JP5041913B2 - チルベント - Google Patents

チルベント Download PDF

Info

Publication number
JP5041913B2
JP5041913B2 JP2007211328A JP2007211328A JP5041913B2 JP 5041913 B2 JP5041913 B2 JP 5041913B2 JP 2007211328 A JP2007211328 A JP 2007211328A JP 2007211328 A JP2007211328 A JP 2007211328A JP 5041913 B2 JP5041913 B2 JP 5041913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vent
gas
molten metal
downstream
chill
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007211328A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009045630A (ja
Inventor
松菊 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2007211328A priority Critical patent/JP5041913B2/ja
Publication of JP2009045630A publication Critical patent/JP2009045630A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5041913B2 publication Critical patent/JP5041913B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、ダイカスト鋳造において、溶湯の充填時に金型のキャビティ内に残留するガスをベント部に通過させて排出し、ガス排出後にベント部に流入した溶湯をベント部内で冷却凝固させて溶湯の噴出を防止するチルベントに関する。
ダイカスト装置によるダイカスト鋳造において、溶湯の高圧充填時に金型のキャビティ内にガスが残留すると、ガスを巻き込んだ状態で溶湯が凝固して製品にガスホール等が生じ、製品の強度を低下させたり、気密性を損なう等、製品品質の低下を招く。
また、金型のキャビティ内に連通するガス抜き通路を設けて、キャビティ内に残留しているガスを排出させると、ガス排出後に溶湯が通過して金型外に噴出してしまう。
そこで、金型にチルベントを装着して、ガス抜き通路から流入するガスを通過させて排出し、ガス排出後に流入する溶湯を冷却凝固させて、溶湯の噴出を阻止することが行われている。
図5は、従来のチルベントの構成を説明する図である。
ダイカスト装置100の固定ダイ100aには、固定金型101が取り付けられ、可動ダイ100bには、可動金型102が取り付けられている。固定金型101と可動金型102は、互いに合わせ面を合わせて型締めすることにより、キャビティ103を形成する。キャビティ103には、溶湯を供給するための湯道(図示せず)と、キャビティ103内のガスを排出するためのガス抜き通路104が連通して形成されている。
ガス抜き通路104は、固定金型101と可動金型102により形成されるガス抜き溝105とチルベント110とからなっている。ガス抜き溝105は、固定金型101の合わせ面に設けられた固定側ガス抜き溝と可動金型102の合わせ面に設けられた可動側ガス抜き溝によって形成されている。ガス抜き溝105は、キャビティ103から上方に向かって延在するように設けられている。
チルベント110は、固定側チルブロック111と可動側チルブロック112によって構成されている。各チルブロック111、112は、固定金型101と可動金型102の上部にそれぞれ設けられて互いに対向し、型締めによってベント部113を形成する。
ベント部113は、固定側チルブロック111の対向面に設けられて左右方向に直線状に延在しかつ上下に並べられた複数の山部と、可動側チルブロック112の対向面に設けられて左右方向に直線状に延在しかつ上下に並べられた複数の山部とを上下に互い違いに組み合わせて形成され、ガス抜き溝105に下端が連通し、チルベント110の上部に上端が開放された、上下に略波形状に連続する狭い隙間を有する。
上記構成によれば、固定金型101と可動金型102が型締めされてキャビティ103内に溶湯が高圧充填され、キャビティ103内からガスが排出されると、そのガスは、ガス抜き通路104のガス抜き溝105を通過してチルベント110のベント部113に流れ込み、ベント部113内を上方に向かって通過して、チルベント110の上部から上方に排出される。そして、ガス排出後にキャビティ103からガス抜き溝105を通過してベント部113に流入した溶湯がベント部113内で冷却されて凝固され、溶湯の噴出が阻止される(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−249508号公報
