次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
始めに、図4を参照して、本実施の形態による電界放出型ディスプレイ40の構成について説明する。図4は、実施の形態による電界放出型ディスプレイの概略図である。なお、図4において、X,X方向は、図5に示す第1及び第2の走査用電極54,57の長手方向を示しており、Y,Y方向は、第1及び第2の走査用電極54,57と直交するデータ用電極59の長手方向を示している。
電界放出型ディスプレイ40は、大略するとデータ入力端子39と、制御装置41と、第1のシフトレジスタ42と、第2のシフトレジスタ43と、第1の駆動装置44と、第2の駆動装置45と、データ用駆動装置46と、信号線47〜49,75,78と、ディスプレイ本体50とを有した構成とされている。
データ入力端子39は、画像データaを制御装置41に供給するためのものである。制御装置41は、電界放出型ディスプレイ40の制御全般を行うものである。制御装置41は、第1のシフトレジスタ42にクロックC1及び走査パルスP1を入力することで、第1のシフトレジスタ42を介して、第1の駆動装置44の駆動を制御するためのものである。
また、制御装置41は、第2のシフトレジスタ43にクロックC2及び走査パルスP2を入力することで、第2のシフトレジスタ43を介して、第2の駆動装置45の駆動も制御する。第1のシフトレジスタ42は、入力されたクロックC1及び走査パルスP1の記憶及びシフトを行うためのものであり、第2のシフトレジスタ43は、クロックC2及び走査パルスP2の記憶及びシフトを行うためのものである。
第1の駆動装置44には、p(p<n,pは自然数)個の駆動回路76が配設されている。駆動回路76は、第1の走査用電極54(図5参照)に第1の駆動パルスを印加するためのものである。各駆動回路76は、信号線47により第1のシフトレジスタ42と接続されている。また、後述する第1の走査用電極54−1〜54−nは、p個の第1のグループに分けられており、各駆動回路76は第1のグループと信号線75により接続されている。各第1のグループは、少なくとも1本以上の第1の走査用電極54により構成されている。なお、第1のグループの分け方、及び各駆動回路76と第1のグループとの間の具体的な結線方法については、実施例において具体例を挙げて説明する。
第2の駆動装置45には、q(q<n,qは自然数)個の駆動回路64が配設されている。駆動回路64は、第2の走査用電極57(図5参照)に第2の駆動パルスを印加するためのものである。各駆動回路64は、信号線48により第2のシフトレジスタ43と接続されている。また、後述する第2の走査用電極57−1〜57−nは、q個の第2のグループに分けられており、各駆動回路64は第2のグループと信号線78により接続されている。各第2のグループは、少なくとも1本以上の第2の走査用電極57により構成されている。また、駆動回路76の数(p)と駆動回路64の数(q)は、駆動回路76の数(p)と駆動回路64の数(q)との積(p・q)がp・q≧nを満たし、p+qがなるべく小さくなるように決定されている。このように、駆動回路76の数(p)と駆動回路64の数(q)を設定することで、最小数の駆動回路での走査を行うことができる。従って、駆動回路76の数(p)と駆動回路64の数(q)との積(p・q)は、好ましくはnに等しいか、或いはnよりも大きくnになるべく近い自然数にすると良い。
また、第2のグループの分け方、及び各駆動回路64と第2のグループとの間の具体的な結線方法については、実施例において具体例を挙げて説明する。
データ用駆動装置46は、信号線49により複数のデータ電極59と接続されている。データ用駆動装置46は、制御装置41から入力される画像データaをデータ用電極59に出力するためのものである。
次に、図5乃至図7を参照して、ディスプレイ本体50について説明する。図5は、ディスプレイ本体の斜視図であり、図6は、冷陰極に対応した部分のディスプレイ本体の断面図であり、図7は、背面板の平面図である。なお、図5及び図7において、X,X方向は、第1の走査用電極54及び第2の走査用電極57の長手方向を示しており、Y,Y方向は、第1の走査用電極54及び第2の走査用電極57と直交するデータ用電極59の長手方向を示している。また、図7では、冷陰極60の図示を省略する。
ディスプレイ本体50は、n本(nは自然数)の走査ライン68−1〜68−nを有しており、大略すると前面板65と、複数の冷陰極60を備えた背面板51とを備えた構成とされている。前面板65は、大略すると透明な基板66と、アノード電極67と、蛍光体69とを有しており、基板66の一方の面に、アノード電極67と、蛍光体69とを順次形成した構成とされている。蛍光体69は、冷陰極60と対向するよう配置されている。蛍光体69には、例えば、赤色蛍光体、緑色蛍光体、及び青色蛍光体を用いることができる。
背面板51は、複数の冷陰極60を備えており、大略すると基板52と、複数のデータ用電極59と、絶縁層53,55と、n本の第1の走査用電極54−1〜54−nと、n本の第2の走査用電極57−1〜57−nとを有した構成とされている。背面板51は、冷陰極60が前面板65の蛍光体69と対向するよう配置されている。複数のデータ用電極59は、Y,Y方向がデータ用電極59の長手方向となるように基板52上に設けられている。絶縁層53は、データ用電極59を覆うよう基板52上に形成されている。
第1の走査用電極54−1〜54−nは、データ用電極59と直交するよう絶縁層53上に設けられている。第1の走査用電極54−1〜54−nは、走査ライン68−1〜68−nに対応するよう配置されている。絶縁層55は、第1の走査用電極54−1〜54−nを覆うよう絶縁層53上に形成されている。第2の走査用電極57は、第1の走査用電極54−1〜54−n毎に対向するよう設けられている。第2の走査用電極57−1〜57−nは、それぞれ他の第2の走査用電極と分離された構成とされている。
冷陰極60は、データ用電極59と第1の走査用電極54−1〜54−nとが直交する領域Dに対応した基板52上に複数設けられている。図6に示すように、冷陰極60は、大略するとデータ用電極59と、絶縁層53と、第1の走査用電極54と、絶縁層55と、第2の走査用電極57と、冷陰極エミッタ61とを有した構成とされている。
冷陰極エミッタ61は、絶縁層53,55に形成された開口部62に露出されたデータ用電極59上に設けられている。冷陰極エミッタ61は、データ用電極59に電圧VCPと、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)とが印加された際、電子を放出する。
冷陰極60は、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)が印加されると共に、電圧VAPが印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス)が印加された際、冷陰極エミッタ61から放出された電子を電子ビームとして蛍光体69に向けて放出するように構成されている。なお、電圧VBPは、電子ビームを集束させることが可能な電圧値とされている。
