JP5051850B2 - 吸気音調節装置 - Google Patents
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このような吸気音調節装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、連通管と、弾性体と、追加管とを備えた構成のものがある。
連通管は、吸気ダクトの外周面のうち、エンジンの吸気量を増減させるスロットルチャンバよりもエンジンから離れた位置に取り付けてあり、吸気ダクトと連通させている。
追加管は、一方の開口端が連通管と連結しており、他方の開口端を外気へ開放している。
このような吸気音調節装置では、吸気ダクト内の気体に発生する吸気脈動に応じて、弾性体が振動する。このため、追加管の他方の開口端から、吸気音を外気中へ放射することとなり、迫力感のある吸気音を、車室内に導入することが可能となっている。
したがって、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が少ない、緩加速時やアイドリング時等、静粛性を確保したい場合であっても、吸気音が増音されてしまうという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、緩加速時やアイドリング時等、静粛性を確保したい場合に、吸気音の増音効果を低減可能な吸気音調節装置を提供することを課題とする。
前記吸気通路内で発生する吸気負圧の変化によって、前記連通管の流路面積を変化させる流路面積変化手段を備え、
前記流路面積変化手段は、前記連通管内に配置し且つ前記連通管内で変位することにより連通管の開度を変化させて前記流路面積を変化させる流路面積変化部と、前記吸気負圧の変化によって前記流路面積変化部を変位させる変位手段と、を備え、
前記変位手段は、前記吸気通路の外周面のうち前記エンジンの吸気量を増減させるスロットルチャンバよりもエンジンに近い位置へ取り付けて吸気通路と連通する負圧導入室と、前記吸気負圧が所定の圧力以上である状態で前記連通管の開度が減少する方向へ前記流路面積変化部を変位させ、且つ前記吸気負圧が所定の圧力未満である状態で前記連通管の開度が増加する方向へ前記流路面積変化部を変位させる開度変化手段と、を備え、
前記吸気通路と前記負圧導入室との連通を許容する許容状態と吸気通路と負圧導入室とを遮断する遮断状態とを切換可能な気体移動制御弁と、前記エンジンの回転情報に応じて前記気体移動制御弁の状態を切換える制御弁切換指令部と、を備えることを特徴とする吸気音調節装置を提供するものである。
(第一実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態の吸気音調節装置1の構成概念を示す図である。
図1中に示すように、本実施形態の吸気音調節装置1は、吸気ダクト2に取り付けてあり、連通管4と、弾性体6と、流路面積変化手段8を備えている。
吸気ダクト2は、外気からエンジン10への吸気通路をなしており、ダストサイド側吸気ダクト12と、クリーンサイド側吸気ダクト14とから構成している。
ダストサイド側吸気ダクト12の一方の開口端は、エアクリーナ16に連結している。ダストサイド側吸気ダクト12の他方の開口端は、外気中に開放している。
クリーンサイド側吸気ダクト14は、スロットルチャンバ18を備えている。
クリーンサイド側吸気ダクト14の一方の開口端は、エアクリーナ16に連結している。クリーンサイド側吸気ダクト14の他方の開口端は、後述するサージタンク20及び各インテークマニホールド22を介して、エンジン10が有する各シリンダー(図示せず)に連結している。
具体的には、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を減少させる(以下、「緩加速時」と記載する)と、スロットルチャンバ18の開度が減少し、エアクリーナ16からサージタンク20への通気量が減少する。そして、クリーンサイド側吸気ダクト14内の気体に発生する吸気負圧が減少する。
そして、スロットルチャンバ18の開度が「0」の状態では、クリーンサイド側吸気ダクト14を、スロットルチャンバ18よりもエンジン10側の部分と、スロットルチャンバ18よりもエンジン10から離れた部分に隔離する。すなわち、スロットルチャンバ18が閉じた状態では、エンジン側吸気負圧が最大値となる。なお、図2中には、スロットルチャンバ18が閉じた状態を示している。
エンジン10は、吸気工程において、ダストサイド側吸気ダクト12の他方の開口端から流入してクリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体を、サージタンク20及び各インテークマニホールド22を介して、各シリンダー(図示せず)内へ吸気する。
ここで、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に発生する圧力変動であり、この圧力変動は、複数の周波数の圧力変動から構成している。すなわち、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、複数の周波数の吸気脈動から構成している。
連通管4は、円筒形状をなしており、一端を、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10から離れた部分に、クリーンサイド側吸気ダクト14と連通して取り付けている。すなわち、連通管4の一端は、エンジン10の吸気通路と連通する。また、連通管4の他端は、外気と連通する。
弾性体6は、例えば、ゴム等、弾性を有する樹脂材料を用いて円板状に形成してあり、連通管4の内周面に取り付けて、連通管4を閉塞している。また、弾性体6は、クリーンサイド側吸気ダクト14内に発生する吸気脈動に応じて弾性変形することにより、面外方向へ振動する。
図2及び図3は、流路面積変化手段8の詳細な構成を示す図であり、図2は、緩加速時及びアイドリング時における流路面積変化手段8の状態を示す図、図3は、急加速時における流路面積変化手段8の状態を示す図である。
図2及び図3中に示すように、流路面積変化手段8は、流路面積変化部24と、変位手段26を備えている。
また、流路面積変化部24は、連通管4に対して、連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転して変位可能に支持してある。なお、図2及び図3中では、連通管4に対する流路面積変化部24の回転中心を、符号「P」を付して示している。
具体的には、流路面積変化部24を連通管4内で回転させて変位させ、流路面積変化部24の長手方向を連通管4の長さ方向に対して傾斜させると、傾斜角が増加するにつれて、連通管4の開度が減少し、流路面積が最大値よりも減少する。
また、流路面積変化部24を連通管4内で回転させて変位させ、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向に対して傾斜している状態から、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向と平行となるにつれて、連通管4の開度が増加する。このため、流路面積が最大値へ近づく。
