JP5044993B2 - 表面偏析型プラスチック用添加剤及びその用途 - Google Patents
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Description
一般に、プラスチックに添加する、防曇剤、流滴剤や水滴付着防止剤、帯電防止剤として、第4級アンモニウム型のカチオン性界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤や、スルホン化物等のアニオン性界面活性剤が使用されている。これらはプラスチックに混合するという簡便な操作で、プラスチックの表面を親水化できるために汎用されている。しかし、これらは、プラスチック成形品の表面から溶出し、水に洗い流されることで、効果が持続しないという欠点がある。
一方、特許文献1及び非特許文献2には、ホスホリルコリン類似基含有重合体中に第4級アンモニウム基、水酸基、スルホン基等の親水性基を導入したプラスチック用添加剤が提案されている。
また、特許文献2には、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレート1〜25重量%、水酸基含有フッ素重合性単量体5〜70重量%及びその他の成分として重合性単量体20〜94重量%からなる重合性単量体組成物が開示されている。この組成物は、コンタクトレンズ材料に用いることで、装用感が良く汚れにくいコンタクトレンズを製造できることが記載されているが、表面偏析型プラスチック用添加剤として使用しうることやその構成については示されていない。
式(2)で示される含フッ素単量体0.5〜10mol%と、
非含フッ素疎水性単量体10〜70mol%とを含む重合性単量体組成物を重合した、重量平均分子量が10000〜1000000のホスホリルコリン類似基含有含フッ素重合体を含む表面偏析型プラスチック用添加剤が提供される。
更に本発明によれば、上記成形用プラスチック組成物を成型してなるプラスチック成形品が提供される。
本発明の成形用プラスチック組成物は、本発明の表面偏析型プラスチック用添加剤を含むので、生体適合性等を有する本発明のプラスチック成形品を簡便に得ることができる。
本発明の表面偏析型プラスチック用添加剤(以下、本発明の添加剤と略すことがある)は、特定のホスホリルコリン類似基含有単量体と、特定の含フッ素単量体と、非含フッ素疎水性単量体とを特定割合で含む重合性単量体組成物を重合した、特定の重量平均分子量を有するホスホリルコリン類似基含有含フッ素重合体を含むことを特徴とする。
式(1)中、Xは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示す。該炭素数2〜4のアルキレンオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2−ブトキシ基を挙げることができ、好ましくは入手性の点からエトキシ基である。
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。また、R2、R3及びR4は同一若しくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基又は炭素数1〜3のヒドロキシ炭化水素基を示す。該炭素数1〜3の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、好ましくは入手性の点からメチル基である。前記炭素数1〜3のヒドロキシ炭化水素基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基が挙げられ、好ましくは入手性の点からヒドロキシエチル基である。
式(1)中、mは0又は1、nは2〜4の整数であり、特に好ましくは、入手性の良さ等の点から、m=1、n=2である。
式(2)中、L1は−C6H4−、−C6H9−、−(C=O)−O−、−O−、−(C=O)NH−、−O−(C=O)−又は−O−(C=O)−O−を示す。
式(2)中、L2は共有結合もしくは炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキレン基を示す。該炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が挙げられ、好ましくは入手性の点からメチレン基とエチレン基である。また前記炭素数1〜3のヒドロキシアルキレン基としては、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基が挙げられ、好ましくは入手性の点からヒドロキシメチレン基である。
式(2)中、L3は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を示し、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基が挙げられる。入手性の良さ等の点から、炭素数3〜8のフルオロアルキル基が好ましく、特に、パーフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基が好ましい。
式(2)中、R6は水素原子又はメチル基を示す。
式(3)中、L5は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基を示す。該炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基が挙げられ、中でも入手性の点からはブチル基、ドデシル基、オクタデシル基が好ましく挙げられる。また、前記炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシオクタデシル基が挙げられ、中でも入手性の点からはヒドロキシエチル基とヒドロキシプロピル基が好ましく挙げられる。
式(3)中、R7は水素原子又はメチル基を示す。
溶液重合を行う場合、溶媒を用いて、重合性単量体組成物を希釈して重合してもよい。前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、更に水−有機混合媒体において使用可能な水溶性有機媒体としての、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、ニトロベンゼン等が好ましく挙げられる。最も好ましくは安全性の理由からエタノール、プロパノールである。
溶媒の使用量は、前記溶液重合ができる範囲であれば何れの濃度でも構わないが、溶媒と重合性単量体組成物との全量に対して、通常40〜95重量%である。
MPC−1H,1H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、MPC−2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート−ラウリル(メタ)アクリレート共重合体、MPC−1H,1H−パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート−ラウリル(メタ)アクリレート共重合体、MPC−1H,1H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート−ラウリル(メタ)アクリレート共重合体、MPC−2,2,2−トリフオロエチル(メタ)アクリレート−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、MPC−1H,1H−パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、MPC−1H,1H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート共重合体が好ましく挙げられる。
前記プラスチック用樹脂原料としては、例えば、熱可塑性プラスチック樹脂、熱硬化性プラスチック樹脂、又はプラスチックの原料モノマーが挙げられる。
