JP2007334535A - 無線タグ情報通信装置及びアンテナモジュールユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】操作者の労力負担を増大させることなく、無線タグ回路素子に対応した通信パラメータを用いて確実な通信を行える無線タグ情報通信装置及びアンテナモジュールユニットを提供する。
【解決手段】情報を記憶するIC回路部151と情報の送受信を行うアンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを設けた基材テープ101を供給可能に収納したカートリッジ7を着脱可能なカートリッジホルダ6と、基材テープ101を搬送するためのテープ送りローラ27と、複数種類の通信パラメータを選択的に用いて無線通信により無線タグ回路素子Toと情報送受信を行うループアンテナLC又はパッチアンテナPAを備えたアンテナユニット9を着脱可能な係合部201と、この係合部201へのアンテナユニット9の装着時に、複数種類の通信パラメータのうちいずれか1つを通信時に使用するために選択設定する制御回路110とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】情報を記憶するIC回路部151と情報の送受信を行うアンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを設けた基材テープ101を供給可能に収納したカートリッジ7を着脱可能なカートリッジホルダ6と、基材テープ101を搬送するためのテープ送りローラ27と、複数種類の通信パラメータを選択的に用いて無線通信により無線タグ回路素子Toと情報送受信を行うループアンテナLC又はパッチアンテナPAを備えたアンテナユニット9を着脱可能な係合部201と、この係合部201へのアンテナユニット9の装着時に、複数種類の通信パラメータのうちいずれか1つを通信時に使用するために選択設定する制御回路110とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、外部と情報の無線通信を行う無線タグ回路素子と通信を行う無線タグ情報通信装置及びアンテナモジュールユニットに関する。
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが、既に種々の分野において実用化されている。例えばラベル状又はカード状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備え、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)を行うことができる。
例えば、このような無線タグ情報通信装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、所定間隔で長方形状のラベル(RFIDラベル)が貼り付けられた帯状のタグテープ(RFIDラベル連続体)がタグテープロール(ラベル供給部)から繰り出され、搬送路を搬送される際に、各ラベル片に内蔵された無線タグ回路素子のアンテナに対し、装置側で生成した所定の無線タグ情報がリーダ/ライタ(RFIDデータ書込み読取り部)から送信され、アンテナに接続されたIC回路部(ICチップ)に順次書き込まれるとともに、印字手段(サーマルヘッド)によって、上記書き込まれた無線タグ情報に対応した印字情報がラベル表面に印字されて、無線タグラベルが完成するようになっている。
上記従来技術においては、無線タグ情報通信装置側に設けるリーダ/ライタを装置本体に着脱可能なユニット化(カセット化)することにより、種類の異なるタグテープロールを交換して用いるときにも、各タグテープロールのタグテープに対応した(言い換えれば無線タグ回路素子に対応した)コントローラ及びアンテナを備えたリーダ/ライタを装着して用いることができるようになっている。
しかしながら、上記従来技術においては、各タグテープに応じた種々のリーダ/ライタを着脱して用いることができるものの、タグテープに備えられた無線タグ回路素子に対し最適な通信パラメータ(通信周波数、通信プロトコル、通信速度、送信電力等)を使用するリーダライタを操作者がその都度交換装着して用いなければならず、労力負担が大きかった。
また、これを回避するために、予め複数の通信パラメータを切り替えて使用可能な機能をもつリーダ/ライタを装着したとしても、当該リーダ/ライタを装着後、上記複数の通信パラメータのうち無線タグ回路素子に対応してどれを使用するかを操作者が別途操作設定する必要があり、その設定のための労力負担の増大は免れなかった。
本発明の目的は、操作者の労力負担を増大させることなく、無線タグ回路素子に対応した通信パラメータを用いて確実な通信を行える無線タグ情報通信装置及びアンテナモジュールユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を設けたタグ媒体を供給可能に収納した無線タグ回路素子収容体を着脱可能な収容体ホルダと、前記タグ媒体を搬送するための搬送手段と、複数種類の通信パラメータを選択的に用いて無線通信により前記無線タグ回路素子と情報送受信を行うユニット側アンテナを備えたアンテナモジュールユニットを着脱可能なユニットホルダと、このユニットホルダへの前記アンテナモジュールユニットの装着時に、前記複数種類の通信パラメータのうちいずれか1つを通信時に使用するために選択設定する通信設定手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明においては、ユニットホルダにアンテナモジュールユニットが装着され、収容体ホルダに無線タグ回路素子収容体が装着されると、無線タグ回路素子収容体から搬送手段によりタグ媒体が供給されて搬送され、そのタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対しアンテナモジュールユニットのユニット側アンテナから無線通信により情報送受信が行われる。
このとき、アンテナモジュールユニットは、上記無線タグ回路素子との通信に複数種類の通信パラメータを選択的に使用可能となっている。これにより、通信パラメータごとに複数のアンテナモジュールユニットを用意しその都度交換して使用する必要がなくなる。またその際、アンテナモジュールユニットの装着時に上記複数種類の通信パラメータのうちいずれを使用するかが通信設定手段によって自動的に選択設定される。これにより、操作時にいずれの通信パラメータを用いるのかを操作者がいちいち操作設定する必要がなくなる。以上の結果、操作者の操作時における労力を低減し、利便性を向上し、失敗をなくすことができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記収容体ホルダは、前記無線タグ回路素子収容体として前記カートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであることを特徴とする。
タグ媒体を収納した無線タグ回路素子収容体をカートリッジ化することにより、ホルダに対しさらに容易に着脱可能となるので、タグ媒体を消費し尽くして新規な無線タグ回路素子収容体に交換する際、その取り扱い性を向上することができる。また、複数の異なる種類の無線タグ回路素子収容体を着脱可能となるので複数の異なる無線タグを簡単に作成することができる。
第3の発明は、上記第2発明において、前記アンテナモジュールユニットの前記ユニット側アンテナは、前記複数種類の通信パラメータにそれぞれ対応して、複数種類設けられているか、若しくは、複数種類のアンテナ機能を実現可能に構成されており、前記通信設定手段は、前記ユニットホルダに設けられ、前記アンテナモジュールユニットの装着向きに応じて、前記複数種類の前記ユニット側アンテナ又は前記複数種類のアンテナ機能のうち、対応するものを選択して電気的に導通させる選択導通手段を備えることを特徴とする。
操作者がアンテナモジュールユニットをユニットホルダに装着した際、どのような向きで装着したかによって、選択導通手段で複数種類のうちの1つのユニット側アンテナ(又は複数種類のアンテナ機能のうち1つの機能)が選択され、そのアンテナに対して電気的に導通が行われる。このようにして、アンテナモジュールユニット装着時における導通選択を利用し、操作者による通信パラメータ操作設定の手間をなくすことができる。
第4の発明は、上記第2発明において、前記ユニットホルダに装着されたアンテナモジュールユニットの装着態様に応じて、当該アンテナモジュールユニットに備えられ前記無線タグ回路素子の前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするための複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段から対応するコマンド情報を選択的に出力させるための第1指示信号を出力する第1指示信号出力手段を有することを特徴とする。
操作者がアンテナモジュールユニットをユニットホルダに装着した際、どのような態様で装着したかによって、第1指示信号出力手段で第1指示信号が出力される。これにより、第1指示信号を入力したアンテナモジュールユニットの情報生成手段では、複数のコマンド情報のうち対応する1つのコマンド情報を選択的に出力する。このようにして、アンテナモジュールユニット装着態様に対応づけてアンテナモジュールユニットでのコマンド情報生成が制御されることで、操作者による通信パラメータ操作設定の手間をなくすことができる。
第5の発明は、上記第4発明において、前記アンテナモジュールユニットの装着態様を検出するユニット装着検出手段を有し、前記第1指示信号出力手段は、前記ユニット装着検出手段で検出した前記アンテナモジュールユニットの前記装着態様に応じて、前記第1指示信号を出力することを特徴とする。
ユニット装着検出手段で装着態様を検出し、これに応じて第1指示信号出力手段が第1指示信号を出力することで、アンテナモジュールユニット装着態様に対応づけてアンテナモジュールユニットでのコマンド情報生成を制御することができる。
第6の発明は、上記第5発明において、前記無線タグ回路素子カートリッジの前記カートリッジ情報を検出するカートリッジ情報検出手段を有し、前記第1指示信号に対応した前記通信パラメータと、前記カートリッジ情報検出手段で取得した前記カートリッジ情報との整合性を判定する整合判定手段とを有することを特徴とする。
これにより、それぞれ着脱交換可能である無線タグ回路素子カートリッジ及びアンテナモジュールユニットが、互いに共通の通信パラメータに係わるものであるかどうかの整合性についての判定を実行することができる。
第7の発明は、上記第6発明において、前記整合判定手段で所定の整合性が満たされないと判定された場合に、前記無線タグ回路素子カートリッジ若しくは前記アンテナモジュールユニットの交換を要求する表示信号を生成する交換表示信号生成手段を有することを特徴とする。
これにより、無線タグ回路素子カートリッジとアンテナモジュールユニットとの整合性が満たされず、それぞれに係わる通信パラメータが別々のものであった場合に、そのような不整合(不一致)が生じていることと、無線タグ回路素子カートリッジ又はアンテナモジュールユニットのいずれかを交換すべきであることとを、操作者に認識させることができる。
第8の発明は、上記第7発明において、前記整合判定手段で所定の整合性が満たされないと判定された場合に、前記無線タグ回路素子カートリッジの交換を要求する表示信号を生成するユニット優先モードと、前記アンテナモジュールユニットの交換を要求する表示信号を生成するカートリッジ優先モードとのうち、いずれか一方を設定可能なモード設定手段を有することを特徴とする。
これにより、無線タグ回路素子カートリッジとアンテナモジュールユニットとの不整合(不一致)が生じた場合に、装着状態の無線タグ回路素子カートリッジを優先してアンテナモジュールユニット側を交換して整合させるようにするか、装着状態のアンテナモジュールユニットを優先して無線タグ回路素子カートリッジ側を交換して整合させるようにするかを、予め操作者が選択して設定することができる。
第9の発明は、上記第2発明において、前記カートリッジホルダに装着された前記無線タグ回路素子カートリッジのカートリッジ情報に応じて、前記アンテナモジュールユニットに備えられ前記無線タグ回路素子の前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするための複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段から対応するコマンド情報を選択的に出力させるための第2指示信号を出力する第2指示信号出力手段を有することを特徴とする。
操作者が無線タグ回路素子カートリッジをカートリッジホルダに装着した際、どのカートリッジを装着したかによって、第2指示信号出力手段で第2指示信号が出力される。これにより、第2指示信号を入力したアンテナモジュールユニットの情報生成手段では、複数のコマンド情報のうち対応する1つのコマンド情報を選択的に出力する。このようにして、装着した無線タグ回路素子カートリッジの種類に対応づけてアンテナモジュールユニットでのコマンド情報生成が制御されることで、操作者による通信パラメータ操作設定の手間をなくすことができる。
第10の発明は、上記第9発明において、前記無線タグ回路素子カートリッジの前記カートリッジ情報を検出するカートリッジ情報検出手段を有し、前記第2指示信号出力手段は、前記カートリッジ情報検出手段で検出した前記カートリッジ情報に応じて、前記第2指示信号を出力することを特徴とする。
カートリッジ情報検出手段でカートリッジ種類を検出し、これに応じて第2指示信号出力手段が第2指示信号を出力することで、カートリッジ種類に対応づけてアンテナモジュールユニットでのコマンド情報生成を制御することができる。
第11の発明は、上記第10発明において、前記カートリッジ情報検出手段は、前記カートリッジホルダに装着された前記無線タグ回路素子カートリッジの交換時又は装置電源投入時に、前記カートリッジ情報を検出することを特徴とする。
装置電源投入時やカートリッジ交換時にカートリッジ情報を検出することにより、必要最小限のタイミングでかつ確実に漏れなく装着されたカートリッジ種類を検出することができる。
第12の発明は、上記第2乃至第11発明のいずれかにおいて、前記通信設定手段は、前記通信パラメータとして、通信周波数又は通信プロトコルを選択設定することを特徴とする。
これにより、通信周波数や通信プロトコルを複数種類備え選択的に使用可能なアンテナモジュールユニットを用いる場合に、各周波数・プロトコルごとにアンテナモジュールを用意しその都度交換して使用する必要がなくなり、また操作時にいずれの周波数・プロトコルを用いるのかを操作者がいちいち操作設定する必要がなくなって、操作労力を低減し利便性を向上することができる。
第13の発明は、上記第2乃至第12発明のいずれかにおいて、前記カートリッジホルダは、前記無線タグ回路素子を備えない通常ラベル用のラベル媒体を連続的に供給可能に収納した通常ラベル用カートリッジを着脱可能であり、この通常ラベル用カートリッジが前記カートリッジホルダに装着された場合には、前記ユニットホルダに装着された前記アンテナモジュールユニットによる前記情報送受信を無効化することを特徴とする。
