JP5050773B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0472Controlling the motor for damping vibrations

Description

本発明は車輪の回転速度の変動に起因した車両の振動を抑制する車両制御装置に関する。
例えば特許文献1に開示された装置は、車輪の回転速度に応じた車輪回転速度信号から、車輪の1回転中における車輪の回転速度の変動値であるタイヤユニフォーミティ成分を算出し、このタイヤユニフォーミティ成分に基づいて、タイヤの空気圧状態判定、磨耗判定、及びスタンディングウェーブ判定などを行う。
特開平8−132831号公報
ここで、タイヤユニフォーミティ成分について、簡単に説明する。
タイヤは、ゴムやスチールワイヤ等を巻いて製造され、真円に近いが完全な真円ではない。また、タイヤ1周の強度や密度にはアンバランス(ユニフォーミティの崩れ)が存在する。そのため、例えば各車輪のホイールに重量バランサなどを取り付けて、各車輪の重量重心のバランスを調整している。
しかしながら、重量バランサが取り付けられた場合であっても、円周上の重量分布が完全に均一化するわけではない。そのため、車両が見かけ上、一定速度で走行している場合であっても、タイヤの重量分布の不均一さなどにより各車輪の車輪速度には微小な変動が生じる。これが、タイヤユニフォーミティ成分が生じる原因である。この車輪速度の変動は、車輪の一回転を一周期として、最大値と最小値とを有する正弦波に近い時間波形となる。
このような車輪速度の変動の周期は、左右輪間で常に一定の位相関係に保たれているわけではなく、車両の旋回や加減速、路面からの外乱などにより、その位相関係が変化する。例えば、左右輪の車輪速度の変動周期は、同位相になる場合もあれば、逆位相になる場合もある。
そして、車両が旋回しているときに、左右輪の車輪速度の変動周期が逆位相になった場合、左輪の回転速度が右輪の回転速度よりも大きいときには、車体を左から右に回転させる力が作用し、左輪の回転速度が右輪の回転速度よりも小さいときには、車体を右から左に回転させる力が作用する。従って、この場合、車体を左から右あるいは右から左に回転させる力が、上述した車輪速度の変動周期と同期して向きをかえながら、車体に作用することになる。
このとき、車両の両前輪には、タイロッドやナックルアーム等を介して、旋回のため、所望の角度に転舵するための力が作用している。上述した左右輪の車輪速度の変動によって、車体を左右方向に回転させる力は、車両の両前輪を転舵している力に対抗するものである。このような対抗する力が、タイヤを含むステアリングシステムに作用すると、ステアリングシステム、ひいては車体に微小な振動を発生させる。
また、左右輪の車輪速度の変動周期が同位相である場合であっても、車両が旋回中であると、車体に、微小な振動が発生する場合がある。左右輪の車輪速度の変動周期が同位相であるとき、基本的には、車体の前後方向において、微小な速度変動が生じる。このとき、車両が旋回中であると、その前後方向の速度変動により、上述した車体を左右方向に回転させる力が発生する。このため、両前輪を転舵している力との対抗状態が発生して、ステアリングシステムや車体に微小な振動を発生させる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、左右前輪の車輪速度の振動成分(タイヤユニフォーミティ成分)の相違などによって、車体などに発生する振動を抑制することが可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両制御装置は、
車両の左右前輪の回転速度に応じた車輪速度信号をそれぞれ生成する速度信号生成手段と、
速度信号生成手段がそれぞれ生成する左右前輪の車輪速度信号に重畳した、車輪一回転を一周期とする正弦波状の振動成分を抽出する抽出手段と、
車両が旋回中であるか否かを検出する旋回検出手段と、
旋回検出手段によって車両が旋回中であることが検出されたとき、抽出手段によって抽出された車両の左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分に基づいて、当該正弦波状振動成分によって車両の横方向に作用する力と同じ方向となる作用力を、前輪の転舵方向に作用させて、車両に発生する振動を抑制する制御手段と、を備えることを特徴とする。
このように、請求項1の車両制御装置では、車両が旋回しているとき、左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分(タイヤユニフォーミティ成分)に基づいて、それらの正弦波状振動成分によって車両の横方向に力が作用する場合には、その力と同じ方向となる作用力を前輪の転舵方向に作用させる。これにより、正弦波状振動成分によって車両の横方向に作用する力が、前輪を転舵している力と真っ向から対抗するのではなく、いわば、正弦波状振動成分によって車両の横方向に作用する力をいなすように、前輪を転舵している力を変化させることができる。この結果、両方の力が対抗する状態が避けられるので、車体などに発生する振動を抑制することができる。
請求項2に記載したように、制御手段は、車両の左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の位相のずれ及び/又は大きさの相違に基づいて、前輪の転舵方向に作用する作用力を調整することが好ましい。正弦波状振動成分により車体の横方向に作用する力は、左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の位相のずれ及び/又は大きさの相違に応じて変化するためである。
請求項3に記載したように、車両制御装置は、ドライバがステアリングホイールを操舵することによって車両の左右前輪の転舵方向を変化させるとき、ステアリングホイールに対する操舵力をアシストするために、前輪の転舵方向に作用する作用力を発生する電動パワーステアリング装置に組み込まれていることが好ましい。この場合、電動パワーステアリング装置が本来備えているアシスト力の調整機能を利用して、容易に、前輪の転舵方向に作用する作用力を発生することができる。
請求項4に記載したように、電動パワーステアリング装置は、車両の走行速度と、ステアリングホイールに対するドライバの操舵力とに基づいて、アシストを行うための基本作用力を算出し、制御手段は、ステアリングホールに対してドライバの操舵力が作用して、車両が旋回しているとき、少なくとも、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれに基づいて基本作用力を補正することにより、前輪の転舵方向に作用する作用力を調整することが好ましい。これにより、電動パワーステアリング装置を用いて、運転者のステアリング操作のアシスト制御と、左右前輪のタイヤのユニフォーミティ成分に起因する振動の抑制制御の両立を図ることができる。
請求項5に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相が所定値以上ずれている場合であって、旋回方向外輪側の前輪に生じた正弦波状振動成分が、旋回方向内輪側の前輪に生じた正弦波振動成分よりも大きくなっているとき、制御手段は、前輪の転舵方向に基本作用力よりも大きな作用力が作用するように、基本作用力を増加補正することが好ましい。
旋回方向外側の前輪に生じた正弦波振動成分が、旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分よりも大きくなっているとき、これら正弦波振動成分の大きさの相違によって、車両の旋回を助長する方向に力が作用する。このような状態において、前輪の転舵方向に、基本作用力よりも大きな作用力が作用するように基本作用力を増加補正すると、相対的に小さい力でも前輪は、転舵方向に向きを変え易くなる。このため、これら正弦波振動成分の大きさの相違によって生じた力を上手く吸収することができ、車体などに振動が発生することを抑制できる。さらに、この場合、車両はより曲がりやすい状態となるため、スムーズな旋回運動を実現することができる。
