JP5041199B2 - 振動減衰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動発生源からの振動と逆位相で共振状態となる共振位置に移動可能なウェイトを有する振動部と、当該振動部の振動による変位を復元させるよう付勢する弾性部とを備えた振動減衰装置に関する。
例えば、自動車等の車内における静粛性・快適性を向上させるための一つの方策として、振動発生源であるエンジン等から発生する振動を減衰することが挙げられる。従来、振動を減衰するための装置として、エンジンに対して取り付ける共振装置があった。これは、一端を回動自在にエンジンに支持するとともに、他端には制振バネを取り付けたレバーを有し、このレバーにウェイト(マス)を移動自在に取り付けた構成を有する(例えば、特許文献1を参照)。
この共振装置が振動発生源から振動を受け、レバーに振動が生じると、ウェイトがレバー上を徐々に移動し始め、やがてウェイトは、共振装置が振動発生源の振動と逆位相で共振状態となるような位置(共振位置)で安定する。このように、特許文献1の共振装置は、振動を受けてウェイトが適切な共振位置まで徐々に移動することで、前記共振状態を達成するものであった。
特開2004−301267号公報(第1図)
自動車のエンジン等の振動発生源は、常に一定の状態で駆動しているとは限らない。例えば、自動車の走行中にエンジンのスロットルバルブの開度を調節するとエンジン回転数が変動し、それに伴って発生する振動の周波数が変化する。しかし、ウェイトが新たな共振位置まで移動する時間は、振動周波数が変動する時間よりも短いことが多いため、ウェイトの追随が間に合わず共振状態を形成し難くなり、結果として、十分且つ迅速な振動減衰効果が得られないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、振動発生源から発生する振動の周波数変動に対して、ウェイトの追随が遅延することなく振動と逆位相の共振状態を迅速に形成し、その結果、振動発生源の振動を十分に減衰することができる振動減衰装置を提供することにある。
本発明に係る振動減衰装置の特徴構成は、振動発生源からの振動と逆位相で共振状態となるよう位置決めシャフトの軸方向に沿って共振位置に移動可能なウェイトを有する振動部と、当該振動部の振動による変位を復元させるよう付勢する弾性部とを備えた振動減衰装置であって、前記ウェイトを移動させるアクチュエータと、前記振動発生源の駆動状態を検知し、当該駆動状態を示す信号を生成する検知部と、前記信号に基づいて、前記ウェイトを前記共振位置またはその近傍に移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記振動部は前記弾性部のみによって支持され、前記位置決めシャフトに対して前記軸方向に位置変更可能に係合するスリーブを設けると共に、前記スリーブに前記ウェイトを前記軸方向に摺動可能に支持させ、前記スリーブに対する前記ウェイトの相対移動を所定範囲内に規制するストッパを前記スリーブに設けてある点にある。
振動発生源からは駆動状態に応じて種々の振動が発生する。本構成の振動減衰装置では、検知部が前記駆動状態を検知し、この駆動状態を示す信号に基づいて、制御部が、アクチュエータを駆動する。つまり、振動部に移動可能に設けられたウェイトを最適な位置、すなわち振動部が振動発生源の振動と逆位相で共振状態となる共振位置またはその近傍に移動させる。その結果、振動部の共振位置またはその近傍への移動時間が短縮されるので直ちに前記共振状態が形成され、振動発生源の振動を減衰することができる。
また、アクチュエータを駆動してスリーブを移動させると、ウェイトはスリーブとともに移動する。目標の共振位置またはその近傍に到着したとき、アクチュエータを停止すると、スリーブは位置決めシャフトに対して相対的に固定状態となる。しかし、ウェイトはストッパの規制によって所定範囲内の相対移動が可能となっているため、ウェイトは振動発生源からの振動を受けると、より最適な共振位置へとさらに移動することができる。
