JP2008171193A - タグラベル作成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラベル作成用無線タグ回路素子との間の情報の送受信を確実に行うことができるタグラベル作成装置を提供する。
【解決手段】複数のアンテナ素子LC1〜LC9を選択的に切り換えて作動させ、タグ側アンテナ152に対する応答特性に応じて複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を選択するアンテナ選択手段と、そのアンテナ選択手段によって選択された特定のアンテナ素子を用いて、タグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行う情報送受信手段とを有する。
【選択図】図19
【解決手段】複数のアンテナ素子LC1〜LC9を選択的に切り換えて作動させ、タグ側アンテナ152に対する応答特性に応じて複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を選択するアンテナ選択手段と、そのアンテナ選択手段によって選択された特定のアンテナ素子を用いて、タグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行う情報送受信手段とを有する。
【選択図】図19
Description
本発明は、外部と情報の無線通信を行う無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するためのタグラベル作成システム及びアンテナユニットに関する。
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えている。質問器としてのリーダのアンテナより無線タグ回路素子に対し送信波の送信を行うと、無線タグ回路素子はその送信波の電波のもつエネルギを利用して返答の送信を行う。このようなリーダを用いて無線タグ回路素子から情報読み取りを行う従来技術として、例えば特許文献1記載のものがある。
この従来技術は、操作端末(PC)とリーダとを接続し、操作端末で所定の操作を行うことにより、リーダよりファイルや人間に所持された無線タグ回路素子の記憶情報を読み取って取得するものである。
一方、例えば、このような無線タグ回路素子に無線タグ情報を書き込んで無線タグラベルを作成する無線タグラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術では、所定間隔で無線タグ回路素子が設けられた帯状のタグテープ(基材テープ)がタグテープロール(第1ロール)から繰り出されるとともに、別のロール(第2ロール)から繰り出された被印字テープが上記タグテープに貼り合わされる。このとき、上記タグテープの無線タグ回路素子には装置側で生成した所定の無線タグ情報が送信されてIC回路部に書き込まれ、被印字テープにはその書き込まれる無線タグ情報に対応した印字が印字手段によって行われ、これによって印字つきの無線タグラベルが作成されるようになっている。
一般に、上記上記特許文献2に記載のようなタグラベル作成装置で作成された無線タグラベルは、管理対象(物品等)に貼り付けられる等、関連付けられて設けられる。そして、上記特許文献1記載のようなリーダにより、上記商品等に設けられた無線タグラベルから無線タグ情報が読み取られて、商品に関する情報を入手して当該商品の管理等が行われる。このように、無線タグラベルを作成しこれを用いて実際に商品管理等を行うには、リーダとタグラベル作成装置の両方の機能が必要である。
ここで、上記従来技術におけるリーダは、無線タグ回路素子に対する送信信号の送信及び上記無線タグ回路素子からの返答信号の受信を行うためのアンテナを備えている。一方、上記従来技術におけるタグラベル作成装置も、同様にアンテナを備えている。タグラベル作成装置のアンテナは、無線タグ回路素子近傍の狭い範囲に送信信号を送信するのが望ましいが、タグテープにおける無線タグ回路素子の位置はそのタグテープの種類ごとに異なっている。このため、複数種類のタグテープを各々装着して用いようとした場合、タグラベル装置のアンテナとタグテープの無線タグ回路素子との位置が合致せず、それらの間においては情報の送受信を行えないおそれもある。
本発明の目的は、ラベル作成用無線タグ回路素子との間の情報の送受信を確実に行うことができるタグラベル作成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、平面状のタグ媒体を搬送する搬送手段と、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた、前記タグ媒体に備えられるラベル作成用無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能であって、前記タグ媒体の搬送方向の略垂直方向であって、かつ、前記タグ媒体の平面に沿った方向に沿って配列する複数のアンテナ素子を含む装置側アンテナと、前記複数のアンテナ素子を切り換えて前記ラベル作成用無線タグ回路素子に所定信号を送信し、前記所定信号に対する前記複数のアンテナ素子からの応答信号に応じて前記複数のアンテナ素子から特定のアンテナ素子を選択するアンテナ選択手段と、前記アンテナ選択手段によって選択された前記特定のアンテナ素子を用いて、前記タグ側アンテナとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、アンテナ選択手段が、タグ媒体の搬送方向の略垂直方向におけるタグ側アンテナとの応答特性に応じて、複数のアンテナ素子から特定のアンテナ素子を選択する。そして情報送受信手段が、この選択した特定のアンテナ素子を用いてタグ側アンテナとの間で情報の送受信を行う。このため情報送受信手段は、好適な特定のアンテナ素子を用いて、確実にラベル作成用無線タグ回路素子との間で情報の送受信を行うことができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記アンテナ選択手段は、前記アンテナ素子を用いて受信した前記応答信号の信号強度に基づいて、前記複数のアンテナ素子から前記特定のアンテナ素子を特定するアンテナ特定手段を備えることを特徴とする。
本願第2発明においては、アンテナ選択手段が、アンテナ素子を用いて受信した応答信号の信号強度に基づいて、複数のアンテナ素子から特定のアンテナ素子を選択する。そして情報送受信手段が、この選択した特定のアンテナ素子を用いてタグ側アンテナとの間で情報の送受信を行う。このため情報送受信手段は、好適な特定のアンテナ素子を用いて、確実にラベル作成用無線タグ回路素子との間で情報の送受信を行うことができる。
第3の発明は、上記第2発明において、前記アンテナ選択手段によって送信される前記所定信号の第1の送信出力と、前記情報送受信手段によって送受信される情報の第2の送信出力との信号強度を制御する出力制御手段を有することを特徴とする。
本願第3発明においては、第1の送信出力を大電力とした場合には通信可能エリアを大きくすることができるため、書き込み位置に搬送される前に、確実に、最適なアンテナ素子(上記特定のアンテナ素子に相当)を特定することができる。一方、第2の送信出力を小電力とした場合には、最適なアンテナ素子の特定のために用いる電力消費を抑制することができる。
第4の発明は、上記第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記情報送受信手段を制御し、前記特定されたアンテナ素子を用いて、前記タグ媒体のIC回路部に対して所望の情報を書き込む情報書込手段を有することを特徴とする。
本願第4発明においては、情報書込手段は情報送受信手段を制御し、所定の応答特性を示す特定のアンテナ素子を用いることでIC回路部に対して確実に情報を書き込むことができる。
第5の発明は、上記第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記アンテナ選択手段は、前記複数のアンテナ素子を用いて受信した前記応答信号に応じて、前記タグ側アンテナの形状を特定する形状特定手段を備えることを特徴とする。
本願第5発明においては、アンテナ選択手段が、形状特定手段によって特定したタグ側アンテナの形状に応じて、複数のアンテナ素子から好適な特定のアンテナ素子を選択する。そして情報送受信手段が、この選択した特定のアンテナ素子を用いて、確実にラベル作成用無線タグ回路素子との間で情報の送受信を行うことができる。
第6の発明は、上記第5発明のいずれかにおいて、前記アンテナ選択手段は、前記形状特定手段によって前記タグ側アンテナが前記アンテナ素子よりも大きいと判断された場合、前記タグ側アンテナの大きさに応じて、前記複数のアンテナ素子のうちからアンテナ素子の組み合わせを選択することを特徴とする。
本願第6発明においては、タグ側アンテナが1つのアンテナ素子よりも大きい場合でも、アンテナ素子の組み合わせによって等価的に大きなアンテナとして、確実にラベル作成用無線タグ回路素子のタグ側アンテナとの間で情報の送受信を行うことができる。
第7の発明は、上記第6発明において、前記アンテナ選択手段は、前記複数のアンテナ素子のうち前記特定のアンテナ素子の周りに配列する周囲アンテナ素子も選択する周辺アンテナ選択手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。
本願第7発明においては、周辺アンテナ選択手段が、その特定のアンテナ素子のみならず、その特定アンテナ素子の周りに配置する周囲アンテナ素子をも作動させるため、これらアンテナ素子によって等価的にラベル作成用無線タグ回路素子のサイズに適合させたサイズのアンテナとして、確実にラベル作成用無線タグ回路素子のタグ側アンテナとの間で情報の送受信を行うことができる。
第8の発明は、上記第7発明において、前記装置側アンテナは、前記タグ媒体の搬送方向であって、かつ、前記タグ媒体の平面に沿った方向にも前記複数のアンテナ素子が配列しており、前記アンテナ選択手段は、指定した前記特定のアンテナ素子に対して前記タグ媒体の搬送方向において同列に配列するアンテナ素子を指定する同列アンテナ指定手段を備えることを特徴とする。
本願第8発明においては、同列アンテナ指定手段が、タグ媒体の搬送方向であって、かつ、タグ媒体の平面に沿った方向において同列に配列するアンテナ素子を指定するため、搬送されるタグ素子サイズに応じて、確実にラベル作成用無線タグ回路素子のタグ側アンテナとの間で情報の送受信を行うことができる。
第9の発明は、上記第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた、前記タグ媒体に備えられる、前記筐体外に位置する情報取得用無線タグ回路素子から、前記複数のアンテナ素子を用いて所望の情報を読み取る情報読取手段を有することを特徴とする。
本願第9発明においては、前記複数のアンテナ素子を用いて所望の情報を読み取る情報読取手段を有しているため、筐体外に位置する情報取得用無線タグ回路素子から情報を読み取ることができる。
第10の発明は、上記第9発明において、前記搬送手段、前記アンテナ選択手段及び前記情報送受信手段を備えるタグラベル作成装置本体と、前記タグラベル作成装置本体に対して開閉可能であって、閉じた際に前記タグラベル作成装置本体に対向する面に前記複数のアンテナ素子が配列しているアンテナ支持体とを有することを特徴とする。
本願第10発明においては、そのタグラベル作成装置本体に対向するアンテナ支持体の面に複数のアンテナ素子が配列しており、アンテナ支持体を開けば複数のアンテナ素子が露出するため、筐体外の情報取得用無線タグ回路素子を接近させて通信させることができる。
本発明によれば、ラベル作成用無線タグ回路素子との間の情報の送受信を確実に行うことができるタグラベル作成装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態によるタグラベル作成装置を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は本発明を無線タグラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバISと接続されている、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。
