JP6280804B2 - 伝動ベルト製造装置および伝動ベルトの製造方法 - Google Patents

伝動ベルト製造装置および伝動ベルトの製造方法 Download PDF

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本発明は、伝動ベルト製造装置および伝動ベルトの製造方法に関する。
Vベルトなどの伝動ベルトの製造工程においては、駆動ロールと従動ロールとの間に無端状の伝動ベルト成形用シートが巻掛けられることがある(たとえば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載の製造方法は、駆動ロールと従動ロールとを用いる2軸式のベルトの製造方法である。この製造方法においては、シートの外周面に心体コードがスパイラル状に巻き付けられるという、スピニング工程が実施される。そして、心体コードの外周側にさらに伝動ベルト成形用シートが巻掛けられ、ベルト成形体が形成される。
特許第3195533号明細書 特開2003−251707号公報
上記のスピニング工程では、駆動ロールがモータからの動力を受けて回転し、シートを回転させる。そして、シートが回転した状態で、心体コードがシートに巻き付けられる。この際、心体コードを繰り出すガイドローラは、シートの幅方向に動く。これにより、心体コードがシートに螺旋状に巻き付けられる。
しかしながら、この方法では、シートが駆動ローラの回転に伴って回転される結果、ガイドローラから送り出される心体コードは、シート上で高速回転した状態であるので、動かないように固定されず、シート上で転がりを生じ易い。心体コードに転がりが生じると、心体コードのうちガイドローラから繰り出された部分が、心体コードのうちシートに既に巻き付けられている部分に乗り上げてしまう。このような乗り上げが生じると、心体コードのうち乗り上げが生じた部分をほぐした後、再度、心体コードをシートに巻き付ける作業を行わなければならず、手間がかかる。
本発明の目的は、上記課題を解決することであり、伝動ベルトの製造時に、心線の乗り上げが生じることを抑制できる、伝動ベルト製造装置、および、伝動ベルトの製造方法を提供する。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る伝動ベルト製造装置は、無端状のシートを保持するためのシート保持部と、前記シートの外周部に心線を巻き掛けるための心線巻き掛け装置と、を備え、前記シート保持部は、前記シートが巻き掛けられるローラであって、当該ローラの中心軸線の延びる方向が所定の軸心方向として規定されたローラを含み、前記心線巻き掛け装置は、前記心線を前記ローラに巻き掛けられた前記シートの外周面に向けて繰り出す繰出部と、前記繰出部が前記ローラに巻き掛けられた前記シートの外周面の周囲を周回移動するように前記繰出部を変位させる変位機構と、を含んでいる。
この構成によると、繰出部は、変位機構によってシート保持部の周囲を周回移動しつつ、心線を繰り出し、心線をシートの外周部に巻き付ける。これにより、シートを静止状態でシート保持部に保持しておくことができる。その結果、繰出部から繰り出される心線は、シート上で転がりを生じ難い。したがって、心線のうち繰出部から繰り出された部分が、心線のうちシートに既に巻き付けられている部分に乗り上げることを抑制できる。よって、シートに巻かれた心線をほぐす手間がかからずに済む。
以上の次第で、伝動ベルトの製造時に、心線の乗り上げが生じることを抑制できる。
(2)好ましくは、前記変位機構は、前記繰出部を前記軸心方向と直交する所定の第1方向に変位させる第1変位機構と、前記繰出部を前記軸心方向および前記第1方向の双方に直交する所定の第2方向に変位させる第2変位機構と、前記繰出部を前記軸心方向に変位させる第3変位機構と、を有している。
この構成によると、変位機構は、繰出部を互いに直交する3軸方向(X,Y,Z軸方向)に変位させることができる。これにより、繰出部は、シート保持部の周囲を周回移動しながら、心線をたとえば螺旋状に巻くことができる。
(3)より好ましくは、前記第1変位機構は、前記第1方向に変位可能なベースと、前記ベースを前記第1方向に駆動する第1駆動機構と、を有している。
この構成によると、ベース部を種々の部材を載せるための部材として用いることができる。
(4)より好ましくは、前記第2変位機構は、前記ベースに設置されている。
この構成によると、第2変位機構は、ベースとともに第1方向に変位しつつ、繰出部を第2方向に変位させる。このような動作によって、繰出部を2軸方向に変位させることができる。
(5)より好ましくは、前記第3変位機構は、前記第2変位機構に設置され、前記軸心方向における前記繰出部の位置を制御可能な位置制御部材を有している。
この構成によると、繰出部は、軸心方向に変位しながらシート保持部の周囲を周回移動することで、シートに心線を螺旋状に巻き掛ける。この際の軸心方向の繰出部の変位を位置制御部材で制御することで、より意図したとおりの正確な態様で心線をシート保持部の周囲に巻き掛けることができる。その結果、心線の乗り上げを抑制しつつ、心線をシート上でより密集した状態で配置できる。
(6)より好ましくは、前記位置制御部材は、サーボモータを含んでいる。
この構成によると、軸心方向における繰出部からの心線の繰り出し位置を、より正確に且つきめ細かく制御できる。
(7)好ましくは、前記繰出部は、前記軸心方向と平行に延びる所定の旋回軸回りを旋回可能に構成されている。
この構成によると、繰出部は、シートに対する位置に応じて、旋回軸回りに旋回可能である。これにより、繰出部から繰り出された心線が繰出部に引っ掛かることを抑制された状態で、繰出部から心線をスムーズに繰り出し続けることができる。
(8)好ましくは、前記繰出部は、前記心線を協働して挟むように配置され前記心線を繰り出すための一対のプーリを有している。
この構成によると、一対のプーリによって向きを案内された心線が、シートに向けて送り出される。これにより、繰出部から繰り出された心線がシートへ着地する位置を、より正確に規定できる。
(9)好ましくは、前記心線巻き掛け装置は、前記繰出部から繰り出される前記心線にテンションを付与するためのテンション機構をさらに含む。
この構成によると、繰出部からシートに向けて繰り出される心線が弛むことを抑制できる。これにより、心線をシートにより確実に弛まないように巻き掛けることができる。
(10)より好ましくは、前記テンション機構は、前記心線が巻き付けられたボビンと、前記ボビンを前記ボビンの中心軸線回りに回転可能に支持する支持部と、前記ボビンの回転に抵抗を付与する抵抗付与部材と、を有している。
この構成によると、ボビンによって、多くの心線を保持できる。よって、心線をより長時間連続して繰出部から繰り出すことができるので、より短時間でより多くのシートに心線を巻き掛けることができる。また、ボビンに抵抗付与部材からの抵抗が作用することで、心線が弛まないように当該心線に適度な張力を付与できる。
(11)より好ましくは、前記抵抗付与部材は、前記ボビンに動力伝達可能に接続されたサーボモータを含む。
この構成によると、心線に作用する張力を、より精度よく設定できる。これにより、心線をシートに適度な緊縛力で巻き掛けることができる。
(12)好ましくは、前記シート保持部は、前記軸心方向と直交する所定の第1方向に離隔して配置された一対のローラを含み、前記一対のローラに前記シートが巻掛けられる。
この構成によると、2軸方式の心線巻き掛け装置を実現できる。
(13)より好ましくは、前記第1方向は、水平な方向であり、前記シート保持部は、前記シートのうち前記一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを抑制するための第1弛み抑制部材を含んでいる。