本発明の振動減衰装置において、予め定められた前記信号と前記ウェイトの位置との相関情報に基づいて、前記制御部が前記アクチュエータを制御することも可能である
本構成の振動減衰装置では、制御部が信号を受信すると予め定められた信号とウェイトの位置との相関情報からウェイトの位置を一義的に決定することができる。このため、振動部の位置決めを行うための演算処理を省略することができ、迅速に前記共振状態が形成され、振動発生源の振動を減衰することができる。
本発明の振動減衰装置において、前記制御部によって制御可能であり、前記弾性部の弾性特性を変更する弾性特性変更部を備えることも可能である。
振動発生源から駆動状態に応じて種々の振動が発生した場合、前記弾性部の弾性特性を適切に変更すれば、ウェイトの位置を変更する場合と同様に、振動部を振動発生源の振動と逆位相の共振状態にすることができ、前記振動を減衰することができる。本構成の振動減衰装置では、検知部が前記駆動状態を検知し、この駆動状態を示す信号に基づいて、制御部が弾性特性変更部に対して、弾性部の弾性特性を最適な値に変更する。この弾性特性の変更は、例えば、弾性部の長さを変更すること等によって行われる。その結果、振動部が前記共振状態を形成するまでの時間が短縮され、速やかに振動発生源の振動を減衰することができる。
本発明の振動減衰装置において、予め定められた前記信号と前記弾性部の弾性特性との相関情報に基づいて、前記制御部が前記弾性特性変更部を制御することも可能である。
本構成の振動減衰装置では、制御部が信号を受信すると予め定められた信号と弾性部の弾性特性との相関情報から弾性部の弾性特性を一義的に決定することができる。このため、振動部の弾性特性の決定を行うための演算処理を省略することができ、迅速に前記共振状態が形成され、振動発生源の振動を減衰することができる。
本発明の振動減衰装置において、前記振動発生源は車両のエンジンであり、前記信号を前記エンジンの回転数を示す信号とすることも可能である。
本構成の振動減衰装置では、車両のエンジンの回転数に応じて振動減衰制御を行っている。このエンジン回転数は、エンジンのクランクシャフトの回転に関連する種々の手段から容易に計測することができるので、簡単且つ確実にエンジンの振動を減衰することができる。
また、本発明に係る振動減衰装置の特徴構成は、振動発生源からの振動と逆位相で共振状態となるよう位置決めシャフトの軸方向に沿って共振位置に移動可能なウェイトを有する振動部と、当該振動部の振動による変位を復元させるよう付勢する弾性部とを備えた振動減衰装置であって、前記ウェイトを移動させるアクチュエータと、前記振動発生源の駆動状態を検知し、当該駆動状態を示す信号を生成する検知部と、前記信号に基づいて、前記ウェイトを前記共振位置またはその近傍に移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、前記振動部は前記弾性部のみによって支持され、前記位置決めシャフトに対して前記軸方向に位置変更可能に係合するスリーブを設けると共に、前記スリーブに前記ウェイトを前記軸方向に摺動可能に支持させ、前記スリーブに対する前記ウェイトの相対移動を所定範囲内に規制するストッパを前記スリーブに設け、前記弾性部の弾性に寄与する長さを変更するよう前記制御部の制御により前記弾性部の一部を把持する把持部を備えた点にある。
振動発生源からは駆動状態に応じて種々の振動が発生する。本構成の振動減衰装置では、検知部が前記駆動状態を検知し、この駆動状態を示す信号に基づいて、制御部が、アクチュエータを駆動する。つまり、振動部に移動可能に設けられたウェイトを最適な位置、すなわち振動部が振動発生源の振動と逆位相で共振状態となる共振位置またはその近傍に移動させる。その結果、振動部の共振位置またはその近傍への移動時間が短縮されるので直ちに前記共振状態が形成され、振動発生源の振動を減衰することができる。
