以下、本発明の一実施形態による無線タグ情報通信装置を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を無線タグラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態の無線タグ情報通信装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、無線タグ情報通信装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2は、上記無線タグ情報通信装置1の全体構造を表す斜視図である。
図2において、無線タグ情報通信装置1は、上記PC118からの操作に基づき、装置内において無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を用いて印字付き無線タグラベルの作成を行うものである。この無線タグ情報通信装置1は、外郭に略六面体(略立方体)形状の筐体200を有する装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋3とを有している。
装置本体2の筐体200は、装置前方側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(後述)を外部に排出するラベル排出口11を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10の一端部には、無線タグ情報通信装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、カッター駆動ボタン16が設けられている。このカッター駆動ボタン16は、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図3参照)を操作者の手動操作で駆動するためのものである。このボタン16が押されることで、印字済みタグラベル用テープ109(後述の図4参照)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
図3は、無線タグ情報通信装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7を収納するカートリッジホルダ6と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、固定刃40及び可動刃41を備えた切断機構(切断手段)15と、固定刃40及び可動刃41のテープ搬送方向下流側に位置し、ハーフカッタ34を備えたカットユニット35とが設けられている。
カートリッジ7の上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。また、カートリッジホルダ6には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、後述の図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及びテープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
印字ヘッド23は多数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられている。
切断機構15は、固定刃40と、金属部材で構成された可動刃41とを備えている。カッターモータ43(後述の図6参照)の駆動力が、カッターハスバギヤ42、ボス50、長孔49を介して可動刃41の柄部46に伝達されて可動刃が回転し、固定刃40とともにカット動作を行う。この切断状態は、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用により切り替わるマイクロスイッチ126により検出される。
ハーフカットユニット35は、受け台38とハーフカッタ34とが対向して配置され、さらにガイド固定部36Aにより第1ガイド部36と第2ガイド部37とが側板44(後述の図4参照)に取り付けられている。ハーフカッタ34は、所定の回動支点(図示せず)を中心として、ハーフカッタモータ129(後述の図6参照)の駆動力によって回動する。受け台38の端部には受け面38Bが形成されている。
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図である。図4において、上記カートリッジホルダ6は、カートリッジ7のテープ排出部30より排出されさらに上記ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、鉛直上下方向となるようにカートリッジ7を収納する。また、内部ユニット20には、ラベル排出機構22と、ループアンテナLCとが設けられている。
ループアンテナLC(装置側アンテナ手段)は、筐体200の内部側に通信可能領域を備え、印字済みタグラベル用テープ109に備えられた無線タグ回路素子Toに対し情報送受信可能に構成されている。
ラベル排出機構22は、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11(図2参照)より排出するものである。すなわちラベル排出機構22は、テープ排出モータ123(後述の図6参照)の駆動力により回転する駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、印字済みタグラベル用テープ109に設けられた識別マークPM(後述の図5参照)を検出するマークセンサ127とを有している。このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11及びループアンテナLCへ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109(無線タグラベルT)の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
なお、テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)108及びリボン巻取りローラ駆動軸107は、印字済みタグラベル用テープ109及びインクリボン105(後述)の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。図5において、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103(被印字媒体)が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール211と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27とを有する。なお、上記基材テープ101と、基材テープ101にカバーフィルム102が貼り合わされた上記印字済みタグラベル用テープ109とが、タグ媒体を構成する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みタグラベル用テープ109としつつ、図5中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙(剥離材)101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うタグ側アンテナ152がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
