以下、この発明による通信端末における通信経過表示方法を、IP電話システムに適用した場合の一実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施形態が適用されるIP電話システムのシステム構成例を示す図である。この図1の例のIP電話システムは、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ1と、ハブ2と、複数台のIP電話機30,31,32,33・・・3n(nは2以上の整数)とからなる。
IP電話機30,31,32,33・・・3nのそれぞれは、この発明による通信端末の実施形態であって、ハブ2に接続されて、LAN(Local Area Network)を構成している。また、ハブ2にはSIPサーバ1が接続され、当該SIPサーバ1もLANに接続されている。SIPサーバ1は、また、IP電話網4に接続されている。
SIPサーバ1は、回線交換装置の例であり、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。SIPサーバ1は、この実施形態のIP電話システムにおいて、複数台のIP電話機30〜3nと、IP網4を通じた相手先とのIP電話通信のための回線交換制御や呼制御を行うと共に、IP電話システム内の複数個のIP電話機30〜3nの間におけるIP電話通信のための回線交換制御や呼制御を行う。SIPサーバ1は、LANに接続されているIP電話機30〜3nのそれぞれやハブ2のLAN上のアドレス(IPアドレス)を記憶して管理する。
この実施形態においては、IP電話機30〜3nのそれぞれは、SIPサーバ1と連携して、通話中の呼の保留、その保留解除および転送が可能となるように構成されている。すなわち、IP電話機30〜3nのそれぞれは、この例では、保留および転送機能を備えており、当該IP電話機で通話中に保留キーを押下すると、その押下操作は保留操作(保留要求操作)となって、後述するようにして通話中回線は、保留状態になり、その保留回線を、保留された呼の回線に対応する回線キーに関わるLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)の例えば点滅表示などにより表示される。そして、当該保留状態で、点滅表示されている回線キーが押下されると、その押下操作は、保留解除要求操作となる。
なお、説明の簡単のため、この例のIP電話システムでは、SIPサーバ1に対して接続されるハブ2は1個としたが、SIPサーバ1に対して複数個のハブを設けても良いし、また、ハブ2の下位に他のハブを接続するようにしても良い。
[IP電話機のハードウエア構成例]
図2に、この実施の形態のIP電話システムにおけるIP電話機30〜3nのハードウエア構成例を示す。IP電話機30〜3nは、同じハードウエア構成を備えるので、図2では、IP電話機30の場合として説明する。この実施の形態のIP電話機30は、図2に示すように、IP電話機本体TEと、ハンドセットHSとからなる。ハンドセットHSは、図示を省略したが、送話器を構成するマイクロホンと、送話アンプと、受話器を構成するスピーカと、受話アンプとを備えている。
IP電話機本体TEは、マイクロコンピュータにより構成されており、CPU(Central Processing Unit)101に対して、システムバス100を介して、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ディスプレイコントローラ104と、LEDドライブ部105と、操作入力インターフェース(図ではインターフェースはI/Fと記載する。以下同じ)106と、LANインターフェース107と、パケット処理部108と、音声データ入出力インターフェース109と、電話帳メモリ110とが接続されている。
ROM102には、IP電話機としての発信時や着信時の処理シーケンスを実行するプログラム、保留要求・保留解除による転送要求入力を受け付け、保留・転送時の処理などを実行するためのプログラム、通信経路表示を実行するためのプログラムなどが記憶されている。
RAM103は、主としてROM102のプログラムがCPU101によって実行される際にワークエリアとして使用される。
ディスプレイコントローラ104には、ディスプレイ112が接続されており、このディスプレイ112の表示画面には、CPU101の制御にしたがった表示が行われる。
また、操作入力インターフェース106には、テンキー、回線ボタンキー、保留キー、カーソルキー、その他の操作キーやフックスイッチ、さらにこの例では回覧発信操作キーを含む操作入力部114が接続されている。CPU101は、操作入力インターフェース106を介して操作入力部114を通じて使用者がいずれの入力キーを操作したかを認識し、その認識結果に基づいて、キー入力操作に応じた処理をROM102のプログラムに従って実行する。
LEDドライブ部105には、回線キーやその他のボタンキー、フックスイッチの状態などに関連した表示を行うための複数個のLEDからなるLED群113が接続されている。
