以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図18により説明する。本実施形態は、複数種類のタグテープのマーク共通化を図る実施形態である。
図1は、この第1実施形態のタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118からの操作に基づき、装置内で印字付き無線タグラベルの作成を行うものである。タグラベル作成装置1は、外郭に略六面体(略立方体)形状の筐体200を有する装置本体2と、この装置本体2の上面(上部)に開閉可能に(又は着脱可能としてもよい)設けられた開閉蓋(蓋体)3とを有している。
装置本体2の筐体200は、装置前方側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(後述)を外部に排出するラベル排出口(排出口)11を備えた前壁10と、この前壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された前蓋12とを備えている。
前蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで前蓋12が前方に開放されるようになっている。また、前壁10のうち上記開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済タグラベル用テープ109(後述の図4参照)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている(なお、後述のように切断機構15は基本的には自動切断を行う)。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)7を収納するカートリッジホルダ6と、いわゆるサーマルヘッドである印字ヘッド(印字手段)23を備えた印字機構21と、固定刃40及び可動刃41を備えた切断機構(切断手段)15と、固定刃40及び可動刃41のテープ搬送方向下流側に位置し、ハーフカッタ34を備えたハーフカットユニット35(半切断手段)とが設けられている。
カートリッジ7の上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている基材テープ101(タグテープ)のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。また、カートリッジホルダ6には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、後述の図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及びテープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
印字ヘッド23は多数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられている。
切断機構15は、固定刃40と、金属部材で構成された可動刃41とを備えている。カッターモータ43(後述の図8参照)の駆動力が、カッターハスバギヤ42、ボス50、長孔49を介して可動刃41の柄部46に伝達されて可動刃が回転し、固定刃40とともにカット動作を行う。この切断状態は、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用により切り替わるマイクロスイッチ126により検出される。
ハーフカットユニット35は、受け台38とハーフカッタ34とが対向して配置され、さらにガイド固定部36Aにより第1ガイド部36と第2ガイド部37とが側板44(後述の図4参照)に取り付けられている。ハーフカッタ34は、所定の回動支点(図示せず)を中心として、ハーフカッターモータ129(後述の図8参照)の駆動力によって回動する。受け台38の端部には受け面38Bが形成されている。
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図である。
図4において、上記カートリッジホルダ6は、カートリッジ7のテープ排出部30より排出されさらに上記ラベル排出口11から排出される印字済タグラベル用テープ109の幅方向の向きが、鉛直上下方向となるようにカートリッジ7を収納する。なお後述のように、カートリッジホルダ6には複数種類のカートリッジ7が装着可能となっている。そして、それらのうちいずれの種類のカートリッジ7が装着されたか(=カートリッジ情報)を検出するために、カートリッジホルダ6にはカートリッジセンサCS(=情報取得手段。後述の図8参照)が設けられている。
カートリッジセンサCSとしては、カートリッジ7側に適宜設けた被検出部(例えば凹部形状又は凸部形状等の識別子)を接触式のメカニカルスイッチ等を用いて機械的検出するようにしてもよいし、その他光学的又は磁気的な被検出部を設け、それぞれ光学的又は磁気的に検出を行うようにしてもよい。このカートリッジセンサCSからの信号(被検出部を検出した検出信号)により、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7の上記カートリッジ情報(言い換えれば、基材テープ101内における無線タグ回路素子の配置間隔等のテープ種類情報)を取得することができる(詳細は後述)。なお、被検出部としては、その他、バーコード(カートリッジセンサCSに代えてバーコードセンサにより検出)や、別途の無線タグ回路素子(カートリッジセンサCSに代えて無線タグ情報読み取り装置により検出)を用いることも考えられる。
また、内部ユニット20には、ラベル排出機構22と、ループアンテナLC(通信手段)とが設けられている。
ラベル排出機構22は、切断機構15において切断された後の印字済タグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11(図2参照)より排出するものである。すなわちラベル排出機構22は、テープ排出モータ123(後述の図8参照)の駆動力により回転する駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済タグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、印字済タグラベル用テープ109に設けられた識別マークPM(=被検出マーク。後述の図5参照)を検出するマークセンサ127(マーク検出手段)とを有している。このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済タグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済タグラベル用テープ109(無線タグラベルT)の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
ループアンテナLCは、押圧ローラ52をその径方向中心に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記基材テープ101(貼り合わせ後は印字済タグラベル用テープ109、以下同様)に備えられる無線タグ回路素子Toに対し、無線通信を介しアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとそのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
また、テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)108及びリボン巻取りローラ駆動軸107は、印字済タグラベル用テープ109及びインクリボン105(後述)の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。図5において、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(タグテープロール。実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103(被印字媒体層)が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール211と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27(圧着手段)と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ109としつつ、図5中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b(基材層)、適宜の粘着材からなる粘着層101c(貼り付け用粘着剤層)、剥離紙101d(剥離材層)の順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側ループアンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続され情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
なお、上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した(及び後述の余白領域S1にも対応した)所定の位置(この例では、搬送方向前方側のループアンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク)PMが(この例では印刷により)設けられている。なお識別マークとしては、レーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔したり、トムソン型での加工穴を設ける等でもよい(後述の図11(c)参照)。
なお、本実施形態の特徴として、前述したように互いに異なる基材テープ101を収納した複数種類のカートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着可能であるが、このときいずれのカートリッジ7の基材テープ101についても、上記剥離紙101dの形成態様は同一(共通)となっている(詳細は後述)。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール211及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図8参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。なお、上記印字ヘッド23は、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール211とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図5中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図8参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字R(タグ印字。後述の図10参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30(図4参照)よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済タグラベル用テープ109に対し上記ループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済タグラベル用テープ109が(切断線CLの位置で、後述の図10や図12参照)切断され、無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらに上記ラベル排出機構22によってラベル排出口11(図2、図4参照)から排出されるようになっている。
図6(a)及び図6(b)は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101を図5中矢印D方向から(すなわち剥離紙101d側から)見た状態を表す概念的矢視図である。前述したように本実施形態では複数種類のカートリッジ7が装着可能であり、それぞれにおける基材テープ101の態様(この例では識別マークPMの配置ピッチと無線タグ回路素子Toの配置ピッチとの関係)が異なる。これら図6(a)及び図6(b)は、互いに異なる種類の基材テープ101の例を示したものである。
図7(a)及び図7(b)は、理解の容易のために、上記図6(a)及び図6(b)で示した識別マークPMの配置ピッチと無線タグ回路素子Toの配置ピッチとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図である。
すなわち、図6(a)及び図7(a)の基材テープ101、及び、図6(b)及び図7(b)の基材テープ101のいずれにおいても、識別マークPMの配置ピッチは固定値Ppである。そして、この例では、無線タグ回路素子Toの配置ピッチPt(固定値)は、Pt=n×Pp(n:1以上の整数)の関係となっている。
そして、図6(a)及び図7(a)の基材テープ101はn=1の例であり、Pt=Pp、すなわち隣接する識別マークPM,PM間に1つの無線タグ回路素子Toが必ず配置されている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである(後述の図10(a)及び図10(b)参照)。
一方、図6(b)及び図7(b)の基材テープ101はn=2の例であり、Pt=2Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの2倍のピッチで配列されている。この結果、図7(b)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の2倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく2倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである(後述の図10(a)及び図10(b)、図12(a)及び図12(b)参照)。
このようにして、本実施形態では、nの値に応じて複数の相関となる複数種類の基材テープ101を用いることができ、この例ではn=1とn=2の場合を例示しているものである。なお、各識別マークPMのそれぞれは、本実施形態では単一の態様に共通化されたマークで構成されている(=1本の固定幅のマーク。後述する第2実施形態のように1本マークと2本マークとが混在しない)。
