以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明はPDPなどのガラス基板上にその構成物である材料層を形成して、それらを焼成固化する工程を有するディスプレイパネルに適用可能であるが、本発明の実施の形態ではPDPを例にとり説明する。
図1はPDPの構造を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面パネル2と、背面ガラス基板11などよりなる背面パネル10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着部材によって気密封着している。封着されたPDP1内部の放電空間16には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
前面パネル2の前面ガラス基板3の一主面上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対のストライプ状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。さらにこれらの表示電極6と遮光層7とを覆うようにPb−B系ガラスなどからなりコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
また、背面パネル10の背面ガラス基板11の一主面上には、走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数のストライプ状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、緑色、および青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、および青色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
次に、PDPの製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3の一主面上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。走査電極4と維持電極5は、インジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極と、その上に形成した銀ペーストなどからなる金属バス電極とによって構成されている。これらの電極は、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。これらの電極材料層は所望の温度で焼成固化される。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成固化することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することにより塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面パネル2が完成する。
一方、背面パネル10は以下のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11の一主面上に、銀ペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成固化することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された面の背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した後、焼成固化することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。
次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成固化することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面パネル10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面パネル2と背面パネル10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリットで封着し、放電空間16にネオン、キセノンなどを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
以上のように、PDPの製造工程において、前面ガラス基板3上の金属バス電極(図示せず)、遮光層7、誘電体層8、および背面ガラス基板11上のアドレス電極12、下地誘電体層13、隔壁14、蛍光体層15は、それぞれの構成部材用の材料を前面ガラス基板3または背面ガラス基板11の上に塗布し、必要に応じて所定のパターンに形成した後、焼成固化することにより作製される。焼成工程は構成部材毎に500℃〜600℃で行われ、少なくとも前面パネル2の場合には2回、背面パネル10の場合には4回の焼成工程が必要となる。
このような焼成工程における従来の方法について以下に説明する。図20は従来のディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。図20(a)は平面図、図20(b)は正面図である。ガラス基板200は支持台210上に、各種の電極や材料層などの構成物220が形成された面を上面にし、ガラス基板200の面と支持台210とが接触するようにして配置されている。このような方法においては、ガラス基板200の支持台210と接する表面に傷が発生する。