LANインターフェース107は、IPネットワークを構成するLANを通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、LANにパケット化データを送出するための機能を備える。
パケット処理部108は、LANインターフェース107により取り込んだパケット化データを分解して、制御データや音声データを得る機能と、送信する制御データや音声データをパケット化して送出するパケット化データを生成する機能を有する。このパケット処理部108は、パケット化データを分解したり、生成したりするためのバッファメモリを備える。
なお、このパケット処理部108のパケット分解処理機能や生成処理機能は、CPU101が、ROM102に記憶されているプログラムに従って、RAM103をワークエリアとして用いて実行するソフトウエア処理として実現することもできる。
音声データ入出力インターフェース109は、パケット分解されて得られた音声データをアナログ音声信号に変換してハンドセットHSに供給し、また、ハンドセットHSから入力されるアナログ音声信号をデジタル信号に変換して取り込む機能を備える。
電話帳メモリ110には、この実施形態では、相手先の電話番号と、その電話機番号(内線番号など)や氏名などが登録されて記憶保持される。
[通信経路表示方法の例の説明]
この実施形態の通信経路表示方法においては、発呼後の相手応答により、または着呼後の応答操作に基づいて、通話路が生成された後、保留・転送がなされたとき、その保留・転送の経路が次のようにして表示される。
この実施形態の通信経路表示方法が適用される通信シーケンス例を、図3およびその続きである図4に示す。この例は、IP電話機30が、最初の発信元のIP電話機となって、IP電話機31に発呼を行い、その後、IP電話機31が、当該呼の保留要求を出して、当該呼をIP電話機32に転送し、その後、IP電話機32が、当該呼の保留要求を出して、当該呼をIP電話機33に転送し、さらに、その後、IP電話機33が、当該呼の保留要求を出して、当該呼をIP電話機32に転送するようにした場合である。
そして、図5〜図11に、図3および図4のシーケンス例におけるIP電話機30,31,32,33のディスプレイ112の表示画面112Dでの表示例を示す。
なお、この例においては、IP電話機30〜33のそれぞれの電話帳メモリ110には、IP電話機30〜33の全てについての電話帳データが記憶されているものとする。
先ず、この例においては、図3に示すように、IP電話機30の使用者が、IP電話機30の操作入力部114を通じた操作により、発信先として、例えば、電話帳メモリ110からIP電話機31を読み出して指定した発呼操作を行う。発信先の指定は、電話帳メモリ110を用いずに、直接に発信先の電話番号を入力しても良いことは言うまでもない。以下、同様である。
この発呼操作があると、IP電話機30のCPU101は、その操作を検知し、発信先をIP電話機31とした発呼を実行する。
このIP電話機30における発呼は、SIPサーバ1を介して、IP電話機31において着呼となるが、この着呼に対してIP電話機31で使用者により応答操作がなされると、SIPサーバ1を通じて応答メッセージがIP電話機30に送られ、IP電話機30とIP電話機31との間に通話路が生成される。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図5に示す。すなわち、このときには、図5に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、当該IP電話機の電話機名および年月日および時刻表示がなされると共に、通話中となった相手先のIP電話機31を示す表示情報、図の例では、電話機番号「1」が表示される。この電話機番号は、電話番号に対応して電話帳メモリ110に記憶されたものが読み出されて表示情報に変換されたものである。なお、電話帳メモリ110に登録されている相手先の氏名を表示するようにしてももちろん良い。
そして、通話中となった着信を受けたIP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dには、同様にして、相手方であるIP電話機30の電話機番号「0」が表示される。
ここで、IP電話機30およびIP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dの電話機番号には、アンダーラインが付加されているが、これは、表示中の電話機番号の相手と通話中であることを示す表示の例である。
次に、この通話中に、図3の例では、IP電話機31で保留キー操作がなされて、通話中の呼の保留要求がSIPサーバ1に送出される。SIPサーバ1は、この保留要求を受けて、IP電話機30からの呼を保留する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、保留状態となり、IP電話機30の使用者に対しては保留音がハンドセットHSの受話器から放音される。