次に、図8及び図9を参照して、冷陰極60の制御方法について説明する。図8は、冷陰極から蛍光体に向けて電子ビームが放出された状態を模式的に示した図であり、図9は、冷陰極エミッタから放出された電子が冷陰極内に留められた状態を模式的に示した図である。なお、図8に示したFは等電位線(以下、「等電位線F」とする)、図9に示したHは等電位線(以下、「等電位線H」とする)をそれぞれ示している。
図8は、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)、第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス)、データ用電極59に電圧VCPがそれぞれ印加された状態の冷陰極60を示している。この場合、冷陰極60には、第1の走査用電極54に電圧VAPと、データ用電極59に電圧VCPとが印加されているので、冷陰極エミッタ61から電子が放出される。また、第1の走査用電極54に電圧VAPと、第2の走査用電極57に電圧VBPとが印加されているので、冷陰極エミッタ61から放出された電子は、冷陰極60から電子ビームGとして蛍光体69に向けて放出される。
図9は、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)、データ用電極59に電圧VCPをそれぞれ印加した状態(第2の走査用電極57に電圧VBPを印加していない状態)の冷陰極60を示している。この場合、冷陰極60には、第1の走査用電極54に電圧VAPと、データ用電極59に電圧VCPとが印加されているので、冷陰極エミッタ61から電子が放出される。しかし、第2の走査用電極57には、電圧VBP(第2の駆動パルス)が印加されていないため、冷陰極エミッタ61から放出された電子は、冷陰極60内に留められる。なお、第2の走査用電極57に電圧VBP、データ用電極59に電圧VCPをそれぞれ印加した場合(第1の走査用電極54に電圧VAPを印加しない場合)には、冷陰極エミッタ61から電子は放出されない。
このように、データ用電極59と直交する第1の走査用電極54と、データ用電極59と直交すると共に、第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57とを冷陰極60に設けることにより、冷陰極エミッタ61から電子を放出させるか否かを第1の走査用電極54と第2の走査用電極57との2つの電極で制御することができる。
これにより、第1の走査電極54と第2の走査電極57をグループ化し、グループ化された電極単位で電圧が供給されるように、駆動回路との間を結線しておけば、グループ単位で順次電圧が印加されてゆくときに、第1の走査用電極54に電圧VAPと第2の走査用電極57に電圧VBPが同時に印加された際、冷陰極エミッタ61から放出された電子を冷陰極60から電子ビームGとして放出する。
以上説明したように、n本の第1の走査用電極54−1〜54−nをp(p<n,pは自然数)個の第1のグループに分け、第2の走査用電極57−1〜57−nをq(q<n,qは自然数)個の第2のグループに分け、かつ駆動回路64の数pと駆動回路76の数qとの積(p・q)をp・q≧nを満たし、なるべくnに近い自然数にすると共に、p,qも同じとするかなるべく互いに近い数とする。そして、第1の走査用電極54に電圧VAPと、第2の走査用電極57に電圧VBPとが印加された際、冷陰極エミッタ61から放出された電子を冷陰極60から電子ビームGとして放出するように、駆動回路76と第1のグループとの間、及び駆動回路64と第2のグループとの間を結線することで、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも少ない数の駆動回路64,76で、n本の走査ライン68−1〜68−nを順次走査して画像を表示させることができる。
これは、次のように説明できる。駆動回路の数はp+qであり、これをなるべく小さくするには、p+q≧2√(p・q)の式から、等号が成立するのはp=qのときであるので、p=qとすれば一番駆動回路の数が少なくて済む。例えば、nを100とすれば、(p,q)の組み合わせは(2,50)、(4,25)、(5,20)、(10,10)のいずれでもよいが、駆動回路数は順に52個、29個、25個、20個であり、p=qの場合が一番少ない。この場合、√nが整数にならなければ、nを2つの整数の積で表して、その中で最も近い数同士の積になるようにすれば、駆動回路の数が最も少なくて済む。
これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも電界放出型ディスプレイ50に設ける駆動回路64,76の数が少なくなるため、電界放出型ディスプレイ50の製造コストを低減することができる。
なお、データ用電極59と第2の走査用電極57とを対向するよう配置し、データ用電極59及び第2の走査用電極57と直交するように第1の走査電極54を配置させて、データ用電極59と第2の走査用電極57とに印加する電圧により電界放出型ディスプレイの走査を行う構成としても良い。このとき、第1の走査用電極54には、画像データaに対応する電圧パルスを印加する。
(第1実施例)
次に、図10を参照して、第1実施例の電界放出型ディスプレイ70の構成及び結線方法について説明する。図10は、第1実施例の電界放出型ディスプレイの構成及び結線方法を説明するための図である。なお、図10において、先に説明した電界放出型ディスプレイ40と同一構成部分には同一の符号を付す。また、図10に示した符号に付した−1、−2、−3、・・・、−15、−16は、番号を示している(例えば、68−1は、「1番目の走査ライン」を示している。)。
電界放出型ディスプレイ70は、16本(n=16)の走査ライン68−1〜68−16を有している。本実施例では、第1の駆動装置44Aに4個(p=4)の駆動回路76−1〜76−4を設け、第2の駆動装置45Aに4個(q=4)の駆動回路64−1〜64−4を設けた場合(p=qで、(p・q)がnに等しい場合)を例に挙げて以下の説明をする。
電界放出型ディスプレイ70は、大略するとディスプレイ本体50Aと、4個の駆動回路76−1〜76−4を備えた第1の駆動装置44Aと、4個の駆動回路64−1〜64−4を備えた第2の駆動装置45Aと、信号線75A,78Aと、図示していない第1及び第2のシフトレジスタ42,43、データ用駆動装置46、制御装置41、及びデータ入力端子39とを有した構成とされている。 ディスプレイ本体50Aは、大略すると前面板65(図示せず)と、16本の第1の走査用電極54−1〜54−16と、16本の第2の走査用電極57−1〜57−16と、複数のデータ用電極59と、第1の走査用電極54−1〜54−16とデータ用電極59とが直交する基板52上に設けられた冷陰極60(図示せず)とを有した構成とされている。
第1の駆動装置44Aは、4個の駆動回路76−1〜76−4から構成されている。したがって、16本の第1の走査用電極54−1〜54−16を4個の駆動回路76−1〜76−4に接続するためには、第1の走査用電極54−1〜54−16を4個(p=4)の第1のグループに分ける必要がある。本実施例では、連続する4本の第1の走査用電極54が第1のグループとなるようグループ化されており、第1の走査用電極54−1〜54−4(以下、「第1の走査用電極群V1」とする)と駆動回路76−1との間、第1の走査用電極54−5〜54−8(以下、「第1の走査用電極群V2」とする)と駆動回路76−2との間、第1の走査用電極54−9〜54−12(以下、「第1の走査用電極群V3」とする)と駆動回路76−3との間、第1の走査用電極54−13〜54−16(以下、「第1の走査用電極群V4」とする)と駆動回路76−4との間はそれぞれ信号線75Aにより結線されている。
