋼Mの一部は直接流出口111に流れる。この場合、溶鋼M中の介在物も直接流出口111に流れるので、タンディッシュ100内で介在物を十分に分離除去することができない。そうすると、介在物を含む溶鋼Mがそのまま鋳型に流れてしまい、最終的に製造される鋼の品質が低下してしまう。
そこで、従来よりタンディッシュにおける介在物の浮上分離機能を高めるために、タンディッシュ内に堰を設けることが行われている。例えばタンディッシュ内に、溶鋼流路に沿って複数の平板状の下堰を並べられることが行われている(特許文献2)。これらの下堰により、溶鋼の流動を調整して、タンディッシュ内に溶鋼の上昇流を形成することができる。こうして、介在物を浮上させ易くして、介在物を溶鋼から分離している。
特開平9−103854号公報 特開平1−157748号公報
しかしながら、特許文献2のタンディッシュを用いた場合、定常操業時においては溶鋼中の介在物を分離除去できるが、操業を停止した際には、下堰の上流側の溶鋼は、下堰に堰き止められて下流側に流れずタンディッシュ内に残留してしまう。このように下堰の上流側に残留する残溶鋼はその後廃棄されるため、鋼の歩留まり落ちが生じる。また、タンディシュ内に下堰を設ける分、耐火物が余分に必要となり、タンディッシュの製造コストがかかる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、連続鋳造用のタンディッシュにおいて、鋼の歩留まりを向上させつつ、溶鋼中の介在物の分離除去機能を高めることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、タンディッシュから鋳型へ溶鋼を流出させる流出口は、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を流入させる注入ノズルに対し、平面視において、前記長辺壁に沿って同一直線上に並んで配置され、タンディッシュの内部底面には、少なくとも前記注入ノズルの下方において平面形状をなす平面部が形成され、前記平面部と前記長辺壁との間のコーナー部には、外側に凸に湾曲した湾曲部が形成され、前記湾曲部は、前記長辺壁に沿って形成され、前記湾曲部の最小曲率半径R(m)は、下記式(1)を満たすことを特徴としている。
0.1≦R≦(W−D)/2・・・・(1)
但し、W:タンディッシュ内の最大溶鋼湯面位置における前記長辺方向に垂直な断面の長辺壁の内側面の接線と前記平面部の延長線との交点間の距離(m)、D:注入ノズルの内径(m)
本発明によれば、タンディッシュは前記平面部と湾曲部を有しているので、注入ノズルからタンディッシュ内に供給された溶鋼は、一旦平面部を流れ、その後湾曲部に沿って上昇する。そうすると、タンディッシュ内に溶鋼の上昇流を形成することができ、この上昇流により溶鋼中の介在物を浮上させることができる。そして、発明者らは、この介在物の浮上効果を十分に発揮させるための湾曲部の条件として、上記式(1)を実験等により導出した。すなわち、上記式(1)を満たす湾曲部を設けた場合、介在物を浮上させて溶鋼から十分に分離除去することができる。しかも、本発明によれば、溶鋼の上昇流を形成するために、従来のようにタンディッシュ内に下堰を設ける必要がない。そうすると、下堰を設けた場合に、操業停止時において、当該下堰の上流側に残留する残溶鋼を極めて少量に抑えることができ、鋼の歩留まりを向上させることができる。さらに、下堰自体が不要であるから、タンディッシュの製造コストを抑えることができる。
なお、発明者らは、後述の通り、タンディッシュの底面を湾曲部のみで構成する(平面部を形成しない)ことも試みた。しかしながら、かかる場合、タンディッシュ内に湾曲部による溶鋼の上昇流のみならず、湾曲部に沿って略水平方向に流出口に向かう直送流も形成され、タンディッシュ内の溶鋼の流れが二極化することが分かった。すなわち、注入ノズルから供給された一部の溶鋼は、湾曲部に沿って上昇するが、残りの溶鋼は底面に沿って直接流出口に流れてしまう。そうすると、溶鋼中の介在物を十分に除去することができない。したがって、本発明のように、タンディッシュが平面部と湾曲部を有することが、介在物の浮上効果を十分に発揮させるために有効であることが分かった。
前記注入ノズルの直下の前記平面部上に、タンディッシュ内側に凸形状をなす凸部が形成されていてもよい。
前記最大溶鋼湯面位置における長辺壁には、当該長辺壁の内側から外側に通ずる切欠き部が設けられていてもよい。
前記湾曲部は、前記注入ノズル位置を中心として、タンディッシュ内の最大溶鋼湯面位置における前記長辺方向に垂直な断面の長辺壁の内側面の接線と前記平面部の延長線との交点間の距離以上、前記長辺壁に沿って形成されていてもよい。