チルベント110は、ベント部113の隙間又は幅を広げて断面積を大きくすることにより、ガスの吹き抜け性を向上させることが可能であるが、ベント部113の隙間を広げすぎると、固定側チルブロック111と可動側チルブロック112による溶湯の冷却性能が低下して溶湯を凝固させることができず、チルベント110から溶湯が噴出するおそれがある。
また、ベント部113を幅方向に広げると、チルベント110全体が大型化し、設置スペースの確保が困難で、より小型化を目指す最近の要請に応えることができず、また、ベント部113の幅は、固定金型101や可動金型102の寸法上の制約を受け、むやみに広げることができない。
したがって、従来のチルベント110は、ベント部113の断面積をあまり大きくすることはできず、ガスの吹き抜け量が制限されていた。したがって、チルベント110のガスの吹き抜け性を向上させることは困難で、ガスホール等の発生を完全に防ぐことができず、製品品質の低下が懸念されていた。
また、図6は、従来のチルベント110のベント部113を拡大した図であり、図6(a)は対向する一対のチルブロック111、112の位置決めが正確になされている場合を示す図、図6(b)は、対向する一対のチルブロック111、112の位置決めが正確になされておらず、互いに上下にずれている場合を示す図である。
例えば、図6(a)に示すように、チルブロック111、112の加工精度が高く、それぞれの位置決めが正確になされており、固定金型101と可動金型102の合わせ精度が高い場合には、ベント部113は、上流から下流まで均等な断面積を有して連続し、ガスの吹き抜け性を確保できる(δ1≒δ2)。
しかしながら、図6(b)に示すように、チルブロック111、112の位置決めが正確になされていない場合や、チルブロック111、112の加工精度が低い場合、金型101、102の合わせ精度が低い場合には、ベント部113に極度に狭められた箇所ができ(δ1′<δ2′)、ガス抜き通路の断面積が縮小されて、ガスの吹き抜け性が悪化するおそれがある。
また、ベント部113に極度に狭められた箇所が存在すると、型開きの際に、溶湯が凝固して形成された薄い波板状のフレークが当該箇所で折れて上流側と下流側とに分離し、フレークの一部がチルブロックや金型に残存するおそれがあり、次サイクルで型締めしたときにチルブロックや金型に噛み込まれてチルブロック111、112や金型101、102を破損することが懸念される。
したがって、従来のチルベント110では、チルブロック111、112の加工精度や位置決め精度、或いは金型101、102の合わせ精度に厳密さが要求されていた。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成でガスの吹き抜け性がよく且つ溶湯の噴出を阻止できるチルベントを提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明によるチルベントは、一対の金型に設けられ、該金型の型締めにより前記金型のキャビティに連通するガス抜き通路を形成し、前記キャビティから前記ガス抜き通路に流入したガスを通過させて排出し、該ガスの通過後に前記キャビティ内から前記ガス抜き通路に流入した溶湯を冷却凝固させるチルベントにおいて、前記ガス抜き通路は、前記ガス流れ方向に交差する方向に波形に屈曲して互いに対向し、且つ上流側から下流側に向かって直線状に延在する一対の内壁面を有するベント部と、該ベント部の途中位置に設けられ、前記ガスの流れ方向に交差する方向に延在して前記ベント部を上流側と下流側に区画し、前記ベント部内を上流側から下流側に向かって流れる溶湯が貯留されるチャンバ部とを有し、前記一対の内壁面の一方は前記ガスの流れ方向に交差する方向に並んで凹設された複数の谷部を有し、他方の内壁面は前記複数の谷部に互い違いに組み合うように凸設された複数の山部を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ベント部が上流側から下流側に向かって直線状に延在する一対の内壁面を有するので、キャビティ内から流入したガスの通過抵抗が少なく、ガスを円滑に通過させて排出することができ、ベント部が上流側から下流側に向かって波形状に形成された従来技術と比較して、ガスの吹き抜け性を飛躍的に向上させることができる。
そして、ベント部の一対の内壁面が、ガスの流れ方向に交差する方向に互い違いに組み合うように凹設された複数の谷部及び凸設された複数の山部によって波形に屈曲して互いに対向しているので、ベント部がガスの流れ方向に交差する方向に直線状に延在する従来技術と比較して、ベント部の断面積をより大きく確保することができ、溶湯を積極的に冷却凝固させることができる。