請求項6に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも大きくなるほど、制御手段は、基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくすることが好ましい。旋回方向外側の前輪の正弦波振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の正弦波振動成分の大きさよりも大きくなるほど、その旋回方向に向かって車体の横方向に作用する力もより大きくなるためである。
請求項7に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相が所定値以上ずれている場合であって、旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分が、前記旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分よりも小さくなっているときには、制御手段は、前輪の転舵方向に基本作用力よりも小さな作用力が作用するように、基本作用力を減少補正することが好ましい。この場合には、正弦波振動成分の大きさの相違によって、車両の旋回を妨げる方向に力が作用する。従って、基本作用力を減少させることにより、このような方向の力を上手く吸収することができ、その結果、車体などに振動が発生することを抑制できる。
請求項8に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも小さくなるほど、制御手段は、基本作用力を減少補正する際の補正量を大きくすることが好ましい。旋回方向外側の前輪の正弦波振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の正弦波振動成分の大きさよりも小さくなるほど、車両の旋回を妨げる方向の力の大きさがより大きくなるためである。
請求項9に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれが所定値以下である場合、旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分との和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも大きいとき、制御手段は、前輪の転舵方向に基本作用力よりも大きな作用力が作用するように、基本作用力を増加補正することが好ましい。
左右前輪に生じた正弦波状振動成分の位相のずれが所定値以下であれば、左右前輪の正弦波状振動成分はほぼ同期して増加又は減少しているとみなすことができる。そして、左右前輪の正弦波状振動成分の和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも大きいときには、車両において、前方に進もうとする力が相対的に大きくなる。この場合、車両が旋回していると、その旋回方向に進もうとする力も大きくなる。従って、旋回方向に向かって、車体の横方向に作用する力も増加するので、この力を上手く吸収し、いなすべく、基本作用力を増加補正することが好ましい。
基本作用力を増加補正する場合、請求項10に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との和の大きさが大きくなるほど、上述した車体の横方向に作用する力も大きくなる傾向にあるので、制御手段は、基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくしても良い。
あるいは、請求項11に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも大きくなるほど、制御手段が、基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくしても良い。左右前輪の正弦波振動成分がほぼ同期している場合でも、振動成分の大きさが異なる場合がある。また、左右前輪の正弦波振動成分の位相が若干でもずれていれば、それも振動成分の大きさが異なる原因となる。そして、旋回方向外側の前輪の正弦波振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の正弦波振動成分の大きさよりも大きくなるほど、その旋回方向に向かって車体の横方向に作用する力もより大きくなる。そのような力を上手く吸収するには、その力の大きさに対応して基本作用力を増加補正する際の補正量を変化させることが好ましいためである。
請求項12に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれが所定値以下である場合、旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分との和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも小さいとき、制御手段は、前輪の転舵方向に基本作用力よりも小さな作用力が作用するように、基本作用力を減少補正することが好ましい。すなわち、この場合は、上述した請求項9のケースとは逆に、左右前輪の正弦波状振動成分が、タイヤが一回転する間の車輪速度の平均値よりも低くなっているので、車両において、前方に進もうとする力が相対的に小さくなっている。この場合、車両が旋回していると、その旋回方向に進もうとする力も小さくなり、その旋回方向に向かって、車体の横方向に作用する力も減少する。従って、その力に応答するように、基本作用力を減少補正することが好ましい。
基本作用力を減少補正する場合には、請求項13に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との和の大きさが小さくなるほど、旋回方向に向かって、車体の横方向に作用する力もより小さくなるので、制御手段は、基本作用力を減少補正する際の補正量を大きくしても良い。
あるいは、請求項14に記載したように、車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも相対的に大きくなるほど、制御手段は、基本作用力を減少補正する際の補正量を小さくしても良い。左右前輪の正弦波状振動成分の位相がほぼ同期した状態で、左右前輪の正弦波状振動成分の和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも小さくなるとき、基本的に、左右前輪の正弦波状振動成分とも、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも小さい状態となっている。このような場合、上述したように、車両の旋回方向に進もうとする力が小さくなるので、前輪の転舵方向に基本作用力よりも小さな作用力が作用することが好ましい。ただし、左右前輪の正弦波状振動成分がともに車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも小さくなっていても、それら左右前輪の正弦波状振動成分の大きさに差がある場合には、それによって車両の旋回方向に進もうとする力の弱まり方が変化する。すなわち、旋回方向外側の前輪の正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の正弦波状振動成分の大きさよりも相対的に大きくなるほど、車両が旋回方向に進もうとする力の弱まり方は小さくなる。そのため、上述したように、車両の旋回方向外側の前輪の正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の正弦波状振動成分の大きさよりも相対的に大きくなるほど、基本作用力を減少補正する際の補正量を小さくしても良い。