この構成によると、シートのうち一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを、第1弛み抑制部材で抑制できる。これにより、シートと心線との間の密着状態が損なわれることを、より確実に抑制できる。
(14)より好ましくは、前記第1弛み抑制部材は、前記一対のローラに巻掛けられ前記シートが巻掛けられる無端状のコンベアベルトを含んでいる。
この構成によると、シートとともにコンベアベルトが一対のローラの周囲を回転することとなる。これにより、コンベアベルトは、シートをより確実に保持することができる。
(15)好ましくは、前記第1方向は、水平な方向であり、前記シート保持部は、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを抑制するための第2弛み抑制部材を含んでいる。
この構成によると、シートのうち一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを、第2弛み抑制部材で抑制できる。これにより、シートと心線との間の緊縛力について、シートの下部で局所的に高くなるような偏りを抑制できる。よって、シートと心線との接触状態を、シートの周方向の各部においてより均等にできる。
(16)より好ましくは、前記第2弛み抑制部材は、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分を下側から受ける受け部材を含んでいる。
この構成によると、受け部材がシートを下側から支えることで、シートの弛みをより確実に抑制できる。
(17)より好ましくは、前記受け部材は、プレート状に形成されており、前記第1方向に離隔して複数配置されている。
この構成によると、受け部材とシートとの接触面積を抑制できる。その結果、シート保持部からシートを取り外すときに、受け部材からシートをよりスムーズに取り外すことができる。
(18)好ましくは、前記一対のローラは、前記第1方向における互いの間隔を変更可能に構成されている。
この構成によると、シートの長さに応じて、一対のローラ間の間隔を変更可能である。よって、長さの異なる伝動ベルトを本発明の伝動ベルト製造装置で製造できる。したがって、伝動ベルト製造装置の汎用性をより高くできる。
(19)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る伝動ベルトの製造方法は、無端状のシートをシート保持部に巻掛ける、シート巻掛けステップと、心線を繰り出す繰出部を前記シート保持部に巻き掛けられた前記シートの外周面の周囲に周回移動させることで、前記シート保持部の周囲に前記心線を巻掛ける、心線巻掛けステップと、を含んでいる。
この構成によると、繰出部は、シート保持部の周囲を周回移動しつつ、心線を繰り出し、心線をシートの外周部に巻き付ける。これにより、シートを静止状態でシート保持部に保持しておくことができる。その結果、繰出部から繰り出される心線は、シート上で転がりを生じ難い。したがって、心線のうち繰出部から繰り出された部分が、心線のうちシートに既に巻き付けられている部分に乗り上げることを抑制できる。よって、シートに巻かれた心線をほぐす手間がかからずに済む。
以上の次第で、伝動ベルトの製造時に、心線の乗り上げが生じることを抑制できる。
(20)好ましくは、 前記シート保持部は、前記シートが巻き掛けられるローラであって、当該ローラの中心軸線の延びる方向が所定の軸心方向として規定されたローラを含み、前記心線巻掛けステップは、前記繰出部を周回移動させる際に、前記繰出部を前記軸心方向に変位させることで前記心線を螺旋状に巻く。
この構成によると、心線の乗り上げを生じることなく、より高い密度で心線をシートの外周面に巻き掛けることができる。
(21)好ましくは、前記ローラは、前記軸心方向と直交する所定の第1方向に離隔して一対配置されこれら一対のローラに前記シートが巻掛けられており、前記心線巻掛けステップは、前記一対のローラに前記シートが巻掛けられた状態の前記シートに前記心線を巻掛ける。
この構成によると、2軸方式のスピニングによって、心線をシートに巻き掛けることができる。
(22)より好ましくは、前記第1方向は、水平な方向であり、前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを抑制するための第1弛み抑制部材を介して前記シートを前記一対のローラに巻掛ける。
この構成によると、シートのうち一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを、第1弛み抑制部材で抑制できる。これにより、シートと心線との間の密着状態が損なわれることを、より確実に抑制できる。
(23)好ましくは、前記第1方向は、水平な方向であり、前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを抑制するための第2弛み抑制部材に前記シートが受けられるように前記シートを設置する。
この構成によると、シートのうち一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを、第2弛み抑制部材で抑制できる。これにより、シートと心線との間の緊縛力について、シートの下部で局所的に高くなるような偏りを抑制できる。よって、シートと心線との接触状態を、シートの周方向の各部においてより均等にできる。
(24)より好ましくは、前記第2弛み抑制部材は、プレート状の部材であり、前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分を、前記第2弛み抑制部材の厚み分持ち上げた状態で前記第2弛み抑制部材が前記シートを保持する。
この構成によると、心線が巻き掛けられたシートを一対のローラから取り外すことで、シートのうち一対のローラの下部間に渡されていた部分の長さが、心線のうち一対のローラの下部間に渡されていた部分の長さと一致する。これにより、シートへの心線の巻き掛け長さが多くなり過ぎることを抑制できる。これにより、心線の巻き掛け長さが過度に多くなることを抑制でき、計画通りの長さの心線をシートに巻き付けることができる。その結果、シートを一対のローラから取り外したときに、シートのうち一対のローラの下部間に渡されていた部分と、心線のうち一対のローラの下部間に渡されていた部分とを均等に密着させることができる。
本発明によると、伝動ベルトの製造時に、心線の乗り上げが生じることを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る伝動ベルト製造装置の模式的な斜視図である。 伝動ベルト製造装置のうちの主要部のみを示す模式的な側面図である。 伝動ベルト製造装置のシート保持部の一部を示す斜視図である。 伝動ベルト製造装置の変位機構の周辺を示す斜視図である。 伝動ベルト製造装置のシート保持部の周辺の主要部を模式的に示す側面図である。 伝動ベルト製造装置を用いた伝動ベルトの製造工程の一例を説明するためフローチャートである。 心線がシートに巻き掛けられる状態を示す主要部の模式的な側面図である。 (A)および(B)は、それぞれ、伝動ベルトの製造工程を説明するための断面図である。 (A),(B),(C)は、それぞれ、第2弛み抑制部材のより好ましい使用形態を説明するための側面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る伝動ベルト製造装置1の模式的な斜視図である。図2は、伝動ベルト製造装置1のうちの主要部のみを示す模式的な側面図である。図3は、伝動ベルト製造装置1のシート保持部4の一部を示す斜視図である。図4は、伝動ベルト製造装置1の変位機構20の周辺を示す斜視図である。図5は、伝動ベルト製造装置1のシート保持部4の周辺の主要部を模式的に示す側面図である。