図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118に接続されてPC118からの操作に基づき所望の印字つき無線タグラベルを作成するものであり、外郭に略六面体(略立方体)形状の筐体200を有する装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3と、この装置本体2の側面に開閉可能に設けられた側壁200Aとを有している。
装置本体2の筐体200は、装置前方側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(後述)を外部に排出するラベル排出口11(排出口)を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10のうち上記開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
図3は、図2に示すタグラベル作成装置1において側壁200Aを開いた場合における全体構造を示す斜視図である。なお図3においては、図2において同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
図3において、タグラベル作成装置1の装置本体2は、装置側方側(図3中、右手前側)に位置し、下端がヒンジなどによって回動可能に支持されることにより側方に開放可能な側壁200A(アンテナ支持体)を備えている。
図3において、タグラベル作成装置1の装置本体2は、装置側方側(図3中、右手前側)に位置し、下端がヒンジなどによって回動可能に支持されることにより側方に開放可能な側壁200A(アンテナ支持体)を備えている。
この側壁200Aは略矩形の平板状の部材であり、側壁200Aはアンテナ支持部200Bを有している。このアンテナ支持部200Bには、複数のアンテナ素子LC1〜LC9が設けられている。側壁200Aは、上述のように装置本体2に対して開閉可能であって、閉じた際に装置本体2に対向する面に複数のアンテナ素子LC1〜LC9が配列している。なお、これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、アンテナ支持部200Bに沿って側壁200A内に内蔵されている形態であってもよい。本実施形態では、これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9を総称してアンテナLCとも呼んでいる。
これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、アンテナ支持部200Bにおいて上記矩形の両辺に沿ってマトリクス状に配列している。これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、後述するように9個のうち任意の個数を同時に作動することもできるし、各々独立して作動することもできる。
側壁200Aを開いた状態において装置本体2の側壁面2Aには、上記側壁200Aの開閉状態を検出する開閉検知センサ90(例えばリミットスイッチ)が露出している。この開閉検知センサ90は、その側壁面2Aから略垂直方向に突き出た部材であり、装置本体2に対して側壁200Aを閉じると押し込まれ、開くと突き出すことにより、側壁200Aの開閉状態を検出することができる。この開閉検知センサ90(開閉検出手段)は、検出した側壁200Aの開閉状態に基づく検出信号を制御回路110に出力するようになっている。
上記装置本体2に対して側壁200Aを開くと、無線タグ回路素子と(無線タグラベル等)をこれら複数のアンテナ素子LC1〜LC9にかざす後述するモード(後述するスキャンモード)となる。また上記装置本体2に対して側壁200Aを閉じると、このモードが解除され、後述するタグラベル作成モードとなる。
図4は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造を表す斜視図である。図4において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7(無線タグ回路素子収納体)を収納するカートリッジホルダ6(収納体設置用ホルダ)と、印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、切断機構15(切断手段)と、ハーフカットユニット35(後述の図5参照)と、生成された無線タグラベルT(後述の図12参照)をラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
図5は、図4に示した内部ユニット20の構造を表す平面図である。また、図6は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
これら図5及び図6において、上記カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、垂直方向となるようにカートリッジ7を収納する。カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101(タグ媒体)が巻回された第1ロール102(本来は渦巻き形状であるが簡略化して同心円で図示している。以下同様。)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図6中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図6中右側)よりその反対側(図6中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙(剥離材)101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図6中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側アンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図6中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図6中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
なお、上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向前方側のアンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)PMが設けられている。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図4参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。
一方、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図5中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、図5参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール111とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字Rが印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
また、カートリッジ7の上記筐体7Aの適宜の位置には、凹凸形状を備えた被検出部190が設けられている。この被検出部190の凹凸形状は、カートリッジホルダ6の対応する位置に設けられたカートリッジセンサ81により検出され、その検出信号が制御回路110(後述の図9参照)へ入力されるようになっている。このとき、被検出部190の形状と、当該被検出部190が設けられたカートリッジ7のカートリッジ情報(カートリッジ7がタグラベル作成用であるかタグを有しない通常のラベル作成用であるか、及びタグラベル作成用である場合にカートリッジ内に存在する全無線タグ回路素子ToのタグID情報等)との相関情報が例えば情報サーバISに格納されており、制御回路110は、通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、上記入力された検出信号に基づいてカートリッジ7のカートリッジ情報を取得するようになっている。なお、カートリッジセンサ81はカートリッジ7の装着状態を検出する装着検知センサも兼ねており、制御回路110は、カートリッジセンサ81から上記検出信号が入力されることにより、カートリッジ7がカートリッジホルダ6に装着されたことを検出するようになっている。
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられている。上述した側壁200Aを閉じた状態においては、筐体200の内部側に通信可能領域を有する複数のアンテナ素子LC1などを含むアンテナLC(装置側アンテナ)がタグラベル用テープ109に対向するように配置している。このアンテナLCは、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により、基材テープ101(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ、以下同様)に備えられた無線タグ回路素子Toと、装置本体2(筐体200)の外部に位置する無線タグ回路素子Toとの両方に対し、無線通信により情報の書き込み又は読み取りを行うことが可能となっている。さらに、内部ユニット20には、上記アンテナLCにより発生する磁路Mを所定のルートに導くための複数の磁性部材82が備えられている。
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的に切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらにラベル排出機構22によって側壁3aに形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
上記切断機構15は、固定刃40と、金属部材で構成されこの固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42(図4参照)と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43(図4参照)とを備えている。
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ51(搬送手段)と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧し、またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53(図4参照)と、この押圧作動機構部53の押圧解除動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みタグラベル用テープ109を排出するように回転させるための排出駆動機構部54(図4参照)とを備えている。また、ラベル排出機構22は、印字済みタグラベル用テープ109の上記剥離紙101dに設けられた識別マークPMを検出するマークセンサ127(後述の図9等参照)を有している。
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図5参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
押圧作動機構部53は、前述の図4に示すように、ローラ支持ホルダ57(アーム部材)と、ローラ支持ホルダ57に取り付けられ、先端部に押圧ローラ52を保持するローラ支持部58(アーム部材)と、ローラ支持ホルダ57を回動可能に支持するホルダ支持部59と、切断機構15に連動して押圧作動機構部53を駆動するカム60と、付勢バネ61とから構成されている。