このとき、IP電話機30は、SIPサーバ1からのメッセージにより、自端末が保留状態になったことを知る。保留音は、IP電話機自身が前記保留状態になったことを知って、自電話機に備えている保留音の発生部から出力するようにすることができる。また、保留要求を出したIP電話機31からの保留音やSIPサーバ1から送られてくる保留音を受け取って、放音出力するようにしてもよい。そして、各IP電話機での保留状態の検知は、この保留音の受信を検知して行うようにしても良い。
次に、このシーケンス例では、IP電話機31の使用者が、保留中の呼をIP電話機32に転送する目的で、その操作入力部114を通じた操作により、発信先としてIP電話機32を指定した発呼操作を行う。
この発呼操作があると、IP電話機31のCPU101は、その操作を検知し、発信先をIP電話機32とした発呼を実行する。このIP電話機31における発呼は、SIPサーバ1を介して、IP電話機32において着呼となるが、この着呼に対してIP電話機32で使用者により応答操作がなされると、SIPサーバ1を通じて応答メッセージがIP電話機31に送られ、IP電話機31とIP電話機32との間に通話路が生成される。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図6に示す。すなわち、このときには、図6に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、通話中であったIP電話機31の電話機番号「1」が表示され続けるが、IP電話機30はIP電話機31と通話中ではなくなったので、電話機番号「1」に付加されていたアンダーラインが消去される。このIP電話機30での表示により、IP電話機30では、IP電話機30からの呼が、保留中、あるいは、IP電話機1からいずれかに転送中であることが分かる。
一方、IP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dでは、通話中であったIP電話機30の電話機番号「0」の下に、新たに通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」が追加表示される。このとき、IP電話機31は、IP電話機30とは通話中ではなくなったので、電話機番号「0」に付加されていたアンダーラインが消去され、その代わりに、通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」にアンダーラインが付加されて、通話中であることを使用者に報知する。
また、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、新たに通話中となったIP電話機31の電話機番号「1」が、通話中であることを示すアンダーラインが付加された状態で表示される。
次に、この実施形態では、IP電話機32の使用者は、保留中の呼を、自分のIP電話機32に転送する目的で、その操作入力部114の保留表示中の回線キーを操作するにより、IP電話機30からの呼の転送要求を行う。
SIPサーバ1は、この転送要求を受けて、IP電話機30からの呼を、IP電話機32に転送する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、IP電話機32に転送され、IP電話機30とIP電話機32とが通話状態になる。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図7に示す。すなわち、このときには、図7に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、最初の通話者であったIP電話機31の電話機番号「1」の下に、新たに通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機30における表示により、IP電話機30では、自電話機30からの呼がIP電話機31からIP電話機32に転送されて、現在、IP電話機32と通話中であることが分かる。
一方、IP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dでは、最初の通話者であったIP電話機30の電話機番号「0」の下に追加表示されていたIP電話機32の電話機番号「2」に付加されていたアンダーラインが、IP電話機31は、IP電話機32とは通話中ではなくなったので、消去される。なお、この例では、最初の発信元のIP電話機を除き、通話中ではなくなったIP電話機の通信経路表示は、通話中ではなくなってから所定時間経過後に消去されるように構成されている。
このIP電話機31における表示により、IP電話機31では、IP電話機30からの呼が、自IP電話機31からIP電話機32に転送されていることが分かる。
さらに、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、通話中であったIP電話機31の電話機番号「1」に付加されていたアンダーラインが、IP電話機31と通話中ではなくなったので、消去される。そして、新たに通話中となったIP電話機30の電話機番号「0」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機32における表示により、IP電話機32では、IP電話機31から転送されてきたIP電話機30の呼が、自IP電話機32に接続されて通話中であることが分かる。