なお、上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向前方側のタグ側アンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)PMが設けられている。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール211及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図6参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。なお、上記印字ヘッド23は、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール211とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図5中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図6参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字R(後述の図8参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30(図4参照)よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
また、上記カートリッジ7の筐体7Aは被検出部190(例えば凹凸形状等の識別子)を有しており、カートリッジホルダ6の上記被検出部190に対応する位置には、カートリッジセンサ81が設けられている。このカートリッジセンサ81(検出手段)は、カートリッジ7の装着状態を検出するとともにカートリッジ7の種類に関するカートリッジ情報を検出するものであり、このカートリッジセンサ81の検出信号が本体制御部110(後述の図6参照)へ入力されることで、本体制御部110はカートリッジ7の装着の有無及び上記カートリッジ情報を取得できるようになっている。なお、上記カートリッジ情報には、カートリッジ7が無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルT作成用のカートリッジか否か、無線タグ回路素子Toを有する場合には基材テープ101内における無線タグ回路素子Toの配置間隔、テープ幅、テープ種類(カバーフィルム103を貼り付けるいわゆるラミネートタイプかそれ以外のタイプか)等の情報が含まれる。
なお、上記カートリッジセンサ81としては、メカニカルスイッチ等の機械的検出を行うものや、光学的検出を行うセンサ、磁気的検出を行うセンサ等を用いてもよいし、リーダ機能を有するセンサとし、カートリッジ7の筐体7Aに設けたカートリッジ用の無線タグ回路素子から無線通信を介して無線タグ情報を読み取るようにしてもよい。
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し上記ループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断され、無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらに上記ラベル排出機構22によってラベル排出口11(図2、図4参照)から排出される。
図6は、本実施形態の無線タグ情報通信装置1の制御系を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
この図6において、無線タグ情報通信装置1の制御基板(図示せず)上には、本体制御部110及びモジュール300が配置されている。
本体制御部110(連携制御手段)には、各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117と、タイマ86とが設けられており、モジュール300には、RFID通信制御部305と、送信回路306と、受信回路307と、アンテナ共用器240とが設けられている。
ROM116には、上記PC118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、無線タグ回路素子Toに対する問いかけ信号や書き込み信号などのアクセス情報を生成して送信回路に出力する送信プログラム、受信回路から入力された応答信号などを処理する受信プログラム、その他無線タグ情報通信装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データや、情報読み取り(取得)が行われた無線タグ回路素子To(前述)のタグ識別情報(UID)等が記憶される。
タイマ86は、CPU111から出力される起動指令によりカウントを開始し、その後の計時情報をデータバス112を介してCPU111に出力する。CPU111は、この計時情報を用いてリトライ時間が経過したか否かを判定するようになっている(詳細は後述)。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127と、上記カートリッジ7の装着状態を検出する上記カートリッジセンサ81と、カッター駆動ボタン16とが接続されている。
モジュール300は、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記RFID通信制御部305から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調して質問波を出力する送信回路306(情報生成手段)と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答波(応答信号)の復調を行い、上記RFID通信制御部305に出力する受信回路307と、これら送受信回路306,307を上記本体制御部110から入力される制御信号に基づいて制御するRFID通信制御部305と、上記送信回路306及び受信回路307をループアンテナLCに接続するアンテナ共用器240とを有している。
