以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を無線タグラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1に、本実施形態の無線タグ情報通信装置1を備えた無線タグ生成システムTSを示す。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、無線タグ情報通信装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2に、無線タグ情報通信装置1の外観構成を示す。この無線タグ情報通信装置1は、上記PC118からの操作に基づき、装置内においてラベル作成用無線タグ回路素子(第1無線タグ回路素子)Toを備えた基材テープ101(詳細は後述)を用いてタグラベル作成処理(詳細は後述)を行ったり、装置外部の情報送受用無線タグ回路素子(第2無線タグ回路素子)Toに対して外部通信処理(詳細は後述)を行うものである。これに対応して、無線タグ情報通信装置1の動作モードとして、上記タグラベル作成処理を行うためのラベル作成処理モードと、上記外部通信処理を行うための外部通信処理モードと、ラベル作成処理モード及び外部通信処理モードのいずれにもならない待機モードとがある(各モードの詳細は後述)。
図2において、無線タグ情報通信装置1は、装置本体2と、この装置本体2のカートリッジホルダ6(後述の図4参照)に装着されるカートリッジ7とを有している。装置本体2は、(上面部、下面部、前面部、背面部、左右の両側面部を備えた)全体的に直方体状の筐体200をその外郭として備えている。上面部には、開閉蓋3、開閉蓋操作ボタン4、方向マークY、LED91、及びモニタ92が設けられている。前面部には、ラベル排出口11、前蓋12、電源ボタン14、およびカッター駆動ボタン16が設けられている。また一方の(この例では右側の)側面部には情報送受用通信部61が設けられ、背面部には第2フォトセンサ(第2光学検出手段)62が設けられている(便宜的に破線で図示)。なお、他方の(この例では左側の)側面部にはプッシュスイッチ(スイッチ)68と支持パッド69とが設けられている(後述の図3参照)。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持され、また図示を省略の付勢部材により開き方向に付勢される一方で、装置本体2との間がロック可能に構成されている。また、カートリッジ7の着脱の際には、開閉蓋操作ボタン4が押されることで上記ロックが解除となり、開閉蓋3が上記付勢部材の付勢作用により開き、その状態でカートリッジ7の装着や取外しを行えるようになっている。なお、開閉蓋3には、透明カバーなどを嵌め込んだ透視窓5が設けられている。
方向マーク(表示部)Yは、上記情報送受用通信部61が設けられている側面部の方向(言い換えれば後述の情報送受用アンテナLC2の設置位置を)を明示する。操作者にとって、この方向マークYにより情報送受用通信部61の方向が(言い換えれば後述の情報送受用アンテナLC2の設置位置が)わかりやすくなっている。
LED91は、処理モードが外部通信処理モードに切り替えられていることを操作者に報知する表示器である。具体的には、外部通信処理モードに切り替えられているときには、LED91が点滅または点灯する。これにより、装置の動作状態を視覚によって操作者に確実に認識させることができる。なお、LED91に代え、あるいはLED91に加え、ビープ音やブザー等の音声出力による報知を行う手段(スピーカ等)を設けても良い。
モニタ92は、外部通信処理モードにおける外部通信処理の結果に対応した報知(読み取り内容、書き込み内容)を操作者に対して行う表示器である。このモニタ92を設けることにより、外部通信処理の結果等を視覚によって操作者に確実に認識させることができる。また、その結果表示のための表示装置等を無線タグ情報通信装置1の他に別途設ける必要がなくなる。なお、外部通信処理の結果として、情報送受の成功または失敗のみを報知する場合には、モニタの代わりにLEDを設けても良い。この場合、動作状態を表示するLED91と兼用し、色、点灯間隔等によって、表示しても良い。また、音声発生による報知を行う手段(スピーカ等)を設けても良い。
ラベル排出口11は、装置本体2の内部で作成される無線タグラベルTを外部に排出するものである。前蓋12は、下端を支点にした回動で開閉可能となっており、上端部に設けられている押部12pを上方より押し込むことで前方に回動して開く。電源ボタン14は、無線タグ情報通信装置1の主電源のオン・オフ操作に用いられる。カッター駆動ボタン16は、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図4、図5参照)を操作者の手動操作で駆動するためのものである。このボタン16が押されることで、印字済みタグラベル用テープ109(後述の図5、図6参照)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている。
情報送受用通信部61は、装置本体2の側面部に、その周囲部よりも適切な高さで突出するように設けた突出部70と、この突出部70に設けられ筐体200外に位置する情報送受用の無線タグ回路素子To(=第2無線タグ回路素子。後述の図8参照。詳細は後述)と無線通信により情報送受信を行うための情報送受用アンテナLC2(外部通信用アンテナ)と、上記突出部70に設けられた第1フォトセンサ(近接検出手段、第1光学検出手段)72とを有している。
第1フォトセンサ72及び第2フォトセンサ62は、この例では、遮光されることで対応する遮光検出信号をそれぞれ出力するものである。
情報送受用アンテナLC2は、後述のラベル作成用アンテナLC1とともに装置側アンテナ手段を構成するものであり、例えばループアンテナが用いられる。突出部70に情報送受用アンテナLC2を設けることにより、操作者に情報送受用アンテナLC2の位置を確認しやすくすることができ、これによって使い勝手を向上させることができる。また、この情報送受用アンテナLC2は、緩衝部材73で覆うことで保護されている。これにより、後述するように情報送受用無線タグ回路素子Toを添付、貼り付け等した対象物を近づけてかざすときに、情報送受用アンテナLC2に接触し衝撃が加わるのを確実に防止することができる。
図3に、図2の無線タグ情報通信装置の装置本体を横置きに(図2における左側面部を下に、右側面部を上に)した状態を示す。
情報送受用アンテナLC2は、例えば図3に示すように物品M(対象物)に貼付されている無線タグラベルTu(この無線タグ情報通信装置1以外で作成されたものを含む。またラベル状のものに限られず、カード状等の他の形状の無線タグでもよい)が一定状態まで近接するようにかざされた際に、無線タグラベルTuに備えられる上記無線タグ回路素子To(=第2無線タグ回路素子)との間で通信を行う。これにより、その無線タグ回路素子Toに記録されている情報を読み取ることができ、また無線タグ回路素子Toに所望の情報を書き込むこともできる(詳細は後述)。このとき、上記情報読み取り又は書き込みのために無線タグラベルTuを情報送受用アンテナLC2にかざす際に誤って物品Mを情報送受用アンテナLC2にぶつける状態になっても、緩衝部材73の緩衝作用により情報送受用アンテナLC2に過剰な衝撃が加わるのを防止できるようになっている。
プッシュスイッチ68は、切替可能な機械的スイッチである。このプッシュスイッチ68は、図3に示すように、情報送受用通信部61が上になるように無線タグ情報通信装置1を横置き姿勢にすると(支持パッド69を介して支持面Fにより支持させると)、図中に実線で示すように支持面Fにより押し込まれ、スイッチON状態となる。この状態で、例えば操作者により上記無線タグラベルTuが情報送受用アンテナLC2に対して適切にかざされると、第1フォトセンサ72へ入射する光量が減少し、これによって上記遮光検出信号がON信号として出力されるようになる。