次に、この通話中に、このシーケンス例では、呼をIP電話機33に転送する目的で、IP電話機32で、先ず、保留キー操作がなされて、通話中の呼の保留要求がSIPサーバ1に送出される。SIPサーバ1は、この保留要求を受けて、IP電話機30からの呼を保留する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、保留状態となり、IP電話機30の使用者に対しては保留音がハンドセットHSの受話器から放音される。
次に、このシーケンス例では、IP電話機32の使用者が、保留中の呼をIP電話機33に転送する目的で、その操作入力部114を通じた操作により、発信先としてIP電話機33を指定した発呼操作を行う。
この発呼操作があると、IP電話機32のCPU101は、その操作を検知し、発信先をIP電話機33とした発呼を実行する。このIP電話機32における発呼は、SIPサーバ1を介して、IP電話機33において着呼となる。そして、図4に示すように、この着呼に対してIP電話機33で使用者により応答操作がなされると、SIPサーバ1を通じて応答メッセージがIP電話機32に送られ、IP電話機32とIP電話機33との間に通話路が生成される。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図8に示す。すなわち、このときには、図8に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、それまで通話中であったIP電話機32の電話機番号「2」のアンダーラインが、IP電話機30はIP電話機32と通話中ではなくなったので、消去される。このIP電話機30での表示により、IP電話機30では、IP電話機30からの呼が、IP電話機31からIP電話機32に転送され、その後、保留中、あるいは、IP電話機32からいずれかに転送中であることが分かる。
また、IP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dの通信経過表示は、通話状態で無くなってから所定時間経過により、消去されている。
また、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、通話中であったIP電話機30の電話機番号「0」の下に、新たに通話中となったIP電話機33の電話機番号「3」が追加表示される。このとき、IP電話機32は、IP電話機30とは通話中ではなくなったので、電話機番号「0」に付加されていたアンダーラインが消去され、その代わりに、通話中となったIP電話機33の電話機番号「3」にアンダーラインが付加されて、通話中であることを使用者に報知する。
このIP電話機32での表示により、IP電話機32では、IP電話機1から転送されてきた呼に接続してIP電話機30と通話し、その後、その呼をIP電話機33への転送のための通話中であることが分かる。
また、IP電話機33のディスプレイ112の表示画面112Dでは、新たに通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」が、通話中であることを示すアンダーラインが付加された状態で表示される。
次に、このシーケンス例においては、保留中の呼を、自分のIP電話機33に転送する目的で、その操作入力部114の保留表示中の回線キーを操作するにより、IP電話機30からの呼の転送要求を行う。
SIPサーバ1は、この転送要求を受けて、IP電話機30からの呼を、IP電話機33に転送する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、IP電話機33に転送され、IP電話機30とIP電話機33とが通話状態になる。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図9に示す。すなわち、このときには、図9に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、最初の通話者であったIP電話機31の電話機番号「1」の下に、次の通話者であったIP電話機32の電話機番号「2」が表示され、さらに、新たに通話中となったIP電話機33の電話機番号「3」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機30における表示により、IP電話機30では、自電話機30からの呼がIP電話機31からIP電話機32に転送されて、さらに、IP電話機32からIP電話機33に転送され、現在、IP電話機33と通話中であることが分かる。
また、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、それまで通話中であったIP電話機33の電話機番号「3」の付加されていたアンダーラインが、IP電話機32は、IP電話機33とは通話中ではなくなったので、消去される。