そして、前述のようにカートリッジ7には(カートリッジセンサCSで検出可能な)被検出部が設けられており、この検出によってカートリッジ7の種類がいずれであるかが判別される。このことは、すなわち上記相関がどのようなものであるか(この例ではnの値が1以上のいくつであるか)の相関情報を表すこととなるから、上記被検出部は、無線タグ回路素子Toの配列規則性(この例では配置ピッチPt)の、上記識別マークPMのピッチPpに対する関係がいずれの相関であるかを表す相関情報を記録した相関記録部として機能することとなる。
図8は、第1実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図8において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
ROM116には、上記PC118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、印字終了した場合に印字済タグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済タグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済タグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、無線タグ回路素子Toに対する問いかけ信号や書き込み信号などのアクセス情報を生成して送信回路306に出力する送信プログラム、受信回路307から入力された応答信号などを処理する受信プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データや、情報読み取り(取得)が行われた無線タグ回路素子To(前述)のタグ識別情報(タグID)等が記憶される。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッターモータ129を駆動するためのハーフカッターモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ために、搬送波を発生させるとともに入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調した質問波(送信信号)を出力する送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い出力する受信回路307と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127とが接続されている。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行って上記質問波を出力するとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
図9は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図9において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1のループアンテナLCと電磁誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの返信信号に基づき、ループアンテナ152で受信した質問波を変調し、ループアンテナ152より応答波として再送信する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
図10(a)及び図10(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了して形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図である。この例では、上記図6(a)及び図7(a)で示した基材テープ101を用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpに略等しい長さの無線タグラベルTを表しており、図10(a)はその上面図、図10(b)は下面図である。また図11(a)は図10中XIA−XIA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図11(b)は図10(a)中XIB−XIB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図10(a)、図10(b)、図11(a)、及び図11(b)において、無線タグラベルTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図11中上側)よりその反対側(図11中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが、ベースフィルム101bと粘着層101cとの接着面内にそれぞれ備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では「ABCDEF」の文字)が印刷されている。また、無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toのメモリ部157には、固有の識別情報であるタグID(アクセスID)が記憶されている。
また、無線タグラベルTにおいて、剥離紙101d以外の層、すなわちカバーフィルム103と粘着層101aとベースフィルム101bと粘着層101cに、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位)が形成されている。すなわち、無線タグラベルTは、カバーフィルム103のラベル印字Rが印刷される印字領域Sに対応する部分である無線タグラベル本体Taと、上記ラベル印字Rが印刷されない余白領域S1に対応する部分である余白部分Tbとから構成され(図10(a)参照)、それら無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとが上記ハーフカット線HCにおいて剥離紙101dを介し連結された構成となっている。なお、前述の識別マークPMは上記余白部分Tbに設けられている。
また、上記では無線タグラベル本体Taのラベル長手方向一方側にのみハーフカット線HCを形成した場合を例にとって説明したが、これに限られず、他方側にもハーフカッタ34でハーフカット線HCを設け、これを介し上記余白部分Tbと同様の部分を設けるようにしてもよい。この場合の他方側のハーフカット線HCの位置は(例えば印字文字数の大小等に応じ)可変としてもよい。但しこの場合、無線タグ回路素子Toの通信機能を阻害しないように、ハーフカット線HCの位置を、少なくとも無線タグ回路素子Toの搬送方向後端部(すなわちアンテナ152の後端部)よりも搬送方向後端側とすることが望ましい。
なお既に述べたように識別マークPMとして図11(a)及び図11(b)に示すような黒塗りのマーキングを設けるのに代え、図11(c)に示すように、識別マークPMとして、レーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を孔設する等でもよい。
図12(a)及び図12(b)は、タグラベル作成装置1により作成された無線タグラベルTの外観の他の例を表す図である。この例では、上記図6(b)及び図7(b)に示した基材テープ101を用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpの略2倍の長さの無線タグラベルTを表しており、図12(a)はその上面図、図12(b)は下面図である。
これら図12(a)及び図12(b)に示す無線タグラベルTも、上記同様、カバーフィルム103が加わった5層構造となっている(横断面構造は図11(a)及び図11(b)と同様であるので図示省略する)。カバーフィルム103の裏面の印字領域S(印字可能最大長さ)は、この場合は上記図10(a)に示した構造の約2倍(例えば2倍よりやや大きい)となっており、無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では「ABCDEFGHIJKLMN」の文字)が印刷されている。
その他、無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとから構成されてそれらが上記ハーフカット線HCにおいて連結されている等については、上記と同様であるので説明を省略する。
なお、この例では、図12(a)に示すように、印字文字数が多かった結果操作者により図6(b)及び図7(b)に示した基材テープ101が使用され、図10(a)に比べて約2倍の長さの無線タグラベルTが作成された場合を例示した。しかしながらこのような印字文字数の多さだけに限られず、他の理由(その他の印字態様の変化、操作者の好み、ラベル使用用途等)の場合も考えられる。図12(c)に、そのような一例として、文字数は同じだったが各印字文字の大きさを大きくするために操作者により図6(b)及び図7(b)に示した基材テープ101が使用され、図10(a)に比べて約2倍の長さの無線タグラベルTが作成された場合を示す。
以上説明したように、本実施形態の特徴は、無線タグ回路素子Toの配置ピッチが異なる複数種類の基材テープ101を用いて複数種類の無線タグラベルTを作成できることである。そしてその際には、前述したようにカートリッジ7に設けた被検出部をカートリッジセンサCSで検出することで基材テープ101の種類を特定し、これに応じてテープ搬送制御や位置決め、さらにはこれらと関連づけた印字制御、通信制御、切断制御等を実行する。図13は、このような制御を行うために上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図13において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まずステップS1において、カートリッジセンサCSの検出信号に基づき、対応する基材テープ101のテープ種類情報(前述の例では図6(a)及び図7(a)に示す通常長さラベル作成用のものであるか、図6(b)及び図7(b)に示す2倍長ラベル作成用のものであるか等。言い換えればラベル長さ情報)を取得する。例えば、制御回路110内の適宜の箇所(例えばRAM117やその他のメモリ等)に、被検出部の識別子とこれに対応するカートリッジ種類(又はテープ種類)とを関連づけたテーブルの形で記憶しておき、これに基づいて上記基材テープ101のテープ種類情報を取得するようにしてもよい。
その後、ステップS2に移って準備処理を実行する。すなわち、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力し、この操作信号に基づき、印刷データ、タグ書き込みデータ、ハーフカット位置(ハーフカット線HCの位置)、フルカット位置(切断線CLの位置)、及び印刷終了位置等の設定を行なう。このとき、ハーフカット位置及びフルカット位置は、上記カートリッジ情報に基づき各カートリッジの種類ごと(言い換えれば基材テープ101の種類ごと)に一意的に固定して決定される。なお、ハーフカット位置は無線タグ回路素子Toの位置と重ならないように設定される。
次に、ステップS3において、初期化設定を行う。ここでは、アンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントするための変数M,Nや、所定リトライ回数だけ通信再試行しても通信不能であった場合を表す通信エラーフラグFを0に初期化設定する。
その後、ステップS4に移り、テープ搬送を開始する。ここでは、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
その後、ステップS6において、印字済タグラベル用テープ109に設けられた上記識別マークPMがマークセンサ127により検出され、当該マークセンサ127より入出力インターフェース113を介し検出信号が入力されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別マークPMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS7に移る。
ステップS7では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域Sに、ステップS2で取得した無線タグラベルTに対する印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS8において、印字済タグラベル用テープ109が先のステップS1で設定した、無線タグラベルTの無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとの境界のハーフカット位置(ハーフカッタ34がハーフカット線HCの位置に正対するような搬送方向位置)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS6において識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。ハーフカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS9に移る。
ステップS9では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS2で設定した対応する無線タグラベルTのハーフカット線HCの位置にハーフカットユニット35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済タグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS10で、入出力インターフェース113を介しハーフカッターモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッターモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断してハーフカット線HCを形成するハーフカット処理を行う。
そして、ステップS11に移り、上記ステップS4と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS7と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS12において、搬送される印字済タグラベル用テープ109が所定値(例えば、無線タグ回路素子Toが上記アンテナLCへ略対向する位置に到達するだけの搬送距離。但し後述のタグ非存在区間の場合は除く)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、上記ステップS8と同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。