なお、ここではアンテナ共用器240を用いて1つのアンテナで情報の送受信を行うようにしたが、これに限られず、送信回路306と受信回路307とに対応してアンテナを2つ設けるようにしてもよい。
このような本体制御部110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、モジュール300のRFID通信制御部305は、本体制御部110からの制御信号に基づき、送信回路306に搬送波の変調制御を行わせてループアンテナLCから質問波を出力させるとともに、受信回路307に無線タグ回路素子Toから受信した応答波を復調させて取得した信号の処理を行う。
図7は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
この図7において、無線タグ回路素子Toは、無線タグ情報通信装置1側のループアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記無線タグ情報通信装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの返信信号を変調し、ループアンテナ152より応答波として送信する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
図8は、上述のような構成である無線タグ情報通信装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み及び印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は下面図である。また図9(a)は、図8中IXA−IXA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図9(b)は、図8中IXB−IXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図8及び図9において、無線タグラベルTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HCが形成されている。カバーフィルム103のうち、このハーフカット線HCのテープ長手方向後端側(図8中右側)の領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HCを挟んでテープ長手方向先端側(図8中左側)が前余白領域S1となっている。
上記のような基本構成である無線タグ情報通信装置1においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101がテープ送りローラ27で搬送され、ループアンテナLCを介し無線タグ回路素子Toに対し情報送受信が行われ、無線タグラベルTが作成される。このとき、本実施形態では、情報送受信の際に、モジュール300のRFID通信制御部305による情報の取得が成功するまで、送信回路306による無線タグ回路素子Toへのコマンド信号の送信を繰り返し、この繰り返し中に、送信回路306による搬送波の送信を中断しその後再開する動作を含むように、本体制御部110によりモジュール300のRFID通信制御部305を連携して制御する。
図10は、上記のようにしてタグラベルを作成する際に本体制御部110によって行われる詳細手順を表すフローチャートである。なお、この図10のフローは、例えば操作者がPC118から無線タグ情報通信装置1に対してラベル作成指示を入力することによって開始される。
まずステップS101では、カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着されたか否かを、カートリッジセンサ81からの検出信号に基づき判定する。カートリッジ7が装着されるまで本ステップを繰り返し、装着された場合には判定が満たされて次のステップS103に移る。
ステップS103では、カートリッジセンサ81からの検出信号に基づき、装着されたカートリッジ7に関するカートリッジ情報を取得する。このカートリッジ情報には、前述したように、カートリッジ7が無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルT作成用のカートリッジか否か、無線タグ回路素子Toの配置間隔、テープ幅、テープ種類等の情報が含まれる。
次のステップS105では、上記PC118からの操作信号に基づき、印刷データ、印字長、無線タグ回路素子Toとの通信データ(書き込みデータ)、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定等を行なう準備処理を実行する。この準備処理に必要な情報をPC118より操作・編集入力して行うことで、利便性を向上することができる。
次のステップS107では、上記ステップS103で取得したカートリッジ情報と、上記ステップS105で設定した情報とに基づき、リトライ時間(待機時間)を設定する。このリトライ時間は、ループアンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にモジュール300から無線タグ回路素子Toに対しコマンド信号の送信を繰り返して行う最大時間であり、このリトライ時間が経過した後は無線タグ回路素子Toに対しコマンド信号の送信を禁止する。本実施形態では、予めテープ幅及びテープ搬送量とリトライ時間との相関情報が適宜のメモリ(RAM117等)に記憶されており(後述の図11参照)、これに基づき、上記カートリッジ情報中のテープ幅と上記ステップS105で設定した印字長(又はこれに基づくテープ搬送量)とに応じてリトライ時間を設定する。
次に、ステップS110において、ループアンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nを0に初期化設定する(後述の図13参照)。
その後、ステップS115に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ119の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され搬送される。
その後、ステップS120において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、基材テープ101の上記識別子PMが検出されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別子PMが検出されるまで本ステップを繰り返し、識別子PMが検出されたら、判定が満たされて次のステップS125に移る。
