JP5040135B2 - 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

誘電体分離型半導体装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5040135B2
JP5040135B2 JP2006081904A JP2006081904A JP5040135B2 JP 5040135 B2 JP5040135 B2 JP 5040135B2 JP 2006081904 A JP2006081904 A JP 2006081904A JP 2006081904 A JP2006081904 A JP 2006081904A JP 5040135 B2 JP5040135 B2 JP 5040135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
impurity concentration
semiconductor device
oxide film
dielectric isolation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006081904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007258501A (ja
Inventor
篤雄 渡辺
信一 栗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2006081904A priority Critical patent/JP5040135B2/ja
Publication of JP2007258501A publication Critical patent/JP2007258501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5040135B2 publication Critical patent/JP5040135B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、素子間絶縁に誘電体分離方式を用いる半導体装置に係わり、特に、大電力のモータをドライブするパワーデバイスを最適に制御する半導体装置に関する。
パワーデバイスを最適に制御する半導体装置ではそれぞれの素子をシリコン酸化膜などの誘電体材料で取り囲み素子間及び素子と基板との間を高電圧で絶縁分離させ、高耐圧素子、大電流出力回路、及び低耐圧のロジック回路が集積化された誘電体分離型半導体装置が提案されている。特許文献1には、このような半導体装置の例が開示されている。
図14に、誘電体分離型半導体装置を用いたモータドライブシステムの例を示す。負荷のモータを駆動するIGBTモジュールと、このIGBTモジュールのスイッチング動作を制御する上下2個のMOSトランジスタを基本構成とする駆動回路と、さらにこの駆動回路を最適に制御する誘電体分離型半導体装置からなる。ここで、誘電体分離型半導体装置は、高電圧側ゲート駆動回路とこの駆動回路に制御信号を与える高耐圧MOSトランジスタ、さらにはシステム全体を制御するデジタル制御ICとのインターフェースをとる制御ロジック回路、図には示されていないが各種の保護回路などで構成されている。
図14で、高電圧側ゲート駆動回路および低電圧側ゲート駆動回路を構成する素子はMOSトランジスタ構造であり、その代表的素子構造の断面図を図12に示す。図12で、符号1は、n+型の高不純物濃度のソース領域、2は、ゲート電極、3は、n+型の高不純物濃度のドレイン領域、30は、n-型の低不純物濃度のドレイン領域である。図12の符号140は、低不純物濃度のn--シリコン基板11の第1面に形成されたp型のウエル領域、61は、上記MOSトランジスタが形成されている低不純物濃度のn--シリコン基板11を絶縁分離するための誘電体分離層、150は、誘電体分離層61に隣接して設けられているn+型高不純物濃度層である。図13は、ドレイン領域での各領域についてn--シリコン基板11のシリコン表面から深さ方向について不純物濃度をそれぞれの領域について示した図である。p型のウエル領域140は、表面から不純物濃度の変らない分布をしている。
高不純物濃度のドレイン領域3が低不純物濃度のドレイン領域30で囲まれているため、ドレイン接合でのアバランシェ電圧が高くなり通常のロジックMOSトランジスタより高い電圧、例えば15Vから30Vの中電圧を制御できるMOSトランジスタである。これにより、該MOSトランジスタで構成されているゲート駆動回路は次段のIGBTモジュールを駆動するMOSトランジスタの制御信号に必要な15Vから20Vの出力電圧を発生できる。