第2の駆動装置45Aは、4個の駆動回路64−1〜64−4から構成されている。したがって、16本の第2の走査用電極57−1〜57−16を駆動回路64−1〜64−4に接続するためには、第2の走査用電極57−1〜57−16を4個(q=4)の第2のグループに分ける必要がある。本実施例では、4本の第2の走査用電極57が第2のグループとなるようグループ化されており、第2の走査用電極57−1,57−5,57−9,57−13(以下、「第2の走査用電極群W1」とする)と駆動回路64−1との間、第2の走査用電極57−2,57−6,57−10,57−14(以下、「第2の走査用電極群W2」とする)と駆動回路64−2との間、第2の走査用電極57−3,57−7,57−11,57−15(以下、「第2の走査用電極群W3」とする)と駆動回路64−3との間、第2の走査用電極57−4,57−8,57−12,57−16(以下、「第2の走査用電極群W4」とする)と駆動回路64−4との間はそれぞれ信号線78Aにより結線されている。
次に、図11を参照して、第1実施例の電界放出型ディスプレイ70の駆動方法について説明する。図11は、第1実施例の電界放出型ディスプレイの駆動パルスの波形を示した図である。なお、図11に示した1Hは、1水平ラインを走査する時間を示しており、1Fは1画面を構成するのに要する(1画面を走査する)時間を示している。
また、図11において、(a1)は第1の走査用電極群V1の駆動パルスの波形、(a2)は第1の走査用電極群V2の駆動パルスの波形、(a3)は第1の走査用電極群V3の駆動パルスの波形、(a4)は第1の走査用電極群V4の駆動パルスの波形、(b1)は第2の走査用電極群W1の駆動パルスの波形、(b2)は第2の走査用電極群W2の駆動パルスの波形、(b3)は第2の走査用電極群W3の駆動パルスの波形、(b4)は第2の走査用電極群W4の駆動パルスの波形、(c)はデータ用電極59の駆動パルスの波形をそれぞれ示している。
なお、先に説明したように、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)と、データ用電極59に電圧VCP(VCP<VCN)とが印加された際、冷陰極エミッタ61から電子が放出し、電圧VAP(VAP>VAN)が印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス,VBP>VBN)が印加されることで、冷陰極60から蛍光体69に向けて電子ビームが放出されるように、電圧VAP、電圧VAN、電圧VBP、電圧VBN、電圧VCP、及び電圧VCNの数値はそれぞれ設定されている。また、電圧VBPは、電子ビームを集束させるような電圧値とされている。
図11に示すように、時刻t1において、第1の走査用電極群V1に電圧VAP、第1の走査用電極群V2〜V4に電圧VAN、第2の走査用電極群W1に電圧VBP、第2の走査用電極群W2〜W4に電圧VBNをそれぞれ印加する。これにより、データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1の走査用電極群V1とデータ用電極59とが直交する領域に位置する冷陰極60の冷陰極エミッタ61から電子が放出される。しかし、第1の走査用電極54−2〜54−4と対向する第2の走査用電極57−2〜54−4には、電圧VBPよりも小さい電圧VBNが印加されているため、冷陰極エミッタ61から放出された電子は冷陰極60内に留められ、第1の走査用電極54−2〜54−4に対応した冷陰極60から電子ビームは放出されない。
一方、第1の走査用電極54−1と対向する第2の走査用電極57−1には、電圧VBPが印加されており、1番目の走査ライン68−1が走査され、データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、電子は電子ビームとして、冷陰極60から蛍光体69に向けて放出される。なお、電圧VAPよりも小さい電圧VANが印加された第1の走査用電極54−5〜54−16に対応した冷陰極60からは、電子は放出されない。
次に、時刻t2において、第2の走査用電極群W1に電圧VBN、第2の走査用電極群W2に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群W1,W2以外の電極は、時刻t1と同じ電圧値)して、2番目の走査ライン68−2の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−2,57−2に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、3番目〜16番目の走査ライン68−3〜68−16の走査も同様に、図11に示した駆動パルスの波形に従って、各電極に所定の電圧を印加することで、3番目の走査ライン68−3、4番目の走査ライン68−4、・・・、15番目の走査ライン68−15、16番目の走査ライン68−16の順に走査することができる。
以上説明したように、各駆動回路76−1〜76−4に連続する4本の第1の走査用電極54からなる第1のグループを信号線75Aにより結線し、各駆動回路64−1〜64−4に4本の第2の走査用電極57からなる第2のグループを信号線78Aにより結線し、上記駆動方法を用いることで、従来の電界放出型ディスプレイ10,30の駆動回路数(16個)よりも少ない8個の駆動回路64−1〜64−4,76−1〜76−4で、16本の走査ライン68−1〜68−16を順次走査することが可能となる。これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも駆動回路の数を少なくして、電界放出型ディスプレイ70の製造コストを低減させることができる。
(第2実施例)
次に、図12を参照して、第2実施例の電界放出型ディスプレイ80の構成及び結線方法について説明する。図12は、第2実施例の電界放出型ディスプレイの構成及び結線方法を説明するための図である。なお、図12において、先に説明した電界放出型ディスプレイ70と同一構成部分には同一の符号を付す。また、図12に示した符号に付した−1、−2、−3、・・・、−1024は、番号を示している(例えば、68−1は、「1番目の走査ライン」を示している。)。
電界放出型ディスプレイ80は、1024本(n=1024)の走査ライン68−1〜68−1024を有している。本実施例では、第1の駆動装置44Bに32個(p=32)の駆動回路76−1〜76−32を設け、第2の駆動装置45Bに32個(q=32)の駆動回路64−1〜64−32を設けた場合(p=qで、(p・q)がnに等しい場合)を例に挙げて以下の説明をする。
電界放出型ディスプレイ80は、1024本の第1の走査用電極54−1〜54−1024と、1024本の第2の走査用電極57−1〜57−1024と、複数のデータ用電極59と、第1の走査用電極54−1〜54−1024とデータ用電極59とが直交する領域に設けられた冷陰極60(図示せず)と、32個の駆動回路76−1〜76−32を備えた第1の駆動装置44Bと、32個の駆動回路64−1〜64−32を備えた第2の駆動装置45Bと、信号線75B,78Bと、図示していない第1及び第2のシフトレジスタ42,43、データ用駆動装置46、制御装置41、及びデータ入力端子39とを有した構成とされている。