ステップS125では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS105で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS130において、印字済みタグラベル用テープ109が先のステップS105で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34が前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。
印字済みタグラベル用テープ109が前ハーフカット位置に到達するまで本ステップを繰り返し、印字済みタグラベル用テープ109が前ハーフカット位置に到達したら、ステップS130の判定が満たされて次のステップS135に移る。
ステップS135では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済みタグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS105で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS140で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
そして、ステップS145に移り、上記ステップS115と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS125と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS150において、搬送される印字済みタグラベル用テープ109が所定値(例えば、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされた無線タグ回路素子ToがループアンテナLCに到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、上記ステップS130と同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。
印字済みタグラベル用テープ109が所定値搬送されるまで本ステップを繰り返し、印字済みタグラベル用テープ109が所定値搬送されたら、ステップS150の判定が満たされ、次のステップS200に移る。
次のステップS200では、タグアクセス処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCとほぼ正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させる(後述の図12参照)。
以上のようにしてステップS200が終了したら、ステップS155に移る(なおこの時点でステップS200において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)。ステップS155では、印字済みタグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS105で設定したフルカット位置に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS160に移る。
ステップS160では、上記ステップS135と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS105で設定したフルカット位置に切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS165において、カッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線を形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toに所定の無線タグ情報が書き込まれかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS170に移り、入出力インターフェース113を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS165でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11から装置外へと排出し、このフローを終了する。
以上において、ステップS107の手順は、特許請求の範囲各項記載のタグ媒体又は被印字媒体の属性、所定の印字の印字長、搬送手段による搬送量のうち、少なくとも1つに応じて、禁止制御手段で用いる待機時間を可変に設定する設定手段を構成する。
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
図11は、上記テープ幅及びテープ搬送量とリトライ時間との相関の一例を表すテーブルである。
この図において、搬送量はPC118から入力される印刷データの印字長に基づき設定されるテープ(基材テープ101、カバーフィルム103、印字済みタグラベル用テープ109)の搬送量であり、テープ幅は上記カートリッジ情報中に含まれるテープ幅情報である。一般に、テープ搬送量が大きく且つテープ幅が大きいほど帯電量が大きくなるため、図に示すようにテープ搬送量が大きく且つテープ幅が大きいほど放電に要する時間が長くなっている。そして、各リトライ時間は各放電に要する時間より所定の余裕分長くなるようにそれぞれ設定されている。これにより、放電に要する時間が経過した後の余裕分の時間においては静電気放電が十分になされていることからコマンドの送信を繰り返して行うことで無線通信成功の確率を向上することができ、リトライ時間経過後には無駄な通信を継続することによるエネルギロスを防止することができるようになっている。
なお、ここでは説明を簡易とするために搬送量及びテープ幅についてそれぞれ2種類の区分による組み合わせとしたが、さらに細かな区分による相関情報としてもよい。また、相関を構成するパラメータとしては搬送量とテープ幅に限られず、例えば印字長、搬送時間、テープ種類(カバーフィルム103を貼り付けるいわゆるラミネートタイプかそれ以外の感熱テープ等のいわゆるノンラミネートタイプか)等、その他の情報を用いてリトライ時間を設定するようにしてもよい。
図12は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS210において、印字済みタグラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述した図10のステップS130と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。
印字済みタグラベル用テープ109が通信位置に到達するまで本ステップを繰り返し、印字済みタグラベル用テープ109が通信位置に到達したら、ステップS210の判定が満たされて次のステップS220に移る。
ステップS220では、上記ステップS135と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