図1〜図4を参照して、伝動ベルト製造装置1(以下、単に製造装置1ともいう。)は、動力を伝えるための伝動ベルトを製造するために用いられる。このような伝動ベルトとして、一般産業機械、自動車などの動力伝達用途で用いられる慣用の伝動ベルトを例示することができる。より具体的には、上記の伝動ベルトとして、ラップドVベルト、ローエッジVベルト、Vリブドベルト、歯付ベルト、平ベルト、搬送ベルトなどを例示することができる。本発明では、一例として、ラップドVベルトが製造される形態を例に説明する。
製造装置1は、無端環状のシート2の外周面(外周部)に心線3を螺旋状に巻き掛けるように構成されている。シート2は、たとえば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などを用いて形成されている。シート2の幅は、最終製品としての伝動ベルトの幅よりも広くされている。これにより、複数本の伝動ベルトを一括して製造できる。心線3は、伝動ベルトの破断を防止する補強部材として用いられる。心線3の材質は、たとえば、ポリエステルである。
製造装置1は、所定の軸心方向Yに延びる形状に形成され、シート2を保持するシート保持部4と、シート2の外周部に心線3を巻き掛けるための心線巻き掛け装置5と、を有している。
本実施形態では、シート保持部4にシート2が保持されて当該シート2が静止した状態で、心線巻き掛け装置5がシート2の周囲に心線3を巻き掛けるように構成されている。この製造装置1は、水平方向である所定の第1方向Xと、第1方向Xと直交する方向(垂直方向)である第2方向Zと、第1方向Xおよび第2方向Zの双方に直交する軸心方向Y(第3方向)と、に延びるレイアウトとされている。
シート保持部4は、シート2に張力(引張力)を作用させた状態でこのシート2を保持する部分として設けられている。シート保持部4は、シート2を静止状態で保持するように構成されており、且つ、当該シート2を回転させることも可能に構成されている。シート保持部4は、シート2に心線3が巻き掛けられる際、シート2を静止状態で保持する。シート保持部4は、第1方向Xに細長く延びる形状に形成されている。
シート保持部4は、架台6と、一対のローラとしての第1ローラ7および第2ローラ8と、第1弛み抑制部材9と、第2弛み抑制部材10と、を有している。
架台6は、地面から第2方向Zに沿って上方に延びる第1支柱11と、第1支柱11に支持されたベース部13と、ベース部13に支持された第2支柱12と、を有している。
第1支柱11は、第1方向Xに間隔をあけて複数設置されている。ベース部13は、第1方向Xに沿って延びる部分である。ベース部13上に、複数の第2支柱12が配置されている。第2支柱12は、第1方向Xに間隔をあけて複数配置されている。また、ベース部13は、第1ローラ7および第2ローラ8を支持している。
第1ローラ7および第2ローラ8は、シート2が巻き掛けられる部分として設けられている。第1ローラ7および第2ローラ8は、第1方向Xに離隔して配置されている。これらのローラ7,8は、軸心方向Yに沿って延びる円筒状のローラであり、互いに平行に配置されている。各ローラ7,8の直径は、たとえば、300mm程度に設定されている。
また、各ローラ7,8の有効幅(シート2を巻き付ける事が可能な部分の幅)は、たとえば、150mmに設定されている。各ローラ7,8は、フリーローラであり、自身の中心軸線回りを回転自在である。ローラ7,8は、第2支柱12と第1方向Xに並ぶように配置されている。これらのローラ7,8は、ベース部13に支持された軸受箱14,15を介して、回転自在に支持されている。一方のローラ7は、図示しないハンドルが取り付けられることにより、作業員によって回転駆動されることが可能に構成されている。これによりローラ7,8に巻き掛けられたシート2の周方向(円周方向)の位置を調整可能である。
また、各ローラ7,8間の間隔は、調整可能となっている。具体的には、他方の第2ローラ8の軸受箱15は、ベース部13に対して着脱可能に構成されている。第2ローラ8の軸受箱15は、第1方向Xにおける所定の位置に設置可能である。これにより、シート2の全長(伝動ベルトの全長)に合わせて、第1方向Xにおける各ローラ7,8間の間隔を調整することができる。
シート2の全長は、たとえば、80吋(インチ)、120吋、250吋のいずれかに設定される。また、他方のローラ8は、上記所定の位置において、第1方向Xに所定長さ(たとえば、50mm程度)だけ、位置調整可能となっている。これにより、心線3が巻かれたシート2をローラ7,8から取り外す際に、シート2がローラ7,8によって張られた状態を解除できる。また、第1弛み抑制部材9の伸張状態を調整できる。
第1弛み抑制部材9は、ローラ7,8に巻き掛けられたシート2のうちローラ7,8の上部7a,8a間に渡される部分としての第1直線状部2aの弛みを抑制するために設けられている。本実施形態では、第1弛み抑制部材9は、ローラ7,8に巻き掛けられた無端状のコンベアベルトである。第1弛み抑制部材9は、可撓性を有する材料を用いて形成された、薄手の無端状ベルトであり、合成樹脂などを用いて形成されている。
第1弛み抑制部材9は、ローラ7,8の外周面に巻き掛けられており、当該ローラ7,8からの引っ張り荷重を受けて所定の張力を生じている。これにより、第1弛み抑制部材9は、ローラ7,8間において真っ直ぐに延びるように張られている。
第1弛み抑制部材9の外周面に、シート2が巻き掛けられている。これにより、ローラ7,8は、第1弛み抑制部材9を介してシート2を支持している。また、シート2の全長(周方向の長さ)と第1弛み抑制部材9の全長とは、略同じに設定されている。これにより、第1弛み抑制部材9に張力が生じている状態では、シート2にも張力が生じており、シート2が弛むことを抑制されている。第1弛み抑制部材9の下方に、第2弛み抑制部材10が配置されている。
第2弛み抑制部材10は、ローラ7,8に巻き掛けられたシート2のうちのローラ7,8の下部7b,8b間に渡される部分としての第2直線状部2bの弛みを抑制するために設けられている。本実施形態では、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bの外周面を受けるように配置されたプレート状の受け部材を用いて形成されている。第2弛み抑制部材10は、第1方向Xに離隔して複数配置されている。
各第2弛み抑制部材10は、プレート状に形成されており、ベース部13から軸心方向Yに沿って延びている。各第2弛み抑制部材10の先端側の一部は、第1弛み抑制部材9の下方に配置されている。各第2弛み抑制部材10の先端側部分の厚み方向は、第2方向Zであり、各第2弛み抑制部材10の厚みTは、数mm程度に設定されている。図5によく示されているように、各第2弛み抑制部材10の先端側部分の上面10aは、ローラ7,8の下端部を通る仮想の水平面Pに対して、第2弛み抑制部材10の厚みT分上方に配置されている。
これにより、各第2弛み抑制部材10は、第1弛み抑制部材9(ローラ7,8)に巻き掛けられたシート2の第2直線状部2bを、第2弛み抑制部材10の厚みT分持ち上げた状態でシート2の第2直線状部2bを下方から支えている。上記の構成により、シート保持部4は、たとえば、最大で25kg程度のシート2および心線3を保持でき、且つ、心線3が15N程度の張力でシート2に張られた状態を維持可能である。また、シート保持部4は、シート2の弛み量(垂れ下がり量)が最大で1mm程度の小さい値となるようにシート2を保持可能である。上記の構成を有するシート保持部4は、心線巻き掛け装置5に隣接して配置されている。
図1〜図4を参照して、心線巻き掛け装置5は、ローラ7,8およびシート2を回転させることなく、心線3をシート2の外周面に巻き掛けるために設けられている。心線巻き掛け装置5は、全体として第1方向Xに細長く延びる形状に形成されている。心線巻き掛け装置5は、後述する繰出部24を、シート保持部4に巻き掛けられたシート2の周囲に周回移動させることで、繰出部24から繰り出される心線3をシート2の外周面に螺旋状に巻き掛ける。