第1の駆動装置44Bは、32個(p=32)の駆動回路76−1〜76−32から構成されている。したがって、1024本の第1の走査用電極54−1〜54−1024を32個の駆動回路76−1〜76−32に接続するためには、1024本の第1の走査用電極54−1〜54−1024を32個の第1のグループに分ける必要がある。
本実施例では、連続する32本の第1の走査用電極54が第1のグループとなるようグループ化されており、第1の走査用電極54−1〜54−32(以下、「第1の走査用電極群H1」とする)と駆動回路76−1との間、第1の走査用電極54−33〜54−64(以下、「第1の走査用電極群H2」とする)と駆動回路76−2との間、・・・、第1の走査用電極54−961〜54−992(以下、「第1の走査用電極群H31」とする)と駆動回路76−31との間、第1の走査用電極54−993〜54−1024(以下、「第1の走査用電極群H32」とする)と駆動回路76−32との間はそれぞれ信号線75Bにより結線されている。
第2の駆動装置45Bは、32個(q=32)の駆動回路64−1〜64−32から構成されている。したがって、1024本の第2の走査用電極57−1〜57−1024を駆動回路64−1〜64−32に接続して駆動させるためには、1024本の第2の走査用電極57−1〜57−1024を32個の第2のグループに分ける必要がある。
本実施例では、32本の第2の走査用電極57が第2のグループとなるようグループ化されており、第2の走査用電極57−1,57−33,57−65,・・・、57−961、57−993(以下、「第2の走査用電極群J1」とする)と駆動回路64−1との間、第2の走査用電極57−2,57−34,57−66,・・・,57−962、57−994(以下、「第2の走査用電極群J2」とする)と駆動回路64−2との間、・・・・・、第2の走査用電極57−31,57−63,57−95,・・・,57−991、57−1023(以下、「第2の走査用電極群J31」とする)と駆動回路64−31との間、第2の走査用電極57−32,57−64,57−96,・・・,57−992、57−1024(以下、「第2の走査用電極群J32」とする)と駆動回路64−32との間はそれぞれ信号線78Bにより結線されている。
次に、図13を参照して、第2実施例の電界放出型ディスプレイ80の駆動方法について説明する。図13は、第2実施例の電界放出型ディスプレイの駆動パルスの波形を示した図である。なお、図13に示した1Hは、1水平ラインを走査する時間を示しており、1Fは1画面を構成するのに要する(1画面を走査する)時間を示している。
また、図13において、(d1)は第1の走査用電極群H1の駆動パルスの波形、(d2)は第1の走査用電極群H2の駆動パルスの波形、(d32)は第1の走査用電極群H32の駆動パルスの波形、(e1)は第2の走査用電極群J1の駆動パルスの波形、(e2)は第2の走査用電極群J2の駆動パルスの波形、(e32)は第2の走査用電極群J32の駆動パルスの波形、(f)はデータ用電極59の駆動パルスの波形をそれぞれ示している。
なお、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)と、データ用電極59に電圧VCP(VCP<VCN)とが印加された際、冷陰極60の冷陰極エミッタ61から電子が放出し、電圧VAP(VAP>VAN)が印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス、VBP>VBN)が印加されることで、冷陰極エミッタ61から放出された電子は電子ビームとして、冷陰極60から蛍光体69に向けて放出されように、電圧VAP、電圧VAN、電圧VBP、電圧VBN、電圧VCP、及び電圧VCNの数値は設定されている。また、電圧VBPは、電子ビームを集束させるような電圧値とされている。
図13に示すように、時刻t1において、第1の走査用電極群H1に電圧VAP、第1の走査用電極群H2〜H32に電圧VAN、第2の走査用電極群J1に電圧VBP、第2の走査用電極群J2〜J32に電圧VBNをそれぞれ印加して、1番目の走査ライン68−1の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−1,57−1に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、時刻t2において、第2の走査用電極群J1に電圧VBN、第2の走査用電極群J2に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群J1,J2以外の電極は、時刻t1と同じ電圧値)して、2番目の走査ライン68−2の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−2,57−2に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。その後、第2の走査用電極群J3、第2の走査用電極群J4、・・・、第2の走査用電極群J31、第2の走査用電極群J32の順に電圧VBPを印加すると共に、電圧VBPが印加された第2の走査用電極群以外の第2の走査用電極群に電圧VBNを印加することで、3番目〜32番目の走査ライン68−3〜68−32の走査を順次行う。
次に、時刻t3において、第1の走査用電極群H1,H3〜H32に電圧VAN、第1の走査用電極群H2に電圧VAP、第2の走査用電極群J1に電圧VBP、第2の走査用電極群J2〜J32に電圧VBNをそれぞれ印加して、33番目の走査ライン68−33の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−33,57−33に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、第2の走査用電極群J2、第2の走査用電極群J3、・・・、第2の走査用電極群J31、第2の走査用電極群J32の順に電圧VBPを印加すると共に、電圧VBPが印加された第2の走査用電極群以外の第2の走査用電極群に電圧VBNを印加(第2の走査用電極群J1〜J32以外の電極は、時刻t2と同じ電圧値)することで、34〜68番目の走査ライン68−34〜68−64の走査を順次行う。
その後、同様な手法により、第1の走査用電極群H3、第1の走査用電極群H4、・・・、第1の走査用電極群H31、第1の走査用電極群H32に順次電圧VAPを印加すると共に、第2の走査用電極群J1、第2の走査用電極群J2、・・・、第2の走査用電極群J31、第2の走査用電極群J32に順次電圧VBPを印加することで、65〜1024番目の走査ライン68−65〜68−1024を順次走査することができる。また、時刻t4において、次のフレームを表示する際も同様な手法により、走査することができる。
次に、図14を参照して、本実施例の上記走査を行う際に必要な第1及び第2のシフトレジスタ42,43(図4参照)に入力されるクロックC1,C2及び走査パルスP1,P2の波形について説明する。図14は、第1及び第2のシフトレジスタに入力されるクロック及び走査パルスの波形を示した図である。なお、図14において、(h1)はクロックC1の波形、(k1)は走査パルスP1の波形、(h2)はクロックC2の波形、(k2)は走査パルスP2の波形をそれぞれ示している。