さらに、ゲート駆動回路は次段のMOSトランジスタのゲート電圧を充分な速さで充放電させなければならないため所定の出力電流が要求される。このため駆動回路を構成するMOSトランジスタのゲート幅を大きくとって必要なドレイン電流が得られるように設計する。通常のゲート駆動回路の出力電流は0.5Aから1Aである。このような大電流を得るゲート幅は通常数mmオーダの長さになるため平面的なレイアウト面積が大きくなり、図13での誘電体分離型半導体装置の素子面積の大部分を占める。このため、誘電体分離型半導体装置を小さくして低コスト化を実現するにはゲート駆動回路のMOSトランジスタの高電流化が不可欠となる。
しかし、図12、図13に示されている構造のMOSトランジスタの場合、高電流化を図るためにはソースとドレインの間の距離、つまりゲート長を短くしてトランジスタの伝達コンダクタンスgmを増加させる必要がある。
特開2001−251886号公報(図1、図9の記載。)
しかしながら、図12、図13に示す従来技術のMOSトランジスタでは中電圧のドレイン接合耐圧を得るためにソース領域1に比べて深い低不純物濃度のドレイン領域30を持つためゲート長を短くすると、この深いドレイン領域からの電界が電荷の分布に著しく影響し、従って、しきい電圧の低下、耐圧の低下、さらにはトランジスタのリーク電流の増大などトランジスタ特性の劣化を生じるため、ゲート長を短くできない素子構造上の制約がある。
本発明の目的は、誘電体分離型半導体装置の駆動回路を構成するMOSトランジスタのゲート長を短くしてgmを向上しても、短チャネル効果による素子特性の劣化を発生しない新規な素子構造で、ゲート駆動回路の面積を縮小できる半導体装置を提供することにある。
本発明の半導体装置は、略垂直な深いトレンチで誘電体分離構造を有し、高耐圧素子のゲート電圧程度の素子耐圧を持つ中耐圧MOSトランジスタのウエル領域が、ソース領域より深い低不純物濃度のドレイン領域より深くて、ソース,ドレイン層及びドレインの直下のところで表面近傍の不純物濃度に比べて高不純物濃度になっている。
本発明の半導体装置によれば、絶縁分離領域を最小面積とすることができ、オン抵抗の増大を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各図面において、同一の部分には同一の符号を付し、各図面の説明は省略する。
本実施の形態の誘電体分離型半導体装置は、半導体、特にシリコンを半導体材料として選択し、誘電体分離に有利なSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、主表面から中間のシリコン酸化膜に達する深いトレンチ(溝)を形成しこのトレンチをシリコン酸化膜と多結晶シリコン等の部材で埋め込み誘電体分離させた後、MOSトランジスタを形成する領域を定義するためLOCOS(local oxidation of silicon)法により所定の領域に厚い酸化膜を形成する、その後、イオン注入技術の中で不純物を注入する加速電圧を適宜設定することで本発明のウエル領域を形成した後、ゲート酸化膜工程、ゲート電極としての多結晶シリコンの成膜と加工、さらに、通常のイオン注入技術と熱処理工程を加えてソース領域、ドレイン領域、その他の活性領域を形成することで実現する。
図1は、本実施例に係わる誘電体分離型半導体装置の断面図であって、n型のチャネルを形成するnMOSトランジスタ100に適用した。図1ではnMOSトランジスタのみを示し、その他の素子は省略されている。半導体基板、特にシリコン基板5上には、シリコン酸化膜6を介して低抵抗、すなわち高不純物濃度のn+型シリコン層9と、高抵抗、すなわち低不純物濃度のn--型シリコン層10とが積層されて配置された、いわゆるSOI基板を形成している。n--型シリコン層10の主表面からシリコン酸化膜6に達する略垂直な溝が形成されその溝の中に誘電体部材が埋め込まれ誘電体分離溝7が形成される。この溝の平面的形状は閉ループとなっており、内と外を絶縁分離する機能を有する。誘電体分離溝7の両側にはn+型シリコン層8が形成される。n--型シリコン層10の主表面から内部に高不純物濃度のp型ウエル領域90が、p型ウエル領域90に隣接して主表面まで上記のp型ウエル領域90より低不純物濃度のp型ウエル領域91がそれぞれ形成される。p型ウエル領域90、91の主表面に薄い膜厚でシリコン酸化膜(図1では省略。)が形成され、その上に多結晶シリコンからなるゲート電極2が配置される。ゲート電極の一方にはn+型シリコンのソース領域1がp型ウエル領域91の中に形成されている。ソース領域1に対向する他方には、ソース領域1より深く、低不純物濃度のn-型シリコンのドレイン領域30が形成され、さらにドレイン領域30の中にn+型シリコンのドレイン領域3が配置されている。
図1のドレイン領域の表面から内部に沿って各領域、つまり、ドレイン領域3、低不純物濃度のドレイン領域30、低不純物濃度のp型ウエル領域91、高不純物濃度のp型ウエル領域90、さらに、n--型シリコン層10の不純物濃度分布を、図2に示す。図2において、内部に形成されている高不純物濃度のp型ウエル領域90の濃度は、低不純物濃度のドレイン領域30にくらべてわずかに高い5倍から10倍程度に設定されることがよい。また、本実施例のMOSトランジスタでは高不純物濃度のp型ウエル領域90が存在するため、ドレイン領域3、30、p型ウエル領域90、91、n--型シリコン層10とで構成される寄生npnバイポーラトランジスタ作用も大幅に改善できる。
