JP5048221B2 - ガスセンサチップ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の一方の面に電極を設け、前記基板の一方の面と前記電極の表面とにセラミックスの被覆層を形成したガスセンサチップ及びその製造方法に関する。
この種のガスセンサチップは、検知対象となるガス(以下、「被検知ガス」と称する)が接触すると、被検知ガスをセラミックスによって酸化する。この際、同時にセラミックスは還元される。この反応に伴って被検知ガスとセラミックスとの間に電子の授受がなされ、この電子の授受によってセラミックスの抵抗値は変化する。このため前記ガスセンサチップを備えるガスセンサ等は、セラミックスの抵抗値の変化を測定することによって被検知ガスを検知することができる。そして、ガスセンサチップの被検知ガスに対する検知感度は、被検知ガスの種類、セラミックスの種類、被覆層の厚み等によって異なる。
前記ガスセンサチップを備えるガスセンサ等によって検知可能な被検知ガスとしては、例えば、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)ガス、メタン等の可
燃性ガス、一酸化炭素や窒素酸化物等の有毒ガス、硫黄化合物等の悪臭ガス等、様々なものを挙げることができる。
このようなガスセンサチップとして、例えば、下記特許文献1には、エタノールやエーテル等の有機溶媒蒸気への感度が鈍く、イソブタンやメタン、COの相対感度を高めたガスセンサとして、基板上にヒータと一対の電極を設けるとともに、これらの電極の上にガス検出用のセラミックス膜を設けたガスセンサが提案されている。このセラミックス膜は、例えば、真空蒸着、スパッタリング、CVD等で形成されたSnO2膜であり、膜厚5μm〜100μm、薄膜でも膜厚0.1μm〜1μmの厚膜となったものである。
また、下記特許文献2には、雰囲気中に存在する水分量の変化に対して電気伝導度が変化するSnO2微粒子膜を用いた感湿素子が提案されている。このSnO2微粒子膜は、蒸着法により形成され、その平均粒子径が10〜200nm、平均細孔半径が5〜250nmの多孔質となっている。また、実施例における膜厚は300nmである。
一方、前記ガスセンサチップを備えるガスセンサ等によって検知可能な被検知ガスの中で、例えば、VOCは、沸点が50〜250℃の常温で揮発する有機化合物であって、代表的な大気汚染物質である。VOCとしては、トルエン、キシレン、p−ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン等が挙げられる。VOCは、気密性や断熱性の高い住宅等において長時間滞在し、居住者に様々な影響を及ぼす可能性が指摘されている。このため、VOCの個別物質に対する濃度指針値が定められるようになっている。
特開平5−149907号公報 特開平7−197237号公報
しかし、前記従来のガスセンサチップを備えるガスセンサでは、低濃度のガスに対しては、十分に検知できなかった。
特にVOCガスに関しては、従来のVOC計測では、固体吸着/溶媒抽出法、固体吸着/加熱脱着法、又は、容器採取法とガスクロマトグラフ/質量分析法の組み合わせによって分析されるのが一般的であった。また、VOCの計測に際してはサンプルの採取方法が信頼性を確保する上で重要であり、専用の吸着剤に一定時間サンプルを吸収させる必要がある。このため、室内のVOC濃度レベルの計測は、費用と時間を要し、問題が顕在化した現場でしか計測されていないのが現状であった。
このようなVOC濃度の基準値内環境を維持のために、低濃度のVOCを高精度で計測できるVOCガスセンサが求められるようになってきている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ガス検知感度が良好なガスセンサチップ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るガスセンサチップの第1特徴構成は、基板の一方の面に電極を設け、前記基板の一方の面と前記電極の表面とにセラミックスの被覆層を形成したガスセンサチップであって、前記セラミックスの粒子径が8〜30nmであり、前記セラミックスは、SnO 2 と、WO 3 またはZnOとを含み、そのいずれかを主成分とする点にある。
つまり、この構成によれば、セラミックス粒子径が小さいため、緻密なセラミックスの被覆層を形成することができる。このため、被検知ガスに対する接触面積が大きくすることができ、ガス検知感度を高くすることができる。