本実施例の電界放出型ディスプレイ80では、32本の第1の走査用電極54からなる第1のグループを32個(p=32)設け、駆動回路76−1〜76−32のそれぞれに対して第1のグループを接続すると共に、32本の第2の走査用電極57からなる第2のグループを32個(q=32個)設け、駆動回路64−1〜64−32のそれぞれに対して第2のグループを接続した構成とされている。したがって、第1のシフトレジスタ42に入力される走査パルスP1のパルス幅は32H、クロックC1の周期は32Hとなり、第2のシフトレジスタ43に入力される走査パルスP2のパルス幅は1H、クロックC2の周期は1Hとなる。
このようなクロックC1及び第1の走査パルスP1を第1のシフトレジスタ42に入力すると共に、クロックC2及び第2の走査パルスP2を第2のシフトレジスタ43に入力することで、図13に示した駆動パルスを第1の走査用電極54−1〜54−1024及び第2の走査用電極57−1〜57−1024に印加させることができる。
以上説明したように、32本の第1の走査用電極54からなる第1のグループを32個設け、駆動回路76−1〜76−32のそれぞれに対して第1のグループを接続すると共に、32本の第2の走査用電極57からなる第2のグループを32個設け、駆動回路64−1〜64−32のそれぞれに対して第2のグループを接続し、上記駆動方法を用いることにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30の駆動回路数(1024個)よりも少ない64個の駆動回路64−1〜64−32,76−1〜76−32で1024本の走査ライン68−1〜68−1024を順次走査することが可能となる。これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも駆動回路の数を少なくして、電界放出型ディスプレイ80の製造コストを低減させることができる。
なお、例えば、走査ラインの数が1080本(n=1080)のHDTVに、30本の第1の走査用電極からなる第1のグループを36個(p=36)と、36本の第2の走査用電極からなる第2のグループを30個(q=30)とを設け、66個の駆動回路のそれぞれに第1のグループ又は第2のグループのいずれかを接続することで、1080本(n=1080)の走査ラインを有したHDTVを従来の駆動回路数(1080個)よりも少ない66個の駆動回路でHDTVを駆動させることができる。
(第3実施例)
次に、図15を参照して、第3実施例の電界放出型ディスプレイ90の構成及び結線方法について説明する。図15は、第3実施例の電界放出型ディスプレイの構成及び結線方法を説明するための図である。なお、図15において、先に説明した電界放出型ディスプレイ70と同一構成部分には同一の符号を付す。また、図15に示した符号に付した−1、−2、−3、・・・、−15、−16は、番号を示している(例えば、68−1は、「1番目の走査ライン」を示している。)。
電界放出型ディスプレイ90は、16本(n=16)の走査ライン68−1〜68−16を有している。本実施例の電界放出型ディスプレイ90では、走査ライン68の数16よりも小さい10個の駆動回路76−1〜76−6,64−1〜64−4で走査ライン68−1〜68−16を走査する場合を例に挙げて以下の説明をする。
電界放出型ディスプレイ90は、大略するとディスプレイ本体50Aと、6個(p=6)の駆動回路76−1〜76−6を備えた第1の駆動装置44Cと、4個(q=4)の駆動回路64−1〜64−4を備えた第2の駆動装置45Cと、信号線75C,78Cと、図示していない第1及び第2のシフトレジスタ42,43、データ用駆動装置46、制御装置41、及びデータ入力端子39とを有した構成とされている。
第1の駆動装置44Cは、6個(p=6)の駆動回路76−1〜76−6から構成されている。したがって、16本の第1の走査用電極54−1〜54−16を6個(p=6)の第1のグループに分けて、駆動回路76−1〜76−6に結線する必要がある。
本実施例では、16本の第1の走査用電極54−1〜54−16を、第1の走査用電極54−1〜54−3(以下、「第1の走査用電極群K1」とする)と、第1の走査用電極54−4〜54−6(以下、「第1の走査用電極群K2」とする)と、第1の走査用電極54−7〜54−9(以下、「第1の走査用電極群K3」とする)と、第1の走査用電極54−10〜54−12(以下、「第1の走査用電極群K4」とする)と、第1の走査用電極54−13〜54−15(以下、「第1の走査用電極群K5」とする)と、第1の走査用電極54−16との6個の第1のグループに分け、第1の走査用電極群K1と駆動回路76−1との間、第1の走査用電極群K2と駆動回路76−2との間、第1の走査用電極群K3と駆動回路76−3との間、第1の走査用電極群K4と駆動回路76−4との間、第1の走査用電極群K5と駆動回路76−5との間、第1の走査用電極54−16と駆動回路76−6との間をそれぞれ信号線75Cにより結線した。このように、駆動回路76に接続する第1の走査用電極54の数を駆動回路76間で異ならせても良い。
第2の駆動装置45Cは、4個(q=4)の駆動回路64−1〜64−4から構成されている。したがって、16本の第2の走査用電極57−1〜57−16を4個(q=4)の第2のグループに分けて、駆動回路64−1〜64−4に結線する必要がある。
本実施例では、16本の第2の走査用電極57−1〜57−16を、第2の走査用電極57−1,57−5,57−9,57−13(以下、「第2の走査用電極群L1」とする)と、第2の走査用電極57−2,57−6,57−10,57−14(以下、「第2の走査用電極群L2」とする)と、第2の走査用電極57−3,57−7,57−11,57−15(以下、「第2の走査用電極群L3」とする)と、第2の走査用電極57−4,57−8,57−12,57−16(以下、「第2の走査用電極群L4」とする)との4個の第2のグループに分け、第2の走査用電極群L1と駆動回路64−1との間、第2の走査用電極群L2と駆動回路64−2との間、第2の走査用電極群L3と駆動回路64−3との間、第2の走査用電極群L4と駆動回路64−4との間をそれぞれ信号線78Cにより結線した。
次に、図16を参照して、第3実施例の電界放出型ディスプレイ90の駆動方法について説明する。図16は、第3実施例の電界放出型ディスプレイの駆動パルスの波形を示した図である。なお、図16において、(m1)は第1の走査用電極群K1の駆動パルスの波形、(m2)は第1の走査用電極群K2の駆動パルスの波形、(m3)は第1の走査用電極群K3の駆動パルスの波形、(m4)は第1の走査用電極群K4の駆動パルスの波形、(m5)は第1の走査用電極群K5の駆動パルスの波形、(m6)は第1の走査用電極54−16の駆動パルスの波形、(n1)は第2の走査用電極群L1の駆動パルスの波形、(n2)は第2の走査用電極群L2の駆動パルスの波形、(n3)は第2の走査用電極群L3の駆動パルスの波形、(n4)は第2の走査用電極群L4の駆動パルスの波形、(r)はデータ用電極59の駆動パルスの波形をそれぞれ示している。