以下、本発明の好ましい実施形態による車両制御装置100について、図面に基づいて説明する。図1は、車両制御装置100の全体構成を示す構成図である。なお、本実施形態では、車両制御装置100は、電動パワーステアリング装置に組み込まれており、電動パワーステアリング装置におけるアシストトルクの調整機能を利用して、前輪の転舵方向に作用力を作用させる。
図1に示すように、車両制御装置100は、公知の電動パワーステアリング装置と同様に、ステアリングホイール10、ステアリングシャフト11、ピニオンシャフト12、電動パワーステアリング(EPS)用モータ16、ラックシャフト17、コントローラ200等からなる。
コントローラ200は、各種のセンサ等からの信号に基づいてEPS用モータ16の駆動を制御することにより、ドライバのステアリングホイール10の操舵操作に対してアシスト力を発生する操舵アシスト制御を実行したり、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分によって車体の横方向に作用する力が発生したとき、その力と同じ向きに左右前輪に対して作用力を付与して、車体などに振動が発生することを抑制する振動抑制制御を実行したりする。なお、振動抑制制御については後に詳細に説明する。
ステアリングホイール10には、ステアリングシャフト11の一端が連結され、ステアリングシャフト11の他端は、ステアリングシャフト11とピニオンシャフト12とが一体的に回動するように、ピニオンシャフト12に連結されている。ピニオンシャフト12は、入力軸と出力軸とを有し、ピニオンシャフト12の入出力軸間にはトルクセンサ15が設けられている。
ピニオンシャフト12の出力軸の端部には、ピニオンギア(図示略)が形成されている。このピニオンギアは、ラックシャフト17に形成されたラック(図示略)と噛み合わされている。ラックシャフト17の両端には、図示しないタイロッドやナックルアームなどを介して左右前輪のタイヤがそれぞれ連結されている。従って、ステアリングホイール10が操舵され、ピニオンシャフト12が回転されると、そのピニオンシャフト12の回転運動が、ラック・ピニオン機構によりラックシャフト17の直線運動に変換され、ラックシャフト17の直線運動変位に応じた角度だけ、左右前輪が転舵される。
トルクセンサ15は、トーションバー14を備えている。すなわち、ピニオンシャフト12の入力軸と出力軸とは、トーションバー14を介して連結されている。このため、ステアリングホイール10が操舵されると、トーションバー14が捩れて、ピニオンシャフト12の入力軸と出力軸間には、相対的な回転角度差が生じる。トルクセンサ15は、この相対的な回転角度差に基づいて、ドライバの操舵操作により入力された操舵トルクに比例した信号をコントローラ200に出力する。
ドライバのステアリング操舵力を補助するアシストトルクを発生するEPS用モータ16は、上述したラック・ピニオン機構と同様の機構を介して、ラックシャフト17に連結されている。従って、EPS用モータ16が発生するアシストトルクは、ラックシャフト17に伝達されて、ドライバの操舵操作をアシストする。
18は、左右前輪FL,FRに設けられた車輪速度センサである。この車輪速度センサは、車輪とともに回転する円盤状のロータ(図示略)及びそのロータに近接して配置されたピックアップコイルから構成される。ロータは磁性体材料からなり、その外周に多数の歯が等間隔で形成されたものである。ピックアップコイルは、そのロータの外周面に近接して配置され、外周に形成された歯がピックアップコイルの前面を通過することに伴う磁界変化に応じた正弦波状の検出信号を出力する。この車輪速度センサ18の検出信号は、ブレーキ制御装置300に出力され、ブレーキ制御装置300において、車輪速度や、車輪速度における正弦波状の振動成分であるタイヤユニフォーミティ成分が算出されるように構成されている。ただし、車輪速度やタイヤユニフォーミティ成分の算出は、コントローラ200が行っても良い。
ブレーキ制御装置300は、車輪速度センサ18が出力する検出信号(正弦波信号)を、まず、図示しない波形成形回路によってパルス信号に波形整形する。そして、パルス信号のパルスの時間間隔に基づいて、車輪速度を演算する。さらに、車輪が一回転する間における車輪速度の正弦波状振動成分(タイヤユニフォーミティ成分)を、演算された車輪速度から算出する。このタイヤユニフォーミティ成分の算出方法は後に説明する。また、ブレーキ制御装置300は、複数の車輪速度から車両速度を求め、この車両速度とタイヤユニフォーミティ成分とをコントローラ200に出力する。
次に、コントローラ200について、詳細に説明する。図2は、コントローラ200において実行される各処理を機能ブロックとして示す機能ブロック図である。
なお、上述したように、ブレーキ制御装置300は、タイヤユニフォーミティ成分を算出するタイヤユニフォーミティ算出部320、及びタイヤユニフォーミティ算出部320にて演算された各車輪速度から車両速度を算出する車両速度算出部330を有する。これらタイヤユニフォーミティ成分及び車両速度は、それぞれ、コントローラ200における車輪位相制御部221及びアシスト制御部220に出力される。また、トルクセンサ15が検出するドライバの操舵トルクは、コントローラ200における車輪位相制御部221、位相補償部222、微分演算部223に与えられる。
車輪位相制御部221は、ブレーキ制御装置300から得たタイヤユニフォーミティ成分と、トルクセンサ15によって検出された操舵トルクに基づいて、アシスト制御部220などによって算出されるアシストトルクを補正するための補正トルクを算出する。車輪位相制御部221が算出した補正トルクは、加算部228において、目標アシストトルクに加算される。
位相補償部222は、トルクセンサ15によって検出された操舵トルクに対して位相補償を行い、アシスト制御部220に出力する。アシスト制御部220は、車両速度と、位相補償された操舵トルクとに基づいて、予め設定された特性に従って、目標アシストトルクを算出する。
微分演算部223は、トルクセンサ15によって検出された操舵トルクの微分値を演算し、その演算した微分値を慣性補償部224に出力する。慣性補償部224は、入力された操舵トルクの微分値に基づき、予め設定された特性に従って、慣性補償トルクを算出する。この慣性補償トルクは、加算部228において、アシスト制御部220が算出した目標アシストトルクに加算される。
このように、加算部228は、車輪位相制御部221が算出した補正トルク、アシスト制御部220が算出した目標アシストトルク、及び慣性補償部224が算出した慣性補償トルクをそれぞれ加算した目標アシストトルクを算出し、電流指令演算部230に出力する。電流指令演算部230は、EPS用モータ16が、入力された目標アシストトルクに応じたアシストトルクを発生することができるように、その目標アシストトルクに基づいて、電流指令値Iqを算出して出力する。この電流指令値は電流制御部240に与えられ、電流制御部240は、EPS用モータ16に通電される電流値が、その電流指令値Iqとなるように、EPS用モータ16の通電電流を制御する。
なお、車輪位相制御部221で算出される値は、トルクに限定されるものではない。例えば、アシスト補正量として、補正電流量を算出し、電流指令演算部230にて目標アシストトルクに応じた電流値に補正電流量を加算するようにしても良い。あるいは、車輪位相制御部221が、補正係数を算出し、加算部228や電流指令演算部230が出力する出力値にその補正係数を乗じることによって、その出力値を増減補正するようにしても良い。
次に、図3のフローチャートに基づいて、本実施形態の車両制御装置100において実行される一連の制御処理について説明する。