熱可塑性プラスチック樹脂及び熱硬化性プラスチック樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
前記熱可塑性プラスチック樹脂、熱硬化性プラスチック樹脂、プラスチックの原料モノマーは、相溶する場合には混合して使用することもできる。
また、他の方法として、プラスチック樹脂原料及び本発明の添加剤を溶剤にて希釈したものを、攪拌して均一化した溶液とする方法も挙げられる。
前記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、更に水−有機混合媒体において使用可能な水溶性有機媒体としての、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、ニトロベンゼン等が好ましく挙げられる。
プレス成型や熱可塑射出成型及び熱硬化射出成型をする場合の成型加工の温度としては、ホスホリルコリン類似基の分解温度以下である230℃以下が望ましい。
本発明のプラスチック成形品は、前記キャスト成形により、フィルムやシート等のプラスチック成形品とすることができる。
キャスト成形方法として、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ディップコーター、スプレイコーター、スピンコーター、押出コーター、ダイコーターにより本発明の組成物を塗工した後、熱風乾燥して乾燥膜厚約0.01mm〜1mm程度の被膜を得る方法が挙げられる。このようなプラスチック成形品は、例えば、衣料用品、おむつや生理用品用のライナー、食品包装吸水フィルム、農業用防曇フィルム、水滴付着防止保護シート等として使用することができる。
このような製造方法を採用する場合の本発明の組成物におけるプラスチック樹脂材料としては、プラスチックの原料モノマーの使用が好ましい。またこのような成形の際の重合温度は、成形品の変形を防ぐために40〜70℃であることが望ましい。このようなプラスチック成形品としては、例えば、コンタクトレンズが挙げられる。
尚、例中の各種測定は、以下の方法により実施した。
ポリマーの分子量の分析方法
(1)ポリマーの分子量
メタノール/クロロホルム(4/6(重量比))を溶離液としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、ポリエチレングリコールを標準として使用し、屈折率にて検出し測定を行った。
日本電子(株)製の商品名「JPS−9200」を用いて、試料表面の元素分析を行い、リン(P)のスペクトル面積に対する炭素(C)のスペクトル面積の比を算出した。
(3)静的接触角測定
協和界面科学(株)製の接触角測定器、商品名「DropMaster 500」を用いて水による液滴法で行った。温水流水洗浄は、約2×5cm2のプレート状サンプルを約5L/hrの温水で2時間洗浄を行い、1晩風乾後の接触角値を同様に測定した。
(4)タンパク質吸着性試験
ウシ血清アルブミン0.6重量%のリン酸緩衝液(以下PBSと略す)10.0mLの入った試験管に、コーティング膜(1cm×1cm)を入れ、4℃で一晩インキュベートした後、4.0mLのPBSで3回洗浄した。その後、ドデシル硫酸ナトリウムを添加したPBS4.0mLを加えて、試験管内壁に吸着したタンパク質を溶出させ、このPBS中のタンパク質の濃度を「マイクロBCAプロテインアッセイキット」(PIERCE社製)を使用して測定した。測定試料は、加熱処理前(比較例)及び加熱処理後(実施例)のコーティング膜をそれぞれ測定し、その後、耐久性(耐水洗性)を調べるために流水中で1時間水洗したものについても測定を行った。
評価はタンパク吸着量により行い、吸着量が0.5μg/cm2未満を○、0.5〜1.0μg/cm2を△、1.0μg/cm2以上を×とした。
MPC 155.1g、スチレン118.7g、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート26.3gを、2−プロパノール/トルエン(8/2(重量比))1200gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、50℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート3.30gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液を50倍量のアセトン中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.3−スチレン0.65−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート0.05)共重合体のポリマー粉末284gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量223000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 155.1g、スチレン118.7g、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチルメタクリレート26.3gを2−プロパノール5700gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、65℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート26.40gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液を、エバポレータを使用して濃縮した後、50℃で一晩加熱真空乾燥を行って、(MPC0.3−スチレン0.65−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート0.05)共重合体のポリマー塊状体257gを得た。得られた塊状体の分子量を測定したところ、重量平均分子量5300であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 162.5g、スチレン90.2g、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート47.3gを2−プロパノール/トルエン(8/2(重量比))900gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、40℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート1.76gを加えて12時間重合反応させた。得られた重合液を30倍量のアセトン中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.35−スチレン0.55−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート0.10)共重合体のポリマー粉末288gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量731000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 164.5g、スチレン135.5gを2−プロパノール/トルエン(8/2(重量比))700gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、50℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート3.30gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液を50倍量のアセトン中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.3−スチレン0.7)共重合体のポリマー粉末289gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量208000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 