また、ベント部の途中位置にチャンバ部を設けることによって、ガスの通過後にベント部に流れ込んだ溶湯を、チャンバ部で貯留して一時的に停滞させることができ、溶湯を冷却する時間を稼ぐことができる。したがって、溶湯がベント部を一気に通過して外部に噴出するのを防ぎ、溶湯を積極的に冷却凝固させることができる。
したがって、構成を大型化することなく、ガスの吹き抜け性を向上させ且つ溶湯の噴出を確実に阻止できる。
また、ベント部の一対の内壁面は、ガスの流れ方向に交差する方向に波形に屈曲して互いに対向し、且つ上流側から下流側に向かって直線状に延在するので、金型の合わせ精度が低い等に起因して、ベント部のガスの流れ方向に交差する方向の一部に極度に狭められた箇所ができた場合でも、それ以外の箇所は、上流側から下流側に向かって連通している。したがって、ベント部の全体的なガス流路の断面積が縮小されることはなく、ガスの吹き抜け性が悪化するおそれもない。
また、かかるベント部内で溶湯が凝固して形成されたフレークは、ガスの流れ方向に交差する方向に波板状に連続する形状を有し、厚さが薄い箇所はガスの流れ方向に沿って連続する。したがって、かかる箇所は、ガスの流れ方向に交差する方向両側から支持されており、従来技術と比較して、折れて脱落し難くなっている。
更に、フレークは、チャンバ部で溶湯が冷却凝固して形成された太厚部によって支持されており、従来技術と比較して、折れて脱落し難くなっている。したがって、加工精度や位置決め精度、或いは金型の合わせ精度に厳密さが要求されず、簡単に実施することができ、製造コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した発明の構成を具体的に示すものであり、これによれば、ベント部は、チャンバ部よりもガスの流れ方向上流側に位置する上流側ベント部とチャンバ部よりもガスの流れ方向下流側に位置する下流側ベント部を有し、上流側ベント部の波形状と下流側ベント部の波形状が相違する。
かかる構成によれば、上流側ベント部と下流側ベント部がガスの流れ方向に沿って同一直線状に連続して配置されるのを防ぐことができ、上流側ベント部を通過してチャンバ部内に流れ込んできた溶湯が、チャンバ部内に貯留されることなくそのまま下流側ベント部に流入して外部に噴出するのを防ぐことができ、溶湯をチャンバ部内に貯留させて確実に停滞させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載した発明の構成を具体的に示すものであり、これによれば、ベント部は、チャンバ部よりもガスの流れ方向上流側に位置する上流側ベント部とチャンバ部よりもガスの流れ方向下流側に位置する下流側ベント部を有し、上流側ベント部と下流側ベント部がガスの流れ方向に交差する方向に偏位することを特徴とする。
かかる構成によれば、上流側ベント部と下流側ベント部がガスの流れ方向に沿って同一直線状に連続して配置されるのを防ぐことができ、上流側ベント部を通過してチャンバ部内に流れ込んできた溶湯が、チャンバ部内に貯留されることなくそのまま下流側ベント部に流入して外部に噴出するのを防ぐことができ、溶湯をチャンバ部内に貯留させて確実に停滞させることができる。
本発明によると、ベント部が上流側から下流側に向かって直線状に延在するので、キャビティ内から排出されたガスを円滑に通過させて金型の外部に排出することができ、ベント部が上流側から下流側に向かって波形状に形成された従来技術と比較して、ガスの吹き抜け性を飛躍的に向上させることができる。したがって、ガスホール等の発生を完全に防止して、該金型によって成型される製品の品質を向上させることができる。
そして、ベント部の途中位置にチャンバ部を設けることによって、ガスの通過後にベント部に流れ込んだ溶湯を、チャンバ部で貯留して一時的に停滞させることができ、溶湯がベント部を一気に通過して外部に噴出するのを防ぎ、溶湯を積極的に冷却凝固させて、溶湯の噴出を確実に阻止することができる。
したがって、構成を大型化することなく、ガスの吹き抜け性を向上させ且つ溶湯の噴出を防止できる。
次に、本発明の実施の形態について図1〜4を用いて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるチルベントの構成を説明する断面図、図2は、図1のI−I線矢視図、図3は、図1のII−II線矢視図、図4は、チャンバ部の作用を説明する図である。
ダイカスト装置1は、固定ダイ2と、固定ダイ2に対向して水平に接近及び離間する前後方向に移動する可動ダイ3と、溶湯供給手段(図示せず)を備えており、固定ダイ2には、固定金型4が取り付けられ、可動ダイ3には、固定金型4に対向するように可動金型5が取り付けられている。固定金型4は、可動ダイ3を前進させて固定ダイ2に接近させ、可動金型5と互いに合わせて型締めすることにより、キャビティ6を形成する。