次のステップS100では、ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(例えば、少なくとも図6(a)や図7(a)の構成の基材テープ101において、対応する無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToがアンテナLCとほぼ正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して、無線タグ回路素子Toに対する情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、対応する無線タグラベルTの形成を行う(詳細は後述の図14参照)。
以上のようにしてステップS100が終了したら、ステップS13に移り、上記ステップS100のラベル作成処理で上記フラグF=1となっているか(通信エラーが生じたか)どうかを判定する。通信エラーが生じていなければF=0のままであるから判定が満たされず、ステップS14に移る。
ステップS14では、印字済タグラベル用テープ109が先のステップS2で設定した、無線タグラベルTの末端部のフルカット位置(切断機構15の可動刃41が無線タグラベルT末端のフルカット線CLの位置に正対するような搬送方向位置)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、上記同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS16に移る。
一方、上記ステップS13において、ステップS100のラベル作成処理において通信エラーが発生していた場合、フラグF=1となっていることから判定が満たされない。このような通信エラーは例えば以下のような場合に起こりうる。すなわち、例えばカートリッジホルダ6に、図6(a)や図7(a)のように隣接識別マークPM,PM間の区間のすべてに無線タグ回路素子Toが存在する(正確には、一方の識別マークPMがセンサ127によって検出された搬送タイミング(=搬送方向位置。すなわちテープ101,109がある搬送状態にある時期)から他方の識別マークPMがセンサ127によって検出された搬送タイミング(=搬送方向位置)との時間に、常に対応する無線タグ回路素子ToがアンテナLCに略対向する通信可能位置にある。本明細書中において「搬送方向位置」「区間」等の定義はすべて同様であるとする)のではなく、図6(b)や図7(b)のように1つおきに無線タグ回路素子Toが配置された基材テープ101が配置されたカートリッジ7が装着されたとする(このことは、前述したカートリッジセンサCSの検出信号に基づき、ステップS1で取得されたテープ種類情報によって識別される)。ここで、上述したように、ステップS100におけるラベル作成処理(無線タグ回路素子Toとの通信(試行)を含む。後述参照)は、ステップS6における識別マークPMの検出タイミングを契機として、これを基準にステップS8における判定及びステップS12における判定が満たされた搬送タイミングで実施される。このとき、ステップS6の識別マークPMの検出は、その搬送方向直後に無線タグ回路素子Toが位置する識別マークPM(図7(b)中(1)で示すもの)であるか、搬送方向しばらく無線タグ回路素子Toの空白領域が続く識別マークPM(図7(b)中(2)であるか)がこの段階では不明である。
そこでとりあえず(1)の識別マークPMであるとみなして通信を行うことで、所定回数の再試行の間で通信可能であったら(1)の識別マークPMであり、通信不能であったら(2)の識別マークPMであることがわかる。すなわち、通信エラー発生時(F=0の場合)は、ステップS6で検出した識別マークPMが(2)のマークであったこと(以下適宜、「タグ非存在区間の場合」という)がわかるのである(=タグ判定手段)。ステップS100のラベル作成処理において通信エラーが発生しフラグF=1となっていた場合、上記ステップS13の判定が満たされなくなり、ステップS6で検出したものが識別マークPMが(2)のマークであった(タグ非存在区間であった)とみなして、ステップS15へ移る。
ステップS15では、上記ステップS14とは異なる余白排出用フルカット位置へ到達したかどうかを判定する。すなわち上記ステップS14では、通信が正常に終了した無線タグ回路素子Toを備えた印字済タグラベルテープ109の後端側を切断して無線タグラベルT作成を完了するための、フルカット位置到達判定であった(ステップS1で取得したテープ種類情報で図6(a)や図7(a)のように隣接識別マークPM,PM間の区間のすべてに無線タグ回路素子Toが存在する基材テープ101であることが識別され、ステップS2での準備処理で対応する通常の切断線CLの位置設定がなされる)。これに対し、このステップS15では、図6(b)及び図7(b)の基材テープ101を用いて2倍長の無線タグラベルTが作成されるときは常にその搬送方向先端側に無線タグ回路素子Toが配置される(図12(a)及び図12(c)参照)ことを前提に、図7(b)の(2)で示す識別マークPMをステップS6で検出した場合は、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域(センサ127が(2)の識別マークPMを検出した後、(1)の識別マークPMを検出するまでの搬送領域)を余白(余剰分)として排出するためのフルカット位置への到達判定である(ステップS1で取得したテープ種類情報で図6(b)や図7(b)のような基材テープ101であることが識別され、その後ステップS2での準備処理での切断線CLの位置設定に対応して、余白として切断排出すべき部分の長さの決定とフルカット位置の設定がなされる)。このときの判定も、上記同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。余白排出用フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS16に移る。
ステップS16では、上記ステップS9と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、上記タグ非存在区間の場合には上記余白排出用フルカット位置に相当する切断線CLに、それ以外の場合にはステップS2で設定した切断線CLに、切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済タグラベル用テープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS17でカッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済タグラベル用テープ109の先端側が残りの部分から切り離される。この結果、タグ非存在区間であった場合には当該切り離された部分が上記余白部分となり、それ以外の場合には当該切り離された部分が無線タグラベルTとなる。
その後、ステップS18に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が開始されて上記ステップS17で生成された無線タグラベルT又は上記余白部分がラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出される。
その後、ステップS19に移り、上記フラグF=1であるかどうかを判定する。F=0である場合(すなわちステップS13の判定が満たされずステップS14を経た場合)は上記のように無線タグラベルTが完成しているため、そのままフローを終了する。F=1である場合(タグ非存在区間であった場合)は上記のようにまだ無線タグラベルTは作成されておらず余白部分を排出しただけに過ぎないため、ステップS20へ移る。
ステップS20では、新たにこの搬送位置より改めて無線タグラベルTの作成を開始するため、上記ステップS8やステップS21における搬送方向距離の判定となる基準値(例えば上記パルスモータのカウント値)を初期化(リセット)し、ステップS3へ戻って同様の手順を繰り返す。これにより、図6(b)及び図7(b)の基材テープ101を用いて2倍長の無線タグラベルTが作成されるときに、作成開始直後にタグ非存在区間であった場合でも、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域を余白として排出する。これにより、その搬送方向先端側に無線タグ回路素子Toを配置した、図12(a)又は図12(b)に示すような2倍長の無線タグラベルを確実に作成することができる。
図14は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。図14に示すフローにおいて、まずステップS101で、印字済タグラベル用テープ109が前述したアンテナLCとの通信位置(タグ非存在区間であった場合には正確には通信試行位置。以下同様)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述した図13のステップS8等と同様、例えば、基材テープ101の識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS102に移る。
ステップS102では、上記ステップS9と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにアンテナLCが略正対した状態(但しタグ非存在区間であった場合を除く)で印字済タグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
その後、ステップS200に移り、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図13の上記ステップS2で作成した情報を書き込む(又はIC回路部151に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図24参照)。
その後、ステップS103に移り、上記通信エラーの発生有無を表すフラグF=1であるかどうかを判定する。上記ステップS200で情報送受信が正しく完了し通信エラーが生じていない場合(=タグ非存在区間ではなかった場合)にはF=0であるため判定が満たされず、ステップS104へ移る。
ステップS104では、図13のステップS11と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS105に移り、印字済タグラベル用テープ109が印刷終了位置(上記図13のステップS2で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、例えば、上記ステップS6の基材テープ101の識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法により検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS106に移る。
ステップS106では、上記図13のステップS9と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。以上によりこのルーチンを終了する。
一方、ステップS103において、上記ステップS200で情報送受信が正しく完了せず通信エラーが生じた場合(=タグ非存在区間であった場合)にはF=1であるため判定が満たされ、ステップS107へ移る。
ステップS107では、図13のステップS4と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開し、このルーチンを終了する。
図15は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。
図15に示すフローにおいて、まずステップS205で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toの記憶されたID情報を取得するための問合せ信号(この例ではタグID読取コマンド信号)として、所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
その後、ステップS215において、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS220において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS225に移ってMに1を加え、さらにステップS230においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS205に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS235に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、さらにステップS236で前述のフラグFを通信エラー発生に対応するF=1として、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS220の判定が満たされた場合、ステップS240に移り、送信回路306に制御信号を出力し、ステップS215にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグに所望のデータをメモリ部157に書き込む信号(この例ではWriteコマンド信号)として、所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS245において、送信回路306に制御信号を出力しステップS215にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグのメモリ部157に記録されたデータを読み出す信号(この例ではRead コマンド信号)として所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS250において、上記Readコマンド信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS255において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS260に移ってNに1を加え、さらにステップS265においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS240に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS235に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS255の判定が満たされた場合、ステップS270に移り、送信回路306に制御信号を出力し、ステップS215にて読み取ったタグIDを指定して該当するタグのメモリ部157に記録されたデータの上書きを禁止する信号(この例ではロックコマンド信号)として所定の変調を行った質問波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