また、セラミックスは、SnO 2 と、WO 3 またはZnOとを含み、そのいずれかを主成分とするので、SnO2を主成分とすることにより、特にVOCガスに対して高い検知感度を有するものとすることができる。また、WO3を主成分とする場合には、芳香族炭化水素に対して高い検知感度を有するものとすることができる。さらに、ZnOを主成分とすれば、硫化物類ガスに対して高い検知感度を有するものとすることができる。
本発明に係るガスセンサチップの第2特徴構成は、基板の一方の面に電極を設け、前記基板の一方の面と前記電極の表面とにセラミックスの被覆層を形成したガスセンサチップであって、前記セラミックスの粒子径が8〜30nmであり、前記セラミックスは、SnO 2 及びWO 3 を含み、その
いずれかを主成分とし、SnO 2 とWO 3 との混合重量比が1:9〜9:1である点にある。
つまり、この構成によれば、特に芳香族炭化水素に対して、優れたガス選択性と良好なガス検出感度を示すことができる。
本発明に係るガスセンサチップの第特徴構成は、前記被覆層の厚みを50〜300nmに構成する点にある。
つまり、この構成によれば、被検知ガスは電極近傍まで達し易くなるため、ガス検知感度をより高くすることができると共に、応答速度を速くすることもできる。
本発明に係るガスセンサチップの第特徴構成は、前記セラミックスがSnO2を主成分とし、前記被覆層の厚みを150〜300nmとした点にある。
つまり、この構成によれば、特にVOCガスに対して、優れたガス選択性と良好なガス検出感度を示すことができる。
本発明に係るガスセンサチップの製造方法の第1特徴手段は、基板の一方の面に電極を設ける工程と、前記基板の一方の面及び前記電極の表面に液相析出法によって、粒子径が8〜30nmであるセラミックスの被覆層を形成する工程とを含む点にある。
つまり、この手段によれば、基板表面への密着性が高く緻密な微細構造体とすることができ、ナノオーダーでの微細構造を制御したガス感応層を容易に得ることができる。微細構造を制御することにより、ガスの低濃度領域で高感度且つ早い応答速度を有するガスセンサを得ることが出来る。
また、液相析出法によれば、均一性の高いセラミックスの被覆層を容易に量産することができるため、生産性に優れる。よって、高感度ガスセンサを安価に製造することができる。
液相析出法によるセラミックスの被覆層は、超微細結晶の超薄膜構造となり、理論密度に対する相対密度が90%以上の緻密なものとなる。この液相析出法によるセラミックスの被覆層は、加熱された状態では、特に被検知ガスに対して選択的に反応する触媒的機能を果たす。
この液相析出法は、LPD(Liquid Phase Deposition)法とも呼ばれる。このLPD
法は、処理液として、フッ化水素水や、酸性フッ化アンモニウム水溶液にて溶解した酸化物若しくは各種金属の水酸化物を溶解した水溶液を用い、その加水分解平衡反応において配位子であるフッ化物イオンと、より安定な錯体を形成するホウ酸等のフッ化物イオンイーターとして添加することで、処理液内の平衡を酸化物析出側へシフトさせ、基板をこの処理液中に浸漬することによって、基板上へ酸化物若しくは水酸化物を析出させる方法である。このLPD法によって形成される酸化物は、焼成によりセラミックスとなる。
通常、LPD法においては10℃〜80℃の温度範囲、好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で、セラミックス又はセラミックス前駆体を析出、積層することが可能である。また、この温度範囲であっても、析出するセラミックス又はセラミックス前駆体は理論密度に対する相対密度90%以上のアナターゼ結晶が形成される。さらに、高温で熱処理することで、結晶化度を高めることができる。LPD法によるセラミックス又はセラミックス前駆体は、析出、積層した段階で、相対密度が90%以上とできるため、高温で焼成熱処理した場合であっても、ほとんど収縮することがない。
また、析出・高温焼成熱処理を2回以上繰り返すことにより、焼成後のクラックを埋めた緻密な組織とすることができる。更に、前記高温焼成熱処理よりも高温で追加熱処理することにより、よりクラックの影響が少なく、特に低濃度のVOCガスに対する感度を上げた膜に仕上げることができる。例えばSnO2を用いた場合、析出と800℃前後(750〜850℃)の高温焼成熱処理とを少なくとも2回繰り返して、更に1,000℃前後(950〜1050℃)で追加熱処理することにより、特に芳香族炭化水素に対して選択性のあるセラミックスの薄膜を得ることができる。
本発明に係るガスセンサチップの製造方法の第2特徴手段は、さらに、前記被覆層の上に、前記液相析出法により前記セラミックスとは組成の異なるセラミックスを析出させる工程を有する点にある。