心線巻き掛け装置5は、変位機構20と、変位機構20によって3次元的に変位され心線3をシート保持部4の外周面に向けて繰り出す繰出部24と、繰出部24から繰り出される心線3に張力を付与するテンション機構25と、を有している。
変位機構20は、繰出部24がシート保持部4の外周面の周囲を周回移動するように繰出部24を変位させるために設けられている。本実施形態では、変位機構20は、繰出部24を第1方向X、第2方向Z、および、軸心方向Yのそれぞれに変位させるために設けられた、3次元テーブル装置である。変位機構20は、シート保持部4と軸心方向Yに隣接して配置されている。
変位機構20は、繰出部24を第1方向Xに変位させるための第1変位機構21と、繰出部24を第2方向Zに変位させるための第2変位機構22と、繰出部24を軸心方向Yに変位させるための第3変位機構23と、を有している。
第1変位機構21は、第2変位機構22、第3変位機構23、繰出部24、および、テンション機構25を第1方向Xに往復運動させるために設けられている。本実施形態では、第1変位機構21は、レール式の変位機構として設けられている。
第1変位機構21は、レール26と、ベースプレート27と、第1駆動機構29と、を有している。第1駆動機構29は、第1変位機構用モータ28を有しており、ベースプレート27を第1方向Xに駆動する。
レール26は、第1方向Xに沿って延びている。第1方向Xにおいて、レール26の全長は、シート保持部4の全長よりも長く設定されている。側面視において、レール26の一端と他端との間にローラ7,8が配置されている。レール26は、ベースプレート27を支持している。
ベースプレート27は、本発明の「ベース」の一例である。ベースプレート27は、レール26上によって、第1方向Xに移動可能に支持されている。ベースプレート27は、たとえば、矩形の金属板を有しており、第2変位機構22、および、テンション機構25を支持している。ベースプレート27は、第1変位機構用モータ28にプーリ機構などの動力伝達機構を介して動力伝達可能に接続されている。
ベースプレート27は、第1変位機構用モータ28からの出力をうけて、第1方向Xに往復運動する。ベースプレート27は、第1方向Xにおける変位可能量(ストローク)が、たとえば、3200mm程度に設定されている。第1変位機構用モータ28は、たとえば、500mm/s程度の速度でベースプレート27が第1方向Xに変位するような出力を発生可能である。本実施形態では、第1変位機構用モータ28は、サーボモータである。前述したように、ベースプレート27上に、第2変位機構22が設置されている。
第2変位機構22は、たとえば、エアシリンダー装置である。エアシリンダー装置であれば、作動流体が空気であり、油圧シリンダが用いられた場合と比べて、作動油による心線3の周囲の環境を汚染し難い。第2変位機構22は、固定部31と、固定部31に支持され第2方向Zに変位可能な上下可動部32と、を有している。
固定部31は、たとえば、第2方向Zに延びる柱状に形成されており、ベースプレート27の上面において、当該ベースプレート27の一縁部寄りに配置されている。固定部31には、溝部33が形成されている。溝部33は、平面視において、略U字状に形成されており、第2方向Zに延びている。この溝部33に、上下可動部32が嵌め込まれている。
上下可動部32は、図示しないエアシリンダーからの出力を受けて、第2方向Z(上下方向)に往復変位する。上下可動部32は、第2方向Zの可動距離(ストローク)が、たとえば、約800mm程度に設定されている。上下可動部32は、たとえば、500mm/s程度の速度で変位可能である。上下可動部32に、第3変位機構23が取り付けられている。
第3変位機構23は、水平可動部35と、第3変位機構用モータ36と、を有している。
水平可動部35は、たとえば、複数の金属板を組み合わされたステー部材である。水平可動部35は、軸心方向Yに沿って水平に往復運動可能に上下可動部32に支持されている。水平可動部35は、上下可動部32に設置された第3変位機構用モータ36に、歯車機構などの動力伝達機構(図示せず)を介して動力伝達可能に接続されている。
水平可動部35は、第3変位機構用モータ36からの出力をうけて、軸心方向Yに往復運動可能である。水平可動部35は、軸心方向Yにおける変位可能量(ストローク)が、シート2の幅と略同じ(たとえば、150mm程度)に設定されている。第3変位機構用モータ36は、たとえば、1回あたり、心線3の半径と同じ距離だけ、軸心方向Yに変位可能である。
本実施形態では、第3変位機構用モータ36は、サーボモータであり、軸心方向Yへの水平可動部35の変位量(軸心方向Yにおける繰出部24の位置)を、精度よく制御可能である。第3変位機構用モータ36は、本発明の「位置制御部材」の一例である。水平可動部35には、繰出部24が連結されている。
繰出部24は、ローラ7,8に巻き掛けられたシート2の外周面に向けて心線3を繰り出すために設けられている。繰出部24は、軸心方向Yと平行に延びる旋回軸39の回りを旋回可能に構成されている。
繰出部24は、旋回軸39と、プーリ用ステー40と、第1支軸41と、第2支軸42と、一対のプーリとしての第1プーリ43および第2プーリ44と、第3プーリ45と、を有している。
旋回軸39は、水平可動部35の先端に取り付けられた中空軸であり、円筒状に形成されている。旋回軸39と水平可動部35は、第1方向X、第2方向Zおよび軸心方向Yに一体的に移動可能に連結されている。旋回軸39には、プーリ用ステー40が取り付けられている。プーリ用ステー40は、旋回軸39回りに旋回可能に当該旋回軸39に連結されている。
プーリ用ステー40は、旋回軸39に連結され旋回軸39の径方向に遠ざかるように延びるアーム状の第1部分46と、第1部分46に固定された小片状の第2部分47と、旋回軸39から延びるアーム状の第3部分48と、を有している。第3部分48は、旋回軸39から軸心方向Yに延びており、当該第3部分48の先端部は、第1弛み抑制部材9(シート2)の外周面に対向している。
第1部分46および第2部分47には、それぞれ、第1支軸41および第2支軸42が連結されている。第1支軸41および第2支軸42は、それぞれ、軸心方向Yに延びる円柱状の軸部材である。第1支軸41の先端部および第2支軸42の先端部には、それぞれ、軸受(図示せず)を介して、第1プーリ43および第2プーリ44が回転自在に支持されている。
第1プーリ43および第2プーリ44は、心線巻き掛け装置5から心線3が繰り出される部分として設けられている。第1プーリ43および第2プーリ44は、第1弛み抑制部材9の外周面と対向している。第1プーリ43は、円錐状のシーブ面を一対有しており、これらのシーブ面が対向することで、心線3が通過する溝部を形成している。第1プーリ43は、心線3が繰り出される際、心線3を受けつつ、軸心方向Yと平行な第1支軸41回りを回転する。第2プーリ44は、円錐状のシーブ面を一対有しており、これらのシーブ面が対向することで、心線3が通過する溝部を形成している。第2プーリ44は、心線3が繰り出される際、心線3を受けつつ、軸心方向Yと平行な第2支軸42回りを回転する。
心線3が繰り出される方向に沿って、第1プーリ43と第2プーリ44とが隣接している。そして、第2プーリ44が心線3を加圧する方向と、第1プーリ43が心線3を加圧する方向とが略反対向きとなるようにして、第1プーリ43と第2プーリ44との間の領域を心線3が通過する。これにより、第1プーリ43と第2プーリ44とが協働して心線3を挟んだ状態で、第1プーリ43から心線3が第1方向Xと略平行に繰り出される。第2プーリ44に隣接して、第3プーリ45が配置されている。