また、アクチュエータを駆動してスリーブを目標の共振位置またはその近傍まで移動させると、スリーブは位置決めシャフトに対して相対的に固定状態となる。しかし、ウェイトはストッパの規制によって所定範囲内の相対移動が可能となっているため、ウェイトは振動発生源からの振動を受けると、より最適な共振位置へとさらに移動することができる。
さらに、振動発生源から駆動状態に応じて種々の振動が発生した場合、弾性部の弾性に寄与する長さを変更すれば、ウェイトの位置を変更する場合と同様に、振動部を振動発生源の振動と逆位相の共振状態にすることができ、前記振動を減衰することができる。
本構成の振動減衰装置では、制御部の制御により弾性部の一部を把持する把持部を備えてあるから、検知部が前記駆動状態を検知し、この駆動状態を示す信号に基づいて、制御部が把持部に対して、弾性部の一部を把持して弾性部の弾性に寄与する長さを変更することによって弾性部の弾性特性を最適な値に変更する。その結果、振動部が前記共振状態を形成するまでの時間が短縮され、速やかに振動発生源の振動を減衰することができる。
以下、本発明の参考例及び実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は施形態に限定されることを意図するものではなく、当業者が実施可能な範囲において、種々の改変や変更等が可能である。
参考例1
図1は、参考例1による振動減衰装置100を示す斜視図である。また、図2は、振動減衰装置100の作動状態を示す模式断面図である。参考例1の振動減衰装置100は、振動発生源50の一例であるエンジンEに取り付けて使用される。振動減衰装置100は、弾性部1および振動部2を備えており、さらには、検知部3、アクチュエータ4および制御部5を備えている。
参考例1において、弾性部1はエンジンEの振動を受ける板バネ1aで構成されている。板バネ1aは、後述する振動部2の振動による変位を復元させるよう振動部2を付勢する。板バネ1aの一端側は、エンジンEの適切な位置にボルト1bで固定される。具体的には、エンジンEの比較的低温となる部分(例えば、吸気バルブの周辺)にボルト締めしたり、エンジンEを支持するエンジンマウント(図示せず)に使用されるボルトと共締めしたりすることで固定される。なお、弾性部1を板バネ1a以外の構成とすることも可能であり、例えば、コイルバネ、空気バネ、ゴム等の弾性体を採用することができる。
板バネ1aの他端側には、振動部2が設けられている。参考例1において、振動部2は、アクチュエータ4と、このアクチュエータ4によって回転される駆動ギア6と、この駆動ギア6と同軸回転する位置決めシャフト7と、この位置決めシャフト7が貫通するウェイト8とが、ケース9内に収納されて構成されている。
アクチュエータ4は、参考例1において電気モータ4aが用いられている。電気モータ4aは、その回転出力軸4bに出力ギア4cが設けられ、出力ギア4cは駆動ギア6と係合する。駆動ギア6には、位置決めシャフト7が同軸回転可能に連結されている。電気モータ4aが後述する制御部5から指令を受けて回転駆動力を発生すると、当該回転駆動力が駆動ギア6に伝達され、位置決めシャフト7が回転するように構成されている。
位置決めシャフト7には、ウェイト8が貫通した状態で設けられている。位置決めシャフト7の表面には雄ネジが形成され、ウェイト8の貫通孔の内壁には前記雄ネジと噛み合う雌ネジが形成されている。従って、電気モータ4aが駆動ギア6を介して位置決めシャフト7を左右方向に回転させれば、ケース9内においてウェイト8を軸方向(X方向)の任意の位置に移動させることができる。このウェイト8の移動を、図2を参照しながら具体的に説明する。
振動部2が振動状態にある場合において、ウェイト8を板バネ1aに近づく側(近位側)に移動させると(図2(a))、板バネ1aのエンジンEへの締結部(支点)とウェイト8の重心との距離L1が短くなり、振動周波数が高くなり且つ振幅は小さくなる。反対に、ウェイト8を板バネ1aから離れる側(遠位側)に移動させると(図2(b))、板バネ1aの支点とウェイト8の重心との距離L2が上記L1より長くなる。よって、振動周波数が低くなり且つ振幅は大きくなる。このようにウェイト8の軸方向(X方向)における位置を変更することで、振動部2の振動周波数および振幅の大きさを調整することができる。