これにより、無線通信を行う必要のない通常ラベル作成時において、アンテナモジュールユニットにより無駄な無線通信が行われるのを防止することができる。
上記目的を達成するために、第14の発明は、無線タグ情報通信装置のユニットホルダに着脱可能に設けられるアンテナモジュールユニットであって、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報送受信を行うユニット側アンテナと、このユニット側アンテナを介して前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするために、複数種類の通信パラメータをそれぞれ用いて複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段とを有することを特徴とする。
アンテナモジュールユニットを無線タグ情報通信装置のユニットホルダに装着すると、無線タグ情報通信装置において搬送されるタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し、ユニット側アンテナから無線通信により情報送受信が行われる。このとき、本願第14発明のアンテナモジュールユニットは情報生成手段を備えており、この情報生成手段が上記無線タグ回路素子との通信において複数種類の通信パラメータを選択的に使用しコマンド情報を生成可能となっているので、操作者は、通信パラメータごとに複数のアンテナモジュールユニットを用意しその都度交換して使用する必要がない。またこの際、いずれの通信パラメータを使用するかは情報生成手段で自動的に選択設定されるので、操作者がいちいち操作設定する必要がなくなる。以上の結果、操作者の操作時における労力を低減し、利便性を向上することができる。
第15の発明は、上記第14発明において、前記ユニット側アンテナは、前記無線タグ回路素子との間で磁気誘導により情報の送受を行うループアンテナ、若しくは、一方側にマイクロストリップアンテナ素子を備え他方側に地板を備えたマイクロストリップアンテナであることを特徴とする。
アンテナモジュールユニットのユニットホルダ装着時に、無線タグ情報通信装置において搬送されるタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し、ループアンテナ又はマイクロストリップアンテナから無線通信により情報送受信を行うことができる。
第16の発明は、上記第14又は第15発明において、前記無線タグ情報通信装置からの指示信号に応じて、前記情報生成手段から1つのコマンド情報を選択して前記ユニット側アンテナへ出力するための選択出力手段を有することを特徴とする。
これにより、無線タグ情報通信装置側からの何らかの指示信号に対応して、選択出力手段で複数のうち対応する通信パラメータのコマンド情報を選択して出力し、上記無線タグ回路素子との通信において用いることができる。
本発明によれば、操作者の労力負担を増大させることなく、無線タグ回路素子に対応した通信パラメータを用いて確実な通信を行うことができる。
以下、本発明の無線タグ情報通信装置の一実施形態であるタグラベル作成装置を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。
図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118に接続されてPC118からの操作に基づき所望の印字つき無線タグラベルを作成するものであり、略六面体(略立方体)形状の装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3と、上記装置本体2の筐体200の側部に設けられた係合部(ユニットホルダ)201に対し着脱(係脱)可能に設けられたRFモジュール/アンテナユニット9(以下、単に「アンテナユニット9」と記載)とを有している。上記アンテナユニット9(アンテナモジュールユニット)は、アンテナとしての機能及びRFモジュールとしての機能の両方を合わせもつユニットである(詳細は後述)。
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(詳細は後述)を外部に排出するラベル排出口11(排出口)を備えた側壁10と、この側壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された側蓋12とを備えている。
側蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで側蓋12が前方に開放されるようになっている。また、側壁10のうち上記開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みタグラベル用テープ109(詳細は後述)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
上記アンテナユニット9は筐体202を有しており、この筐体202内には、無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間で無線通信を行うループアンテナLC及びパッチアンテナPA(図2には共に隠れ線で概念的に示す)と、これらループアンテナ(ユニット側アンテナ)LC及びパッチアンテナ(ユニット側アンテナ、マイクロストリップアンテナ)PAを介して無線タグ回路素子Toと情報の送受信を行うための送受信回路306,307等(後述の図14参照)とが設けられている。
上記ループアンテナLCは、タグラベル作成時に、磁気誘導方式(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により13.56MHz(HF)の周波数帯域において無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り及び書き込み)を行う。一方、上記パッチアンテナPAは、一方側にパッチアンテナ素子(図示せず)を備えると共に他方側に地板を備え、マイクロ波方式により2.45GHz(UHF)の周波数帯域において無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り及び書き込み)を行うようになっている。
上記アンテナユニット9の筐体202は、ループアンテナLCとパッチアンテナPAとの間に設けられた例えば金属製のシールド板250を有している。このシールド板250により、ループアンテナLC又はパッチアンテナPAを介して無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う際に、各アンテナが干渉して通信に影響を及ぼすのを抑制できるようになっている。
上記筐体202は、略直方体形状に構成されており、図に示すように上記装置本体2の係合部201が有する凹部204に対し矢印205方向に差し込まれて当該凹部204に嵌合される。これにより、アンテナユニット9が装置本体2に装着されるようになっている。このとき、アンテナユニット9の装着向きにより、複数種類の周波数(本実施形態では13.56MHz(HF)又は2.45GHz(UHF))のうち対応するものを選択して無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行うことができるようになっている。すなわち、図2で示すようにアンテナユニット9をHFに対応した向きで装着すると、無線タグ回路素子Toとの無線通信はループアンテナLCを介して13.56MHz(HF)の周波数帯域で行われる。一方、アンテナユニット9を図2とは逆向きにすなわちUHFに対応した向きで装着すると、無線タグ回路素子Toとの無線通信はパッチアンテナPAを介して2.45GHz(UHF)の周波数帯域で行われる(詳細は後述)。これに対応し、筐体202の一方側の側面(図2中、右手前側の面)202aには、当該装着の際のアンテナユニット9の向きがわかるように表示部241(ここでは「HF」の文字。なお「13.56MHz」のように周波数を表示してもよいし、文字に限らず図柄や記号でもよい)が設けられており、装着時の向きがわかるように便宜が図られている。なお、図示はしないが、筐体202の他方側の側面202bにも同様に表示部(例えば「UHF」の文字)が設けられている。
上記筐体202の側面(図2中、左手前側の面)202cには、2つの識別子206a,206bが設けられ、また反対側の側面(図2中、右奥側の面)202dには1つの識別子206cが設けられている。一方、装置本体2の係合部201が有する凹部204には、上記識別子206a(又は206c),206bに対応する位置に、例えば反射型の公知の光電センサであるマークセンサ(ユニット装着検出手段)236が複数設けられている。これにより、アンテナユニット9がHFに対応した向き(図2に示す装着向き)で装着された場合には、マークセンサ236により1つの識別子206cが検出され、その検出結果が制御回路110(後述)に対し出力される。一方、アンテナユニット9がUHFに対応した向きで装着された場合には、マークセンサ236により2つの識別子206a,206bが検出され、その検出結果が制御回路110(後述)に対し出力される。このようにして、アンテナユニット9の装着向きが検出可能となっている。
装置本体2の上記凹部204の底面204a及びアンテナユニット9の下面202eには、装置本体2とアンテナユニット9とを電気的に接続するためのコネクタ211,212がそれぞれ設けられている。これらコネクタ211,212は、アンテナユニット9を装置本体2に装着した際に接続され、その結果、装置本体2の制御回路110とアンテナユニット9の第1及び第2送受信回路306,307等との間の信号の送受信が行われるようになっている(後述の図14参照)。
なお、以上では特に説明しなかったが、タグラベル作成時(特に無線通信時)におけるアンテナユニット9の脱着を防止するために、例えばアンテナユニット9の装置本体2への装着状態を固定するロック機構を設けてもよい。また、例えばアンテナユニット9を装置本体2に装着した状態でカバーを取り付ける(又は開閉可能なカバーを閉じる)ことにより、アンテナユニット9の脱着防止を図るようにしてもよい。この場合、アンテナユニット9の種類や装着向きを外部より視認できるようにカバーに透視窓を設けるとよい。
図3は、タグラベル作成装置1の内部構造を表す平面図であり、図4は、カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
これら図3及び図4において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ(無線タグ回路素子収容体)7を収納するカートリッジホルダ(収容体ホルダ)6と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、切断機構15と、ハーフカットユニット35(後述の図7等参照)と、生成された無線タグラベルT(後述の図16参照)をラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
上記カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ(タグ媒体)109の印字面が、垂直方向となるようにカートリッジ7を収納する。
カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ(タグ媒体)101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ(搬送手段)27と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中右側)よりその反対側(図4中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うアンテナ152(タグ側アンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図4中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に、搬送制御用の所定の識別子(この例では黒塗りの識別子。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)PM(検出対象部位)が設けられている。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(後述の図14参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。
一方このとき、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図3中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、図3参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール111とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図14参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toの記憶情報に対応したラベル印字R(後述の図16参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられ、アンテナユニット9を装置本体2に装着した際には、これら切断機構15とラベル排出機構22との間に当該アンテナユニット9が挿入される。そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対し、装着されたアンテナユニット9のループアンテナLC又はパッチアンテナPA(図3にはループアンテナLCにより無線通信を行う場合を図示)により無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらにラベル排出機構22によって側壁3a(図2参照)に形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
上記切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42(後述の図7等参照)と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43(後述の図14参照)とを備えている。
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ(搬送手段)51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧し、またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53(図示せず)と、この押圧作動機構部53の押圧解除動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みタグラベル用テープ109を排出するように回転させるための排出駆動機構部54(図示せず)とを備えている。また、ラベル排出機構22は、印字済みタグラベル用テープ109の上記剥離紙101dに設けられた識別マークPMを検出するマークセンサ127(後述の図6等参照)を有している。