第3プーリ45は、プーリ用ステー40の第3部分48の先端部に取り付けられており、軸受(図示せず)を介して当該第3部分48に回転自在に支持されている。第3プーリ45は、旋回軸39と軸心方向Yに並んで配置されている。第3プーリ45は、円錐状のシーブ面を一対有しており、これらのシーブ面が対向することで、心線3が通過する溝部を形成している。
第3プーリ45の中心軸線の向きは、第2プーリ44の回転軸線の向きとは異ならされている。第3プーリ45は、後述するテンション機構25から繰り出された後軸心方向Yの一方に向かって進み旋回軸39を通過して心線3の向きをたとえば90度変えることで、心線3の向きを、第1方向Xに沿う方向に変更する。上記の構成を有する繰出部24へは、テンション機構25から心線3が繰り出される。
テンション機構25は、繰出部24からシート2に向けて繰り出される心線3に張力を付与するために設けられている。テンション機構25は、心線3に所定の張力を付与することで、心線3が弛むことを抑制する。
テンション機構25は、心線3が巻き付けられたボビン51と、ボビン51をボビン51の中心軸線回りに回転可能に支持する支持部50と、ボビン51の回転に抵抗を付与する抵抗付与部材としてのテンション機構用モータ52と、を有している。
支持部50は、ベース27に固定された部材であり、図示しない軸受を介してボビン51を回転自在に支持している。ボビン51は、円筒部と、当該円筒部の両端部から延びるフランジ部とを有する構成であり、当該ボビン51の円筒部に心線3が巻き付けられている。ボビン51は、当該ボビン51の中心軸線が軸心方向Yに沿うように配置されており、当該中心軸線回りに回転可能である。ボビン51は、テンション機構用モータ52の出力軸に動力伝達可能に接続されている。テンション機構用モータ52のハウジングは、ベースプレート27に固定されている。抵抗付与部材としてのテンション機構用モータ52がサーボモータであることにより、テンション機構用モータ52の出力軸の位置をより正確に規定できる。よって、ボビン51に付与される回転抵抗をより正確に設定することができる。
テンション機構25に隣接して、心線ガイド部53が設けられている。
心線ガイド部53は、ボビン51から繰り出された心線3を繰出部24に向けて案内するために設けられている。心線ガイド部53は、ステー54と、ガイドプーリ55とを有している。
ステー54は、第2変位機構22の上下可動部32に固定されており、上下可動部32および旋回軸39とともに第2方向Zに一体的に変位可能である。ステー54にガイドプーリ55が軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。ガイドプーリ55は、第1方向Xに延びる中心軸線回りを回転するプーリであり、ボビン51の上方に配置されている。また、ガイドプーリ55は、旋回軸39と軸心方向Yに並んでおり、旋回軸39(繰出部24)とともに第2方向Zに一体的に変位可能である。
上記の構成により、ボビン51に巻かれた心線3は、このボビン51から繰り出されたとき、ガイドプーリ55へ向けて上方(第2方向Z)へ進み、ガイドプーリ55で向きを変えられ、軸心方向Yに沿って旋回軸39側へ進む。この心線3は、旋回軸39内の空間を通って第3プーリ45に進み、第3プーリ45において向きを変えられ、第1方向Xに沿って進むことで、第2プーリ44および第1プーリ43に順次受けられる。そして、心線3は、第1プーリ43からローラ7,8に巻き掛けられたシート2の外周面に到達する。
次に、上記の構成を有する製造装置1を用いた伝動ベルトの製造工程の一例を説明する。
図6は、製造装置1を用いた伝動ベルトの製造工程の一例を説明するためフローチャートである。なお、以下では、フローチャートを用いて説明するときは、フローチャート以外の図も適宜参照しながら説明する。
図6を参照して、シート2に心線3が巻き掛けられる際には、まず、シート2が、シート保持部4の第1弛み抑制部材9に巻き掛けられる(ステップS1)。これにより、シート2は、第1弛み抑制部材9を介して一対のローラ7,8に巻き掛けられて保持される。次に、複数の第2弛み抑制部材10が、シート保持部4のベース部13に取り付けられる(ステップS2)。
これにより、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bを下方から支持し、第2弛み抑制部材10によってシート2が受けられる。この際、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bを、第2弛み抑制部材10の厚みT分持ち上げた状態で、第2直線状部2bを支持する(特に図5参照)。なお、ステップS1およびステップS2は、本発明の「シート巻き掛けステップ」の一例である。
次に、心線3の一端が、軸心方向Yにおけるシート2の外周面の一端に固定される(ステップS3)。次いで、ローラ7,8に巻き掛けられた状態のシート2に、心線3が巻き掛けられる(ステップS4)。
図7は、心線3がシート2に巻き掛けられる状態を示す主要部の模式的な側面図である。図1、図6および図7を参照して、巻き掛け工程では、変位機構20の動作によって、繰出部24がシート保持部4の周囲に周回移動される。これにより、繰出部24は、シート保持部4の周囲を周回移動し、シート保持部4の周囲に心線3が巻き掛けられる。
具体的には、繰出部24が、図7に示す側面視での位置P1〜P4を循環変位することで、心線3が、シート2の外周面のうちの軸心方向Yにおける有効幅の全域に亘って巻き掛けられる。なお、図7では、繰出部24の旋回軸39の軌跡Rが示されている。この場合、まず、第1変位機構21の動作によって、ベースプレート27とともに繰出部24が第1方向Xの一方に沿って位置P1から位置P2まで変位する。これにより、心線3は、シート2の下方を直線状に変位する。即ち、心線3は、シート2の第2直線状部2bの下方に延びる。次に、第2変位機構22の動作によって繰出部24が、位置P2の上方である位置P3まで変位することで、心線3(3a)は、第2直線状部2bに巻き掛けられる。
次に、第1変位機構21の動作によって繰出部24が位置P3とは水平である位置P4まで変位する。これにより、心線3(3b)は、シート2のうち他方のローラ8に受けられている部分に巻き掛けられる。
次に、第2変位機構22の動作によって繰出部24が位置P4の下方の位置P1まで変位することで、心線3(3c)は、シート2の第1直線状部2aに巻き掛けられる。そして、繰出部24が再び位置P1から位置P2に変位することで、心線3(3d)は、シート2のうち一方のローラ7に受けられている部分に巻き掛けられる。
なお、繰出部24が位置P1〜P4の間を周回移動する際、繰出部24は、シート2との距離が略一定となるように動作される。また、繰出部24は、旋回軸39回りに回転自在であり、繰出部24から繰り出される心線3の向きに合わせて、旋回軸39回りを回転する。
繰出部24は、シート2の周囲を半周する毎に、第3変位機構用モータ36の駆動によって、シート2における心線3の配置のピッチ(心線3の直径に略等しい値)の半分だけ、軸心方向Yに変位(トラバース)される。このように、繰出部24がシート2の周囲を周回移動する際に、当該繰出部24がシート保持部4に対して軸心方向Yに段階的に変位することで、心線3は、シート2に螺旋状に巻き掛けられる。
シート2への心線3の巻き掛けが完了すると、心線3が切断され、心線3の他端がシート2に固定される(ステップS5)。次いで、シート保持部4から、心線3を巻き掛けられたシート2が取り外される(ステップS6)。具体的には、第2弛み抑制部材10が、シート2と心線3との間から引き抜かれる。次いで、他方のローラ8を一方のローラ7側に変位させることで、シート2に張力を与えられた状態が解除される。この状態で、心線3を巻き掛けられたシート2がローラ7,8から取り外される。