ウェイト8は、図1に示すように、軸方向(X方向)に直交する方向(Y方向)においては、ケース9の両内側面と接触または近接するよう構成されている。このため、位置決めシャフト7が回転したときにウェイト8が位置決めシャフト7と一緒に回転してしまうことが防止されるとともに、ウェイト8の姿勢を適正に維持することができる。そして、ウェイト8の軸方向(X方向)における位置移動を確実に行うことができる。また、ウェイト8は、上記のようにネジ機構によって移動されるものであるから、正確且つ迅速な移動が可能である。
本発明の目的であるエンジンEからの振動を減衰するためには、振動減衰装置100によってウェイト8を適切な位置に移動させ、振動部2をエンジンEの振動と逆位相の共振状態にする必要がある。このような共振状態を形成するための制御フローを、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
エンジンEが駆動し、振動減衰装置100による制御が開始されると(S1)、検知部3がエンジンEの駆動状態を検知し、この駆動状態を示す信号を生成する。参考例1では、検知部3はエンジンEの駆動状態としてエンジン回転数を検知し、回転信号を生成する回転センサ3aとしている。回転センサ3aは、例えば、エンジンEに連結されたトランスミッションTから延出しているメーターケーブルCに取り付けることができる。従って、回転センサ3aを設置するための新たな配線等は不要であり、装置構成が複雑になることはない。
検知部3の他の構成としては、例えば、エンジンEの補機類として取り付けられるデストリビュータ(図示せず)を利用したものが挙げられる。この場合、デストリビュータから得られるエンジンEのスパーク状態を示す電圧信号が駆動状態を示す信号となる。
次に、制御部5は、回転センサ3aから受信した回転信号の周波数が所定の制御周波数内にあるかを判断する(S2)。制御部5は、参考例1ではエンジンを総合的に制御するエンジンECU5aに兼用させているが、専用のコンピュータを設けてもよい。
制御周波数とは、エンジンEからの振動を減衰させることができる下限回転数と上限回転数との間にあるときに発生する振動の振動周波数を意味する。制御周波数は、エンジンEの性状(例えば、エンジンの種類、排気量、気筒数、形式、特性等)によって異なり、一律に定まるものではない。
制御部5は、回転信号の周波数が制御周波数内にある場合(S2;YES)、当該回転信号の周波数に応じたウェイト8の最適な位置、すなわち振動部2がエンジンEの振動と逆位相で共振状態となる共振位置を算出するための処理を行う(S3)。この共振位置は、得られた回転信号の値に対して所定のアルゴリズムを適用して演算することにより算出可能であるが、回転信号の値とウェイトの位置との相関情報を予め定めてマッピングしておけば、このマップから共振位置を求めることも可能である。マップは、例えば、制御部5の内部に記憶部5bを設け、この記憶部5bに前記相関情報を格納しておくことによって利用することができる。
このようなマップを用いる方法では、制御部5が回転信号を受信すると相関情報(マップ)からウェイト8の位置を一義的に決定することができる。このため、振動部2の位置決めを行うための演算処理を省略することができ、迅速に前記共振状態が形成され、エンジンEの振動を減衰することができる。
なお、ウェイト8が移動する共振位置は、その共振位置の近傍も含めたある程度の幅を有する領域とする。制御部5は、計算上は正確な共振位置を求めることができる。しかし、実際には位置決めシャフト7とウェイト8との係合部分の遊び等のため移動の際に多少のずれが生じたり、共振位置は振動周波数の変動のため常に変動し続けたりするものであることから、ウェイト8を厳密に共振位置に合わせることは現実には困難である。また、ある程度の共振状態を実現することができれば実用的な振動減衰効果が得られるため、共振位置またはその近傍を含めた領域であっても、エンジンEの振動を減衰するという目的は十分に達成することができる。