イグニッションスイッチがオンされることにより、図3のフローチャートに示す処理が開始されると、まずステップS1において、車両速度が検出される。この車両速度は、上述したように、ブレーキ制御装置300にて各車輪速度に基づいて算出されるので、ブレーキ制御装置300から取得することによって検出される。次いで、ステップS2において、トルクセンサ15から出力される検出信号に基づいて、ドライバによりステアリングホイールに入力されている操舵トルクを検出する。なお、この操舵トルクの検出処理では、操舵トルクの位相補償処理も併せて実行される。
ステップS3では、ステップS2で検出した操舵トルクに基づいて、車両が旋回中であるか、直進中であるかを判別する。具体的には、ステアリングホイール10にドライバの操舵トルクが加わり、トルクセンサ15によってその操舵トルクが検出されている場合には、旋回中、検出されていない場合には、直進中であると判別される。ステップS3において旋回中であると判別されるとステップS4の処理に進み、直進中であると判別されると図3に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS4では、ステップS1で検出した車両速度と、ステップS2で検出した操舵トルクとに基づいて、予め設定されている特性に従って、目標アシストトルクを算出する。続くステップS5では、操舵トルクの微分値を算出するとともに、算出した操舵トルクの微分値に基づいて、予め設定された特性に従い、慣性補償を行うための補償トルクを算出する。
次に、ステップS6では、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分をブレーキ制御装置300から取得する。このタイヤユニフォーミティ成分の演算方法について説明する。ただし、タイヤユニフォーミティ成分の演算方法は、例えば特開平8−132831号公報に詳しく説明されているので、ここでは簡単に説明する。
まず、車輪速度センサ18の検出信号を波形成形してパルス信号とし、そのパルス信号における各パルスの時間間隔(Δt)を検出する。次に、ロータの1回転分のパルス間隔Δt〜Δtの平均値((ΣΔt)/N=Δt)を算出する。次いで、数式1より、タイヤユニフォーミティ成分Δθ(n)にロータの加工誤差情報Δθ(n)が加わった値であるΔθ(n)n)を求める。
Figure 0005050773
数式1では、ロータ各歯の回転角分だけ車輪が回転する時間である各パルスの時間間隔Δtを、ロータの1回転分の各パルス時間間隔の平均値Δtで除算している。これにより、各パルス時間間隔の平均値Δtに対する各パルスの時間間隔Δtの変動を比率Δθ(n)として求めている。
なお、以下の数式2を用いて、各パルス時間間隔の平均値Δtに対する各パルスの時間間隔Δtの変動比率をM回の平均値として求めても良い。
Figure 0005050773
この場合、変動比率Δθ’(n)の精度を向上することができるが、その一方で、変動比率Δθ’(n)を求めるための時間が長くなる。つまり、各パルス時間間隔の平均値Δtに対する各パルスの時間間隔Δtの変動比率をM回の平均値として求めるためには、ロータ(タイヤ)がM回だけ回転する必要があり、その分、変動比率Δθ’(n)を求めるための時間が長くなる。
ここで、ロータの加工誤差情報Δθ(n)は、各車両について既知の値であり、ロータ各歯の回転角θを、全歯Nの回転角の平均値(2π/N)で割った回転角比で表すことができる(数式3参照)。この値は測定データとしてブレーキ制御装置300内に記憶させておく。
Figure 0005050773
そして、以下の数式4に示すように、数式1又は数式2によって求めた、各パルス時間間隔の平均値Δtに対する各パルスの時間間隔Δtの変動比率から、ロータの加工誤差情報Δθ(n)を減算することにより、タイヤユニフォーミティ成分Δθ(n)を求める。
Figure 0005050773
なお、数式4において、変動比率Δθ(n)及びロータの加工誤差情報Δθ(n)から1を減じているのは、それぞれの値が、基準値に対する比率として算出されているためである。
また、ロータの加工誤差情報Δθ(n)を求めなくとも、例えば、変動比率Δθ(n)に対して、バタワース二次ローパスフィルタを適用することによって、ロータ加工精度情報の高周波成分を取り除くことができる。このようなフィルタを適用して、タイヤユニフォーミティ成分Δθ(n)を求めても良い。
次いで、ステップS7では、ステップS6にて取得した左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違を算出する。左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違に応じて、それらのタイヤユニフォーミティ成分により車体の横方向(回転方向)に作用する力が変化するためである。
例えば、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相が所定値(例えば1/4周期)以上ずれて逆位相になっているとみなせる場合であって、左前輪のタイヤユニフォーミティ成分が右前輪のタイヤユニフォーミティ成分よりも大きいときには、車体を左から右に回転させる力が作用し、逆に、左前輪のタイヤユニフォーミティ成分が右前輪のタイヤユニフォーミティ成分よりも小さいときには、車体を右から左に回転させる力が作用する。また、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれが所定値(例えば1/4周期)より小さく、同位相とみなせる場合であっても、車両が旋回中であると、タイヤユニフォーミティ成分による車両の前後方向の速度変動の影響が車両の横方向にも作用し、上述した車体を回転させる力が発生する。
このように、車体を左から右あるいは右から左に回転させる力が、タイヤユニフォーミティ成分の周期と同期して向きを変えながら、車体に作用すると、ステアリングシステムや車体に微小な振動が発生する。これは、車体を回転させる力が、車両の両前輪を転舵している力に対抗するように作用するためである。
そこで、本実施形態では、ステップS8において、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違に基づいて補正トルクをマップから決定する。この補正トルクは、基本的に、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分によって車両の横方向に力が作用するとき、その力と同じ方向となる作用力を左右前輪の転舵方向に作用させるように決定される。これにより、タイヤユニフォーミティ成分によって車両の横方向に作用する力が、左右前輪を転舵している力と真っ向から対抗するのではなく、いわば、タイヤユニフォーミティ成分によって車両の横方向に作用する力をいなすように、左右前輪を転舵している力を変化させることができる。この結果、両方の力が対抗する状態が避けられるので、車体などに発生する振動を抑制することができる。
つまり、ステップS8において決定された補正トルクは、ステップS9において、目標アシストトルク及び補償トルクに加算されて、最終目標アシストトルクが算出される。従って、電動パワーステアリング装置が、ドライバの操舵トルクに基づいて設定する基本となる目標アシストトルク(目標アシストトルクと補償トルクとの加算トルク)が、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違に基づいて設定された補正トルク分だけ補正される。このため、ドライバのステアリング操舵力のアシスト制御を行いつつ、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分により車両の横方向に作用する力に応じて、前輪の転舵方向に作用する作用力を調整して、車体などに生じる振動を抑制する振動抑制制御を実行することができる。
ステップS10では、ステップS9にて算出された最終目標アシストトルクに基づいて、モータ電流指令値Iqを算出する。そして、ステップS12において、モータ電流が電流指令値Iqに一致するように、EPS用モータ16への通電電流が制御される。