キャビティ6には、溶湯供給手段から溶湯を供給するための湯口(図示せず)と、キャビティ6内のガスを排出するためのガス抜き通路7が連通して形成されている。
ガス抜き通路7は、ガス抜き孔8とチルベント9とからなっている。ガス抜き孔8は、固定金型4の合わせ面に設けられた固定側ガス抜き溝8aと、固定側ガス抜き溝8aに対向して可動金型5の合わせ面に設けられた可動側ガス抜き溝8bによって形成されており、キャビティ6に連通し、上方に向かって延在するように設けられている。ガス抜き孔8は、複数本、本実施の形態では3本のガス抜き孔8が左右方向に所定間隔をおいて設けられている。
チルベント9は、固定側チルブロック11と可動側チルブロック12を備えている。各チルブロック11、12は、固定金型4と可動金型5の上部にそれぞれ取り付けられて互いに対向し、型締めによって互いの合わせ面11a、12aが接面し、通路部13、ヘッダ部14、ベント部15、チャンバ部16を形成する。
通路部13は、キャビティ6からガス抜き孔8を通過して流出したガス及び溶湯を、ベント部15に流入させる構成を有する。具体的には、固定側チルブロック11の合わせ面11aに設けられた固定側通路溝13aと、固定側通路溝13aに対向して可動側チルブロック12の合わせ面12aに設けられた可動側通路溝13bとによって形成されており、ガス抜き孔8に連通し、上方に向かって延在するように設けられている。通路部13は、各ガス抜き孔8に対応した3本の通路部13が左右方向に所定間隔をおいて設けられている。
ヘッダ部14は、図1及び図2に示すように、通路部13とベント部15との間に介在して設けられており、ベント部15における溶湯の流れを均一にする構成を有する。ヘッダ部14は、固定側チルブロック11の合わせ面11aに設けられた固定側ヘッダ溝14aと、固定側ヘッダ溝14aに対向して可動側チルブロック12の合わせ面12aに設けられた可動側ヘッダ溝14bとによって形成され、合わせ面11a、12aに沿ってガスの流れ方向に直交する方向である左右方向に延在し、各通路部13の上端がそれぞれ連通する。ヘッダ部14は、固定側ヘッダ溝14a及び可動側ヘッダ溝14bの溝深さを固定側通路溝13a及び可動側通路溝13bの溝深さよりも更に深くして形成されており、通路部13から流入した溶湯を貯留して一時的に停滞させてからベント部15に流入させることができる容積空間を有する。
ベント部15は、ガスを通過させ、溶湯を冷却凝固させるものであり、ガスの流れ方向に直交する方向である左右方向に波形に屈曲して互いに対向し、且つ上流側から下流側に向かって直線状に延在する一対の内壁面15a、15bを有する。
ベント部15の内壁面15aは、複数の谷部によって構成され、内壁面15bは、複数の山部によって構成される。谷部は、固定側チルブロック11の合わせ面11aに凹設されており、図3に示すように、断面がV字状をなして上下方向に延在し、同一の深さを有して左右方向に凹凸が連続するように並べて配置されている。
山部は、可動側チルブロック12の合わせ面12aに凸設されており、図3に示すように、断面が逆さV字状をなして上下方向に延在し、同一の高さを有して左右方向に凹凸が連続するように並べて配置されている。尚、本実施の形態では、谷部の挟角及び山部の挟角は、約25度に設定されている。
固定側チルブロック11と可動側チルブロック12は、型締めにより複数の谷部と複数の山部とが左右方向に互い違いに連続するように組み合わせられ、一対の内壁面15a、15bを有するベント部15を形成する。
ベント部15は、上流側である下端がヘッダ部14に連通し、下流側である上端がチルベント9の上面に開口して開放されており、ベント部15の途中位置にチャンバ部16が形成される。
チャンバ部16は、ベント部15を上流側ベント部15Aと下流側ベント部15Bに区画し、ベント部15内を上流側から下流側に向かって流れる溶湯を流入させて貯留し、一時的に停滞させる構成を有する。チャンバ部16は、固定側チルブロック11の合わせ面11a側に設けられた固定側チャンバ溝16aと、固定側チャンバ溝16aに対向して可動側チルブロック12の合わせ面12a側に設けられた可動側チャンバ溝16bとによって形成され、ガスの流れ方向に直交する方向である左右方向に直線状に延在し、上流側ベント部15Aの上端及び下流側ベント部15Bの下端が連通する。
チャンバ部16は、固定側チャンバ溝16a及び可動側チャンバ溝16bの溝深さをベント部15の谷部の深さ及び山部の高さよりも更に深くして形成されており、上流側ベント部15Aから流入した溶湯を貯留して一時的に停滞させてから下流側ベント部15Bに流入させることができる容積空間を有する。
チャンバ部16は、溶湯がキャビティ6からガス抜き孔8、通路部13、ヘッダ部14、上流側ベント部15Aを通過して、チャンバ部16内に流入した際に、チャンバ部16の天井に衝突して、一部が下流側ベント部15Bに流入する大きさに形成されている。