続いて、ステップS223において、モジュール300のRFID通信制御部305に対し、ループアンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図10の上記ステップS105で作成した情報を書き込む(又はIC回路部151に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理(詳細は後述の図13参照)を開始するように指示する情報送受信処理開始コマンド(制御信号)を入出力インターフェース113を介して送信する。
次のステップS224では、データバス112を介してタイマ86に起動指令信号を出力してカウントを開始させる。
次のステップS225では、モジュール300のRFID通信制御部305より、無線タグ回路素子Toとの無線通信が成功した場合に送信される完了信号(後述の図13中ステップS480参照)を受信したか否かを判定する。完了信号を受信した場合には判定が満たされてステップS235に移り、後述するステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力し、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させる。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。そして、後述のステップS240に移る。一方、完了信号を受信していない場合には、判定が満たされずに次のステップS227に移る。
ステップS227では、モジュール300のRFID通信制御部305より、無線タグ回路素子Toとの無線通信が失敗した場合に送信されるエラー信号(後述の図13中ステップS437参照)を受信したか否かを判定する。エラー信号を受信していない場合には上記ステップS225に戻り、完了信号かエラー信号のいずれかを受信するまでステップS225及びステップS227を繰り返す。一方、エラー信号を受信した場合には、判定が満たされて次のステップS230に移る。
ステップS230では、上記ステップS224において起動させたタイマ86のカウント値が、上記ステップS107で設定したリトライ時間に到達したか否か(言い換えれば情報送受信処理開始コマンド送信後リトライ時間が経過したか否か)を判定する。リトライ時間が経過していない場合には、判定が満たされずに先のステップS223に戻り、所定の時間(搬送波の中断により電力源を断ち、無線タグ回路素子Toを確実に初期化することができる時間)経過後、再びモジュール300のRFID通信制御部305に情報送受信処理開始コマンドを送信する。一方、リトライ時間が経過している場合には、判定が満たされて次のステップS233に移る。
ステップS233では、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせる。そして、次のステップS240に移る。
ステップS240では、図10のステップS145と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS250に移り、印字済みタグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(図10中ステップS105で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、印刷終了位置に到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
ステップS260では、図10のステップS135と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。以上により本ルーチンを終了する。
なお、上記において、ステップS230の手順は、特許請求の範囲各項記載のコマンド送信手段からのコマンド信号送信後、所定の静電気放電用の待機時間が経過した後は、コマンド送信手段によるコマンド信号の送信を禁止する禁止制御手段を構成する。
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS225で完了信号を受信した場合にその旨を操作者に表示・報知したり、ステップS227でエラー信号を受信した場合にその旨を操作者に表示・報知するようにしてもよい。
図13は、タグラベルを作成する際にモジュール300のRFID通信制御部305によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、この図13のフローは、RFID通信制御部305が本体制御部110より情報送受信処理開始コマンドを受信することによって開始される。
図13において、まずステップS403で、前述の送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに電源を供給するための搬送波をループアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信開始する。これにより、無線タグ回路素子Toにおいては、ループアンテナ152により受信された搬送波のエネルギが電源部154によって蓄積され、それを駆動電源としてIC回路部151が起動する。なお、この搬送波の送信は、後述するステップS435又はステップS475において送信停止を行うまで継続されるようになっている。
その後、ステップS405に移り、送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toの記憶されたID情報を取得するための問合せ信号(この例ではタグID読取コマンド信号)として、所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
その後、ステップS415において、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてMが所定値(第1所定回数。例えば9。予め設定されている)に到達したか否かを判定する。Mが所定値未満である場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。Mが所定値に到達した場合はステップS435に移り、無線タグ回路素子Toに電源を供給するための搬送波の送信を停止し、次のステップS437で本体制御部110に対して無線タグ回路素子Toとの無線通信が失敗した旨を表すエラー信号(搬送波中断通知信号)を送信して、このフローを終了する。このようにして初期化が不調でも所定の回数(例えば9回)は再試行が行われる。