ローラ支持部58は、この押圧ローラ52をその上下方向から挟み込むようにして回転自在に支持されている。そして、ローラ支持ホルダ57がカッターハスバギヤ42の回転により、カム60を通してホルダ支持軸59を中心に反時計回り(図4中、矢印71方向)に回動することで、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧される。また再びカッターハスバギヤ42を回転させると、付勢バネ61によりホルダ支持軸59は先ほどと逆方向に回動し、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109から離間される。
排出駆動機構部54は、テープ排出モータ65とギヤ列66とからなり、押圧ローラ52によって印字済みタグラベル用テープ109が駆動ローラ51に押圧された後に、テープ排出モータ65を駆動させ、駆動ローラ51を印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ回転させることによって、印字済みタグラベル用テープ109が強制的に排出方向に排出される。
図7は、上記カートリッジセンサ81の構成の一例を表す説明図である。
図7において、カートリッジセンサ81は、この例では、凹凸形状を備えた上記被検出部190の識別子190A〜Cに対しバネ部材81Aで接点81Bを付勢当接させることで凹凸形状を検出するメカニカルスイッチであり、各凹凸部に対応して配置された接点81Bより制御回路110へ検出信号を出力するようになっている。
前述したように、これら識別子190A〜Cは、上記凹凸の有無によって、カートリッジ7のカートリッジ情報(カートリッジ7がタグラベル作成用であるかタグを有しない通常のラベル作成用であるかという情報や、タグラベル作成用である場合にカートリッジ内に存在する全無線タグ回路素子ToのタグID情報等)を表しており、上記カートリッジセンサ81は当該カートリッジ7に関するそのカートリッジ情報を検出し制御回路110へ出力する。これにより、制御回路110は通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、上記入力された検出信号とひもづけされたカートリッジ情報を取得できるようになっている。
なお、上記の検出手段としてのカートリッジセンサ81は、メカニカルスイッチに限られず、他の方式、例えば光の反射を利用したセンサであってもよい。この場合、センサは、例えば制御回路110からの信号により発光する発光ダイオードと、その発光の各識別子190A〜Cにおける反射光を受光し対応する検出信号を制御回路110に出力するフォトトランジスタとを備えている。また例えば、カートリッジ7の筐体7Aに無線タグ回路素子情報が書き込まれた無線タグ回路素子To(いわゆるカートリッジタグ)を設けておき、カートリッジホルダ6の対応する位置に設けたカートリッジタグ読み取り用のアンテナで当該カートリッジタグの情報を読み出すことにより、カートリッジ7に関する無線タグ回路素子情報を取得するようにしてもよい。
図8(A)〜図8(D)は、それぞれ、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Tの概念的構成を表す、図6中矢印D方向から見た概念図である。この図8(A)〜図8(D)において、無線タグ回路素子Toは、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記ループアンテナ152と、これに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成されている。また、剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に、前述した識別マークPMがそれぞれ設けられている。
各無線タグ回路素子Toは、基材テープ101上において様々な位置に配置されていたり、様々な大きさ、形状、向きとなっている。具体的には、各無線タグ回路素子Toは、例えば図8(A)に示すように搬送方向の略垂直方向において一方に偏って配置されている場合もあれば、図8(B)に示すように搬送方向の略垂直方向において他方に偏って配置されている場合もある。この場合、各無線タグ回路素子Toは、図8(A)に示す位置及び図8(B)に示す位置の間のいずれかに配置されている場合もある。
また各無線タグ回路素子Toは、例えば図8(C)に示すように搬送方向の略垂直方向において一方に偏っている上、かつ、この搬送方向に沿って細長い形状となっている場合もある。この場合においても、各無線タグ回路素子Toは、搬送方向の略垂直方向において一方或いは他方に偏って或いはそれらの間のいずれかの位置に配置されている場合もある。
また各無線タグ回路素子Toは、例えば図8(D)に示すように搬送方向において短い形状となっている場合もある。この場合においても、各無線タグ回路素子Toは、搬送方向の略垂直方向において一方或いは他方に偏って或いはそれらの間のいずれかの位置に配置されている場合もある。
またこの他にも各無線タグ回路素子Toは、図示しないが、基材テープ101の搬送方向の略垂直方向に沿って細長い形状となっている場合もある。この場合においても、各無線タグ回路素子Toは、搬送方向の略垂直方向において一方或いは他方に偏って或いはそれらの間のいずれかの位置に配置されている場合もある。
図9は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図9において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
CGROM114には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、押圧ローラモータ130を駆動するための押圧ローラモータ駆動回路131と、上記複数のアンテナ素子LC1〜LC9を介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路306と、上記制御回路110の制御によって送信回路306による信号出力を変更する出力変更部305と、無線タグ回路素子Toから上記複数のアンテナ素子LC1〜LC9を介して受信された応答信号の復調を行い、復調された受信信号と該応答信号の強度を検出して信号強度を上記制御回路110に出力する上記受信回路307と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127と、上記カートリッジ筐体7Aに設けられた被検出部190の凹凸形状を検出するカートリッジセンサ81と、テープカットセンサ124とカットリリース検出センサ125と、上記側壁200Aの開閉状態を検知する開閉検知センサ90とが各々接続されている。
また、上記送信回路306及び受信回路307は、アンテナ切替器86及びアンテナ共用器240を介して複数のアンテナ素子LC1〜LC9に接続されている。これにより、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて無線タグ回路素子Toとの信号の送信及び受信が可能となっている。アンテナ切替器86は、制御回路110(コマンド情報生成手段)からの制御信号に基づき、上記アンテナ共用器240を複数のアンテナ素子LC1〜LC9を選択して順次切り替えて接続可能な構成となっている。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行うとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
受信回路307は、RSSI回路307A及びA/D変換回路307Bを有している。このRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路307Aは、アンテナ素子LC1〜LC9より切替回路86及びアンテナ共用機240を介して受信された受信信号の強度を検出する。A/D変換回路307Bは、検出された受信信号の強度をアナログ信号からデジタル信号に変換し、制御回路110に出力する。
図10(a)〜図10(d)は、それぞれアンテナ切替器86内においてアンテナ素子を切り替える様子を示す図である。なお、図10(a)〜図10(d)の図面においては、例えばアンテナ素子LC1〜LC3を用いて説明する。
アンテナ切替器86は、アンテナ共用器240に接続された端子T0a,T0b、アンテナ素子LC1の一端に接続された端子T1a及び他端に接続されたT1b、アンテナ素子LC2の一端に接続された端子T2a及び他端に接続されたT2b及び、アンテナ素子LC3の一端に接続された端子T3a及び他端に接続された端子T3bを有している。
このアンテナ切替器86では、端子T0a及び端子T0bがそれぞれ、これら端子T1a,T2b,T2a,T2b,T3a,T3bのいずれかに切り替えて電気的に接続可能な構成となっている。従って、このアンテナ切替器86では、例えば図10(a)に示すように端子T0aが端子T2aと接続され、かつ、端子T0bが端子T2bと接続されるように切り替えることによって、アンテナ素子LC2を選択する。
一方、このアンテナ切替器86は、例えば図10(b)に示すように端子T0aが端子T1aに接続され、端子T1bが端子T2aに接続され、端子T0bがT2bに接続されるように切り替えることによって、アンテナ素子LC1及びアンテナ素子LC2を選択する。この場合、アンテナ切替器86は、これらアンテナ素子LC1及びアンテナ素子LC2を直列に接続している。
また、このアンテナ切替器86は、例えば図10(c)に示すように端子T0aが端子T2aに接続され、端子T2bが端子T3aに接続され、端子T0bが端子T3bに接続されるように切り替えられることによって、アンテナ素子LC2及びアンテナ素子LC3を選択する。この場合、アンテナ切替器86は、これらアンテナ素子LC2及びアンテナ素子LC3を直列に接続している。
図11は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図11において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、ループアンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図12(a)及び図12(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は下面図である。また図13(a)は図12中IXXA−IXXA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図13(b)は図12中IXXB−IXXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図12(a)、図12(b)、図13(a)、及び図13(b)において、無線タグラベルTは、前述したように図6に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図13中上側)よりその反対側(図13中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。言い換えれば、ハーフカット線HC1,HC2により、カバーフィルム103の前後余白領域S1,S2と印字領域Sとが区別されている。
なお、既に述べたように識別マークPMとして図13(a)及び図13(b)に示すような黒塗りのマーキングを設けるのに代え、図13(c)に示すように、識別マークPMとして、トムソン型やビク型による打ち抜きやレーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を孔設する等でもよい。この場合、マークセンサ127を投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサで構成した場合、投光器と受光器との間の位置に上記孔からなる識別マークPMが来ると、投光器からの光が識別マークPMの孔及び透明のカバーフィルム103を透過して反射しなくなって受光器で受光しなくなり、これによって受光器からの制御出力が反転させられる。
図14は、上述したようなタグラベル作成装置1による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
図14において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