前記共振位置が算出されたら、制御部5は、電気モータ4aに対して当該共振位置にウェイト8を移動させるように指令する(S4)。この指令に従い、電気モータ4aは、ウェイト8を制御部5によって算出された最適な共振位置へと移動させる。その後、エンジンEの振動周波数が変動することによって、制御部5が新たな振動周波数を認識すれば、制御フローはステップ1に戻り(S5)、上記と同様のステップを繰り返す。
上記ステップ2において、制御部5が、回転信号の周波数が所定の制御周波数内にないと判断した場合(S2;NO)、当該回転信号の周波数が想定制御周波数以上であるか否かを判断する(S6)。
ここで、想定制御周波数は、前記制御周波数内の任意の周波数とすることができる。ステップ6は、その前のステップ2の判断において回転信号の周波数が制御周波数外であることが前提となっているので、前記制御周波数内の任意の一点より上か下かが判明すれば、現在の振動周波数が前記制御周波数より上下どちらにずれているのかの判断が可能となるからである。
前記回転信号の周波数が想定制御周波数以上であると判断した場合(S6;YES)、制御部5は、ウェイト8の位置を、前記アルゴリズムの適用またはマップから得られる最適データベースのうちの上限値に設定する(S7)。反対に、前記回転信号の周波数が想定制御周波数以上でないと判断した場合(S6;NO)、制御部5は、ウェイト8の位置を、前記アルゴリズムの適用またはマップから得られる最適データベースのうちの下限値に設定する(S8)。そして、これらの上限値または下限値に基づいて、制御部5は、電気モータ4aに対して当該共振位置またはその近傍(この場合は、上限値または下限値に対応する位置)にウェイト8を移動させる(S4)。その後、振動周波数が制御周波数内に入ると、ウェイト8は既に共振位置の上限値または下限値で待機した状態にあるので、直ちに前記共振状態が形成される。その後の処理は、上述したステップ5と同様である。
このように、エンジンEからは回転数の変動に応じて種々の振動が発生するが、参考例1の振動減衰装置100では、回転センサ3aがエンジンEの回転数を検知し、このときの回転信号に基づいて、制御部5が電気モータ4aに対して、振動部2に移動可能に設けられたウェイト8を最適な位置、すなわち振動部2がエンジンEの振動と逆位相で共振する共振位置またはその近傍に移動させるよう指令する。その結果、振動部2の共振位置またはその近傍への移動時間が短縮されるので直ちに前記共振状態が形成され、エンジンEの振動を減衰することができる。
参考例2
図4は、参考例2による振動減衰装置200を示す概略図である。この振動減衰装置200は弾性特性変更部20を備えていることに特徴を有し、その他の構成は、前記参考例1の振動減衰装置100と略同じであるため、重複する部分については詳細な説明は省略する。
エンジンEの回転数の変動に応じて種々の振動が発生した場合、弾性部1である板バネ1aの弾性特性を適切に変更することによっても、振動部2をエンジンEの振動と逆位相の共振状態にすることができる。例えば、板バネ1aの中央部を把持して板バネ1aの長さを短くすれば、振動周波数が高くなり且つ振幅は小さくなる。これにより、参考例1に示したウェイト8を近位側に移動させて支点と振動部2の重心との距離を短くした場合と同様の効果を得ることができる。