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、送信回路306に制御信号を出力し、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグに所望のデータをメモリ部157に書き込む信号(この例ではWrite コマンド信号)として、所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS445において、送信回路306に制御信号を出力しステップS415にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグのメモリ部157に記録されたデータを読み出す信号(この例ではRead コマンド信号)として所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS450において、上記Read コマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてNが所定値に到達したか否かを判定する。なお、この所定値は、上記タグID読取コマンドの実際に行ったリトライ回数と上記Writeコマンドのリトライ回数との合計が一定の値(例えば9)となるように設定されている。Nが所定値未満である場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。Nが所定値に到達した場合は前述したステップS435に移り、同様に無線タグ回路素子Toに電源を供給するための搬送波の送信を停止すると共に次のステップS437で本体制御部110に対してエラー信号を送信し、このフローを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも所定の回数(例えば上記初期化のリトライ回数と合わせて9回)までは再試行が行われる。
ステップS455の判定が満たされた場合、ステップS470に移り、送信回路306に制御信号を出力し、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグのメモリ部157に記録されたデータの上書きを禁止する信号(この例ではロックコマンド信号)として所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
次のステップS475では、送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに電源を供給するための搬送波の送信を停止する。
その後、ステップS480に移り、本体制御部110に対して無線タグ回路素子Toとの無線通信が完了した旨を表す完了信号(取得成功通知信号)を送信する。以上により、本フローを終了する。
なお、上記において、ステップS405の手順は、特許請求の範囲各項記載の無線タグ回路素子からの情報読み取りを行うためのコマンド信号を生成し装置側アンテナ手段を介して送信するコマンド送信手段を構成し、ステップS415の手順はコマンド信号に応じて無線タグ回路素子から送信された応答信号を装置側アンテナ手段を介して受信し情報の取得を図る情報取得手段を構成する。
また、ステップS420の手順は、コマンド送信手段による無線タグ回路素子へのコマンド信号の送信後、情報取得手段での情報取得結果に基づき、無線タグ回路素子からの情報読み取りが成功したか否かの判定を行う判定手段を構成し、ステップS403の手順は、コマンド送信手段による複数回のコマンド信号の送信に先立ち、無線タグ回路素子への電力供給を行うための搬送波を生成し装置側アンテナ手段を介して送信開始する搬送波送信手段を構成する。
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られず、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合がある。
この場合には、図13においてステップS440〜ステップS470を省略し、ステップS415でリプライ信号に基づきタグIDと無線タグ情報を取得するようにすればよい。その後図12のステップS235では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせを保存する。
図14は、上記タグアクセス処理において、本体制御部110とモジュール300のRFID通信制御部305と無線タグ回路素子Toとの間で行われる信号のやりとりを説明するための図である。なお、ここではRFID通信制御部305と無線タグ回路素子Toとの通信が不調である場合を示している。
この図14に示すように、本体制御部110からモジュール300のRFID通信制御部305に対して情報送受信処理開始コマンドが送信されると(図12中ステップS223)、RFID通信制御部305は無線タグ回路素子Toに対して搬送波を送信する(図13中ステップS403)。これにより、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に電源が供給される。その後、RFID通信制御部305は無線タグ回路素子Toに対してコマンドを所定回数繰り返して送信する(図13中ステップS405〜ステップS430、ステップS440〜ステップS465)。所定回数送信しても無線通信が成功しなかった場合には、RFID通信制御部305は無線タグ回路素子Toに対する搬送波の送信を停止する(図13中ステップS435)。これにより、無線タグ回路素子ToのIC回路部151への電源供給は停止される。またRFID通信制御部305は、本体制御部110に対してエラー信号を送信する(図13中ステップS437)。このエラー信号を受信した本体制御部110は、最初の情報送受信処理開始コマンドの送信時からリトライ時間が経過しているか否かを判定する(図12中ステップS230)。
そして、リトライ時間が経過していない場合には、本体制御部110はRFID通信制御部305に対して情報送受信処理開始コマンドを再度送信し、上記一連の手順を繰り返す。すなわち、最初の情報送受信処理開始コマンドの送信時からリトライ時間が経過するまでの間、上記一連の手順が所定回数(第2所定回数)だけ繰り返される。そして、本体制御部110がRFID通信制御部305からエラー信号を受信した際にリトライ時間が経過していた場合には、その後はモジュール300のRFID通信制御部305に対して情報送受信処理開始コマンドの送信を禁止し、印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印刷を再開するようになっている。
以上説明した本実施形態においては、モジュール300のRFID通信制御部305の制御により送信回路306を介して送信されたコマンド信号(タグID読み取りコマンド信号)が、ループアンテナLCを介し無線タグ回路素子Toへ送信される。コマンド信号を受信した無線タグ回路素子Toが対応する応答信号を送信すると、この応答信号がループアンテナLCで受信され、受信回路307を経てRFID通信制御部305で対応する情報の取得が行われる。そして、このRFID通信制御部305による情報取得が成功するまでは、コマンド信号が複数回繰り返し送信される。