この傷は焼成工程における支持台210の熱膨張量とガラス基板200の熱膨張量との差に起因している。すなわち、支持台210として使用している耐熱セラミックの熱膨張係数(−0.4×10−6/℃)とガラス基板200の熱膨張係数(8.3×10−6/℃)との間には大きな差があるため、支持台210上にガラス基板200を載せて焼成炉に投入して焼成すると、支持台210の熱膨張量とガラス基板200の熱膨張量が大きく異なることになる。一方、これらの熱膨張量の差は、基板サイズに比例して大きくなる。特に、1枚のガラス基板200で複数のPDPを製造する、いわゆる多面取り工法の場合には、焼成するガラス基板200がかなり大きくなるために熱膨張量の差もかなり大きくなる。そのため、熱膨張量の差によってガラス基板200と支持台210とが擦れてガラス基板200に線状傷が発生し、線状傷の長さはガラス基板200のサイズに比例して長くなる。
つまり、焼成時には、図20(a)の矢印で示すように、ガラス基板200は熱膨張方向の中心点230を中心にして放射状に熱膨張をするため、ガラス基板200と支持台210との擦れによる線状傷は、ガラス基板200の中心点230から放射線状に広がるようになる。一般に均一組成のガラス基板200の場合、熱膨張方向の中心点230はガラス基板200の重心と一致し、線状傷の長さの最大値は、ガラス基板200と支持台210との熱膨張量の差と基板サイズから算出される。
つまり、線状傷の長さの最大値は、(ガラス基板200と支持台210との熱膨張係数の差)×(焼成温度)×(基板サイズ)で表される。支持台210としてネオセラムN−0(日本電気硝子株式会社の商品名)を、ガラス基板200として42型の一般的なPDP用高歪点ガラス(サイズ:980mm×554mm)を用い、600℃で焼成したとき、ガラス基板200に生じる線状傷の長さの最大値は3.4mmとなる。ガラス基板200の線状傷は1mm以上、場合によっては0.7mm以上になると容易に視認できることから、このような傷は表示品質を著しく低下させる。
図2は本発明の第1の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図であり、支持台に基板を載置した状態を示している。図2(a)はその平面図であり、図2(b)はその側面図である。図2に示すように、支持台20は第1支持台21と第2支持台22とにより構成され、第2支持台22上に基板23が載置されている。ここで、基板23は、PDPの構成物が形成された前面ガラス基板3や背面ガラス基板11であり、第2支持台22に接する面と反対側の基板23の面にこれらの構成物が形成されている。したがって、基板23は第2支持台22を介して第1支持台21上に載置している。
第1支持台21としては、例えばネオセラムN−0(日本電気硝子株式会社の商品名)のような前述の低熱膨張係数材料を用いており、これは熱膨張係数α(−0.4×10−6/℃)が小さな値を示すものである。また、第2支持台22は金属などからなる金属薄板であり、第2支持台22の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差の大きさが、第1支持台21の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差の大きさよりも小さく設定されている。具体的には、第2支持台22の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差の絶対値が、基板23の熱膨張係数と第1支持台21の熱膨張係数との差の絶対値の半分以下、好ましくは1/10以下となるように第2支持台22を構成する金属薄板を選択する。金属薄板としては、例えばチタンやチタン合金を使用することができる。
また、図2(a)に示すように、基板23の周囲に第2支持台22が存在するようにしている。すなわち、第1支持台21上に載置した第2支持台22の外周部が、常に、第2支持台22に載置した基板23の外周部より外側に位置するように構成している。
このように、支持台20上に基板23を載置し、加熱焼成炉中において基板23に形成されたPDPの構成物を焼成するものである。前述のように、第1支持台21上に直に基板23を載せて焼成した従来例では、基板23の第1支持台21と接する表面に傷が発生する。このような傷の発生原因は、焼成時の第1支持台21の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差であり、第1支持台21として使用しているネオセラムN−0は熱膨張係数の大きさが非常に小さい値であるのに対し、基板23として使用している前面ガラス基板3や背面ガラス基板11は、ネオセラムN−0に比べて1桁以上大きな値の熱膨張係数を有している。このため、第1支持台21上に基板23を載せて焼成炉に投入して焼成するとき、第1支持台21の熱膨張量と基板23の熱膨張量とが大きく異なることになる。特に、1枚の基板23で複数のPDPに使用する前面パネル2や背面パネル10を製造する、いわゆる多面取りを行う場合では、焼成する基板23がかなり大きくなるため、第1支持台21の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差が大きくなり、この熱膨張量の差によって焼成時に基板23と第1支持台21とが擦れるため傷が発生する。
一方、本発明の第1の実施の形態においては、図2に示すように、第1支持台21上に第2支持台22を載せ、その第2支持台22の上に基板23を載せた状態で焼成炉に投入して基板23上に形成したPDPの構成物の材料層を焼成している。この場合、第2支持台22の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差は、第1支持台21と基板23の熱膨張係数との差よりも小さくなるため、基板23が接する第2支持台22の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差が小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。