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図3参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
図5は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toの概念的構成を表す、図4中矢印D方向から見た概念図である。この図5において、無線タグ回路素子Toは、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記アンテナ152と、これに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成されている。また、剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に、前述した識別マークPMがそれぞれ設けられている。
図6(a)は、ラベル排出機構22の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図であり、図6(b)はマークセンサ127の概念的構成を表す図である。図6(a)において、上記第1案内壁55,56の上下方向途中部が切り欠かれ、一方の第1案内壁55には、上記駆動ローラ51が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして設けられている。なお、駆動ローラ51は、その上面に同心円状の溝により形成されたローラ切り欠き部51Aを有する。一方、他方の第1案内壁56には、押圧ローラ52が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして、押圧作動機構部53の上記ローラ支持部58に支持されている。
また、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側には、上記基材テープ101の剥離紙101dに各無線タグ回路素子の位置に対応して設けた適宜の識別マークPM(図5等参照)を検出可能なマークセンサ127が設けられている。このマークセンサ127は、図6(b)に示すように、例えば発光ダイオードからなる投光器127a及びフォトトランジスタからなる受光器127bから構成される反射型の公知の光電センサである。投光器127aと受光器127bとの間に上記識別マークPMが存在するかどうかに応じて、受光器127bからの制御出力が反転させられるようになっている。なお、マークセンサ127としては、上記反射型に限らず、透過型の光電センサを用いてもよい。
図7は、図3に示した構造からラベル排出機構22及びアンテナユニット9を取り外した状態における内部ユニット20の外観を表す斜視図である。
図7において、上記カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス50が設けられ、このボス50が上記可動刃41の長孔49に挿入されるように構成されている(後述の図8や図9も参照)。また、テープ排出方向に沿って固定刃40及び可動刃41の下流側には、固定刃40及び可動刃41と第1案内壁55,56(図3参照)との間に位置するように、ハーフカットユニット35が取り付けられている。
ハーフカットユニット35は、固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置されるハーフカッタ34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とから構成される(後述の図10も参照)。第1ガイド部36及び第2ガイド部37は一体に構成され、固定刃40の固定孔40Aに対応する位置に設けられたガイド固定部36Aにより固定刃40とともに側板44(図3参照)に取り付けられている。
このとき、ハーフカッタ34を所定の回動支点(図示せず)を中心として回動させるために、ハーフカッタモータ129(図示省略。後述の図14参照)が設けられている。このハーフカッタモータ129を用いたハーフカッタ34の駆動機構は、詳細な図示を省略するが、例えば以下のように構成することができる。すなわち、例えばハーフカッタモータ129を正逆回転可能な電動モータで構成し、ギヤ列(図示せず)を介してピン(同)を備えたクランク部材(同)に接続し、ランク部材の上記ピンが係合するための長溝をハーフカッタ34に穿設しておく。そして、ハーフカッタモータ129の駆動力によりクランク部材を回動させたとき、クランク部材の上記ピンが長溝に沿って移動することにより、ハーフカッタ34を所定の方向(時計回り又は反時計回り)方向に回動させることができる。
受け台38は、テープ排出部30より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部がテープに平行になるように折曲され、受け面38Bを形成している。ここで、印字済みタグラベル用テープ109は、前述のように、カバーフィルム103と、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dからなる4層構造の基材テープ101が貼り合わされることで5層構造となっている(後述の図17も参照)。そして、上記のようにしてハーフカッタモータ129の駆動力を用いて上記ハーフカッタ34を受け面38Bに押し付けることにより、ハーフカッタ34と受け面38Bとの間にある印字済みタグラベル用テープ109は、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cは切断されるが、剥離紙101dのみが切り残されてテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(後述の図16等参照)が形成される。なお、ハーフカッタ34が受け面38Bに接当した後は、例えば前述の構成においてはギヤ列に介装された図示しない滑りクラッチにより、ハーフカッタモータ129に過負荷が生じないように構成することが好ましい。この受け面38Bは、第1案内部55、56とともに印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内する役割も有する。
図8及び図9は、内部ユニット20より上記ハーフカッタ34を除去した、切断機構15の外観を表す斜視図である。
これら図8及び図9において、切断機構15では、カッターモータ43(図14参照)によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により軸孔48を支点として揺動し、印字済みタグラベル用テープ109がカットされるようになっている。
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図8中、左側)に位置する場合においては可動刃41は固定刃40から離れて位置する(以下この状態を初期状態とする。図8参照)。そして、この初期状態においてカッターモータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は軸孔48を中心に反時計回り(矢印73方向)に回動し、内部ユニット20に固定された固定刃40とで印字済みタグラベル用テープ109を切断する(以下この状態を切断状態とする。図9参照)。
このようにして印字済みタグラベル用テープ109を切断して無線タグラベルを生成した後には、次回搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断するために可動刃41を初期状態に戻す必要がある。従って、再びカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42を反時計回り(矢印70方向)に回転させることで、再びボス50が内側に移動するとともに、可動刃41は時計回り(矢印74方向)に回動し、可動刃41を固定刃40から離間させる(図8参照)。そして、次回、カートリッジ7より印字され搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断可能な状態となる。
なおこのとき、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上にはカッターハスバギヤ用カム42Aが設けられ、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりカッターハスバギヤ42に隣接して設けられたマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる。それにより、印字済みタグラベル用テープ109の切断状態が検出されるようになっている。
図10は、上記可動刃41及び固定刃40の詳細構造を上記ハーフカットユニット35ともに表す斜視図であり、図11はその部分拡大断面図である。これら図10及び図11において、固定刃40は、印字機構15内のカートリッジホルダ6の左側において起立状に設けられる側板44(図3参照)に固定孔40Aを通してネジ等により固定されている。
可動刃41は、略V字状をなし、切断部分に設けられた刃部45と刃部45の反対に位置する柄部46と屈曲部47とから構成される。屈曲部47には上記軸孔48が設けられ、この屈曲部47を支点として可動刃41が回動できるように軸孔48にて側板44に支持されている。また、可動刃41の切断部分に設けられた刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面45Aと第2傾斜面45Bの傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
一方、前述のハーフカットユニット35の上記第1ガイド部36のうち、排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部36Bは、上記受け台38の端部に形成された受け面38Bに沿って突出され、且つ印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ折曲されている。従って、第1ガイド部36の端部36Bは、カートリッジ7より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対する接面36Cにおいて印字済みタグラベル用テープ109排出方向に対して滑らかな曲面を有する。
第1ガイド部36の端部36Bを突出させ接面36Cを曲面としたことにより、一定曲率以上にカールした印字済みタグラベル用テープ109の先端部は、先ず第1ガイド部36の接面36Cに当たる。その際に、印字済みタグラベル用テープ109の先端部が第1ガイド部の接面36C上の境界点75より印字済みタグラベル用テープ109の排出方向の下流側(図11中、下方向)に当たった場合には、印字済みタグラベル用テープ109の先端部はその曲面に沿って下流側へ移動することで、固定刃40と第1ガイド部36や受け台38の間に侵入することなく、ラベル排出口11方向へ導くようになっている。
また、第1ガイド部36は、その印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路にあたるガイド幅L1(図10参照)は装着される印字済みタグラベル用テープ109の最大幅(本実施形態では36mm)より大きくなるように形成されるとともに、内部面36Dが接面36Cに連続して形成されている。内部面36Dは、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A,45B(詳細は後述)に対向して形成され、切断時において、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A、45Bの一部が当接される(図11参照)。可動刃41は刃部が2段刃により形成されているので、可動刃41によって印字済みタグラベル用テープ109を切断した際に、第1ガイド部36の端部にあたる接面36C及び内部面36Dと可動刃41の第2傾斜面45Bとの間に間隙39が形成される(図11参照)ようになっている。
図12は上記可動刃41の外観を示す正面図であり、図13は図12中A−A断面による横断面図である。
これら図12及び図13において、本実施形態において第1傾斜面45Aは、刃部45の第1傾斜面45Aとは反対側の背面とのなす角度が50度となっている。
図14は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。なお、この図14は、アンテナユニット9を装置本体2に装着した状態を示している。
図14において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。この制御回路(第1指示信号出力手段)110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
CGROM114には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127と、テープカットセンサ124と、カットリリース検出センサ125と、アンテナユニット9の装着向きを検出するためのマークセンサ236と、コネクタ211とが各々接続されている。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。
また、テープカットセンサ124及びカットリリース検出センサ125は、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上に設けられたカッターハスバギヤ用カム42Aとマイクロスイッチ126とから構成されている(図7、図8等参照)。具体的には、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わり、可動刃45による印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了したことを検出する。このことにより、テープカットセンサ124が構成される。また、更にカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わり、可動刃45がリリース位置に戻ったことを検出する。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。
一方、アンテナユニット9は、ループアンテナLC又はパッチアンテナPAを介し無線タグ回路素子Toに対しそれぞれ異なる周波数にて送受信を行う複数の送受信回路を有しており、この例では周波数13.56MHz(HF)に対応した第1送受信回路(情報生成手段)306と、周波数2.45GHz(UHF)に対応した第2送受信回路(情報生成手段)307とを有している。第1送受信回路306はループアンテナLCに接続されるとともにコネクタ212,211を介して装置本体2側の制御回路110に接続されている。また、第2送受信回路307も同様にパッチアンテナPAに接続されるとともにコネクタ212,211を介して装置本体2側の制御回路110に接続されている。また、第1送受信回路306、第2送受信回路307は制御信号線253,254により制御回路110に接続されており、後で詳述するように制御信号によりそれぞれの動作が制御される。