図4に、無線タグ情報通信装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するラベル作成用アンテナLC1は省略)を示す。図4において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7を収納する上記カートリッジホルダ6と、印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、固定刃40及び可動刃41を備えた上記切断機構15と、固定刃40及び可動刃41のテープ搬送方向下流側に位置し、ハーフカッタ34を備えたハーフカットユニット35とが設けられている。
カートリッジ7の上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。また、カートリッジホルダ6には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(接触位置、後述の図5参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能となっている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及び圧着ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及び圧着ローラ28が上記印字ヘッド23及びテープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
印字ヘッド23は多数の発熱素子を備えており、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられている。
切断機構15は、固定刃40と、金属部材で構成された可動刃41とを備えている。カッターモータ43(後述の図7参照)の駆動力が、カッターハスバギヤ42、ボス50、長孔49を介して可動刃41の柄部46に伝達されて可動刃が回転し、固定刃40とともにカット動作を行う。この切断状態は、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用により切り替わるマイクロスイッチ126により検出される。
ハーフカットユニット35は、受け台38とハーフカッタ34とが対向して配置され、さらにガイド固定部36Aにより第1ガイド部36と第2ガイド部37とが側板44(後述の図5参照)に取り付けられている。ハーフカッタ34は、所定の回動支点(図示せず)を中心として、ハーフカッターモータ129(後述の図7参照)の駆動力によって回動する。受け台38の端部には受け面38Bが形成されている。
図5に、図4に示した内部ユニット20の構造を示す。図5において、上記カートリッジホルダ6は、カートリッジ7のテープ排出部30より排出されさらに上記ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、鉛直上下方向となるようにカートリッジ7を収納する。
また、内部ユニット20には、ラベル排出機構22と、ラベル作成用アンテナLC1とが設けられている。
ラベル作成用アンテナLC1は、筐体200の内部側に通信可能領域を備え、印字済みタグラベル用テープ109に備えられた上記ラベル作成用無線タグ回路素子Toに対し情報送受信可能に構成されている。なお、前述の情報送受用アンテナLC2は、筐体200の外部側に通信可能領域を備え、筐体200外に位置する情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報送受信可能に構成されている。このため、このラベル作成用アンテナLC1から発生する磁束を遮断するために、筐体200内には、例えば金属製のシールド部材85が設けられている。
ラベル排出機構22は、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11(図2参照)より排出するものである。すなわちラベル排出機構22は、テープ排出モータ123(後述の図7参照)の駆動力により回転する駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、印字済みタグラベル用テープ109に設けられた識別マークPM(後述の図6参照)を検出するマークセンサ127とを有している。このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11及びラベル作成用アンテナLC1へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109(無線タグラベルT)の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
また、テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)108及びリボン巻取りローラ駆動軸107は、印字済みタグラベル用テープ109及びインクリボン105(後述)の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
図6に、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に示す。
図6において、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ(タグ媒体)101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール211と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27とを有する。なお、上記基材テープ101と、基材テープ101に貼り合わされるカバーフィルム103とが、ラベル媒体を構成する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みタグラベル用テープ109としつつ、図6中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数のラベル作成用無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図6中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図6中右側)よりその反対側(図6中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙(剥離材)101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図6中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側アンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによってラベル作成用無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図6中左側)には、ラベル作成用無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
なお、上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各ラベル作成用無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向前方側のループアンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)PMが予め設けられている。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール211及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に接触させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図4及び後述の図7参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。なお、上記印字ヘッド23は、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール211とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に接触させられる。