なお、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)と、データ用電極59に電圧VCP(VCP<VCN)とが印加された際、冷陰極60の冷陰極エミッタ61から電子が放出し、電圧VAP(VAP>VAN)が印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス、VBP>VBN)が印加されることで、放出された電子は電子ビームとして、冷陰極60から蛍光体69に向けて放出されるよう、電圧VAP、電圧VAN、電圧VBP、電圧VBN、電圧VCP、及び電圧VCNの数値はそれぞれ設定されている。また、電圧VBPは、電子ビームを集束させるような電圧値とされている。
図16に示すように、時刻t1において、第1の走査用電極群K1に電圧VAP、第1の走査用電極群K2〜K5及び第1の走査用電極54−16に電圧VAN、第2の走査用電極群L1に電圧VBP、第2の走査用電極群L2〜L4に電圧VBNをそれぞれ印加して、1番目の走査ライン68−1の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−1,57−1に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、時刻t2において、第2の走査用電極群L1に電圧VBN、第2の走査用電極群L2に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群L1,L2の電極以外の電極は、時刻t1と同じ電圧値)して、2番目の走査ライン68−2の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−2,57−2に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
次に、時刻t3において、第2の走査用電極群L2に電圧VBN、第2の走査用電極群L3に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群L2,L3の電極以外の電極は、時刻t2と同じ電圧値)して、3番目の走査ライン68−3の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−3,57−3に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、時刻t4において、第1の走査用電極群K2に電圧VAP、第1の走査用電極群K1,K3〜K5及び第1の走査用電極54−16に電圧VAN、第2の走査用電極群L4に電圧VBP、第2の走査用電極群L1〜L3に電圧VBNをそれぞれ印加して、4番目の走査ライン68−4の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−4,57−4に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
その後、同様な手法により、走査したい走査ライン68に対応する第1の走査用電極54に電圧VAPを印加すると共に、電圧VAPが印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBPを印加することで、5番目の走査ライン68−5、6番目の走査ライン68−6、・・・、15番目の走査ライン68−15、16番目の走査ライン68−16の順に走査することができる。
このように、走査ライン68の数16(n=16)よりも小さい10個(本実施例の場合)の駆動回路を第1の駆動装置44Cと第2の駆動装置45Cとに振り分け、6個(p=6)の駆動回路76のそれぞれに対して第1のグループを結線し、4個(q=4)の駆動回路64のそれぞれに対して第2のグループを結線し、上記駆動方法を用いることにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30の駆動回路数(16個)よりも少ない10個の駆動回路64−1〜64−6,76−1〜76−6で16本の走査ライン68−1〜68−16を順次走査することが可能となる。これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも駆動回路の数を少なくして、電界放出型ディスプレイ90の製造コストを低減させることができる。
(第4実施例)
次に、図17を参照して、第4実施例の電界放出型ディスプレイ100の構成及び結線方法について説明する。図17は、第4実施例の電界放出型ディスプレイの構成及び結線方法を説明するための図である。なお、図17において、先に説明した電界放出型ディスプレイ70と同一構成部分には同一の符号を付す。
電界放出型ディスプレイ100は、16本(n=16)の走査ライン68−1〜68−16を有しており、本実施例の電界放出型ディスプレイ100では、10個の駆動回路を、第1の駆動装置44Dに4個(p=4)の駆動回路76−1〜76−4を振り分け、第2の駆動装置45Dに6個(q=6)の駆動回路64−1〜64−6を振り分けた場合について以下の説明をする。
電界放出型ディスプレイ100は、大略するとディスプレイ本体50Aと、4個(p=4)の駆動回路76−1〜76−4を備えた第1の駆動装置44Dと、6個(q=6)の駆動回路64−1〜64−6を備えた第2の駆動装置45Dと、信号線75D,78Dと、図示していない第1及び第2のシフトレジスタ42,43、データ用駆動装置46、制御装置41、及びデータ入力端子39とを有した構成とされている。
16本の第1の走査用電極54−1〜54−16は、第1の走査用電極54−1,54−5,54−9,54−13(以下、「第1の走査用電極群M1」とする)と、第1の走査用電極54−2,54−6,54−10,54−14(以下、「第1の走査用電極群M2」とする)と、第1の走査用電極54−3,54−7,54−11,54−15(以下、「第1の走査用電極群M3」とする)と、第1の走査用電極54−4,54−8,54−12,54−16(以下、「第1の走査用電極群M4」とする)との4個(p=4)の第1のグループに分けられており、第1の走査用電極群M1と駆動回路76−1との間、第1の走査用電極群M2と駆動回路76−2との間、第1の走査用電極群M3と駆動回路76−3との間、第1の走査用電極群M4と駆動回路76−4との間は、それぞれ信号線75Dにより結線されている。
16本の第2の走査用電極57−1〜57−16は、第2の走査用電極57−1〜57−3(以下、「第2の走査用電極群N1」とする)と、第2の走査用電極57−4〜57−6(以下、「第2の走査用電極群N2」とする)と、第2の走査用電極57−7〜57−9(以下、「第2の走査用電極群N3」とする)と、第2の走査用電極57−10〜57−12(以下、「第2の走査用電極群N4」とする)と、第2の走査用電極57−13〜57−15(以下、「第2の走査用電極群N5」とする)と、第2の走査用電極57−16との6個(q=6)の第2のグループに分けられており、第2の走査用電極群N1と駆動回路64−1との間、第2の走査用電極群N2と駆動回路64−2との間、第2の走査用電極群N3と駆動回路64−3との間、第2の走査用電極群N4と駆動回路64−4との間、第2の走査用電極群N5と駆動回路64−5との間、第2の走査用電極57−16と駆動回路64−6との間はそれぞれ信号線78Dにより結線されている。このように、各駆動回路64に接続する第2の走査用電極57の数を駆動回路64間で異ならせても良い。