このIP電話機32における表示により、IP電話機32では、IP電話機1から転送されてきたIP電話機30の呼に接続して、IP電話機30と通話した後、その呼をIP電話機33に転送したことが分かる。
さらに、IP電話機33のディスプレイ112の表示画面112Dでは、通話中であったIP電話機32の電話機番号「2」に付加されていたアンダーラインが、IP電話機32と通話中ではなくなったので、消去される。そして、新たに通話中となったIP電話機30の電話機番号「0」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機33における表示により、IP電話機33では、IP電話機32から転送されてきたIP電話機30の呼が、自IP電話機33に接続されて通話中であることが分かる。
次に、この通話中に、このシーケンス例では、図4に示すように、呼をIP電話機32に転送して戻す目的で、IP電話機33で、先ず、保留キー操作がなされて、通話中の呼の保留要求がSIPサーバ1に送出される。SIPサーバ1は、この保留要求を受けて、IP電話機30からの呼を保留する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、保留状態となり、IP電話機30の使用者に対しては保留音がハンドセットHSの受話器から放音される。
次に、このシーケンス例では、IP電話機33の使用者が、保留中の呼をIP電話機32に転送する目的で、その操作入力部114を通じた操作により、発信先としてIP電話機32を指定した発呼操作を行う。
この発呼操作があると、IP電話機33のCPU101は、その操作を検知し、発信先をIP電話機32とした発呼を実行する。このIP電話機33における発呼は、SIPサーバ1を介して、IP電話機32において着呼となる。そして、図4に示すように、この着呼に対してIP電話機32で使用者により応答操作がなされると、SIPサーバ1を通じて応答メッセージがIP電話機33に送られ、IP電話機33とIP電話機32との間に通話路が再生成される。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図10に示す。すなわち、このときには、図10に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、それまで通話中であったIP電話機32の電話機番号「3」のアンダーラインが、IP電話機30はIP電話機33と通話中ではなくなったので、消去される。
このIP電話機30での表示により、IP電話機30では、IP電話機30からの呼が、IP電話機31からIP電話機32に転送され、さらに、IP電話機32からIP電話機33に転送され、その後、保留中、あるいは、IP電話機33からいずれかに転送中であることが分かる。
また、IP電話機31のディスプレイ112の表示画面112Dの通信経過表示は、通話状態で無くなってから所定時間経過により、消去されている。
また、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、新たに通話中となったIP電話機33の電話機番号「3」が、前回通話中であった電話機番号「3」の下に、アンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機32での表示により、IP電話機32では、IP電話機1から転送されてきた呼に接続してIP電話機30と通話し、その後、その呼をIP電話機33への転送し、さらに、IP電話機33から転送されてきたことが分かる。
また、IP電話機33のディスプレイ112の表示画面112Dでは、新たに通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」が、前回通話中であった電話機番号「0」の下に、通話中であることを示すアンダーラインが付加された状態で表示される。
このIP電話機33での表示により、IP電話機33では、IP電話機2から転送されてきた呼に接続してIP電話機30と通話し、その後、その呼をIP電話機32への転送のための通話中であることが分かる。
次に、このシーケンス例においては、保留中の呼を、自分のIP電話機32に転送する目的で、その操作入力部114の保留表示中の回線キーを操作するにより、IP電話機30からの呼の転送要求を行う。
SIPサーバ1は、この転送要求を受けて、IP電話機30からの呼を、IP電話機32に転送する呼制御を実行し、これにより、IP電話機30からの呼は、IP電話機32に転送され、IP電話機30とIP電話機32とが通話状態になる。
この状態における各IP電話機30〜33の表示画面112Dにおける表示例を図11に示す。すなわち、このときには、図11に示すように、IP電話機30のディスプレイ112の表示画面112Dには、最初の通話者であったIP電話機31の電話機番号「1」の下に、次の通話者であったIP電話機32の電話機番号「2」が表示され、その下に、次の通話者であったIP電話機33の電話機番号「3」が表示され、さらに、その下に、新たに通話中となったIP電話機32の電話機番号「2」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機30における表示により、IP電話機30では、自電話機30からの呼が、IP電話機31からIP電話機32に転送されて、次に、IP電話機32からIP電話機33に転送され、さらに、IP電話機33からIP電話機32に転送され、現在、IP電話機32に接続されて通話中であることが分かる。