前記湾曲部は、前記注入ノズルから前記流出口の注入ノズル側の端部まで、前記長辺壁に沿って形成されていてもよい。
本発明によれば、鋼の歩留まりを向上させつつ、溶鋼中の介在物の分離除去機能を高めることができる。
本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 タンディッシュ内の溶鋼の流れの様子を示す説明図である。 タンディッシュの底面を湾曲部のみで構成した場合の溶鋼の流れを示す説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 底面が平面形状の従来のタンディッシュ内の溶鋼の流れの様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるタンディッシュ1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。図2は、タンディッシュ1の構成の概略を示す横断面の説明図である。
タンディッシュ1は、図1及び図2に示すように、一対の長辺壁10、10と一対の短辺壁11、11を備え、平面形状が四角形状に形成されている。また、タンディッシュ1は、天井面12と底面13を備え、内部に溶鋼Mを貯留することができる。タンディッシュ1の長辺壁10における天井面12付近には、図3に示すように、長辺壁10の内側から外側に通ずる切欠き部14が形成されている。タンディッシュ1内には、切欠き部14の下端を上限として溶鋼Mを貯留することができ、当該切欠き部14の下端位置が溶鋼Mの最大湯面Mの位置となる。
タンディッシュ1の中央付近の天井面12には、図1に示すように、注入ノズル20が下方向に向けて挿入されている。この注入ノズル20により、上方の取鍋21からタンディッシュ1内に溶鋼Mを流入させることができる。タンディッシュ1の短辺壁11、11付近の底面13には、流出口22、22が2箇所に形成されている。各流出口22には、図示しない連続鋳造機の鋳型に連通するノズル23が接続されている。この流出口22とノズル23により、タンディッシュ1内の溶鋼Mを鋳型に供給することができる。なお、これら注入ノズル20と流出口22、22は、平面視において、タンディッシュ1の長辺壁11に沿って同一直線上に並んで配置されている。
流出口22の上方には、流量調節棒24が設けられている。流量調節棒24は、上下動することで流出口22の開口面積を変えて、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流量を調整することができる。
タンディッシュ1内部の底面13には、図3に示すように、少なくとも注入ノズル20の下方において平面形状をなす平面部30が形成されている。平面部30とタンディッシュ1の長辺壁10、10との間のコーナー部には、外側に凸に湾曲した湾曲部31、31が形成されている。
各湾曲部31は、その最小曲率半径R(m)が下記式(1)を満たすように形成されている。ちなみに、最小曲率半径R(m)としているのは、湾曲部31の曲率が一定ではない場合も想定されるため、この様な場合は、湾曲部31の曲がりが最もきつい部分、すなわち曲率半径が最小となる部分が、溶鋼Mの上昇流Fが最も発生し難い箇所であることがその理由である。
この式(1)は、タンディッシュ1内に湾曲部31に沿った溶鋼Mの上昇流Fを発生させて、この上昇流Fにより溶鋼M中の介在物を十分に浮上させるようにするため、発明者らが実験等によって導出した。具体的には、通常用いられるタンディッシュの幅(0.5m〜1.5m程度)の中央部に注入ノズルを通じて、通常操業の溶鋼供給量(5トン/分/ストランド)での溶鋼Mの挙動について、水モデル実験を実施したところ、曲率半径が0.1m未満では、曲がりがきつくなりすぎるために、溶鋼Mの上昇流Fが発生しないことが分かった。したがって、最小曲率半径Rの下限値0.1mは、溶鋼Mを円滑に上昇させるために必要な最低限の曲率半径とした。なお、溶鋼Mの上昇流Fをより発生させ易くするという観点から、最小曲率半径Rの好ましい下限値は0.2mであり、より好ましい下限値は0.3mである。一方、曲率半径が大きくなるほど、溶鋼Mの上昇流Fが発生しやすくなることも確認したが、最小曲率半径Rの上限値としては、幾何学的に最大値とできる値となるため、曲率半径が一定値の場合がその上限値となる。したがって、最小曲率半径Rの上限値は、注入ノズル20の内径の直下部分は平面部30を形成しているのでこの部分の長さDを除外して、湾曲部31の曲率が一定値をなしている場合として、(W−D)/2とした。
0.1≦R≦(W−D)/2・・・・(1)