次に、図18を参照して、第4実施例の電界放出型ディスプレイ100の駆動方法について説明する。図18は、第4実施例の電界放出型ディスプレイの駆動パルスの波形を示した図である。なお、図18において、(s1)は第1の走査用電極群M1の駆動パルスの波形、(s2)は第1の走査用電極群M2の駆動パルスの波形、(s3)は第1の走査用電極群M3の駆動パルスの波形、(s4)は第1の走査用電極群M4の駆動パルスの波形、(u1)は第2の走査用電極群N1の駆動パルスの波形、(u2)は第2の走査用電極群N2の駆動パルスの波形、(u3)は第2の走査用電極群N3の駆動パルスの波形、(u4)は第2の走査用電極群N4の駆動パルスの波形、(u5)は第2の走査用電極群N5の駆動パルスの波形、(u6)は第2の走査用電極57−16の駆動パルスの波形、(v)はデータ用電極59の駆動パルス波形をそれぞれ示している。
なお、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)と、データ用電極59に電圧VCP(VCP<VCN)とが印加された際、冷陰極60の冷陰極エミッタ61から電子が放出し、電圧VAP(VAP>VAN)が印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス、VBP>VBN)が印加されることで、冷陰極エミッタ61から放出された電子は電子ビームとして、冷陰極60から蛍光体69に向けて放出されように、電圧VAP、電圧VAN、電圧VBP、電圧VBN、電圧VCP、及び電圧VCNの数値は設定されている。また、電圧VBPは、電子ビームを集束させるような電圧値とされている。
図18に示すように、時刻t1において、第1の走査用電極群M1に電圧VAP、第1の走査用電極群M2〜M4に電圧VAN、第2の走査用電極群N1に電圧VBP、第2の走査用電極群N2〜N5及び第2の走査用電極57−16に電圧VBNをそれぞれ印加して、1番目の走査ライン68−1の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−1,57−1に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、時刻t2において、第1の走査用電極群M1に電圧VAN、第1の走査用電極群M2に電圧VAPをそれぞれ印加(第1の走査用電極群M1,M2の電極以外の電極は、時刻t1と同じ電圧値)して、2番目の走査ライン68−2の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−2,57−2に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
次に、時刻t3において、第1の走査用電極群M2に電圧VAN、第1の走査用電極群M3に電圧VAPをそれぞれ印加(第1の走査用電極群M2,M3の電極以外の電極は、時刻t2と同じ電圧値)して、3番目の走査ライン68−3の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−3,57−3に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、時刻t4において、第1の走査用電極群M3に電圧VAN、第1の走査用電極群M4に電圧VAP、第2の走査用電極群N1,N3〜N5及び第2の走査用電極57−16に電圧VBN、第2の走査用電極群N2に電圧VBPして、4番目の走査ライン68−4の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−4,57−4に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
その後、同様な手法により、走査したい走査ライン68に対応する第1の走査用電極54に電圧VAPを印加すると共に、電圧VAPが印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBPを印加することで、5番目の走査ライン68−5、6番目の走査ライン68−6、・・・、15番目の走査ライン68−15、16番目の走査ライン68−16の順に走査を行うことができる。
このように、走査ライン68の数16(n=16)よりも小さい10個(本実施例の場合)の駆動回路を第1の駆動装置44Dと第2の駆動装置45Dとに振り分け、4個(p=4)の駆動回路76に第1の走査用電極群M1〜M4のいずれかを結線すると共に、6個(q=6)の駆動回路64に第2の走査用電極群N1〜N5及び第2の走査用電極57−16のいずれかを結線し、上記駆動方法を用いることで、従来の電界放出型ディスプレイ10,30の駆動回路数(16個)よりも少ない10個の駆動回路64−1〜64−6,76−1〜76−4で、16本の走査ライン68−1〜68−16を順次走査することが可能となる。これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも駆動回路の数を少なくして、電界放出型ディスプレイ100の製造コストを低減させることができる。
(第5実施例)
次に、図19を参照して、第5実施例の電界放出型ディスプレイ110の構成及び結線方法について説明する。図19は、第5実施例の電界放出型ディスプレイの構成及び結線方法を説明するための図である。なお、図19において、先に説明した電界放出型ディスプレイ70と同一構成部分には同一の符号を付す。
電界放出型ディスプレイ110は、16本(n=16)の走査ライン68−1〜68−16を有しており、大略するとディスプレイ本体50Aと、2個(p=2)の駆動回路76−1,76−2を備えた第1の駆動装置44Eと、8個(q=8)の駆動回路64−1〜64−8を備えた第2の駆動装置45Eと、信号線75E,78Eと、図示していない第1及び第2のシフトレジスタ42,43、データ用駆動装置46、制御装置41、及びデータ入力端子39とを有した構成とされている。したがって、電界放出型ディスプレイ110では、(p・q)がnに等しくなるようにpとqが設定されている。
16本の第1の走査用電極54−1〜54−16は、第1の走査用電極54−1〜54−4,54−9〜54−12(以下、「第1の走査用電極群Q1」とする)と、第1の走査用電極54−5〜54−8,54−13〜54−16(以下、「第1の走査用電極群Q2」とする)との2個(p=2)の第1のグループに分けられており、第1の走査用電極群Q1と駆動回路76−1との間、第1の走査用電極群Q2と駆動回路76−2との間はそれぞれ信号線75Eにより結線されている。
16本の第2の走査用電極57−1〜57−16は、第2の走査用電極57−1,57−5(以下、「第2の走査用電極群R1」とする)と、第2の走査用電極57−2,57−6(以下、「第2の走査用電極群R2」とする)と、第2の走査用電極57−3,57−7(以下、「第2の走査用電極群R3」とする)と、第2の走査用電極57−4,57−8(以下、「第2の走査用電極群R4」とする)と、第2の走査用電極57−9,57−13(以下、「第2の走査用電極群R5」とする)と、第2の走査用電極57−10,57−14(以下、「第2の走査用電極群R6」とする)と、第2の走査用電極57−11,57−15(以下、「第2の走査用電極群R7」とする)と、第2の走査用電極57−12,57−16(以下、「第2の走査用電極群R8」とする)との8個(q=8)の第2のグループに分けられている。