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図6中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図7参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上のラベル作成用無線タグ回路素子Toに対応した印字R(後述の図9参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30(図5参照)よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
また、カートリッジホルダ6の対応する位置には、カートリッジ7の装着状態を検出するカートリッジセンサ81が設けられ、カートリッジ7に設けられた被検出部190を検出する。このカートリッジセンサ81の検出信号が制御回路110(後述の図7参照)へ入力され、カートリッジ7の着脱及び装着時のカートリッジ種類を検出するようになっている。
そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し上記ラベル作成用アンテナLC1によりラベル作成用無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断され、無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらに上記ラベル排出機構22によってラベル排出口11(図2参照)から排出される。
図7に、本実施形態の無線タグ情報通信装置1の制御系を示す。図7において、この無線タグ情報通信装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
ROM116には、上記PC118からの操作入力信号に対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、ラベル作成用又は情報送受用の無線タグ回路素子Toに対する問いかけ信号や書き込み信号などのアクセス情報を生成して送信回路306(後述)に出力する送信プログラム、受信回路307(後述)から入力された応答信号などを処理する受信プログラム、その他無線タグ情報通信装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データや、情報読み取り(取得)又は情報書き込みが行われた情報送受用無線タグ回路素子To(前述)のタグ識別情報(タグID)等が記憶される。
入出力インターフェース113には、上記PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、上記搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッターモータ129を駆動するためのハーフカッターモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ラベル作成用アンテナLC1及び情報送受用アンテナLC2を介してラベル作成用又は情報送受用無線タグ回路素子Toにアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調して質問波を出力する送信回路306と、ラベル作成用又は情報送受用無線タグ回路素子Toから上記ラベル作成用アンテナLC1や情報送受用アンテナLC2を介して受信された応答波(応答信号)の復調を行い、上記制御回路110に出力する受信回路307と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127と、上記カートリッジ7の装着状態を検出する上記カートリッジセンサ81と、上記カッター駆動ボタン16と、上記LED91と、上記モニタ92と、上記第1フォトセンサ72と、上記第2フォトセンサ62と、上記プッシュスイッチ68とが接続されている。
また、上記送信回路306及び受信回路307は、アンテナ共用器240及び切替回路86を介してラベル作成用アンテナLC1及び情報送受用アンテナLC2に接続されている。切替回路86は、制御回路110からの制御信号に基づき、上記アンテナ共用器240をラベル作成用アンテナLC1又は情報送受用アンテナLC2に接続するように切り替える。具体的には、制御回路110は、処理モードとしてラベル作成処理モードが選択されているときは、アンテナ共用器240とラベル作成用アンテナLC1とを接続し、処理モードとして外部通信処理モードが選択されているときは、アンテナ共用器240と情報送受用アンテナLC2とを接続するように、上記切替回路86を制御する。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行い質問波を出力するとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
図8に、上記ラベル作成用又は情報送受用無線タグ回路素子Toの機能的構成を示す。
図8において、ラベル作成用又は情報送受用無線タグ回路素子Toは、無線タグ情報通信装置1側のラベル作成用アンテナLC1又は情報送受用アンテナLC2と非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された質問波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記メモリ部157、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部156は、ループアンテナ152により受信された上記無線タグ情報通信装置1のラベル作成用アンテナLC1又は情報送受用アンテナLC2からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部155からの返信信号を変調し、ループアンテナ152より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部156は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部155にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部155に供給する。
制御部155は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により上記ループアンテナ152から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図9に、上述のような構成である無線タグ情報通信装置1によりラベル作成用無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を示す。また図10(a)に、図9中XA−XA′断面による横断面、及び図9中XB−XB′断面による横断面を示す。
これら図9及び図10において、無線タグラベルTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含むラベル作成用無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面にラベル作成用無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。
上記のような基本構成である無線タグ情報通信装置1においては、動作モードとして、待機モード及びラベル作成処理モード(これら2つが通電解除モードを構成する)と、外部通信処理モード(通電処理モードを構成する)とがある。ラベル作成処理モードでは、ラベル作成用無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101がテープ送りローラ27で搬送され、ラベル作成用アンテナLC1を介しラベル作成用無線タグ回路素子Toに対し情報送受信が行われ、無線タグラベルTが作成される。一方、外部通信処理モードでは、情報送受用アンテナLC2を介し筐体200の外部に位置する情報送受用無線タグ回路素子Toと情報送受信が行われることで所定の無線タグ情報の読み取り又は書き込みが行われる。