上記のような基本構成であるタグラベル作成装置1においては、制御回路110により、通常はアンテナLCを介して装置本体2(筐体200)の外部に位置する無線タグ回路素子Toに対し情報の送受信を行うスキャンモードとなるように制御され、操作者によりラベル作成指示が行われると、印字済みタグラベル用テープ109に備えられた無線タグ回路素子Toに対し情報の送受信を行うタグラベル作成モードとなるように制御される。このタグラベル作成モードでは、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。
図15は、このような制御を行うために制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、このフローは、例えばタグラベル作成装置1の電源を投入した際に開始される。
まず、ステップS10では、カートリッジ7がカートリッジホルダ6に装着されているかどうかを判定する。この判定は、カートリッジセンサ81から検出信号が入力されているかどうかを判定することにより行われる。カートリッジ7がカートリッジホルダ6に装着されるまで本ステップS10を繰り返し、装着されたら判定が満たされて次のステップS20に移る。
ステップS20では、通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、カートリッジセンサ81から入力された検出信号に基づいてカートリッジ7のカートリッジ情報(カートリッジ7がタグラベル作成用であるかタグを有しない通常のラベル作成用であるか、及びタグラベル作成用である場合にカートリッジ内に存在する全無線タグ回路素子ToのタグID情報等)を取得する。
次にステップS31では、開閉検知センサ90によって側壁200Aの開閉状態を検出し、側壁200Aが開放されているか否かを判断する。側壁200Aが開放されている場合にはステップS300を実行し、側壁200Aが開放されていない場合にはステップS30を実行する。
このステップS30では、操作者からラベル作成の指示入力があったかどうか、すなわち例えば上記PC118等から通信回線NW及び入出力インターフェース113を介してラベル作成の操作信号が入力されたかどうかを判定する。指示入力がない場合(すなわち通常の場合)にはステップS40を実行する。
一方、ステップS300では、スキャンモードに移行し、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を介して装置本体2(筐体200)の外部に位置する無線タグ回路素子Toに対し無線通信を行い、当該無線タグ回路素子Toの情報を読み取るスキャン処理を行う(詳細は後述の図16参照)。
次のステップS40では、カートリッジ7がカートリッジホルダ6から取り外されたかどうかを判定する。この判定は、カートリッジセンサ81から検出信号が入力されているかどうかを判定することにより行われる。取り外されていない場合には、判定が満たされずに先のステップS30に戻る。取り外された場合には、判定が満たされて最初のステップS10に戻る。
一方、上記ステップS30において、操作者からラベル作成の指示入力があった場合には、判定が満たされて次のステップS50に移る。このステップS50では、上記ステップS20で取得したカートリッジ情報に基づき、カートリッジ7がタグラベル作成用であるか又はタグを有しない通常のラベル作成用であるかを判定する。カートリッジ7がタグラベル作成用のカートリッジである場合には、判定が満たされて次のステップS100に移る。
ステップS100では、タグラベル作成モードに移行し、無線タグラベルTを作成するタグラベル作成処理を行う(詳細は後述の図17参照)。その後、上記したステップS40に移る。
一方、上記ステップS50において、カートリッジ7が通常のタグラベル作成用のカートリッジである場合には、判定が満たされずにステップS600に移り、通常ラベル作成モードに移行し、タグを有しない通常のラベルを作成する通常ラベル作成処理を行う(詳細は後述の図35参照)。その後、上記したステップS40に移る。
図16は、上述したステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
この図16において、まずステップS310では、操作者からスキャン中止の指示入力があったかどうか、すなわち例えば上記PC118等から通信回線NW及び入出力インターフェース113を介してスキャン中止の操作信号が入力されたかどうかを判定する。指示入力があった場合には、本フローを終了する。指示入力がない場合には、判定が満たされず、次のステップS320に移る。
次にステップ320において、送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに記憶された情報を取得するための問合せ信号(例えば「Scroll All ID」「Ping」信号等)として、所定の変調を行った搬送波をアンテナ素子LC1〜LC9(を含むアンテナLC)同時に9個を介して読み取り対象である無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後、ステップS330において、上記問合せ信号に対応して読み取り対象の無線タグ回路素子Toからリプライ信号が送信され、当該リプライ信号を複数のアンテナ素子LC1〜LC9(を含むアンテナLC)を介し受信したかどうかを判定する。リプライ信号を受信していない場合、上記ステップS310に戻り、リプライ信号を受信するまでステップS310〜ステップS330を繰り返す。すなわち、複数のアンテナ素子LC1〜LC9の通信範囲に読み取り対象となる無線タグ回路素子To(無線タグラベルT)がない場合には、問合せ信号の送信状態が継続される。そして、リプライ信号が受信された場合には、判定が満たされて次のステップS340に移る。
ステップS340では、上記リプライ信号を送信した読み取り対象である無線タグ回路素子Toが、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7から繰り出された印字済みタグラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toかどうかを判定する。この判定は、上記受信したリプライ信号に基づき読み取り対象である無線タグ回路素子Toから取得したタグIDと、前述のステップS20で取得したカートリッジ情報中のカートリッジ7内に存在する全無線タグ回路素子ToのタグID情報とを比較することにより行われる。カートリッジ7の無線タグ回路素子Toである場合には、本フローを終了する。カートリッジ7の無線タグ回路素子Toでない場合、すなわち装置本体2外の無線タグ回路素子Toである場合には、判定が満たされて次のステップS350に移る。
ステップS350では、上記受信したリプライ信号に基づき読み取り対象である無線タグ回路素子Toから取得した無線タグ情報を、適宜処理する。当該処理としては、例えば、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介して出力し、情報サーバISやルートサーバRSに必要に応じてPC118より参照可能に格納したり、PC118の表示手段で表示する等が挙げられる。そして、このフローを終了する。以上のようにして制御回路110は、無線タグ回路素子To(情報取得用無線タグ回路素子)が広範な範囲に散っていても、広範な通信範囲を網羅可能な複数のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて無線タグ回路素子Toから所望の情報を読み取ることができる(情報読み取り手段)。
なお、ここでは特に説明しなかったが、情報の読み取りがうまくいかなかった場合に、所定の回数リトライを行うようにしてもよい。また、上記問い合わせ信号をアンテナLCから出力する際には、上記ステップS100のタグラベル作成処理の場合よりも送信出力を大きくするようにしてもよい。
図17は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS105で、PC118からの操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データ、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定等を行なう準備処理を実行する。
次に、ステップS110において、アンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nと、通信が成功したかどうかをあらわすフラグFを0に初期化設定する。
その後、ステップS115に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
その後、ステップS120において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、基材テープ101の上記識別子PMが検出されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別子PMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS125に移る。
ステップS125では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS105で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS130において、印字済タグラベル用テープ109が先のステップS105で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構(図示せず)のハーフカッタ(図示せず)がステップS105で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS135に移る。
ステップS135では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS105で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構(図示せず)のハーフカッタ(図示せず)が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS140で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ(図示せず)を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
そして、ステップS145に移り、上記ステップS115と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS125と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
次のステップS200では、タグアクセス処理を行う。すなわち、このタグアクセス処理では、印字済みタグラベル用テープ109の搬送中に、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちから最適なアンテナ素子を選択し、この選択したアンテナ素子が、このタグラベル用テープ109に備えられた無線タグ回路素子Toとの間で情報の送受信を行い、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う(後述の図18参照)。
以上のようにしてステップS200が終了したら、ステップS155に移る。ステップS155では、印字済タグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば、図示しない切断機構の可動刃がステップS105で設定した切断線に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS160に移る。