つまりこの手段によれば、多層のセラミックス被覆層を作製することができる。
本件発明に係るガスセンサチップの製造方法の第3特徴手段は、前記液相析出法に使用する処理液は、前記セラミックスを構成する金属のフルオロ錯体と、当該金属のフルオロ錯体より生じるフッ化物イオンを化学的に捕捉する捕捉剤とを含む点にある。
つまり、この手段によれば、前記第1特徴手段による効果と同様に、基板の表面に密着性が高く緻密なセラミックスの被覆層を形成することができる。
本発明に係るガスセンサチチップの製造方法の第4特徴手段は、前記金属のフルオロ錯体は、Snのフルオロ錯体、Wのフルオロ錯体、Inのフルオロ錯体、Znのフルオロ錯体のいずれかを主成分とする点にある。
つまり、この手段によれば、それぞれのフルオロ錯体を任意に選択することにより、対応するセラミックスの被覆層を作製することができる。
本発明に係るガスセンサチップの製造方法の第5特徴手段は、前記捕捉剤は、ホウ酸である点にある。
つまり、この手段によれば、不純物を析出させることなく、安定なフルオロ錯化合物やフッ化物を生成させることができる。
以下、本発明に係るVOCガスセンサの実施形態例を、図面を用いて説明する。図1において、VOCガスセンサ1は、センサエレメント(VOCガスセンサチップ)2を入出力ピン4の先に取り付け、入出力ピン4が貫通するベースキャップ3の周囲を通気性の筒状カバー5で囲い、筒状カバー5の天井にトップキャップ6を被せ、内部にセンサエレメント2を位置させて形成される。センサエレメント2は板状であって、検出面となる一方の面が軸と平行に配設される。
図2において、センサエレメント2は、基板11と、基板11の一方の面11aに設けられる一対の電極12,13と、基板11の一方の面11aと電極12,13の双方の表面に形成されるセラミックスの被覆層14(以下、単に「被覆層14」と称する)と、基板11の他方の面11bに設けられるヒータ15とを備えてなる。
基板11には、電気的絶縁性・熱伝導性・耐熱性に優れた例えば高密度焼結されたアルミナの基板が用いられ、電極12,13及びヒータ15には、耐熱性・耐蝕性に優れた例えば白金又は白金合金が用いられる。
図3において、基板11の一方の面11aに設けられた薄膜電極12,13の各々は、基部12a,13aから櫛状に長片12b,13bを突出させ、基部12a,13aの一端に端子接続部12c,13cを形成したものである。櫛状の長片12b,13bは、互い違いに平行に配設されており、長片12b,13bの間に被覆層14を介しての対向面積16が形成される。この細長い対向面積16の通電度が電極12,13を介して測定される。櫛状の長片12b,13bを5本とすることにより、対向面積16を形成する区間は9か所設けられ、電極が検出する通電エリアが大きくなる。被覆層14は、端子接続部12c,13cを除く電極12,13の全体と、その周囲の基板11の上を覆うように被覆されている。端子接続部12c,13cは、リード線を介して図1の入出力ピン4a,4bに接続される。
図4において、電極11の他方の面11bに設けられたヒータ15は、両端の端子接続部15a,15bの間を平行配置された一本のジグザグ通電路15cに形成したものである。端子接続部15a,15bは、リード線を介して図1の入出力ピン4c,4dに接続される。このヒータ15は、基板全体を450〜500℃に加熱して、被覆層14によるガス検出を作動状態とするために設けられる。
図5により、センサエレメント2に対する検出回路7を説明する。センサエレメント2の一方の入出力ピン4aは、所定電圧(V)が印加されるライン7aに接続され、センサエレメント2の他方の入出力ピン4bは、負荷抵抗(RL)8を介してアースライン7bに接続される。センサエレメント2と負荷抵抗8との間のライン7cとアースライン7bの電圧(Vout)により、センサエレメント2の抵抗値Rsが、次式により検出される。
Rs=RL(V−Vout)/Vout
図2において、薄膜電極12,13は、0.3〜1.0μmmと薄く形成される。この薄膜電極12,13と基板11の上に、被覆層14が形成される。
この被覆層14は、セラミックス粒子径が8〜30nmとなるように設けてある。すなわち、セラミックス粒子径が小さくなり過ぎると、被検知ガスが被覆層14の内部に入り難くなり検知感度が低下する。一方、セラミックス粒子径が大きくなり過ぎると、被検知ガスを被覆層14の内部に拡散し易くなるが、被検知ガスとの接触面積が小さくなり検知感度は低下する。このため、セラミックス粒子径は、15〜30nmであることがより好ましい。また、被覆層14の厚みは薄い方が、被検知ガスが電極付近にまで拡散し易くなり好ましいが、薄くなり過ぎると被覆層14の作製が困難となるため、50〜300nmであることが好ましく、150〜300nmであることがより好ましい。