その後、ステップS280に移り、上記ステップS240で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力し、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させる。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
なお、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られず、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合がある。
この場合には、図13におけるステップS2の準備処理においてタグ書き込みデータの設定は不要となり、図14のステップS200の情報送受信処理では無線タグ情報の読み込みを行うようにすればよい。このときステップS280では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせをサーバに保存すればよい。
以上において、既に述べたように、制御回路110が実行する図13のステップS13が、各請求項記載の、タグラベル作成開始時に、マーク検出手段による被検出マークの検出結果に基づき、タグテープの隣接する2つの被検出マークの搬送区間に相当する第1区間において、通信手段の略対向位置に無線タグ回路素子が存在するかどうかを判定するタグ判定手段を構成する。
また、図13〜図15に示す全ステップのうち、上記ステップS13を除くすべての手順が、マーク検出手段による被検出マークの検出結果と、情報取得手段で取得した相関情報とに応じて、搬送手段、通信手段、印字手段、及び切断手段を連携して制御する連携制御手段を構成する。なおこのとき、ステップS14(なおこの場合はステップS2の準備処理における設定で切断線CLが決定されている)やステップS15において、切断機構15の可動刃41に対して印字済タグラベル用テープ109の位置決め(フルカット位置に到達したかを判定)を行う際、印字済タグラベル用テープ109に含まれる無線タグ回路素子Toを可動刃41で切断しないように(無線タグ回路素子Toの搬送方向後端部が可動刃41の対向位置よりも搬送方向下流側に通り過ぎているように)制御されており、このことが、タグラベルの作成時に、無線タグ回路素子を切断しないように設定された切断禁止領域以外の切断部位において切断手段がタグテープを切断するように、搬送手段及び切断手段を連携して制御することに相当している。このとき詳細には、その切断線CLは、上記のように、対応する無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向後方側(上流側)であって、かつ、これに後続する識別マークPMのテープ搬送方向前方側(下流側)に位置している。また、このような制御の結果、作成された無線タグラベルTの搬送方向長さは、その最小値が少なくとも識別マークPMどうしの配置ピッチPpと等しくなるように(ラベル長さ≧Ppとなるように)設定される。
以上のように構成した本実施形態のタグラベル作成装置1においては、カバーフィルム103に対し印字ヘッド23で所定のラベル印字Rが行われる。そして、このカバーフィルム103と、第1ロール102より繰り出された基材テープ101とがテープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成される。この印字済ラベルテープ109に備えられる無線タグ回路素子Toに対し、アンテナLCから非接触で情報の送受信が行われ、情報の読み取り又は書き込みが実行され、切断機構15でこの印字済ラベルテープ109が所定長さに切断されて無線タグラベルTが作成される。またこのとき、センサ127が基材テープ101(印字済タグラベル用テープ109)に備えられる識別マークPMを検出し、これに基づき所定位置への搬送・位置決め制御及びこれを用いた印刷、通信、切断制御が円滑に実行される。
ここで、本実施形態のタグラベル作成装置1のカートリッジホルダ6には複数種類のカートリッジ7が装着可能である。しかしながら各種類のカートリッジ7における基材テープ101への識別マークPMの配置ピッチPpは同一(共通)であるが、無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtは異なる。そこで本実施形態では、各カートリッジ7ごとの識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチptとの相関情報を、カートリッジ7の被検出部に記録しておく。そして、ステップS1において、カートリッジセンサCSによる上記被検出部の検出結果(上記相関情報を含む)が取得される。これにより、センサ127で識別マークPMを検出したとき、上記相関情報を用いて現在装着されたカートリッジ7の基材テープ101(印字済タグラベル用テープ109)の無線タグ回路素子Toの配列やその規則性を認識し、対応する所定位置への搬送・位置決め制御やこれを用いた印刷、通信、切断制御を円滑に実行することができる(ステップS1のテープ種類情報取得に基づくステップS14及びステップS15のフルカット位置到達判定等)。
以上のようにして、カートリッジ7の被検出部から取得した相関情報を用いて識別マークPMに基づく搬送・位置決め制御等を行う方式とすることにより、無線タグ回路素子Toの配列規則性が異なる複数種類のカートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して用いる場合であっても、上述のように、それらカートリッジ7に備えられる基材テープ101の識別マークPMの配置ピッチPpをすべて共通とすることができる。この結果、基材テープ101への識別マークPMを形成するための設備は、単一の上記配置ピッチPpでのみ識別マークPMを形成する機能を備えていれば足りる。この例では特に識別マークPMを印刷により剥離紙101dに形成するようにしているため、単一の上記配置ピッチPpでのみ識別マークPpを印刷する機能を備えていれば足り、印刷のための型・版等を複数個用意する必要がなくなる。したがって、設備の構造や制御を簡素化することができ、基材テープ101の製造コストを低減することができると共に、印刷されたタグテープの在庫数量低減や廃却による無駄を少なくすることができる。
また本実施形態では特に、各識別マークPMの態様自体もすべて単一に共通化している(この例では1本の黒帯状)。これにより、基材テープ101への識別マークPMを形成するための設備をさらに簡素化することができる。
また本実施形態では、図6(b)や図7(b)に示すような基材テープ101(無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtが識別マークPMの配置ピッチPpより大きい)を用いることができる。この場合、前回ラベル作成終了後に基材テープ101(印字済タグラベル用テープ109)が上記タグ非存在区間で停止している(アンテナLCの略対向位置に当面無線タグ回路素子Toが到達しない)状態となっていたとすると、今回タグラベル作成を開始するときにこのタグ非存在区間から搬送が開始されることとなる。
本実施形態では、これに対応して、ステップS13において、上記タグ非存在区間であるかどうかを判定する(この例ではアンテナLCからの問いかけに対する応答の有無で判定)。これにより、上記のようにしてタグ非存在区間から搬送が開始された場合であっても、前述のようにステップS13の判定が満たされることでステップS15に移行し、対応した印字、通信、切断制御等を行う(この例では余白部分の排出後、改めてタグラベル作成を行う制御)ことができる。
そして、本実施形態では、上記判定でタグ非存在区間であった場合は対応する余白部分を切断排出することにより、タグ非存在区間でない状態となってから必ずタグラベル作成が行われる。この結果、図10(a)〜(c)や図11(a)〜(c)に示すように、作成された無線タグラベルTの長短に関係なく、無線タグ回路素子Toの存在位置をラベル先端側からほぼ一定位置に揃えることができる。
また本実施形態では特に、前述したように、無線タグラベルTの作成時に、切断機構15が、無線タグ回路素子Toを切断しないようにテープ切断を行う。これにより、切断線CLでのテープ切断時に誤って無線タグ回路素子Toを切断し通信機能が阻害又は喪失されるのを防止することができる。特に、作成された無線タグラベルTの搬送方向長さの最小値が少なくとも識別マークPMどうしの配置ピッチPpと等しくなるように(ラベル長さ≧Ppとなるように)設定されることにより、少なくとも切断線CLの位置が上記識別マークPMに近すぎて(=タグラベル長が短すぎて)無線タグ回路素子Toを誤切断するのを確実に防止することができる。
なお、上記第1実施形態では、上記タグ非存在区間であった場合は対応する余白部分を切断排出することで、作成された無線タグラベルTの長短に関係なく、無線タグ回路素子Toの存在位置をラベル先端側からほぼ一定位置に揃えるようにしたが、これに限られない。以下、上記切断排出を行わないような変形例を説明する。
図16はこのような変形例に備えられた制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態の図13に相当する図である。図13と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図16に示すフローでは、上記ステップS6と上記ステップS7との間に新たにステップS21が設けられ、通信エラーの発生を表すフラグF=1かどうかを判定する。F=1の場合は判定が満たされてステップS12へ移行し、F=0の場合は判定が満たされず、上記ステップS7へ移行する。
また、上記第1実施形態のラベル作成処理手順であるステップS100に代えて、これに対応するステップS100′(詳細は後述)が設けられ、このステップS100′とステップS14との間に上記ステップS13が設けられている。このステップS13において、F=0で判定が満たされない場合は前述と同様のステップS16に移行し、F=1で判定が満たされた場合には新たに設けたステップS22へ移る。ステップS22では上記ステップS3と同様、アクセス試行回数をカウントする変数M,Nを0に初期化して、上記ステップS6へ戻り、同様の手順を繰り返す。
図17は、上記ステップS100′の詳細手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態の図14に対応する図である。図17に示すフローは、図14に示すフローからステップS103及びステップS107を省略したものとなっており、その他は同一となっている。
本変形例では、前述したように、タグ非存在区間の場合の処理が最大の特徴である。そこで、以下、2倍長の無線タグラベルTを作成するために図6(b)及び図7(b)の基材テープ101が用いられ、さらにステップS6で検出した識別マークPMが(2)のマークであった(=タグ非存在区間)場合を例にとって説明する。
図16において、ステップS1〜ステップS6までは上記図13と同様である。最初はF=0であるからステップS21の判定が満たされず、以下ステップS7で印刷を開始した後、ステップS8〜ステップS11を経てステップS12で前述の所定値(タグ非存在区間以外の場合に無線タグ回路素子Toが上記アンテナLCに到達するだけの搬送距離)搬送されるのを待って、ステップS100′へ移行する。ステップS100′では図17においてステップS101を経てステップS102で搬送及び印刷を停止し、ステップS200で情報送受信処理を行う。このときアンテナLCの通信範囲に無線タグ回路素子Toが存在しないため、通信エラーとなってF=1となる。その後ステップS104で搬送及び印刷を再開し、ステップS105を経てステップS106で印刷を停止し、図16のステップS13へ移行する。
ここで上記のようにF=1となっているからステップS13の判定が満たされ、ステップS22を経てステップS6へ戻る。そして、F=1であるからステップS21の判定が満たされ、(ステップS7〜ステップS11を経ることなく)ステップS12で再度前述の所定値(無線タグ回路素子Toが上記アンテナLCに到達するだけの搬送距離)搬送されるのを待って、ステップS100′でラベル作成処理を行う。今度は上記ステップS12を経ることでタグ非存在区間が終了し、無線タグ回路素子Toが上記アンテナLCへ略対向する位置に到達しているため、情報送受信が完了し、F=0となる。このためステップS13の判定が満たされなくなり、以下、ステップS14、ステップS16を経てステップS17でテープ切断を行い、ステップS18で排出して無線タグラベルTが完成する。
以上のように、本変形例においては、図16のフローのステップS7で最初に印刷を開始し(すなわち2倍長ラベルの前半の1倍長部分(=第1区間に対応する領域)に印刷を行い)、ステップS13からステップS6へ戻ったループ2巡目でステップS7等を飛ばしてステップS200で情報送受信を行う(すなわち2倍長ラベルの後半の1倍長部分(=第2区間)で通信を行い)。図18(a)、図18(b)、及び図18(c)は、このような制御手順により作成された無線タグラベルTの外観を表す図であり、それぞれ前述の図12(a)、図12(b)、及び図12(c)に対応する図である。
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。また、上記第1実施形態のようにタグラベル作成開始時にタグ非存在区間であっても切断・排出を行わずそのまま対応する領域を用いてラベル作成を行うので、テープを無駄にせず有効活用し、効率のよいタグラベル作成を行うことができる。
なお、以上においては、各識別マークPMのそれぞれを、単一の態様に共通化されたマーク(=1本の固定幅のマーク)で構成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。以下、そのような別実施形態を説明する。