但し、W:タンディッシュ1内の最大溶鋼湯面Mの位置における長辺壁10の内側面の接線Lと平面部30の延長線Lとの交点P、P間の距離(以下、単に「下端幅」という場合がある。)(m)、D:注入ノズル20の内径(m)
平面部30と湾曲部31は、図2に示すように、上述した形状でタンディッシュ1の長辺壁10に沿って一対の短辺壁11、11まで形成されている。
ちなみに、湾曲部31の最小曲率半径R(m)については、例えば、一般曲線の曲率半径の算出方法(一松信著 解析学序説 上巻 裳華房 (しょうかぼう) 第18版 (昭和50年) pp265−272)等の良く知られた手法を用いて求めることができる。
次に、以上のように構成されたタンディッシュ1の作用について、図1〜図4に基づいて説明する。なお、図4は、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流れを説明するため、定常操業時における溶鋼Mの湯面Mの位置までのタンディッシュ1内の一部を示している。
先ず、取鍋21から注入ノズル20を介してタンディッシュ1内に溶鋼Mが供給される。そして定常操業時において、溶鋼Mの湯面Mの位置が所定の高さで安定する。注入ノズル20から供給された溶鋼Mは、タンディッシュ1の底面13に衝突して平面部30を流れる。このとき、溶鋼Mは注入ノズル20の下方から水平方向に拡散する。その後、溶鋼Mは湾曲部31に沿って上昇し、湯面Mに向かう上昇流Fが形成される。この上昇流Fにより、溶鋼M中の介在物も浮上し、流出口22に到達するまでの間に分離除去される。
なお、タンディッシュ1内には、十分に上昇せずに底面13に沿って流出口22に向かう溶鋼Mの流れ、いわゆる直送流Fも形成されるが、この直送流Fは上昇流Fに比べて極めて小さい。このため、直送流Fにより流出口22に流れる溶鋼M中の介在物は極めて少量で、タンディッシュ1内で介在物は十分に除去される。
介在物が十分に除去された溶鋼Mは、流出口22から流出し、ノズル23を通じて連続鋳造機の鋳型に供給される。
以上の実施の形態によれば、タンディッシュ1は平面部30と湾曲部31を有しているので、注入ノズル20からタンディッシュ1内に供給された溶鋼Mは、一旦平面部30を流れ、その後湾曲部31に沿って上昇する。そうすると、タンディッシュ1内に溶鋼Mの上昇流Fを形成することができ、この上昇流Fにより溶鋼M中の介在物を浮上させることができる。しかも、湾曲部31の最小曲率半径Rは、上記式(1)を満たしているので、溶鋼M中の介在物の浮上効果を十分に発揮させることができ、介在物を溶鋼Mから十分に分離除去することができる。したがって、鋳型に介在物が入り込むことを防止でき、品質が高い鋼を製造することができる。
また、本実施の形態によれば、介在物は、溶鋼Mの上昇流Fによって分離除去されるので、従来のようにタンディッシュ1内に分離除去に供する下堰を設ける必要がない。したがって、下堰を設けた場合に、操業停止時において、当該下堰の上流側に残留していた残溶鋼を極めて少量に抑えることができるため、タンディッシュ1内に供給された溶鋼Mを有効に利用することができ、鋼の歩留まりを向上させることができる。さらに、下堰自体が不要であるから、タンディッシュの製造コストを抑えることができる。
ところで、発明者らは、タンディッシュ1の底面を湾曲部のみで構成する(平面部を形成しないで、かつタンディッシュ1の外側に凸の湾曲部で構成する)ことも試みた。しかしながら、かかる場合、図5に示すようにタンディッシュ1内に湾曲部による上昇流Fのみならず、湾曲部に沿って略水平方向に流出口22に向かう直送流Fも形成され、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流れが二極化することが分かった。すなわち、注入ノズル20から供給された一部の溶鋼Mは、湾曲部に沿って長辺壁10の高さ方向に上昇するが、残りの溶鋼Mは底面に沿って直接流出口22に流れてしまう。そうすると、溶鋼M中の介在物を十分に除去することができない。したがって、本実施の形態のように、タンディッシュ1が平面部30と湾曲部31を有することが、介在物の浮上効果を十分に発揮させるために有効であることが分かった。
ちなみに、注入ノズル20直下の平面部30については、注入ノズル20から溶鋼Mが注入される際に溶損しやすいため、多少の厚みを有しても良いかを検討したところ、平面部30上に、タンディッシュ1の内側に凸形状をなす凸部が形成されていても、溶鋼Mの流れは、当該箇所が平面の場合と同様の挙動を示すことを、前記水モデル実験により、併せて確認している。したがって、本実施の別の形態によれば、図6及び図7に示すように例えば注入ノズル20直下の平面部30上に、タンディッシュ1の内側に凸形状をなす耐火物で構成された凸部50が形成されていてもよい。ここで、凸形状をなす凸部50の高さとしては、特に規定するものではないが、溶損対策の観点から、例えば0.1m以下程度が目安となる。この凸部50によって、注入ノズル20直下の平面部30の溶損を抑えることができる。