本実施例によれば、MOSトランジスタの反転層であるチャネルが形成されるウエル領域では、内部での不純物濃度が表面より高い不純物濃度になっており、低不純物濃度のドレイン領域と接触しているためドレイン電圧が印加されたときに形成される空乏層が狭く抑えられ、ソース領域とドレイン領域をより近接させた場合でも短チャネル効果を起こす事が無い。従って、ゲート長の短いMOSトランジスタとすることができるため伝達コンダクタンスgmを大きくすることができて、ゲート幅を縮小できる。
図3は、本実施例に係わる誘電体分離型半導体装置の断面図である。本実施例の誘電体分離型半導体装置では、高耐圧のpMOSトランジスタ300、中耐圧のnMOSトランジスタ100、同じく中耐圧のpMOSトランジスタ200を備えている。中耐圧のpMOSトランジスタ200において、p-型低不純物濃度のドレイン領域40と、この低不純物濃度のドレイン領域40より深いところに僅かに高不純物濃度になっているn型ウエル領域80と、n型ウエル領域80に隣接して形成される低不純物濃度のn型ウエル領域81がそれぞれ形成される。nMOSトランジスタ100と同様に中耐圧のpMOSトランジスタ200もチャネルを短くできるために伝達コンダクタンスgmを大きくすることができ、ゲート長を短縮できる。
本実施例によれば、nMOSトランジスタ100とpMOSトランジスタ200とのCMOS回路でゲート駆動回路を構成する場合に、チップ面積の低減とCMOS回路の低消費電力性が同時に達成できる。このとき、nMOSトランジスタ100とpMOSトランジスタ200とがそれぞれ単独に誘電体分離溝7で分離されているためpnpn寄生サイリスタ構造が形成されない。そのために、CMOS回路のラッチアップ現象による素子破壊の欠点が解消できる。さらに、本実施例ではnMOSトランジスタのp型ウエル領域90、91が高耐圧のpMOSトランジスタ300のドレイン層として共用されている。そのために、従来技術のドレインに比べて不純物濃度が高く、高耐圧pMOSの高い印加電圧に誘起されて薄い酸化膜50の上に蓄積される不純物電荷による影響を受けにくくなり、トランジスタの耐圧低下を回避できる信頼性が高いpMOSトランジスタが実現できる。
図4は、本実施例の誘電体分離型半導体装置の断面図である。本実施例の誘電体分離型半導体装置では、高耐圧のnMOSトランジスタ400、中耐圧のnMOSトランジスタ100、同じく中耐圧のpMOSトランジスタ200を備えている。図4の符号41はn+型シリコンのソース領域でnMOSトランジスタ400のソース、40はドレイン領域であって、一般にpボディーと呼ばれゲート電極2によりn型チャネルが形成される領域である。ソース領域41とドレイン領域40のチャネルとがゲート電極2に対して自己整合的に形成されるDMOS構造になっている。コレクタには、高不純物濃度のn+型シリコン層43とこの領域を囲む中耐圧nMOSで配置されているn型ウエル領域80、81を配置して電界緩和を図っている。
図5は、本実施例に係わる誘電体分離型半導体装置の断面図である。本実施例の誘電体分離型半導体装置では高耐圧のIGBTトランジスタ500、中耐圧のnMOSトランジスタ100、同じく中耐圧のpMOSトランジスタ200を備えている。図5の符号51はn+型シリコンでエミッタ領域、40はIGBTのpボディーと呼ばれゲート電極2のバイアスによりn型チャネルが形成されるドレイン領域、53はp+型シリコンのコレクタ領域であり、このコレクタ領域53を取り囲むn型シリコン領域531が図5に示すように配置され、コレクタ領域53からのホールの注入を制御している。なお、場合によっては図4に示した高耐圧nMOSトランジスタのドレインと同じくn型シリコン領域531領域をさらに取り囲んでn型ウエル領域80、81を配置させ電界緩和を行ってもよい。
図6の(a)は、図1、図3、図4、図5示した実施例1から実施例4の誘電体分離型半導体装置の機能ブロックごとに配置した平面パターンを示す。図6(a)の平面パターンは、3相ドライバICの場合を示す。U相、V相、W相の上アームには高耐圧nMOSトランジスタ、pMOSトランジスタから構成されたレベルシフト回路がそれぞれ近傍に配置されている。U相、V相、W相それぞれには、実施例1から実施例4の誘電体分離型半導体装置を用いたインバータシステムでのパワー半導体素子等の過電流、加熱による素子の破壊を保護する保護回路が設けられ配置されている。さらに、マイコンとのインターフェースを行う制御回路、各種電源を作る電源回路周囲には、ボンディングパッドが配置されている。図6の(b)は、図6の(a)に示した平面パターンの中で各駆動回路の中で使われている中耐圧のMOSトランジスタの平面パターンを示す。ただし、駆動回路のすべてを示したものではなく一部を示したものである。また、nMOSの場合でもpMOSの場合でもこの平面パターンは同じである。本平面パターンにおいて、ゲート電極2は所定のゲート長Lgで所定のゲート幅Wgを基本単位にしてこれらが幾つか並列に接続されて構成されている。
図7は、本実施例に係わる誘電体分離型半導体装置の断面図である。本実施例の誘電体分離型半導体装置では中耐圧のnMOSトランジスタ100、同じく中耐圧のpMOSトランジスタ200を備えている。多くの半導体素子が同一のシリコン基板に集積されている半導体装置の場合では、シリコンの主表面にそれぞれのトランジスタの、ソース領域1、チャネル領域、ゲート領域、ドレイン領域3などが形成される領域と、これらを相互に分離させるために酸化膜が形成されている領域とが配置されている。
本実施例の誘電体分離型半導体装置では酸化膜に、薄い酸化膜50の部分と厚い酸化膜60の部分との少なくとも2種類以上の領域がある。厚い酸化膜60の部分は、その上にレイアウトされている配線が高電位になっても下地のシリコン基板との間で電気的絶縁が図られるようにするためである。具体的には、600Vの電圧が印加された場合ではその酸化膜の厚さは少なくとも4μm以上にすることが必要である。
本実施例の場合では、nMOSトランジスタ100、及びpMOSトランジスタ200のそれぞれのn型ウエル領域80、81、とp型ウエル領域90、91とが前記の厚い酸化膜60が形成されている領域に対して自己整合的に形成されている。この自己整合方式によりウエル領域が面積的に効率よく形成されるためMOSトランジスタの面積を縮小出来る。
図8は、本実施例の誘電体分離型半導体装置の断面図である。本実施例の誘電体分離型半導体装置では中耐圧のnMOSトランジスタ100を備えている。ゲート電極2と上下で重複して配置されているドレイン領域はn-型シリコンのドレイン領域33のみで、高不純物濃度のn+型シリコンのドレイン領域3はゲート電極2と位置がオフセットしている。オフセットの構造をとるため図1から図7までに示した深い低不純物濃度のドレイン領域が本実施例では不要になる。図8に示すような構造でも、内部に高不純物濃度となるp型ウエル領域90を有するため短いチャネル構造を有するMOSトランジスタを実現できる。
図9と図10とに、本実施例の誘電体分離型半導体装置の製造方法の詳細を示す。本実施例では、実施例2の半導体装置の製造工程を説明する。
図9(a)において、シリコン基板5の一方の面にシリコン酸化膜6を介してn--型シリコン層10が積層されたSOI基板を用意する。このときn--型シリコン層10はシリコン酸化膜6と接触している面にn+型シリコン層9を設けている。
図9(b)において、n--型シリコン層10の主表面から前記の埋め込んだシリコン酸化膜6まで達する溝をドライエッチング装置を用いて垂直な形状で形成する。この溝の幅は2μm前後である。垂直溝を形成した後、溝の側壁に気相拡散法によりn型の不純物をドーピングさせてn+型シリコン層8を形成する。その後酸化性雰囲気にで熱処理し、側壁にシリコン酸化膜71を形成する。その後、溝の隙間にCVD法により多結晶シリコンを成膜して充填し、誘電体分離溝7を形成する。
図9(c)において、シリコン窒化膜を用いた選択的酸化法を2回にわたり繰り返し厚い酸化膜60の領域と、薄い酸化膜50の領域とを形成する。また、3回に渡り選択酸化法を繰り返して厚みの異なる酸化膜を3種形成する場合もある。
図10(d)において、ホトレジスト部材110をマスキング部材として用い所定の領域に開口窓を設け、イオン注入装置の加速エネルギーを、例えば1MeVの高エネルギーに設定してn型不純物ではリンを、p型不純物ではボロンをそれぞれ注入し、シリコン内部に高不純物濃度のn型ウエル領域80、p型ウエル領域90を形成する。引き続き加速電圧を500keV程度に低減して同一の元素をイオン注入することにより低不純物濃度のp型ウエル領域91、n型ウエル領域81を形成する。このとき酸化膜とシリコン基板との界面ではイオン注入法での加速電圧に従った濃度でドーピングされるため、酸化膜とシリコン界面でのボロンの偏析現象による界面領域での濃度不足が起きることはない。本実施例では、p型ウエル領域90、91のドーピング量としては2×1012ケ/cm2 〜1×1013ケ/cm2 の範囲とした。同様にn型ウエル領域80、81でもリン元素を用いて2×1012ケ/cm2〜1×1013ケ/cm2 の量をイオン注入させて形成する。
その後、図10(e)において、図示してはいないが50nmから80nmの厚さでn--型シリコン層10の主表面にシリコン酸化膜を形成しゲート酸化膜とする。ゲート酸化膜の上に多結晶シリコン膜を成膜し、通常のドライエッチング装置でこの多結晶シリコン膜をパターニングしてゲート電極2を形成する。次に、このゲート電極2と自己整合的に高耐圧pMOSのnボディーであるドレイン領域30とnMOSトランジスタのn型のドレイン領域30とを同時に形成する。pMOSトランジスタのp-型の低濃度ドレイン領域40もリン元素をイオン注入法でドーピングして形成する。
図10(f)において、ソース領域1、21、ドレイン領域3、23、及び高耐圧pMOSトランジスタのソース領域31、ドレイン領域33をイオン注入法によりゲート電極2と薄い酸化膜50とをマスクにして自己整合的に形成する。その後、通常の半導体製造装置で必要な工程の、例えば、CVD法によりシリコン酸化膜を成膜しそれぞれの素子の上でソース、コレクタ、ゲートなどの電気的接続の必要な箇所にドライエッチング装置で開口する工程、スパッタ法によりアルミニウムを主成分とする電極を成膜、加工する工程、最終的なパッシベーション工程などを行うが、図面では省略した。
図11に、本実施例の誘電体分離型半導体装置の製造方法の詳細を示す。本実施例では、実施例5の半導体装置の製造工程を説明する。本実施例ではSOI基板を用いた半導体装置の製造方法ではあるがSOI基板それ自体製造法の部分は省略して図示している。また、MOSトランジスタのウエル領域を自己整合プロセスで形成する部分のみを示しており、その他の工程は省略している。
図11(a)において、n--型シリコン層10の主表面に厚さの異なる酸化膜領域、すなわち厚い酸化膜60と薄い酸化膜50とが形成された後の工程を示す。ホトレジスト部材110を所定の厚さで塗布し、通常のホトリソグラフィ法によりイオン注入用の開口部を形成する。本実施例では、先ず、nMOSトランジスタ100のp型ウエル領域を形成しているので、nMOSトランジスタ領域のホトレジストを開口している。その後、イオン注入法により加速電圧を2水準とする方法で深い部分と表面の浅い部分のp型ウエル領域を形成する。このとき、厚い酸化膜60の領域では加速電圧が低い為イオンが透過せず酸化膜中で留まってしまい、n--型シリコン層10の中に形成されるp型ウエル領域は厚い酸化膜60以外の領域に自己整合して形成される。
図11(b)において、図11(a)に示したnMOSトランジスタのp型ウエル領域を形成した方法と同様にして、ホトレジプロセスとイオン注入法を用いてpMOSトランジスタ用のn型ウエル領域を厚い酸化膜60を利用した自己整合プロセスで形成する。
実施例に示すように、それぞれの半導体素子が略垂直な深いトレンチで誘電体分離させているため絶縁分離領域を最小面積とすることができる。特にゲート駆動回路を構成するMOSトランジスタのドレイン領域は低不純物濃度の領域と高不純物濃度の領域から構成され、チャネルが形成されるウエル領域では、内部での不純物濃度が表面より高い不純物濃度になっており、低不純物濃度のドレイン領域と接触しているためドレイン電圧が印加されたときに形成される空乏層が狭く抑えられ、ソース領域とドレイン領域をより近接させた場合でも短チャネル効果を起こす事が無い。従って、ゲート長の短いMOSトランジスタとすることができるため伝達コンダクタンスgmを大きくすることができ、ゲート幅を縮小できる。この結果MOSトランジスタで構成されたゲート駆動回路のレイアウト面積を縮小できて誘電体分離型半導体装置の小型による低コスト化を達成できる。
以上、説明した各実施例では、誘電体分離溝の側壁および埋め込み酸化膜6と隣接して高不純物濃度のn+型シリコン層8、9が形成されているが、これらの無いSOI基板と誘電体分離型構造を基本とする場合でも適用できる。
実施例1の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例1の誘電体分離型半導体装置で、MOSトランジスタのドレイン領域でシリコン表面から内部に沿ったそれぞれの領域での不純物濃度分布を示す図である。 実施例2の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例3の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例4の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例5の誘電体分離型半導体装置の平面図である。 実施例6の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例7の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 実施例8の誘電体分離型半導体装置の製造工程の説明図である。 実施例8の誘電体分離型半導体装置の製造工程の説明図である。 実施例9の誘電体分離型半導体装置の製造工程の説明図である。 従来技術の誘電体分離型半導体装置の断面図である。 従来技術の誘電体分離型半導体装置のドレイン領域でシリコン表面から内部に沿ったそれぞれの領域での不純物濃度分布を示す図である。 従来技術の誘電体分離型半導体装置を適用したモータドライブシステムを示すブロック図である。
符号の説明
1、21、31、41…ソース領域、2…ゲート電極、3、23、30、33、40…ドレイン領域、5…シリコン基板、6、71…シリコン酸化膜、7…誘電体分離溝、8、9、43…n+型シリコン層、10…n--型シリコン層、11…n--シリコン基板、50…薄い酸化膜、51…エミッタ領域、53…コレクタ領域、60…厚い酸化膜、61…誘電体分離層、80、81…n型ウエル領域、90、91…p型ウエル領域、100…nMOSトランジスタ、110…ホトレジスト部材、140…ウエル領域、150…n+型高不純物濃度層、200、300…pMOSトランジスタ、400…nMOSトランジスタ、500…IGBTトランジスタ、531…n型シリコン領域。

Claims (5)

  1. シリコン基板上にシリコン酸化膜とシリコン層とが積層されたSOI基板に、該シリコン層の主表面からシリコン酸化膜に達する誘電体分離溝で高電圧ゲート駆動回路、低電圧ゲート駆動回路が複数の領域に形成されている誘電体分離型半導体装置において、
    前記ゲート駆動回路のMOSトランジスタが、ウエル領域内に、ソース、及び前記ソースに対向して前記ソースよりも低濃度で深いドレイン層が形成され、前記ドレイン層内に前記ドレイン層よりも高不純物濃度のドレインが形成され、
    前記ウエル領域における前記ドレイン層より深く、かつ前記ソース,前記ドレイン層及び前記ドレインの直下の領域が、前記ウエル領域の表面部分より高い不純物濃度を有することを特徴とする誘電体分離型半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記ウエル領域が、素子分離領域の上に形成されたシリコン酸化膜の平面形状に対して自己整合的に形成された領域であることを特徴とする誘電体分離型半導体装置。
  3. 請求項1において、
    前記ウエル領域が、高耐圧素子のドレイン領域あるいはコレクタ領域と同じ不純物濃度を有することを特徴とする誘電体分離型半導体装置。
  4. 請求項1において、
    前記ゲート駆動回路を構成するMOSトランジスタの低濃度ドレイン領域は高耐圧素子のチャネルを形成するボディー領域と同じ不純物濃度を有することを特徴とする誘電体分離型半導体装置。
  5. シリコン支持基板上にシリコン酸化膜およびシリコン層が積層されたSOI基板を準備する工程と、
    該シリコン層の主表面からシリコン酸化膜に達する垂直な誘電体分離溝を形成する工程と、
    前記分離溝の中を熱酸化膜と多結晶シリコンとで埋め込む工程と、
    選択酸化により素子活性層を分離する少なくとも2種類以上の膜厚を有する酸化膜を形成する工程と、
    該酸化膜を形成した後に、イオン注入装置での加速電圧を変えることで同一のイオン注入用マスクの開口窓を利用して深さ方向で表面側に低不純物濃度領域と前記低不純物濃度領域よりも深くて高濃度の高不純物濃度の領域からなるウエル領域を形成する工程と、
    前記ウエル領域の前記低不純物濃度領域にソース、及びソースよりも深くて低不純物濃度のドレイン層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする誘電体分離型半導体装置の製造方法。
JP2006081904A 2006-03-24 2006-03-24 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法 Active JP5040135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081904A JP5040135B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006081904A JP5040135B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007258501A JP2007258501A (ja) 2007-10-04
JP5040135B2 true JP5040135B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=38632428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006081904A Active JP5040135B2 (ja) 2006-03-24 2006-03-24 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5040135B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8022472B2 (en) 2007-12-04 2011-09-20 Rohm Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP2009238980A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Hitachi Ltd 半導体装置及びその製造方法
US20090250784A1 (en) * 2008-04-08 2009-10-08 Texas Instruments Incorporated Structure and method for elimination of process-related defects in poly/metal plate capacitors
JP5463698B2 (ja) * 2009-03-12 2014-04-09 富士電機株式会社 半導体素子、半導体装置および半導体素子の製造方法
JP5446388B2 (ja) 2009-03-31 2014-03-19 サンケン電気株式会社 集積化半導体装置の製造方法
JP5887233B2 (ja) 2012-09-10 2016-03-16 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置およびその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04196360A (ja) * 1990-11-28 1992-07-16 Nissan Motor Co Ltd 半導体装置
JP3298455B2 (ja) * 1997-05-13 2002-07-02 株式会社デンソー 半導体装置
JP4479041B2 (ja) * 2000-03-10 2010-06-09 株式会社デンソー 半導体装置及びその製造方法
JP4526179B2 (ja) * 2000-11-21 2010-08-18 三菱電機株式会社 半導体装置
JP4275880B2 (ja) * 2001-11-07 2009-06-10 株式会社日立製作所 半導体装置及びそれを用いた電子装置
JP3642768B2 (ja) * 2002-06-17 2005-04-27 沖電気工業株式会社 横型高耐圧半導体装置
JP4477309B2 (ja) * 2003-05-09 2010-06-09 Necエレクトロニクス株式会社 高耐圧半導体装置及びその製造方法
JP2006066788A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007258501A (ja) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4616856B2 (ja) 半導体装置、及び半導体装置の製造方法
JP4206543B2 (ja) 半導体装置
JP5994939B2 (ja) 半導体装置
US5525824A (en) Semiconductor device with isolation regions
US8193563B2 (en) High power device isolation and integration
JP3291958B2 (ja) バックソースmosfet
JP5757145B2 (ja) 半導体装置
KR100394543B1 (ko) 에스오아이 전계 효과 트랜지스터 및 그 제조 방법
US7109551B2 (en) Semiconductor device
JP5754558B2 (ja) 半導体集積回路装置
JP5353016B2 (ja) 半導体装置
JPH09266248A (ja) 半導体装置
JPH098289A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US6642583B2 (en) CMOS device with trench structure
JP5040135B2 (ja) 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法
US7719077B2 (en) Method for the production of a semiconductor component
US10256340B2 (en) High-voltage semiconductor device and method for manufacturing the same
JP3543508B2 (ja) 半導体装置
JP4571108B2 (ja) 誘電体分離型半導体装置及びその製造方法
JP5132481B2 (ja) 半導体集積回路装置
JP2004006555A (ja) 半導体装置
JPH08316335A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH08330581A (ja) 半導体装置
TWI440178B (zh) 半導體功率元件
EP2105962A2 (en) Semiconductor device and production method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5040135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350