ここで、無線タグ情報通信装置1に(電源ボタン14の操作により)電源を投入した後の通常時においては、待機モードとなっている。そして、この待機モードにおいて、上記PC118から無線タグラベルTを作成するよう指示信号が入力されることによりラベル作成処理モードへ移行する。また、待機モードにおいて所定の条件(後述する各種センサの検出条件など)を満たした場合には、外部通信処理モードへ移行するように切り替えられる。
図11に、上記制御回路110によって実行される制御手順を示す。図11において、電源ボタン14の操作により無線タグ情報通信装置1に電源が投入されるとこのフローが開始される(待機モード)。
まずステップS5で、通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して上記PC118から無線タグラベルTを作成するよう指示する信号が入力されたか否かを判定する。
無線タグラベルTを作成する指示信号が入力されている場合、判定が満たされ、ステップS100のラベル作成処理モードへ移行し、このラベル作成処理モードの実行が終了したら、このフローを終了する。
一方、無線タグラベルTを作成する指示信号が入力されていない場合、判定が満たされず、ステップS10へ移る。
ステップS10では、第1フォトセンサ72(図中では第1PSと略記)が光を検出しておらず(つまり上記遮光検出信号がON信号)、かつ第2フォトセンサ62(図中では第2PSと略記)が光を検出している(つまり上記遮光検出信号がOFF信号)状態となっているか否かを判定する。
第1フォトセンサ72が光を検出しておらず、なおかつ第2フォトセンサ62が光を検出している場合、判定が満たされる。すなわち、第2フォトセンサでは光が検出されているものの、それから離間している情報送受用通信部61(第1フォトセンサ72を含む)の周囲では無線タグラベルTuが貼付された物品Mによって遮光されている状態(図3参照)となっている(つまり操作者によって当該無線タグラベルTuに対して情報の読み取り又は書き込みを行う外部通信処理モードが要求されている)とみなされ、ステップS200の外部通信処理モードへ移行する。この外部通信処理モードの実行が終了したら、このフローを終了する。
また一方、上記ステップS10の判定において、第1フォトセンサ72が光を検出しているか、若しくは、第2フォトセンサ62が光を検出していない場合、判定は満たされない。すなわち、操作者が無線タグラベルTuをかかげて遮光し外部通信処理モードを要求する状態となっていないものとみなされ、ステップS5へ戻り同様の手順を繰り返す。
以上のフローを行うことにより、ラベル作成処理モードへの移行判定であるステップS5と、外部通信処理モードへの移行判定であるステップS10とを繰り返して待機する待機モードから、PC118の指示入力によりラベル作成処理モードへ移行し、2つのフォトセンサの検出結果に基づき外部通信処理モードへ移行する制御が実現できる。
図12に、上述したステップS100のラベル作成処理モードにおいて実行される詳細手順を示す。なお、この図12のフローは、上述したように、PC118による無線タグ情報通信装置1に対する操作者の指示により動作開始する。
図12において、まずステップS103で、切替回路86に切替制御信号を出力し、アンテナ共用器240とラベル作成用アンテナLC1とを接続させる(図7の「a」で示す切替位置)。
次にステップS105へ移り、上記PC118からの操作信号に基づき、印刷データやラベル作成用無線タグ回路素子Toとの通信データ(書き込みデータ)、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定等を行う準備処理を実行する。この準備処理に必要な情報をPC118より操作・編集入力して行うことで、利便性を向上することができる。
次に、ステップS110において、ラベル作成用アンテナLC1からラベル作成用無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、ラベル作成用無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nを0に初期化設定する(後述の図14参照)。
その後、ステップS115に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ119の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済みタグラベル用テープ109として形成され搬送される。
その後、ステップS120において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、基材テープ101の上記識別子PMが検出されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別子PMが検出されたら、判定が満たされて次のステップS125に移る。
識別子PMが検出されない(言い換えればカバーフィルム103が印刷開始位置まで到達していない)ときは、識別子PMが検出されるまで検出を繰り返す。
ステップS125では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置されたラベル作成用無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS105で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS130において、印字済みタグラベル用テープ109が先のステップS105で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカットユニット35のハーフカッタ34が前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。
印字済みタグラベル用テープ109が前ハーフカット位置に到達していないときは判定が満たされず、到達が検知されるまで当該ステップS130を繰り返す。
一方、印字済みタグラベル用テープ109が前ハーフカット位置に到達したら、ステップS130の判定が満たされて次のステップS135に移る。
ステップS135では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済みタグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS105で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカットユニット35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS140で、入出力インターフェース113を介しハーフカッターモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッターモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
そして、ステップS145に移り、上記ステップS115と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS125と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS150において、搬送される印字済みタグラベル用テープ109が所定値(例えば、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされたラベル作成用無線タグ回路素子Toがラベル作成用アンテナLC1に到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、上記ステップS130と同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。
印字済みタグラベル用テープ109が所定値搬送されていないときは、判定が満たされず、所定値搬送が検知されるまで当該ステップS150を繰り返す。
一方、印字済みタグラベル用テープ109が所定値搬送されたら、ステップS150の判定が満たされ、次のステップS300に移る。