以上の実施の形態では、タンディッシュ1の湾曲部31は、長辺壁10に沿って短辺壁11まで形成されていたが、図8に示すように、注入ノズル20から流出口22の注入ノズル20側の端部まで形成されていてもよい。かかる場合でも、湾曲部31によりタンディッシュ1内に溶鋼Mの上昇流Fを形成して、溶鋼M中の介在物を十分に分離除去することができることが実験により分かった。
なお、発明者らが調べたところ、溶鋼Mの清浄度の要求がより厳しい場合に対応して、上述の介在物除去効果をより十分に発揮させるための湾曲部31の長辺壁10に沿った方向の好ましい範囲は、図9に示すように、注入ノズル20を中心にタンディッシュ1の下端幅Wの範囲であることが実験により分かった。
以上の実施の形態のタンディッシュ1内において、図10及び図11に示すように、板状の耐火物で構成された低い高さの下堰40をさらに設けてもよい。下堰40は一の流出口22に対して一箇所に設けられ、下堰40、40は、注入ノズル20の中心と流出口22の中心間の中点Cよりも流出口22側にそれぞれ設けられている。下堰40はタンディッシュ1の底面13から上方に向けて形成され、その高さは例えば0.05m〜0.1mとなっている。また、下堰40は、タンディッシュ1の短辺壁11に沿って延伸するように設けられている。
かかる場合、上述した底面13に沿って流出口22に向かう溶鋼Mの直送流Fが下堰40により上方へと向けられる。したがって、この直送流Fの溶鋼M中の介在物も湯面Mに向けて上昇させることができ、介在物を溶鋼M中からより確実に除去することができる。したがって、平面部30、湾曲部31及び下堰40の構成を有する本実施の形態は、介在物の残留をほとんど許容しないような品質要求の高い鋼の製造に特に有効である。
なお、本実施の形態において、溶鋼Mの直送流Fは極めて小さいため、下堰40は一の流出口22に対して少なくとも一箇所ずつ設けられればよく、また下堰40の高さも例えば0.05m〜0.1mと低いもので十分であればよく、これにより十分な介在物の除去効果を発揮する。また、下堰40の高さが低いもので済むから、操業停止時に下堰40の上流側に残留する溶鋼Mは極めて少量となり、鋼の歩留まりはほとんど低下しない。
以下、本発明のタンディッシュを用いた場合の介在物の除去効果について説明する。本実施例においては、先に図1〜図3で示したタンディッシュ1を用い、下記の条件において、タンディッシュ1を通過して鋳型に流出した溶鋼M中の非金属介在物の個数を調査する実験を行った。なお、本実施例において、タンディッシュ1の長辺壁10の長さSは7m(図2参照)、上端幅Tは1.6m、下端幅Wは1.0m、深さHは1.5mである(図3参照。)。また、天井面12上端から切欠き部14下端までの距離Hは0.2m、切欠き部14下端から定常操業時の湯面Mまでの距離Hは0.3m、湯面Mの高さHは1mである。また、注入ノズル20の内径Dは0.2mである。
本実施例では、湾曲部31の最小曲率半径Rとして、0m、0.05m、0.1m、0.2m、0.3m、0.4m、0.45m、0.5mの8通りの条件で実験を行った。なお、最小曲率半径Rが0mとは、タンディッシュ1に湾曲部がないことを示している。また、最小曲率半径Rが0.5mとは、タンディッシュ1の底面が湾曲部のみで構成されていることを示している。
そして、非金属介在物の個数の調査では、鋳型内の溶鋼サンプル100gを電解抽出法により非金属介在物のみを抽出し、直径が50μm〜100μmの非金属介在物の個数を計測した。本実施例では、直径50μm〜100μmの非介在物が鋼の品質に悪影響を及ぼすことを、通常の操業で確認していたことから、かかる直径の非介在物の個数を計測した。
以上の条件で実験を行った結果を表1に示す。表1中、湾曲部31の最小曲率半径Rの条件が上記式(1)を満たしていれば「○」が示され、式(1)を満たしていなければ「×」が示されている。なお、表1中の介在物個数指標は、湾曲部31の最小曲率半径Rが0mの場合の非金属介在物の個数を1として、各条件における非金属介在物の個数の比率を示している。そして、介在物個数指標が0.5以下であれば、介在物が十分に除去されていることを示している。