上記構成により、例えばアンテナユニット9が装置本体2に対しHF(13MHz帯)に対応した向きで装着されている場合には、制御信号線253がアクティブとなってHFに対応するように切り替えられ、第1送受信回路306が動作する。これにより、第1送受信回路306は、送信時には制御回路110より信号線251を経由して送信される信号に基づいてループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を変調すると共に、受信時には無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い、制御回路110に出力することが可能となり、その結果、無線タグ回路素子ToとループアンテナLCとの間で13.56MHz(HF)の周波数帯域において情報の送受信が行われる。一方、例えばアンテナユニット9が装置本体2に対し2.45GHz帯に対応した向きで装着されている場合には、制御信号線254がアクティブとなって2.45GHz帯に対応するようになり、第2送受信回路307が動作し、送信時には制御回路110より信号線252を経由して送信される信号に基づいてパッチアンテナPAを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を変調すると共に、受信時には無線タグ回路素子Toから上記パッチアンテナPAを介して受信された応答信号の復調を行い、制御回路110に出力することが可能となり、その結果、無線タグ回路素子ToとパッチアンテナPAとの間で2.45GHz(UHF)の周波数帯域において情報の送受信が行われるようになっている。
図15は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図15において、無線タグ回路素子Toは、アンテナユニット9のループアンテナLC又はパッチアンテナPAと非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。アンテナ152は13MHz帯用の場合はループコイルのアンテナが、また2.45GHz帯用の場合はダイポールアンテナが用いられる。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図16(a)及び図16(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図16(a)は上面図、図16(b)は下面図である。また図17(a)は図16中XVIIA−XVIIA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図17(b)は図16中XVIIB−XVIIB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図16(a)、図16(b)、図17(a)、及び図17(b)において、無線タグラベルTは、前述したように図4に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図17中上側)よりその反対側(図17中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがベースフィルム101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。言い換えれば、ハーフカット線HC1,HC2により、カバーフィルム103の前後余白領域S1,S2と印字領域Sとが区別されている。
なお、既に述べたように識別マークPMとして図17(a)及び図17(b)に示すような黒塗りのマーキングを設けるのに代え、図17(c)に示すように、識別マークPMとして、トムソン型やビク型による打ち抜きやレーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を孔設する等でもよい。この場合、マークセンサ127を投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサで構成した場合、投光器と受光器との間の位置に上記孔からなる識別マークPMが来ると、投光器からの光が識別マークPMの孔及び透明のカバーフィルム103を透過して反射しなくなって受光器で受光しなくなり、これによって受光器からの制御出力が反転させられる。
図18は、上述したようなタグラベル作成装置1による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
図18において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
上記のような基本構成のタグラベル作成装置1では、アンテナユニット9が装着された状態において、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLC又はパッチアンテナPAにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。
図19は、このような制御を行うために上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図19において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。なおこのとき、アンテナユニット9が装置本体2に装着され、コネクタ211,212が接続された状態であるものとする。
まずステップS1で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力しこの操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データ、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定等を行なう準備処理を実行する。
次に、ステップS3において、ループアンテナLC又はパッチアンテナPAから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nと、通信が成功したかどうかをあらわすフラグFを0に初期化設定する。
その後、ステップS5に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
その後、ステップS10において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、基材テープ101の上記識別子PMが検出されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別子PMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS15に移る。
ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS1で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS20において、印字済タグラベル用テープ109が先のステップS1で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS1で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS25に移る。
ステップS25では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS1で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS30で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
そして、ステップS35に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS15と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS40において、搬送される印字済タグラベル用テープ109が所定値(例えば、対応する印字が施されたカバーフィルム103が貼り合わされた無線タグ回路素子Toが上記ループアンテナLC又はパッチアンテナPAに到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、上記ステップS20と同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。
次のステップS200では、タグアクセス処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLC又はパッチアンテナPAと略正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う(後述の図20参照)。
以上のようにしてステップS200が終了したら、ステップS45に移る(なおこの時点でステップS200において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)。ステップS45では、印字済タグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS1で設定した切断線CLに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS50に移る。
ステップS50では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS1で設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS55でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS60に移り、入出力インターフェース113を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS55でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
図20は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。図20に示すフローにおいて、まずステップS210で、印字済タグラベル用テープ109が前述したループアンテナLC又はパッチアンテナPAとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述した図19のステップS20と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS220に移る。
ステップS220では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLC又はパッチアンテナPAが略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
次のステップS221では、上記マークセンサ236が出力する検出結果を入力する。
次のステップS222では、上記入力したマークセンサ236の検出結果から、アンテナユニット9の装着向きがHFに対応した向きかどうかを判定する。すなわち、マークセンサ236により識別子206cが検出されている場合には、アンテナユニット9はHFに対応した向きで装着されているとみなされ、判定が満たされて次のステップS223に移る。
ステップS223では、制御信号(第1指示信号)253(図14参照)を出力し、HFに対応するように切り替える。これにより、第1送受信回路306が動作する。
一方、先のステップS222において、マークセンサ236により識別子206a,206bが検出されている場合には、アンテナユニット9はUHFに対応した向きで装着されているとみなされ、判定が満たされずにステップS224に移る。
ステップS224では、制御信号(第2指示信号)254(図14参照)を出力し、UHFに対応するように切り替える。これにより、第2送受信回路307が動作する。
上記ステップS223又はステップS224の後、ステップS400に移り、ループアンテナLC又はパッチアンテナPAと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により選択された周波数帯域(13.56MHz又は2.45GHz)において情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図19の上記ステップS1で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図21参照)。
その後、ステップS230に移り、上記ステップS400において情報送受信に成功したかどうかを判定する。具体的にはステップS400において通信失敗時には上記フラグF=1となっているはずであることから(後述の図21のステップS437参照)、F=0であるかどうかを判定する。
F=1である場合、判定が満たされず、当該無線タグ回路素子Toに対する通信が失敗したとみなされステップS700に移り、当該通信失敗をラベル上で操作者に報知するためのエラー処理(例えば、上記通信エラーに対応した別態様印字R′(例えば「NG」の文字)を印刷する等)を行い、このルーチンを終了する。
一方、F=0である場合、判定が満たされ、当該無線タグ回路素子Toに対する通信は成功したとみなされてステップS240に移る。
次のステップS240では、図19のステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
なおこのとき、上記ステップS400における通信試行回数(リトライ回数)が多かった等によりステップS220以降の印字ヘッド23の通電停止時間が所定の時間より長くなってしまった場合には、印字ヘッド23の温度が低下している可能性がある。従ってこれに対応するために、上記ステップS240における印刷再開時に、印字ヘッド23への通電(単位時間当たりのエネルギ量)を通常より大きくしてもよい。
その後、ステップS250に移り、印字済タグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図19のステップS1で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
ステップS260では、上記図19のステップS25と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
その後、ステップS500に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う。以上によりこのルーチンを終了する。