ここで、被覆層14の内部温度、すなわちセンサの最適動作温度を400℃と想定した場合の分子の平均自由行程を、分子半径として半経験的分子軌道法による計算値を用いて求めると、エチルベンゼンは分子半径4.37Å、平均自由行程27.0nm、トルエンは分子半径3.70Å、平均自由行程37.7nm、エタノールは分子半径3.15Å、平均自由行程52.0nmであった。また、低分子アルカン、メタノール、ホルムアルデヒド等では、分子半径2Å以下、平均自由行程102nmオーダーであった。そして、セラミックス粒子径が8〜30nmの薄膜は、メソポア領域であると考えられ、被覆層14の内部における拡散は、平均自由行程>ポアサイズと定義されるクヌーセン拡散に相当するものであると考えられる。したがって、ガスセンサチップがVOCガスを検知することを前提とする場合には、被覆層14のポアサイズについては、上記計算値に基づき12〜60nmとすることが好ましく、38〜50nmとすることがより好ましい。
被覆層14の材質は、特に限定されず、例えば、SnO2、WO3、In23、ZnOのいずれかを主成分とする等、被検知ガスの種類、濃度等によって任意に選択することができる。被覆層14の材質は必ずしも1種類である必要はなく、例えばSnO2にZnOを添加する等、2種以上の混合物であってもよい。また、例えば、SnO2膜の上にWO3膜を形成させて、2層以上の被覆層14にしてもよい。さらには、図示しないが、被覆層14の表面に、検知を妨害するガスを除去するために除去層を設けることも可能である。このような除去層には、酸化モリブデンを担持したシリカアルミナ等、除去したいガス種によって任意に選択可能である。また、被覆層14にパラジウム触媒等を担持させることにより、被検知ガスに対する選択性を維持した状態で検知感度を高めることもできる。
例えば、VOCガスを選択的に検知する場合には、被覆層14はSnO2を主成分とする薄膜とし、膜厚が150〜300nm、理論密度に対して90%以上の緻密組織であって、クラックの発生を極力抑えたものを適用することが好ましい。SnO2の場合、妨害ガスとして扱われてきたアルコール類に対して感応せず、VOCガスに選択的に作用し、10ppbオーダーでの検知が可能になる。また、VOCガスの中でも、特に芳香族炭化水素に対して高い感度で検知したい場合には、WO3を主成分とするものや、SnO2及びWO3を含み、そのいずれかを主成分とするものを適用することが好ましい。SnO2及びWO3を含む場合には、SnO2とWO3とは、混合重量比を1:9〜9:1とすることができる。さらに、炭化水素ガスに対しては、In23を主成分とするもの、硫化物類ガスに対しては、ZnOを主成分とするものを適用することができる。
例えば、SnO2薄膜は、図6に示すように、基板11と白金薄膜電極との段差にも良く追随して隙間なく密着しており、約100nmの厚みで均一に析出される。
このようなVOCセンサ1のガス選択性の作動を、SnO2薄膜を例として、以下に説明する。SnO2薄膜を構成する微細構造は、空気中でSnO2薄膜が一定温度(450〜500℃)であると、表面に電子親和力のある酸素が吸着し、SnO2中の自由電子をトラップして粒界にポテンシャル障壁を形成する。その結果、電子抵抗が増大する。そこで、芳香族炭化水素のような還元性ガスにSnO2が暴露されると、SnO2の表面でこれらのガスと吸着酸素との酸化反応が起こり、ポテンシャル障壁が低下し、電子は流れやすくなる。この通電抵抗の変化により、芳香族炭化水素の濃度が検出できる。
図7において、長方形で示される芳香族炭化水素は、SnO2の表面で上述した酸化反応を生じさせやすいが、丸や三角で示される妨害ガスは、SnO2の表面での酸化反応が殆ど生じることがないため、検出されにくい。そのため、SnO2表面での、芳香族炭化水素の選択的な反応により、微量の芳香族炭化水素を高精度で検出することができる。
つぎに、上述したVOCセンサの製法を説明する。以下の工程で製造される。
・ 基板の準備工程(第1工程)
・ 基板の一方の面に対する電極付設工程(第2工程)
・ 基板の他方の面に対するヒータ付設工程(第3工程)
・ 電極及び基板上に対するLPD法によるセラミックスの被覆工程(第4工程)
なお、上記第2工程と上記第3工程の順は、この通りでなく、逆になっていてもよい。
まず、第1工程を説明する。図2のアルミナの基板11は、薄膜析出の際の成長方向と速度を一定にするために、表面を予め研磨しておく。
