JP5051338B2 - ポリエーテル重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエーテル重合体に関し、詳しくは、粉体流動性が高く、効率的に取扱いできて、成形加工生産性に優れたポリエーテル重合体に関する。
ポリエーテル重合体はそれ自体が半導電性であるため、プリンタ、複写機などの電子写真装置用の、帯電、転写、現像等の機能をそれぞれ発現するロールやブレード等に用いられるようになった。また、親水性が高く、かつ抗原性が低いために医療器具等にも使用されている。
これらポリエーテル重合体はアルキレンオキシドを主とする単量体から重合して粒子状の重合体として製造され、搬送・計量・加工のし易さからそのまま粒子状として取り扱われることが多い。しかしながら、従来のポリエーテル重合体は、特に搬送中の静電気などにより粉体流動性が低下し、ホッパーでブリッジやラットホールを形成するなど、搬送トラブルが発生することがあった。
この問題に対して特許文献1は、含液率が10重量%以上であるアルキレンオキシド重合体(ポリエーテル重合体)粒子に1次粒子の平均粒径が0.1mm以下の粒子状添加剤(酸化マグネシウム、シリカなど)を混合することを提案している。しかしながらこの方法は、粒子状添加剤(酸化マグネシウム、シリカなど)をアルキレンオキシド重合体に均一に付着させる工程を新たに要することや、得られた調製品がその添加剤を拒まない用途に限られる問題がある。
特開2002−20495号公報
本発明の目的は、粉体流動性に優れたポリエーテル重合体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、特定の粒径分布を備えたポリエーテル重合体により上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、以下の1〜4の発明が提供される。
1. 直径が355μm未満の粒子の割合が40重量%未満であり、355μm以上の粒子のメジアン径が500〜2,000μmであるポリエーテル重合体。
2. 前記ポリエーテル重合体の組成が、エチレンオキシド単量体単位30〜95モル%及びエチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体単位70〜5モル%である前記1記載のポリエーテル重合体。
3. 前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体単位が、架橋性オキシラン単量体単位を含み、その含有量が、ポリエーテル重合体中5〜35モル%である前記2記載のポリエーテル重合体。
4. 前記1〜3のいずれかに記載のポリエーテル重合体の製造方法であって、
エチレンオキシド単量体(a0)を、有機金属触媒を用いて重合を開始する工程(A)と、
前記工程(A)で得られたエチレンオキシド重合体の存在下で、
エチレンオキシド単量体(a1)と、
重合溶媒に可溶な重合体を与え、且つ、前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体(b1)と、
からなる単量体混合物を重合する工程(B)と、を含み、
有機金属触媒の金属原子のモル数に対する、単量体(a0)の重量が160〜350g/モルでり、且つ、単量体(a1)と単量体(b1)との合計重量が1〜250g/モルである、ポリエーテル重合体の製造方法。
本発明により、粉体流動性に優れたポリエーテル重合体が提供される。
本発明のポリエーテル重合体は、直径が355μm未満の粒子の割合が40重量%未満であり、355μm以上の粒子のメジアン径が500〜2,000μmであることを特徴とするものである。
ポリエーテル重合体は、オキシラン単量体を開環重合してなるオキシアルキレン繰り返し単位を主構造単位とする重合体である。オキシラン単量体の種類は特に限定されないが、少なくともその一成分として、エチレンオキシドを用い、これと共重合可能なその他のオキシラン単量体との共重合体であると、得られるポリエーテル重合体の機械的強度が大きくなるので好ましい。
本発明のポリエーテル重合体中のエチレンオキシド単量体単位の含有量は、30〜95モル%が好ましく、50〜89.9モル%がより好ましい。
エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体としては、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、芳香族ビニル化合物のオキシド、これらのオキシラン単量体に架橋性基を導入した架橋性オキシラン単量体、ハロゲン原子を有するオキシラン単量体(エピハロヒドリン)などが挙げられる。
これらの、エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体は、1種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、本発明においては、上記の炭素数3〜20のアルキレンオキシド又は/及び架橋性オキシラン単量体などを用いるのが好ましい。
炭素数3〜20のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ−イソブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサンなどの鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどのシクロアルキレンオキシド;などが挙げられる。これらの中でも、鎖状アルキレンオキシドが好ましく、重合反応性の高いプロピレンオキシド及び1,2−エポキシブタンがより好ましい。
また、架橋性オキシラン単量体としては、加熱や活性放射線照射などにより架橋構造を形成し得る官能基を有するオキシラン単量体が挙げられる。
架橋性オキシラン単量体としては、ハロゲン基またはビニル基を有するエポキシ化合物などが挙げられる。ハロゲン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンなどのハロゲン化アルキレンオキシド;p−クロロスチレンオキシド;ジブロモフェニルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
また、ビニル基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエンまたはポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;などが挙げられる。
架橋性オキシラン単量体は一種類のみを用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ハロゲン化アルキレンオキシド及びエチレン性不飽和グリシジルエーテルが好ましく、エピクロロヒドリン及びアリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
本発明のポリエーテル重合体中の架橋性オキシラン単量体単位の含有量は5〜35モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
本発明のポリエーテル重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、100℃において、好ましくは40〜160、より好ましくは50〜150、特に好ましくは60〜140である。ムーニー粘度が低すぎると架橋物の機械的強度や耐摩耗性が低下したり、圧縮永久歪みが大きくなりすぎたりするおそれがある。逆に、高すぎると架橋性重合体組成物の成形加工が困難になって架橋物の寸法安定性が低下する可能性がある。
本発明のポリエーテル重合体の形態は、粉体流動性を良好なものするために、小粒径粒子が多くないことが好ましい。そのため、直径335μm未満の粒子の割合は40重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%未満である。
また、粉体流動性が良好であるためには、前記小粒径粒子以外の大きい粒子の粒径分布が適切な範囲にある必要がある。すなわち、直径355μm以上の粒子のメジアン径(累積粒径分布の50重量%に相当する粒径)は500〜2,000μm、好ましくは520〜1,500μm、より好ましくは550〜1,000μmである。該メジアン径が小さすぎると粉体流動性が低下して、ふるいの際に目詰まりしたり、ホッパーでブリッジ形成したりするおそれがあり、逆に、大きすぎてもふるいの際に目詰まりを起こす可能性がある。
本発明のポリエーテル重合体を製造する方法としては、上記の粒径分布の要件を満たす粒子を製造する方法であれば限定されないが、
エチレンオキシド単量体(a0)を、有機金属触媒を用いて重合を開始する工程(A)と、
前記工程(A)で得られたエチレンオキシド重合体の存在下で、
エチレンオキシド単量体(a1)と、
重合溶媒に可溶な重合体を与え、且つ、前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体(b1)と、
からなる単量体混合物を重合する工程(B)と、を含み、
有機金属触媒の金属原子のモル数(c)に対する、単量体(a0)の重量の比率が160〜350g/モルでり、且つ、単量体(a1)と単量体(b1)との合計重量の比率が1〜250g/モルであることが好ましい。
本発明のポリエーテル重合体を製造するための重合触媒としては、オキシラン単量体を開環重合することができる有機金属触媒であれば、特に限定されず、例えば、有機アルミニウムに水とアセチルアセトンとを反応させた触媒(特公昭35−15797号公報)、トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンとを反応させた触媒(特公昭46−27534号公報)、トリイソブチルアルミニウムにジアザビアシクロウンデセンの有機酸塩とリン酸とを反応させた触媒(特公昭56−51171号公報)、アルミニウムアルコキサイドの部分加水分解物と有機亜鉛化合物とからなる触媒(特公昭43−2945号公報)、有機亜鉛化合物と多価アルコールとからなる触媒(特公昭45−7751号公報)、ジアルキル亜鉛と水とからなる触媒(特公昭36−3394号公報)などの、従来公知の重合触媒を用いることができる。
本発明においては、上記触媒のいずれを用いることもできるが、有機アルミニウムにリン酸を反応させた、有機アルミニウム触媒を用いた場合が重合活性が高いので好ましい。
重合溶媒は、重合触媒を失活させないものであれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;などが用いられる。
重合方法としては、溶液重合法または溶媒スラリー重合法などを用いることができるが、本発明では前記重合溶媒を用いた溶媒スラリー重合法を用いることが好ましい。
エチレンオキシド単量体(a0)を、有機金属触媒を用いて重合を開始する工程(A)においては、エチレンオキシド単量体と、有機金属触媒とを混合することにより重合が開始され、溶媒に不溶な重合体粒子を生成する。前記単量体と有機金属触媒との混合方法は、均一に混合されれば特に限定されない。エチレンオキサイド単量体(a0)の重合条件は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜50℃の温度で、3〜30分重合させればよい。
工程Aにおける、有機金属触媒の金属原子のモル数(c)に対する、エチレンオキシド単量体(a0)の重量の比率は170〜330g/モルがより好ましく、190〜310g/モルが特に好ましい。エチレンオキシド単量体が少なすぎると生成するポリエーテル重合体の粒子径分布が本願規定の範囲よりも小さくなり、逆に多すぎると粒子が凝集してしまう。
また、工程(A)に次いで実施する、工程(B)は、前記工程(A)で得られたエチレンオキシド重合体の存在下で、
エチレンオキシド単量体(a1)と、
重合溶媒に可溶な重合体を与え、且つ、前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体(b1)と、
からなる単量体混合物を重合する。
工程(B)において、重合溶媒に不溶な重合体を与える単量体であるエチレンオキシド単量体(a1)と、重合溶媒に可溶な重合体を与える単量体(b1)とを、前記工程(A)で得られた重合体の存在下で重合することにより、重合溶剤に不溶で、且つ安定な重合体粒子を形成することができ、重合缶への重合体の付着を防止することができる。ここで、重合溶媒に可溶な重合体を与える単量体(B1)としては、重合溶媒として鎖状飽和炭化水素または脂環式炭化水素を用いる場合には、前記オキシラン単量体のなかでも、エチレンオキシド単量体とハロゲン基含有単量体以外の単量体を用いることができる。即ち、ハロゲン基を含まない、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、芳香族ビニル化合物のオキシド、およびビニル基を有するエポキシ化合物などを用いることができる。
重合する単量体混合物を構成する、単量体(a1)と、単量体(b1)との比率は、重合時の安定性を考慮して適宜設定することができるが、15/85〜85/15であることが好ましい。単量体(a1)が多すぎると粒子が凝集する傾向にあり、逆に単量体(b1)が多すぎると微細粒子が生成して、ポリエーテル重合体の粒子径分布が本願規定の範囲を外れる場合がある。
また、工程(B)において、工程(A)で得られたエチレンオキシド重合体と、単量体混合物とを混合する方法は特に限定されないが、重合安定性に優れる点で、エチレンオキシド重合体の存在下に、前記単量体混合物を添加する方法が好ましい。
工程(B)において重合する、単量体(a1)と単量体(b1)との合計重量は、有機金属触媒の金属原子のモル数に対する比率は、20〜220g/モルが好ましく、40〜200g/モルがより好ましい。
さらに、前記工程(A)及び工程(B)で得られた重合体粒子に、オキシラン単量体を仕込んで、前記オキシラン単量体を重合する工程(C)を有することにより本発明のポリエーテル重合体を得ることができる。
工程(C)において用いられるオキシラン単量体の組成は、目的とするポリエーテル重合体の組成によって適宜選定することができる。
本発明のポリエーテル重合体の重合には活性水素を有しないルイス塩基の存在下でオキシラン基の重合を行なうことが好ましい。前記活性水素を有しないルイス塩基としては、具体的には、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、等が挙げられる。
工程(C)における重合温度は、好ましくは0〜100℃、好ましくは10〜90℃、特に好ましくは20〜80℃である。工程(C)で用いる単量体の添加方法は、通常、重合反応全体にわたって連続または断続的に添加される。その際、分散媒である有機溶媒も混合して追加されることが好ましい。工程(C)で用いる単量体の量と、重合触媒である有機金属触媒の金属原子のモル数と、の比(重量/モル)は、好ましくは6000〜15000g/モル、より好ましくは7000〜13000g/モル、特に好ましくは8000〜12000g/モルである。この値が小さすぎると重合体中の触媒残渣が増大するおそれがあり、逆に、大きすぎると未反応単量体が増大する可能性がある。
ポリエーテル重合体が上記のようにスラリー重合法で重合される場合、重合終了後、反応混合物に水、アルコールなどの重合停止剤、更には老化防止剤を添加し、ろ過および乾燥を行うことにより、本発明の要件を具備した粉末が容易に製造される。有機分散媒のスラリーのろ過、および、有機液体によるウエットケーキの乾燥は、それぞれ公知の方法によれば良い。
本発明のポリエーテル重合体は、重合体自体の粉体流動性が優れる。そのため、バッグ内、ホッパ内など、移送中での詰まりによる生産性の低下を防止できる。また、加工時においても充填剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、スコーチ防止剤、補強材、光安定剤、可塑剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの各種配合剤のポリエーテル重合体への均一混合性に優れる。
本発明で得られたポリエーテル重合体は吸水性を利用した水膨潤性重合体や半導電性を利用したプリンターや複写機などの電子写真装置に使用される半導電性ゴム部材、電池、キャパシタ、コンデンサ等に用いられる高分子電解質フィルムとして有用である。特に半導電性ゴム部材として用いる場合は、架橋性重合体組成物を架橋して架橋物として用いることが好ましい。その為、本発明では架橋性オキシラン単量体を共重合させたポリエーテル重合体を用いることが好ましい。
以下に実施例、比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。以下において「部」は特に断りのない限り重量基準である。また、各特性の評価、試験は、下記によった。
(1)ポリマ組成
ポリエーテル重合体の組成はプロトンNMRで測定した。
(2)直径355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径
JIS K0069に準じてポリエーテル重合体の粒径分布を測定した。篩は、JIS Z8801に規定する網篩で、篩枠の内径寸法が75mm、目開きがそれぞれ0.355、0.5、0.71、1、1.4および2mmの篩を使用した。すなわち、目開き大の篩を上段になるように篩を重ね、最上段の篩上にポリエーテル重合体粉末3gを置いて蓋をし、粉末が落ちきるまで十分に篩う(5分程度)。次いで、各篩上の粉末の重量を測定した。これにより直径が355μm未満の粒子の割合および355μm以上の粒子のメジアン径を求めた。
(3)粉体流動性
丸穴直径5mmのステンレス製板篩付き振動ふるい機(KGO−500−1D、興和工業所製)を用い、単位時間当たりの最大ふるい量を測定した。この値が大きいほど粉体流動性に優れる。
(実施例1)
攪拌機付きオートクレーブを窒素置換して、トリイソブチルアルミニウム9.2部、トルエン40部及びジエチルエーテル17.2部を仕込んだ。内温を30℃に設定し、攪拌しながら正リン酸1.36部を徐々に添加し、次いでトリエチルアミン0.469部を添加した後、内温を60℃に上げ、2時間熟成して触媒溶液を得た。
前記と別の攪拌機付きオートクレーブを窒素置換して、n−ヘキサン1,300部と前記で調製した触媒溶液全量を仕込んだ。内温を35℃に設定して、攪拌しながら、最初にエチレンオキシド12部を添加し30分間反応させ〔工程(A)〕、次いで、エチレンオキシド4部とプロピレンオキシド4部の混合物を添加し、30分間重合した〔工程(B)〕。
内温を60℃に上げ、エチレンオキシド291.6部、プロピレンオキシド4.41部およびアリルグリシジルエーテル104.1部、並びに、分散溶媒n−ヘキサン300部からなる混合溶液を5時間かけて連続的に添加した。また、アセトニトリル8部をエチレンオキサイド添加開始と同時に30分かけて添加した。添加終了後、さらに1時間重合を続行した結果、重合反応率は99%であった〔工程(C)〕。得られたスラリーに4,4′−チオビス(6−t−ブチル−クレゾール)の5%トルエン溶液40部を添加した。次いで遠心分離機にて溶剤を分離し、粒子状の重合体を得、これを30℃で真空乾燥して粉体状のポリエーテル重合体を得た。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマ―組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(実施例2)
工程(C)において、エチレンオキシド255.2部とし、プロピレンオキシド21部とし、アリルグリシジルエーテル123.8部とした他は実施例1と同様に重合を行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(実施例3)
工程(B)において、エチレンオキシド10部とした他は、実施例1と同様に重合した。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(実施例4)
攪拌機付きオートクレーブを窒素置換して、トリイソブチルアルミニウム8.4部、トルエン36.52部及びジエチルエーテル15.7部を仕込んだ。内温を30℃に設定し、攪拌しながら正リン酸1.24部を徐々に添加し、次いでトリエチルアミン0.428部を添加した後、内温を60℃に上げ、2時間熟成反応して触媒溶液を得た。以降重合反応は実施例1と同様にして行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(実施例5)
工程(B)において、エチレンオキシド2.2部、プロピレンオキシド2.2部とした以外は実施例2と同様にして行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(比較例1)
工程(A)において、初期仕込みエチレンオキシド6部とし、工程(B)でエチレンオキシド6部、プロピレンオキシド6部とした他は実施例1と同様にして行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(比較例2)
工程(A)において、エチレンオキシド6部とし、工程(B)でエチレンオキシド6部、プロピレンオキシド6部とした他は実施例2と同様に重合を行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
(比較例3)
工程(A)において、エチレンオキシド6部とした他は実施例1と同様に重合を行った。重合反応率は99%であった。
得られたポリエーテル重合体につき、ポリマー組成、355μm未満の粒子の割合、355μm以上の粒子のメジアン径および最大ふるい量を試験、評価した結果を表1に記す。
Figure 0005051338
表1が示すように、直径355μm未満の粒子の割合が40重量%未満で、355μm以上の粒子のメジアン径が500〜2,000μmであるポリエーテル重合体は、最大ふるい量が多くて粉体流動性に優れるものだった(実施例1〜5)。
一方、直径355μm未満の粒子の割合は40重量%未満であっても355μm以上の粒子のメジアン径が500μm未満であると、最大ふるい量が少なくて粉体流動性に劣るものだった(比較例1〜3)。

Claims (4)

  1. 直径が355μm未満の粒子の割合が40重量%未満であり、355μm以上の粒子のメジアン径が500〜2,000μmであるポリエーテル重合体の製造方法であって、
    エチレンオキシド単量体(a0)を、有機金属触媒を用いて重合を開始する工程(A)と、
    前記工程(A)で得られたエチレンオキシド重合体の存在下で、
    エチレンオキシド単量体(a1)と、
    重合溶媒としての鎖状飽和炭化水素または脂環式炭化水素に可溶な重合体を与え、且つ、前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体(b1)と、
    からなる単量体混合物を重合する工程(B)と、を含み、
    有機金属触媒の金属原子のモル数に対する、
    単量体(a0)の重量の比率が160〜350g/モルであり、且つ、
    単量体(a1)と単量体(b1)との合計重量の比率が1〜250g/モルである、
    ポリエーテル重合体の製造方法。
  2. さらに、前記工程(A)及び工程(B)で得られた重合体粒子に、オキシラン単量体を仕込んで、前記オキシラン単量体を重合する工程(C)を有する、請求項1記載のポリエーテル重合体の製造方法。
  3. 前記ポリエーテル重合体の組成が、エチレンオキシド単量体単位30〜95モル%及びエチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体単位70〜5モル%である請求項1又は2記載のポリエーテル重合体の製造方法
  4. 前記エチレンオキシド単量体と共重合可能なその他のオキシラン単量体単位が、架橋性オキシラン単量体単位を含み、その含有量が、ポリエーテル重合体中5〜35モル%である請求項記載のポリエーテル重合体の製造方法
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