例えば、第2支持台22としてチタンの金属板を用いた場合、その金属板の熱膨張係数は8.4×10−6/℃であり、基板23の熱膨張係数(8.3×10−6/℃)と非常に近い値となる。このとき、第2支持台22の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差の大きさが、第1支持台21の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差の大きさよりもかなり小さくなり、基板23を第1支持台21上に直に載せた場合に比べて、基板23に発生する線状傷の長さを2桁近く小さくすることができる。
さらに、本発明の第1の実施の形態においては、図2に示すように、基板23の周囲に第2支持台22が存在するように、すなわち、第1支持台21上に載置した第2支持台22の外周部が、常に、第2支持台22に載置した基板23の外周部より外側に位置するように構成している。したがって、基板23の内側に第2支持台22の外周端部がある場合には、外周端部のエッジによって基板23に傷が発生するが、本発明の第1の実施の形態ではそれらの原因による傷の発生も防止することができる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、支持台20と基板23との熱膨張差によって発生する基板23表面の傷発生を抑制し、さらに、第2支持台22の端部によって基板23が擦られる傷の発生も防止して高品質なディスプレイパネルを提供することができる。
(第2の実施の形態)
一方、第1の実施の形態で述べたような、平板上の第2支持台22上に平板上の基板23を載置して焼成炉中で焼成を行うと、第2支持台22と基板23との間の空気が膨張して基板23に浮力が発生し、基板23が第2支持台22上を移動して破損する場合などがある。また、第1支持台21と第2支持台22との間にも同様の現象が発生するため、基板23が不安定となって基板23の破損や焼成炉の故障などを引き起こす。本発明の第2の実施の形態では、基板23表面への傷の発生防止と、基板23の破損を防止する支持台の構成について説明する。
図3は本発明の第2の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図であり、支持台に基板を載置した状態を示している。ディスプレイパネルの基板の構成などは第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。本発明の第2の実施の形態では、第1支持台24と第2支持台25の構成が、第1の実施の形態と異なる。
すなわち、第1支持台24には溝部26が設けられ、この溝部26も含めた第1支持台24の表面形状に沿わせた薄板によって第2支持台25を構成している。さらに、第2支持台25の上に基板23を載せ、基板23と第2支持台25の間に空間27を設けている。第2支持台25を構成する薄板は第1の実施の形態で述べたのと同様のチタンを含む金属板などである。また、基板23の周囲に第2支持台25が存在するようにしている。
本発明の第2の実施の形態によれば、焼成時の第2支持台25の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差を小さくして基板23に傷が発生するのを抑制することができる。さらに、基板23と第2支持台25との間に空間27が形成されることによって、焼成時において基板23への浮力発生を軽減し、基板23の位置ずれを抑制して基板23の破損などを防止することができる。
図4は本発明の第2の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。表面が平坦な第1支持台28上に、凹凸部を有する第2支持台29を載せて基板23と第2支持台29の間に空間30を設け、その第2支持台29上に基板23を載せている。第2支持台29は第1の実施の形態で述べたのと同様のチタンを含む金属板などであり、また、基板23の周囲に第2支持台29が存在するようにしている。
したがって、焼成時の第2支持台29の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。また、基板23と第2支持台29との間に空間30が形成されることで、焼成時において基板23への浮力発生を軽減し、基板23の位置ずれを抑制して基板23の破損などを防止することができる。
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。ディスプレイパネルの基板の構成などは第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。第3の実施の形態では、第2支持台が第1支持台上で移動するのを抑制する移動抑制手段を備えている。
図5に示すように、第1支持台31上に薄板よりなる第2支持台32を載せ、その第2支持台32の上に基板23を載せている。第2支持台32は、その端部において上方に折り曲げられた第1折り曲げ部32aと下方に折り曲げられた移動抑制手段となる第2折り曲げ部32bとを有している。第2折り曲げ部32bは第1支持台31の4つの側面にそれぞれ対面するように設けられ、第2折り曲げ部32bを設けたことにより第2支持台32が第1支持台31上を滑ってずれることを防止できる。また、第1折り曲げ部32aを設けたことにより基板23が大きくずれることを防止できる。第2支持台32は第1の実施の形態で述べたのと同様のチタンを含む金属板などで構成されている。