本発明の第2の実施形態を図19〜図40により説明する。本実施形態は、識別マークPMが、固定幅の黒帯を1本備えたマークと、2本備えたマークとを含む場合の実施形態である。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図19(a)及び図19(b)は、本実施形態のタグラベル作成装置1に備えられる上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101を図5中矢印D方向から(すなわち剥離紙101d側から)見た状態を表す概念的矢視図であり、それぞれ前述の図6(a)及び図6(b)に相当する図である。また、図20(a)及び図20(b)は、上記図19(a)及び図19(b)で示した識別マークPMの配置ピッチと無線タグ回路素子Toの配置ピッチとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、それぞれ前述の図7(a)及び図7(b)に相当する図である。
図19(a)及び図20(a)の基材テープ101、及び、図19(b)及び図20(b)の基材テープ101のいずれにおいても、各識別マークPMのそれぞれは、上記第1実施形態とは異なり黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとが混在配置(この例ではテープ長手方向に交互に配置)されている。また、上記第1実施形態と同様、識別マークPMの配置ピッチはPpであり、無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtは、Pt=n×Pp(n:1以上の整数)の関係となっている。
そして、図19(a)及び図20(a)の基材テープ101はn=1の例であり、Pt=Pp、すなわち隣接する識別マークPM,PM間に1つの無線タグ回路素子Toが必ず配置されている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである(後述の図21(a)及び図21(b)、図22(a)及び図22(b)参照)。
一方、図19(b)及び図20(b)の基材テープ101はn=2の例であり、Pt=2Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの2倍のピッチで配列されている。この結果、図20(b)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の2倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく2倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである(後述の図21(a)及び図21(b)参照)。
このようにして、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様、nの値に応じて複数の相関となる複数種類の基材テープ101を用いることができ、この例ではn=1とn=2の場合を例示しているものである。
図21(a)及び図21(b)は、本実施形態のタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了して形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図である。この例では、上記図19(a)及び図20(a)で示した基材テープ101(詳細には図中(A)で示す部分)を用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpに略等しい長さの無線タグラベルTを表しており、図21(a)はその上面図(上記第1実施形態の図10(a)に相当)、図21(b)は下面図(上記第1実施形態の図10(b)に相当)である。また図22(a)及び図22(b)は、同様に上記図19(a)及び図20(a)で示した基材テープ101(詳細には図中(B)で示す部分)を用いて作成した無線タグラベルTを表した図である。図21(a)(b)と図22(a)(a)とでは、識別マークPMが黒帯1本状のマークで構成されるか、黒帯2本状のマークで構成されるかのみが異なる。なお、いずれも断面構造は図11を用いて前述したものと同様であるので説明を省略する。
図23(a)及び図23(b)は、タグラベル作成装置1により作成された無線タグラベルTの外観の他の例を表す図である。この例では、上記図19(b)及び図20(b)に示した基材テープ101を用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpの略2倍の長さの無線タグラベルTを表しており、図23(a)はその上面図(上記第1実施形態の図12(a)に相当)、図23(b)は下面図(上記第1実施形態の図12(b)に相当)である。カバーフィルム103の裏面の印字領域S(印字可能最大長さ)は、この場合は上記図21(a)や図22(a)に示した構造の約2倍(例えば2倍よりやや大きい)となっており、無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では「ABCDEFGHIJKLMN」の文字)が印刷されている。なお図23(c)(前述の図12(c)に相当)に示すように、各印字文字の大きさを大きくするために操作者により図19(b)及び図20(b)に示した基材テープ101が使用され、図22(a)に比べて約2倍の長さの無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
図24は、本実施形態のタグラベル作成装置1に備えられた上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態の図13に相当する図である。図13と同等の手順には同一の符号を付している。
この図24において、前述と同様、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まず上記第1実施形態と同様、ステップS1において、カートリッジセンサCSの検出信号に基づき、対応する基材テープ101のテープ種類情報(前述の例では図19(a)及び図20(a)に示す通常長さラベル作成用のものであるか、図19(b)及び図20(b)に示す2倍長ラベル作成用のものであるか等。ラベル長さ情報)を取得する。その後、ステップS2に移って前述と同様の第1準備処理を実行する。
次に、ステップS3に相当するステップS3′において、初期化設定を行う。本実施形態では、前述の変数M,Nと、前述の図19(b)及び図20(b)に示す2倍長ラベル作成用の基材テープ101を表す2倍長(長ラベル)フラグFLを0に初期化設定する。
その後、新たに設けたステップS300に移り、上記ステップS1で取得したテープ種類長さ情報に基づき、印刷開始位置の設定を行う。すなわち、上記センサ127によって黒帯1本状のマークを検出したとき、及び、黒帯2本状のマークを検出したときのうち、いずれに(あるいは両方に)対応して印字ヘッド23による印刷を開始するかどうかの設定を行う(詳細は後述の図25参照)。
その後、上記ステップS4に移り、前述と同様にしてテープ搬送を開始した後、新たに設けたステップS23に移る。
ステップS23では、上記FL=1であるかどうかを判定する。基材テープ101が図19(a)及び図20(a)に示す通常長さラベル作成用のものであった場合にはFL=0であるから判定が満たされず、ステップS24に移る。ステップS24では、センサ127で印刷開始位置(この場合FL=0であるから黒帯1本状のマーク、黒帯2本状のマークのいずれかを検出したとき。後述する図25のステップS304参照)を検出したかどうかを判定し、検出されたらステップS7へ移る。
一方、ステップS23において、基材テープ101が図19(b)及び図20(b)に示す2倍長ラベル作成用のものであった場合にはFL=1であるから判定が満たされ、ステップS25に移る。ステップS25では、センサ127で印刷開始位置(この場合FL=1であるから黒帯2本状のマークを検出したとき。後述する図25のステップS302参照)を検出したかどうかを判定し、検出されたらステップS7へ移る。
ステップS7〜ステップS12は上記第1実施形態と同様である。すなわち、カバーフィルム103の印字領域Sに印刷を開始し、ハーフカット位置で搬送・印刷を停止してハーフカット処理を行った後搬送・印刷を再開し、印字済タグラベル用テープ109が所定値だけ搬送されたら、ステップS100に代えて新たに設けたステップS100″に移る。
ステップS100″では、上記ステップS100とほぼ同様のラベル作成処理を行い(後述の図26参照)、無線タグ回路素子Toの通信位置まで搬送したら搬送及び印字を停止して、無線タグ回路素子Toに対する情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させる。
以上のようにしてステップS100″終了後、ステップS14、ステップS16、ステップS17、ステップS18は前述と同様であるので説明を省略する。
一方、ステップS25において、センサ127で印刷開始位置(黒帯2本状のマークを検出したとき)が検出されない場合は判定が満たされず、ステップS26へ移る。
ステップS26では、センサ127で黒帯1本状のマークを検出したかどうかを判定する。検出されたら上記第1実施形態と同様のステップS15へ移行し、検出されない場合は判定が満たされず、ステップS25に戻って同様の手順を繰り返す。すなわち、ステップS23の判定が満たされたら、ステップS25→ステップS26→ステップS25→ステップS26→…と繰り返し、先に黒帯2本状のマークが検出されたらステップS7へ、先に黒帯1本状のマークが検出されたらステップS15へと移る。
ステップS15では、上記第1実施形態と同様、上記ステップS14とは異なる余白排出用フルカット位置へ到達したかどうかを判定する。このステップS15では、図19(b)及び図20(b)の基材テープ101を用いて2倍長の無線タグラベルTが作成されるときは常にその搬送方向先端側に無線タグ回路素子Toが配置される(図23(a)及び図23(c)参照)ことを前提に、図20(b)の(2)で示す識別マークPMをステップS26で検出した場合は、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域(センサ127が(2)の識別マークPMを検出した後、(1)の識別マークPMを検出するまでの搬送領域)を余白(余剰分)として排出するためのフルカット位置への到達判定である(ステップS1で取得したテープ種類情報で図19(b)や図20(b)のような基材テープ101であることが識別され、その後ステップS2での準備処理での切断線CLの位置設定に対応して、余白として切断排出すべき部分の長さの決定とフルカット位置の設定がなされる)。このときの判定も、上記同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。余白排出用フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS28に移る。
以降、ステップS28、ステップS29、ステップS30は、上記ステップS16、ステップS17、ステップS18とほぼ同等である。すなわち、ステップS28ではテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止し、ステップS29では切断機構15の可動刃41を回動させて印字済タグラベル用テープ109の切断を行い、その後、駆動ローラ51を回転させ搬送開始させ上記ステップS29で生成された上記余白部分をラベル排出口11へ向かって搬送し、タグラベル作成装置1外へと排出する。
その後、ステップS31で上記フラグFL=0とし、ステップS20で上記同様搬送方向距離の判定となる基準値を初期化(リセット)し、ステップS4へ戻って同様の手順を繰り返す。これにより、図19(b)及び図20(b)の基材テープ101を用いて2倍長の無線タグラベルTが作成されるときに、作成開始直後にタグ非存在区間であった場合でも、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域を余白として排出する。これにより、その搬送方向先端側に無線タグ回路素子Toを配置した、図23(a)〜図23(c)に示すような2倍長の無線タグラベルTを確実に作成することができる。
図25は、上述したステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。まず、ステップS301において、図24のステップS1で取得したテープ種類情報に基づき、カートリッジ7内の基材テープ101が(図19(b)や図20(b)に示すような)2倍長ラベル作成用のテープ(長ラベル用テープ)であるかどうかを判定する。
図19(b)や図20(b)に示す2倍長ラベル作成用のテープであった場合は、ステップS301の判定が満たされ、ステップS302に移って印刷開始位置となる識別マークPMを黒帯2本状のマークとし、さらにステップS303で上記2倍長フラグFL=1としてこのルーチンを終了する。
一方、ステップS301において、図19(a)や図20(a)に示す通常長さラベル作成用の基材テープ101であった場合は判定が満たされず、ステップS304に移って印刷開始位置となる識別マークPMを黒帯1本状のマークとし、このルーチンを終了する。
図26は、上記ステップS100″の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図17に対応する図である。図26に示すフローは、図17に示すフローのステップS200をステップS200″へ置き換えたものとなっており、その他は同一となっている。
図27は、上記ステップS200′の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図15に対応する図である。図27に示すフローは、図15に示すフローのステップS236を省略したものとなっており、その他は同一となっている。
なお、本実施形態でも、上記のように無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合に限られない。すなわち、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
この場合には、図24におけるステップS2の準備処理においてタグ書き込みデータの設定は不要となり、図26のステップS200′の情報送受信処理では無線タグ情報の読み込みを行うようにすればよい。このときステップS280では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせをサーバに保存すればよい。
以上において、既に述べたように、制御回路110が実行する図24のステップS26が、各請求項記載の、タグラベル作成開始時に、マーク検出手段による被検出マークの検出結果に基づき、タグテープの隣接する2つの被検出マークの搬送区間に相当する第1区間において、通信手段の略対向位置に無線タグ回路素子が存在するかどうかを判定するタグ判定手段を構成する。