板バネ1aの弾性特性を変更するための弾性特性変更部20としては、図4のように、板バネ1aの任意の中間部分を把持可能な把持部20aを設ける。把持部20aが非把持状態にあって板バネ1aを固定していない場合(図4(a))では、板バネ1aの弾性部材1としての有効長はL3となる。このときの板バネ1aの状態は、参考例1の振動減衰装置100における板バネ1aの状態と同じである。しかし、把持部20aが把持状態となって板バネ1aを固定すると(図4(b))、板バネ1aの支点から把持部分までが固定されるので、板バネ1aの有効長はL3よりも短いL4となる。このとき、有効長の減少によって板バネ1aが硬くなるので、振動部2の振動周波数が高くなり且つ振幅は小さくなる。従って、制御部5が把持部20aの動作を制御できるように構成しておけば、エンジンEからの回転数の変動に応じて、把持部20aの動作により適宜板バネ1aを固定して板バネ1aの有効長を変化させ、板バネ1aの弾性特性を変更することができる。把持部20aは瞬時に板バネ1aを把持することができるので、極めて迅速に板バネ1aの弾性特性の変更が可能となる。
なお、このような把持部20aによる板バネ1aの弾性特性の変更は、弾性特性の大まかな調整に好適である。
参考例3
図5は、参考例3による振動減衰装置300を示す概略図である。この振動減衰装置300は弾性特性変更部20として板バネ長調整部20bを備えている。その他の構成は、参考例1の振動減衰装置100と略同じであるため、重複する部分については詳細な説明は省略する。
板バネ長調整部20bは、板バネ1a上を振動部2と一体的に移動し、板バネ1aの弾性に寄与する部分の長さを調整することができる。板バネ長調整部20bが板バネ1aの支点から離間した状態(図5(a))では、板バネ1aの弾性部材1としての有効長はL5となる。この状態から板バネ長調整部20bが板バネ1aの支点側に近接するように移動し適切な位置で停止すると、板バネ1aの支点から板バネ長調整部20bまでの部分が固定され(図5(b))、板バネ1aの有効長はL5よりも短いL6となる。このとき、板バネ1aの有効長が減少するので、振動部2の振動周波数が高くなり且つ振幅は小さくなる。従って、制御部5が板バネ長調整部20bの動作を制御できるように構成しておけば、エンジンEからの回転数の変動に応じて、板バネ長調整部20bの動作により適宜板バネ1aの有効長を変化させ、板バネ1aの弾性特性を最適な状態に変更することができる。
なお、このような板バネ長調整部20bを用いれば、上記参考例2の把持部20aを用いる場合よりも弾性特性の調整を細かく行うことができるという利点がある。
参考例4
参考例4は弾性特性変更部20の他の構成例であり、図示は省略するが、弾性部1をガス充填可能な空気バネとして構成したものである。空気バネは、内部ガスの圧力によって弾性特性が変動する。従って、エンジンEからの回転数の変動に応じて、内部ガスの充填量を調節すれば、空気バネの弾性特性を最適な状態に変更することができる。
実施形態)
図6は、本発明の実施形態による振動減衰装置の要部拡大図である。これまでの参考例では、ウェイト8が位置決めシャフト7に係合して設けられていたため、ウェイト8とシャフト7とが係合するギア間で多少の遊びがあったとしても基本的にはウェイト8がフリーの状態でシャフト7に対して移動することはできないように構成されていた。しかし、ウェイト8が位置決めシャフト7にある程度拘束されない構成とすることも可能である。これは、例えば、図6に示すように、ウェイト8を位置決めシャフト7に直接係合させることなく、ストッパ11を備えたスリーブ10に摺動可能に取り付けた構成である。
電気モータ4aを駆動して位置決めシャフト7を回転させると、スリーブ10が移動を開始し、やがてストッパ11がウェイト8の側部に当接する。そして、ウェイト8は、その状態でスリーブ10とともに移動を行う。目標の共振位置またはその近傍に到着したとき、電気モータ4aを停止して位置決めシャフト7の回転を止めると、スリーブ10は位置決めシャフト7に対して相対的に固定状態となる。しかし、ウェイト8はスリーブ10の両サイドのストッパ11の間でフリーの状態となっており、位置決めシャフト7に対して若干の相対移動が可能となる。このため、ウェイト8はエンジンEからの振動を受けると、より最適な共振位置へとさらに移動することができる。
このように、本実施形態では、ウェイト8の位置が共振位置から少し外れていても、エンジンEからの振動を受けて自動的に最適な位置へと移動し、共振状態の微調整を行うことができる。