図21は、上述したステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。
図21に示すフローのまずステップS405において、入出力インターフェース113及びコネクタ211,212を介し前述の第1送受信回路306(又は第2送受信回路307。以下、対応関係同じ)に制御信号(第1指示信号)251(又は制御信号252。図14参照)を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに13.56MHz(HF)の周波数帯域(又は2.45GHz(UHF)の周波数帯域)を用いて送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
次に、ステップS410において、入出力インターフェース113及びコネクタ211,212を介し第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)に送信データを信号線251(又は信号線252)を経由して出力し、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに13.56MHz(HF)の周波数帯域(又は2.45GHz(UHF)の周波数帯域)を用いて送信し、返信を促す。
その後、ステップS415において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して受信し、第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)により復調されて、信号線251(又は信号線252)によりコネクタ212,211及び入出力インターフェース113を介しデータとして取り込む。
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、さらにステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、送信データを第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)に信号線251(又は信号線252)を経由して出力し、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS445において、送信データを第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)に信号線251(又は信号線252)を経由して出力し「Verify」信号として所定の変調を行った搬送波をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS450において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して受信し、同様に第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)を介し取り込む。
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS455の判定が満たされた場合、ステップS470に移り、送信データを第1送受信回路306(又は第2送受信回路307)に信号線251(又は信号線252)を経由して出力し、「Lock」コマンドとして所定の変調を行った搬送波をループアンテナLC(又はパッチアンテナPA)を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
上記において、制御回路110が実行するステップS221〜ステップS224は、特許請求の範囲各項記載の複数種類の通信パラメータのうちいずれか1つを通信時に使用するために選択設定する通信設定手段を構成する。
以上説明した本実施形態のタグラベル作成装置1においては、装置本体2の係合部201にアンテナユニット9が装着され、カートリッジホルダ6にカートリッジ7が装着されると、当該カートリッジ7からテープ送りローラ27(駆動ローラ51)により基材テープ101(印字済みタグラベル用テープ109)が供給されて搬送され、その基材テープ101(印字済みタグラベル用テープ109)に備えられた無線タグ回路素子Toに対しアンテナユニット9のループアンテナLC又はパッチアンテナPAから無線通信により情報送受信が行われる。
このとき、アンテナユニット9は、上記無線タグ回路素子Toとの通信に複数種類の通信パラメータ(本実施形態では2種類の通信周波数)を選択的に使用可能となっている。これにより、通信パラメータごとに複数のアンテナユニットを用意しその都度交換して使用する必要がなくなる。また本実施形態では、無線タグラベル作成の際、上記複数種類の通信パラメータのうちいずれを使用するか(本実施形態では2種類の通信周波数13.56MHz及び2.45GHzのうちいずれを使用するか)が制御回路110(詳細には制御回路110が実行する制御手順ステップS221〜ステップS224)によって自動的に選択設定される。これにより、操作時にいずれの通信パラメータを用いるのかを操作者がいちいち操作設定する必要がなくなる。以上の結果、操作者の操作時における労力を低減し、利便性を向上し、失敗をなくすことができる。
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toを設けたタグ媒体としての基材テープ101を供給可能に収納した無線タグ回路素子収容体としてカートリッジ7を用い、当該カートリッジ7をカートリッジホルダ6に対して着脱可能な構成とする。このように、無線タグ回路素子Toを設けた基材テープ101を収納した無線タグ回路素子収容体をカートリッジ化することにより、無線タグ回路素子収容体のホルダに対する着脱がさらに容易になるので、基材テープ101を消費し尽くして新規な無線タグ回路素子収容体に交換する際、その取り扱い性を向上することができる。また、複数の異なる種類のカートリッジを着脱可能となるので複数の異なる無線タグを簡単に作成することができる。
また、本実施形態では特に、操作者がアンテナユニット9を装置本体2の係合部201に装着した際、どのような向きで装着したかに応じて、制御回路110からアンテナユニット9の第1送受信回路306又は第2送受信回路307に対し信号線251,252が接続され、同様に制御信号253,254が接続されることにより、第1送受信回路306又は第2送受信回路307から対応する通信周波数帯域において複数のコマンド情報のうち対応する1つのコマンド情報が選択的に出力される。このようにして、アンテナユニット9の装着向きに対応づけてアンテナユニット9での通信周波数を制御することで、操作者による周波数設定のための特別な操作を不要とすることができ、その分の手間をなくすことができる。
また、本実施形態では特に、通信パラメータとして、通信周波数を自動的に選択設定可能な構成とする。これにより、各周波数ごとにアンテナユニットを用意しその都度交換して使用する必要がなくなり、また操作時にいずれの周波数を用いるのかを操作者がいちいち操作設定する必要がなくなって、操作労力を低減し利便性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、アンテナユニット9が、無線タグ回路素子Toとの間で磁気誘導により情報の送受を行うループアンテナLC及び無線タグ回路素子Toとの間でマイクロ波方式により情報の送受を行うパッチアンテナPAを備える構成とする。これにより、アンテナユニット9の装着時に、装置本体2において搬送される印字済みタグラベル用テープ109に備えられた無線タグ回路素子Toに対し、ループアンテナLC又はパッチアンテナPAから無線通信により情報送受信を行うことができる。
なお、上記実施形態では、第1及び第2送受信回路306,307のいずれか一方を機能させて選択的に通信周波数を設定可能なようにしたが、これに限られず、第1及び第2送受信回路306,307については両方を機能させておき、切替スイッチ(選択出力手段)により出力元を選択することによって通信周波数を切り替えるようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)カートリッジ情報に応じて周波数の切替えを行う場合
上記実施形態では、アンテナユニット9の装着向きに応じて通信周波数を選択設定可能な構成としたが、これに限られず、カートリッジホルダ6に装着したカートリッジ7の情報(収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)に応じて通信周波数を選択設定可能な構成としてもよい。
上記実施形態では、アンテナユニット9の装着向きに応じて通信周波数を選択設定可能な構成としたが、これに限られず、カートリッジホルダ6に装着したカートリッジ7の情報(収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)に応じて通信周波数を選択設定可能な構成としてもよい。
図22は、本変形例におけるカートリッジ7′の詳細構造を模式的に表す拡大平面図であり、前述の図4に対応する図である。この図22において、図4と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
カートリッジ7′の上記筐体7′Aの適宜の位置には、凹凸形状を備えた被検出部190が設けられている。この被検出部190の凹凸形状は、カートリッジホルダ6の対応する位置に設けられたカートリッジセンサ(カートリッジ情報検出手段)81により検出され、その検出信号が制御回路110′(後述の図24参照)へ入力されるようになっている。このとき、被検出部190の形状と、当該被検出部190が設けられたカートリッジ7′のカートリッジ情報(カートリッジ7′内に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)との相関情報が例えば情報サーバISに格納されており、制御回路110′は、通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、上記入力された検出信号に基づいてカートリッジ7′のカートリッジ情報を取得するようになっている。なお、カートリッジセンサ81はカートリッジ7′の装着状態を検出する装着検知センサも兼ねており、制御回路110′は、カートリッジセンサ81から上記検出信号が入力されることにより、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されたことを検出するようになっている。
図23は、上記カートリッジセンサ81の構成の一例を表す説明図である。
図23において、カートリッジセンサ81は、この例では、凹凸形状を備えた上記被検出部190の識別子190A〜Cに対しバネ部材81Aで接点81Bを付勢当接させることで凹凸形状を検出するメカニカルスイッチであり、各凹凸部に対応して配置された接点81Bより制御回路110′へ検出信号を出力するようになっている。
前述したように、これら識別子190A〜Cは、上記凹凸の有無によって、カートリッジ7′のカートリッジ情報(カートリッジ7′内に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を表しており、上記カートリッジセンサ81は当該カートリッジ7′に関するそのカートリッジ情報を検出し制御回路110′へ出力する。これにより、制御回路110′は通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、上記入力された検出信号とひもづけされたカートリッジ情報を取得できるようになっている。
なお、上記の検出手段としてのカートリッジセンサ81は、メカニカルスイッチに限られず、他の方式、例えば光の反射を利用したセンサであってもよい。この場合、センサは、例えば制御回路110′からの信号により発光する発光ダイオードと、その発光の各識別子190A〜Cにおける反射光を受光し対応する検出信号を制御回路110′に出力するフォトトランジスタとを備えている。また例えば、カートリッジ7′の筐体7′Aに無線タグ回路素子情報が書き込まれた無線タグ回路素子To(いわゆるカートリッジタグ)を設けておき、カートリッジホルダ6の対応する位置に設けたカートリッジタグ読み取り用のアンテナで当該カートリッジタグの情報を読み出すことにより、カートリッジ7′に関する無線タグ回路素子情報を取得するようにしてもよい。
図24は、本変形例のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図であり、前述の図14に対応する図である。この図24において、図14と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図24において、制御回路110′の入出力インタフェース113には、上記カートリッジ筐体7′Aに設けられた被検出部190の凹凸形状を検出するカートリッジセンサ81が接続されている。その他の構成については、前述の図14に示す構成と同様である。
図25は、上記制御回路110′によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、このフローは、タグラベル作成装置1の電源を投入した際に開始される。
まず、ステップ110では、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されているかどうかを判定する。この判定は、カートリッジセンサ81から検出信号が入力されているかどうかを判定することにより行われる。カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されるまで本ステップ110を繰り返し、装着されたら判定が満たされて次のステップS120に移る。
ステップ120では、通信回線NWを介して情報サーバISにアクセスし、カートリッジセンサ81から入力された検出信号に基づいてカートリッジ7′のカートリッジ情報(カートリッジ7′内に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を取得する。なお、この取得したカートリッジ情報は、適宜のメモリ(例えばRAM117等)に一時的に記憶される。
次のステップS130では、操作者からラベル作成の指示入力があったかどうか、すなわち例えば上記PC118等から通信回線NW及び入出力インターフェース113を介してラベル作成の操作信号が入力されたかどうかを判定する。指示入力がない場合には、判定が満たされずに次のステップS140に移る。
ステップS140では、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6から取り外されたかどうかを判定する。この判定は、カートリッジセンサ81から検出信号が入力されているかどうかを判定することにより行われる。取り外されていない場合には、判定が満たされずに先のステップS130に戻る。取り外された場合には、判定が満たされて最初のステップS110に戻る。