ここで、無線タグ情報通信装置1内において、機器の材質、部材の摩擦等の何らかの原因により静電気が生じ、通信時においてその静電気が無線タグ回路素子Toに帯電している可能性があり得る。このような場合、帯電の原因がなくなり通信が開始されると電荷が徐々に放電されるが、放電が十分になされないうちは無線タグ回路素子To内の電位変動が生じるため、コマンド信号を受信した無線タグ回路素子Toが正常に応答信号の送信動作を行えない可能性がある。すなわち、放電が十分になされないうちは、無線タグ回路素子Toからの応答信号が正常でなくRFID通信制御部305での情報取得に失敗したとしても、それが無線タグ回路素子Toの破損や故障のせいなのか、あるいは静電気帯電のせいであって無線タグ回路素子Toは健全である(放電完了まで待てば解決する)のかが判別できない。そして、放電が十分になされた後にRFID通信制御部305での情報取得に失敗したら、無線タグ回路素子Toの破損や故障のせいであることがわかる。
そこで本実施形態においては、本体制御部110の制御により、モジュール300からのコマンド信号送信後、所定の静電気放電用の待機時間が経過した後はコマンド信号の送信を禁止する、言い換えれば、待機時間の経過までは(RFID通信制御部305での情報取得が失敗しても)コマンド信号の送信を繰り返し続行可能とする。これにより、放電が十分になされず、無線タグ回路素子Toからの応答信号が正常でない原因が不明である場合には、RFID通信制御部305での情報取得を継続して図ることで無線タグ回路素子Toからの情報読み取り成功の確率を向上することができる。また放電が十分になされて依然として無線タグ回路素子Toからの応答信号が正常でない場合には無線タグ回路素子Toの破損や故障であるため、それ以上の無駄な通信継続によるエネルギロスを防止することができる。
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toが基材テープ101に配置され、その基材テープ101がテープ送りローラ駆動軸で搬送される構成の場合には、基材テープ101の搬送駆動箇所(ローラとの接触箇所)等において静電気が発生して無線タグ回路素子Toが帯電しやすい。また印字ヘッド23が基材テープ101やカバーフィルム103に接触して印字を行うときも、その接触箇所において同様に静電気が発生しやすい。これらの場合、帯電した後の搬送距離、搬送時間が長いほど放電が進み、電荷の帯電量は減少する。印字ヘッド23での帯電の場合、印字開始後の搬送距離や搬送時間は印字長に対応するため、印字長が長いほど放電が進む。また、帯電のしやすさは、材質や幅方向・厚さ方向の寸法等、基材テープ101(又はカバーフィルム103)の属性にも依存する。
本実施形態においては、これらに鑑み、本体制御部110が、基材テープ101又はカバーフィルム103の属性や、印字長や、搬送量等に応じて、リトライ時間を可変に設定する。これにより、それぞれの帯電状況・放電状況に応じた適正なリトライ時間を設定し、情報読み取り確率の向上及びエネルギ防止をさらに確実に図ることができる。
また、本実施形態では特に、基材テープ101(又はカバーフィルム103)の属性(本実施形態ではテープ幅)をカートリッジセンサ81で検出することにより、この検出結果に基づき、相関情報を用いて円滑に適正なリトライ時間を設定することができる。
また、本実施形態では特に、カートリッジセンサ81でカートリッジ7の装着状態を検出するとともにカートリッジ7の種類に関するカートリッジ情報を検出する。これにより、互いに基材テープ101の属性が異なる複数種類のカートリッジ7をカートリッジホルダ6に着脱交換して使用する場合であっても、各カートリッジ7の種類をカートリッジセンサ81で検出することで、基材テープ101の属性を検出することができる。
また、本実施形態では特に、タイマ86が出力する計時情報と、設定したリトライ時間とを用いて、最初の情報送受信処理開始コマンドの送信時からリトライ時間が経過した場合には、RFID通信制御部305から無線タグ回路素子Toに対してコマンドの送信を行わない構成とする。これにより、情報読み取り確率の向上及びエネルギ防止を図ることができる。
また、本実施形態では特に、RFID通信制御部305による複数回のコマンド信号の送信に先立ち、無線タグ回路素子Toへの電力供給を行うための搬送波を生成しループアンテナLCを介して送信開始する。このようにすることで、いわゆるパッシブタイプの無線タグ回路素子Toに対し電力を供給し、動作可能とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)テープ貼り合わせを行わない場合
上記実施形態では、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせるいわゆるラミネートタイプのラベルを作成する場合を例にとって説明したが、これに限られず、タグテープに備えられたカバーフィルムに直接印字を行ういわゆるノンラミネートタイプのラベルを作成する場合にも本発明は適用可能である。
図15は、この変形例のカートリッジ7′の詳細構造を表す平面図であり、前述の図5に相当する図である。図5等と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図15において、カートリッジ7′は、感熱テープ101′(タグ媒体)が巻回された第1ロール102′と、この感熱テープ101′をカートリッジ7′外部方向にテープ送りをするテープ送りローラ27′とを有している。
第1ロール102′は、リール部材102a′の周りに、長手方向に複数の上記無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の透明な上記感熱テープ101′を巻回している。第1ロール102′に巻き回される感熱テープ101′はこの例では3層構造となっており(図15中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、表面に感熱記録層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るカバーフィルム101a′(被印字層)、適宜の粘着材からなる粘着層101b′、剥離紙101c′の順序で積層され構成されている。