また、図24、図26、図27に示す全ステップのうち、上記ステップS26を除くすべての手順が、マーク検出手段による被検出マークの検出結果と、情報取得手段で取得した相関情報とに応じて、搬送手段、通信手段、印字手段、及び切断手段を連携して制御する連携制御手段を構成する。なおこのとき、ステップS14(なおこの場合はステップS2の準備処理における設定で切断線CLが決定されている)やステップS15において、切断機構15の可動刃41に対して印字済タグラベル用テープ109の位置決め(フルカット位置に到達したかを判定)を行う際、印字済タグラベル用テープ109に含まれる無線タグ回路素子Toを可動刃41で切断しないように(無線タグ回路素子Toの搬送方向後端部が可動刃41の対向位置よりも搬送方向下流側に通り過ぎているように)制御されており、このことが、タグラベルの作成時に、無線タグ回路素子を切断しないように設定された切断禁止領域以外の切断部位において切断手段がタグテープを切断するように、搬送手段及び切断手段を連携して制御することに相当している。このとき詳細には、その切断線CLは、上記のように、対応する無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向後方側(上流側)であって、かつ、これに後続する識別マークPMのテープ搬送方向前方側(下流側)に位置している。また、このような制御の結果、作成された無線タグラベルTの搬送方向長さは、その最小値が少なくとも識別マークPMどうしの配置ピッチPpと等しくなるように(ラベル長さ≧Ppとなるように)設定される。
以上のように構成した第2実施形態のタグラベル作成装置1においても、上記第1実施形態と同様の効果を得られる。すなわち、各カートリッジ7の被検出部に記録された、識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチptとの相関情報を、ステップS1において、カートリッジセンサCSによる検出結果に基づき取得する。これにより、センサ127で識別マークPMを検出したとき、上記相関情報を用いて現在装着されたカートリッジ7の基材テープ101(印字済タグラベル用テープ109)の無線タグ回路素子Toの配列やその規則性を認識し、対応する所定位置への搬送・位置決め制御やこれを用いた印刷、通信、切断制御を円滑に実行することができる(ステップS1のテープ種類情報取得に基づくステップS14及びステップS15のフルカット位置到達判定等)。
そして、上記のような、カートリッジ7の被検出部から取得した相関情報を用いて識別マークPMに基づく搬送・位置決め制御等を行う方式とすることにより、無線タグ回路素子Toの配列規則性が異なる複数種類のカートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して用いる場合であっても、それらカートリッジ7に備えられる基材テープ101の識別マークPMの配置ピッチPpをすべて共通(この例では、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとの交互配置)とすることができる。この結果、基材テープ101への識別マークPMを形成するための設備は、単一の上記配置ピッチPpでのみ識別マークPMを形成する機能を備えていれば足りる(前述と同様印刷形成の場合は印刷のための型・版等を複数個用意する必要がなくなる)。したがって、設備の構造や制御を簡素化することができ、基材テープ101の製造コストを低減することができると共に、印刷されたタグテープの在庫数量低減や廃却による無駄を少なくすることができる。
本実施形態では、これに対応して、ステップS13において、上記タグ非存在区間であるかどうかを判定する(この例ではアンテナLCからの問いかけに対する応答の有無で判定)。これにより、上記のようにしてタグ非存在区間から搬送が開始された場合であっても、前述のようにステップS13の判定が満たされることでステップS15に移行し、対応した印字、通信、切断制御等を行う(この例では余白部分の排出後、改めてタグラベル作成を行う制御)ことができる。
また、本実施形態でも、上記同様、タグ非存在区間であった場合は対応する余白部分を切断排出することにより、タグ非存在区間でない状態となってから必ずタグラベル作成が行われる。この結果、図21(a)(b)、図22(a)(b)、図23(a)〜(c)に示すように、作成された無線タグラベルTの長短に関係なく、無線タグ回路素子Toの存在位置をラベル先端側からほぼ一定位置に揃えることができる。
また本実施形態でも、上記第1実施形態と同様、無線タグラベルTの作成時に、切断機構15が、無線タグ回路素子Toを切断しないようにテープ切断を行う。これにより、切断線CLでのテープ切断時に誤って無線タグ回路素子Toを切断し通信機能が阻害又は喪失されるのを防止することができる。特に、作成された無線タグラベルTの搬送方向長さの最小値が少なくとも識別マークPMどうしの配置ピッチPpと等しくなるように(ラベル長さ≧Ppとなるように)設定されることにより、少なくとも切断線CLの位置が上記識別マークPMに近すぎて(=タグラベル長が短すぎて)無線タグ回路素子Toを誤切断するのを確実に防止することができる。
なお、上記第2実施形態は、上記の態様に限られず、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、それらを順を追って説明する。
(1)黒帯1本状、黒帯2本状の配置パターンを変える場合
上記第2実施形態においては、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとをテープ長手方向に交互に配置し、この結果、識別マークPMの配置ピッチPpと、無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtの関係、Pt=Pp又はPt=2Ppの関係となっていたが、これに限られない。図28(a)及び図28(b)は、Pt=3Ppの関係とすることが可能な変形例における、識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、それぞれ前述の図20(a)及び図20(b)に相当する図である。
図28(a)及び図28(b)の基材テープ101のいずれにおいても、各識別マークPMのそれぞれは、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとが混在配置(この例では黒帯2本状マーク、黒帯1本状マーク、黒帯1本状マークの3つがテープ長手方向に対になった繰り返し配置)されている。
そして、図28(a)の基材テープ101はPt=n×Ppのn=1の例であり、Pt=Pp、すなわち前述と同様、隣接する識別マークPM,PM間に1つの無線タグ回路素子Toが必ず配置されている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)の無線タグラベルTを作成することができる。
一方、図28(b)の基材テープ101はn=3の例であり、Pt=3Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの3倍のピッチで配列されている。この結果、図28(b)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが3区間のうち2区間存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の3倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく3倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成することができる。
本変形例によっても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)黒帯3本状マークも用いる場合
さらに、黒帯3本状のマークを用いてPt=4Ppの関係を実現することも可能である。図29(a)、図29(b)、及び図29(c)は、そのような変形例における、識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、前述の図28(a)、図28(b)等に相当する図である。
図29(a)〜図29(c)の基材テープ101のいずれにおいても、各識別マークPMのそれぞれは、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークと、黒帯3本状のマークが混在配置(この例では黒帯3本状マーク、黒帯1本状マーク、黒帯2本状マーク、黒帯1本状マークの4つがテープ長手方向に対になった繰り返し配置)されている。
そして、図29(a)の基材テープ101はPt=n×Ppのn=1の例であり、Pt=Pp、すなわち前述と同様、隣接する識別マークPM,PM間に1つの無線タグ回路素子Toが必ず配置されている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)の無線タグラベルTを作成することができる。
図29(b)の基材テープ101はn=2の例であり、Pt=2Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの2倍のピッチで配列されている。この結果、図29(b)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが4区間のうち2区間存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の2倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく2倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成することができる。
図29(c)の基材テープ101はn=4の例であり、Pt=4Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの4倍のピッチで配列されている。この結果、図29(c)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが4区間のうち3区間存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の4倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく4倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成することができる。
本変形例によっても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(3)黒帯をテープ幅方向全部にわたって設けない場合
上記第2実施形態においては、テープ長手方向に交互に配置される、黒帯1本状のマーク及び黒帯2本状ともに、テープ幅方向全部にわたって形成(印刷等)されていたが、これに限られず、テープ幅方向領域の一部に部分的に設けてもよい。図30(a)及び図30(b)は、そのような変形例における、識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、それぞれ前述の図20(a)及び図20(b)に相当する図である。
図30(a)及び図30(b)は、上記図20(a)及び図20(b)に示された各識別マークPMのうち、黒帯2本状マークのテープ幅方向端部が欠損した形状となっている。この場合でも、前述のセンサ127がテープの幅方向中央側を検出する限り、2本状マークとして正しく認識されるので特に問題はない。なお、逆に各識別マークPMのうち、黒帯1本状マークのテープ幅方向端部が欠損した形状としてもよい。
本変形例によっても、上記第2実施形態と同様の効果を得る。
(4)黒帯の本数でなく2つのセンサ出力を用いて識別する場合
上記第2実施形態及びその変形例においては、本数の異なる黒帯状マークを混在配置して1つのマークセンサ127で識別するとともに、図25に示すフローにおいてそれら認識した異なる態様のマークを使い分けて印刷開始位置設定処理を行ったが、これに限られない。すなわち、黒帯の本数はすべて同一としつつマークセンサ127を2つ設け、各センサ127,127の出力を使い分けることで印刷開始位置設定処理を行うようにしてもよい。
図31(a)及び図31(b)は、そのような変形例において識別マークPMの配置ピッチPpと無線タグ回路素子Toの配置ピッチPtとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、それぞれ前述の図20(a)及び図20(b)に相当する図である。
図31(a)及び図31(b)の基材テープ101のいずれにおいても、各識別マークPMのそれぞれは、黒帯1本状でかつテープ幅方向一方側(この例では図示上側)縁部に局所的に設けたマークと、黒帯1本状でかつテープ幅方向他方側(この例では図示下側)縁部に局所的に設けたマークとが混在配置(この例ではそれらが長手方向に交互配置)されている。そして、テープ幅方向一方側(図示上側)縁部に設けた識別マークPMは、上記2つのマークセンサ127,127のうち一方側のセンサ(第1センサ)127によって検出される。またテープ幅方向他方側(図示下側)縁部に設けた識別マークPMは、上記2つのマークセンサ127,127のうち他方側のセンサ(第2センサ)127によって検出される。
そして、図31(a)の基材テープ101はPt=n×Ppのn=1の例であり、Pt=Pp、すなわち前述と同様、隣接する識別マークPM(図示上側縁部のもの)と識別マークPM(図示下側縁部のもの)間に1つの無線タグ回路素子Toが必ず配置されている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである。この基材テープ101を用いる場合には、上記第1センサ127と第2センサ127の両方を用いて識別マークPMの検出を行う(後述の図32参照)。
一方、図31(b)の基材テープ101はn=2の例であり、Pt=2Pp、すなわち無線タグ回路素子Toは識別マークPMの2倍のピッチで配列されている。この結果、図31(b)に示すように、互いの間に無線タグ回路素子Toが存在しない(空白である)ような隣接する2つの識別マークPM,PMが存在する配置となっている。この基材テープ101は、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の2倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく2倍以下の長さ)の無線タグラベルTを作成するためのものである。この基材テープ101を用いる場合には、上記第2センサ127を用いて識別マークPMの検出を行う(後述の図32参照)。