次のステップS300では、タグアクセス処理を行う。すなわち、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの通信位置(ラベル作成用無線タグ回路素子Toがラベル作成用アンテナLC1と正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う(後述の図13参照)。
以上のようにしてステップS300が終了したら、ステップS155に移る(なおこの時点でステップS200において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)。ステップS155では、印字済みタグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS105で設定したフルカット位置に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS160に移る。
ステップS160では、上記ステップS135と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS105で設定したフルカット位置に切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS165において、カッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済みタグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線を形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS170に移り、入出力インターフェース113を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS165でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11から装置外へと排出し、このフローを終了する。
図13に、上述したステップS300のタグアクセス処理の詳細手順を示す。
まずステップS310において、印字済みタグラベル用テープ109が前述したラベル作成用アンテナLC1との通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述した図12のステップS130と同様、例えば、上記ステップS120において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。
印字済みタグラベル用テープ109が通信位置に到達していないときは、判定が満たされず、通信位置に到達するまで当該ステップS310を繰り返す。
一方、印字済みタグラベル用テープ109が通信位置に到達したら、ステップS310の判定が満たされて次のステップS320に移る。
ステップS320では、上記ステップS135と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、ラベル作成用無線タグ回路素子Toにラベル作成用アンテナLC1が略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
続いて、ステップS400において、ラベル作成用アンテナLC1とラベル作成用無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、ラベル作成用無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図12の上記ステップS105で作成した情報を書き込む(又はIC回路部151に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(後述の図14参照)。
その後、ステップS340に移り、図12のステップS145と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS350に移り、印字済みタグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(図12中ステップS105で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS120において識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、印刷終了位置に到達したら判定が満たされて次のステップS360に移る。
ステップS360では、図12のステップS135と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
その後、ステップS370に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う。以上によりこのルーチンを終了する。
図14に、上述したステップS400の詳細手順を示す。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書き込みを例にとって説明する。
図14において、まずステップS405で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、タグID読み取りコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの記憶されたタグIDを取得するための質問波(この例では問合せ信号としての上記タグID読取コマンド信号)を生成する。そして、このタグID読み取りコマンド信号を、ラベル作成用アンテナLC1を介して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
その後、ステップS415において、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)をラベル作成用アンテナLC1を介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該ラベル作成用無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Writeコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に所望のデータを書き込むための質問波(この例では上記Writeコマンド信号)を生成する。そして、このwriteコマンド信号を、ラベル作成用アンテナLC1を介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS445において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、Readコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータを読み出すための質問波(この例では上記Readコマンド信号)を生成する。そして、このReadコマンド信号をラベル作成用アンテナLC1を介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後ステップS450において、上記Read コマンド信号に対応して書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をラベル作成用アンテナLC1を介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
正常に記憶されていない場合は判定が満たされず、ステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS455において正常に記憶が行われていた場合、判定が満たされ、ステップS470に移る。ステップS470では、送信回路306に制御信号を出力し、ロックコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS415にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータの上書きを禁止するための質問波(この例では上記ロックコマンド信号)を生成する。そして、このロックコマンド信号を、ラベル作成用アンテナLC1を介して情報書き込み対象のラベル作成用無線タグ回路素子Toに送信し、当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とするラベル作成用無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが完了する。
