JP5041628B2 - 圧力容器と支持構造体の結合構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、圧力容器であるロケットのモータケースとロケットの段間部等を構成する支持構造体との結合に用いられる圧力容器と支持構造体の結合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧力容器であるロケットのモータケースと環状の支持構造体とを結合するあたっては、図3および図4に示すような結合構造が使用されている。
【0003】
図3に示す結合構造は、FW(Filament Winding)法等で成形された圧力容器51と支持構造体52との結合部において、機軸方向(矢印X方向)の荷重を伝達するために、圧力容器51と支持構造体52との間に接着剤53を設けている。
【0004】
また、図4に示す結合構造は、圧力容器51の外周に位置決め用のダミーフープ57を一体的に成形し、一方向材56によって圧力容器51と支持構造体55とを結合すると共に、ダミーフープ57と支持構造体55との間にゴム等の応力緩和材54が設けてあり、その結合部において機軸方向の荷重の伝達を行うと共に、内圧による圧力容器51の変形を応力緩和材54によって吸収している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の結合構造において、図3に示すものでは、接着剤53の主材料がエポキシ系樹脂であり、応力を緩和する効果が小さい。この応力の緩和には、接着剤53を全てゴム材料とする構造も想定されるが、一般的に、ゴムは温度に対する感度が高いことから、ゴムの使用温度範囲によって圧力容器51の運用温度条件が制限される可能性があった。また、図4に示すものでは、圧力容器51の外周に設けたダミーフープ57と圧力容器51との接着面で発生する局所的な応力により、これらの間に剥離が発生する恐れがあるという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成されたものであって、圧力容器の運用温度条件の幅を広げることができると共に、圧力容器と支持構造体との間における剥離の恐れを解消することができる圧力容器と支持構造体の結合構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる圧力容器と支持構造体の結合構造は、請求項1として、圧力容器とその外周に添って結合する環状の支持構造体との結合部において、支持構造体の内周側に、一段突出した状態の肉厚部を所定の幅で周方向にわたって形成し、圧力容器と支持構造体の肉厚部とを周方向にわたって互いに接着して、これを接着部とすると共に、圧力容器と支持構造体との間で且つ接着部の機軸方向両側の前記肉厚部の高さ分の隙間に、接着部に隣接する状態で応力緩和材を設けた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる圧力容器と支持構造体の結合構造では、圧力容器と支持構造体との結合部において、接着部により、周方向にわたって圧力容器と支持構造体の肉厚部とを互いに接着し、圧力容器と支持構造体との間で且つ接着部の機軸方向両側の前記肉厚部の高さ分の隙間に、接着部に隣接する状態で応力緩和材を設けているので、圧力容器と支持構造体との間の荷重伝達が応力緩和材を介さずに接着部にて直接的に行われると共に、圧力容器と支持構造体との結合部の両端側で発生する局所的な応力を応力緩和材によって緩和する。これにより、接着部を設けた分だけ応力緩和材の使用量が削減され、応力緩和材によって規制される圧力容器の運用温度条件の幅が広げられる。また、従来のように、圧力容器の表面にダミーフープを成形加工する必要もない。
【0009】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる圧力容器と支持構造体の結合構造によれば、ロケットのモータケース等の圧力容器と段間部等を構成する支持構造体との結合部において、双方の間での良好な荷重伝達や、結合部の機軸方向両端側で発生する局所的な応力の緩和を実現し得るうえに、応力緩和材の使用量を最小限にして圧力容器の運用温度条件を広げることができ、また、圧力容器と支持構造体との間における剥離の恐れを解消することができるという優れた効果がもたらされる。
【0010】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係わる圧力容器と支持構造体の結合構造の実施例を説明する。なお、この実施例では、圧力容器として、ロケットのモータケースを、支持構造体として、ロケットの段間部やノズルの外周を覆うスカート部を例示している。
【0011】
図1および図2に示す圧力容器1は、FW法等で成形された炭素繊維強化プラスチック製のモータケースであって、円筒状の胴部1Aと、頭部側および尾部側のドーム状の鏡板部1B,1Cと、尾部側鏡板部1Cの中央で開口するロケットノズル1Dを備えている。
【0012】
支持構造体は、ロケット上段部との継手となる頭部側の支持構造体2Aと、ロケットノズル1Dの外周を覆うスカート部あるいはロケット下段部との継手となる尾部側の支持構造体2Bであって、いずれも環状を成し、圧力容器1の外周に添って結合される。これらの支持構造体2A,2Bは、例えば、ハンドレイアップ法等で積層成形された炭素繊維強化プラスチック製である。
【0013】
上記の圧力容器1と支持構造体2A,2Bの結合構造は、図1に頭部側支持構造体2Aを示すように、圧力容器1の胴部1Aにおいて、鏡板部1Bの近傍の外周面に添って支持構造体2Aを結合する。この結合部5において、支持構造体2Aの内周側には、一段突出した状態の肉厚部10が所定の幅で周方向にわたって形成してあり、圧力容器1の外周面と肉厚部10とを周方向にわたって互いに接着して、これを接着部4とする。この接着部には、例えばエポキシ系接着剤が使用される。
【0014】
また、圧力容器1と支持構造体2Aの間において、結合部5の両端側には、肉厚部10の高さ分の隙間が形成されており、この隙間に、接着部4に隣接する状態で応力緩和材3が設けてある。この応力緩和材3には、例えばゴムが使用される。なお、圧力容器1と尾部側の支持構造体2Bとの間にも、上記と同様の結合構造が成されている。
【0015】
上記構成により、当該結合構造では、応力緩和材3を介さずに機軸方向(矢印X方向)の荷重伝達を接着部4にて直接的に行うと共に、結合部5の両端部5A,5bにおいて発生した応力を応力緩和材3によって緩和している。
【0016】
これにより、当該結合構造では、接着部4を設けた分だけ応力緩和材3の使用量が削減され、圧力容器1の運用温度条件の幅を広げることができる。また、従来のように、圧力容器1の表面にダミーフープを成形加工する必要もない。
【0017】
なお、上記実施例においては、圧力容器1および支持構造体2A,2Bの材質を炭素繊維強化プラスチックとしたが、本発明はこれに限定されることなく、他の材質の圧力容器および支持構造体にも適用することができる。また、接着部4に使用する接着剤は、圧力容器1や支持構造体2A,2Bの材質に応じて適宜選択することができ、さらに、圧力容器1や支持構造体2A,2Bが繊維強化プラスチック製である場合、予め成形した圧力容器1の外周面に支持構造体を直接成形して互いに接着されたものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる圧力容器と支持構造体の結合構造の一実施例を示す拡大断面図である。
【図2】図1に示す結合構造を有する圧力容器および支持構造体を示す片側省略の断面図である。
【図3】従来における結合構造を示す断面図である。
【図4】従来における結合構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
1A 胴部
1B 1C 鏡板部
2A 2B 支持構造体
3 応力緩和材
4 接着部
5 結合部
Claims (1)
- 圧力容器とその外周に添って結合する環状の支持構造体との結合部において、支持構造体の内周側に、一段突出した状態の肉厚部を所定の幅で周方向にわたって形成し、圧力容器と支持構造体の肉厚部とを周方向にわたって互いに接着して、これを接着部とすると共に、圧力容器と支持構造体との間で且つ接着部の機軸方向両側の前記肉厚部の高さ分の隙間に、接着部に隣接する状態で応力緩和材を設けたことを特徴とする圧力容器と支持構造体の結合構造。
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JP2001140377A JP5041628B2 (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | 圧力容器と支持構造体の結合構造 |
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2001
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