その後、シート2の外周面にさらに無端状のシート59が巻き掛けられることにより、図8(A)に示すように、未加硫のベルト成形体61が完成する。この未加硫のベルト成形体61は、所定の幅毎に切断された後、スカイブ工程で断面V字状に形成され、さらに、カバリング工程でカバー60を覆され、その後加硫工程で加硫される。これにより、図8(B)に示す伝動ベルト62が完成する。
以上説明したように、本実施形態によると、繰出部24は、変位機構20によってシート保持部4の周囲を周回移動しつつ、心線3を繰り出し、心線3をシート2の外周面に巻き付ける。これにより、シート2を静止状態でシート保持部4に保持しておくことができる。その結果、繰出部24から繰り出される心線3は、シート2上で転がりを生じ難い。したがって、心線3のうち繰出部24から繰り出された部分が、心線3のうちシート2に既に巻き付けられている部分に乗り上げることを抑制できる。よって、シート2に巻かれた心線3をほぐす手間がかからずに済む。以上の次第で、伝動ベルト62の製造時に、心線3の乗り上げが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によると、変位機構20は、繰出部24を互いに直交する3軸方向(X,Y,Z軸方向)に変位させることができる。これにより、繰出部24は、シート保持部4の周囲を周回移動しながら、心線3を螺旋状に巻くことができる。
また、本実施形態によると、第1変位機構21は、ベースプレート27を有している。これにより、ベースプレート27を、種々の部材(第2変位機構22、第3変位機構23、繰出部24、およびテンション機構25)を載せるための部材として用いることができる。
より具体的には、本実施形態では、第2変位機構22は、ベースプレート27に設置されている。この構成によると、第2変位機構22は、ベースプレート27とともに第1方向Xに変位しつつ、繰出部24を第2方向Zに変位させることができる。
また、本実施形態によると、繰出部24は、軸心方向Yに変位しながらシート保持部4の周囲を周回移動することで、シート2に心線3を螺旋状に巻き掛ける。この際の軸心方向Yの繰出部24の変位を第3変位機構用モータ36で制御することで、より意図したとおりの正確な態様で心線3をシート保持部4の周囲に巻き掛けることができる。その結果、心線3の乗り上げを抑制しつつ、心線3をシート2上でより密集した状態で配置できる。その上、第3変位機構用モータ36をサーボモータとすることで、軸心方向Yにおける繰出部24からの心線3の繰り出し位置を、より正確に且つきめ細かく制御できる。その結果、心線3の乗り上げを生じることなく、より高い密度で心線3をシート2の外周面に巻き掛けることができる。
また、本実施形態によると、繰出部24は、軸心方向Yと平行に延びる旋回軸39回りを旋回可能に構成されている。この構成によると、繰出部24は、シート2に対する位置に応じて、旋回軸39回りを旋回可能である。これにより、繰出部24から繰り出された心線3が繰出部24に引っ掛かることを抑制された状態で、繰出部24から心線3スムーズに繰り出し続けることができる。
また、本実施形態によると、繰出部24において、一対のプーリ43,44によって向きを案内された心線3が、シート2に向けて送り出される。これにより、繰出部24から繰り出された心線3がシート2へ着地する位置を、より正確に規定できる。
また、本実施形態によると、心線巻き掛け装置5にテンション機構25が設けられている。この構成によると、繰出部24からシート2に向けて繰り出される心線3が弛むことを抑制できる。これにより、心線3をシート2により確実に弛まないように巻き掛けることができる。
また、本実施形態によると、テンション機構25においては、ボビン51によって、多くの心線3を保持できる。よって、心線3をより長時間連続して繰出部24から繰り出すことができるので、より短時間でより多くのシート2に心線3を巻き掛けることができる。また、ボビン51にテンション機構用モータ52からの抵抗が作用することで、心線3が弛まないように当該心線3に適度な張力を付与できる。その上、心線3に張力を付与するためにテンション機構用モータ52としてサーボモータが用いられる。その結果、心線3に作用する張力を、より精度よく設定できる。これにより、心線3をシート2に適度な緊縛力で巻き掛けることができる。
また、本実施形態によると、シート保持部4は、一対のローラ7,8を含んでいる。この構成によって、2軸方式の心線巻き掛け装置5を実現できる。
また、本実施形態によると、シート2のうち一対のローラ7,8の上部間に渡される第1直線状部2aの弛みを、第1弛み抑制部材9で抑制できる。これにより、シート2と心線3との間の密着状態が損なわれることを、より確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、第1弛み抑制部材9は、無端状のコンベアベルトを含んでいる。この構成によると、シート2とともにコンベアベルトが一対のローラ7,8の周囲を回転することとなる。これにより、第1弛み抑制部材9は、シート2をより確実に保持することができる。
また、本実施形態によると、シート2のうち一対のローラ7,8の下部7b,8b間に渡される第2直線状部2bの弛みを、第2弛み抑制部材10で抑制できる。これにより、シート2と心線3との間の緊縛力について、シート2の第2直線状部2bで局所的に高くなるような偏りを抑制できる。よって、シート2と心線3との接触状態を、シート2の周方向の各部においてより均等にできる。
また、本実施形態によると、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bを下側から受ける受け部材を含んでいる。この構成によると、第2弛み抑制部材10がシート2を下側から支えることで、シート2の弛みをより確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、各第2弛み抑制部材10は、プレート状に形成されており、第1方向Xに離隔して複数配置されている。この構成によると、第2弛み抑制部材10とシート2との接触面積を抑制できる。その結果、シート保持部4からシート2を取り外すときに、第2弛み抑制部材10からシート2をよりスムーズに取り外すことができる。
また、本実施形態によると、シート保持部4の一対のローラ7,8は、第1方向Xにおける互いの間隔を変更可能に構成されている。この構成によると、シート2の長さに応じて、一対のローラ7,8間の間隔を変更可能である。よって、長さの異なる伝動ベルト62を製造装置1を用いて製造できる。したがって、製造装置1の汎用性をより高くできる。
また、本実施形態によると、一対のローラ7,8にシート2が巻掛けられた状態のシート2に心線3が巻き掛けられる。この構成によると、2軸方式のスピニングによって、心線3をシート2に巻き掛けることができる。
また、本実施形態によると、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bを第2弛み抑制部材10の厚みT分持ち上げた状態で、シート2を保持する。この構成によると、心線3が巻き掛けられたシート2を一対のローラ7,8から取り外すことで、シート2のうち一対のローラ7,8の下部7b,8b間に渡されていた部分(第2直線状部2b)の長さが、心線3のうち一対のローラ7,8の下部7b,8b間に渡されていた部分の長さと一致する。これにより、シート2への心線3の巻き掛け長さが多くなり過ぎることを抑制できる。これにより、心線3の巻き掛け長さが過度に多くなることを抑制でき、計画通りの長さの心線3をシート2に巻き付けることができる。その結果、シート2を一対のローラ7,8から取り外したときに、シート2のうち一対のローラ7,8の下部7b,8b間に渡されていた部分(第2直線状部2b)と、心線3のうち一対のローラ7,8の下部7b,8b間に渡されていた部分とを均等に密着させることができる。