一方、上記ステップS130において、操作者からラベル作成の指示入力があった場合には、判定が満たされて次のステップS300に移る。このステップS300では、無線タグラベルTを作成するタグラベル作成処理を行う(後述の図26参照)。その後、上記したステップS140に移る。
図26は、上述したステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。この図26において、前述の図19に示すフローチャートと異なる点は、ステップS200のタグアクセス処理が、取得したカートリッジ情報に応じた周波数で無線通信を行うステップS200′のタグアクセス処理に代わった点である。それ以外の手順については前述の図19に示すフローチャートと同様であるので、説明を省略する。
図27は、上述したステップS200′の詳細手順を表すフローチャートであり、前述の図20に対応する図である。この図27において、図20と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。
この図27において、ステップS210〜ステップS220は前述の図20と同様であり、印字済タグラベル用テープ109がループアンテナLC又はパッチアンテナPAとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定し、到達したら印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印字ヘッド23による印刷を停止する。
次のステップS221′では、上記ステップS120で取得し適宜のメモリに記憶させたカートリッジ情報(収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を読み出す。
次のステップS222では、上記読み出したカートリッジ情報から、カートリッジ7′に収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数がHF対応であるかどうかを判定する。HF対応である場合には、判定が満たされてステップS223に移る。一方、UHF対応である場合には、判定が満たされずにステップS224に移る。
その後のステップS223〜260、ステップS400、ステップS500、ステップS700については、図20と同様であるので説明を省略する。
上記において、制御回路110′が行うステップS223及びステップS224は、請求項9記載の情報生成手段から対応するコマンド情報を選択的に出力させるための第2指示信号を出力する第2指示信号出力手段を構成する。
以上説明した変形例においては、操作者がカートリッジ7′をカートリッジホルダ6に装着した際、どのカートリッジを装着したかによって、第1送受信回路306又は第2送受信回路307から対応する通信周波数帯域において複数のコマンド情報のうち対応する1つのコマンド情報が選択的に出力される。このようにして、装着したカートリッジ7′の種類に対応づけてアンテナユニット9での通信周波数を制御することで、操作者による通信周波数設定の手間をなくすことができる。
また、本変形例では特に、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7′の交換時又はタグラベル作成装置1の電源投入時に、上記ステップS120においてカートリッジセンサ81の検出結果に基づきカートリッジ情報を取得する。このように、装置電源投入時やカートリッジ交換時にカートリッジ情報を検出することにより、必要最小限のタイミングでかつ確実に漏れなく装着されたカートリッジ種類を検出することができる。
(2)アンテナユニットとカートリッジとのミスマッチ時に報知する場合
上記変形例(1)では、カートリッジホルダ6に装着したカートリッジ7′の情報(収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を取得し、この取得した情報に応じてアンテナユニット9の通信周波数を選択設定可能としたが、例えば誤った種類のアンテナユニット9が装着され、そのアンテナユニット9が装着されたカートリッジ7′に適合した周波数帯域による通信機能を有しない場合に、エラー報知するようにしてもよい。
上記変形例(1)では、カートリッジホルダ6に装着したカートリッジ7′の情報(収納された無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を取得し、この取得した情報に応じてアンテナユニット9の通信周波数を選択設定可能としたが、例えば誤った種類のアンテナユニット9が装着され、そのアンテナユニット9が装着されたカートリッジ7′に適合した周波数帯域による通信機能を有しない場合に、エラー報知するようにしてもよい。
図28は、本変形例の制御回路110″(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図25に対応する図である。この図28において図25と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。なお、このフローは、タグラベル作成装置1の電源を投入した際に開始される。
まずステップS105では、アンテナユニットの通信パラメータ(ここでは通信周波数)が取得したカートリッジ情報と整合がとれているかどうかを表すフラグF1を、整合がとれていることを表す0に初期化設定する。
次のステップS110及びステップS120は、前述の図25と同様であり、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されているかどうかを判定し、装着されたらカートリッジセンサ81から入力された検出信号に基づいてカートリッジ7′のカートリッジ情報(カートリッジ7′内に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を取得する。
次のステップS123では、アンテナユニット9が装置本体2に装着されたかどうかを判定する。この判定は、前述のマークセンサ236から識別子206a,206b又は206cの検出信号が入力されたかどうかによって行われる。いずれかの識別子が検出されることでアンテナユニット9が装置本体2に装着されているとみなされるまで本ステップS123が繰り返され、いずれかの識別子が検出された場合には判定が満たされて次のステップS125に移る。
ステップS125では、接続されたコネクタ211,212及びインターフェース113を介し、アンテナユニット9の通信パラメータに関する情報(ここでは第1及び第2送受信回路306,307の周波数情報。すなわち、13.56MHz及び2.45GHz)を取得する。
次のステップS127では、上記取得したアンテナユニット9の通信周波数情報が上記ステップS120で取得したカートリッジ情報と整合するかどうかを判定する。すなわち、ここでは、カートリッジ7′に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数が13.56MHz及び2.45GHzのいずれかであるかどうかを判定する。整合する場合には、判定が満たされて次のステップS130に移る。
ステップS130では、操作者からラベル作成の指示入力があったかどうかを判定する。指示入力がない場合には、判定が満たされずに次のステップS140に移る。
なお、上記ステップS127において、アンテナユニット9の通信周波数情報がカートリッジ情報と整合しない場合には、判定が満たされずにステップS133に移る。
ステップS133では、上記フラグF1を、アンテナユニットの通信パラメータ(ここでは通信周波数)が取得したカートリッジ情報と整合がとれていないことを表す1に設定する。
次のステップS135では、操作者にカートリッジ7′若しくはアンテナユニット9の交換を要求するためのエラー表示信号を入出力インターフェース113を介し上記PC118へ出力し、対応するエラー表示(例えば「カートリッジを交換してください」「アンテナユニットを交換してください」等)を行わせる。そして、次のステップS140に移る。
一方、上記ステップS130で操作者からラベル作成の指示入力があった場合には、判定が満たされて次のステップS137に移る。
ステップS137では、上記フラグF1がアンテナユニットの通信パラメータ(ここでは通信周波数)がカートリッジ情報と整合がとれていることを表す0であるかどうかを判定する。フラグF1=0である場合には、判定が満たされて次のステップS300に移り、前述の図26に示すタグラベル作成処理を行う。そして、次のステップS140に移る。一方、フラグF1=1である場合には、判定が満たされずに上記ステップS135に戻り、PC118に対応するエラー表示(例えば「カートリッジを交換してください」「アンテナユニットを交換してください」等)を行わせる。
ステップS140では、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6から取り外されたかどうか、又はアンテナユニット9が装置本体2の係合部201から取り外されたかどうかを判定する。この判定は、カートリッジセンサ81から検出信号が入力されているかどうかを判定することにより、又はマークセンサ236から識別子206a,206b又は206cの検出信号が入力されているかどうかを判定することにより行われる。取り外されていない場合には、判定が満たされずに先のステップS130に戻る。取り外された場合には、判定が満たされて先のステップS110に戻る。
なお、制御回路110″によって行われる上記以外の制御内容については、前述の変形例(1)の制御回路110′と同様であるので、説明を省略する。
以上により、カートリッジ7′をカートリッジホルダ6に装着し、アンテナユニット9を係合部201に装着すると、これらカートリッジ7′及びアンテナユニット9から取得した通信パラメータ(ここでは通信周波数)に関する情報が整合が取れているかどうかを判定し、取れていない場合には操作者に対してエラーを報知し、カートリッジ7′又はアンテナユニット9の交換を促す。一方、整合性が確認された場合には、操作者からのラベル作成指示に応じてタグラベル作成処理を行う。なお、整合が取れていない場合に操作者からラベル作成指示があった場合には、再度エラー表示を行う(ステップS130→ステップS137→ステップS135参照)。
上記において、制御回路110″が行うステップS127は、請求項6記載のカートリッジ情報検出手段で取得したカートリッジ情報との整合性を判定する整合判定手段を構成する。また、制御回路110″が行うステップS135は、請求項7記載の無線タグ回路素子カートリッジ若しくはアンテナモジュールユニットの交換を要求する表示信号を生成する交換表示信号生成手段を構成する。
以上説明した本変形例によれば、カートリッジ7′とアンテナユニット9との整合性が満たされず、それぞれに係わる通信パラメータが別々のものであった場合に、そのような不整合(不一致)が生じていることと、カートリッジ7′又はアンテナユニット9のいずれかを交換すべきであることとを、操作者に認識させることができる。
(3)報知優先モードを設定する場合
上記変形例(2)では、カートリッジ7′とアンテナユニット9との整合性が満たされない場合に、カートリッジ7′又はアンテナユニット9のいずれかの交換を報知するようにしたが、これに限られず、カートリッジかアンテナユニットのどちらかを優先させ、非優先側を交換するように報知させてもよい。
上記変形例(2)では、カートリッジ7′とアンテナユニット9との整合性が満たされない場合に、カートリッジ7′又はアンテナユニット9のいずれかの交換を報知するようにしたが、これに限られず、カートリッジかアンテナユニットのどちらかを優先させ、非優先側を交換するように報知させてもよい。
図29は、本変形例の制御回路110−1(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図28に対応する図である。この図29において図28と同様の手順には同符号を付し説明を省略する。なお、このフローは、タグラベル作成装置1の電源を投入した際に開始される。
ステップS105〜ステップS133は、前述の図28と同様であり、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着され、アンテナユニット9が係合部201に装着されると、これらカートリッジ7′及びアンテナユニット9から取得した通信パラメータ(ここでは通信周波数)に関する情報が整合が取れているかどうかを判定し、整合が取れていない場合にはフラグF1を整合がとれていないことを表す1に設定する。
次のステップS134では、上記PC118からの優先モードに係る制御信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力する。この優先モードとは、カートリッジ7′とアンテナユニット9との整合性が満たされない場合に、装着状態のカートリッジ7′を優先してアンテナユニット9側を交換して整合させるようにするか(=カートリッジ優先モード)、装着状態のアンテナユニット9を優先してカートリッジ7′側を交換して整合させるようにするか(=アンテナユニット優先モード)を定めるモードであり、予め操作者がPC118等を用いて設定するようになっている。なお、ここではPC118から優先モードを設定するようにしたが、例えば装置本体2に設けたディップスイッチ等のハードスイッチを用いて優先モードの設定を行うようにしてもよい。
次のステップS136では、上記ステップS134で入力した制御信号に基づき、カートリッジ優先モードであるかどうかを判定する。操作者によりカートリッジ優先モードに設定されている場合には、判定が満たされてステップS135Aに移り、PC118にアンテナユニット9の交換を要求するエラー表示(例えば「アンテナユニットを交換してください」等)を行わせる。一方、操作者によりアンテナユニット優先モードに設定されている場合には、判定が満たされずにステップS135Bに移り、PC118にカートリッジ7′の交換を要求するエラー表示(例えば「カートリッジを交換してください」等)を行わせる。
この他の手順については、前述の図28と同様であるので説明を省略する。なお、本変形例においてステップS137でフラグF1=1である場合には、判定が満たされずにステップS134に戻る。また、制御回路110−1によって行われる上記以外の制御内容については、前述の変形例(1)の制御回路110′と同様であるので、説明を省略する。
上記において、制御回路110−1が行うステップS134は、請求項8記載のユニット優先モードとカートリッジ優先モードとのうちいずれか一方を設定可能なモード設定手段を構成する。
以上説明した本変形例によれば、カートリッジ7′とアンテナユニット9との不整合(不一致)が生じた場合に、装着状態のカートリッジ7′を優先してアンテナユニット9側を交換して整合させるようにするか、装着状態のアンテナユニット9を優先してカートリッジ7′側を交換して整合させるようにするかを、優先モードとして予め操作者がその使用状況に応じて選択して設定することができる。これにより、操作者の利便性を向上することができる。
(4)無線タグ回路素子Toを備えない通常ラベルの作成を行う場合