コントローラ200は、以上のような処理を所定の制御処理間隔(例えば12ms)毎に繰り返し実行し、イグニッションスイッチがオフされることにより、その処理を終了する。
次に、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違に基づく補正トルクの決定方法について具体例に基づいて説明する。なお、以下の説明では、理解を容易とするために、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が完全に逆位相となっている場合と、同位相となっている場合とを例にとって、補正トルクの決定方法を説明する。しかし、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相関係が、逆位相又は同位相から変化しても、以下の説明と同様の手法で補正トルクを決定することができる。
図4(a)〜(c)は、車両が旋回しているときに、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が逆位相となっている場合の、左右前輪各輪のタイヤユニフォーミティ成分及び補正トルクを算出するための補正ゲインの変化の様子を示している。なお、補正トルクは、この補正ゲインを、トルクセンサ15によって検出された操舵トルクに乗じることによって求められ、補正ゲインの大きさは、補正トルクの大きさと相関している。また、図4において、ΔVw1は旋回内側に位置する前輪(Vw1)のタイヤユニフォーミティ成分を示し、ΔVw2は、旋回外側に位置する前輪(Vw2)のタイヤユニフォーミティ成分を示している。
ブレーキ制御装置300において、図4(a),(b)に示すようなタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2が算出されると、コントローラ200では、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相が所定値(例えば1/4周期)以上ずれているため、逆位相であると判別する。コントローラ200には、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相が逆位相である場合と同位相である場合とで、それぞれ別個に補正ゲインを決定するためのマップを記憶している。図7(a)は、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相が逆位相である場合に使用される、補正ゲインを決定するためのマップの一例を示し、図7(b)は、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相が同位相である場合に使用される、補正ゲインを決定するためのマップの一例を示している。
図4(a)〜(c)において、時刻t0〜t1の期間及び時刻t2〜t3の期間では、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1が、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2よりも大きい。
旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1が、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2よりも大きくなっているとき、これらタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の大きさの相違によって、車両の旋回を妨げる方向に力が作用する。このような状態においては、電動パワーステアリング装置によって、ドライバの操舵トルクなどに応じた基本目標アシストトルクがそのまま、左右前輪に作用すると、左右前輪を転舵する力と、タイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2による車両の旋回を阻害する力とが対抗して、車体などに振動を発生させるおそれがある。
そのため、図4(c)に示すように、時刻t0〜t1の期間及び時刻t2〜t3の期間では、補正ゲインとして負の符号を持った補正ゲインを決定する。これにより、補正ゲイン(補正トルク)によって、電動パワーステアリング装置による基本目標アシストトルクが減少補正され、左右前輪には、その基本目標アシストトルクよりも小さなアシストトルクが作用するようになる。すると、左右前輪は、旋回方向とは逆方向に向きを変え易くなる。このため、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2によって生じた車両の旋回を妨げる方向の力を、上述したアシストトルクの調整によって上手く吸収することができ、車体などに振動が発生することを抑制できる。
一方、時刻t1〜t2の期間及び時刻t3〜t4の期間では、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1が、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2よりも小さい。
旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1が、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2よりも小さくなると、これらタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の大きさの相違によって、車両の旋回を助長する方向に力が作用する。このような状態においても、電動パワーステアリング装置によって、ドライバの操舵トルクなどに応じた基本目標アシストトルクがそのまま、左右前輪に作用すると、左右前輪を転舵する力と、タイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2による車両の旋回を助長する力とが対抗して、車体などに振動を発生させるおそれがある。
そのため、図4(c)に示すように、時刻t1〜t2の期間及び時刻t3〜t4の期間では、補正ゲインとして正の符号を持った補正ゲインを決定する。これにより、補正ゲイン(補正トルク)によって、電動パワーステアリング装置による基本目標アシストトルクが増加補正され、その基本目標アシストトルクよりも大きなアシストトルクが作用するようになる。すると、左右前輪は、旋回方向にさらに向きを変え易くなる。このため、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2によって生じた車両の旋回を助長する方向の力を、上述したアシストトルクの調整によって上手く吸収することができ、車体などに振動が発生することを抑制できる。さらに、この場合、車両はより曲がりやすい状態となるため、スムーズな旋回運動を実現することができる。
なお、図4(c)に示すように、補正ゲインは、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の大きさの相違に応じて変化するように設定される。具体的には、車両の旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさが、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさよりも大きくなるほど、補正ゲインは、負の方向に大きくなる(負の値として絶対値が大きくなる)。これは、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさが、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさよりも大きくなるほど、車両の旋回を妨げる方向の力の大きさがより大きくなるためである。また、車両の旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさが、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさよりも小さくなるほど、補正ゲインは、正の方向に大きくなる(正の値として絶対値が大きくなる)。これは、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさが、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさよりも小さくなるほど、車両の旋回を助長する方向の力の大きさがより大きくなるためである。