また、IP電話機32のディスプレイ112の表示画面112Dでは、それまで通話中であったIP電話機33の電話機番号「3」の付加されていたアンダーラインが、IP電話機32は、IP電話機33とは通話中ではなくなったので、消去される。そして、その下に、新たに通話中となったIP電話機30の電話機番号「0」が、通話中であるアンダーラインが付加された状態で、追加表示される。
このIP電話機32における表示により、IP電話機32では、IP電話機1から転送されてきたIP電話機30の呼に接続して、IP電話機30と通話した後、その呼をIP電話機33に転送し、その後、IP電話機33から転送されてきたことが分かる。
なお、IP電話機31およびIP電話機33のディスプレイ112の表示画面112Dでは、通話中で無くなってから所定時間が経過したので、通信経過表示は消去されている状態を示している。
以上説明したシーケンス例によれば、上述もしたように、IP電話機30からの発呼がどのように転送されて通話されたかが、各IP電話機のディスプレイ112の表示画面112Dにおける通信経過表示から、判断することができる。この例の場合に、IP電話機30〜33のそれぞれにおける通信経過表示と、当該通信経過表示における転送、通話の状態を、図12に示す。
この図12において、通信経過表示の段階[A]は、図5に示した段階の通信経過表示に関するものであり、通信経過表示の段階[B]は、図7に示した段階の通信経過表示に関するものであり、通信経過表示の段階[C]は、図9に示した段階の通信経過表示に関するものであり、通信経過表示の段階[D]は、図11に示した段階の通信経過表示に関するものである。
[IP電話機での通信経過表示処理動作]
<最初の発信元IP電話機での処理動作>
図13および図14に、上述した通信経過表示を実現するための発信元IP電話機の処理ルーチンの例を示す。発信元IP電話機は、上述のシーケンス例では、IP電話機30である。この図13および図14のフローチャートにおける処理ルーチンにおける各ステップは、発信元IP電話機のCPU101が主として実行するものである。
まず、発信元IP電話機のCPU101は、発呼操作がなされたか否か判別し(ステップS1)、発呼操作がなされていないと判別したときには、その他の処理を行う(ステップS2)。
ステップS1で、発呼操作がなされと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、相手が応答したか否か判別し(ステップS3)、相手が応答しなかったと判別したときには、不応答時の処理を行う。
ステップS3で、相手が応答したと判別したときには、SIPサーバ1の介在を受けて、当該相手のIP電話機との間の通話路を生成する(ステップS4)。そして、通話の相手方を示す表示情報、上述の例では、電話機番号を、表示画面に表示すると共に、通話中を示す表示、上述の例では、電話機番号にアンダーラインの付加表示を行う(ステップS5)。
次に、発信元IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1からの保留要求を受信したか否か判別し(ステップS6)、保留要求を受信したと判別したときには、保留状態になる(ステップS7)。このとき、発信元IP電話機のCPU101は、表示画面112Dにおいて、通話中を示す表示、上述の例ではアンダーライン、を消去するようにする。
そして、発信元IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1からの転送要求の受信を待ち(ステップS8)、転送要求を受信したと判別したときには、相手方IP電話機との通話路を生成する(ステップS9)。
そして、発信元IP電話機のCPU101は、通話の相手方を示す表示情報を、表示画面112Dに追加表示する。そして、追加表示した通話の相手方を示す表示情報には、通話中を示す表示も付加する(ステップS10)。そして、ステップS6に戻り、発信元IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1からの保留要求を受信したか否か判別する。
そして、発信元IP電話機のCPU101は、ステップS6で、SIPサーバ1からの保留要求を受信しなかったと判別したときには、保留キーが使用者により操作されたか否か判別し(図14のステップS21)、保留キーは操作されていないと判別したときには、オンフックなどによる終話操作がなされたか判別し(ステップS22)、終話操作があったと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS22で、終話操作もなされていないと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、図13のステップS6に戻り、このステップS6以降の処理を繰り返す。