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440でラベル作成用無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させる。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
なお、上記図14では、ラベル作成用無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合に対応し、情報送受信処理として情報書き込みを行う場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用のラベル作成用無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合にも適用でき、この場合は情報送受信処理として情報読み取りを行えばよい。
図15に、上述したステップS200の外部通信処理モードにおいて実行される処理の詳細手順を示す。なお、この図15のフローは、上述したように、第1フォトセンサ72と第2フォトセンサ62の検出結果が所定の組み合わせ(第1フォトセンサ72が光非検出、第2フォトセンサ62が光検出)となった際に動作開始する。
図15において、まずステップS205で、切替回路86に切替制御信号を出力し、アンテナ共用器240と情報送受用アンテナLC2とを接続させる(図7の「b」で示す切替位置)。
次にステップS210へ移り、プッシュスイッチ68がON状態となっているか否かを判定する。プッシュスイッチ68がON状態となっている場合、つまり無線タグ情報通信装置1が図3を用いて前述した横置きの姿勢となっている場合、判定が満たされる。すなわち、情報送受信用アンテナLC2がその時点での筐体200の上方に位置している(図3の状態)ことに対応して(後述のように本実施形態では、この場合、情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報の読み取りと書き込みの両方を許容する)、次のステップS215へ移る。
ステップS215では、操作者がPC118を介し無線タグラベルTuの情報送受用無線タグ回路素子Toに対して情報読み取りを行うよう指示したか否か(入出力インターフェース及び通信ネットワークNWを介してPC118に問い合わせてもよい)を判定する。読み取りを行うよう指示されていた場合、判定が満たされ、ステップS500の読み取り処理(後述の図16参照)を行い、このフローを終了する。一方、操作者からのPC118を介した指示内容が読み取りでなかった場合、判定が満たされず、ステップS220へ移る。
ステップS220では、操作者がPC118を介し無線タグラベルTuの情報送受用無線タグ回路素子Toに対して情報書き込みを行うよう指示したか否か(上記同様、入出力インターフェース及び通信ネットワークNWを介してPC118に問い合わせてもよい)を判定する。書き込みを行うよう指示されていた場合、判定が満たされ、ステップS600の書き込み処理(後述の図17参照)を行い、このフローを終了する。一方、指示内容が書き込みでなかった場合、ステップS220の判定が満たされず、このままこのフローを終了する。
また一方、上記ステップS210の判定において、プッシュスイッチ68がOFF状態となっている場合、つまり無線タグ情報通信装置1が縦置きの姿勢となっている場合は、判定が満たされない。すなわち、情報送受信用アンテナLC2がその時点での筐体の側方に位置している(図2の状態)ことに対応して(後述のように本実施形態では、この場合、情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報の読み取りのみを許容する)、次のステップS225へ移る。
ステップS225では、ステップS215と同様、操作者がPC118を介し無線タグラベルTuの情報送受用無線タグ回路素子Toに対して情報読み取りを行うよう指示したか否か(入出力インターフェース及び通信ネットワークNWを介してPC118に問い合わせてもよい)を判定する。読み取りを行うよう指示されていた場合、判定が満たされ、ステップS500の読み取り処理(後述の図16参照)を行い、このフローを終了する。一方、PC118の指示内容が読み取りでない場合、判定が満たされず、そのままこのフローを終了する。
以上のフローを行うことにより、プッシュスイッチ68がON状態となっている場合、つまり無線タグ情報通信装置1が横置きの姿勢となっている場合には、情報送受用アンテナLC2を介して情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報の読み取りと書き込みを行える読み書きモードとして機能し、PC118における指示に応じて読み取り処理と書き込み処理とが選択的に切り替えられる。また、プッシュスイッチ68がOFF状態となっている場合、つまり無線タグ情報通信装置1が縦置きの姿勢となっている場合には、情報送受用アンテナLC2を介して情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報の読み取りのみが行える読み取りモードとして機能し、PC118における指示に応じて読み取り処理が行われる。
図16に、上記図15におけるステップS500の読み取り処理の詳細手順を示す。
図16において、まずステップS520で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306に制御信号を出力し、タグID読み取りコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ラベル作成用無線タグ回路素子Toの記憶されたタグIDを取得するための質問波(この例では問合せ信号としての上記タグID読取コマンド信号)を生成する。そして、このタグID読み取りコマンド信号を、情報送受用アンテナLC2を介して読み取り対象である情報送受用無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後、ステップS530において、上記タグID読取コマンド信号に対応して読み取り対象の情報送受用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグIDを含む)を情報送受用アンテナLC2を介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
そして、ステップS540において、受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
判定が満たされない場合はステップS550に移ってK(通信不調時の再試行回数をカウントするための変数であり、当初は0に初期化されているる)に1を加える。その後さらにステップS560においてKが予め定められた所定のリトライ回数(この例では5回。それ以外の回数に適宜設定してもよい)となったかどうかを判定する。K≦4の場合は判定が満たされずステップS520に戻り、同様の手順を繰り返す。K=5の場合はステップS570に移り、入出力インターフェース113介しエラー表示信号をモニタ92あるいはLED91に出力して読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、本フローを終了する。
このようにして読み取りが不調でも所定回数(この例では5回)までは再試行が行われ、5回まで不調に終わると読み取り失敗(エラー)表示を行わせる。
一方、ステップS540の判定が満たされた場合、読み取り対象とする情報送受用無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、本フローを終了する。
図17に、上記図15におけるステップS600の書き込み処理の詳細手順を示す。
図17において、このフローは、上記ラベル作成用アンテナLC1を介し行われるタグラベル作成処理の上記ステップS400とほぼ同様の内容となっている。