図32は、本変形例のタグラベル作成装置1に備えられた制御回路110が実行する、上記ステップS300に相当するステップS300′の詳細手順を表すフローチャートであり、上記図25に相当する図である。図25と同等の手順には同一の符号を付している。
図32において、まず、前述と同様のステップS301において、図24のステップS1で取得したテープ種類情報に基づき、カートリッジ7内の基材テープ101が(図31(b)に示すような)2倍長ラベル作成用のテープ(長ラベル用テープ)であるかどうかを判定する。
図31(b)に示す2倍長ラベル作成用のテープであった場合は、ステップS301の判定が満たされ、ステップS302に代えて設けたステップS302′に移り、印刷開始位置となる識別マークPMを上記第2センサ127の出力のみを用いて認識するように設定する。その後上記同様のステップS303で上記2倍長フラグFL=1としてこのルーチンを終了する。
一方、上記ステップS301において、図31(a)に示す通常長さラベル作成用の基材テープ101であった場合は判定が満たされず、上記ステップS304に代えて設けたステップS304′に移り、印刷開始位置となる識別マークPMを上記第1センサ127と第2センサ127の両方の出力を用いて認識するように設定し、このルーチンを終了する。
上記のように設定することで、図31(a)に示す通常長さラベル作成用の基材テープ101の場合には配置ピッチPpで配置されたすべての識別マークPMを認識しながら対応する搬送制御等を行うことができる。また、図31(b)に示す2倍長ラベル作成用の基材テープ101の場合には2×Ppのピッチで配置される図示下方側縁部の識別マークPMを認識しながら対応する搬送制御等を行うことができる。これにより、本変形例によっても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(5)無線タグ回路素子を備えない通常の印字ラベルへの拡張
本発明に含まれるものではないが、上記第1及び第2実施形態とそれらの上記変形例の技術思想を拡張すれば、無線タグ回路素子を備えない通常の印字ラベルの作成に適用することが可能である。すなわち、テープ状のラベル台紙上にラベルに対応した所定の大きさの包囲切断線(ハーフカット済)が予めテープ長手方向に連続形成され(いわゆるダイカットラベル)、ラベル使用時にはその包囲切断線内側のラベル部分をテープから剥がしてラベルとして使用する場合である。このような場合に、包囲切断線の配置ピッチが互いに異なる2つのテープをラベル作成装置側に装着して使用可能な場合、上記第1及び第2実施形態とそれらの上記変形例の手法を適用し、各テープの識別マークを共通化することができる。以下、そのような変形例を説明する。
図33は、本変形例のラベル作成装置501の概略構成を表す斜視図である。
図33において、ラベル作成装置501は、筐体502と、例えば透明樹脂製のトレー506と、電源ボタン507と、カッタレバー509と、LEDランプ534、テープホルダ収納部504(カートリッジホルダ)と、印字ヘッド進退レバー527とを有し、テープホルダ収納部504にテープホルダ503を収納配置している。
テープホルダ503は、位置決め保持部材512とガイド部材520との間に、基材テープロール体102−Lを回転可能かつ着脱可能に装着している。なお、テープホルダ503と基材テープロール体102−Lとが、着脱可能なカートリッジを構成する。なお後述のように、テープホルダ収納部504には複数種類のカートリッジ(テープホルダ503及び基材テープロール体102−L。以下適宜「カートリッジ503等」という)が装着可能となっている。
カートリッジホルダとして機能するテープホルダ収納部504には、それらのうちいずれの種類のカートリッジ503等が装着されたか(=カートリッジ情報)を検出するために、上記第1及び第2実施形態と同様のカートリッジセンサCS(=情報取得手段。前述の図8参照)が設けられている。
本変形例においても、前述と同様、カートリッジセンサCSとして、カートリッジ503等の側に適宜設けた被検出部を接触式のメカニカルスイッチ等を用いて機械的検出するようにしてもよいし、その他光学的又は磁気的な被検出部を設け、それぞれ光学的又は磁気的に検出を行うようにしてもよい。このカートリッジセンサCSからの信号(被検出部を検出した検出信号)により、前述と同様、テープホルダ収納部504に装着されたカートリッジ503等のカートリッジ情報(言い換えれば、基材テープ101−L内における包囲切断線DLの配置間隔等のテープ種類情報)を取得することができる。
基材テープロール体102−Lは、所定幅の基材テープ101−L(上記包囲切断線DLを所定の配置ピッチで備える。後述の図35(a)及び図35(b)等参照)を巻回して構成されている。
基材テープ101−Lは、図示は省略するが、前述の基材テープ101と同様の複数層(この例では3層)の積層構造となっており、ロール体102−Lの外側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、適宜の材質からなる基材層101a−L(基材層)、適宜の粘着材からなる粘着層101b−L(貼り付け用粘着剤層)、剥離紙101c−L(剥離材層)の順序で積層され構成されている。
前述したように、基材層101a−Lには、その所定領域を包囲するように包囲切断線DLが設けられている。この包囲切断線DLは、上記基材層101a−Lと粘着層101b−Lまでを切り込むように切断する一方、剥離紙101c−Lまでは届かず切断しないいわゆるハーフカット線として予め形成されている。
上記剥離紙101c−Lは、上記剥離紙101dと同様、最終的に完成したラベルLが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101b−Lにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101b−Lの表面には、前述と同様、包囲切断線DLの位置に対応した所定の位置に、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク)PMが(この例では印刷により)予め設けられている。なお識別マークとしては、レーザ加工等により基材テープ101−Lを貫通する孔を穿孔したり、トムソン型での加工穴を設ける等でもよい。
テープホルダ収納部504の縁部には位置決め溝部516を備えたホルダ支持部材15が設けられている。テープホルダ503は、上記位置決め保持部材512の取付部材513が位置決め溝部516内に密着することで、ホルダ支持部材15に嵌め込まれている。
図34は、図33に示したラベル作成装置501から基材テープロール体102−Lを取り外した状態を示す側断面図である。
この図34において、テープホルダ503を構成する上記ガイド部材520の先端部は載置部521に載置され、ガイド部材520の先端部は、基材テープ101−Lを挿入する挿入口518まで延出される。また、ガイド部材520の載置部521に当接する部分の一部は、位置決め溝部522Aに対し上方から嵌め込まれる。
また、カッタユニット508の基材テープ101−Lの搬送方向上流側(図34中右側)下部には印字を行う印字ヘッド531(印字手段)が設けられている。また、基材テープ101―Lの搬送経路を挟んで印字ヘッド531と対向する位置には、プラテンローラ526(搬送手段)が設けられている。
そして、基材テープ101−Lの一端を印字ヘッド531とプラテンローラ526の間に挟持させ、図示しないモータの駆動によりプラテンローラ526を回転駆動しつつ、図示しない印刷駆動回路を介し印字ヘッド531を駆動制御することによって、基材テープ101−Lを搬送しながら印字面に順次所定の印字データを印字できるようになっている。
なお上記プラテンローラ526によるテープ搬送経路の適宜の箇所(例えばプラテンローラ526の近傍)に、基材テープ101−L(印字済タグラベル用テープ109−L)に設けられた前述と同様の識別マークPM(=被検出マーク。詳細は後述の図35等参照)を検出する前述と同様のマークセンサ127(マーク検出手段。この図での図示省略)が設けられている。
上記カッタレバー509には、接続部材570を介しカッタユニット508が設けられる。カッタユニット508は、ガイド軸571により移動可能に配置されたカッタ(切断刃)572と、中間部材573とを有している。上記のように印字が終了しトレー506上に排出された印字済みラベル用テープ109−L(基材テープ101−Lとともにラベル媒体を構成する)は、カッタレバー509を手動操作することによってカッタユニット508により切断され、印字付きのラベルLが生成される。
なお、筐体502の下方部には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路110(図示せず。上記第1及び第2実施形態と同等のもの)が形成された制御基板32が設けられ、筐体502の背面部には電源コード510が接続されている。また、制御回路110は、図示しないに入出力インターフェイスにより、上記第1及び第2実施形態において図1に示した有線あるいは無線による通信回線NWに接続されており、この通信回線NWを介し、図1と同様のルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。
図35(a)及び図35(b)は、本変形例のラベル作成装置501に備えられる上記基材テープロール体102−Lより繰り出された上記基材テープ101−Lを裏面側から(すなわち前述の剥離紙101c−L側から)見た状態を表す概念的矢視図であり、それぞれ前述の図6(a)及び図6(b)に相当する図である。また、図36(a)及び図36(b)は、上記図35(a)及び図35(b)で示した識別マークPMの配置ピッチと包囲切断線DLの配置ピッチとの関係(=相関)を、概念的に表した説明図であり、それぞれ前述の図7(a)及び図7(b)に相当する図である。
図35(a)及び図36(a)の基材テープ101−L、及び、図35(b)及び図36(b)の基材テープ101−Lのいずれにおいても、各識別マークPMのそれぞれは、上記第2実施形態と同様、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとが混在配置(この例ではテープ長手方向に交互に配置)されている。また、前述と同様、識別マークPMの配置ピッチはPpであり、包囲切断線DLの配置ピッチPdは、Pd=n×Pp(n:1以上の整数)の関係となっている。
そして、図35(a)及び図36(a)の基材テープ101−Lはn=1の例であり、Pd=Pp、すなわち隣接する識別マークPM,PM間に1つの包囲切断線DLが必ず配置されている。この基材テープ101−Lは、隣接識別マークPM,PM間の長さ(識別マークPMの配置ピッチPp)に略等しい長さ(あるいはそれ以下の長さ)のラベルLを作成するためのものである(後述の図37(a)及び図37(b)、図38(a)及び図38(b)参照)。
一方、図35(b)及び図36(b)の基材テープ101−Lはn=2の例であり、Pd=2Pp、すなわち包囲切断線DLは識別マークPMの2倍のピッチで配列され、かつ各包囲切断線DLのテープ方向長さが図35(b)及び図36(b)の基材テープ101−Lのものよりも長くなっている。この結果、図36(b)に示すように、1つの包囲切断線DLが識別マークPM(この例では黒帯1本状マーク)を超えて、その反対側にまで延設される配置となっている。この基材テープ101−Lは、隣接識別マークPM,PM間の長さ(=配置ピッチPp)の2倍に略等しい長さ(あるいは1倍より大きく2倍以下の長さ)のラベルLを作成するためのものである(後述の図37(a)及び図37(b)参照)。
このようにして、本変形例でも、上記第2実施形態と同様、nの値に応じて複数の相関となる複数種類の基材テープ101−Lを用いることができ、この例ではn=1とn=2の場合を例示しているものである。
図37(a)及び図37(b)は、本変形例のラベル作成装置501により上述のようにして印字済ラベル用テープ109−Lの切断が完了して形成されたラベルLの外観の一例を表す図である。この例では、上記図35(a)及び図36(a)で示した基材テープ101−L(詳細には図中(A)で示す部分)を用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpに略等しい長さのラベルLを表しており、図37(a)はその上面図(上記第1実施形態の図10(a)に相当)、図37(b)は下面図(上記第1実施形態の図10(b)に相当)である。
基材層101a−L表面の印字領域S(印字可能最大長さ)には、比較的文字数の少ないラベル印字R(この例では「ABCD」の文字)が印字ヘッド531により印刷されている。
また図38(a)及び図38(b)は、同様に上記図35(a)及び図36(a)で示した基材テープ101−L(詳細には図中(B)で示す部分)を用いて作成したラベルLを表した図である。図37(a)(b)と図38(a)(a)とでは、識別マークPMが黒帯1本状のマークで構成されるか、黒帯2本状のマークで構成されるかのみが異なる。
図39(a)及び図39(b)は、ラベル作成装置501により作成されたラベルLの外観の他の例を表す図である。この例では、上記図35(b)及び図36(b)に示した基材テープ101−Lを用いて作成した、識別マークPMの配置ピッチPpの略2倍の長さのラベルLを表しており、図39(a)はその上面図(上記第1実施形態の図12(a)に相当)、図39(b)は下面図(上記第1実施形態の図12(b)に相当)である。基材層101a−L表面の印字領域S(印字可能最大長さ)は、この場合は上記図37(a)や図38(a)に示した構造より長くなっており、比較的文字数の多いラベル印字R(この例では「ABCDEFGHIJKLMN」の文字)が印字ヘッド531により印刷されている。なお図39(c)(前述の図12(c)に相当)に示すように、各印字文字の大きさを大きくするために操作者により図35(b)及び図36(b)に示した基材テープ101−Lが使用され、図38(a)に比べて約2倍の長さのラベルLを作成するようにしてもよい。
図40は、本変形例のラベル作成装置501に備えられた上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記第1実施形態の図13に相当する図である。図13と同等の手順には同一の符号を付している。
この図40において、前述と同様、上記PC118を介しラベル作成装置501による所定のラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まず上記第1実施形態と同様、ステップS1において、上記カートリッジセンサCSの検出信号に基づき、対応する基材テープ101−Lのテープ種類情報(前述の例では図35(a)及び図36(a)に示す通常長さラベル作成用のものであるか、図35(b)及び図36(b)に示す2倍長ラベル作成用のものであるか等。ラベル長さ情報)を取得する。