このような構成によれば、焼成時の第2支持台32の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。さらに、焼成中の第2支持台32の位置ずれや基板23の位置ずれを抑制して基板23の破損や、焼成炉の故障などを防止することができる。
図6は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図6に示すように、第1支持台33上に薄板よりなる第2支持台34を載せ、その第2支持台34の上に基板23を載せている。第1支持台33の4つの隅部には凸部33aが設けられ、凸部33aは上方から見て直角三角形状となっている。第2支持台34は長方形の4つの隅部がカットされた形状であり、凸部33aの直角三角形の斜辺に対向するようになっている。この構成により、焼成時において第2支持台34が第1支持台33上を滑ってずれることを防止できる。第2支持台34は第1の実施の形態と同様にチタンを含む金属板などで構成しており、焼成時の第2支持台34の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差が小さくなるため、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。
図7は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図である。図7に示すように、第1支持台35上に第2支持台36を載せ、その第2支持台36の上に基板23を載せている。
第1支持台35には第2支持台36を囲むように複数の穴35aが設けられており、図7(a)においては第2支持台36である薄板の各辺に対して2つの穴35aが設けられている。そして、この穴35aに移動抑制手段となる固定部材37が嵌め込まれており、この固定部材37により、焼成時において第2支持台36が第1支持台35上を滑ってずれることを防止できるとともに基板23が大きくずれた場合でも固定部材37が基板23に対するストッパーとなる。また、第2支持台36は第1の実施の形態と同様にチタンを含む金属板などで構成しているため、焼成時の第2支持台36の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。なお、熱膨張を考慮して、第2支持台36と固定部材37との間に隙間をあけるように構成している。
図8は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)のA−A線断面図である。図8に示すように、第1支持台38上に第2支持台39を載せ、その第2支持台39の上に基板23を載せている。
第1支持台38には第2支持台39を囲むように複数の穴39aが設けられており、図8(a)においては第2支持台39の各辺に対して2つの穴39aが設けられている。また、第2支持台39の各辺に対応するように移動抑制手段となる板状部材40a、40bが設けられ、この板状部材40a、40bは第1支持台38の穴39aに固定部材41で固定されている。板状部材40aは第2支持台39の周囲に配置されており、この板状部材40aの上に重ねて設けられた板状部材40bの端部は第2支持台39の端部に重なるように構成されている。この板状部材40a、40bにより、焼成時において第2支持台39が第1支持台38上を滑ってずれることを防止できるとともに基板23が大きくずれた場合でも板状部材40bが基板23に対するストッパーとなる。また、第2支持台39は第1の実施の形態と同様にチタンを含む金属板などで構成しているため、焼成時の第2支持台39の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。なお、板状部材40aと板状部材40bとを一体化した構成としてもよい。また、熱膨張を考慮して、第2支持台39と板状部材40aとの間に隙間をあけるように構成している。また、第2支持台39よりも板状部材40aを厚くして第2支持台39の上面と板状部材40bの下面との間に隙間を設けることにより、第2支持台39の熱膨張を妨げないような構成にしている。
図9は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図9(a)は平面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A線断面図である。図9に示すように、第1支持台42上に第2支持台43を載せている。図示はしていないが、第2支持台43上にはさらに、第2支持台43よりも小さい基板23を載せている。
図9に示すように、第1支持台42の中央部の2箇所には穴42aが設けられており、図9(a)では第1支持台42の短辺に平行に並ぶように2つの穴42aが設けられている。また、この穴42aに対応する薄板で構成された第2支持台43の裏面側には移動抑制手段となる突起部44が取り付けられており、この突起部44が第1支持台42の穴42aに嵌まり込むようになっている。この突起部44を設けることにより、焼成時において第2支持台43が第1支持台42上を滑ってずれることや回転移動することを防止できる。また、第2支持台43は第1の実施の形態と同様にチタンを含む金属板などで構成しているため、焼成時の第2支持台43の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。なお、突起部44の個数や設ける位置は任意でよいが、少なくとも2つの突起部44を設けることで第2支持台43の平行移動や回転移動を防止することができる。