左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の大きさの相違に応じて、上述したように補正ゲインを変化させるため、図7(a)に示すように、補正ゲイン決定マップは、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1が旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2よりも大きくなるに従い、補正ゲインが徐々に負の方向に大きくなり、逆に小さくなるに従い、補正ゲインが徐々に正の方向に大きくなるように設定されている。ただし、補正ゲインは、負の方向及び正の方向において、それぞれ限界値(例えば、−0.1、+0.1)が定められており、その限界値以内の範囲で変化する。
次に、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が同位相である場合の、補正トルクの決定方法について説明する。図5(a)〜(c)は、車両が旋回しているときに、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が同位相となっている場合の、左右前輪各輪のタイヤユニフォーミティ成分及び補正トルクを算出するための補正ゲインの変化の様子を示している。なお、図5では、図4の場合と同様に、ΔVw1は旋回内側に位置する前輪(Vw1)のタイヤユニフォーミティ成分を示し、ΔVw2は、旋回外側に位置する前輪(Vw2)のタイヤユニフォーミティ成分を示している。
ブレーキ制御装置300において、図5(a),(b)に示すようなタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2が算出されると、コントローラ200では、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相は、そのずれが所定値(例えば1/4周期)未満であるため、同位相であると判別する。従って、コントローラ200は、図7(b)に示す補正ゲイン決定マップを用いて補正ゲインを決定する。
なお、図7(a)に示す逆位相時の補正ゲイン決定マップでは、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との差に基づいて、補正ゲインを決定した。しかし。図7(b)に示す同位相時の補正ゲイン決定マップでは、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との和に基づいて、補正ゲインを決定する。
図5(a)〜(c)において、時刻t0〜t1の期間及び時刻t2〜t3の期間では、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との和は正の値になる。
旋回内側及び外側の前輪Vw1,Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の位相のずれが所定値以下であれば、旋回内側及び外側の前輪Vw1,Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2はほぼ同期して増加又は減少しているとみなすことができる。このような同位相の状態において、旋回内側及び外側の前輪Vw1,Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和が正の値となるのは、原則として、両前輪Vw1、Vw2が、各々、車輪一回転の間の平均速度よりも大きくなっているときである。従って、このとき、車両では、前方に進もうとする力が相対的に大きくなる。この場合、車両が旋回していると、その旋回方向に進もうとする力も大きくなる。従って、旋回方向に向かって、車体の横方向に作用する力も増加する。
そのため、図7(b)のマップ及び図5(c)の波形図に示すように、時刻t0〜t1の期間及び時刻t2〜t3の期間では、補正ゲインとして正の符号を持った補正ゲインを決定する。これにより、補正ゲイン(補正トルク)によって、電動パワーステアリング装置による基本目標アシストトルクが増加補正され、左右前輪には、その基本目標アシストトルクよりも大きなアシストトルクが作用するようになる。すると、左右前輪は、旋回方向にさらに向きを変え易くなる。このため、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2によって生じた車両の旋回を助長する方向の力を、アシストトルクの調整によって上手く吸収することができ、車体などに振動が発生することを抑制できる。
一方、時刻t1〜t2の期間及び時刻t3〜t4の期間では、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との和が負の値となっている。この場合、原則として、両前輪Vw1、Vw2の回転速度が、各々、車輪一回転の間の平均速度よりも小さくなっている。従って、この場合、上述したケースとは逆に、車両において、前方に進もうとする力が相対的に小さくなっていると推定できる。そのため、車両が旋回していると、その旋回方向に進もうとする力も小さくなり、その旋回方向に向かって、車体の横方向に作用する力も減少する。従って、その力に応答するように、時刻t1〜t2の期間及び時刻t3〜t4の期間では、補正ゲインとして負の符号を持った補正ゲインを決定する。これにより、補正ゲイン(補正トルク)によって、電動パワーステアリング装置による基本目標アシストトルクが減少補正される。その結果、上述した、旋回方向に進もうとする力が弱まったことに対応した、アシストトルクを左右前輪に作用させることができる。
なお、図5に示すケースにおいても、補正ゲインは、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の和の大きさに応じて変化するように設定される。具体的には、車両の旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との和の大きさが正の値として大きくなるほど、補正ゲインは、正の方向に大きくなる。これは、車両の旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の和の大きさが大きくなるほど、旋回方向に向かう力も大きくなるためである。逆に、車両の旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との和の大きさが、負の値として小さくなるほど、補正ゲインは、負の方向に大きくなる(負の値として絶対値が大きくなる)。これは、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の和の大きさが負の方向に小さくなるほど(絶対値が大きくなるほど)、旋回方向に進もうとする力が弱くなるためである。