図9の模式的な側面図を用いて、第2弛み抑制部材10のより好ましい態様について説明すると、図9(A)、図9(B)、図9(C)のそれぞれの左側の図は、第2弛み抑制部材10の上面10aがその厚みT分、ローラ7,8の下端部を通る仮想の水平面Pの上方へ配置された場合を示している。一方、図9(A)、図9(B)、図9(C)のそれぞれの右側の図は、第2弛み抑制部材10の上面10aが、ローラ7,8の下端部を通る仮想の水平面Pと一致するように配置された場合を示している。
図9(A)の左側の場合では、第2弛み抑制部材10は、その厚みT分、シート2の第2直線状部2bを持ち上げている。一方、図9(A)の右側の場合では、第2弛み抑制部材10は、シート2の第2直線状部2bの弛みを抑制しているものの、第2直線状部2bを持ち上げてはいない。
この状態から、図9(B)に示すように、シート2の外周面に心線3が巻き掛けられると、左側に示す場合は、心線3は、ローラ7,8の下部7b,8b間で直線状に張られる。一方、右側に示す場合は、心線3は、水平面Pの下方に突き出すように張られる。
この状態から、図9(C)に示すように、シート2がローラ7,8から取り外されると、左側に示す場合は、シート2の周方向長さと心線3の束の周方向長さとが一致し、シート2に心線3が密着する。一方、シート2がローラ7,8から取り外されると、右側に示す場合は、シート2の周方向長さと比べて心線3の束の周方向長さが長く、シート2と心線3との間に隙間Cが生じてしまう。よって、第2弛み抑制部材10がその厚みT分、ローラ7,8の下部7b,8b間をつなぐ仮想の水平面Pの上方に配置されることは、より好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は上述の実施の形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。たとえば、次のように変更してもよい。
(1)上述の実施形態では、ローラ7,8にシート2が巻き掛けられた後に心線3がシート2に巻き掛けられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、ローラ7,8(第1弛み抑制部材9)に心線3が巻き掛けられた後に、当該心線3とローラ7,8(第1弛み抑制部材9)との間にシート2が介挿されてもよい。
(2)また、上述の実施形態では、一対のローラ7,8が用いられる2軸成形タイプについて説明したけれども、この通りでなくてもよい。たとえば、シート2を1つの大径ローラに巻き掛けた状態で心線3を当該シート2に巻き掛ける、1軸成形タイプの製造装置に本発明が適用されてもよい。
[ロープの乗り上げに関する試験]
本発明にかかるベルト製造装置(心線スピニング装置)を実施例として使用した場合と、従来の2軸方式のベルト製造装置(心線スピニング装置)を比較例として使用した場合のロープの乗り上げに関する比較を行った。なお、従来のベルト製造装置は、一対のローラにシートを巻き掛けた状態で、一方のローラ(駆動ローラ)をモータなどで回転駆動させることで、シートを回転させつつ、心線をこのシートに巻き付ける構成である。
シートとしてのクロロプレンゴム製のゴムシート(厚み:6.0mm)を、実施例と比較例のそれぞれの装置の一対のローラに巻きつけ、このシートへの心線の巻き掛けを行い、目視によりその出来上がりを評価した。巻きつけた母材の周長は6350mm(約250吋)、幅は100mmであった。
心線は、直径が1.24mmのものを心線1として用意し、直径が2.07mmのものを心線2として用意した。
心線の巻き掛け時の張力は15N、シートの幅方向へ心線の巻き掛けピッチ(スピニングピッチ)は、心線1の場合1.53mmとし、心線2の場合2.4mmとした。また、第1方向(水平方向)への心線3の巻き掛け速度は、500mm/secとし、上方向への心線の巻き掛け速度は、100mm/secとし、下方向への心線の巻き掛け速度は、200mm/secとした。また、軸心方向における心線の巻き掛け幅は100mmとした。
心線1がシートに巻き掛けられた場合と、心線2がシートに巻き掛けられた場合とで、心線に乗り上げが生じるか否かを測定した。結果は、実施例では、心線1が巻き掛けられた場合と心線2が巻き掛けられた場合のいずれの場合も、心線の乗り上げが生じず、結果は○となった。一方、比較例では、心線1が巻き掛けられた場合と心線2が巻き掛けられた場合のいずれの場合も、心線の乗り上げが生じてしまい、結果は×となった。
実施例においては、心線の巻き掛けの際にシートは動かず、シートの周囲を繰出部が回転することでスピニングを行うため、心線の並びを機械的に規制することができる。そのため、比較例である、従来の2軸方式のスピニング装置で発生していたロープ乗り上げを、実施例ではより確実に抑制できることが証明された。
本発明は、伝動ベルト製造装置および伝動ベルトの製造方法として広く適用することができる。
1 伝動ベルト製造装置
2 シート
2a 第1直線状部(シートのうち一対のローラの上部間に渡される部分)
4 シート保持部
5 心線巻き掛け装置
7,8 一対のローラ
7a,8a ローラの上部
7b,8b ローラの下部
9 第1弛み抑制部材
10 第2弛み抑制部材(シートのうち一対のローラの下部間に渡される部分、受け部材)
20 変位機構
21 第1変位機構
22 第2変位機構
23 第3変位機構
24 繰出部
25 テンション機構
27 ベースプレート(ベース)
29 第1駆動機構
36 第3変位機構用モータ(位置制御部材)
39 旋回軸
43,44 一対のプーリ
50 支持部
51 ボビン
52 テンション機構用モータ(抵抗付与部材)
T 第2弛み抑制部材の厚み
X 第1方向
Y 軸心方向
Z 第2方向

Claims (24)

  1. 端状のシートを保持するためのシート保持部と、
    前記シートの外周部に心線を巻き掛けるための心線巻き掛け装置と、
    を備え、
    前記シート保持部は、前記シートが巻き掛けられるローラであって、当該ローラの中心軸線の延びる方向が所定の軸心方向として規定されたローラを含み、
    前記心線巻き掛け装置は、前記心線を前記ローラに巻き掛けられた前記シートの外周面に向けて繰り出す繰出部と、前記繰出部が前記ローラに巻き掛けられた前記シートの外周面の周囲を周回移動するように前記繰出部を変位させる変位機構と、を含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  2. 請求項1に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記変位機構は、前記繰出部を前記軸心方向と直交する所定の第1方向に変位させる第1変位機構と、前記繰出部を前記軸心方向および前記第1方向の双方に直交する所定の第2方向に変位させる第2変位機構と、前記繰出部を前記軸心方向に変位させる第3変位機構と、を有していることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  3. 請求項2に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第1変位機構は、前記第1方向に変位可能なベースと、前記ベースを前記第1方向に駆動する第1駆動機構と、を有していることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  4. 請求項3に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第2変位機構は、前記ベースに設置されていることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  5. 請求項4に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第3変位機構は、前記第2変位機構に設置され、前記軸心方向における前記繰出部の位置を制御可能な位置制御部材を有していることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  6. 