ステップS160では、上記ステップS135と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS105で設定した上記切断線に切断機構(図示しない)の可動刃(図示しない)が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS165でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、図示しない切断機構の可動刃(図示せず)を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線を形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られ、かつ、これに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS170に移り、入出力インターフェース113を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS165でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
図18は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS800では、タグラベル用テープ109の搬送中にアンテナ選択処理を実行する。このアンテナ選択処理S800では、上述した複数のアンテナ素子LC1〜LC9から無線タグ回路素子Toとの情報の送受信に用いるべきアンテナ素子を選択する。このステップS800では、制御回路110が、例えば複数のアンテナ素子LC1〜LC9を切り換えて無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)に所定信号を送信し、この所定信号に対する複数のアンテナ素子LC1〜LC9からの応答信号に応じて複数のアンテナ素子LC1〜LC9からアンテナ素子(特定のアンテナ素子)を選択する(アンテナ選択手段)。これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、タグラベル用テープ109の搬送方向の略垂直方向であって、かつ、このタグラベル用テープ109の平面に沿った方向(本実施形態では、これによって定まる方向を簡素化して単に「タグラベル用テープ109の搬送方向の略垂直方向」とも呼んでいる)に沿って配列している。以下、このアンテナ素子を「特定アンテナ素子」とも呼ぶ。このように特定のアンテナ素子を選択するのは、このように選択された特定のアンテナ素子を用いて、ループアンテナ152との間で情報の送受信を行うためである(情報送受信手段)。アンテナ選択処理の詳細については後述する。
まずステップS800では、タグラベル用テープ109の搬送中にアンテナ選択処理を実行する。このアンテナ選択処理S800では、上述した複数のアンテナ素子LC1〜LC9から無線タグ回路素子Toとの情報の送受信に用いるべきアンテナ素子を選択する。このステップS800では、制御回路110が、例えば複数のアンテナ素子LC1〜LC9を切り換えて無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)に所定信号を送信し、この所定信号に対する複数のアンテナ素子LC1〜LC9からの応答信号に応じて複数のアンテナ素子LC1〜LC9からアンテナ素子(特定のアンテナ素子)を選択する(アンテナ選択手段)。これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、タグラベル用テープ109の搬送方向の略垂直方向であって、かつ、このタグラベル用テープ109の平面に沿った方向(本実施形態では、これによって定まる方向を簡素化して単に「タグラベル用テープ109の搬送方向の略垂直方向」とも呼んでいる)に沿って配列している。以下、このアンテナ素子を「特定アンテナ素子」とも呼ぶ。このように特定のアンテナ素子を選択するのは、このように選択された特定のアンテナ素子を用いて、ループアンテナ152との間で情報の送受信を行うためである(情報送受信手段)。アンテナ選択処理の詳細については後述する。
次のステップS225では、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち選択した特定アンテナ素子を用いて送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに記憶された識別情報(タグID)を取得するための問合せ信号(例えば「Scroll All ID」「Ping」信号等)として、所定の変調を行った搬送波を特定アンテナ素子を介して通信対象である無線タグ回路素子Toに送信し、これに対応して無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号を上記特定アンテナ素子を介し受信して、通信対象である無線タグ回路素子ToのタグIDを取得する。
次のステップS227では、上記通信対象である無線タグ回路素子Toが、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7から繰り出された印字済みタグラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toかどうかを判定する。この判定は、上記無線タグ回路素子Toから取得したタグIDと、前述のステップS20で取得したカートリッジ情報中のカートリッジ7内に存在する全無線タグ回路素子ToのタグID情報とを比較することにより行われる。カートリッジ7の無線タグ回路素子Toでない場合には、判定が満たされずに上記ステップ225に戻る。一方、カートリッジ7の無線タグ回路素子Toである場合には、次のステップS400に移る。
ステップS400では、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図17の上記ステップS105で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図34参照)。
その後、ステップS230に移り、上記ステップS400において情報送受信に成功したかどうかを判定する。具体的にはステップS400において通信失敗時には上記フラグF=1となっているはずであることから(後述の図34のステップS437参照)、F=0であるかどうかを判定する。
F=1である場合、判定が満たされず、当該無線タグ回路素子Toに対する通信が失敗したとみなされステップS700に移り、当該通信失敗をラベル上で操作者に報知するためのエラー処理(例えば、上記通信エラーに対応した別態様印字R′(例えば「NG」の文字)を印刷する等)を行い、このルーチンを終了する。
一方、F=0である場合、判定が満たされ、当該無線タグ回路素子Toに対する通信は成功したとみなされてステップS240に移る。
その後、ステップS250に移り、印字済タグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図17中ステップS105で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
ステップS260では、上記図17のステップS135と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
その後、ステップS500に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット(図示せず)のハーフカッタ(図示せず)によって後ハーフカット線HC2の形成を行った後ハーフカット処理を行う。以上によりこのルーチンを終了する。
図19は、図18に示すアンテナ選択処理(ステップS800)の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS801では、制御回路110がアンテナ素子番号を初期化して「0」を代入する(ステップS801)。次にステップS802では、制御回路110がアンテナ素子番号を+1加算し、アンテナ素子番号を「1」とする。すると、制御回路110は、送信回路306及びアンテナ共用器240を介して、このアンテナ素子番号(例えば「1」)に応じてアンテナ切替器86を切り換えてアンテナ素子LC1を選択する。つまり制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を順次切り替えることができる。
ステップS801では、制御回路110がアンテナ素子番号を初期化して「0」を代入する(ステップS801)。次にステップS802では、制御回路110がアンテナ素子番号を+1加算し、アンテナ素子番号を「1」とする。すると、制御回路110は、送信回路306及びアンテナ共用器240を介して、このアンテナ素子番号(例えば「1」)に応じてアンテナ切替器86を切り換えてアンテナ素子LC1を選択する。つまり制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を順次切り替えることができる。
次にステップS803では、無線タグ回路素子Toに対する問い合わせ信号として例えば「Ping」信号を指定する。次にステップS804では、制御回路110が、第1作動条件として大出力レベル(例えば各アンテナ素子の作動条件としてデューティを1/9と設定)で電波を出力すべく送信回路306を制御する。すると送信回路306(信号送信手段)は、制御回路110の制御によって、切り換えられたアンテナ素子LC1を用いて、上述の問い合わせ信号を無線タグ回路素子Toに対して送信する。
次にステップS805では、制御回路110が、このアンテナ素子LC1を用いてアンテナ切替器86及びアンテナ共用器240を介して、受信回路307(応答信号受信手段)によって、上記問い合わせ信号に対する無線タグ回路素子Toからの応答信号を受信する。この受信回路307は、そのRSSI回路307によってその応答信号の信号強度(例えばRSSI値としての電圧値)を取得する。そして受信回路307は、そのA/D変換回路307Bによってアナログ信号からデジタル信号に変換し、制御回路110に出力する。次にステップS806では、制御回路110が、受信回路307から受け取った、その応答信号の信号出力(例えばRSSI値)を、このアンテナ素子番号に関連づけてメモリに記憶しておく。次にステップS807では、制御回路110が、現在のアンテナ素子番号が最大アンテナ素子番号(本実施形態では「9」と例示している)以下であるか否かを判断する。
制御回路110は、現在のアンテナ素子番号が最大アンテナ素子番号以下である場合、ステップS802〜ステップS806を実行して次のアンテナ素子番号について同様の処理を実行し、全ての複数のアンテナ素子LC1〜LC9に関連付けた9個のRSSI値を取得し、各アンテナ素子番号に関連づけてRSSI値をメモリに記憶しておく。
そしてステップS808では、制御回路110が、このメモリのこれらRSSI値に基づいて判定を行い、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちラベル作成用無線タグ回路素子Toとの通信に用いるべき特定のアンテナ素子を決定する。具体的には、制御回路110は、図20に示すこれら9個のRSSI値(信号強度)に基づいて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9から最も良好な応答特性を示す特定のアンテナ素子を特定する(アンテナ特定手段)。
図20は、各アンテナ素子により受信された応答信号のRSSI値及び、判定結果を示す図である。
図20に示す例では、各アンテナ素子LC1ごとにRSSI値が管理されているとともに、後述する判定処理に従った判定結果が管理されている。本実施形態における判定処理では、各アンテナ素子のRSSI値が判定閾値と比較した場合における各アンテナ素子による応答信号の信号強度に関する強弱の判定を行う。具体的には、例えば0〜1.0[V]の場合には応答特性が悪いことを示す「×」と判定され、例えば1.1〜2.0[V]の場合には応答特性がやや悪いことを示す「△」と判定され、例えば2.1〜3.0[V]の場合には応答特性が良好であることを示す「○」と判定され、例えば3.0[V]を超える場合には応答特性が最良であることを示す「◎」と判定されている。これら判定処理の詳細は、後述する図22〜図33において説明し、ここでは概要を説明する。
図20に示す例では、各アンテナ素子LC1ごとにRSSI値が管理されているとともに、後述する判定処理に従った判定結果が管理されている。本実施形態における判定処理では、各アンテナ素子のRSSI値が判定閾値と比較した場合における各アンテナ素子による応答信号の信号強度に関する強弱の判定を行う。具体的には、例えば0〜1.0[V]の場合には応答特性が悪いことを示す「×」と判定され、例えば1.1〜2.0[V]の場合には応答特性がやや悪いことを示す「△」と判定され、例えば2.1〜3.0[V]の場合には応答特性が良好であることを示す「○」と判定され、例えば3.0[V]を超える場合には応答特性が最良であることを示す「◎」と判定されている。これら判定処理の詳細は、後述する図22〜図33において説明し、ここでは概要を説明する。