また、ステップS21で、保留キーが操作されたと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1に対して保留要求を送出し、SIPサーバ1の呼制御を受けて保留状態になる(ステップS23)。このとき、発信元IP電話機のCPU101は、表示画面112Dにおいて、通話中を示す表示、上述の例ではアンダーライン、を消去するようにする。
次に、発信元IP電話機のCPU101は、転送先への発呼操作がなされたか否か判別し(ステップS24)、なされていないと判別したときには、保留解除の操作がなされたか否か判別し(ステップS25)、保留解除の操作がなされていないと判別したときには、ステップS24に戻る。また、ステップS25で、保留解除の操作がなされたと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、保留中の呼の通話路を再生成する(ステップS26)。この自電話機が保留要求して保留中の呼の再生成の再には、既に再生成された通話の相手は表示画面112Dに表示されているので、再度通話中となったことにより、再度、通話中を示す表示、この例ではアンダーラインが表示される。その後、図13のステップS6に戻り、当該ステップS6以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS24で、発呼操作がなされたと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、相手が応答したか否か判別し(ステップS27)、相手が応答しなかったと判別したときには、不応答時の処理を行う。
ステップS27で、相手が応答したと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、当該相手のIP電話機との間の通話路を生成する(ステップS28)。そして、通話の相手方を示す表示情報を、表示画面に追加表示すると共に、当該追加表示した通話の相手方を示す表示情報に関連して通話中を示す表示を行う(ステップS29)。
そして、次に、発信元IP電話機のCPU101は、図13のステップS6に戻り、このステップS6以降の処理を繰り返す。
<着信を受けたIP電話機での処理動作>
図15およびその続きである図16に、発信元IP電話機からの発信の着呼を受けたIP電話機(以下、転送IP電話機という)が、上述した通信経過表示を実現するために実行する処理ルーチンの例を示す。転送IP電話機は、上述のシーケンス例では、IP電話機31〜33である。この図15および図16のフローチャートに示す処理ルーチンにおける各ステップは、転送IP電話機のCPU101が主として実行するものである。
転送IP電話機のCPU101は、着呼を監視し(ステップS31)、着呼を検知しないときには、その他の処理ルーチンに移行する(ステップS32)。そして、ステップS31で、着呼を検知したときには、転送IP電話機のCPU101は、使用者による応答操作があったか否か判別し(ステップS33)、応答操作が無かったと判別したときには、発信側が切断するのを待つなどの不応答時の処理を行う。
ステップS33で、応答操作があったと判別したときには、転送IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1の介在を受けて、相手方のIP電話機との間で通話路を生成する(ステップS34)。このとき、CPU101は、SIPサーバから送られてくる呼設定のためのメッセージから、相手方のIP電話機を検知し、自端末のディスプレイ112の表示画面112Dに、生成された通話路の相手方を示す表示情報、上述の例では、電話機番号を表示すると共に、通話中を示す表示、上述の例では、電話機番号にアンダーラインの付加表示を行う(ステップS35)。
次に、転送IP電話機のCPU101は、保留キーが使用者により操作されたか否か判別し(ステップS36)、保留キーは操作されていないと判別したときには、SIPサーバ1からの保留要求を受信したか否か判別し(図16のステップS52)、SIPサーバからの保留要求も受信していないと判別したときには、オンフックなどによる終話操作がなされたか判別し(ステップS53)、終話操作があったと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。また、ステップS53で、終話操作が無かったと判別したときには、転送IP電話機のCPU101は、図15のステップS36に戻る。
このステップS36で、保留キーが操作されたと判別したときには、発信元IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1に対して保留要求を送出し、SIPサーバ1の呼制御を受けて保留状態になる(ステップS37)。このとき、発信元IP電話機のCPU101は、表示画面112Dにおいて、通話中を示す表示、上述の例ではアンダーライン、を消去するようにする。