表1を参照すると、湾曲部31の最小曲率半径Rが式(1)を満たさない0m、0.5m、0.45m、0.5mの場合、介在物個数指数が0.8以上となり、介在物を十分に除去できない。これに対し、湾曲部31の最小曲率半径Rが式(1)を満たす0.1m、0.2m、0.3m、0.4mの場合、介在物個数指標が0.4以下となり、介在物を十分に除去できることが分かった。すなわち、本発明のタンディッシュを用いた場合、介在物を十分に除去できることが分かった。
Figure 0005206591
本発明は、連続鋳造用のタンディッシュを用いて、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に有用である。
1 タンディッシュ
10 長辺壁
11 短辺壁
12 天井面
13 底面
14 切欠き部
20 注入ノズル
21 取鍋
22 流出口
23 ノズル
24 流量調節棒
30 平面部
31 湾曲部
40 下堰
50 凸部
M 溶鋼

Claims (5)

  1. 一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、
    タンディッシュから鋳型へ溶鋼を流出させる流出口は、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を流入させる注入ノズルに対し、平面視において、前記長辺壁に沿って同一直線上に並んで配置され、
    タンディッシュの内部底面には、少なくとも前記注入ノズルの下方において平面形状をなす平面部が形成され、
    前記平面部と前記長辺壁との間のコーナー部には、外側に凸に湾曲した湾曲部が形成され、
    前記湾曲部は、前記長辺壁に沿って形成され、
    前記湾曲部の最小曲率半径R(m)は、下記式(1)を満たすことを特徴とする、連続鋳造用タンディッシュ。
    0.1≦R≦(W−D)/2・・・・(1)
    但し、W:タンディッシュ内の最大溶鋼湯面位置における前記長辺方向に垂直な断面の長辺壁の内側面の接線と前記平面部の延長線との交点間の距離(m)、D:注入ノズルの内径(m)
  2. 前記注入ノズルの直下の前記平面部上に、タンディッシュ内側に凸形状をなす凸部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造用タンディッシュ。
  3. 前記最大溶鋼湯面位置における長辺壁には、当該長辺壁の内側から外側に通ずる切欠き部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の連続鋳造用タンディッシュ。
  4. 前記湾曲部は、前記注入ノズル位置を中心として、タンディッシュ内の最大溶鋼湯面位置における前記長辺方向に垂直な断面の長辺壁の内側面の接線と前記平面部の延長線との交点間の距離以上、前記長辺壁に沿って形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の連続鋳造用タンディッシュ。
  5. 前記湾曲部は、前記注入ノズルから前記流出口の注入ノズル側の端部まで、前記長辺壁に沿って形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の連続鋳造用タンディッシュ。
JP2009131762A 2009-06-01 2009-06-01 連続鋳造用タンディッシュ Active JP5206591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131762A JP5206591B2 (ja) 2009-06-01 2009-06-01 連続鋳造用タンディッシュ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131762A JP5206591B2 (ja) 2009-06-01 2009-06-01 連続鋳造用タンディッシュ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010274321A JP2010274321A (ja) 2010-12-09
JP5206591B2 true JP5206591B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=43421759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009131762A Active JP5206591B2 (ja) 2009-06-01 2009-06-01 連続鋳造用タンディッシュ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5206591B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8957325B2 (en) 2013-01-15 2015-02-17 Fujitsu Limited Optimized via cutouts with ground references