次に、上記構成を有するチルベントの作用について以下に説明する。
まず、ダイカスト装置1の固定ダイ2に固定金型4が取り付けられ且つ可動ダイ3に可動金型5が取り付けられた状態で、可動ダイ3が固定ダイ2に接近されて固定金型4と可動金型5が型締めされ、キャビティ6が形成される。
そして、チルベント9は、固定側チルブロック11と可動側チルブロック12の合わせ面11a、12aが接面されて、通路部13、ヘッダ部14、ベント部15、チャンバ部16が形成される。
次いで、溶湯供給手段によってキャビティ6内に溶湯が高圧充填される。この溶湯の高圧充填により、キャビティ6内のガスは、ガス抜き孔8を通過してキャビティ6の外に排出され、チルベント9の通路部13に流入する。そして、通路部13からヘッダ部14、上流側ベント部15A、チャンバ部16、下流側ベント部15Bを通過して外部に排出される。
ベント部15は、ガスの流れ方向に対して上流側から下流側に向かって直線状に延在しているので、ガスの通過抵抗が少なく、ガスを円滑に通過させて排出することができる。したがって、ベント部が上流側から下流側に向かって波形状に形成された従来技術と比較して、ガスの吹き抜け性を飛躍的に向上させることができ、ガスホール等の発生を防ぎ、成型製品の品質を向上させることができる。
キャビティ6内のガスが排出されて、キャビティ6内が溶湯で満たされると、溶湯は、ガス抜き孔8を通過して、チルベント9の通路部13に流入する。そして、通路部13からヘッダ部14に流れ込み、ヘッダ部14で貯留され、ヘッダ部14内が溶湯で満たされた後にベント部15の上流側ベント部15Aに流入する。溶湯は、ヘッダ部14で一旦貯留されることによって、上流側ベント部15A内での流れが均一とされる。そして、上流側ベント部15Aを高速で通過して、チャンバ部16内に噴出する。
チャンバ部16内に噴出した溶湯は、図4(a)に示すように、チャンバ部16の天井に衝突して、大部分の溶湯がチャンバ部16内に貯留され、一部の溶湯のみが下流側ベント部15Bに進入する。したがって、下流側ベント部15B内を上昇する溶湯の速度は、上流側ベント部15A内を上昇する溶湯の速度よりも大幅に減速する。
そして、図4(b)に示すように、チャンバ部16内に溶湯がある程度充満してくると、チャンバ部16内で上方に停滞した溶湯が、上流側ベント部15Aからチャンバ部16内に流入してくる溶湯の進路を妨害する。したがって、下流側ベント部15Bに向かう溶湯の勢いを低下させることができる。
そして、チャンバ部16内に溶湯が充満すると、チャンバ部16内の圧力が急上昇し、下流側ベント部15B内に溶湯が流入することとなるが、先に下流側ベント部15B内に進入した一部の溶湯は、チャンバ部16内に充満した溶湯が下流側ベント部15B内に流入するまでの間、下流側ベント部15B内に留まり、十分な冷却時間が与えられて冷却されている。
したがって、溶湯は、下流側ベント部15B内で凝固し始めているか、若しくは、下流側ベント部15B内を上昇中に凝固する。したがって、下流側ベント部15B内を上昇する溶湯の速度を減速させて、溶湯をベント部15内で積極的に冷却凝固させることができ、溶湯がベント部15を一気に通過して外部に噴出されるのを阻止できる。
上記構成を有するチルベント9によれば、ベント部15が上流側から下流側に向かって直線状に延在するので、ガスの通過抵抗が少なく、ガスを円滑に通過させて排出することができ、ベント部15が上流側から下流側に向かって波形状に形成された従来技術と比較して、ガスの吹き抜け性を飛躍的に向上させることができる。
そして、ベント部15の途中位置にチャンバ部16を設けることによって、ガスの通過後にベント部15に流れ込んだ溶湯を、チャンバ部16で貯留して一時的に停滞させることができ、溶湯を冷却する時間を稼ぐことができる。したがって、溶湯を積極的に冷却凝固させることができ、溶湯がベント部15を一気に通過して外部に噴出するのを防ぐことができる。
そして更に、ベント部15の一対の内壁面15a、15bが、ガスの流れ方向に直交する方向である左右方向に波形に屈曲して互いに対向しているので、ベント部15がガスの流れ方向に直交する方向に直線状に延在する従来技術と比較して、ベント部15の断面積をより大きく確保することができ、溶湯を積極的に冷却凝固させることができる。
例えば、ベント部15の谷部及び山部の挟角が約25度に設定されている本実施の形態と、左右方向に直線状に延在する従来のベント部とを比較すると、本実施の形態におけるベント部15の方が、展開長で2.8倍の長さを有しており、従来の2.8倍の通路断面積を確保することができる。
したがって、従来と比較して構成を大型化することなく、簡単な構成でガスの吹き抜け性を向上させ且つ溶湯の噴出を確実に阻止できる。