制御回路110は、図20に示す例ではアンテナ素子LC6が最も良好な特性を示しているものとして、このアンテナ素子LC6を選択する。以上のようにして制御回路110は、第1作動させた各アンテナ素子LC1〜LC9を用いて受信した応答信号の信号出力(例えばRSSI値)に基づいて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9からアンテナ素子(上記特定アンテナ素子)LC6を特定している(アンテナ特定手段)。
ここで制御回路110は、第1作動(予備作動)させたアンテナ素子LC1〜LC9によって各々送信される問い合わせ信号(アンテナ選択手段によって送信される所定信号)の第1の送信出力と、送信回路306及び受信回路307によってタグ回路素子Toとの間で実際に情報の送受信(書き込みなど)を行う際に送受信される情報の第2の送信出力との信号強度を制御する機能を有する(出力制御手段)。この出力制御機能では、例えば、第1作動における第1の送信出力の信号出力と、実際に無線タグ回路素子Toとの間で情報の送受信を行う際の第2の送信出力の信号出力(第2作動)とを等しく制御したり、或いは、第1の送信出力及び第2の送信出力のうちいずれか一方を弱く、他方を強く変更するなど異ならせて制御する機能を有する。
図21(a)〜図21(i)は、各々、第1作動における各アンテナ素子LC1等の作動状態を示すタイミングチャートである。ここで図21(a)〜図21(i)は、各アンテナ素子を第1作動させる場合において第1作動条件としてのデューティを等しくした場合のデューティの一例を示す図である。なお、ここでいう第1作動とは、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちから特定すべきアンテナ素子を第2作動させる前に、試験的に複数のアンテナ素子LC1〜LC9のいずれかを選択的して順に逐一作動させることをいう。なお図21(j)は、情報送受信ステップS400が実行されるタイミングを表している。
本実施形態では、図21(a)〜図21(i)に示すようにアンテナ素子LC1〜LC9を各々順次デューティ比1/9で第1作動させている。
本実施形態では、図21(a)に示すようなタイミングにおいて、上述のようにアンテナ素子LC6がラベル作成用無線タグ回路素子Toのループアンテナ152(タグ側アンテナ)に最も反応しており、このアンテナ素子LC6(特定のアンテナ素子)を採用するものとする。以上のようにアンテナ素子が特定されると、図21(j)に示すように、上記情報送受信ステップS400が実行される。
図22〜図33は、それぞれ第1作動における複数のアンテナ素子LC1〜LC9のループアンテナ152に対する応答状態を示す図である。ここで図22は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を第1作動(予備作動)させた様子を示しており、図23〜図33は、それらの第1作動に応じた複数のアンテナ素子LC1〜LC9の応答状況を示している。なお、図23〜図33において「×」印は、上記RSSI値に基づく判定評価が低く、これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち無線タグ回路素子Toに反応していないアンテナ素子を示している。また「△」は、上記RSSI値に基づく判定がやや低く、無線タグ回路素子Toに多少反応しているアンテナ素子を示している。また「○」印は、上記RSSI値に基づく判定が平均的であり、無線タグ回路素子Toに反応しているアンテナ素子を示している。また「◎」印は、上記RSSI値に基づく判定が良好であり、無線タグ回路素子Toに最も反応しているアンテナ素子を示している。
このラベル用テープ109に備えられた無線タグ回路素子Toは、図22に示すようにラベル用テープ109の搬送に伴って複数のアンテナ素子LC1〜LC9に接近する。これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、接近する搬送中の無線タグ回路素子Toに対して第1作動し、例えば大レベルで問い合わせ信号を出力する。無線タグ回路素子Toが各アンテナ素子に対面する一を通過すると、図23に示すようにアンテナ素子LC6による応答信号に基づく判定が「◎」を示している。さらにこの無線タグ回路素子Toが搬送されると、図24に示すようにアンテナ素子LC5による応答信号に基づく判定のみが「◎」となる。すると、このアンテナ素子LC6は、1つのアンテナ素子とほぼ同サイズ或いはそれよりも小さなアンテナ素子(特定アンテナ素子)と特定される(図示した特定領域SP)。
また、図25に示すように最初にアンテナ素子LC6による応答信号に基づく判定が「△」を示し続けている状態でさらにその後、図26に示すようにそのアンテナ素子LC5の隣のアンテナ素子LC6による応答信号に基づく判定が「△」を示す場合、さらに図27に示すように2つのアンテナ素子LC4,LC5による応答信号に基づく判定が「△」のとき(アンテナ素子LC6の判定は「×」)、この搬送方向に細長い無線タグ回路素子Toであると特定することができる(図示した特定領域SP)。
このように制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち特定アンテナ素子LC4の周りに配列する周囲アンテナ素子LC5も選択してもよい(周辺アンテナ選択手段)。この場合、この特定されたアンテナ素子LC5,LC6は、両者の間BSに生じる磁界B1,B2が互いに打ち消しあい、あたかも1つの大きなアンテナとして等価的に用いることができるようになる。
このように複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、ラベル用テープ109の搬送方向であって、かつ、このラベル用テープ109の平面に沿った方向にも配列している場合、制御回路110は、指定した特定アンテナ素子LC6に対してラベル用テープ109の搬送方向において同列に配列するアンテナ素子LC5をも指定しても良い(同列アンテナ指定手段)。
ここで制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち指定された組み合わせの特定のアンテナ素子を同相で作動させてもよい(同相作動手段)。具体的には、制御回路110は、アンテナ素子LC4,LC5の配置範囲にほぼ等しい大きさのタグ回路素子Toに対して、これらLC4,LC5を同相で作動(通電)させてもよい。
また、図28に示すように最初にアンテナ素子LC3及びアンテナ素子LC6による応答信号に基づく判定が両方とも「△」であり、さらにアンテナ素子LC9による応答信号に基づく判定が「△」である場合には、さらに図29に示すように次のアンテナ素子LC2及びアンテナ素子LC5による判定が「△」であると(アンテナ素子LC3,LC6による判定は「×」)、次のような特定がなされる。すなわち無線タグ回路素子Toのループアンテナ152は、1つのアンテナ素子よりも大きく、しかも、この搬送方向に略垂直であって、かつ、ラベル用テープ109の平面に沿った方向で、アンテナ素子LC3からアンテナ素子LC6にかけて細長い無線タグ回路素子Toであると特定することができる(図示した特定領域SP)。この場合(図29の場合)、上述した図27などに示す例とほぼ同様に、この特定されたアンテナ素子LC2,LC5は、両者の間に生じる磁界B1,B2が互いに打ち消しあい、あたかも1つの大きなアンテナとして等価的に用いることができるようになる。
ここで制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち指定された組み合わせの特定のアンテナ素子を同相で作動させてもよい(同相作動手段)。具体的には、制御回路110は、アンテナ素子LC2,LC5の配置範囲にほぼ等しい大きさのタグ回路素子Toに対して、これらLC2,LC5を同相で作動(通電)させてもよい。
また、図30に示すように最初にアンテナ素子LC3及びアンテナ素子LC6による応答信号に基づく判定が両方とも「△」であり、かつ、その他のアンテナ素子LC9などによる応答信号に基づく判定が「×」である場合には、この搬送方向に略垂直であって、かつ、ラベル用テープ109の平面に沿った方向で、図31に示すようなアンテナ素子LC3及びアンテナ素子LC6との間に収まる程度の大きさの小さな形状の無線タグ回路素子Toであると特定することができる(図示した特定領域SP)。
また、図28に示すように最初にアンテナ素子LC3,LC6による応答信号に基づく判定が両方とも「△」であり、次に図32に示すようにアンテナ素子LC2,LC3,LC5,LC6による応答信号に基づく判定が「△」であり、さらに次に図33に示すようにアンテナ素子LC1,LC2,LC4,LC5による応答信号に基づく判定が「△」である場合(その他のアンテナ素子LC9などによる応答信号に基づく判定が「×」である場合)には、この搬送方向に略垂直であって、かつ、ラベル用テープ109の平面に沿った方向で、図33に示すようなアンテナ素子LC1,LC2,LC4,LC5に相当する程度の大きさの小さな形状の無線タグ回路素子Toであると特定することができる(図示した特定領域SP)。
このように制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち特定アンテナ素子LC1の周りに配列する周囲アンテナ素子LC2,LC4,LC5も選択してもよい(周辺アンテナ選択手段)。この場合、この特定されたアンテナ素子LC2,LC4,LC5,LC6は、両者の間BSに生じる磁界B1,B2が互いに打ち消しあい、あたかも1つの大きなアンテナとして等価的に用いることができるようになる。
ここで制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち指定された組み合わせの特定のアンテナ素子を同相で作動させてもよい(同相作動手段)。具体的には、制御回路110は、アンテナ素子LC1,LC2,LC4,LC5の配置範囲にほぼ等しい大きさのタグ回路素子Toに対して、これらLC1,LC2,LC4,LC5を同相で作動(通電)させてもよい。
このように本実施形態では、制御回路110は、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて受信した応答信号に応じて、無線タグ回路素子Toのループアンテナ152が形状を特定している(形状特定手段)。なお、ここでいう「形状」とは、ループアンテナ152が1つのアンテナ素子よりも大きいか否かを判別したり、いくつかのアンテナ素子の組み合わせによってカバーできる大きさであるかなどの大きさを判別することにより、ループアンテナ152の大きさや形状を特定することを含んでいる。
従って本実施形態では、制御回路110が、ループアンテナ152が1つのアンテナ素子LC6などよりも大きい場合、このループアンテナ152の大きさに応じて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちからアンテナ素子の組み合わせを選択してもよい(アンテナ選択手段)。
このようにすると、ループアンテナ152が1つのアンテナ素子LC6などよりも大きい場合でも、アンテナ素子の組み合わせLC3,LC6によって等価的に大きなアンテナとして、確実に無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)のループアンテナ152との間で情報の送受信を行うことができる。
図34は、上述したステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。また本フローチャートでは、応答信号に基づく判定(例えば判定結果が「○」以上により特定されたアンテナ素子LC6或いはアンテナ素子6などの組み合わせを使って無線タグ回路素子Toとの間で第2作動条件としてのデューティ比を100%(9/9)として、情報の書込みを行うものとする(第2作動)。なお、本実施形態では、この他にも、消費電力を抑制するため、判定により特定した任意の1個のアンテナ素子を使用したり、タイムシェアリングにより各アンテナ素子を順次作動させるようにしても良い。