図10は本発明の第3の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)のA−A線断面図である。図10に示すように、第1支持台42上に第2支持台45を載せている。図示はしていないが、第2支持台45上にはさらに、第2支持台45よりも小さい基板23を載せている。
図10に示すように、第1支持台42の中央部の2箇所には穴42aが設けられており、図10では第1支持台42の短辺に平行に並ぶように2つの穴42aが設けられている。また、第2支持台45の中央部の2箇所には裏面側に突出するように移動抑制手段となる突起部45aが設けられている。これらの突起部45aは、例えば薄板で構成された第2支持台45に適当な切り込みを入れ、その切り込み部分を第2支持台45の薄板の裏面側に曲げれば突起部45aを形成することができる。ここで、基板23が載置される面に尖った部分があれば基板23に傷が発生しやすくなるので、切り込み部分を緩やかに曲げて基板23が載置される面に尖った部分ができないようにする。そして、この突起部45aが第1支持台42の穴42aに嵌まり込むようになっている。
図9の場合と同様に、この突起部45aを設けることにより、焼成時において第2支持台45が第1支持台42上を滑ってずれることや回転移動することを防止できる。また、第2支持台45は第1の実施の形態と同様にチタンを含む金属板などで構成しているため、焼成時の第2支持台45の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23に傷が発生するのを抑制することができる。なお、突起部45aの個数や設ける位置は任意でよいが、少なくとも2つの突起部45aを設けることで第2支持台45の平行移動や回転移動を防止することができる。
また、上記の第1ないし第3の実施の形態において、基板23の中心点が第2支持台の中心点に一致するように基板23を第2支持台上に載置することが好ましく、基板23の熱膨張方向と第2支持台の熱膨張方向とを一致させることができる。また、基板23が第2支持台よりも大きいと基板23は第2支持台のエッジ部分と接触することになるが、このようなエッジ部分との接触によって基板23に傷が発生しやすくなる。しかしながら第1ないし第3の実施の形態では、基板23の周囲に第2支持台が存在するように基板23を第2支持台上に載置しているので、そのような傷の発生はない。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を用いて説明する。第1、第2、第3の実施の形態の説明では、第2支持台として薄板を用いた場合について説明した。本発明の第4の実施の形態では、第2支持台として棒状部材を用いた場合について説明する。
図11は本発明の第4の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図であり、支持台に基板を載置した状態を示している。ディスプレイパネルの基板の構成などは第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。本発明の第4の実施の形態では、上述のように第2支持台の構成が、第1、第2、第3の実施の形態と異なる。
図11(a)は平面図であり、図11(b)はx方向の断面図、図11(c)はy方向の断面図である。図11に示すように、第1支持台50の表面には複数のストライプ状の溝を平行に形成し、その溝内に第2支持台である棒状部材51が挿入されている。基板23は第2支持台となる棒状部材51上に載置されている。基板23を棒状部材51に載置した状態では、基板23と第1支持台50との間に空間53が形成されるように構成している。すなわち、第1支持台50と基板23との間に棒状部材51を介在させた状態となっている。ここで、第1支持台50は第1、第2、第3の実施の形態と同様に、ネオセラムN−0などの低熱膨張材料を用い、第2支持台としての棒状部材51は第1、第2、第3の実施の形態での第2支持台である薄板と同じ金属によって形成しており、例えばチタンやチタン合金を使用することができる。
図11に示す状態で第1支持台50を焼成炉に投入し、基板23上に形成した材料層を焼成している。この場合、棒状部材51の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差が小さいため、焼成時の棒状部材51の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、基板23への傷の発生を抑制することができる。また、基板23と第1支持台50との間に空間53が形成されることによって、焼成時において基板23に作用する浮力の発生が軽減されるので、基板23の位置ずれを防止することができる。
図12は本発明の第4の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図12(a)は平面図であり、図12(b)は図12(a)のx方向の断面図である。
図12に示すように、第1支持台54の表面には、複数のストライプ状の溝を第1支持台54の中心から放射状に形成し、その溝内に第2支持台となる棒状部材51を挿入している。基板23を棒状部材51上に載せたとき、基板23と第1支持台54との間に空間(図示せず)が形成されるように構成している。図12では焼成時に基板23が放射状に熱膨張することを考慮して棒状部材51を配置している。この構成によれば、棒状部材51の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差が小さいため、焼成時の棒状部材51の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなり、さらに、熱膨張の方向が同一であるため基板23への傷の発生をさらに抑制することができる。また、基板23と第1支持台54との間に空間が形成されることで、焼成時において基板23の浮力の発生が軽減されるので、基板23の位置ずれを抑制することができる。