また、第2の走査用電極群R1と駆動回路64−1との間、第2の走査用電極群R2と駆動回路64−2との間、第2の走査用電極群R3と駆動回路64−3との間、第2の走査用電極群R4と駆動回路64−4との間、第2の走査用電極群R5と駆動回路64−5との間、第2の走査用電極群R6と駆動回路64−6との間、第2の走査用電極群R7と駆動回路64−7との間、第2の走査用電極群R8と駆動回路64−8との間はそれぞれ信号線78Eにより結線されている。
したがって、本実施例の電界放出型ディスプレイ110は、駆動回路76−1,76−2,64−1〜64−4により走査ライン68−1〜68−8(上半分の走査ライン)の走査を行い、駆動回路76−1,76−2,64−5〜64−8により走査ライン68−9〜68−16(下半分の走査ライン)の走査を行う構成とされている。
次に、図20を参照して、第5実施例の電界放出型ディスプレイ110の駆動方法について説明する。図20は、第5実施例の電界放出型ディスプレイの駆動パルスの波形を示した図である。なお、図20において、(w1)は第1の走査用電極群Q1の駆動パルスの波形、(w2)は第1の走査用電極群Q2の駆動パルスの波形、(x1)は第2の走査用電極群R1の駆動パルスの波形、(x2)は第2の走査用電極群R2の駆動パルスの波形、(x3)は第2の走査用電極群R3の駆動パルスの波形、(x4)は第2の走査用電極群R4の駆動パルスの波形、(x5)は第2の走査用電極群R5の駆動パルスの波形、(x6)は第2の走査用電極群R6の駆動パルスの波形、(x7)は第2の走査用電極群R7の駆動パルスの波形、(x8)は第2の走査用電極群R8の駆動パルスの波形、(y)はデータ用電極59の駆動パルス波形をそれぞれ示している。
なお、第1の走査用電極54に電圧VAP(第1の駆動パルス)と、データ用電極59に電圧VCP(VCP<VCN)とが印加された際、冷陰極60の冷陰極エミッタ61から電子が放出し、電圧VAP(VAP>VAN)が印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBP(第2の駆動パルス、VBP>VBN)が印加されることで、冷陰極エミッタ61から放出された電子は電子ビームとして、冷陰極60から蛍光体69に向けて放出されように、電圧VAP、電圧VAN、電圧VBP、電圧VBN、電圧VCP、及び電圧VCNの数値は設定されている。また、電圧VBPは、電子ビームを集束させるような電圧値とされている。
図20に示すように、時刻t1において、第1の走査用電極群Q1に電圧VAP、第1の走査用電極群Q2に電圧VAN、第2の走査用電極群R1に電圧VBP、第2の走査用電極群R2〜R8に電圧VBNをそれぞれ印加して、1番目の走査ライン68−1の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−1,57−1に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
次に、時刻t2において、第2の走査用電極群R1に電圧VBN、第2の走査用電極群R2に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群R1,R2の電極以外の電極は、時刻t1と同じ電圧値)して、2番目の走査ライン68−2の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−2,57−2に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
続いて、第2の走査用電極群R3、第2の走査用電極群R4に対して順次電圧VBPを印加すると共に、電圧VBPが印加された第2の走査用電極群以外の第2の走査用電極群の全てに電圧VBNを印加することで、3番目の走査ライン68−3、4番目の走査ライン68−4の順に走査を行う。
その後、5番目の走査ライン68−5、6番目の走査ライン68−6、7番目の走査ライン68−7、8番目の走査ライン68−8に対応した第1の走査用電極54に電圧VAPを印加すると共に、電圧VAPが印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBPを順次印加して、5番目の走査ライン68−5、6番目の走査ライン68−6、7番目の走査ライン68−7、8番目の走査ライン68−8の順に走査を行う。
その後、時刻t3において、第1の走査用電極群Q1に電圧VAP、第1の走査用電極群Q2に電圧VAN、第2の走査用電極群R5に電圧VBP、第2の走査用電極群R1〜R4,R6〜R8に電圧VBNして、9番目の走査ライン68−9の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−9,57−9に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
次に、時刻t4において、第2の走査用電極群R5に電圧VBN、第2の走査用電極群R6に電圧VBPをそれぞれ印加(第2の走査用電極群R5,R6の電極以外の電極は、時刻t3の時と同じ電圧値)して、10番目の走査ライン68−10の走査を行う。データ用電極59に電圧VCPが印加されたラインでは、第1及び第2の走査用電極54−10,57−10に対応した冷陰極60から電子ビームが放出する。
その後、各走査ライン68−11〜68−16に対応した第1の走査用電極54に電圧VAPを印加すると共に、電圧VAPが印加された第1の走査用電極54と対向する第2の走査用電極57に電圧VBPを順次印加することで、11番目の走査ライン68−11、12番目の走査ライン68−12、13番目の走査ライン68−13、14番目の走査ライン68−14、15番目の走査ライン68−15、16番目の走査ライン68−16の順に走査を行うことができる。
このように、(p・q)がnに等しくなるように駆動回路を第1の駆動装置44Eと第2の駆動装置45Eとに振り分け、2個(p=4)の駆動回路76に第1の走査用電極群Q1,Q2のいずれかを結線すると共に、8個(q=8)の駆動回路64に第2の走査用電極群R1〜R8のいずれかを結線し、上記駆動方法を用いることで、従来の電界放出型ディスプレイ10,30の駆動回路数(16個)よりも少ない10個の駆動回路64−1〜64−8,76−1,76−2で、16本の走査ライン68−1〜68−16を順次走査することが可能となる。これにより、従来の電界放出型ディスプレイ10,30よりも駆動回路の数を少なくして、電界放出型ディスプレイ110の製造コストを低減させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。なお、上記第1乃至5実施例において、データ用電極59と第2の走査用電極57とを対向するよう配置し、データ用電極59及び第2の走査用電極57と直交するように第1の走査電極54を配置させて、データ用電極59と第2の走査用電極57とに印加する電圧により電界放出型ディスプレイの走査を行う構成としても良い。このとき、第1の走査用電極54には、画像データaに対応する電圧パルスを印加する。また、走査ライン68の数n及び結線方法は、上記第1乃至5実施例に限定されない。