変位手段26は、負圧導入室28と、閉塞板30と、閉塞板付勢手段32を備えている。
負圧導入室28は、導入管部34と、シリンダー部36から構成している。
導入管部34は、例えば、鋼管によって、円筒形状に形成している。
導入管部34の一方の端部は、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10に近い位置へ取り付けて、クリーンサイド側吸気ダクト14と連通している。導入管部34の他方の端部は、シリンダー部36と連通している。
シリンダー部36の一方の端部は、連通管4側へ開口している。シリンダー部36の他方の端部は、閉塞されて底面を形成している。シリンダー部36の外周面には、開口部を形成しており、この開口部が導入管部34の他方の端部と連通して、導入管部34とシリンダー部36が連通している。
また、閉塞板30は、連結部材38を介して、流路面積変化部24と連結している。
連結部材38は、流路面積変化部24に取り付けた流路面積変化部側連結部材38aと、閉塞板30に取り付けた閉塞板側連結部材38bから構成している。
閉塞板側連結部材38bは、棒状に形成してあり、一方の端部を、流路面積変化部側連結部材38aに対し、連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転可能に連結し、他方の端部を、閉塞板30の連通管4側の面に取り付けている。
閉塞板付勢手段32のばね定数は、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態で、閉塞板30のシリンダー部36の底面側への移動を許容する値に設定している。なお、図2中では、白抜きの矢印によって、エンジン側吸気負圧の流れを表している。
閉塞板30が連通管4側へ移動すると、流路面積が最大値となるように、流路面積変化部24が回転して変位する。
ここで、「所定の圧力」とは、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が少なく、運転者の加速意志が弱い緩加速時や、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないアイドリング時等、吸気音を増音させるには不適切な状況における、エンジン側吸気負圧である。
したがって、流路面積変化手段8は、エンジン側吸気負圧の変化によって、流路面積変化部24を変位させる機能を有する。
以上により、変位手段26は、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態で、連通管4の開度が減少する方向へ流路面積変化部24を変位させ、且つエンジン側吸気負圧が所定の圧力未満である状態で、連通管4の開度が増加する方向へ流路面積変化部24を変位させる開度変化手段を備える。また、開度変化手段は、閉塞板30と、閉塞板付勢手段32とを備える。
第一連通管構成部4aは、第二連通管構成部4bよりもクリーンサイド側吸気ダクト14側に配置してあり、クリーンサイド側吸気ダクト14と連通させてある。すなわち、第一連通管構成部4aは、エンジン10の吸気通路と連通している。
第二連通管構成部4bは、第一連通管構成部4aよりもクリーンサイド側吸気ダクト14から離れた位置、すなわち、第一連通管構成部4aよりも外気側に配置してある。
そして、弾性体6は、第一連通管構成部4aと第二連通管構成部4bとの間に挟持して、連通管4の内周面に取り付け、連通管4を閉塞、具体的には、第一連通管構成部4aを閉塞している。
第一共鳴周波数と第二共鳴周波数が共鳴する形状とは、例えば、第一連通管構成部4aの管路長と、第二連通管構成部4bの管路長が、同一の長さであるとともに、第一連通管構成部4aの断面積と、第二連通管構成部4bの断面積が、共に同一の断面積である場合である。
次に、吸気音調節装置1の動作について説明する。
エンジン10を駆動させると、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、各インテークマニホールド22及びサージタンク20を介して、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播する(図1参照)。
ここで、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないアイドリング時や、アクセルペダルの踏み込量が少なく、運転者の加速意志が弱い緩加速時には、スロットルチャンバ18の開度が少ないため、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力以上となる(図2参照)。
閉塞板30がシリンダー部36の底面側へ移動すると、閉塞板側連結部材38bがシリンダー部36の底面側へ移動する。そして、流路面積変化部側連結部材38aが、連通管4の外周側へ向けて、閉塞板側連結部材38bに対して連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転する(図2参照)。
このとき、流路面積変化部24が連通管4の内周面と接触すると、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が閉塞され、流路面積が最小値となる(図2参照)。
したがって、アイドリング時及び緩加速時には、流路面積が最大値から減少し、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播した吸気脈動の、弾性体6への伝播を抑制して、弾性体6の振動を抑制するため、吸気音の増音効果を低減させることが可能となる(図2参照)。
一方、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量が多く、運転者の加速意志が強い急加速時においては、スロットルチャンバ18の開度が大きい。このため、エンジンの吸気工程においてクリーンサイド側吸気ダクト14内の気体に発生する吸気負圧が、緩加速時よりも高くなり、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力未満となる(図3参照)。
閉塞板30が連通管4側へ移動すると、閉塞板側連結部材38bが連通管4側へ移動し、流路面積変化部側連結部材38aが、連通管4の中心へ向けて、閉塞板側連結部材38bに対して連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転する(図3参照)。
このとき、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が連通し、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向と平行になると、流路面積が最大値となる(図3参照)。
したがって、急加速時には、流路面積が最大値となり、弾性体6へ伝播された吸気脈動により、弾性体6が面外方向へ振動するため、加速感の演出に寄与する吸気音を増音することが可能となる(図3参照)。
(1)本実施形態の吸気音調節装置では、流路面積変化手段により、エンジン側吸気負圧の変化によって、吸気ダクトと弾性体との間を移動する気体の流路面積を変化させることが可能となる。
このため、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態、すなわち、緩加速時及びアイドリング時においては、クリーンサイド側吸気ダクトと弾性体との間を閉塞し、流路面積を最大値よりも減少させることが可能となる。
また、エンジン側吸気負圧が所定の圧力未満である状態、すなわち、急加速時においては、クリーンサイド側吸気ダクトと弾性体との間を連通させて、流路面積を最大値とすることが可能となる。
一方、運転者の加速意志が強い急加速時には、弾性体へ伝播された吸気脈動により、弾性体が面外方向へ振動するため、連通管の他方の開口端から、増音された吸気音が外気中へ放射される。
その結果、緩加速時及びアイドリング時における静粛性の確保と、急加速時における吸気音の増音とを両立することが可能となるため、車両の乗員に不快感を与えることなく、スポーティなサウンドを演出することが可能となる。
このため、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態では、クリーンサイド側吸気ダクト内に存在する気体に伝播した吸気脈動の、弾性体への伝播を抑制して、弾性体の振動を抑制するため、吸気音の増音効果を、大幅に低減させることが可能となる。
その結果、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である、緩加速時及びアイドリング時においては、吸気音の増音効果を、大幅に低減させることが可能となり、車室内に導入される吸気音は、僅かなものとなる。
その結果、アクチュエータ等を必要とせずに、吸気ダクト内の吸気負圧の変化によって、流路面積変化部を変位させることが可能となる。
その結果、吸気ダクト内の吸気負圧の変化によって流路面積変化部を変位させることにより、連通管の開度を変化させることが可能となる。
このため、閉塞板付勢手段のばね定数を、吸気音の増音効果を抑制したい緩加速時及びアイドリング時と、吸気音を増音したい急加速時に応じて、設定することが可能である。
その結果、例えば、車両の所有者の嗜好に応じ、吸気音の増音効果を抑制したい緩加速時及び吸気音を増音したい急加速時を、車両毎に異なる設定とする等、様々な状況に対応することが可能となる。
その結果、連通管内において、流路面積変化部を、連通管の長さ方向と交差する軸回りに回転させることにより、連通管の流路面積を変化させることが可能となる。
その結果、弾性体に損傷が発生した場合等、弾性体を交換する必要がある場合に、弾性体の交換作業が容易となる。また、第一連通管構成部と、第二連通管構成部の構成を異ならせることが容易となる。
(1)なお、本実施形態の吸気音調節装置1では、連通管4が、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10から離れた部分に取り付けている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、連通管4が、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10に近い部分に取り付けている構成としてもよい。
(2)また、本実施形態の吸気音調節装置1では、負圧導入室28を、導入管部34と、シリンダー部36から構成したが、これに限定するものではない。すなわち、負圧導入室28を、例えば、一つの円筒形状部材によって構成してもよい。この場合、閉塞板付勢手段32を、例えば、溶接や接着等により、負圧導入室28の内部に固定する。
(8)また、本実施形態の吸気音調節装置1では、第一連通管構成部4aと第二連通管構成部4bとを、同一の長さに形成しているが、これに限定するものではない。すなわち、第一連通管構成部4aの長さと、第二連通管構成部4bの長さを異ならせてもよい。
(構成)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図4及び図5は、本実施形態の吸気音調節装置1の構成を示す図であり、図4は、緩加速時及びアイドリング時における流路面積変化手段8の状態を示す図、図5は、急加速時における流路面積変化手段8の状態を示す図である。
図4及び図5中に示すように、本実施形態の吸気音調節装置1の構成は、流路面積変化手段8の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。なお、流路面積変化手段8以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成となっているため、説明は省略する。
流路面積変化部24は、連通管4の断面形状に対応した形状に形成された、楕円形状の板状部材によって形成してあり、連通管4内において、弾性体6よりもクリーンサイド側吸気ダクト14側へ配置している。
また、流路面積変化部24は、連通管4の負圧導入室28側の内周面において、連通管4に対して、連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転して変位可能に支持している。なお、図4及び図5中では、連通管4に対する流路面積変化部24の回転中心を、符号「P」を付して示している。
具体的には、流路面積変化部24が連通管4内で回転して変位し、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向に対して傾斜すると、傾斜角が増加するにつれて、連通管4の開度が減少し、流路面積が最大値よりも減少する。なお、図4中では、図2中と同様、半円状の矢印によって、流路面積変化部24の変位方向を表している。
そして、図5中に示すように、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向と平行になり、流路面積変化部24の負圧導入室28側の面が、連通管4の負圧導入室28側の内周面に接触する。そして、この状態では、連通管4の開度が最大値となり、流路面積が最大値となる。なお、図5中には、図3中と同様、スロットルチャンバ18の開度が最大である状態を示している。
負圧導入室28は、導入管部34と、シリンダー部36から構成している。
導入管部34は、例えば、鋼管によって形成してあり、円筒形状をなしている。
導入管部34の一方の端部は、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10に近い位置へ取り付けて、クリーンサイド側吸気ダクト14と連通している。導入管部34の他方の端部は、シリンダー部36と連通している。
第一シリンダー部構成部40及び第二シリンダー部構成部42は、共に、鋼管によって形成され、導入管部34よりも大径の円筒形状をなしており、軸をクリーンサイド側吸気ダクト14の長さ方向と平行にした状態で配置している。
第二シリンダー部構成部42のシリンダー部36の他方の端部は、導入管部34の他方の端部と連通している。すなわち、導入管部34とシリンダー部36が連通している。
また、弾性膜部44は、その外周部が、第一シリンダー部構成部40と第二シリンダー部構成部42との間に挟持されて、シリンダー部36の内周面に取り付けられ、負圧導入室28を閉塞、具体的には、シリンダー部36を閉塞している。
連結部材38は、一方の端部が、流路面積変化部24に対して直角に取り付けており、他方の端部が、弾性膜部44の連通管4側の面に取り付けている。
弾性膜部44の有する弾性は、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態で、第二シリンダー部構成部42側へ弾性変形する値に設定している。
弾性膜部44が連通管4側へ弾性変形すると、図5中に示すように、流路面積が最大値となるように、流路面積変化部24が回転して変位する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の吸気音調節装置1の動作について説明する。なお、以下の説明では、流路面積変化手段8以外の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、異なる部分の動作を中心に説明する。
エンジン10を駆動させると、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、各インテークマニホールド22及びサージタンク20を介して、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播する(図1参照)。
弾性膜部44が第二シリンダー部構成部42側へ弾性変形すると、流路面積が最大値よりも減少するように、流路面積変化部24が連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転する(図4参照)。
このとき、流路面積変化部24の弾性体6側の端部が連通管4の内周面と接触すると、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が閉塞され、流路面積が最小値となる(図4参照)。
したがって、アイドリング時及び緩加速時には、流路面積が最大値から減少し、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播した吸気脈動の、弾性体6への伝播を抑制して、弾性体6の振動を抑制するため、吸気音の増音効果を低減させることが可能となる(図4参照)。
一方、急加速時においては、スロットルチャンバ18の開度が大きいため、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力未満となり、負圧導入室28内が負圧から正圧に近づき、弾性膜部44が、連通管4側へ弾性変形する(図5参照)。
弾性膜部44が連通管4側へ弾性変形すると、流路面積変化部24が、連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転して、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が連通する(図5参照)。
このため、エンジン10の吸気動作に伴って発生し、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播した吸気脈動が、弾性体6へ伝播され、弾性体6が面外方向へ振動する。そして、連通管4の他方の開口端から、増音された吸気音が外気中へ放射される(図1参照)。
したがって、急加速時には、流路面積が最大値となり、弾性体6へ伝播された吸気脈動により、弾性体6が面外方向へ振動するため、加速感の演出に寄与する吸気音を増音することが可能となる(図5参照)。
(1)本実施形態の吸気音調節装置では、変位手段を、負圧導入室と、負圧導入室を閉塞するとともに流路面積変化部と連結され、且つエンジン側吸気負圧の変化によって面外方向へ弾性変形して、流路面積変化部を変位させる弾性膜部によって形成している。
このため、上述した第一実施形態の吸気音調節装置と比較して、簡易な構成によって、静粛性を確保したい緩加速時及びアイドリング時には、吸気音の増音効果を低減させることが可能となる。一方、運転者の加速意志が強い急加速時には、連通管の他方の開口端から、増音された吸気音が外気中へ放射させることが可能となる。
その結果、上述した第一実施形態の吸気音調節装置と比較して、簡易な構成によって、緩加速時及びアイドリング時における静粛性の確保と、急加速時における吸気音の増音とを両立することが可能となる。
その結果、連通管の外周面、第一シリンダー部構成部および弾性膜部によって形成される空間の気密を、簡易な構成によって保持することが可能となるとともに、エンジン側吸気負圧による弾性膜部の弾性変形を、確実に発生させることが可能となる。
(1)なお、本実施形態の吸気音調節装置1では、第一シリンダー部構成部40の一方の端部が、連通管4の外周面に取り付けて、連通管4と連通している構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、第一シリンダー部構成部40の一方の端部が閉塞されるとともに、連通管4と連通していない構成としてもよい。この場合、例えば、連通管4の外周面に、連結部材38が挿通可能な開口部を形成するとともに、この開口部と連結部材38との間を気密状態に保持可能な手段を備えた構成とする。
(構成)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
図6及び図7は、本実施形態の吸気音調節装置1の構成を示す図であり、図6は、緩加速時及びアイドリング時における流路面積変化手段8の状態を示す図、図7は、急加速時における流路面積変化手段8の状態を示す図である。
図6及び図7中に示すように、本実施形態の吸気音調節装置1の構成は、流路面積変化手段8の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。なお、流路面積変化手段8以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成となっているため、説明は省略する。
また、各流路面積変化部24a,24bは、共に、互いの弾性体6側の端部が接触した状態で、連通管4を閉塞する形状に形成された、略半円形状の板状部材によって形成している。
具体的には、各流路面積変化部24a,24bが連通管4内で回転して変位し、各流路面積変化部24a,24bの長手方向が連通管4の長さ方向に対して傾斜すると、両者の傾斜角が増加するにつれて、連通管4の開度が減少し、流路面積が最大値よりも減少する。
そして、図7中に示すように、各流路面積変化部24a,24bの長手方向が連通管4の長さ方向と平行になると、各流路面積変化部24a,24bの負圧導入室28側の面が、それぞれ、連通管4の負圧導入室28側の内周面に接触する。この状態では、連通管4の開度が最大値となり、流路面積が最大値となる。なお、図7中では、図3中と同様、スロットルチャンバ18の開度が最大である状態を示している。
導入管部34aの一方の端部は、クリーンサイド側吸気ダクト14の外周面のうち、スロットルチャンバ18よりもエンジン10に近い位置へ取り付けて、クリーンサイド側吸気ダクト14と連通している。導入管部34aの他方の端部は、シリンダー部36aと連通している。
第一シリンダー部構成部40a及び第二シリンダー部構成部42aは、共に、鋼管によって形成され、導入管部34aよりも大径の円筒形状をなしており、軸をクリーンサイド側吸気ダクト14の長さ方向と平行にした状態で配置している。
第二シリンダー部構成部42aの他方の端部は、導入管部34aの他方の端部と連通している。すなわち、導入管部34aとシリンダー部36aが連通している。
導入管部34bの一方の端部は、導入管部34aの外周面のうち、クリーンサイド側吸気ダクト14と第二シリンダー部構成部42aとの間に近い位置へ取り付けて、導入管部34aと連通している。導入管部34bの他方の端部は、シリンダー部36bと連通している。
また、シリンダー部36bは、連通管4側の第一シリンダー部構成部40bと、第一シリンダー部構成部40bよりも連通管4から遠い第二シリンダー部構成部42bから構成している。
第一シリンダー部構成部40bの一方の端部は、連通管4の外周面のうち、弾性体6よりもクリーンサイド側吸気ダクト14側の位置に取り付けて、連通管4と連通している。第一シリンダー部構成部40b他方の端部は、第二シリンダー部構成部42bの一方の端部と連通している。
各弾性膜部44a,44bは、ゴム等、弾性を有する樹脂材料によって円形状に形成された板状部材であり、エンジン側吸気負圧の変化によって、面外方向へ弾性変形する弾性を有する。なお、図6中では、図2中と同様、白抜きの矢印によって、エンジン側吸気負圧の流れを表している。
各連結部材38a,38bは、それぞれ、一方の端部が、流路面積変化部24a,24bに対して直角に取り付けており、他方の端部が、弾性膜部44a,44bの連通管4側の面に取り付けている。
各弾性膜部44a,44bの有する弾性は、それぞれ、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態で、第二シリンダー部構成部42a,42b側へ弾性変形する値に設定している。
各弾性膜部44a,44bが、それぞれ、連通管4側へ弾性変形すると、図7中に示すように、流路面積が最大値となるように、流路面積変化部24a,24bが回転して変位する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の吸気音調節装置1の動作について説明する。なお、以下の説明では、流路面積変化手段8以外の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、異なる部分の動作を中心に説明する。
エンジン10を駆動させると、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、各インテークマニホールド22及びサージタンク20を介して、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播する(図1参照)。
ここで、アイドリング時や緩加速時には、スロットルチャンバ18の開度が少ないため、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力以上となり、負圧導入室28内が負圧となる。このため、各弾性膜部44a,44bが、それぞれ、第二シリンダー部構成部42a,42b側へ弾性変形する(図6参照)。
各流路面積変化部24a,24bが連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転すると、各流路面積変化部24a,24bが連通管4内で回転して変位し、流路面積を最大値よりも減少させる(図6参照)。
このため、エンジン10の吸気動作に伴って発生し、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播した吸気脈動の、弾性体6への伝播を抑制して、弾性体6の振動を抑制する(図6参照)。
また、アイドリング時及び緩加速時には、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が閉塞され、流路面積が最小値となるため、吸気音の増音効果を、大幅に低減させることが可能となり、車室内に導入される吸気音は、僅かなものとなる(図6参照)。
各弾性膜部44a,44bが、連通管4側へ弾性変形すると、各流路面積変化部24a,24bが、連通管4の長さ方向と交差する軸回りに回転して、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が連通する(図7参照)。
そして、各流路面積変化部24a,24bの長手方向が連通管4の長さ方向と平行になり、各流路面積変化部24a,24bの負圧導入室28a,28b側の面が、それぞれ、連通管4の負圧導入室28a,28b側の内周面に接触する。この状態では、流路面積が最大値となる(図7参照)。
したがって、急加速時には、流路面積が最大値となり、弾性体6へ伝播された吸気脈動により、弾性体6が面外方向へ振動するため、加速感の演出に寄与する吸気音を増音することが可能となる(図7参照)。
(1)本実施形態の吸気音調節装置1では、二つの流路面積変化手段を備えた構成となっており、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力以上である状態では、二つの流路面積変化部によって、クリーンサイド側吸気ダクトと弾性体との間を閉塞する。
このため、一つの流路面積変化部によって、クリーンサイド側吸気ダクトと弾性体との間を閉塞する場合と比較して、クリーンサイド側吸気ダクトと弾性体との間を、確実に閉塞することが可能となる。
その結果、エンジン側吸気負圧が所定の圧力以上である状態において、すなわち、静粛性を確保したい緩加速時及びアイドリング時に、吸気音の増音効果を確実に低減させることが可能となり、静粛性を確保することが可能となる。
(応用例)
(1)なお、本実施形態の吸気音調節装置1では、二つの流路面積変化手段8a,8bを備えた構成としたが、これに限定するものではなく、三つ以上の流路面積変化手段8を備えた構成としてもよい。要は、複数の流路面積変化手段8を備えた構成とすればよい。
(構成)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
図8及び図9は、本実施形態の吸気音調節装置1の構成を示す図であり、図8は、緩加速時及びアイドリング時における流路面積変化手段8の状態を示す図、図9は、急加速時における流路面積変化手段8の状態を示す図である。
図8及び図9中に示すように、本実施形態の吸気音調節装置1の構成は、気体移動制御弁46と、制御弁切換指令部48を備えている点を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。なお、気体移動制御弁46と制御弁切換指令部48、及び両者と関連する部分以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成となっているため、説明は省略する。
また、気体移動制御弁46は、制御弁切換指令部48から送信される切換指令信号を受信すると、この切換指令信号に応じて、許容状態と遮断状態とを切換可能な機能を有する。
一方、遮断状態は、図9に示すように、導入管部34とシリンダー部36との間を遮断している状態であり、クリーンサイド側吸気ダクト14と負圧導入室28とを遮断する状態である。なお、図9中では、図3中と同様、スロットルチャンバ18の開度が最大である状態を示している。
制御弁切換指令部48は、例えば、車両に既存の構成であるECU(エンジンコントロールユニット)によって形成してあり、エンジン回転情報検出手段と、切換条件判定手段と、切換指令信号送信手段を備えている。なお、図8及び図9中では、エンジン回転情報検出手段、切換条件判定手段及び切換指令信号送信手段の図示を省略している。
具体的には、予め、所定の回転数を記憶しておき、エンジン回転情報検出手段から送信されたエンジンの回転数と、所定の回転数とを比較する。
そして、エンジンの回転数が所定の回転数未満である状態では、気体移動制御弁46を許容状態に切換えると判定し、判定結果信号に、気体移動制御弁46を許容状態に切換えると判定した情報を入力する。
切換指令信号送信手段は、判定結果信号を受信すると、判定結果を含む情報信号を、切換指令信号として気体移動制御弁46へ送信する。
すなわち、制御弁切換指令部48は、エンジンの回転情報に応じて、許容状態と遮断状態とを切換える機能を有する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明では、流路面積変化手段8及び気体移動制御弁46以外の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、異なる部分の動作を中心に説明する。
エンジン10を駆動させると、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、各インテークマニホールド22及びサージタンク20を介して、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播する(図1参照)。
ここで、アイドリング時や緩加速時には、スロットルチャンバ18の開度が少ないため、エンジン側吸気負圧が、所定の圧力以上となり、負圧導入室28内が負圧となる(図8参照)。
気体移動制御弁46が許容状態となると、クリーンサイド側吸気ダクト14と負圧導入室28との連通が許容されるため、クリーンサイド側吸気ダクト14と負圧導入室28との間における気体の移動が許容される(図8参照)。
シリンダー部36のうち、閉塞板付勢手段32が配置している空間が負圧となると、閉塞板付勢手段32が収縮するとともに、閉塞板30が、シリンダー部36の内周面に対して摺動し、シリンダー部36の底面側へ移動する(図8参照)。
このとき、流路面積変化部24が連通管4の内周面と接触すると、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が閉塞され、流路面積が最小値となる(図8参照)。
このため、エンジン10の吸気動作に伴って発生し、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播した吸気脈動の、弾性体6への伝播を抑制して、弾性体6の振動を抑制する(図8参照)。
また、アイドリング時及び緩加速時には、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が閉塞され、流路面積が最小値となるため、吸気音の増音効果を、大幅に低減させることが可能となり、車室内に導入される吸気音は、僅かなものとなる(図8参照)。
また、急加速時には、エンジンの回転数が所定の回転数以上となるため、制御弁切換指令部48は、気体移動制御弁46を、遮断状態に切換える(図9参照)。
そして、シリンダー部36のうち、閉塞板付勢手段32が配置している空間が、負圧から正圧に近づき、閉塞板付勢手段32が伸長するとともに、閉塞板30が、シリンダー部36の内周面に対して摺動し、連通管4側へ移動する(図9参照)。
このとき、クリーンサイド側吸気ダクト14と弾性体6との間が連通し、流路面積変化部24の長手方向が連通管4の長さ方向と平行になると、流路面積が最大値となる(図9参照)。
したがって、急加速時には、流路面積が最大値となり、弾性体6へ伝播された吸気脈動により、弾性体6が面外方向へ振動するため、加速感の演出に寄与する吸気音を増音することが可能となる(図9参照)。
(1)本実施形態の吸気音調節装置では、制御弁切換指令部により、エンジンの回転情報に応じて、吸気ダクトと負圧導入室との連通を許容する許容状態と、吸気ダクトと負圧導入室とを遮断する遮断状態を切換える。
このため、エンジン側吸気負圧の変化に加え、更に、エンジンの回転情報に応じて、流路面積変化部の変位状態を制御することが可能となり、流路面積を変化させることが可能となる。
その結果、上述した第一から第三実施形態の吸気音調節装置と比較して、緩加速時及びアイドリング時における静粛性の確保と、急加速時における吸気音の増音とを、精度良く両立することが可能となる。
その結果、エンジンの回転数に応じて、アイドリング時及び緩加速時における静粛性の確保と、急加速時における増音効果の向上を、精度良く実現することが可能となる。
(1)なお、本実施形態の吸気音調節装置1は、上述した第一実施形態の吸気音調節装置1のような、閉塞板30及び閉塞板付勢手段32を備えた構成の吸気音調節装置に適用したが、これに限定するものではない。すなわち、上述した第二及び第三実施形態の吸気音調節装置1のように、弾性膜部44を備えた構成の吸気音調節装置に適用してもよい。(2)また、本実施形態の吸気音調節装置1では、制御弁切換指令部48を、車両に既存の構成であるECUによって形成したが、これに限定するものではなく、制御弁切換指令部48として、専用のECUを備えた構成としてもよい。
(4)また、本実施形態の吸気音調節装置1では、気体移動制御弁46と導入管部34との間に、負圧タンク50を配置したが、これに限定するものではなく、負圧タンク50を備えていない構成としてもよい。
(構成)
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
図10から図12は、本実施形態の吸気音調節装置1の構成を示す図であり、図10は、吸気音調節装置1の全体構成を示す図である。また、図11は緩加速時及びアイドリング時における流路面積変化手段8の状態を示す図、図12は、急加速時における流路面積変化手段8の状態を示す図である。
図10から図12中に示すように、本実施形態の吸気音調節装置1の構成は、支持部材52を備えている点と、流路面積変化手段8及び第二連通管構成部4bの構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成となっている。なお、支持部材52と流路面積変化手段8、及び両者と関連する部分以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成となっているため、説明は省略する。
支持部材52は、例えば、金属材料等の高い剛性を有する材料を用いて、柱状に形成してある。支持部材52の一方の端部は、流路面積変化手段8に固定してあり、支持部材52の他方の端部は、エンジン本体やサブフレーム等、エンジンルーム内に配置される部品(図示せず)に固定してある。これにより、支持部材52は、エンジン10を配置するエンジンルーム内における、流路面積変化手段8の変位を抑制する。
また、図11及び図12中に示すように、流路面積変化手段8は、流路面積変化部24と、回転軸58と、歯車60とを備えている。なお、図11及び図12中では、説明のために、流路面積変化手段8及び第二連通管構成部4b以外の図示を省略している。
流路面積変化部24は、第二連通管構成部4b内において、弾性体6よりも外気側へ配置している。
形状変化部64は、第二連通管構成部4bの軸方向から見て、流路面積変化部24の重心から縁までの長さが変化する形状、具体的には、第二連通管構成部4bの内周面から離れるにつれて重心から縁までの長さが長くなる略三日月型に形成してある。したがって、形状変化部64は、流路面積変化部24が、第二連通管構成部4bの軸方向から見て楕円形となるように形成してある。
歯車60は、複数の歯を形成した外周面の周方向の一部に、歯を形成しない空隙部66を有している。すなわち、歯車60は、外周面の周方向の一部にのみ歯を有する。なお、図11中及び図12中では、説明のために、歯車60を保護するギヤボックスの図示を省略している。
回転駆動部は、回転状態制御部56から送信される回転状態制御信号を受けると、この回転状態制御信号に応じて噛合部を回転駆動させる機能を有している。噛合部が回転駆動すると、歯車60を回転駆動する。したがって、歯車回転手段54は、歯車60を回転駆動させる機能を有する。
具体的には、予め、上述した第四実施形態と同様の、所定の回転数を記憶しておき、エンジン回転情報検出手段から送信されたエンジンの回転数と、所定の回転数とを比較する。
一方、エンジンの回転数が所定の回転数以上である状態では、流路面積変化部24の変位状態が、第二連通管構成部4bの流路面積が最大値となる状態における歯車60の回転状態を演算し、この演算結果を含む情報を、変位状態演算信号に入力する。
以上により、回転状態制御部56は、エンジンの回転情報に応じて、歯車回転手段54の駆動状態を制御する機能を有する。
また、図11及び図12中に示すように、第二連通管構成部4bの内周面には、第二連通管構成部4bの肉厚を変化させて形成した段差により、二箇所の凸部68a,68bを形成してある。
また、各凸部68a,68bの形状は、それぞれ、第二連通管構成部4bの流路面積が最小値である状態で、第二連通管構成部4bの軸方向から見て、流路面積変化部24と各凸部68a,68bにより、第二連通管構成部4bが閉塞する形状に形成する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
次に、本実施形態の動作について説明する。なお、以下の説明では、流路面積変化手段8以外の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、異なる部分の動作を中心に説明する。
エンジン10を駆動させると、エンジン10の吸気動作に伴って発生する吸気脈動は、各インテークマニホールド22及びサージタンク20を介して、クリーンサイド側吸気ダクト14内に存在する気体に伝播する(図10参照)。
流路面積変化部24の第二連通管構成部4bの軸方向に対する傾斜角が増加し、流路面積変化部24が凸部68a,68bと接触して、第二連通管構成部4bの内周面と接触すると、流路面積変化部24が、外気側と弾性体6との間を閉塞する。この状態では、第二連通管構成部4bの開度が最小値となり、第二連通管構成部4bの流路面積が最小値となる(図10及び図11参照)。
したがって、アイドリング時及び緩加速時には、流路面積が最大値から減少し、増音された吸気音の、外気中への放射を抑制するため、吸気音の増音効果を低減させることが可能となる(図10及び図11参照)。
また、アイドリング時及び緩加速時には、外気側と弾性体6との間が閉塞され、第二連通管構成部4bの流路面積が最小値となるため、吸気音の増音効果を、大幅に低減させることが可能となり、車室内に導入される吸気音は、僅かなものとなる(図10及び図11参照)。
流路面積変化部24の第二連通管構成部4bの軸方向に対する傾斜角が減少し、流路面積変化部24が、第二連通管構成部4bの軸方向に対して平行となると、流路面積変化部24が、第二連通管構成部4bの開度が最大値となる。この状態では、第二連通管構成部4bの流路面積が最大値となる(図12参照)。
したがって、急加速時には、第二連通管構成部4bの流路面積が最大値となり、弾性体6へ伝播された吸気脈動により、弾性体6が面外方向へ振動するため、加速感の演出に寄与する吸気音を増音することが可能となる(図10及び図12参照)。
(1)本実施形態の吸気音調節装置では、流路面積変化部を、弾性体よりも外気側に配置しているため、流路面積変化部に損傷等が発生し、連通管内から流路面積変化部の構成部品が外れた場合であっても、外れた構成部品の吸気通路側への移動は、弾性体に阻まれる。
このため、流路面積変化部がエンジンに吸い込まれることを防止することが可能となる。
その結果、流路面積変化部に損傷等が発生した場合であっても、エンジンの停止を伴う重大な故障モードを回避することが可能となり、安全上の重大な故障を回避することが可能となる。
その結果、流路面積変化手段と、エンジン等、エンジンルーム内に配置する部材との干渉を抑制することが可能となるため、エンジンルーム内に配置する部材の損傷を抑制することが可能となる。
このため、エンジンの回転情報に応じて、流路面積変化部の回転状態を制御することが可能となり、連通管の流路面積を変化させることが可能となる。
その結果、アイドリング時及び緩加速時における静粛性の確保と、急加速時における増音効果の向上を、精度良く実現することが可能となる。
その結果、エンジンの回転数に応じて、アイドリング時及び緩加速時における静粛性の確保と、急加速時における増音効果の向上を、精度良く実現することが可能となる。
このため、連通管を流路面積変化部が閉塞する状態では、流路面積変化部の角度が連通管の軸方向に対して傾斜することとなり、流路面積変化部の回転角度を減少させることが可能となる。
その結果、連通管内において、流路面積変化部を短時間で回転させることが可能となるため、吸気音の増音及び抑制を、応答良く切り替えることが可能となる。
したがって、歯車の外周面の周方向全体に歯を形成しなくとも、連通管の流路面積が最小値から最大値の範囲内で変化するように、連通管内において流路面積変化部を回転させることが可能となる。
これにより、本実施形態の吸気音調節装置では、歯車の構成を、外周面の周方向の一部にのみ歯を有する構成とする。このため、歯車の外周面の周方向全体に歯を形成する場合よりも、歯車の回転速度を向上させることが可能となる。
その結果、連通管内において、流路面積変化部を短時間で回転させることが可能となるため、吸気音の増音及び抑制を、応答良く切り替えることが可能となる。
このため、流路面積変化部が連通管を閉塞する状態において、流路面積変化部と連通管とを、連通管の軸方向に対して重ねることが可能となり、連通管の軸方向に進行する音を漏れなく遮音することが可能となる。
その結果、アイドリング時及び緩加速時における静粛性を、精度良く実現することが可能となる。
このため、凸部を連通管の内周面の段差とすることにより、流路面積変化部に対するストッパーとして機能させることが可能となる。また、連通管と凸部が一体化することとなるため、凸部の剛性を増加させることが可能となる。
その結果、流路面積変化部と連通管の内周面との摩擦を抑制することが可能となり、流路面積変化部の損傷を抑制することが可能となる。また、凸部の損傷を抑制することが可能となる。
(1)なお、本実施形態の吸気音調節装置1では、形状変化部64を、流路面積変化部24が、第二連通管構成部4bの軸方向から見て楕円形となるように形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図13中に示すように、形状変化部64を、流路面積変化部24が、第二連通管構成部4bの軸方向から見て長方形となるように形成してもよい。この場合、図13中に示すように、連通管4の形状を、断面方形に形成する。要は、形状変化部64を、第二連通管構成部4bの軸方向から見て、流路面積変化部24の重心から縁までの長さが変化する形状に形成すればよい。なお、図13は、本実施形態の変形例を示す図である。また、なお、図13中には、流路面積変化部24及び回転軸58の回転方向を、矢印により示している。
(3)また、本実施形態の吸気音調節装置1では、連通管4の内周面に形成する凸部68を、連通管4の肉厚を変化させて形成した、連通管4の内周面の段差としたが、凸部68の構成は、これに限定するものではない。すなわち、凸部68を、連通管4と別体で形成し、連通管4の内周面に取り付けてもよい。
2 吸気ダクト
4 連通管
6 弾性体
8 流路面積変化手段
10 エンジン
12 ダストサイド側吸気ダクト
14 クリーンサイド側吸気ダクト
16 エアクリーナ
18 スロットルチャンバ
20 サージタンク
22 インテークマニホールド
24 流路面積変化部
26 変位手段
28 負圧導入室
30 閉塞板
32 閉塞板付勢手段
34 導入管部
36 シリンダー部
38 連結部材
40 第一シリンダー部構成部
42 第二シリンダー部構成部
44 弾性膜部
46 気体移動制御弁
48 制御弁切換指令部
50 負圧タンク
52 支持部材
54 歯車回転手段
56 回転状態制御部
58 回転軸
60 歯車
62 本体部
64 形状変化部
66 空隙部
68 凸部
P 連通管4に対する流路面積変化部24の回転中心
Claims (16)
- 一端がエンジンへの吸気通路に連通し且つ他端が外気に連通する連通管と、当該連通管を閉塞する弾性体と、を備える吸気音調節装置であって、
前記吸気通路内で発生する吸気負圧の変化によって、前記連通管の流路面積を変化させる流路面積変化手段を備え、
前記流路面積変化手段は、前記連通管内に配置し且つ前記連通管内で変位することにより連通管の開度を変化させて前記流路面積を変化させる流路面積変化部と、前記吸気負圧の変化によって前記流路面積変化部を変位させる変位手段と、を備え、
前記変位手段は、前記吸気通路の外周面のうち前記エンジンの吸気量を増減させるスロットルチャンバよりもエンジンに近い位置へ取り付けて吸気通路と連通する負圧導入室と、前記吸気負圧が所定の圧力以上である状態で前記連通管の開度が減少する方向へ前記流路面積変化部を変位させ、且つ前記吸気負圧が所定の圧力未満である状態で前記連通管の開度が増加する方向へ前記流路面積変化部を変位させる開度変化手段と、を備え、
前記吸気通路と前記負圧導入室との連通を許容する許容状態と吸気通路と負圧導入室とを遮断する遮断状態とを切換可能な気体移動制御弁と、前記エンジンの回転情報に応じて前記気体移動制御弁の状態を切換える制御弁切換指令部と、を備えることを特徴とする吸気音調節装置。 - 前記流路面積変化手段は、前記吸気負圧が所定の圧力未満である状態で前記流路面積を最大値とし、且つ前記吸気負圧が所定の圧力以上である状態で前記流路面積を前記最大値よりも減少させることを特徴とする請求項1に記載した吸気音調節装置。
- 前記開度変化手段は、前記負圧導入室を閉塞するとともに前記流路面積変化部と連結する閉塞板と、前記吸気負圧が所定の圧力未満である状態で前記連通管の開度が増加する方向へ前記流路面積変化部が変位するように前記閉塞板を押圧付勢する閉塞板付勢手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載した吸気音調節装置。
- 前記開度変化手段は、前記負圧導入室を閉塞するとともに前記流路面積変化部と連結し、且つ前記吸気負圧の変化によって面外方向へ弾性変形する弾性膜部を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記エンジンの回転情報を、前記エンジンの回転数とし、
前記制御弁切換指令部は、前記エンジンの回転数が所定の回転数未満である状態で前記気体移動制御弁を前記許容状態に切換え、且つ前記エンジンの回転数が所定の回転数以上である状態で前記気体移動制御弁を前記遮断状態に切換えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。 - 前記流路面積変化手段を複数備えることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記流路面積変化部を、板状部材によって形成し、且つ前記連通管に対して連通管の長さ方向と交差する軸回りへ回転可能に支持することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記流路面積変化部は、前記連通管の軸方向から見て重心から縁までの長さが変化する形状変化部を備えることを特徴とする請求項7に記載した吸気音調節装置。
- 前記形状変化部を、前記流路面積変化部が前記連通管の軸方向から見て楕円形となるように形成することを特徴とする請求項8に記載した吸気音調節装置。
- 前記流路面積変化部を、前記弾性体よりも外気側に配置することを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記連通管の内周面に、前記流路面積が最小値である状態で前記流路面積変化部と接触する凸部を形成することを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記凸部を、前記連通管の肉厚を変化させて形成した前記内周面の段差とすることを特徴とする請求項11に記載した吸気音調節装置。
- 前記連通管を、前記吸気通路と連通する第一連通管構成部と、当該第一連通管構成部よりも外気側に配置する第二連通管構成部と、から構成することを特徴とする請求項1から12のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
- 前記第二連通管構成部の断面積を、前記第一連通管構成部の断面積よりも大きくすることを特徴とする請求項13に記載した吸気音調節装置。
- 前記第二連通管構成部の長さを、前記第一連通管構成部の長さと異ならせることを特徴とする請求項13または14に記載した吸気音調節装置。
- 前記エンジンを配置するエンジンルーム内に配置される部品と、前記流路面積変化手段とを連結する支持部材を備えることを特徴とする請求項1から15のうちいずれか1項に記載した吸気音調節装置。
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