図13は本発明の第4の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成の変形例を示す図である。図13(a)は平面図であり、図13(b)は図13(a)のx方向の断面図、図13(c)はそのy方向の断面図である。
図13に示すように、第1支持台55の表面には複数のストライプ状の溝を平行に形成し、その溝内に第2支持台となる棒状部材56、57を挿入し、基板23を棒状部材56上に載せたとき、基板23と第1支持台55との間に空間58が形成されるように構成している。また、棒状部材56の両端部は他の部分に比べて太くなっており、棒状部材56の細い部分に基板23を載せるように構成している。これにより、焼成工程において基板23のx方向のずれを防止できる。また、図13(a)における第1支持台55の上側の端部と下側の端部に配置した棒状部材57は、基板23がy方向に移動するのを妨げることができるような太さを有している。
第1支持台55には、ネオセラムN−0などの低熱膨張材料を用い、棒状部材56、57は棒状部材51と同じ金属によって形成している。この構成によれば、棒状部材56、57の熱膨張係数と基板23の熱膨張係数との差が小さいため、焼成時の棒状部材56、57の熱膨張量と基板23の熱膨張量との差は小さくなるため基板23への傷の発生をさらに抑制することができる。また、基板23と第1支持台55との間に空間58が形成されることで、焼成時において基板23の浮力の発生が軽減されるので、基板23の位置ずれを抑制することができる。
(第5の実施の形態)
図14は本発明の第5の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。図14(a)は平面図であり、図14(b)はそのB−B線断面図である。また、図15は図14におけるc部の詳細を示す図であり、図15(a)は断面図、図15(b)は平面図である。
図14に示すように、各種の電極や材料層などの構成物220が形成された面を上面にした前面ガラス基板3や背面ガラス基板11などの基板23が、第1支持台61と第2支持台62とにより構成された支持台63上に搭載されている。第2支持台62は2つに分割され、分割された2つの第2支持台62を跨ぐように1枚の基板23が搭載されている。第1支持台61としては熱膨張係数が小さいネオセラムN−0(日本電気硝子株式会社の商品名)のような耐熱材料が用いられ、その熱膨張係数は約−0.4×10−6/℃である。また、第2支持台62には、第1、第2、第3の実施の形態で用いたのと同様の金属薄板を用い、例えばチタンやチタン合金を用いている。
ここで、第2支持台62を2つに分割して設けた理由は以下の通りである。すなわち、PDPなどの大型化と、生産効率向上のための多面取り工法によって、焼成工程における基板23が大型化し、それに応じて極めて大面積の第2支持台62を用いる必要が生じる。しかし、そのような大面積の金属板からなる第2支持台62は市場での流通量が限られ、その価格が大幅に高くなる。そこで、本発明の第5の実施の形態では、小面積の第2支持台62を複数枚用いることによって生産コストの低減と焼成工程での取り扱いを容易にしている。
図14に示すように、第2支持台62の周囲には、薄板金属の第2支持台62の熱膨張方向を規制する複数の規制部64が設けられている。図14、図15に示すように、規制部64は第2支持台62に設けられた開口部65と、第1支持台61上に固定された規制ピン66とにより構成され、開口部65はほぼ長軸を有する矩形形状となっている。
また、図14に示すように、規制部64の第2支持台62に設けられた開口部65は長手軸の中心軸線67が第1支持台61の中心点69を通過するように形成されている。また、規制ピン66はセラミックなどの耐熱性を有する材料により構成されている。なお、図15(a)には、規制ピン66が第1支持台61に設けた孔部68に差し込まれた状態を示しているが、第2支持台62に規制ピンを設け、第1支持台61に設けた開口部の長手方向に規制ピンが移動可能の構成としてもよい。
図16は、規制部を設けない場合の支持台の構成を示す図であり、第1支持台61上に規制部を設けない第2支持台70を2枚並べて載置して、その上に基板23を搭載した場合を示している。この場合、第2支持台70はそれぞれの重心71、72を熱膨張中心として熱膨張する。つまり、第2支持台70の重心では熱膨張による変位は起こらず、その重心から離れるとともに矢印で示すように放射状に熱膨張による変位が起こる。一方、2枚の第2支持台70上に跨るように搭載した基板23は第2支持台70の有無に拘わらず重心74を中心にして熱膨張するため、基板23の熱膨張方向の重心74と第2支持台70の熱膨張方向の重心71、72の位置は一致しない。したがって、2枚の第2支持台70を用いた場合、焼成工程において基板23が第2支持台70によって擦られ、基板23の表面に傷が生じる。
このとき、傷の長さの最大値Smaxは焼成温度Tf、基板と第2支持台との熱膨張方向の中心点間の距離dとして、概ね(数3)で表される。
したがって、第1支持台61としてネオセラムN−0(日本電気硝子株式会社の商品名)を用い、基板23として42型のPDP用高歪点ガラスを用いて、600℃で焼成したときに基板23に生じる傷の長さの最大値は約1.4mmとなる。