本実施形態において、ウェイト8の移動中、クランプ等の把持部材(図示せず)でウェイト8を把持して固定しておき、ウェイト8が共振位置近傍に到着したら把持部材の挟持を解除してウェイト8の自由な移動を可能にする構成とすることもできる。
本発明の振動減衰装置は、上記参考例及び実施形態で説明したような自動車用エンジンの振動減衰装置以外にも種々の分野において適用することができる。例えば、住宅用振動減衰装置、精密機器用振動減衰装置等においても、本発明の振動減衰装置は有効に利用することができる。
参考例1による振動減衰装置を示す斜視図 振動減衰装置の作動状態を示す模式断面図 振動減衰装置によって共振状態を発生させるための制御フローを示すフローチャート 参考例2による振動減衰装置を示す概略図 参考例3による振動減衰装置を示す概略図 本発明の実施形態による振動減衰装置の要部拡大図
1 弾性部
2 振動部
3 検知部
4 アクチュエータ
5 制御部
8 ウェイト
20 弾性特性変更部
50 振動発生源
100 振動減衰装置
200 振動減衰装置

Claims (6)

  1. 振動発生源からの振動と逆位相で共振状態となるよう位置決めシャフトの軸方向に沿って共振位置に移動可能なウェイトを有する振動部と、当該振動部の振動による変位を復元させるよう付勢する弾性部とを備えた振動減衰装置であって、
    前記ウェイトを移動させるアクチュエータと、
    前記振動発生源の駆動状態を検知し、当該駆動状態を示す信号を生成する検知部と、
    前記信号に基づいて、前記ウェイトを前記共振位置またはその近傍に移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、
    前記振動部は前記弾性部のみによって支持され
    前記位置決めシャフトに対して前記軸方向に位置変更可能に係合するスリーブを設けると共に、前記スリーブに前記ウェイトを前記軸方向に摺動可能に支持させ、前記スリーブに対する前記ウェイトの相対移動を所定範囲内に規制するストッパを前記スリーブに設けてある振動減衰装置。
  2. 予め定められた前記信号と前記ウェイトの位置との相関情報に基づいて、前記制御部が前記アクチュエータを制御する請求項1に記載の振動減衰装置。
  3. 前記制御部によって制御可能であり、前記弾性部の弾性特性を変更する弾性特性変更部を備える請求項1または2に記載の振動減衰装置。
  4. 予め定められた前記信号と前記弾性部の弾性特性との相関情報に基づいて、前記制御部が前記弾性特性変更部を制御する請求項3に記載の振動減衰装置。
  5. 前記振動発生源は車両のエンジンであり、前記信号は前記エンジンの回転数を示す信号である請求項1〜4の何れか一項に記載の振動減衰装置。
  6. 振動発生源からの振動と逆位相で共振状態となるよう位置決めシャフトの軸方向に沿って共振位置に移動可能なウェイトを有する振動部と、当該振動部の振動による変位を復元させるよう付勢する弾性部とを備えた振動減衰装置であって、
    前記ウェイトを移動させるアクチュエータと、
    前記振動発生源の駆動状態を検知し、当該駆動状態を示す信号を生成する検知部と、
    前記信号に基づいて、前記ウェイトを前記共振位置またはその近傍に移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部とを備え、
    前記振動部は前記弾性部のみによって支持され、
    前記位置決めシャフトに対して前記軸方向に位置変更可能に係合するスリーブを設けると共に、前記スリーブに前記ウェイトを前記軸方向に摺動可能に支持させ、前記スリーブに対する前記ウェイトの相対移動を所定範囲内に規制するストッパを前記スリーブに設け、
    前記弾性部の弾性に寄与する長さを変更するよう前記制御部の制御により前記弾性部の一部を把持する把持部を備えた振動減衰装置。
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