すなわち、まずステップS605で、上記ステップS405と同様、送信回路306に制御信号を出力し、タグID読み取りコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、情報送受用無線タグ回路素子Toの記憶されたタグIDを取得するための質問波(タグID読取コマンド信号)を生成する。そして、このタグID読み取りコマンド信号を、情報送受用アンテナLC2を介して情報送受用無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、情報送受用無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
その後、ステップS615において、上記ステップS415と同様、上記タグID読取コマンド信号に対応して書き込み対象の情報送受用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号を情報送受用アンテナLC2を介して受信し取り込む。
次に、ステップS620において、上記ステップS420と同様、上記受信したリプライ信号に基づき、当該情報送受用無線タグ回路素子ToのタグIDが正常に読み取れたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS625に移ってMに1を加え、さらにステップS630においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS605に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS635に移り書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。
ステップS620の判定が満たされた場合、ステップS640に移り、上記ステップS440と同様、送信回路306に制御信号を出力し、Writeコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS615にて読み取ったタグIDを指定し当該情報送受用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に所望のデータを書き込むための質問波(この例では上記Writeコマンド信号)を生成する。そして、このwriteコマンド信号を、情報送受用アンテナLC2を介して情報書き込み対象の情報送受用無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS645において、上記ステップS445と同様、送信回路306に制御信号を出力し、Readコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS615にて読み取ったタグIDを指定し当該情報送受用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータを読み出すための質問波(この例では上記Readコマンド信号)を生成する。そして、このReadコマンド信号を情報送受用アンテナLC2を介して情報書き込み対象の情報送受用無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後ステップS650において、上記ステップS450と同様、上記Read コマンド信号に対応して書き込み対象の情報送受用無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号を情報送受用アンテナLC2を介して受信し、受信回路307を介し取り込む。
次に、ステップS655において、上記ステップS455と同様、上記受信したリプライ信号に基づき、当該情報送受用無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
正常に記憶されていない場合は判定が満たされず、ステップS660に移ってNに1を加え、さらにステップS665においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS640に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS635に移り、書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。
ステップS655において正常に記憶が行われていた場合、判定が満たされ、ステップS670に移る。ステップS670では、上記ステップS470と同様、送信回路306に制御信号を出力し、ロックコマンド信号の送信を行う。すなわち、送信回路306が、所定の変調を行うことで、ステップS615にて読み取ったタグIDを指定し当該ラベル作成用無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記録されたデータの上書きを禁止するための質問波(この例では上記ロックコマンド信号)を生成する。そして、このロックコマンド信号を、情報送受用アンテナLC2を介して情報書き込み対象の情報送受用無線タグ回路素子Toに送信し、当該情報送受用無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする情報送受用無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが完了する。そしてこのフローを終了する。
なお、図14のステップS480と同様に、上記ステップS640で情報送受用無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報を(何か別の情報、例えばタグIDと関連づけて)、情報サーバISやルートサーバRSに記憶させるようにしてもよい。
以上において、送信回路306及び受信回路307が、各請求項記載の読み書き制御手段を構成する。また、第1フォトセンサ72及び第2フォトセンサ62と、図11のフローのステップS5及びステップS10の手順とが、通電モード切替手段を構成する。また、プッシュスイッチ68と、図15のフローのステップS210の手順が、通信モード切替手段を構成する。
以上説明した本実施形態においては、ラベル作成用アンテナLC1及び情報送受用アンテナLC2を用いてラベル作成処理と外部通信処理とを実行可能である。ラベル作成処理の実行時にあっては、ラベル作成用無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を含む印字済みタグラベル用テープ109がテープ送りローラ駆動軸108で搬送される。そして、ラベル作成用アンテナLC1を介しそのラベル作成用無線タグ回路素子に対し情報送受信が行われ、読み書きが終了したラベル作成用無線タグ回路素子Toを備えた印字済みタグラベル用テープ109を用いて、無線タグラベルTが作成される。
一方、外部通信処理の実行時にあっては、情報送受用アンテナLC2を介し、装置外部に位置する情報送受用無線タグ回路素子Toに対し情報送受信が行われ、所定の情報が読み取られる(又は所定の情報が書き込まれる)。
このようにして、1つの無線タグ通信装置1を用いて無線タグラベルTの作成処理と装置外部の無線タグ回路素子Toに対する外部通信処理との両方を行うことができる。この結果、ラベル作成装置と無線タグ情報通信装置との両方を別々にそろえる場合に比べ、機器構成の簡素化及び利用者のコスト負担の低減を図ることができる。
また、筐体200外部の情報送受用無線タグ回路素子Toに対する外部通信処理は、操作者が情報送受用無線タグ回路素子Toを添付、貼り付け等した対象物(上記の例では物品M)を情報送受用ループアンテナLC2の通信距離範囲内に近接させて行うため、比較的大きな電力が必要となる場合が多い。そこで、本実施形態では特に、情報送受用無線タグ回路素子Toに対する情報読み取り又は情報書き込み実行の通電開始のための通電処理モード(外部通信処理モード)と、この通電を解除する通電解除モード(待機モード又はラベル作成処理モード)とを切替可能としている。これにより、ラベル作成処理と外部通信処理の両方の機能を備える無線タグ情報通信装置1において、操作者が外部通信処理を行う場合にのみ図11のステップS200において外部通信処理モードにして通電を行う一方、外部通信処理を行わない場合には待機モード又は上記ステップS100においてラベル作成処理モードにし、外部通信処理のための通電を行わないようにすることができる。これにより、このような通電と通電解除との切り替えを行わない場合に比べ、電力消費を低減し省エネルギ化を図ることができる。また、無駄な外部通信処理動作を防止することで本来意図しない誤検知を防止できる効果もある。