上記実施形態では、タグラベル作成装置1で無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルを作成する場合のみを例にとって説明したが、無線タグ回路素子Toを有しない通常ラベルについても作成可能な構成としてもよい。
上記実施形態では、タグラベル作成装置1で無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルを作成する場合のみを例にとって説明したが、無線タグ回路素子Toを有しない通常ラベルについても作成可能な構成としてもよい。
図30は、本変形例のタグラベル作成装置1′の制御系を表す機能ブロック図であり、前述の図24に対応する図である。この図30において、図24と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本変形例のアンテナユニット9′は、前述の図24に示すアンテナユニット9と同様の構成を有しており、通常ラベル作成時には、制御信号線253及び制御信号254が共にノンアクティブとなり、第1送受信回路306及び第2送受信回路307は共に動作しないようになっている。
図31は、上記制御回路110−2によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図25に対応する図である。なお、このフローは、タグラベル作成装置1′の電源を投入した際に開始される。
ステップS110〜ステップS130は、前述の図25と同様であり、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されているかどうかを判定し、装着されたらカートリッジセンサ81から入力された検出信号に基づいてカートリッジ7′のカートリッジ情報(ここでは、カートリッジ7′がタグラベル作成用であるかタグを有しない通常のラベル作成用であるか、及びタグラベル作成用である場合にカートリッジ7′内に収納される無線タグ回路素子Toの通信周波数情報等)を取得する。その後、操作者からラベル作成の指示入力があったかどうかを判定する。指示入力がある場合には、判定が満たされて次のステップS150に移る。
ステップS150では、上記ステップS120で取得したカートリッジ情報に基づき、カートリッジ7′がタグラベル作成用であるか又はタグを有しない通常のラベル作成用であるかを判定する。カートリッジ7′がタグラベル作成用のカートリッジである場合には、判定が満たされてステップS300に移り、前述の図26に示すタグラベル作成処理を行う。一方、カートリッジ7′が通常のタグラベル作成用のカートリッジである場合には、判定が満たされずにステップS600に移り、タグを有しない通常のラベルを作成する通常ラベル作成処理を行う(詳細は後述の図32参照)。なおこのとき、前述したように制御信号線253及び制御信号254は共にノンアクティブとなり、第1送受信回路306及び第2送受信回路307は共に動作しないようになっている。
上記ステップS130においてラベル作成の指示入力がない場合、又はステップS300のタグラベル作成処理及びステップS600の通常ラベル作成処理のいずれかが終了すると、ステップS140に移り、カートリッジ7′がカートリッジホルダ6から取り外されたかどうかを判定する。取り外されていない場合には、判定が満たされずに先のステップS130に戻る。取り外された場合には、判定が満たされて最初のステップS110に戻る。
図32は、上述したステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
まずステップS605で、PC118からの操作信号に基づき印刷データや前・後ハーフカット位置、フルカット位置の設定等を行なう準備処理を実行する。
その後のステップS615〜ステップS645は、前述の図26のステップS305〜ステップS335と同様であるので説明を省略する。
ステップS647では、前述の図26のステップS340と同様にして、印字済タグラベル用テープ109が印刷終了位置(上記ステップS605で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS650に移る。
ステップS650では、前述の図26のステップS325と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
次のステップS653では、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う。
その後、ステップS655〜ステップS670は、前述の図26のステップS345〜ステップS360と同様であるので説明を省略する。以上により本フローを終了する。
以上説明した本変形例によれば、通常ラベル用のカートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着された場合には、制御信号線253及び制御信号254を共にノンアクティブとして第1送受信回路306及び第2送受信回路307を共に動作しないようにすることにより、装着されたアンテナユニット9による情報送受信を無効化する。これにより、無線通信を行う必要のない通常ラベル作成時において、アンテナユニット9により無駄な無線通信が行われるのを防止することができる。
なお、以上では、第1及び第2送受信回路306,307の機能を停止させる(すなわち搬送波の変調をしない)ことにより、アンテナユニット9の通信機能の無効化を行ったが、これに限られず、例えば第1及び第2送受信回路306,307の出力を切り替える切替スイッチを設けておき、この切替スイッチを中立位置とすることでアンテナユニット9の通信機能の無効化を行ってもよい。
(5)アンテナユニットの装着向きに応じて通信強度を切替える場合
図33は、本変形例のタグラベル作成装置1″の全体構造を表す斜視図である。この図33において、装置本体2″の上記凹部204の底面204a及びアンテナユニット9″の下面202eには、装置本体2″とアンテナユニット9″とを電気的に接続するためのコネクタ211a,212aがそれぞれ設けられている。また、上記凹部204の側面204b及びアンテナユニット9″の両側面202c,202dには、装置本体2″とアンテナユニット9″とを電気的に接続するためのコネクタ211b,212bがそれぞれ設けられている。これらコネクタ211a,212a同士及びコネクタ211b,212b同士は、アンテナユニット9″を装置本体2″に装着した際に接続され、その結果、装置本体2″のアンテナ共用器240とアンテナユニット9″のループアンテナLC′との間の信号の送受信が行われるようになっている(後述の図35参照)。
図33は、本変形例のタグラベル作成装置1″の全体構造を表す斜視図である。この図33において、装置本体2″の上記凹部204の底面204a及びアンテナユニット9″の下面202eには、装置本体2″とアンテナユニット9″とを電気的に接続するためのコネクタ211a,212aがそれぞれ設けられている。また、上記凹部204の側面204b及びアンテナユニット9″の両側面202c,202dには、装置本体2″とアンテナユニット9″とを電気的に接続するためのコネクタ211b,212bがそれぞれ設けられている。これらコネクタ211a,212a同士及びコネクタ211b,212b同士は、アンテナユニット9″を装置本体2″に装着した際に接続され、その結果、装置本体2″のアンテナ共用器240とアンテナユニット9″のループアンテナLC′との間の信号の送受信が行われるようになっている(後述の図35参照)。
なお、アンテナユニット9″は、側面202bを装置本体2″側とする向き(図33に示す状態)及び側面202aを装置本体2″側とする向きで係合部201に対し装着可能であるが、そのどちらの向きで装着する場合でも、上記コネクタ211a,212aは接続され、またコネクタ(選択導通手段)211bとアンテナユニット側面202c,202dのいずれか一方の側面のコネクタ212bとは接続されるようになっている。
アンテナユニット9″の筐体202内には、ループアンテナLC′が設けられている。このとき、アンテナユニット9″の装着向きにより、ループアンテナLC′のターン数の大小を選択して無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行うことができるようになっている(詳細は後述の図34参照)。これに対応し、筐体202の一方側の側面(図33中、右手前側の面)202aには、当該装着の際のアンテナユニット9″の向きがわかるように表示部242a(ここでは「大」の文字。なお、文字に限らず図柄や記号でもよい)が設けられており、装着時の向きがわかるように便宜が図られている。なお、筐体202の他方側の側面202bにも同様に表示部(ここでは「小」の文字。なお、文字に限らず図柄や記号でもよい)が設けられている(後述の図34(b)参照)。
図34は、上記アンテナユニット9″内におけるループアンテナLC′の概念的構成を表す、図33中矢印E方向から見た概念図であり、図34(a)はループアンテナLC′のターン数が大きくなる向きにアンテナユニット9″を装着した場合、図34(b)はループアンテナLC′のターン数が小さくなる向きにアンテナユニット9″を装着した場合を示している。
図34(a)においては、装置本体2″側のコネクタ211aと筐体202の底面202eのコネクタ212aが接続されると共に、装置本体2″側のコネクタ211bと筐体202の側面202d側のコネクタ212bとが接続される。これにより、ループアンテナLC′のターン数が大きくなり、無線通信時の通信強度が増大すると共に通信範囲(磁界の分布)が拡大する。
一方、図34(b)においては、装置本体2″側のコネクタ211aと筐体202の底面202eのコネクタ212aが接続されると共に、装置本体2″側のコネクタ211bと筐体202の側面202c側のコネクタ212bとが接続される。これにより、ループアンテナLC′のターン数が小さくなり、無線通信時の通信強度が低下すると共に通信範囲(磁界の分布)が縮小する。
図35は、本変形例のタグラベル作成装置1″の制御系を表す機能ブロック図であり、前述の図14等に対応する図である。この図35において、図14等と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
この図35において、装置本体2″は制御回路110−3を有しており、この制御回路110−3の入出力インターフェース113には、アンテナユニット9″内のループアンテナLC′を介して無線タグ回路素子Toと情報の送受信を行うための送信回路306′及び受信回路307′とが接続されている。これら送信回路306′及び受信回路307′は、アンテナユニット装着時に、アンテナ共用器240及びコネクタ211,212を介してアンテナユニット9″のループアンテナLCに接続されるようになっている。このように、本変形例では、上記実施形態と異なり、搬送波の変調・復調等を行う送受信回路がアンテナユニット9″ではなく装置本体2″側に設けられている。
図36は、上記制御回路110−3によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図19に対応する図である。この図36において、前述の図19に示すフローチャートと異なる点は、ステップS200のタグアクセス処理が、アンテナユニット9の装着向きに応じて周波数を変更する制御を行わないステップS200″のタグアクセス処理に代わった点である。それ以外の手順については前述の図19に示すフローチャートと同様であるので、説明を省略する。
図37は、上述したステップS200″の詳細手順を表すフローチャートであり、前述の図20に対応する図である。この図37において、前述の図20に示すフローチャートと異なる点は、ステップS221〜ステップS224がなくなった点である。すなわち、本変形例では、ステップS210〜ステップS220において、印字済タグラベル用テープ109がループアンテナLC′との通信位置まで搬送されたかどうかを判定し、到達したら印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印字ヘッド23による印刷を停止する。その後、前述の実施形態のようにアンテナユニットの装着向きに応じた通信周波数の切替制御を行うことなく、ステップS400の情報送受信処理を行う。その後の手順については、図20と同様であるので、説明を省略する。
以上説明した変形例によれば、操作者がアンテナユニット9″を係合部201に装着した際、どのような向きで装着したかによって、複数種類のアンテナ機能(ここでは通信強度、通信範囲)のうち1つの機能が選択され、そのループアンテナLC′に対して電気的に導通が行われる。このようにして、アンテナユニット装着時における導通選択を利用し、操作者による通信パラメータ操作設定の手間をなくすことができる。
なお、上記においては、単独のループアンテナを用いて、アンテナユニットの装着向きに応じて通信強度、通信範囲を選択的に設定可能な構成としたが、これに限られない。すなわち、他のアンテナ、例えば複数のダイポールアンテナを用いて通信強度、通信範囲を選択的に設定可能な構成としてもよい。この場合、アンテナ長さの異なる複数のダイポールアンテナをアンテナユニットに設けておき、装着向きに応じてそれらのうちの1つのアンテナを選択的に用いることができるようにすればよい。
(6)その他の通信周波数の切替、その他のアンテナ切替
上記実施形態では、通信周波数を13.56MHz(HF)又は2.45GHz(UHF)に切り替える場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、125kHz(LF)又は13.56MHz(HF)に切り替える場合や、900MHz(UHF)又は2.45GHz(UHF)に切り替える場合、又は13.56MHz(HF)又は900MHz(UHF)に切り替える場合等、用途に応じて種々の周波数値の切替えを行う場合に本発明は適用可能である。
上記実施形態では、通信周波数を13.56MHz(HF)又は2.45GHz(UHF)に切り替える場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、125kHz(LF)又は13.56MHz(HF)に切り替える場合や、900MHz(UHF)又は2.45GHz(UHF)に切り替える場合、又は13.56MHz(HF)又は900MHz(UHF)に切り替える場合等、用途に応じて種々の周波数値の切替えを行う場合に本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、通信周波数を13.56MHz(HF)又は2.45GHz(UHF)に切り替えるのに対応して、アンテナをループアンテナ又はパッチアンテナに切り替えるようにしたが、これに限られない。パッチアンテナの代わりにダイポールアンテナを用いてもよい。また、例えば周波数を上記900MHz(UHF)又は2.45GHz(UHF)に切り替えるような場合には、アンテナについてはパッチアンテナ同士又はダイポールアンテナ同士を切り替えるようにしてもよい。
(7)その他の通信パラメータ