カバーフィルム101a′の裏側には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記タグ側アンテナ152がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように上記IC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。カバーフィルム101a′の裏側には、上記粘着層101b′によって上記剥離紙101c′がカバーフィルム101a′に接着されている。また、この剥離紙101c′の表面には、上記剥離紙101dと同様、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向におけるタグ側アンテナ152の略中心位置)に、搬送制御用の所定の識別子(この例では黒塗りの識別子。あるいはレーザ加工等により、前述と同様、感熱テープ101′を略貫通する孔を穿孔する等でもよい)PMが設けられている。
カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されローラホルダ25(図15では図示省略)が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ101′が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ27′とサブローラ28′との間に狭持される。そして、テープ送りローラ27′、サブローラ28′、及びプラテンローラ26が同期して回転し、第1ロール102′から感熱テープ101′が繰り出される。
この繰り出された感熱テープ101′は、その搬送方向下流側にある印字ヘッド23へと供給される。印字ヘッド23は、その複数の発熱素子が前述の印刷駆動回路120(図6参照)により通電され、これにより感熱テープ101′のカバーフィルム101a′の表面の印字領域Sに印刷データが印刷され、印字済みタグラベル用テープ109′として形成された後、カートリッジ7′外へと搬出される。
上記以外の構成については、前述の一実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例においても、上記一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記変形例の構成においては、タグテープとして感熱テープを用いることで特にインクリボン等を用いることなく印字ヘッド23の発熱のみによって印字を行ったが、これに限られず、上記一実施形態のように通常のインクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。
図16は、そのような変形例のカートリッジ7″の詳細構造を表す平面図であり、上記図15や前述の図5に相当する図である。図15や図5等と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図16において、この変形例のカートリッジ7″は、基材テープ101″(タグ媒体)が巻回された第1ロール102″を有している。
第1ロール102″は、リール部材102a″の周りに、長手方向に複数の上記無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の透明な上記基材テープ101″を巻回している。
第1ロール102″に巻き回される基材テープ101″はこの例では3層構造となっており(図16中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101a″(被印字層)、適宜の粘着材からなる粘着層101b″、剥離紙101c″の順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101a″の裏側には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記タグ側アンテナ152がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように上記IC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。ベースフィルム101a″の裏側には、上記粘着層101b″によって上記剥離紙101c″がベースフィルム101a″に接着されている。また、この剥離紙101c″の表面には、上記と同様、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向におけるループアンテナ152の略中心位置)に、搬送制御用の所定の識別子(この例では黒塗りの識別子。あるいはレーザ加工等により、前述と同様、基材テープ101″を略貫通する孔を穿孔する等でもよい)PMが設けられている。
カートリッジ7″がカートリッジホルダ6に装着されローラホルダ25(図16では図示省略)が離反位置から当接位置に移動されると、基材テープ101″及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ27′とサブローラ28′との間に狭持される。そして、テープ送りローラ27′、サブローラ28′、及びプラテンローラ26が同期して回転し、第1ロール102″から基材テープ101″が繰り出される。
この繰り出された基材テープ101″は、その搬送方向下流側にある印字ヘッド23へと供給される。印字ヘッド23は、その複数の発熱素子が前述の印刷駆動回路120(図6参照)により通電され、これにより基材テープ101″のベースフィルム101a″の表面の印字領域Sに印刷データが印刷され、印字済みタグラベル用テープ109″として形成された後、カートリッジ7″外へと搬出される。
上記以外の構成については、前述の一実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例においても、上述した図17の変形例と同様の効果を奏する。
(2)その他
以上においては、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ109を切断機構15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、切断機構15で切断しなくても、テープが排出口16から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
さらに、以上は、基材テープ101等がリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ7内にそのロールが配置されて基材テープ101が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接ラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをラベル作成装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しラベル作成装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ7のようなラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。