JP5051384B2 - インタークーラの支持構造 - Google Patents

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Description

この発明は、インタークーラの支持構造に係り、特にインタークーラをブラケットによって車両に支持するインタークーラの支持構造に関する。
図8に示すように、車両101の前部においては、車両前後方向Xに延びる左右一対の右サイドメンバ104・左サイドメンバ105の前端部にフードロックメンバ125を支持する右サイドサポート112・左サイドサポート113を取り付け、この右サイドサポート112・左サイドサポート113を挟んで右サイドメンバ104・左サイドメンバ105の前方に箱状断面の右クラッシュボックス114・左クラッシュボックス118を取り付け、この右クラッシュボックス114・左クラッシュボックス118の前端部に車両幅方向Yに延びるバンパメンバ122を取り付けたものがある。
そして、右サイドサポート112・左サイドサポート113とバンパメンバ122の前方に配設されるフロントバンパとの間の空間に車両幅方向Yに延びるインタークーラ137を配設している。このインタークーラ137は、車両幅方向Yの両端部に設けられる右タンク部(入口側タンク部)140・左タンク部(出口側タンク部)141を備えている。
インタークーラ137の右タンク部140は、右サイドサポート112に連結した右上部ブラケット144とバンパメンバ122に固定した右下部ブラケット145とを介して車両101に支持されている。インタークーラ137の左タンク部141は、左サイドサポート113に連結した左上部ブラケット152とバンパメンバ122に固定した左下部ブラケット153とを介して車両101に支持されている。
従来、車両のインタークーラ配置構造には、インタークーラをバンパレインフォースよりも下方で且つラジエータコアサポートロアよりも上方に配置することで、車体に前側から軽荷重が入力されて、バンパレインフォースが後方に移動しても、バンパレインフォースがインタークーラに干渉しないようにするものがある。
特開2006−240360号公報
ところで、従来、上記の図8のインタークーラの支持構造において、各サイドサポートは、断面が開放した形状であるとともに、各サイドメンバから上方に長く延びる形状のために、振動し易く、このため、各サイドサポートが大きく振動して車体に伝わる振動が大きくなる問題があった。特に、エンジンが振動の大きいディーゼルエンジンである場合には、車室に伝わる振動が大きくなる問題があった。
また、車両の前部を覆うフロントバンパが車両前方からの衝撃荷重を受けた場合に、上部ブラケットが車両前後方向に延びる形状のために、インタークーラの上部が車両後方へ移動することが抑制され、インタークーラがフロントバンパと衝突して変形する不都合があった。
そこで、この発明の目的は、インタークーラから車体に伝達する振動を防止し、且つ車両前方から衝撃を受けた場合にインタークーラを保護するインタークーラの支持構造を提供することにある。
この発明は、車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバの前端部に車両上方へ延びる左右一対のサイドサポートを取り付け、前記サイドサポートを挟んで前記サイドメンバの延長上に断面が箱型のクラッシュボックスを取り付け、このクラッシュボックスの前端部に車両幅方向に延びるバンパメンバを取り付け、車両前後方向をフロントバンパと前記サイドサポートとに挟まれ且つ車両上下方向で前記クラッシュボックスよりも上方の空間に車両幅方向に延びるとともに車両幅方向の両端部に左右一対のタンク部を備えたインタークーラを配設し、このインタークーラの各タンク部を上下2箇所に取り付けた上部ブラケットと下部ブラケットとを介して車両に支持したインタークーラの支持構造において、前記インタークーラの各タンク部に接続した配管を前記サイドサポートに形成した貫通孔を通して車両後方へ延出し、且つ前記インタークーラを前記上部ブラケットと前記下部ブラケットとを介して前記クラッシュボックスに固定したことを特徴とする。
この発明のインタークーラの支持構造は、インタークーラから車体に伝達する振動を防止し、且つ車両前方から衝撃を受けた場合にインタークーラを保護することができる。
この発明は、インタークーラから車体に伝達する振動を防止し、且つ車両前方から衝撃を受けた場合にインタークーラを保護する目的を、インタークーラの各タンク部に接続した配管をサイドサポートに形成した貫通孔を通して車両後方へ延出し、且つインタークーラを上部ブラケットと下部ブラケットとを介してクラッシュボックスに固定して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
図1〜図7は、この発明の実施例を示すものである。
図1、図2において、1は車両、2はエンジンルーム、3は過給機付ディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)、4は右サイドメンバ、5は左サイドメンバ、6は右サスペンションタワー、7は左サスペンションタワー、8はダッシュパネル、9は右ヘッドランプ、10は左ヘッドランプである。
右サイドメンバ4と左サイドメンバ5とは、車両前後方向Xに延びる左右一対のサイドメンバであり、車体11を構成する。
エンジンルーム2は、車両幅方向Yに延びるダッシュパネル8の車両前方側で、右サイドメンバ4と左サイドメンバ5とに囲まれて形成される。
エンジン3は、縦置き型であり、エンジンルーム2の略中央部位で、長手方向が車両前後方向Xに指向して配設される。
図3に示すように、右サイドメンバ4の前端部には、車両上方へ延びる右サイドサポート12が取り付けられる。また、左サイドメンバ5の前端部には、車両上方へ延びる左サイドサポート13が取り付けられる。
図4に示すように、右サイドメンバ4の前端部の延長上には、右サイドサポート12を挟んで断面が箱状の右クラッシュボックス14が取り付けられる。この右クラッシュボックス14は、車両右方の右外側壁15が右上面壁16よりも上方に突出し、右上面壁16から上方に高さHの右突出部17を形成している。
また、図5に示すように、左サイドメンバ5の前端部の延長上には、左サイドサポート13を挟んで断面が箱状の左クラッシュボックス18が取り付けられる。この左クラッシュボックス18は、車両左方の左外側壁19が左上面壁20よりも上方に突出し、左外側壁19から上方に高さHの左突出部21を形成している。
これら右クラッシュボックス14の前端部と左クラッシュボックス18の前端部とには、車両幅方向(車両左右方向)Yに延びるバンパメンバ22が取り付けられる。
また、右サイドサポート12の上部には、車両後方で右斜めに延びるライトメンバ23の一端が接続している。左サイドサポート13の上部には、車両後方で左斜めに延びるレフトメンバ24の一端が接続している。このライトメンバ23の一端とレフトメンバ24の一端とには、前記バンパメンバ22と平行で、車両幅方向Yに延びるフードロックメンバ25の両端が接続している。これにより、フードロックメンバ25は、右サイドサポート12及び左サイドサポート13により支持される。
更に、右サイドサポート12には、ライトメンバ23の一端よりも下方で、車両前方で左斜めに延びるライトステー26が接続している。左サイドサポート13には、レフトメンバ24の一端よりも下方で、車両前方で右斜めに延びるレフトステー27が接続している。このライトステー26の他端とレフトステー27の他端との間には、前記フードロックメンバ25と平行で、車両幅方向Yに延びるアッパメンバ28の両端が接続している。このアッパメンバ28は、バンパメンバ22の上方に配設されている。
図2に示すように、アッパメンバ28及びバンパメンバ22の前部には、車両1の前部を覆うフロントバンパ29が取り付けられる。このフロントバンパ29の上部に連設してアッパメンバ28に支持された上部グルリ部30には、上部開口31が形成されている。また、フロントバンパ29の下部に連設してバンパメンバ22に支持された下部グルリ部32には、下部開口33が形成されている。
エンジン3は、車両幅方向Yの右側に配置された過給機34を備える。この過給機34は、エアクリーナ35から空気吸入配管36によって導かれた吸入空気を過給してエンジン3に供給する。エアクリーナ35は、右サスペンションタワー6の車両前方でエンジンルーム2内の上部に配設される。
また、車両1の前部には、インタークーラ37と、このインタークーラ37よりも車両後方でラジエータ38とが配設される。
インタークーラ37は、中央部位でコア部39を備えるとともに車両幅方向Yの両端部でこのコア部39と一体的な右タンク部(入口側タンク部)40と左タンク部(出口側タンク部)41とを備えている。
インタークーラ37は、車両前後方向Xがフロントバンパ29と右サイドサポート12・左サイドサポート13とに挟まれ且つ車両上下方向で右クラッシュボックス14・左クラッシュボックス18よりも上方の空間に、車両幅方向Yに延びて配設される。
また、インタークーラ37は、図6、図7の正面視においてアッパメンバ28とバンパメンバ22との間に配設されるとともに、図1の平面視においてバンパメンバ22とフードロックメンバ25との間で、車両前方からの走行風を受け入れ易くする位置に配設されている。
図4に示すように、インタークーラ37の右タンク部40の後面には、車両後方に延びるインタークーラ入口配管42が接続している。このインタークーラ入口配管42は、過給機34で過給された高温の吸入空気をインタクーラ37の右タンク部40に導くものであり、右サイドサポート12に形成した右貫通孔43を通して車両前後方向Xに延出する。
インタークーラ37の右タンク部40は、上下2箇所に取り付けた右側上部ブラケット44と右側下部ブラケット45とを介して車体11に支持される。
この場合、右側上部ブラケット44の一端部は、右クラッシュボックス14の右外側部15に固定されている。右側上部ブラケット44の他端部は、右タンク部40の上部の右タンク接続部46に振動の伝達を抑制する右側上部マウントゴム47を介して固定される。
また、右側下部ブラケット45は、右クラッシュボックス14の右上面壁16に固定されている。この右側下部ブラケット45には、右タンク部40の下部に取り付けた右支持ブラケット48が振動の伝達を抑制する右側下部マウントゴム49を介して固定されている。
図5に示すように、インタークーラ37の左タンク部41の後面には、車両後方に延びるインタークーラ出口配管50が接続している。このインタークーラ出口配管50は、インタークーラ37で冷却された吸入空気をエンジン3に導くものであり、左サイドサポート13に形成した左貫通孔51を通して車両前後方向Xに延出する。
インタークーラ37の左タンク部41は、上下2箇所に取り付けた左側上部ブラケット52と左側下部ブラケット53とを介して車体11に支持される。
この場合、左側上部ブラケット52の一端部は、左クラッシュボックス18の左外側部19に固定されている。左側上部ブラケット52の他端部は、左タンク部41の上部の左タンク接続部54に振動の伝達を抑制する左側上部マウントゴム55を介して固定される。
また、左側下部ブラケット53は、左クラッシュボックス18の左上面壁20に固定されている。この左側下部ブラケット53には、左タンク部41の下部に取り付けた左支持ブラケット56が振動の伝達を抑制する左側下部マウントゴム57を介して固定されている。
即ち、上記の構造において、インタークーラ37の各タンク部40・41に接続した配管42・50をサイドサポート12・13に形成した貫通孔43・51を通して車両後方へ延出し、且つインタークーラ37を上部ブラケット44・52と下部ブラケット45・53とを介してクラッシュボックス14・18に固定している。
これにより、インタークーラ37を上部ブラケット44・52と下部ブラケット45・53とを介して断面が閉断面である箱状のクラッシュボックス14・18に固定しているので、インタークーラ37をサイドサポート12・13に支持した従来の構造と比べて、インタークーラ37の振動が車体11に伝達することを抑制できる。また、エンジン3が振動の大きいディーゼルエンジンの場合でも、インタークーラ37から車室に伝わる振動を抑制できる。
また、車両1の前部に配設されたフロントバンパ29が車両前方からの衝撃を受けた場合に、クラッシュボックス14・18の変形に伴って上部ブラケット44・52と下部ブラケット45・53とが車両後方に移動する。これに伴って、インタークーラ37を車両後方へ移動させることができる。また、この際、インタークーラ37の配管42・50をサイドサポート12・13に形成した貫通孔43・51を通して車両後方へ移動させ、インタークーラ37の車両後方への移動量を大きくすることができる。
この結果、インタークーラ37から車体11に伝わる振動を低減し、且つフロントバンパ29が車両前方からの衝撃を受けて後退した場合に、フロントバンパ29との衝突からインタークーラ37を保護できる。
また、クラッシュボックス14・18の外側壁15・19をクラッシュボックス14・18の上面壁16・20よりも上方に突出させ、外側壁15・19に突出部17・21を形成し、上部ブラケット44・52をクラッシュボックス14・18の外側壁15・19に固定する一方、下部ブラケット45・53をクラッシュボックス14・18の上面壁16・20に固定した。
このような構造により、上部ブラケット44・52の長さを短縮するとともに上部ブラケット44・52の車両前後方向Xの幅を拡げることができる。これにより、上部ブラケット44・52を車両前後方向Xに変形し難い構造とし、インタークーラ37から車体11に伝わる振動を低減できる。また、上部ブラケット44・52と下部ブラケット45・53を車両前後方向Xに重ならない位置に配設でき、クラッシュボックス14・18の変形時に上部ブラケット44・52と下部ブラケット45・53とが干渉してクラッシュボックス14・18の変形を抑制することが防止できる。従って、フロントバンパ29に車両前方からの衝撃が加わった場合に、インタークーラ37を十分に車両後方へ移動でき、フロントバンパ29との衝突からインタークーラ37を保護することができる。
この発明に係るインタークーラの支持構造を、各種車両に適用することができる。
車両前部の平面図である。 車両前部の右側面図である。 車両前部の斜視図である。 車両前部の右側からの拡大斜視図である。 車両前部の左側からの拡大斜視図である。 車両前部の正面図である。 図6でフロントバンパを取り外した状態の車両前部の正面図である。 従来において車両前部の斜視図である。
符号の説明
1 車両
2 エンジンルーム
3 エンジン
4 右サイドメンバ
5 左サイドメンバ
11 車体
12 右サイドサポート
13 左サイドサポート
14 右クラッシュボックス
15 右外側部
16 右上面部
17 右突出部
18 左クラッシュボックス
19 左外側部
20 左上面部
21 左突出部
22 バンパメンバ
25 フードロックメンバ
28 アッパメンバ
29 フロントバンパ
34 過給機
35 エアクリーナ
37 インタークーラ
39 コア部
40 右タンク部
41 左タンク部
42 インタークーラ入口配管
43 右貫通孔
44 右側上部ブラケット
45 右側下部ブラケット
47 右側上部マウントゴム
48 右側支持ブラケット
49 右側下部マウントゴム
50 インタークーラ出口配管
51 左貫通孔
52 左側上部ブラケット
53 左側下部ブラケット
55 左側上部マウントゴム
56 左側支持ブラケット
57 左側下部マウントゴム

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバの前端部に車両上方へ延びる左右一対のサイドサポートを取り付け、前記サイドサポートを挟んで前記サイドメンバの延長上に断面が箱型のクラッシュボックスを取り付け、このクラッシュボックスの前端部に車両幅方向に延びるバンパメンバを取り付け、車両前後方向をフロントバンパと前記サイドサポートとに挟まれ且つ車両上下方向で前記クラッシュボックスよりも上方の空間に車両幅方向に延びるとともに車両幅方向の両端部に左右一対のタンク部を備えたインタークーラを配設し、このインタークーラの各タンク部を上下2箇所に取り付けた上部ブラケットと下部ブラケットとを介して車両に支持したインタークーラの支持構造において、前記インタークーラの各タンク部に接続した配管を前記サイドサポートに形成した貫通孔を通して車両後方へ延出し、且つ前記インタークーラを前記上部ブラケットと前記下部ブラケットとを介して前記クラッシュボックスに固定したことを特徴とするインタークーラの支持構造。
  2. 前記クラッシュボックスの外側壁を前記クラッシュボックスの上面壁よりも上方に突出させ、前記上部ブラケットを前記クラッシュボックスの外側壁に固定する一方、前記下部ブラケットを前記クラッシュボックスの上面壁に固定したことを特徴とする請求項1に記載のインタークーラの支持構造。
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