JP5053149B2 - 電線送給装置 - Google Patents
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Description
そのため、前後方向に延びる電線を左右一対の駆動ローラで挟持することにより前方に送給する電線送給装置が用いられている(例えば、下記特許文献1を参照)。
このエコ電線は、芯線の周囲をポリエチレン系の絶縁材料で被覆したものであるが、外傷を受けやすいため、電線送給装置の駆動ローラの外周面に設けられている滑り止めのセレーション等によって傷跡が残る場合があり問題となっていた。
そこで、駆動ローラに代えて、左右一対の無端状ベルトを用いて電線を挟持することにより電線を前方に送給する装置が採用されている(例えば、下記特許文献2を参照)。
無端状ベルト2L,2Rは、それぞれ駆動プーリ3L,3R、従動プーリ4L,4R、ガイドプーリ5a,5b、およびテンションプーリ6L,6Rに巻回されている。
そして、基台7上に固定された駆動モータ8と、互いに噛み合っている左右一対の駆動歯車9L,9Rとによって、左右一対の駆動プーリ3L,3Rを回転駆動することにより、左右一対の無端状ベルト2L,2Rを図示した矢印の方向に旋回させるようになっている。
これにより、図示されないエアシリンダを伸縮させると、図7に示したように左右一対の無端状ベルト2L,2Rを互いに接近させて電線Wを挟持した状態と、図8に示したように左右一対の無端状ベルト2L,2Rを互いに離間させて電線Wを交換する状態とを取ることができる。
また、補助ローラ13Rには一方の従動プーリ13Rの回転がベルト15によって伝達され、電線Wの前方への移動に伴って一体に回転するようになっている。
そのため、電線Wを確実に送給するべく電線Wを挟持する部分の長さL1の値を大きく取ろうとすると、駆動プーリ3L,3Rと従動プーリ4L,4Rとの間の前後方向の間隔を大きくせざるを得ず、この電線送給装置1の全体が大型化してしまう。
そして、左右一対の駆動プーリ3L,3Rは、左右一対の駆動歯車9L,9Rが互いに噛み合う構造に起因して、その芯間距離を拡げることができない。
これにより、図8に示したように、電線Wを交換するためにスライドプレート10L,10Rを左右方向に変位させて無端状ベルト2L,2Rを離間させると、これらの無端状ベルト2L,2Rに弛みが生じてガイドプーリ5a,5bやテンションプーリ6L,6Rから浮き上がり、最悪の場合には脱落するおそれもあった。
前後方向に延びる電線を左右一対の無端状ベルトで左右方向に挟持して送給する電線送給装置であって、
前記装置の基台上に前記電線を挟んで左右対称に、かつそれぞれ左右方向にスライド自在に支持された左右一対の第1の支持部材と、
前記左右一対の第1の支持部材の一方にその一端が接続されるとともに他方にその他端が接続された、前記左右一対の第1の支持部材を左右方向に接離させる接離手段と、
前記左右一対の第1の支持部材にそれぞれ回転自在に支持された、前記無端状ベルトが巻回される左右一対の駆動プーリおび従動プーリの組と、
前記装置の基台上に前後方向にスライド自在に支持された、前記駆動プーリを回転駆動するための駆動手段を支持する第2の支持部材と、
前記駆動手段の回転駆動力を前記左右一対の駆動プーリにそれぞれ伝達する回転駆動力伝達手段と、
前記左右一対の第1の支持部材にその一端がそれぞれ軸支されるとともに前記第2の支持部材にその他端がそれぞれ軸支された、前記電線を挟んで左右対称に配設された左右一対の接続リンクと、を備えることを特徴とする。
これにより、無端状ベルトのうち駆動プーリと従動プーリとの間で直線状に延びる部分の全体を電線に接触させることができるから、電線を挟持する部分の長さを大きく取ることができる。
また、左右一対の無端状ベルトを電線に対して左右方向に接離させても無端状ベルトに弛みが生じることがないから、無端状ベルトがプーリから外れたり、歯付きベルトの場合にベルトの内周歯がプーリの外周歯に乗り上げたりすることがない。