上記実施形態では、通信パラメータとして複数の通信周波数の中から選択的に設定する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば複数の通信プロトコル(ISO、EPC等)の中から選択的に設定するようにしてもよいし、複数の送信電力(例えば10mW、1W)又は通信速度の中から選択的に設定するようにしてもよい。
上記実施形態では、通信パラメータとして複数の通信周波数の中から選択的に設定する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば複数の通信プロトコル(ISO、EPC等)の中から選択的に設定するようにしてもよいし、複数の送信電力(例えば10mW、1W)又は通信速度の中から選択的に設定するようにしてもよい。
(8)その他
以上は、装置本体2の上側に開閉蓋3を有し、当該上側にカートリッジ7を横置き状態で装着するタグラベル作成装置(いわゆるカートリッジ横置きタイプ)を例にとって説明したが、これに限られず、装置本体の側方側に開閉蓋を有し、当該側方側にカートリッジ7を縦置き状態で装着するタグラベル作成装置(いわゆるカートリッジ縦置きタイプ)に本発明を適用してもよい。
以上は、装置本体2の上側に開閉蓋3を有し、当該上側にカートリッジ7を横置き状態で装着するタグラベル作成装置(いわゆるカートリッジ横置きタイプ)を例にとって説明したが、これに限られず、装置本体の側方側に開閉蓋を有し、当該側方側にカートリッジ7を縦置き状態で装着するタグラベル作成装置(いわゆるカートリッジ縦置きタイプ)に本発明を適用してもよい。
また、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合を説明したが、これに限られない。すなわち、既に触れたように、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合にも本発明は適用でき、この場合も上記同様の効果を得ることができる。
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、例えばタグテープに備えられた被印字テープ層の印字領域に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、ハーフカットユニット35において受け台38とハーフカッタ34の構成は本実施形態とは異なったものとなる。すなわち図7のハーフカッタ34側に受け台が配置され、受け台38側にハーフカッタが配置される。
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ109を切断機構15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、切断機構15で切断しなくても、テープがラベル排出口11から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
さらに、以上は、基材テープ101がリール部材102aの周りに巻回されて第1ロール102を構成し、カートリッジ7内にそのロールが配置されて基材テープ101が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ7のようなタグラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである
1 タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)
6 カートリッジホルダ(収容体ホルダ)
7 カートリッジ(無線タグ回路素子収容体)
9 アンテナユニット(アンテナモジュールユニット)
27 テープ送りローラ(搬送手段)
51 駆動ローラ(搬送手段)
81 カートリッジセンサ(カートリッジ情報検出手段)
101 基材テープ(タグ媒体)
109 印字済みタグラベル用テープ(タグ媒体)
110 制御回路(通信設定手段、第1指示信号出力手段)
110′ 制御回路(通信設定手段、第2指示信号出力手段)
110″ 制御回路(通信設定手段、整合判定手段、交換表示信号生成手段)
110−1 制御回路(通信設定手段、モード設定手段)
110−2 制御回路(通信設定手段)
151 IC回路部
152 アンテナ(タグ側アンテナ)
201 係合部(ユニットホルダ)
211b コネクタ(選択導通手段)
236 マークセンサ(ユニット装着検出手段)
251 制御信号(第1指示信号)
252 制御信号(第1指示信号)
253 制御信号(第1指示信号)
306 第1送受信回路(情報生成手段)
307 第2送受信回路(情報生成手段)
LC ループアンテナ(ユニット側アンテナ)
PA パッチアンテナ(ユニット側アンテナ、マイクロストリップアンテナ)
To 無線タグ回路素子
6 カートリッジホルダ(収容体ホルダ)
7 カートリッジ(無線タグ回路素子収容体)
9 アンテナユニット(アンテナモジュールユニット)
27 テープ送りローラ(搬送手段)
51 駆動ローラ(搬送手段)
81 カートリッジセンサ(カートリッジ情報検出手段)
101 基材テープ(タグ媒体)
109 印字済みタグラベル用テープ(タグ媒体)
110 制御回路(通信設定手段、第1指示信号出力手段)
110′ 制御回路(通信設定手段、第2指示信号出力手段)
110″ 制御回路(通信設定手段、整合判定手段、交換表示信号生成手段)
110−1 制御回路(通信設定手段、モード設定手段)
110−2 制御回路(通信設定手段)
151 IC回路部
152 アンテナ(タグ側アンテナ)
201 係合部(ユニットホルダ)
211b コネクタ(選択導通手段)
236 マークセンサ(ユニット装着検出手段)
251 制御信号(第1指示信号)
252 制御信号(第1指示信号)
253 制御信号(第1指示信号)
306 第1送受信回路(情報生成手段)
307 第2送受信回路(情報生成手段)
LC ループアンテナ(ユニット側アンテナ)
PA パッチアンテナ(ユニット側アンテナ、マイクロストリップアンテナ)
To 無線タグ回路素子
Claims (16)
- 情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を設けたタグ媒体を供給可能に収納した無線タグ回路素子収容体を着脱可能な収容体ホルダと、
前記タグ媒体を搬送するための搬送手段と、
複数種類の通信パラメータを選択的に用いて無線通信により前記無線タグ回路素子と情報送受信を行うユニット側アンテナを備えたアンテナモジュールユニットを着脱可能なユニットホルダと、
このユニットホルダへの前記アンテナモジュールユニットの装着時に、前記複数種類の通信パラメータのうちいずれか1つを通信時に使用するために選択設定する通信設定手段と
を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項1記載の無線タグ情報通信装置において、
前記収容体ホルダは、前記無線タグ回路素子収容体として前記カートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであることを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項2記載の無線タグ情報通信装置において、
前記アンテナモジュールユニットの前記ユニット側アンテナは、
前記複数種類の通信パラメータにそれぞれ対応して、複数種類設けられているか、若しくは、複数種類のアンテナ機能を実現可能に構成されており、
前記通信設定手段は、
前記ユニットホルダに設けられ、前記アンテナモジュールユニットの装着向きに応じて、前記複数種類の前記ユニット側アンテナ又は前記複数種類のアンテナ機能のうち、対応するものを選択して電気的に導通させる選択導通手段を備えることを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項2記載の無線タグ情報通信装置において、
前記ユニットホルダに装着されたアンテナモジュールユニットの装着態様に応じて、当該アンテナモジュールユニットに備えられ前記無線タグ回路素子の前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするための複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段から対応するコマンド情報を選択的に出力させるための第1指示信号を出力する第1指示信号出力手段を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項4記載の無線タグ情報通信装置において、
前記アンテナモジュールユニットの装着態様を検出するユニット装着検出手段を有し、
前記第1指示信号出力手段は、前記ユニット装着検出手段で検出した前記アンテナモジュールユニットの前記装着態様に応じて、前記第1指示信号を出力する
ことを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項5記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無線タグ回路素子カートリッジの前記カートリッジ情報を検出するカートリッジ情報検出手段を有し、
前記第1指示信号に対応した前記通信パラメータと、前記カートリッジ情報検出手段で取得した前記カートリッジ情報との整合性を判定する整合判定手段とを有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項6記載の無線タグ情報通信装置において、
前記整合判定手段で所定の整合性が満たされないと判定された場合に、前記無線タグ回路素子カートリッジ若しくは前記アンテナモジュールユニットの交換を要求する表示信号を生成する交換表示信号生成手段を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項7記載の無線タグ情報通信装置において、
前記整合判定手段で所定の整合性が満たされないと判定された場合に、前記無線タグ回路素子カートリッジの交換を要求する表示信号を生成するユニット優先モードと、前記アンテナモジュールユニットの交換を要求する表示信号を生成するカートリッジ優先モードとのうち、いずれか一方を設定可能なモード設定手段を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項2記載の無線タグ情報通信装置において、
前記カートリッジホルダに装着された前記無線タグ回路素子カートリッジのカートリッジ情報に応じて、前記アンテナモジュールユニットに備えられ前記無線タグ回路素子の前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするための複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段から対応するコマンド情報を選択的に出力させるための第2指示信号を出力する第2指示信号出力手段を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項9記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無線タグ回路素子カートリッジの前記カートリッジ情報を検出するカートリッジ情報検出手段を有し、
前記第2指示信号出力手段は、前記カートリッジ情報検出手段で検出した前記カートリッジ情報に応じて、前記第2指示信号を出力する
ことを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項10記載の無線タグ情報通信装置において、
前記カートリッジ情報検出手段は、
前記カートリッジホルダに装着された前記無線タグ回路素子カートリッジの交換時又は装置電源投入時に、前記カートリッジ情報を検出することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項2乃至11のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
前記通信設定手段は、
前記通信パラメータとして、通信周波数又は通信プロトコルを選択設定することを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 請求項2乃至12のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
前記カートリッジホルダは、
前記無線タグ回路素子を備えない通常ラベル用のラベル媒体を連続的に供給可能に収納した通常ラベル用カートリッジを着脱可能であり、
この通常ラベル用カートリッジが前記カートリッジホルダに装着された場合には、前記ユニットホルダに装着された前記アンテナモジュールユニットによる前記情報送受信を無効化する
ことを特徴とする無線タグ情報通信装置。 - 無線タグ情報通信装置のユニットホルダに着脱可能に設けられるアンテナモジュールユニットであって、
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報送受信を行うユニット側アンテナと、
このユニット側アンテナを介して前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするために、複数種類の通信パラメータをそれぞれ用いて複数のコマンド情報を生成可能な情報生成手段と
を有することを特徴とするアンテナモジュールユニット。 - 請求項14記載のアンテナモジュールユニットにおいて、
前記ユニット側アンテナは、前記無線タグ回路素子との間で磁気誘導により情報の送受を行うループアンテナ、若しくは、一方側にマイクロストリップアンテナ素子を備え他方側に地板を備えたマイクロストリップアンテナであることを特徴とするアンテナモジュールユニット。 - 請求項14又は15記載のアンテナモジュールユニットにおいて、
前記無線タグ情報通信装置からの指示信号に応じて、前記情報生成手段から1つのコマンド情報を選択して前記ユニット側アンテナへ出力するための選択出力手段を有することを特徴とするアンテナモジュールユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006164284A JP2007334535A (ja) | 2006-06-14 | 2006-06-14 | 無線タグ情報通信装置及びアンテナモジュールユニット |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101750030B1 (ko) * | 2015-12-11 | 2017-06-26 | 주식회사 에코란트 | 조명장치 및 그것을 제어하는 제어기 |
-
2006
- 2006-06-14 JP JP2006164284A patent/JP2007334535A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101750030B1 (ko) * | 2015-12-11 | 2017-06-26 | 주식회사 에코란트 | 조명장치 및 그것을 제어하는 제어기 |
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