図34に示すフローのまずステップS405において、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」信号として、所定の変調を行った搬送波を、判定が「○」以上のアンテナ素子(以下「アンテナ素子LC6」を例示する)を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
次に、ステップS410において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナ素子LC6を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後、ステップS415において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ素子LC6を介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、さらにステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、送信回路306に制御信号を出力し、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナ素子LC6を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS445において、送信回路306に制御信号を出力し「Verify」信号として所定の変調を行った搬送波をアンテナ素子LC6を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS450において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナ305を介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS455の判定が満たされた場合、ステップS470に移り、送信回路306に制御信号を出力し、「Lock」コマンドとして所定の変調を行った搬送波をアンテナ素子LC6を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。このようにして制御回路110は、送信回路306及び受信回路307(情報送受信手段)を制御し、特定のアンテナ素子LC5を用いて、タグラベルT(タグ媒体)のIC回路部151に対して所望の情報を書き込むことができる(情報書込手段)。以上のように制御回路110は、送信回路306及び受信回路307(情報送受信手段)を制御し、特定されたアンテナ素子LC6を用いて第2の送信出力で出力すべく作動させている(第2作動)。
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
なお、本フローにおいて上記「Erase」「Verify」「Program」信号等をアンテナLC5から出力する際には、上記ステップS300のスキャン処理の場合よりも送信出力を小さくするようにしてもよい。
また、ここでは、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られない。すなわち、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。なお、IC回路部151への書き込みに失敗した場合には、この特定アンテナ素子LC6に隣接するアンテナ素子LC3,LC5,LC9のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを用いて再度書き込みを行うようにしてもよい。
図35は、上述したステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS605で、PC118からの操作信号に基づき印刷データや前・後ハーフカット位置、フルカット位置の設定等を行なう準備処理を実行する。
その後のステップS605〜ステップS645は、前述の図17のステップS115〜ステップS145と同様であるので説明を省略する。
ステップS647では、前述の図18のステップS250と同様にして、印字済タグラベル用テープ109が印刷終了位置(上記ステップS605で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS650に移る。
ステップS650では、前述の図18のステップS260と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
次のステップS653では、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット(図示せず)のハーフカッタ(図示せず)によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う。
その後、ステップS655〜ステップS670は、前述の図17のステップS155〜ステップS170と同様であるので説明を省略する。以上により本フローを終了する。
以上のように本実施形態では、制御回路110が、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を切り換えて無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)に所定信号を送信し、この所定信号に対する複数のアンテナ素子LC1〜LC9の応答信号に応じて複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を選択している(アンテナ選択手段)。そして制御回路110は、必要に応じて送信回路306及び受信回路307のいずれかを制御し、このように選択された特定のアンテナ素子を用いて、ループアンテナ152との間で情報の送受信を行う(情報送受信手段)。
本実施形態によれば、制御回路110(アンテナ選択手段)が、タグ媒体の搬送方向の略垂直方向におけるタグ側アンテナとの応答特性に応じて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を選択する。そして制御回路110は、送信回路306及び受信回路307(情報送受信手段)に、この選択した特定のアンテナ素子を用いてタグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行わせる。このため送信回路306及び受信回路307は、それぞれ好適な特定のアンテナ素子を用いて、確実に無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)との間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、制御回路110(アンテナ選択手段)は、第1作動させたアンテナ素子を用いて受信した前記応答信号の信号強度に基づいて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を特定している(アンテナ特定手段)。
このようにすると、制御回路110が、第1作動させたアンテナ素子を用いて受信した応答信号の信号強度に基づいて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9から特定のアンテナ素子を選択する。そして制御回路110は、送信回路306及び受信回路307によって、この選択した特定のアンテナ素子を用いてループアンテナ152との間で情報の送受信を行う。このため制御回路110は、送信回路306及び受信回路307によって、好適な特定のアンテナ素子を用いて、確実に無線タグ回路素子Toとの間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、第1作動によって送信される問い合わせ信号の第1の送信出力と、第1作動によって送受信される情報(無線タグ回路素子Toに書き込みなどされる情報)の第2の送信出力との信号強度を制御している(出力制御手段)。
このような構成によれば、第1の送信出力を大電力とした場合には通信可能エリアを大きくすることができるため、書き込み位置に搬送される前に、確実に、最適なアンテナ素子(上特定のアンテナ素子に相当)を特定することができる。一方、第1の送信出力を小電力とした場合には、最適なアンテナ素子の特定のために用いる電力消費を抑制することができる。
また本実施形態では、制御回路110が、送信回路306及び受信回路307(情報送受信手段)を制御し、特定されたアンテナ素子を用いてタグラベル用テープ109(タグ媒体)のIC回路部151に対して所望の情報を書き込んでいる(情報書込手段)。
このような構成とすると、制御回路110(情報書込手段)は、所定の応答特性を示す特定のアンテナ素子を用いることでIC回路部151に対して確実に情報を書き込むことができる。
また本実施形態では、制御回路110が、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて受信した応答信号に応じて、無線タグ回路素子Toのループアンテナ152の形状を特定している(形状特定手段)。
このような構成とすると、制御回路110が、特定したループアンテナ152の形状に応じて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9から好適な特定のアンテナ素子を選択する。そして制御回路110は、送信回路306及び受信回路307によって、この選択した特定のアンテナ素子を用いて、確実に無線タグ回路素子Toとの間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、制御回路110が、制御回路110によってループアンテナ152が1つのアンテナ素子LC6などよりも大きいと判断された場合、このループアンテナ152の大きさに応じて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちからアンテナ素子の組み合わせを選択してもよい(アンテナ選択手段)。
このような構成によれば、タグ側アンテナ152が1つのアンテナ素子よりも大きい場合でも、アンテナ素子の組み合わせによって等価的に大きなアンテナとして、確実に無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)のタグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、制御回路110が、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうち特定アンテナ素子LC6の周りに配列する周囲アンテナ素子LC5も選択してもよい(周辺アンテナ選択手段)。
このような構成によれば、制御回路110(周辺アンテナ選択手段)が、その特定のアンテナ素子のみならず、その特定アンテナ素子の周りに配置する周囲アンテナ素子をも作動させるため、これらアンテナ素子によって等価的に無線タグ回路素子Toのサイズに適合させたサイズのアンテナとして、確実に無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、複数のアンテナ素子LC1〜LC9は、ラベル用テープ109の搬送方向であって、かつ、このラベル用テープ109の平面に沿った方向にも配列している場合、制御回路110は、指定した特定アンテナ素子LC6に対してラベル用テープ109の搬送方向において同列に配列するアンテナ素子LC5をも指定しても良い(同列アンテナ指定手段)。
このような構成によれば、制御回路110(同列アンテナ指定手段)が、ラベル用テープ109など(タグ媒体)の搬送方向であって、かつ、このラベル用テープ109の平面に沿った方向において同列に配列するアンテナ素子を指定するため、搬送される無線タグ回路素子To(タグ素子)サイズに応じて、確実に無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ152との間で情報の送受信を行うことができる。
また本実施形態では、制御回路110が、筐体200外に位置する無線タグ回路素子To(情報取得用無線タグ回路素子)から、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて所望の情報を読み取っている(情報読取手段)。