また、ベント部15の一対の内壁面15a、15bは、ガスの流れ方向に直交する方向である左右方向に波形に屈曲して互いに対向し、且つ上流側から下流側に向かって上下方向に直線状に延在するので、金型4、5の合わせ精度等が低くてベント部15に極度に狭められた箇所ができた場合でも、それ以外の箇所は、上流側から下流側に向かって連通している。したがって、ガス抜き通路の断面積が大幅に縮小されることはなく、ガスの吹き抜け性が悪化するおそれもない。
また、かかるベント部15内で溶湯が凝固して形成されたフレークは、ガスの流れ方向に交差する方向に波板状に連続する形状を有し、厚さが薄い箇所はガスの流れ方向に沿って連続する。したがって、かかる箇所は、ガスの流れ方向に交差する方向両側から支持されており、従来技術と比較して、折れて脱落し難くなっている。そして更に、フレークは、チャンバ部16で溶湯が冷却凝固して形成された太厚部によって支持されており、従来技術と比較して、折れて脱落し難くなっている。したがって、チルベント9の加工精度や位置決め精度、或いは金型4、5の合わせ精度に厳密さが要求されず、簡単に実施することができ、製造コストを低減することができる。
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施の形態では、ベント部15の上流側ベント部15Aと下流側ベント部15Bは、同一の波形状を有し、且つ上下に同一直線状に配置された場合を例に説明したが、例えば、上流側ベント部15Aと下流側ベント部15Bで、波形状の大きさやピッチ、山部及び谷部の挟角の少なくとも一つを相違させた構成としてもよく、また、上流側ベント部15Aと下流側ベント部15Bを上下に同一直線状に配置せず、水平方向、すなわち、ガスの流れ方向に交差する方向に偏位させて配置した構成としてもよい。
かかる構成によれば、上流側ベント部15Aと下流側ベント部15Bがガスの流れ方向に沿って同一直線状に連続して配置されるのを防ぐことができ、上流側ベント部15Aを通過してチャンバ部16内に流れ込んできた溶湯が、チャンバ部16内に貯留されることなくそのまま下流側ベント部15B内に流入して外部に噴出するのを防ぐことができ、溶湯をチャンバ部16内に確実に貯留して一時的に停滞させることができる。
本発明に係わるチルベントの構成を説明する断面図である。 図1のI−I線矢視図である。 図1のII−II線矢視図である。 チャンバ部の作用を説明する図である。 従来のチルベントの構成を説明する図である。 従来のチルベントのベント部を拡大した図である。
符号の説明
4 固定金型(金型)
5 可動金型(金型)
6 キャビティ
7 ガス抜き通路
9 チルベント
11 固定側チルブロック
12 可動側チルブロック
15 ベント部
16 チャンバ部

Claims (3)

  1. 一対の金型に設けられ、該金型の型締めにより前記金型のキャビティに連通するガス抜き通路を形成し、前記キャビティから前記ガス抜き通路に流入したガスを通過させて排出し、該ガスの通過後に前記キャビティ内から前記ガス抜き通路に流入した溶湯を冷却凝固させるチルベントにおいて、
    前記ガス抜き通路は、
    前記ガス流れ方向に交差する方向に波形に屈曲して互いに対向し、且つ上流側から下流側に向かって直線状に延在する一対の内壁面を有するベント部と、
    該ベント部の途中位置に設けられ、前記ガスの流れ方向に交差する方向に延在して前記ベント部を上流側と下流側に区画し、前記ベント部内を上流側から下流側に向かって流れる溶湯が貯留されるチャンバ部とを有し、
    前記一対の内壁面の一方は前記ガスの流れ方向に交差する方向に並んで凹設された複数の谷部を有し、他方の内壁面は前記複数の谷部に互い違いに組み合うように凸設された複数の山部を有することを特徴とするチルベント。
  2. 前記ベント部は、前記チャンバ部よりもガスの流れ方向上流側に位置する上流側ベント部と前記チャンバ部よりもガスの流れ方向下流側に位置する下流側ベント部を有し、上流側ベント部の波形状と下流側ベント部の波形状が相違することを特徴とする請求項1に記載のチルベント。
  3. 前記ベント部は、前記チャンバ部よりもガスの流れ方向上流側に位置する上流側ベント部と前記チャンバ部よりもガスの流れ方向下流側に位置する下流側ベント部を有し、上流側ベント部と下流側ベント部がガスの流れ方向に交差する方向に偏位することを特徴とする請求項1に記載のチルベント。
JP2007211328A 2007-08-14 2007-08-14 チルベント Expired - Fee Related JP5041913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211328A JP5041913B2 (ja) 2007-08-14 2007-08-14 チルベント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211328A JP5041913B2 (ja) 2007-08-14 2007-08-14 チルベント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009045630A JP2009045630A (ja) 2009-03-05