左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和の大きさの相違に応じて、上述したように補正ゲインを変化させるため、図7(b)に示すように、補正ゲイン決定マップは、旋回内側及び外側の前輪Vw1、Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2の和が正の方向に大きくなるに従い、補正ゲインも徐々に正の方向に大きくなり、逆に負の値として小さくなるに従い、補正ゲインが徐々に負の方向に絶対値として大きくなるように設定されている。ただし、補正ゲインは、負の方向及び正の方向において、それぞれ限界値(例えば、−0.1、+0.1)が定められており、その限界値以内の範囲で変化する。
上述した図5のケースでは、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和の大きさに応じて、補正ゲイン(補正トルク)を決定した。しかしながら、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和の符号から補正ゲインの正負の符号のみを決定し、その補正ゲインの大きさは、旋回内側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1と旋回外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2との大きさの差から決定しても良い。
このような補正ゲインの決定方法ついて、図6(a)〜(c)の波形図を用いて説明する。図6(a)、(b)に示すように、旋回内側及び外側の前輪Vw1,Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2がほぼ同期している場合でも、タイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の大きさが異なる場合がある。また、旋回内側と外側の前輪Vw1,Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の位相が若干でもずれていれば、それによってもタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の大きさが異なることになる。
そして、時刻t0〜t1及び時刻t2〜t3の期間のように、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和が正の値となって、車両の旋回方向に向かう力が生じる際、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさが、旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさよりも相対的に大きくなるほど、その旋回方向に向かって車体の横方向に作用する力もより大きくなる。
従って、図6(c)に示すように、旋回外側の前輪Vw2のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2から旋回内側の前輪Vw1のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1を減じて、その減算結果が正の値として大きくなるほど、補正ゲインを正の方向に大きくする。これにより、上述したような原因によって、旋回方向に向かって車体の横方向に作用する力が大きくなっても、左右前輪に作用するアシストトルクによって、その力を上手く吸収することができる。
また、時刻t1〜t2及び時刻t3〜t4の期間のように、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の和が負の値となる場合、原則として、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2とも車輪一回転の間の平均速度よりも小さい状態となっている。このような場合、車両の旋回方向に進もうとする力が小さくなるので、電動パワーステアリング装置による基本目標アシストトルクを減少補正する。ただし、旋回内側及び外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1、ΔVw2がともに車輪一回転の間の平均速度よりも小さくなっていても、それらのタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1,ΔVw2の大きさに差がある場合には、それによって車両の旋回方向に進もうとする力の弱まり方が変化する。
すなわち、旋回外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさが、旋回内側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさよりも相対的に大きくなるほど、車両が旋回方向に進もうとする力の弱まり方は小さくなる。そのため、旋回外側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw2の大きさが、旋回内側の前輪のタイヤユニフォーミティ成分ΔVw1の大きさよりも相対的に大きくなるほど、補正ゲインは負の符号を持つが、その絶対値を小さくして、基本目標アシストトルクを減少補正する際の補正量を小さくする。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態においては、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分によって車両の横方向に作用する力を精度良く推定し、その力に応じて、電動パワーステアリング装置のアシストトルクを増減補正するために、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相のずれ及び大きさの相違に基づいて、補正ゲイン(補正トルク)を決定した。しかしながら、単に位相のずれに基づいて補正ゲインを決定したり、大きさの相違に基づいて補正ゲインを決定しても良い。
また、上述した実施形態では、車両制御装置100のコントローラ200における、アシスト制御部220、車輪位相制御部221、及び慣性補償部224がそれぞれモータのトルクを示す値を出力したが、そのトルクに対応する電流値を出力するものであっても良い。
車両制御装置100の全体構成を示す構成図である。 コントローラ200において実行される各処理を機能ブロックとして示す機能ブロック図である。 車両制御装置100において実行される一連の制御処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、車両が旋回しているときに、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が逆位相となっている場合の、左右前輪各輪のタイヤユニフォーミティ成分及び補正トルクを算出するための補正ゲインの変化の様子を示す波形図である。 (a)〜(c)は、車両が旋回しているときに、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が同位相となっている場合の、左右前輪各輪のタイヤユニフォーミティ成分及び補正トルクを算出するための補正ゲインの変化の様子を示す波形図である。 (a)〜(c)は、車両が旋回しているときに、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分が同位相となっている場合であって、図5とは異なる補正ゲイン決定方法を採用した場合の、左右前輪各輪のタイヤユニフォーミティ成分及び補正トルクを算出するための補正ゲインの変化の様子を示す波形図である。 (a)は、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相が逆位相である場合に使用される、補正ゲインを決定するためのマップであり、(b)は、左右前輪のタイヤユニフォーミティ成分の位相が同位相である場合に使用される、補正ゲインを決定するためのマップである。
符号の説明
10 ステアリングホイール
16 EPS用モータ
18 車輪速度センサ
100 車両制御装置
200 コントローラ
300 ブレーキ制御装置

Claims (14)

  1. 車両の左右前輪の回転速度に応じた車輪速度信号をそれぞれ生成する速度信号生成手段と、
    前記速度信号生成手段がそれぞれ生成する左右前輪の車輪速度信号に重畳した、車輪一回転を一周期とする正弦波状の振動成分を抽出する抽出手段と、
    車両が旋回中であるか否かを検出する旋回検出手段と、
    前記旋回検出手段によって前記車両が旋回中であることが検出されたとき、前記抽出手段によって抽出された車両の左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分に基づいて、当該正弦波状振動成分によって車両の横方向に作用する力と同じ方向となる作用力を、前記前輪の転舵方向に作用させて、前記車両に発生する振動を抑制する制御手段と、を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両の左右前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の位相のずれ及び/又は大きさの相違に基づいて、前記作用力を調整することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記車両制御装置は、ドライバがステアリングホイールを操舵することによって車両の左右前輪の転舵方向を変化させるとき、前記ステアリングホイールに対する操舵力をアシストするために、前記前輪の転舵方向に作用する作用力を発生する電動パワーステアリング装置に組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記電動パワーステアリング装置は、車両の走行速度と、前記ステアリングホイールに対するドライバの操舵力とに基づいて、アシストを行うための基本作用力を算出し、
    前記制御手段は、前記ステアリングホールに対してドライバの操舵力が作用して、車両が旋回しているとき、少なくとも、前記車両の旋回方向外輪側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内輪側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれに基づいて、前記基本作用力を補正することにより、前記前輪の転舵方向に作用する作用力を調整することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相が所定値以上ずれている場合であって、前記旋回方向外輪側の前輪に生じた正弦波状振動成分が、前記旋回方向内輪側の前輪に生じた正弦波振動成分よりも大きくなっているとき、前記制御手段は、前記前輪の転舵方向に前記基本作用力よりも大きな作用力が作用するように、前記基本作用力を増加補正することを特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。
  6. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも大きくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくすることを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。
  7. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相が所定値以上ずれている場合であって、前記旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分が、前記旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分よりも小さくなっているとき、前記制御手段は、前記前輪の転舵方向に前記基本作用力よりも小さな作用力が作用するように、前記基本作用力を減少補正することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の車両制御装置。
  8. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも小さくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を減少補正する際の補正量を大きくすることを特徴とする請求項7に記載の車両制御装置。
  9. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれが所定値以下である場合、前記旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分と、前記旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分との和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも大きいとき、前記制御手段は、前記前輪の転舵方向に前記基本作用力よりも大きな作用力が作用するように、前記基本作用力を増加補正することを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の車両制御装置。
  10. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との和の大きさが大きくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくすることを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
  11. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも大きくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を増加補正する際の補正量を大きくすることを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
  12. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との位相のずれが所定値以下である場合、前記旋回方向外側の前輪に生じた正弦波状振動成分と、前記旋回方向内側の前輪に生じた正弦波振動成分との和が、車輪一回転の間の車輪速度の平均値よりも小さいとき、前記制御手段は、前記前輪の転舵方向に前記基本作用力よりも小さな作用力が作用するように、前記基本作用力を減少補正することを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載の車両制御装置。
  13. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分と、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分との和の大きさが小さくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を減少補正する際の補正量を大きくすることを特徴とする請求項12に記載の車両制御装置。
  14. 前記車両の旋回方向外側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさが、旋回方向内側の前輪の車輪速度信号における正弦波状振動成分の大きさよりも相対的に大きくなるほど、前記制御手段は、前記基本作用力を減少補正する際の補正量を小さくすることを特徴とする請求項12に記載の車両制御装置。
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