第2工程では、図2のアルミナの基板11の一方の面11aにフォトレジストによるパターニングとドライエッチ、スクリーン印刷法、または、塗布法のいずれかにより、白金又は白金合金による薄膜電極12,13を形成する。最終的な基板11の大きさは、例えば1mm×1.5mmと小さいため、アルミナの基板11の上の薄膜電極12,13は、上記工法のうち、微細加工に適したものが選択される。
第3工程では、図2のアルミナの基板11の他方の面11bに、フォトレジストによるパターニングとドライエッチ、スクリーン印刷法または塗布法により、白金又は白金合金のヒータ15を形成する。最終的な基板11の大きさは上記のように小さいため、上記工法のうち、微細加工に適したものが選択される。
第4工程では、図3のように、アルミナの基板11と薄膜電極12,13の双方にまたがるように、LPD法による被覆層14が形成される。
このLPD法は、基体材料や形状を問わず、処理液中から酸化物もしくはオキシ水酸化物を金属フルオロ錯体の加水分解平衡反応を利用して、より安定なフルオロ錯体を形成する物質(捕捉剤あるいは開始剤とも呼ばれる)を加えることにより、質量作用の法則に従い平衡を酸化物側にシフトさせ、基板上に安定な金属酸化物として均一に析出・成長させる技術である。このような反応は、処理液に被覆層14を構成する金属のフルオロ錯体と、金属のフルオロ錯体より生じるフッ化物イオンを化学的に捕捉する捕捉剤とを含むものを使用する。この金属をMとすると、次の化学式1と化学式2で表される。
(化1)
[MF6-x(OH)x]2- + (6−x)H2O ⇔ [M(OH)6]2- + (6−x)HF
ただし、xは0〜5の整数である。
(化2)
[M(OH)6]2- ⇒ MO2
LPD法は、まず化学式1において、捕捉剤を添加するとフッ化水素が消費されるので、化学式1の平衡反応式を[M(OH)6]2- が生成する方向へシフトさせることになる。
すると、この[M(OH)6]2- が脱水縮合反応を起こして、化学式2のようにMO2で示される金属酸化物が析出する。
金属のフルオロ錯体は、被覆層14の材質に応じて任意に選択可能であり、例えば、Snのフルオロ錯体、Wのフルオロ錯体、Inのフルオロ錯体、Znのフルオロ錯体等を主成分とするものを使用することができる。
捕捉剤としては、ホウ酸(H3BO3),FeCl2,FeCl3,NaOH,NH3,Al,Ti,Fe,Ni,Mg,Cu,Zn,Si,SiO2,CaO,B23,Al23,MgO等が知られている。上述したいずれの捕捉剤を用いても、処理液中で安定なフルオロ錯化合物やフッ化物を生成するため、析出が阻害されることはない。特にホウ酸では不純物が析出することがないため、より好ましい。
被覆層14として、SnO2薄膜の場合の製法を以下に説明する。Snのフルオロ錯体としては、例えば、H2SnF6を使用することができる。処理液は、フッ化スズ粉末をフッ化水素水に溶解したものを母液とし、母液とホウ酸水溶液を適当量の水で希釈し、調整する。また、Snのフルオロ錯体として、(NH42SnF6を使用することもでき、母液は、フッ化スズ粉末を酸性フッ化アンモニウム水溶液に溶解することにより作製する。これらの処理液に対して、ドーピングもしくは析出状態、析出速度等の改善のための添加物、例えば、界面活性剤なども必要に応じて添加することも可能である。
この処理液中で、10℃〜80℃の温度範囲、好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で、セラミックスを析出、積層させる。この温度範囲であっても、析出するセラミックスは理論密度に対する相対密度90%以上のアナターゼ結晶となる。このSnO2薄膜が形成された基板11を800℃前後(750〜850℃)の高温熱処理で焼成する。高温熱処理で生じたクラックを埋めるために、前記析出・積層と高温熱処理を2回繰り返す。更に1000℃前後(950〜1050℃)で追加熱処理することにより、被覆層14とする。
この場合、処理液のpHは6以下が好ましい。pHが6より大きくなると、処理液中でのSnO2の析出が著しく増加し、沈殿物となるため、基板11の上に膜を作製することが困難となる。さらに基板11の上においてもSnのフルオロ錯体が加水分解して急激に析出するため制御ができなくなる。したがって、特に捕捉剤としてホウ酸を使用する場合には、pHは3以上となるため、処理液のpHは3〜6がより好ましい。
Snのフルオロ錯体のSnとFとのモル比は、4〜6が好ましい。モル比が小さくなり過ぎると、捕捉剤としてホウ酸水溶液を加えると水溶液中で急激な析出が発生し、得られるSnO2は膜状ではなく、粒子が基板11の上に付着したものとなる。このため、洗浄等により基板11から容易に剥離し易くなり、工業製品として使用できないものとなる。また、モル比が大きくなり過ぎると、水溶液中に遊離したフッ化物イオンが多量になることから、相当量のホウ酸水溶液が必要となる。このため、例え成膜できたとしても、成膜速度が非常に遅くなり、コストも高くなる。