JP5041913B2 true JP5041913B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=40498347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007211328A Expired - Fee Related JP5041913B2 (ja) 2007-08-14 2007-08-14 チルベント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5041913B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210058169A (ko) * 2019-11-13 2021-05-24 현대자동차주식회사 다이 캐스팅용 진공 시스템
CN117680652B (zh) * 2024-01-24 2024-04-19 宁波银润汽车部件有限公司 局部增厚工件的铝压铸模具

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51115234A (en) * 1975-04-02 1976-10-09 Kotobuki Daikasuto Kougiyou Kk Degassing apparatus for metal mould
JPS5419212U (ja) * 1977-07-11 1979-02-07
JPS5835789B2 (ja) * 1980-05-24 1983-08-04 甲次郎 山崎 鋳造金型のガス抜き部の構造
JPH0796154B2 (ja) * 1991-05-24 1995-10-18 有限会社山崎工作所 鋳造用金型
JPH10263785A (ja) * 1997-03-24 1998-10-06 Toyota Motor Corp 鋳造方法および鋳造金型
JP2000158116A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Toshiba Mach Co Ltd 鋳造金型
JP2002192323A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Honda Motor Co Ltd 鋳造用金型
JP2006212697A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Honda Motor Co Ltd ダイカスト用金型

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009045630A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101497117B (zh) 模具和制造铸造制品的方法
JP5041913B2 (ja) チルベント
JP6462373B2 (ja) 金型冷却構造
JP7123390B2 (ja) チルベント及び金型装置
JP2008105180A (ja) 成形金型
CN211101412U (zh) 一种c型槽立式浇铸铸型
JP5315370B2 (ja) 鋳造用金型
JP7267003B2 (ja) 鋳造製品製造装置
JP5326814B2 (ja) 射出成形金型装置
JP4637609B2 (ja) チルベント入れ子
JP5939834B2 (ja) チルベント及び鋳造用金型
JP5117077B2 (ja) 調温型
JP6664789B2 (ja) 成形金型の冷却構造
JP2013244533A (ja) チルベント
JP2002331528A (ja) 成形用金型
JP6668568B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ、及びそのタンディッシュを用いた連続鋳造方法
JP3127031U (ja) チルベント
JP5059334B2 (ja) 鋳型装置
JP2008114280A (ja) 金型の湯吹き防止構造
JP2008062400A (ja) 成形金型
KR20050016086A (ko) 비철 금속의 용융된 매스를 푸어링하기 위한 주조 시스템및 푸어링 방법
CN110475631B (zh) 铸造装置
JP5808503B1 (ja) 金型内の気体放出構造
CN219004539U (zh) 一种压铸模具
JP2015024442A (ja) 鋳造物品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5041913

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees