JP2004150486A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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JP2004150486A JP2002314249A JP2002314249A JP2004150486A JP 2004150486 A JP2004150486 A JP 2004150486A JP 2002314249 A JP2002314249 A JP 2002314249A JP 2002314249 A JP2002314249 A JP 2002314249A JP 2004150486 A JP2004150486 A JP 2004150486A
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Abstract

【課題】小さな質量の適用下で、車室内のこもり音を効果的に低減でき、併せて、エンジン振動の、車室内への伝達をも効果的に防止できるダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】慣性質量1と、相互に対向する一対の取付面板3,4と、慣性質量1をそれぞれの取付面板3,4に連結するそれぞれのゴム材料7,8とを具えるものであり、一端に慣性質量1を取付けたモーメントアーム2の他端を、下側の取付面板4に設けたブラケット5にヒンジ連結するとともに、そのモーメントアーム2を、上記ヒンジ連結位置の、慣性質量1とは反対側で、それぞれのゴム材料7,8によって取付面板3,4に連結してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、産業機械、車両その他に用いて好適な、慣性質量の揺動運動を利用したダイナミックダンパに関するものであり、たとえば、エンジンマウントとして用いてまたは、エンジンマウントに適用して、モーメントアームの作用下で大きな慣性モーメントを発生させることにより、動的ばね定数、ひいては、振動伝達率を、十分低い振動周波数域で最小とする技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンマウントに適用されて、エンジンユニットから車体に伝達される振動を低減させるべく機能するダイナミックダンパとしては、たとえば特開平10−267084号公報に開示されたものがある。
【0003】
これは、エンジンユニット側に取り付けられるエンジンユニット取付部と、外筒と内筒との間に弾性体が介装されて車体側に取り付けられるマウントインシュレータと、前記内筒に挿着されるピン部を有して前記エンジユニット取付部に固着される連結部とを具えるエンジンマウントに適用されるダイナミックダンパを、内外二重の筒体間で、それらにラバーを全周にわたって加硫接着させるとともに、外筒に円筒状マスを外嵌固定することにより構成し、かかるダイナミックダンパを、マウントインシュレータの内筒に挿着された、連結部のピン部と同心に配設するものである。
【0004】
そしてこの従来技術は、上記構成により、ダイナミックダンパが、連結部のピン部先端側で振動の振幅が最も大きい位置に取り付けられているため、ダイナミックダンパを最も効果的に機能させることができ、この結果、マスが小さいダイナミックダンパでも十分な音振低減効果を得ることができるとし、また、ダイナミックダンパを円筒型とすることで、汎用的な形状のダイナミックダンパの選択を可能にする、とする。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−267084号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来のダイナミックダンパは、円筒状マスをマウントインシュレータの振動方向、たとえば上下方向に直接的に並進運動させて振動を吸収するものであって、ダイナミックダンパの共振周波数を、問題となる車体側の固有値から少しずれた振動周波数にチューニングすることで、車体振動のピークレベルを低下させるものであり、一般的な自動車車体等では、問題となる固有値は200Hz以上での高い周波数であるので、ダイナミックダンパの共振周波数をそれに合わせて決定するときは、マスの質量は1kg以下で足りることになる。
【0007】
しかるに、たとえばエンジンマウントの一部に組み込んで、エンジンから車体に伝達される振動それ自体を遮断ないしは十分に抑制することを目的に使用される、図11に模式的に示すようなダイナミックダンパにより、たとえば、エンジンのアイドリング時の振動周波数が20Hzで、エンジンマウント全体のばね定数が150N/mmである場合に、アイドリング振動より高い周波数の振動を、たとえば図12に示すように低減させるためには、ダイナミックダンパのマスの大きさを76kg以上とすることが必要となる。
このようなダイナミックダンパは、その性能の点からは十分なものではあるも、マスの大きさが大きくなりすぎるが故に、実用には供し得るべくもないものである。
【0008】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、とくには、慣性質量を、モーメントアームを介して揺動運動させることに基き、小さな質量の適用下で、共振周波数、直接的には、動的ばね定数が最小となる振動周波数を十分に低下させて、エンジン振動の、車体への伝達を効果的に抑制できるダイナミックダンパを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るダイナミックダンパは、慣性質量と、相互に対向する一対の取付面板と、慣性質量をそれぞれの取付面板に連結するそれぞれのばね部材とを具えるものであって、一端に慣性質量を取付たモーメントアームの他端もしくはその近傍を、いずれか一方の取付面板に設けたブラケットにヒンジ連結するとともに、そのモーメントアームを、そのヒンジ連結位置の慣性質量側、もしくはそれとは反対側で、または、ヒンジ連結位置を隔てたそれぞれの側で、それぞれのばね部材により、ぞれぞれの取付面板に連結したものである。
【0010】
ここで、たとえば、ブラケットを設けたいずれか一方の取付面板を車体側への取り付け部材とし、他方の取付面板をエンジン側への取付部材としたところにおいて、このダイナミックダンパそれ自体を、エンジンマウントとして直接的に機能させる場合および、このダイナミックダンパをエンジンマウントの一部として適用する場合のそれぞれにおいて、たとえば、上方に位置するエンジンの上下振動が、エンジン側取付部材に入力されると、その振動は、ばね部材を介してモーメントアームに伝達され、これに伴って、そのモーメントアーム、ひいては、慣性質量が、モーメントアームのヒンジ位置の周りで上下方向に揺動変位されることになる。
【0011】
ところで、エンジンのこのような上下振動は、モーメントアームをヒンジ連結したブラケットおよび、他方のばね部材を介して車体側へも伝達されることになるが、このダイナミックダンパは一次の共振系であるので、特定の周波数で車体への振動伝達率を最小にすることができる。
【0012】
たとえば、振動周波数の極く低いエンジン振動に対しては、エンジンと同位相の振動を行う、ダイナミックダンパの慣性質量に、エンジンの振動周波数の増加に伴う慣性振動を行わせ、ダイナミックダンパの共振周波数の直前の周波数で動的ばね定数を最小とすることで、その周波数での、車体への振動伝達を効効果的に防止することができる。
【0013】
ここにおいて、このダイナミックダンパの共振周波数は、両ばね部材のばね定数、モーメントアームのヒンジ位置から、各ばね部材および慣性質量までのそれぞれの距離よって決定されるので、モーメントアームの長さの選択の下で、慣性質量の揺動運動に基づく大きな慣性モーメントを発生させることにより、慣性質量それ自体の大きさを小さく設定してなお、ダイナミックダンパに高い制振機能を発揮させることができ、それの共振周波数を十分低くすることができる。
なおこの一方で、慣性質量の大きさおよび、モーメントアームのヒンジ位置から慣性質量までの距離の少なくとも一方を変更することで、制振特性および共振周波数を所要に応じて調整することができる。
【0014】
このようなダイナミックダンパにおいて、それぞれのばね部材をともに、モーメントアームに固定もしくは固着したゴム材料にて構成したときは、金属ばね等に比して、ばね部材への、へたり、錆等の発生なしに、所期した通りのばね特性を、メンテナンスを要することなく長期間にわたって発揮させることができる他、ゴム材料それ自身の内部損失によって振動を有利に低減させることができ、また、製品品質のばらつきの影響を小さくできる利点がある。
【0015】
ここにおいて好ましくは、慣性質量をモーメントアームの軸線方向に、たとえば、ねじ機構等によって変位可能とする。
このように構成したときは、たとえば、モーメントアーム上で慣性質量それ自体を移動させること、入子式構造としたモーメントアームを伸縮変位させること等によって、モーメントアームの実質的な長さを所要に応じて調整することにより、ダイナミックダンパの全体を変更することなしに、共振周波数等の特性を簡易に変更することができる。
【0016】
なおこの場合にあって慣性質量をモーメントアームの軸線方向に変位させる駆動手段を設けたときは、エンジンその他の主振動系の振動状況に応じて慣性質量の位置を連続的に変化させて、ダイナミックダンパに最も防振効果の高い振動を行ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態を示す斜視図であり、図中1はほぼ円板状の慣性質量を、2は、一端に慣性質量1を固定ないしは固着したモーメントアームをそれぞれ示す。
また、図中3、4は、相互の対向姿勢の下に配設されて、振動の入力側および出力側のそれぞれの部材に、直接的もしくは間接的に取付けられる一対の取付面板を示す。
【0018】
ここでは、モーメントアーム2の他端を、たとえば、下側の取付面板4から上方へ突出させて設けたブラケット5に、ヒンジピン6によってヒンジ連結するとともに、このモーメントアーム2の端部分の、ヒンジ位置に対して慣性質量側に隣接するベース部分2aを、ばね部材の一例としての、所要のばね特性を有するゴム材料7,8をもって上下のそれぞれの取付面板3,4に連結する。なお、ここにおけるこの連結は、ゴム材料7,8のそれぞれを、たとえば、モーメントアーム2のベース部分2aと、それぞれの取付面板3,4とに直接的に加硫接合、接着剤接合等によって固着させること、または、それぞれのゴム材料7,8の、図の上下端に固着させた剛性ブラケットを、ベース部分2aおよび取付面板3,4のそれぞれにねじ止め固定等することによって行うことができる。
【0019】
以上のように構成してなるダイナミックダンパにおいて、慣性質量1を、たとえばモーメントアーム2上で、所要に応じて移動および位置決め固定できるようにした場合および、モーメントアーム2それ自体を入子式構造その他として、伸縮変位および位置決め固定可能とした場合等には、装着状態のダイナミックダンパの特性を、主振動系の振動状況に最もうまく適合するようにコントロールすることができる。
【0020】
また、このようなダイナミックダンパにおいて、モーメントアーム2のヒンジ連結位置と、それの端部分の、それぞれの取付面板3,4への連結位置との相対位置は所要に応じて選択することができ、その端部分を図示のように、ヒンジ連結位置に対して、慣性質量側でそれぞれの取付面板3,4に連結することができる他、慣性質量側とは反対側でそれぞれの取付面板3,4に連結することもでき、また、ヒンジ連結位置を隔てたそれぞれの位置で、それぞれの取付面板3,4に連結することもできる。
【0021】
ところで、図1に示すダイナミックダンパの運動方程式は、その系を図2に示すようにモデル化し、
x:エンジン変位
:モーメントアーム変位(ばねK部)
:モーメントアーム変位(ばねK部)
:モーメントアームがばねKより受ける力
:モーメントアームがばねKより受ける力
:モーメントアームが支点より受ける力
:車体がばねKより受ける力
:車体が支点より受ける力
とすると、モーメントの釣合いは、
【数1】
Figure 2004150486
となる。
【0022】
ここで、θ≒0と仮定すると、cosθ≒1とみなせるので、(1)〜(5)式より、
【数2】
Figure 2004150486
が得られる。
【0023】
また、(2)〜(6)式とcosθ≒1とにより、
【数3】
Figure 2004150486
が得られる。
【0024】
さらに(3),(5)式により
=Kbθ
となり、これをラプラス変換すると、
(S)=Kbθ(S)
となり、これと(7)式とにより
【数4】
Figure 2004150486
となる。
【0025】
ここで、F=−F,F=−Fであるので、車体に伝達する力Fは
F=F+F=−F−F …(10)
(8),(9),(10)式より
【数5】
Figure 2004150486
となる。
【0026】
ここで、M=0.4kg
=600000N/m
=600000N/m
a=0.015m
b=0.015m
とするとともに、系全体の動ばね定数が22Hzで最小になるようにしたときの、ヒンジ点と慣性質量1との間の距離lは0.14mであり、この場合の動的ばね定数の、周波数に対する変化のシュミレーション結果は図3に示す通となる。
【0027】
またここにおいて、ダイナミックダンパを、図4にモデル化して示すように、モーメントアーム2の端部分を、ヒンジ点に対し、慣性質量1の反対側でそれぞれの取付面板3,4に連結して構成した場合は、モーメントの釣合いは、先の場合と同一の記号の下で、
【数6】
Figure 2004150486
である。
【0028】
また上下方向の力の釣合いは、
【数7】
Figure 2004150486
となる。
【0029】
また(12)〜(16)式と、cosθ≒1とにより
【数8】
Figure 2004150486
が得られる。
【0030】
さらに(13)、(15)式より
=−Kbθ
となり、これをラプラス変換すると、
(s)=−KbΘ(s)
となり、これと(17)式とから、
【数9】
Figure 2004150486
が求まる。
【0031】
ここでF=−F、F=−Fであるので、車体に伝わる全体の力Fは
F=F+F=−F−F …(20)
(18)〜(20)式より
【数10】
Figure 2004150486
となる。
【0032】
ここで、このダイナミックダンパにおいても、M,K,K,aおよびbのそれぞれの値をともに先の場合と同様に設定し、動的ばね定数が22Hzで最も最小になるようにしたときの、動的ばね定数のシミュレーション結果は図5にグラフで示す通となる。なおこの場合、ヒンジ点と慣性質量1との間の距離lは0.125mとなった。
【0033】
そしてさらに、ダイナミックダンパを、図6にモデル化して示すように、モーメントアーム2の端部分を、ヒンジ点を隔てたそれぞれの側でそれぞれの取付面板3,4に連結して構成した場合は、モーメントの釣合いは、図2に示すものと同一の記号に従って
【数11】
Figure 2004150486
となり、ここで
=K(x−x) …(22)
=−K …(23)
=aθ …(24)
=−bθ …(25)
である。
【0034】
また上下方向の力の釣合いは、
【数12】
Figure 2004150486
となる。
ここで、(21)〜(25)式とcosθ≒1とにより
【数13】
Figure 2004150486
が得られる。
【0035】
【数14】
Figure 2004150486
【0036】
従ってここで、M,K,K,aおよびbのそれぞれを前述した値と同一とし、22Hzで動的ばね定数が最小となるようにシュミレーレションを行うと、図5に示す結果が得られ、このときの、ヒンジ点と慣性質量1との間の距離lは0.125mとなる。
なおこのことは、図6のモデルにおいて、K,Kのそれぞれを、支点に対し、図示位置とは逆に配置した場合にも同様である。
【0037】
ところで、図3および5に示すそれぞれのグラフによれば、図3に示す場合、すなわち、図1および2に示すダイナミックダンパでは、共振周波数を越えた周波数域での動的ばね定数、ひいては、振動伝達率を、図4および6に示すそれぞれダイナミックダンパに比して有効に低減させ得ることが明らかである。
【0038】
従って、これらのいずれのダイナミックダンパによっても、エンジンの低周波数振動を十分に防振して車室内のこもり音を効果的に取り除くことができ、また、とくには、図1および2に示すダイナミックダンパによれば、共振周波数の前後の周波数のエンジン振動の、車体への伝達率をより有効に低減させて、車室内の静粛性を効果的に高めることができる。
【0039】
図7はダイナミックダンパの他の実施形態を示す図であり、これは、慣性質量11を、図では水平方向に間隔をおいて対をなして、ガイドロッドを兼ねるモーメントアーム12,13上に、それらの軸線方向に摺動可能に配設し、それらの両モーメントアーム12,13の先端を抜け止めブロック14で相互連結する一方、両アーム12,13の基部を、対をなすそれぞれの取付面板15,16にそれぞれのゴム材料17,18によって連結される共通ベース19とし、そしてこの共通ベース19の、上記連結位置より、慣性質量11から離れた端部分を、下側の取付面板16に設けたブラケット20に、ヒンジピン21によってヒンジ連結し、さらに、共通ベース19の中央部分に水平に貫通させて設けた、ボールねじその他とすることができる雄ねじ部材22を、慣性質量11の中央部分に螺合させるとともに貫通させ、そしてその先端部を、抜け止めブロック14で軸受け支持したものである。
【0040】
このように構成してなるダイナミックダンパでは、雄ねじ部材22を回転させることにより、それに螺合する慣性質量11を、図7(a)に示すアーム先端側位置から、図7(b)に示すアーム基部側位置まで、モーメントアーム12,13上で連続的に摺動変位させることができ、また、所期した通りの位置に位置決め保持することができる。
【0041】
ところで、かかるダイナミックダンパがそれ本来の機能を発揮するに当って、雄ねじ部材22が、慣性質量11およびアーム12,13の、図では上下方向の一体的な揺動運動を拘束するのを防止し、併せて、その一体的な揺動運動によって雄ねじ部材22が曲げ変形されるのを防止するためには、共通ベース19の、雄ねじ部材22が貫通する穴に、その雄ねじ部材22の、少なくとも共連れ変位を拘束なしに許容するゆとりをもたせること、または、雄ねじ部材22を、それの変位を十分に許容できる球面軸受けを介して共通ベース19に支持すること等が好ましい。
【0042】
このようなダイナミックダンパにおいて、慣性質量を0.4kg、それぞれのばね材料17,18のばね定数をともに、600000N/m、モーメントアーム12,13のヒンジ点から、それぞれのゴム材料17,18までの水平距離を0.015mとし、ヒンジ点から慣性質量11までの水平距離を0.14mとした場合のシュミレーション結果は図8に示す通りとなり、これによれば、動的ばね定数が最小となる周波数を22Hzまで低減させることができる。
【0043】
これに対し、ヒンジ点から慣性質量11までの水平距離を0.035mとした場合のシュミレーション結果は図9に示す通りとなり、これによれば、動ばね定数が最小となる周波数を110Hzとし、また、共振周波数を越えた周波数域の動的ばね定数を390N/mm程度まで低減させることができる。
【0044】
従って、このダイナミックダンパでは、系の共振周波数を連続的に変化させることができ、慣性質量11を、防振効果の最も高い位置に移動させることができる。
【0045】
図10はさらに他の実施形態を示す側面図であり、これは先に述べたようなダイナミックダンパの、慣性質量の進退駆動手段を設けたものである。
ここでは、雄ねじ部材22の、共通ベース19への貫通端に、ユニバーサルジョイント23を介して、たとえば電磁式モータ24を連結し、そしてこの電磁式モータ24に回転角センサ25を取付ける。
【0046】
このように構成したときは、電磁式モータ24によって雄ねじ部材22を所要に応じて回転させることで、慣性質量11の、モーメントアーム12,13上の位置を自動的に変化させることができるので、たとえば、慣性質量11の位置を回転角センサ25で検出しつつ、エンジン等の主振動系の振動状況に合わせて、コンピュータ等の指令の下に慣性質量11を最適位置へ移動させることで、振動状況のいかんにかかわらず、常に優れた防振機能を発揮させることができる。
【0047】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、とくには、慣性質量を、モーメントアームを介して揺動運動させることに基づく慣性モーメントの発生下で、小さな質量の適用下で、共振周波数、直接的には、動的ばね定数が最小となる振動周波数を十分に低下させて、車室内のこもり音を効果的に低減させることができ、併せて、共振周波数を越える高い周波数域での動的ばね定数、ひいては、振動伝達率を有利に低減させて、エンジン振動の、車体への伝達をもまた効果的に抑制することがてきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態をモデル化して示す図である。
【図3】図2に示す振動系のシュミレーション結果を動的ばね定数について示すグラフである。
【図4】他の実施形態をモデル化して示す図である。
【図5】図4に示す振動系のシュミレーション結果を示すグラフである。
【図6】他の実施形態をモデル化して示す図である。
【図7】さらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図8】慣性質量をヒンジ点から遠去けて位置させた場合のシュミレーション結果を示すグラフである。
【図9】慣性質量をヒンジ点から近づけて位置させた場合のシュミレーション結果を示すグラフである。
【図10】さらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】エンジンマウントに適用される従来のダイナミックダンパを模式的に示す図である。
【図12】図11に示すダイナミックダンパのシュミレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11 慣性質量
2,12,13 モーメンアーム
2a ベース部分
3,4,15,16 取付面板
5,20 ブラケット
6.21 ヒンジピン
7,8,17,18 ゴム材料
14 抜け止めブロック
19 共通ベース
22 雄ねじ部材
23 ユニバーサルジョイント
24 電磁式モータ
25 回転角センサ

Claims (5)

  1. 慣性質量と、相互に対向する一対の取付面板と、慣性質量をそれぞれの取付面板に連結するそれぞれのばね部材とを具えるダイナミックダンパであって、
    一端に慣性質量を取付たモーメントアームの他端もしくはその近傍を、いずれか一方の取付面板に設けたブラケットにヒンジ連結するとともに、そのモメーメントアームを、上記ヒンジ連結位置の慣性質量側、もしくはそれとは反対側で、または、ヒンジ連結位置を隔てたそれぞれの側で、それぞれのばね部材により取付面板に連結してなるダイナミックダンパ。
  2. それぞれのばね部材をともにゴム材料にて構成してなる請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. ブラケットを設けたいずれか一方の取付面板を車体側への取付け部材とし、他方の取付面板をエンジン側への取付部材としてなる請求項1もしくは記載のダイナミックダンパ。
  4. 慣性質量をモーメントアームの軸線方向に変位可能としてなる請求項1〜3のいずれかに記載のダイナミックダンパ。
  5. 慣性質量をモーメントアームの軸線方向に変位させる駆動手段を設けてなる請求項4に記載のダイナミックダンパ。
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