セラミックス処理液に、HSbF6を混合することもできる。HSbF6を混合することにより、被覆層14の導電率を任意に調整することができる。この場合の混合比率は、膜中のSb/Snの比率を0.25程度までになるように、適宜調製するとよい。また、アンチモンをドープすることによりクラックの発生を抑えることもできる。
なお、この被複層14は、図3のように、マスキング等により基板11の片面だけに形成するものに限らず、ヒータ15を含めて被複層14を施すものであってもよい。また、基板11を例えば1mm×1.5mmの所定サイズに切断するのは、第4工程の後に行われる。
被覆層14がWO3薄膜である場合は、タングステン酸をフッ化水素水に溶解したものを母液とし、母液とホウ酸水溶液を適当量の水で希釈し、処理液を調整する。また、WO3若しくはWO3・xH2OをNH4FHFを含む水溶液を溶解し、得られたフッ化物錯体水溶液にH3BO3を加えて処理液とすることもできる。
被覆層14がIn23薄膜である場合は、NH4FHF水溶液にIn23を加えて溶解、飽和させ、溶け残った酸化インジウムを濾過し、濾液を母液とする。この母液にH3BO3水溶液を入れて処理液とする。なお、析出した薄膜はセラミックス前駆体であるInOFであるため、焼成することでIn23とする。
被覆層14がZnO薄膜である場合は、フッ化亜鉛粉末をNH4FHF水溶液に溶解し、H3BO3水溶液及びNH3水溶液を加えてpH6.4〜6.6に調整したものを処理液とする。
通常、これら処理液では、10℃〜80℃の温度範囲、好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で、セラミックス又はセラミックス前駆体を析出、積層させる。また、この温度範囲であっても、析出するセラミックス又はセラミックス前駆体は理論密度に対する相対密度90%以上のアナターゼ結晶が形成される。さらに、高温で熱処理することで、結晶化度を高めることができる。LPD法によるセラミックス又はセラミックス前駆体は、析出、積層した段階で、相対密度が90%以上とできるため、高温で焼成熱処理した場合であっても、ほとんど収縮することがない。
このようにして得られる被覆層14は、基板表面への密着性が高く緻密な微細構造体とすることができる。また、均一性の高い薄膜を容易に量産することができるため、生産性に優れる。したがって、高感度ガスセンサを安価に製造することができる。
被覆層14を2層以上の多層膜にする場合には、LPD法により被覆層を形成させた後、この被覆層の上にLPD法により組成の異なるセラミックスを析出させることにより作製することができる。
以下、実施例と比較例とを対比して説明する。
[実施例1]
フッ化スズ粉末を、フッ化水素水に溶解し、Snのフルオロ錯体(H2SnF6)を調整した。そして、一方面に白金電極が設けられ、他方面に白金ヒータが設けられたアルミナの基板を、H2SnF6とホウ酸とを含む処理液に浸漬して、30℃で24時間の析出処理を施した。このアルミナの基板を800℃で焼成した。
焼成後に前記処理液において短時間の析出処理を施し、800℃で焼成することによりクラック内部へのSnO2を浸透させた。つぎに、1000℃で追加熱処理を施し、クラックを減少させた。これらの処理により、本発明におけるセラミックスの被覆層であるSnO2薄膜を形成した。得られたSnO2薄膜の表面を電子顕微鏡(SEM)写真により観察したところ、図8に示すように平均粒子径が約30nm、厚みが300nmであって、理論密度に対して約96%のSnO2薄膜が形成していることが確認できた。なお、ガスセンサチップの大きさは、1mm×1.5mmであって、図2及び図3の形状を有する。
[比較例]
実施例1と同じように、一方面に白金電極が設けられ、他方面に白金ヒータが設けられたアルミナの基板の一方面に、SnO2の粉末焼結により、平均粒子径が約100nm、厚みが30μmであって、理論密度に対して約80%のSnO2膜を形成した。
このようにして形成された実施例1のセンサと比較例のセンサのガス感度と濃度の関係を、妨害ガスであるエタノールの場合と芳香族炭化水素であるキシレンとトルエンとエチルベンゼンの場合を測定した。実施例1センサの場合の特性グラフを図10に示し、比較例センサの場合の特性グラフを図9に示した。なお、感度は、抵抗変化率(R(air))/(R(gas))で表した。