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5994022B2 (ja) * 2013-04-30 2016-09-21 Hoya株式会社 研削砥石、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02121754A (ja) * 1988-10-28 1990-05-09 Kawasaki Steel Corp タンディッシュ内溶融金属の再酸化防止方法
JP3073077B2 (ja) * 1991-12-16 2000-08-07 マグネコ/メトレル インコーポレイテッド タンディッシュ容器
JP4023289B2 (ja) * 2002-11-05 2007-12-19 Jfeスチール株式会社 連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8957325B2 (en) 2013-01-15 2015-02-17 Fujitsu Limited Optimized via cutouts with ground references

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010274321A (ja) 2010-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5807719B2 (ja) 高清浄度鋼鋳片の製造方法及びタンディッシュ
JP4714539B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP5516235B2 (ja) 連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法
JP5206591B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
CN110270679B (zh) 一种大方坯四流中间包
JP2012020294A (ja) 浸漬ノズルの浸漬深さ変更方法
JP4725244B2 (ja) 連続鋳造用取鍋及び鋳片の製造方法
JP4833744B2 (ja) 浸漬ノズル
JP2018051598A (ja) 下注ぎ造塊設備
JP5206584B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ及び連続鋳造方法
JP5053226B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP5044379B2 (ja) 浸漬ノズル
JP4686442B2 (ja) 分割型堰付浸漬ノズル
JP4998705B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5673162B2 (ja) 連続鋳造方法および連続鋳造装置
JP6668568B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法
KR102033642B1 (ko) 용융물 처리 장치
JP5239554B2 (ja) スラブの連続鋳造用の浸漬ノズル
JP2019188425A (ja) タンディッシュ
JP4750013B2 (ja) 鼓型堰付浸漬ノズル
JP4319072B2 (ja) 介在物浮上性に優れるタンディシュ
JP6904132B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP2017177179A (ja) 連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法
JP5850776B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP2008132504A (ja) 連続鋳造用タンディッシュ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5206591

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350