さらに、左右一対の第1の支持部材がそれぞれ左右方向にスライド自在であり、第2の支持部材が前後方向にスライド自在であり、かつ電線に対して左右対称に配設された左右一対の接続リンクが左右一対の第1の支持部材と第2の支持部材とを接続している。
これにより、左右一対の第1の支持部材は電線に対して常に左右対称に位置決めされるから、左右一対の無端状ベルトは電線を左右方向に位置ずれさせることなく確実に挟持することができる。
前記第2の支持部材上に前記電線に対して左右対称にかつ回転自在に支持されて互いに噛み合うとともに、前記左右一対の第1の歯車とそれぞれ噛み合い、かつ前記駆動手段によって回転駆動される左右一対の第2の歯車と、を有することを特徴とする。
また、駆動手段および回転駆動力伝達手段を、駆動プーリと従動プーリとの間の前後方向のスペース内に集中させて配設することができるから、この電線送給装置の全体をコンパクトにまとめることができる。
前記電線に対して左側にある前記第1の歯車の回転支軸にその一端が軸支されるとともに、前記電線に対して左側にある前記第2の歯車の回転支軸にその他端が軸支された右側の接続リンクと、
前記電線に対して左側にある前記第1の歯車の回転支軸にその一端が軸支されるとともに、前記電線に対して左側にある前記第2の歯車の回転支軸にその他端が軸支された左側の接続リンクであることを特徴とする。
前記補助ローラは、その周速が前記駆動プーリの周速よりも速くなるように前記駆動プーリの回転が伝達されることを特徴とする。
このとき、補助ローラには、例えばプーリとベルトの組み合わせによって駆動プーリの回転を伝達することができるが、補助ローラの周速が駆動プーリの周速よりも速くなるように補助ローラを回転させることにより、電線に対し送給方向の前方に向けて軽い張力を付加することができる。
これにより、電線に緩みが生じることはないから、左右一対のベルトから前方に送給された電線の送給長さを測長ローラによって正確に計測することができる。
これにより、太い電線を送給するときには左右一対のベルトが電線を挟持する力を強め、細い電線を送給するときには左右一対のベルトが電線を挟持する力を弱めることができるから、電線ドラムから引き出された電線の曲がり癖を矯正するストレーナ(上記特許文献1を参照)から電線を確実に引き出して前方に送給することができる。
なお、以下の説明においては、電線が延びる方向を前後方向、電線を水平に挟む方向を左右方向と言い、かつ同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
そして各プーリは、左右一対のプーリ支持部材(第1の支持部材)25L,25Rにそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されている。
そして、補助ローラ26と一体に回転する小径のプーリ26aと、駆動プーリ22Rと一体に回転する大径のプーリ22aとの間にはベルト28が巻回されている。
これにより、補助ローラ26にはベルト28によって右側の駆動プーリ22Rの回転が伝達され、その周速は右側の駆動プーリ22Rの周速よりもわずかに速くなっている。
また、左側の測長ローラ27は、左側のプーリ支持部材25L上に設けられて左右方向に水平に延びるリニアガイド28によって左右方向にスライド自在に支持されるとともに、右側の測長ローラ26Rに向けて図示されない付勢手段によって常に付勢され、さらには図示されないエンコーダに接続されて電線Wの送給長さを計測するようになっている。
これにより、左右一対のベルト21L,21Rから前方に送給される電線Wに対し、補助ローラ26により前方に向けて軽い張力を付加することができるから、電線Wに弛みが生じることはなく、測長ローラ27によって電線Wの送給長さを正確に計測することができる。
なお、左右一対の測長ローラ26,27は、いずれもその外周面が平滑に仕上げられ、電線Wの絶縁被覆の表面を傷つけないようになっている。
また、左側のプーリ支持部材25Lにはエアシリンダ(接離手段)のシリンダ本体33が固定され,右側のプーリ支持部材25Rにはエアシリンダのピストン34の先端部分が接続されている。