比較例センサの場合、図9に示すように、妨害ガスであるエタノール(アルコール)が検出され、キシレンとトルエンとエチルベンゼンの感度がエタノールの感度より小さいため、エタノールの存在化では、キシレンとトルエンとエチルベンゼンは実質的に検出できなくなる。
実施例1センサの場合、図10に示すように、妨害ガスであるエタノール(アルコール)の検出感度が図9に比較するとずいぶんと低い。そのため、キシレンとトルエンとエチルベンゼンの感度が、エタノール感度より大きくなって、両者は区別可能となる。そのため、キシレンとトルエンとエチルベンゼン等の芳香族炭化水素が例えば10ppbレベルで検知できる。
[実施例2]
フッ素イオン捕捉剤としてホウ酸水溶液を使用し、実施例1と同様の方法により調製したSnのフルオロ錯体(H2SnF6)とホウ酸水溶液を適当量の水で希釈し、Snの濃度を0.03mol/l、ホウ酸濃度を0.15mol/lに調製したものを処理液とした。調製した処理液中に実施例1と同様の一方面に白金電極が設けられ、他方面に白金ヒータが設けられたアルミナの基板を浸漬し、30℃で成膜を実施した。24時間後にアルミナの基板を取り出し、イオン交換水で洗浄し、室温で乾燥した。乾燥後、アルミナの基板を800℃で焼成した。
得られた本発明におけるセラミックスの被覆層であるSnO2薄膜の断面と表面を電子顕微鏡(SEM)写真により観察した。その結果、図11に示すようにアルミナの基板の上に膜厚150nm、平均粒子径15nmの粒子からなる連続膜の形成及び、アルミナの基板に追随していることが確認できた。
このようにして得られたガスセンサチップを用いて、各動作温度における、トルエン、エタノール、水素それぞれ1ppmに対する感度を調べた。その結果、図12に示すように、動作温度400℃においてトルエンに対する高い感度を示した。
また、動作温度400℃における、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、エタノールに対する応答特性を調べた。すなわち、測定開始後、それぞれのガス濃度が180秒毎に50ppb、100ppb、500ppb、1000ppbとなるようにガスを順に加え、電気抵抗値の変化を測定した。その結果、図13に示すように、エタノールに比べて、特にトルエン、p−キシレンに高感度であることが確認できた。
[実施例3]
タングステン酸(WO3・H2O)をフッ化水素水に溶解し、Wのフルオロ錯体を調整した。フッ素イオン捕捉剤としては、ホウ酸水溶液を使用した。調製した金属フルオロ錯体とホウ酸水溶液を適当量の水で希釈し、Wの濃度を0.05mol/l、ホウ酸濃度を0.15mol/lに調製したものを処理液とした。調製した処理液中に実施例1と同様の一方面に白金電極が設けられ、他方面に白金ヒータが設けられたアルミナの基板を浸漬し、30℃で成膜を実施した。48時間後にアルミナの基板を取り出し、イオン交換水で洗浄し、室温で乾燥した。乾燥後、アルミナの基板を600℃で焼成した。
続いて、実施例2の手順で調製したSnのフルオロ錯体を含む処理液中にWO3の層を形成したアルミナの基板を浸漬し、30℃で成膜を実施した。24時間後にアルミナの基板を取り出し、イオン交換水で洗浄し、室温で乾燥した。乾燥後、アルミナの基板を800℃で焼成した。
得られたWO3/SnO2の被覆層の表面をSEM写真により観察した。その結果、図14に示すようにWO3の層の上にSnO2の層が形成していることが確認できた。
このようにして得られたガスセンサチップを用いて、実施例2と同様に、動作温度400℃における、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、エタノールに対する応答特性を調べた。その結果、図15に示すようにエタノールには低感度となる一方で、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼンには感度が増大し、応答速度も十分に実用レベルであることが確認できた。
また、実施例1と同様にセンサのガス感度と濃度の関係を、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、エタノールの場合について測定した。その結果、図16に示すようにトルエン、p−キシレン、エチルベンゼンの感度が、エタノールの感度より大きくなって、両者は区別可能となる。
[実施例4]
モリブデン酸アンモニウム塩の水溶液中にシリカアルミナを浸漬した後、乾燥、焼成することにより、酸化モリブデンとしてシリカアルミナに担持したMoO3/SiO2−Al23の粉末を得た。尚、モリブデン酸アンモニウム塩の水溶液の濃度は、シリカアルミナに対する酸化モリブデンのモル比が2%となるように調製した。得られたMoO3/SiO2−Al23の粉末は有機溶媒と共に混練してペースト状とし、実施例2において作製したSnO2薄膜の上に膜厚が約10μmとなるように塗布し、乾燥後に600℃にて焼成した。