このような構成とすると、アンテナLC(装置側アンテナ)が複数のアンテナ素子LC1〜LC9を有しているため、無線タグ回路素子To(情報取得用無線タグ回路素子)から情報を読み取る際に次のような利点がある。すなわち、この無線タグ回路素子To(情報取得用無線タグ回路素子)が、情報の読み取りにあたりアンテナLC(装置側アンテナ)のどの位置に置かれても、これら複数のアンテナ素子LC1〜LC9のいずれかが無線タグ回路素子To(情報取得用無線タグ回路素子)から情報を読み取ることができる。
また本実施形態においては、装置本体2に対して開閉可能であって、閉じた際に前記タグラベル作成装置本体に対向する面に、アンテナLCとして複数のアンテナ素子LC1〜LC9が配列している側壁200A(アンテナ支持体)を有する。
このような構成によれば、その装置本体2に対向する側壁200Aの面に複数のアンテナ素子LC1〜LC9が配列しており、この側壁200Aを開けば複数のアンテナ素子LC1〜LC9が露出するため、筐体200外の情報取得用無線タグ回路素子を接近させて通信させることができる。。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
上記実施形態における図8(A)〜図8(D)の説明では、同じテープ幅(搬送方向に垂直な方向)の基材テープ101に対し、無線タグ回路素子Toの位置が各々異なって配置されている例を説明しているが、本実施形態は、このような場合に限られない。すなわち本実施形態は、各基材テープ101のテープ幅が異なる場合(例えば狭いテープ幅の基材テープ101)における各基材テープ101のテープ経路に応じて、各基材テープ101上の無線タグ回路素子Toが、その高さ方向(テープ幅の方向)における位置が様々に異なる場合にも適用することができる。
具体的には、基材テープ101のテープ幅が、例えばアンテナ素子LC1,LC4,LC7のいずれかのほぼ1個分の場合であって、その基材テープ101のテープ幅に渡り、無線タグ回路素子To(のループアンテナ152)が配置している場合には、アンテナ素子LC1,LC4,LC7のいずれか1個を特定することができる。また基材テープ101のテープ幅が、例えばアンテナ素子LC1,LC4又はアンテナ素子LC4,LC7のいずれかのほぼ2個分の場合であって、その基材テープ101のテープ幅方向で一方に偏って、無線タグ回路素子To(のループアンテナ152)が配置している場合には、各々、各アンテナ素子LC1或いはアンテナ素子LC4又は、アンテナ素子LC4或いはアンテナ素子LC7の1個を特定するようにしてもよい。
上記実施形態では、一例として複数のアンテナ素子LC1〜LC9という9個のアンテナを用いて説明したが、アンテナの個数はこれに限られず、所望の個数として用いることができる。例えば12個のアンテナ素子を用いた場合には、より大きな無線タグ回路素子Toのループアンテナ152に対応することもできる。
上記実施形態では、タグラベル作成装置1がタグラベル作成モードを有するのみならずスキャンモードも有する形態を例示しているが、これに限られず、タグラベル作成モードのみを有する形態であってもよい。
また上記実施形態においては、複数のアンテナ素子LC1〜LC9が設けられている側壁200Aがタグラベル作成装置1の装置本体2に回動可能に設けられているが、これに限られず、複数のアンテナ素子LC1〜LC9を有する側壁200Aが装置本体2から取り外せる形態であってもよい。
また上記実施形態では、側壁200Aに、9個のアンテナ素子LC1〜LC9を備える形態を例示しているが、これに限られず、帯状の基材テープ101の幅方向(搬送方向の略垂直方向)に複数配列するアンテナ素子を備える形態であってもよい。
また上記実施形態では、タグラベル作成モードにおいて、複数のアンテナ素子LC1〜LC9のうちから好適な特定のアンテナ素子を選択して用いているが、これに限られず、スキャンモードにおいて特定のアンテナ素子を選択して用いる形態を採用しても良い。
また上記実施形態では、スキャン処理において送信回路306が問合せ信号を同時に9個のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて出力しているが、これに限られず、これら9個のアンテナ素子LC1〜LC9を1個ずつ順番にスキャンするようにしてもよい。このようにすると、送信回路306が同時に9個のアンテナ素子LC1〜LC9を用いて出力させる場合に比べて消費電力を小さくすることができる。
また、上記実施形態においては、移動中の基材テープ101に対して無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行う例を示したが、これに限られず、基材テープ101或いはタグラベル用テープ109を所定位置で停止又は減速させて(さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ110をカッタ15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ15で切断しなくても、テープが排出口16から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、タグテープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ100内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置2側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置2側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置2外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置2内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ100のようなタグラベル作成装置2本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号、「Ping」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 タグラベル作成装置
2 装置本体
6 カートリッジホルダ(収納体設置用ホルダ)
7 カートリッジ(無線タグ回路素子収納体)
86 切替回路(切替接続手段)
101 基材テープ(タグ媒体)
109 印字済みタグラベル用テープ(タグ媒体)
110 制御回路(アンテナ選択手段、情報送受信手段、アンテナ特定手段、応答信号受信手段、アンテナ特定手段、情報書込手段、情報読取手段)
151 IC回路部
152 ループアンテナ(タグ側アンテナ)
200A 側壁(アンテナ支持体)
306 送信回路(信号送信手段)
307 受信回路(応答信号受信手段)
LC アンテナ(装置側アンテナ)
LC1〜LC9 複数のアンテナ素子
To 無線タグ回路素子(ラベル作成用無線タグ回路素子、情報取得用無線タグ回路素子)
2 装置本体
6 カートリッジホルダ(収納体設置用ホルダ)
7 カートリッジ(無線タグ回路素子収納体)
86 切替回路(切替接続手段)
101 基材テープ(タグ媒体)
109 印字済みタグラベル用テープ(タグ媒体)
110 制御回路(アンテナ選択手段、情報送受信手段、アンテナ特定手段、応答信号受信手段、アンテナ特定手段、情報書込手段、情報読取手段)
151 IC回路部
152 ループアンテナ(タグ側アンテナ)
200A 側壁(アンテナ支持体)
306 送信回路(信号送信手段)
307 受信回路(応答信号受信手段)
LC アンテナ(装置側アンテナ)
LC1〜LC9 複数のアンテナ素子
To 無線タグ回路素子(ラベル作成用無線タグ回路素子、情報取得用無線タグ回路素子)
Claims (10)
- 平面状のタグ媒体を搬送する搬送手段と、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた、前記タグ媒体に備えられるラベル作成用無線タグ回路素子に対し、情報送受信可能であって、前記タグ媒体の搬送方向の略垂直方向であって、かつ、前記タグ媒体の平面に沿った方向に沿って配列する複数のアンテナ素子を含む装置側アンテナと、
前記複数のアンテナ素子を切り換えて前記ラベル作成用無線タグ回路素子に所定信号を送信し、前記所定信号に対する前記複数のアンテナ素子からの応答信号に応じて前記複数のアンテナ素子から特定のアンテナ素子を選択するアンテナ選択手段と、
前記アンテナ選択手段によって選択された前記特定のアンテナ素子を用いて、前記タグ側アンテナとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記アンテナ選択手段は、
前記アンテナ素子を用いて受信した前記応答信号の信号強度に基づいて、前記複数のアンテナ素子から前記特定のアンテナ素子を特定するアンテナ特定手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項2記載のタグラベル作成装置において、
前記アンテナ選択手段によって送信される前記所定信号の第1の送信出力と、前記情報送受信手段によって送受信される情報の第2の送信出力との信号強度を制御する出力制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか記載のタグラベル作成装置において、
前記情報送受信手段を制御し、前記特定されたアンテナ素子を用いて、前記タグ媒体のIC回路部に対して所望の情報を書き込む情報書込手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか記載のタグラベル作成装置において、
前記アンテナ選択手段は、
前記複数のアンテナ素子を用いて受信した前記応答信号に応じて、前記タグ側アンテナの形状を特定する形状特定手段
を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項5のいずれか記載のタグラベル作成装置において、
前記アンテナ選択手段は、前記形状特定手段によって前記タグ側アンテナが前記アンテナ素子よりも大きいと判断された場合、前記タグ側アンテナの大きさに応じて、前記複数のアンテナ素子のうちからアンテナ素子の組み合わせを選択することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項6記載のタグラベル作成装置において、
前記アンテナ選択手段は、
前記複数のアンテナ素子のうち前記特定のアンテナ素子の周りに配列する周囲アンテナ素子も選択する周辺アンテナ選択手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項7記載のタグラベル作成装置において、
前記装置側アンテナは、前記タグ媒体の搬送方向であって、かつ、前記タグ媒体の平面に沿った方向にも前記複数のアンテナ素子が配列しており、
前記アンテナ選択手段は、
指定した前記特定のアンテナ素子に対して前記タグ媒体の搬送方向において同列に配列するアンテナ素子を指定する同列アンテナ指定手段を備えることを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか記載のタグラベル作成装置において、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた、前記タグ媒体に備えられる、前記筐体外に位置する情報取得用無線タグ回路素子から、前記複数のアンテナ素子を用いて所望の情報を読み取る情報読取手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。 - 請求項9記載のタグラベル作成装置において、
前記搬送手段、前記アンテナ選択手段及び前記情報送受信手段を備えるタグラベル作成装置本体と、
前記タグラベル作成装置本体に対して開閉可能であって、閉じた際に前記タグラベル作成装置本体に対向する面に前記複数のアンテナ素子が配列しているアンテナ支持体と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
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