このとき特に、最初は通電を解除して待ち状態で待機するとともに、指示信号の入力があればステップS5よりステップS100のラベル作成処理モードに移行するようにする。これにより、電力消費を低減して省エネルギ化を図れるとともに、ラベル作成指示信号の入力に応じて速やかにラベル作成処理を実行することができる。
また、本実施形態では特に、第1フォトセンサ72を設け、この検出結果に基づきステップS10で外部通信処理モードへ移行するかどうかを切り替える構成である。これにより、操作者が外部通信処理に伴い情報送受用無線タグ回路素子Toを添付、貼り付け等した対象物(物品M)を第1フォトセンサ72に近づけたかどうかに応じ、その挙動を光学的に検出して、通電と通電解除との切り替えを行うことができる。
また、本実施形態では特に、図11のステップS10において、第1フォトセンサ72のみならず第2フォトセンサ62の検出結果を加味してモード切替を行う。すなわち、第1フォトセンサ72が光を検出しておらず、なおかつ第2フォトセンサ62が光を検出している場合のみステップS200で外部通信処理モードへ移行する。これにより、情報送受用無線タグ回路素子Toを添付、貼り付け等した物品Mを近づけたことによる遮光状態を、それ以外の遮光状態(設置箇所の室内灯を消した等)と混同し誤検出を行うのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では特に、図15に示したように、情報送受用無線タグ回路素子Toに対する情報読み取り及び情報書き込みの両方を行う読み書きモードと、情報読み取りのみを行う読み取りモードとを切替可能である。これにより、操作者が外部通信処理を行うときの使用態様や求める特性等に応じて最適なモードを選択して使うことができる。特に、情報読み取りモードでは、情報読み取りのみを行え情報書き込みを行えないようにすることで、情報送受用無線タグ回路素子ToのIC回路部151に既に書き込まれた情報が誤って変更されたり消去されるのを確実に防止することができる。以上の結果、操作者の利便性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、操作者が装置本体2の姿勢を変化させたかどうかに応じてモードが切り替わり、筐体200の上面側に情報送受用アンテナLC2が位置する姿勢では読み書きモードに切り替えられ、筐体200の側面側に情報送受用アンテナLC2が位置する姿勢となったとき、読み取りモードに切り替えられる。これには、以下のような意義がある。
すなわち、外部通信処理の実行時、情報送受用アンテナLC2が筐体200上面側に位置している場合には操作者がアンテナの存在を認識しやすいので、情報送受用無線タグ回路素子ToのIC回路部151に既に書き込まれた情報を誤って変更したり消去する等の意図しない誤操作の可能性は低い。したがって、読み書きモードへ切り替えることで、情報送受用無線タグ回路素子Toに対し、情報読み取りと情報書き込みとの両方を確実に行うことができる。一方、外部通信処理の実行時、情報送受用アンテナLC2が筐体200側面側に位置している場合には操作者がアンテナの存在を認識しにくい。したがって、読み取りモードへ切り替えることで、情報送受用無線タグ回路素子Toに対し、情報読み取りのみを行え情報書き込みは行えないようにする。これにより、情報送受用無線タグ回路素子ToのIC回路部151に既に書き込まれた情報を誤って変更したり消去する等、意図しない誤操作を確実になくすことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)装置本体の一部の姿勢変化に応じてモード切り替えを行う場合
すなわち、装置本体2の一部の姿勢を変化可能とし、これに応じてモード切り替えを行うようにした変形例である。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図18に、本変形例による無線タグ情報通信装置1の外観構成を示す。図18において、本変形例の無線タグ情報通信装置1の装置本体2は、筐体200の一部(一方の側面部)が、情報送受用通信部96となっている。この情報送受用通信部96は、矢印Cのように回動開閉できるように側面部に組み付けられた回動パネル(回動部)97を備えており、この回動パネル97に上記情報送受用アンテナLC2、上記第1フォトセンサ72、及び上記プッシュスイッチ68が設けられている。
本変形例のプッシュスイッチ68は、回動パネル97を開くことで押し込まれた状態から凸出してON状態となり、回動パネル97を閉じることで筐体200により押しこまれOFF状態となるものである。本変形例においても、上記実施形態と同様、図11のステップS10において、第1フォトセンサ72の遮光検出信号の出力、第2フォトセンサ62の遮光検出信号の非出力が重畳することを条件に外部通信処理モードへ切り替えを行う。また図15のステップS210においては、プッシュスイッチ68がON状態であるかどうかに応じて、ステップS225以降の読み取りモードかステップS215以降の読み書きモードかを切り替える。
以上のような変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、外部通信処理機能を用いない際に回動パネル97を閉じることで情報送受用アンテナLC2を装置本体2の内部に納めることができ、外部通信処理機能時以外について装置本体2のコンパクト化を図れるという効果もある。
(2)その他
以上においては、第2光学検出手段である第2フォトセンサ62を設け、この第2フォトセンサ62を用いることで、誤って外部通信処理モードが切り替えられ無駄な通電が発生するのを防止するようにしていた(図11のステップS10参照)が、こうした構成はより一層の省エネ化に有効であるものの、必ずしも必要でない。すなわち、第2フォトセンサ62を省略し、上記ステップS10において第1フォトセンサ72の検出信号のみに基づき外部通信処理モードへの切り替えを実行するようにしてもよい。
また、上記では、第1フォトセンサ72の検出結果や第2フォトセンサ62の検出結果に基づき外部通信処理モードへ切り替えを行い(通電モード切替手段の一部として機能していた)、外部通信処理モードへの移行後にプッシュスイッチ68のON・OFFによって読み書きモード又は読み取りモードへの切り替えを行った(通信モード切替手段の一部として機能していた)が、これに限られない。すなわち、プッシュスイッチ68を通電モード切替手段の一部として機能させ、そのON・OFFにも基づいて通電処理モード(外部通信処理モード)か通電解除モード(ラベル作成処理モード又は待機モード)かを切り替えるようにしてもよい。逆に、第1フォトセンサ72や第2フォトセンサ62を通信モード切替手段の一部として機能させ、それらの検出結果に基づき、読み書きモードか読み取りモードかを切り替えるようにしてもよい。
さらには、情報送受用無線タグ回路素子Toの近接状態を第1フォトセンサ72で光学的に検出したが、これに代えて、例えば磁気的に検出するセンサを用いてもよい。
また、以上においては、ラベル作成処理において、ラベル作成用無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られない。すなわち、被印字層(例えば熱により発色し印字形成可能な感熱材料からなる感熱層、又はインクリボンからの熱転写により印字形成可能な被転写材料により構成された被転写層、若しくはインクを塗布することで印字形成可能な受像材料により構成された受像層等)を備えたタグテープ(タグ媒体、ラベル媒体)を用いて当該被印字層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、ラベル作成用無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うとともに、印字ヘッド23によってそのラベル作成用無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。