これにより、エアシリンダのピストン34をシリンダ本体33から出没させることによって、左右一対のプーリ支持部材25L,25Rを、図1に示したように電線Wを挟んで互いに接近させ、あるいは図2に示したように互いに離間させることができる。
すなわち、上記特許文献1の図1にも描かれているように、電線の束から引き出された電線には曲がり癖が付いているため、複数のローラを用いたストレーナの間に通すことにょってこの曲がり癖を取り除く必要がある。
このとき、電線Wがより太くなるにつれ、ストレーナから電線を引き出すために必要な力がより大きくなる。
そこで、本実施形態の電線送給装置100においては、図示されない圧縮空気供給手段からシリンダ本体33に供給する圧縮空気の圧力の高低を、例えばレギュレータ等の空気圧調整手段を用いて調整する。
これにより、電線Wが太い場合には、シリンダ本体33に供給する圧縮空気の空気圧を高めて、左右一対のベルト21L,21Rが電線Wを挟持する力を大きし、電線Wをストレーナから確実に引き出して前方に送給することが可能となる。
この駆動モータ支持部材40の左端には、駆動モータ43が取り付けられてプーリ44を回転駆動するようになっている。
また、駆動モータ支持部材40には、互いに噛み合う左右一対の第2の歯車45,46が、電線Wの軸線Cに対して左右対称にかつ回転自在に支持されている。
そして、左側の第2の歯車45の下側には、同軸かつ一体に回転するプーリ47が取り付けられ、かつ上述したプーリ44との間にベルト48が巻回されている。
これにより、駆動モータ43によって左右一対の第2の歯車45,46を回転駆動することができるようになっている。
これらの第1の歯車51,52は、図5に示したように、左右一対の第2の歯車45,46とそれぞれ互いに噛み合っている。
これにより、図5に示したように、駆動モータ43を作動させてプーリ44を時計方向に回転させると、左側の第2の歯車45は時計方向に回転し、右側の第2の歯車46が反時計方向に回転するので、左側の第1の歯車51は反時計方向に回転し、右側の第1の歯車52が時計方向に回転する。
すると、図1に示したように、左側の駆動プーリ22Lが反時計方向に回転し、右側の駆動プーリ22Rが時計方向に回転するため、左右一対のベルト21L,21Rは図1中に矢印で示したように旋回して電線Wを前方に送給する。
また、左右一対の第2の歯車45,46の支軸には、左右一対の接続リンク61,62の他端がそれぞれ揺動自在に軸支されている。
このとき、左右一対の接続リンク61,62はその長さが等しくて電線Wの軸線Cに対し左右対称に配設されるとともに、左右一対の第2の歯車45,46は電線Wの軸線Cに対して左右対称に配設され、かつ左右一対の第1の歯車51,52は左右方向にのみ変位可能である。
これにより、左右一対のプーリ支持部材25L,25Rは電線Wの軸線Cに対して左右対称に位置決めされることになる。
したがって、左右一対の無端状ベルト21L,21Rは、電線Wの軸線Cに対して左右対称に位置決めされながら、左右方向にスライド可能となることが保証される。
これにより、左右一対のプーリ支持部材25L,25Rの左右方向のスライド位置にかかわらず、駆動モータ43の回転駆動力を左右一対の駆動プーリ22L,22Rに常に確実に伝達することができる。
これにより、この電線送給装置100は、左右一対のベルト21L,21Rによって電線Wを左右方向に挟持する長さL2の値を大きく確保したものでありながら、その前後方向の大きさがコンパクトなものとなっている。
これにより、左右一対のプーリ支持部材25L,25Rを左右方向に接離させても、左右一対のベルト21L,21Rに弛みが生じることがないから、これらのベルトが各プーリから脱落したり、それらの内周歯が各プーリの外周歯に乗り上げたりすることがない。
例えば、左右一対のプーリ支持部材25L,25R上にテンションプーリを設けることもできるし、あるいは左右一対の従動プーリ23L,23Rを左右一対の駆動プーリ22L,22Rに対して前後方向に位置調整自在として、左右一対のベルト21L,21Rの張力を適切に維持することもできる。