このようにして得られたガスセンサチップを用いて、実施例2と同様に、動作温度400℃における、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、エタノールに対する応答特性を調べた。その結果、図17に示すようにエタノールには低感度となる一方で、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼンには感度が増大し、触媒層への被検知ガスの拡散阻害もなく、応答速度が十分に実用レベルであることが確認できた。
また、実施例1と同様にセンサのガス感度と濃度の関係を、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、エタノールの場合について測定した。その結果、図18に示すようにトルエン、p−キシレン、エチルベンゼンの感度が、エタノールの感度より大きくなって、両者は区別可能となる。
以上の通り、実施例のガスセンサチップでは、VOCガス、特に芳香族化合物に対して、優れた選択性、及び良好な検知感度を有することが分かった。
本発明に係るガスセンサチップは、VOCガスの他、硫化水素、一酸化炭素等、様々なガスを検知することができ、従来のガスセンサ、ガス警報器、ガス測定器等に適用することができる。
ガスセンサの半断面図 ガスセンサチップの概略構成図 ガスセンサチップの電極側の平面図 ガスセンサチップのヒータ側の平面図 ガスセンサの検知回路図 アルミナの基板上の白金電極に対するSnO2薄膜(100nm)の被覆状態を示す写真 ガスセンサチップの作動を示す概略断面図 SnO2薄膜の表面を示す写真 粉末焼結法SnO2の各種ガスに対するガス感度と濃度との関係を示すグラフ LPD法SnO2の各種ガスに対するガス感度と濃度との関係を示すグラフ SnO2薄膜の断面と表面を示す写真 各種ガス1ppmに対するガス感度と動作温度との関係を示すグラフ 各種ガスに対する応答特性を示すグラフ WO3/SnO2薄膜の表面を示す写真 各種ガスに対する応答特性を示すグラフ 各種ガスに対するガス感度と濃度との関係を示すグラフ 各種ガスに対する応答特性を示すグラフ 各種ガスに対するガス感度と濃度との関係を示すグラフ
1 ガスセンサ
2 ガスセンサチップ
11 基板
12 電極
13 電極
14 セラミックスの被覆層
15 ヒータ

Claims (9)

  1. 基板の一方の面に電極を設け、前記基板の一方の面と前記電極の表面とにセラミックスの被覆層を形成したガスセンサチップであって、
    前記セラミックスの粒子径が8〜30nmであり、
    前記セラミックスは、SnO 2 と、WO 3 またはZnOとを含み、そのいずれかを主成分とするガスセンサチップ。
  2. 基板の一方の面に電極を設け、前記基板の一方の面と前記電極の表面とにセラミックスの被覆層を形成したガスセンサチップであって、
    前記セラミックスの粒子径が8〜30nmであり、
    前記セラミックスは、SnO2及びWO3を含み、そのいずれかを主成分とし、SnO2
    とWO3との混合重量比が1:9〜9:1であるガスセンサチップ。
  3. 前記被覆層の厚みが50〜300nmである請求項1または2に記載のガスセンサチップ。
  4. 前記セラミックスは、SnO2を主成分とし、前記被覆層の厚みが150〜300nmで
    ある請求項1または2に記載のガスセンサチップ。
  5. 基板の一方の面に電極を設ける工程と、前記基板の一方の面及び前記電極の表面に液相析出法によって、粒子径が8〜30nmであるセラミックスの被覆層を形成する工程とを含むガスセンサチップの製造方法。
  6. さらに、前記被覆層の上に、前記液相析出法により前記セラミックスとは組成の異なるセラミックスを析出させる工程を有する請求項に記載のガスセンサチップの製造方法。
  7. 前記液相析出法に使用する処理液は、前記セラミックスを構成する金属のフルオロ錯体と、当該金属のフルオロ錯体より生じるフッ化物イオンを化学的に捕捉する捕捉剤とを含む請求項5または6に記載のガスセンサチップの製造方法。
  8. 前記金属のフルオロ錯体は、Snのフルオロ錯体、Wのフルオロ錯体、Inのフルオロ錯体、Znのフルオロ錯体のいずれかを主成分とする請求項に記載のガスセンサチップの製造方法。
  9. 前記捕捉剤は、ホウ酸である請求項またはに記載のガスセンサチップの製造方法。
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