その後、ステップS2に移って前述と同様の準備処理を実行する。すなわち、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェースを介して)入力し、この操作信号に基づき、印刷データ、フルカット位置(切断線CLの位置)、及び印刷終了位置等の設定を行なう。このとき、フルカット位置は、上記カートリッジ情報に基づき各カートリッジの種類ごと(言い換えれば基材テープ101−Lの種類ごと)に一意的に固定して決定され、包囲切断線DLの位置と重ならないように設定される。
次に、ステップS3に相当するステップS3″において、初期化設定を行う。本変形例では、前述の図35(b)及び図36(b)に示す2倍長ラベル作成用の基材テープ101−Lを表す2倍長(長ラベル)フラグFLを0に初期化設定する。
その後、上記同様のステップS300に移り、上記ステップS1で取得したテープ種類長さ情報に基づき、印刷開始位置の設定を行う。この設定の詳細手順は先に図25を用いて説明したものと同様である。すなわち、上記センサ127によって黒帯1本状のマークを検出したとき、及び、黒帯2本状のマークを検出したときのうち、いずれに(あるいは両方に)対応して印字ヘッド531による印刷を開始するかどうかの設定を行う。
その後、上記ステップS4に移り、前述と同様にしてテープ搬送を開始する。すなわち、入出力インターフェースを介し制御信号を出力して図示しないモータの駆動力によってプラテンローラ526を回転駆動させる。これにより、基材テープロール体102−Lから基材テープ101−Lが繰り出され、(後述の印字ヘッド531の印字後)印字済ラベル用テープ109−Lとして形成され、ラベル作成装置501外方向へと搬送される。
上記ステップS4の後、前述と同様のステップS23に移り、上記FL=1であるかどうかを判定する。基材テープ101−Lが図35(a)及び図36(a)に示す通常長さラベル作成用のものであった場合にはFL=0であるから判定が満たされず、前述と同様のステップS24に移る。ステップS24では、センサ127で印刷開始位置(この場合FL=0であるから黒帯1本状のマーク、黒帯2本状のマークのいずれかを検出したとき。図25のステップS304参照)を検出したかどうかを判定し、検出されたら前述と同様のステップS7へ移る。
一方、ステップS23において、基材テープ101−Lが図35(b)及び図36(b)に示す2倍長ラベル作成用のものであった場合にはFL=1であるから判定が満たされ、前述と同様のステップS25に移る。ステップS25では、センサ127で印刷開始位置(この場合FL=1であるから黒帯2本状のマークを検出したとき。図25のステップS302参照)を検出したかどうかを判定し、検出されたら上記ステップS7へ移る。
ステップS7では、前述と同様、入出力インターフェースを介し印刷駆動回路に制御信号を出力し、印字ヘッド531を通電して、基材テープ101−Lの基材層101a−Lのうち前述した印字領域Sに、ステップS2で取得したラベルLに対する印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、新たに設けたステップS32において、印字済ラベル用テープ109−Lが先のステップS1で設定した印字終了位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS24において識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(プラテンローラ526を駆動するパルスモータへ出力するパルス数をカウントする等)。印刷終了位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS33に移る。
ステップS33では、前述したステップS102(図14参照)と同様、印刷駆動回路を介した印字ヘッド531への通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
以上のようにしてステップS33終了後、前述と同様のステップS14に移る。ステップS14では、印字済ラベル用テープ109−Lが先のステップS2で設定した、ラベルLの末端部のフルカット位置(カッタユニット508の切断刃572がラベルL末端のフルカット線CLの位置に正対するような搬送方向位置)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、上記同様に、パルスモータへ出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて前述と同様のステップS16に移る。
ステップS16では、入出力インターフェースを介し制御信号を出力してプラテンローラ526の回転駆動を停止させ、印字済ラベル用テープ109−Lの搬送を停止する。これにより、ステップS2で設定した切断線CLに、カッタユニット508の切断刃572が正対した状態で、基材テープロール体102−Lからの基材テープ101−Lの繰り出し及び印字済ラベル用テープ109−Lの搬送が停止する。
その後、前述のステップS17に代えて設けたステップS17′で、適宜の箇所に設けた表示手段(例えばLED等)に制御信号を出力し、フルカット位置に到達した旨を表示し、操作者にカッタレバー509の手動操作によるテープ切断を促す。この表示によって操作者はカッタレバー509を手動操作して、印字済ラベル用テープ109−Lを切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う。この分断によって印字済ラベル用テープ109−Lの先端側が残りの部分から切り離され、当該切り離された部分がラベルTとなり、ラベル作成装置501外へと排出され、このフローを終了する。
一方、上記ステップS25において、センサ127で印刷開始位置(黒帯2本状のマークを検出したとき)が検出されない場合は判定が満たされず、前述と同様のステップS26へ移る。
ステップS26では、センサ127で黒帯1本状のマークを検出したかどうかを判定する。検出されたら前述と同様のステップS15へ移行し、検出されない場合は判定が満たされず、ステップS25に戻って同様の手順を繰り返す。すなわち、ステップS23の判定が満たされたら、ステップS25→ステップS26→ステップS25→ステップS26→…と繰り返し、先に黒帯2本状のマークが検出されたらステップS7へ、先に黒帯1本状のマークが検出されたらステップS15へと移る。
ステップS15では、前述と同様、上記ステップS14とは異なる余白排出用フルカット位置へ到達したかどうかを判定する。このステップS15では、図35(b)及び図36(b)の基材テープ101−Lを用いて2倍長のラベルLが作成されるときは常に黒帯1本状マークを跨ぎつつ黒帯2本状マークと黒帯2本状マークとの間に包囲切断線DLが配置される(図39(a)及び図39(c)参照)ことを前提に、図36(b)の(2)で示す識別マークPMをステップS26で検出した場合は、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域(センサ127が(2)の識別マークPMを検出した後、(1)の識別マークPMを検出するまでの搬送領域)を余白(余剰分)として排出するためのフルカット位置への到達判定である(ステップS1で取得したテープ種類情報で図35(b)や図36(b)のような基材テープ101−Lであることが識別され、その後ステップS2での準備処理での切断線CLの位置設定に対応して、余白として切断排出すべき部分の長さの決定とフルカット位置の設定がなされる)。このときの判定も、上記同様に、パルスモータへ出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。余白排出用フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて前述と同様のステップS28に移る。
以降、ステップS28、ステップS29は、この変形例において説明した上記ステップS16、ステップS17とほぼ同等である。すなわち、ステップS28ではプラテンローラ526の回転を停止して印字済ラベル用テープ109−Lの搬送を停止し、ステップS29ではフルカット位置到達の旨の表示を行って操作者に手動でテープ切断を促す。この切断によって、生成された上記余白部分がラベル作成装置501外へと排出される。
その後、前述と同様のステップS31で上記フラグFL=0とし、前述と同様のステップS20で上記同様搬送方向距離の判定となる基準値を初期化(リセット)し、ステップS4へ戻って同様の手順を繰り返す。これにより、図35(b)及び図36(b)の基材テープ101−Lを用いて2倍長のラベルLが作成されるときに、(2)の識別マークPMから後続の(1)の識別マークPMまでの区間に対応する領域を余白として排出する。これにより、図39(a)〜図39(c)に示すような2倍長のラベルLを確実に作成することができる。
以上のように構成した本変形例においても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、各カートリッジ503等の被検出部に記録された、識別マークPMの配置ピッチPpと包囲切断線DLの配置ピッチpdとの相関情報を、ステップS1において、カートリッジセンサCSによる検出結果に基づき取得する。これにより、センサ127で識別マークPMを検出したとき、上記相関情報を用いて現在装着されたカートリッジ503等の基材テープ101−L(印字済ラベル用テープ109−L)の包囲切断線DLの配列やその規則性を認識し、対応する所定位置への搬送・位置決め制御やこれを用いた印刷、切断制御を円滑に実行することができる(ステップS1のテープ種類情報取得に基づくステップS14及びステップS15のフルカット位置到達判定等)。
そして、上記のような、カートリッジ503等の被検出部から取得した相関情報を用いて識別マークPMに基づく搬送・位置決め制御等を行う方式とすることにより、包囲切断線DLの大きさや配列規則性が異なる複数種類のカートリッジ503等をテープホルダ収納部504に装着して用いる場合であっても、それらカートリッジ503等に備えられる基材テープ101−Lの識別マークPMの配置ピッチPpをすべて共通(この例では、黒帯1本状のマークと、黒帯2本状のマークとの交互配置)とすることができる。この結果、基材テープ101−Lへの識別マークPMを形成するための設備は、単一の上記配置ピッチPpでのみ識別マークPMを形成する機能を備えていれば足りる(前述と同様印刷形成の場合は印刷のための型・版等を複数個用意する必要がなくなる)。したがって、設備の構造や制御を簡素化することができ、基材テープ101−Lの製造コストを低減することができる。
また本変形例では、ステップS26の判定において、包囲切断線DLの非存在区間((2)の識別マークPMの検出に対応)であるかどうかを判定し、この区間から搬送が開始された場合であっても、ステップS15以降で、対応した印字、切断制御等を行う(この例では余白部分の排出後、改めてラベル作成を行う制御)ことができる。
また、本変形例でも、上記第2の実施形態と同様、包囲切断線非存在区間であった場合は対応する余白部分を切断排出することにより、包囲切断線非存在区間でない状態となってから必ずラベル作成が行われる。この結果、図37(a)(b)、図38(a)(b)、図39(a)〜(c)に示すように、作成されたラベルLの長短に関係なく、必ず包囲切断線DL全体を(欠損なく)含むようなラベルLを確実に作成することができる。
また本変形例でも、上記第1実施形態と同様、ラベルLの作成時に、操作者がカッタユニット508で、包囲切断線DLを切断することなくテープ切断を行うように搬送制御される。これにより、切断線CLでのテープ切断時に誤って包囲切断線DLを切断しラベルとして機能しなくなるのを防止することができる。特に、作成されたラベルLの搬送方向長さの最小値が少なくとも識別マークPMどうしの配置ピッチPpと等しくなるように(ラベル長さ≧Ppとなるように)設定することで、少なくとも切断線CLの位置が上記識別マークPMに近すぎて(=ラベル長が短すぎて)包囲切断線DLを誤切断するのを確実に防止することができる。
(6)その他
なお、上記第1実施形態及びその変形例と、上記第2実施形態及び(1)〜(3)の変形例においては、印字文字の長さが十分に長く、印字ヘッド23による印刷が終了するときの搬送方向位置(搬送タイミング)が、アンテナLCによる通信が終了するときの搬送方向位置(搬送タイミング)よりも搬送方向下流側であった場合を例にとって説明したが、これに限られない。印字文字の長さが短い場合には、印字ヘッド23による印刷が終了するときの搬送方向位置(搬送タイミング)を、アンテナLCによる通信が終了するときの搬送方向位置(搬送タイミング)よりも搬送方向上流側としてもよい。あるいは、印刷が終了するときの搬送方向位置が、通信が終了するときの搬送方向位置よりも搬送方向下流側になるように、印字フォントの大きさを自動拡大するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態及びその変形例と、上記第2実施形態及び(1)〜(3)の変形例においては、基材テープ101(印字済ラベル用テープ109)等を所定位置で停止させて上記読み取り・書き込みを行う場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、移動中の基材テープ101(印字済ラベル用テープ109)に対して無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込み・読み取りを行うようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
また、上記第1実施形態及びその変形例と、上記第2実施形態及び(1)〜(3)の変形例においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、タグテープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド23によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
さらに、上記第1実施形態及びその変形例と、上記第2実施形態及び(1)〜(3)の変形例においては、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ100内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ100のようなタグラベル作成装置1本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。