2 無端状ベルト
3 駆動プーリ
4 従動プーリ
5 ガイドプーリ
6 テンションプーリ
7 基台
8 駆動モータ
9 駆動歯車
10 スライドプレート
11,12 リニアガイド
13 測長ローラ
14 リニアガイド
21 無端状ベルト
22 駆動プーリ
23 従動プーリ
24 補助プーリ
25 プーリ支持部材(第1の支持部材)
26 補助ローラ
27 測長ローラ
28 ベルト
29 リニアガイド
30 基台
31,32 リニアガイド
33 シリンダ本体
34 ピストン
40 モータ支持部材(第2の支持部材)
41,42 第2の支持部材
43 駆動モータ
44 プーリ
45,46 第2の歯車
47 プーリ
48 ベルト
51,52 第1の歯車
61,62 接続リンク
100 一実施形態の電線送給装置
Claims (6)
- 前後方向に延びる電線を左右一対の無端状ベルトで左右方向に挟持して送給する電線送給装置であって、
前記装置の基台上に前記電線を挟んで左右対称に、かつそれぞれ左右方向にスライド自在に支持された左右一対の第1の支持部材と、
前記左右一対の第1の支持部材の一方にその一端が接続されるとともに他方にその他端が接続された、前記左右一対の第1の支持部材を左右方向に接離させる接離手段と、
前記左右一対の第1の支持部材にそれぞれ回転自在に支持された、前記無端状ベルトが巻回される左右一対の駆動プーリおび従動プーリの組と、
前記装置の基台上に前後方向にスライド自在に支持された、前記駆動プーリを回転駆動するための駆動手段を支持する第2の支持部材と、
前記駆動手段の回転駆動力を前記左右一対の駆動プーリにそれぞれ伝達する回転駆動力伝達手段と、
前記左右一対の第1の支持部材にその一端がそれぞれ軸支されるとともに前記第2の支持部材にその他端がそれぞれ軸支された、前記電線を挟んで左右対称に配設された左右一対の接続リンクと、を備えることを特徴とする電線送給装置。 - 前記回転駆動力伝達手段は、
前記左右一対の駆動プーリとそれぞれ同軸にかつ一体に回転する左右一対の第1の歯車と、
前記第2の支持部材上に前記電線に対して左右対称にかつ回転自在に支持されて互いに噛み合うとともに、前記左右一対の第1の歯車とそれぞれ噛み合い、かつ前記駆動手段によって回転駆動される左右一対の第2の歯車と、
を有することを特徴とする請求項1に記載した電線送給装置。 - 前記左右一対の接続リンクは、
前記電線に対して右側にある前記第1の歯車の回転支軸にその一端が軸支されるとともに、前記電線に対して右側にある前記第2の歯車の回転支軸にその他端が軸支された右側の接続リンクと、
前記電線に対して左側にある前記第1の歯車の回転支軸にその一端が軸支されるとともに、前記電線に対して左側にある前記第2の歯車の回転支軸にその他端が軸支された左側の接続リンクであることを特徴とする請求項1または2に記載した電線送給装置。 - 前記電線を左右方向に挟持してその送給長さを計測する、前記左右一対の第1の支持部材にそれぞれ回転自在に支持された補助ローラおよび測長ローラと、
前記補助ローラの周速が前記駆動プーリの周速よりも速くなるように前記補助ローラを回転駆動する補助ローラ回転駆動手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した電線送給装置。 - 前記接離手段は、前記左右一対の第1の支持部材の一方にそのシリンダが固定されるとともに他方にそのピストンが接続されたエアシリンダであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した電線送給装置。
- 前記エアシリンダに供給する空気圧を前記電線の太さに応じて調整する空気圧調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載した電線送給装置。
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