次に、転送IP電話機のCPU101は、転送先への発呼操作がなされたか否か判別し(ステップS38)、なされていないと判別したときには、保留解除の操作がなされたか否か判別し(ステップS39)、保留解除の操作がなされていないと判別したときには、ステップS38に戻る。また、ステップS39で、保留解除の操作がなされたと判別したときには、転送IP電話機のCPU101は、保留中の呼の通話路を再生成する(ステップS40)。この自電話機が保留要求して保留中の呼の再生成の再には、既に再生成された通話の相手は表示画面112Dに表示されているので、再度通話中となったことにより、再度、通話中を示す表示、この例ではアンダーラインが表示される。その後、ステップS36に戻り、当該ステップS36以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS38で、発呼操作がなされたと判別したときには、転送IP電話機のCPU101は、相手が応答したか否か判別し(ステップS41)、相手が応答しなかったと判別したときには、不応答時の処理を行う。
ステップS41で、相手が応答したと判別したときには、転送IP電話機のCPU101は、当該相手のIP電話機との間の通話路を生成する(ステップS42)。そして、通話の相手方を示す表示情報を、表示画面に追加表示すると共に、当該追加表示した通話の相手方を示す表示情報に関連して通話中を示す表示を行う(図16のステップS51)。
なお、転送IP電話機のCPU101は、このステップS51で行なった通信経過表示については、この時点からタイマー動作を開始して、自分の転送IP電話機が通話状態にならずに所定時間経過したら、消去するようにする。
次に、転送IP電話機のCPU101は、ステップS52に進み、SIPサーバ1からの保留要求を受信したか否か判別する。そして、このステップS52で、SIPサーバ1からの保留要求を受信したと判別したときには、保留状態になる(ステップS54)。このとき、転送IP電話機のCPU101は、表示画面112Dにおいて、通話中を示す表示、上述の例ではアンダーライン、を消去するようにする。
そして、転送IP電話機のCPU101は、SIPサーバ1からの転送要求の受信を待ち(ステップS55)、転送要求を受信したと判別したときには、相手方IP電話機との通話路を生成する(ステップS56)。
そして、転送IP電話機のCPU101は、通話の相手方を示す表示情報を、表示画面112Dに追加表示する。そして、追加表示した通話の相手方を示す表示情報には、通話中を示す表示も付加する(ステップS57)。転送IP電話機のCPU101は、このステップS57で行なった通信経過表示についても、この時点からタイマー動作を開始して、自分の転送IP電話機が通話状態にならずに所定時間経過したら、消去するようにする。
そして、転送IP電話機のCPU101は、ステップS36に戻り、保留キーが操作されたか否か判別し、このステップS36以降の処理を繰り返すようにする。
[他の実施形態および変形例]
なお、IP電話機のディスプレイ112の表示画面における通話の相手方を示す表示情報および通話中を表わす表示は、前述もしたように、上述の例に限られるものではない。例えば、電話帳メモリに登録されている氏名を、相手方を示す情報として表示画面に表示するようにしても良い。そして、通話中である表示は、当該氏名や電話機番号を点滅させ、通話状態でなくなったら、当該氏名や電話機番号の点滅を終了するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、電話帳メモリに記憶されている情報を、相手方を示す表示情報として用いるようにしたが、電話帳メモリに記憶されていない相手方の場合には、予め定めた所定の記号を表示するようにしても良い。その場合には、相手方は特定できないが、どのような通信経過となっているかを知ることができるので、この発明の所期の目的は達成することができる。
なお、相手方を示す表示情報は、呼設定メッセージから得られるIPアドレスや、端末IDなどを用いて表示するようにしても、もちろん良い。
なお、IP電話システムを構成するIP電話機の全てに、氏名や電話機番号と電話番号、また、IPアドレスとの対応テーブルを予め記憶させておくようにし、その対応テーブルから、子設定メッセージに含まれる情報を検索子として、その対応テーブルから、電話機番号や氏名を取得して、それを相手方を示す表示情報とするようにしても良い。
なお、上述の実施形態は、IP電話システム内のIP電話機間における転送について説明したが、転送メンバーとしては、IP網4を通じて図示を省略したIP電話システム外の電話端末であっても、もちろんよい。
また、上述の実施形態は、この発明が適用される電話システムが、SIPサーバを用いたIP電話通信システムである場合であるが、この発明が適用される電話システムは、IP電話通信システムに限られるものではなく、例えば、回線交換装置としての主装置と、ボタン電話機とからなるボタン電話システムや、その他の種々の電話システムでもよい。
なお、この発明の通信端末は、回線交換装置と共に、保留・転送機能を実現することができる電話機能を備えるものであれば、電話機ではなく、電話機能つきのパーソナルコンピュータなどであっても良い。