11.7g、プロピレングリコールモノメタクリレート87.0g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート1.34gをエタノール400gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、45℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート1.1gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液をエバポレーションにより40%まで濃縮後、50倍量のアセトン/ヘキサン混合溶媒中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.25−プロピレングリコールメタクリレート0.70−2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート0.05)共重合体のポリマー粉末72gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量280000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 11.2g、プロピレングリコールモノメタクリレート88.8gをエタノール400gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、45℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート1.1gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液をエバポレーションにより40%まで濃縮後、50倍量のアセトン/ヘキサン混合溶媒中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.25−プロピレングリコールメタクリレート0.75)共重合体のポリマー粉末70gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量324000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 12.6g、信越シリコーン社製のシリコーンメタクリレート(商品名「X−24−8201」)86.4g、1H,1H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート1.0gをエタノール400gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、65℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート3.30gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液を50倍量のアセトン中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.50−シリコーンメタクリレート0.48−1H,1H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート0.02)共重合体のポリマー粉末62gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量26000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
MPC 12.3g、信越シリコーン社製のシリコーンメタクリレート(商品名「X−24−8201」)87.7gを、エタノール400gに溶解し4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹込んだ後、65℃でt−ブチルパーオキシネオデカノエート3.30gを加えて6時間重合反応させた。得られた重合液を50倍量のアセトン中に滴下し、析出した沈殿を濾過し、真空乾燥を行って、(MPC0.5−シリコーンメタクリレート0.5)共重合体のポリマー粉末65gを得た。得られた粉末の分子量を測定したところ、重量平均分子量31000であった。重合組成及び分子量を表1に示す。
合成例1〜4において合成したポリマーを、20重量%エタノール溶液としてポリエチレン粒子(略称PE、住友化学社製 グレード:LE−1080)に添加、混合し溶媒を蒸発させた。これを十分に混練し、東洋精機社製のラボプラストミルを用いて110℃でストランドを作成し、ペレットを得た。得られたペレットを東洋精機社製のミニテストプレスにて、120℃、5分間、20MPaでプレス成形加工した。試料片の一部を切り出し、表面をミクロトームにより厚さ10μmに削った深さ方向のXPS測定用サンプルを調製し、測定を行った。更に残りの試料片の一部を切り出し、接触角測定とタンパク質吸着試験を行った。結果を表2に示す。
ポリカーボネートウレタン(略称PCU、The Polymer Technology社製、商品名Bionate 80A)の20重量%−N,N−ジメチルホルムアミド溶液を調製した後、合成例5又は6で合成したポリマーの20重量%イソプロピルアルコール溶液を固形分換算で5重量%となるように添加、均一混合した。得られたプラスチック混合溶液をテフロン(登録商標)シャーレに流し込み、温度70℃、20mmHgにて一晩減圧しながら、流延キャスト成形加工した。得られたフィルムをテフロン(登録商標)シャーレより剥離し、接触角測定とタンパク質吸着試験を行った。結果を表2に示す。
(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(略称TRIS)40重量部、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールメタクリレート(略称SIGMA)20重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(略称DMAAm)10重量部に、合成例7又は8で合成したポリマーを50重量%となるようにエタノールに溶解した溶液20重量部を添加して均一混合した。混合物の溶液を耐圧瓶に入れ、減圧開放を繰り返して脱酸素し、これに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を加えて均一溶解後にポリプロピレン製のコンタクトレンズモールドに流し込み、120℃、1.5時間重合成型を行った。続いて、型より取り出した成型品をエタノール洗浄後、純水で6時間膨潤させた後、接触角測定及びタンパク質吸着試験を行った。結果を表2に示す。
以上より、実施例1〜5において添加混合した合成例1、3、5及び7の本発明の表面偏析型プラスチック用添加剤は、プラスチックの表面を親水化させ、抗タンパク吸着性を発現する優れた効果の持続性を示した。
Claims (4)
- 式(1)で示されるホスホリルコリン類似基含有単量体10〜60mol%と、
式(2)で示される含フッ素単量体0.5〜10mol%と、
非含フッ素疎水性単量体10〜70mol%とを含む重合性単量体組成物を重合した、重量平均分子量が10000〜1000000のホスホリルコリン類似基含有含フッ素重合体を含む表面偏析型プラスチック用添加剤。 - プラスチック用樹脂原料と、請求項1又は2記載の表面偏析型プラスチック用添加剤とを含み、該表面偏析型プラスチック用添加剤の含有割合が1〜50重量%である成形用プラスチック組成物。
- 請求項3記載の成形用プラスチック組成物を成型してなるプラスチック成形品。
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