請求項5に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記位置制御部材は、サーボモータを含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記繰出部は、前記軸心方向と平行に延びる所定の旋回軸回りを旋回可能に構成されていることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記繰出部は、前記心線を協働して挟むように配置され前記心線を繰り出すための一対のプーリを有していることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記心線巻き掛け装置は、前記繰出部から繰り出される前記心線にテンションを付与するためのテンション機構をさらに含むことを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  10. 請求項9に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記テンション機構は、前記心線が巻き付けられたボビンと、前記ボビンを前記ボビンの中心軸線回りに回転可能に支持する支持部と、前記ボビンの回転に抵抗を付与する抵抗付与部材と、を有していることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  11. 請求項10に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記抵抗付与部材は、前記ボビンに動力伝達可能に接続されたサーボモータを含むことを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  12. 請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記シート保持部は、前記軸心方向と直交する所定の第1方向に離隔して配置された一対のローラを含み、
    前記一対のローラに前記シートが巻掛けられることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  13. 請求項12に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第1方向は、水平な方向であり、
    前記シート保持部は、前記シートのうち前記一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを抑制するための第1弛み抑制部材を含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  14. 請求項13に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第1弛み抑制部材は、前記一対のローラに巻掛けられ前記シートが巻掛けられる無端状のコンベアベルトを含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  15. 請求項12ないし請求項14の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第1方向は、水平な方向であり、
    前記シート保持部は、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを抑制するための第2弛み抑制部材を含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  16. 請求項15に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記第2弛み抑制部材は、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分を下側から受ける受け部材を含んでいることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  17. 請求項16に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記受け部材は、プレート状に形成されており、前記第1方向に離隔して複数配置されていることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  18. 請求項12ないし請求項17の何れか1項に記載の伝動ベルト製造装置であって、
    前記一対のローラは、前記第1方向における互いの間隔を変更可能に構成されていることを特徴とする、伝動ベルト製造装置。
  19. 無端状のシートをシート保持部に巻掛ける、シート巻掛けステップと、
    心線を繰り出す繰出部を前記シート保持部に巻き掛けられた前記シートの外周面の周囲に周回移動させることで、前記シート保持部の周囲に前記心線を巻掛ける、心線巻掛けステップと、
    を含んでいることを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
  20. 請求項19に記載の伝動ベルトの製造方法であって、
    前記シート保持部は、前記シートが巻き掛けられるローラであって、当該ローラの中心軸線の延びる方向が所定の軸心方向として規定されたローラを含み、
    前記心線巻掛けステップは、前記繰出部を周回移動させる際に、前記繰出部を前記軸心方向に変位させることで前記心線を螺旋状に巻くことを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
  21. 請求項20に記載の伝動ベルトの製造方法であって、
    前記ローラは、前記軸心方向と直交する所定の第1方向に離隔して一対配置されこれら一対のローラに前記シートが巻掛けられており
    前記心線巻掛けステップは、前記一対のローラに前記シートが巻掛けられた状態の前記シートに前記心線を巻掛けることを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
  22. 請求項21に記載の伝動ベルトの製造方法であって、
    前記第1方向は、水平な方向であり、
    前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの上部間に渡される部分の弛みを抑制するための第1弛み抑制部材を介して前記シートを前記一対のローラに巻掛けることを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
  23. 請求項21または請求項22に記載の伝動ベルトの製造方法であって、
    前記第1方向は、水平な方向であり、
    前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分の弛みを抑制するための第2弛み抑制部材に前記シートが受けられるように前記シートを設置することを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
  24. 請求項23に記載の伝動ベルトの製造方法であって、
    前記第2弛み抑制部材は、プレート状の部材であり、
    前記シート巻掛けステップは、前記シートのうち前記一対のローラの下部間に渡される部分を、前記第2弛み抑制部材の厚み分持ち上げた状態で前記第2弛み抑制部材が前記シートを保持することを特徴とする、伝動ベルトの製造方法。
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