一方、本発明の第5の実施の形態によれば、図14に示すように、規制部64の規制ピン66と開口部65とにより、第1支持台61上の第2支持台62の熱膨張による変位は、開口部65の長手軸方向に制限される。すなわち、本発明の第5の実施の形態によれば、規制部64の第2支持台62に設けられた開口部65は、その長手軸の中心軸線67が第1支持台61の中心点69を通過するように形成されている。基板23は単板であるため、その熱膨張方向の中心点は第1支持台61の中心点69と一致する。
したがって、第2支持台62の熱膨張方向は中心点69を中心として、規制部64の開口部65の長手方向に規制される。それゆえ、基板23の膨張方向と第2支持台62の膨張方向とを一致させることができる。また、第2支持台62としてはその熱膨張係数が第1支持台61の熱膨張係数よりも大きな、例えばチタンなどを用いているため、基板23との熱膨張量の差を小さくすることができる。これらの結果、基板23と第2支持台62とが擦れることによる基板23への線状傷の発生を抑制、あるいは傷の長さをより短いものとすることができ、前面パネル2、背面パネル10の品質、歩留まりを向上させることができる。
さらに、第2支持台62を複数に分割した構成としているため、多面取り工法などによってガラス基板サイズが大きくなっても、第2支持台62を小さなサイズのままで対応させることができ、コストを低減することができる。
(第6の実施の形態)
図17は本発明の第6の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。図17に示すように、第1支持台61の長辺側に2枚の第2支持台62を並べ、それら2つの第2支持台62を跨ぐように基板23を搭載している。基板23にPDPの構成物を形成する方法などは前述の実施の形態と同様であるのでその説明は省略する。本実施の形態では、第1支持台61の4隅に対応する第2支持台62の隅に第5の実施の形態と同様の規制部64を設けている。4隅に設けられた規制部64の第2支持台62に設けられた開口部65は、その長手軸の中心軸線67が第1支持台61の中心点69を通過するように形成されている。
したがって、本発明の第6の実施の形態によれば、焼成時に第2支持台62の熱膨張方向が基板23の熱膨張方向と同じになるように規制され、基板23と第2支持台62との間での擦れが小さくなり基板23表面の傷発生をさらに抑制することができる。
なお、第5の実施の形態、第6の実施の形態では第2支持台を2枚とした場合について説明したが、第2支持台の枚数を、例えば4枚などとし、第2支持台のコストをさらに低減するようにすることも可能である。
(第7の実施の形態)
図18は本発明の第7の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。図18に示すように、第1支持台61の短辺側に2枚の第2支持台62を並べ、それら2つの第2支持台62を跨ぐように基板23を搭載している。また、規制部64はそれぞれの第2支持台62に規制部64a、64b、64cが3箇所設けられている。規制部64a、64b、64cの構成は第5の実施の形態および第6の実施の形態と同様の構成であるが、開口部65の長手軸方向の向きが異なっている。
すなわち、図18において一方の第2支持台62に設けられた規制部64aと規制部64bとの開口部65の長手軸の中心軸線80が一致し、さらに2つの第2支持台62に設けた規制部64cの開口部65の長手軸の中心軸線81が一致するように構成されている。2本の中心軸線80は第1支持台61の中心点69からeだけ変位している。したがって、本発明の第7の実施の形態では第2支持台62の熱膨張方向の中心点82、83は第1支持台61の中心点69(基板23の中心点と一致)近傍で、中心軸線80と中心軸線81との交点となり第1支持台61の中心点69とeだけ変位している。
したがって、中心点82、83が中心点69の近傍に位置するように規制部64a、64b、64cを配置することにより、焼成時における第2支持台62面上の熱膨張方向とその熱膨張量を基板23の熱膨張方向と近似させ、第2支持台62と基板23との間の擦れによる傷の長さを短くできる。
一方、前述したように、これらの焼成工程において基板と支持台とが擦れることによって発生する傷の長さは1mm以下になれば視認が困難となり、外観および表示特性上問題となることは少なくなる。したがって、基板23の中心点69と第2支持台62の熱膨張方向の中心点82あるいは中心点83との中心間距離(e)が(数4)を満たすようにすればよい。
ただし、上式では、室温は焼成温度よりも十分低温であるので室温の項は無視した。
(第8の実施の形態)
図19は本発明の第8の実施の形態におけるディスプレイパネルの製造方法に用いる支持台の構成を示す図である。図19に示すように、本発明の第8の実施の形態では第1支持台61上に、4枚の第2支持台90、91、92、93が載置され、それらを跨って1枚の基板23が搭載されている。基板23の構成などは前述の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。図19に示すように、規制部94a〜94hが第1支持台61と第2支持台90、91、92、93に設けられ、それぞれの開口部の長手軸の中心線が第1支持台61の中央部近傍を通過するように配置されている。
このように構成することによって、第2支持台90、91、92、93の熱膨張方向の中心点100、101、102、103が第1支持台61の中央部近傍に位置するため、焼成時に第2支持台90、91、92、93の熱膨張の方向が規制され、基板23と第2支持台90、91、92、93との間で擦れが少なくなり基板23面の傷を抑制することができる。特にPDPが大版でそれらを多面取りする場合でも、チタンなどの金属板である第2支持台90、91、92、93を小面積基板とすることができ、設備コストを低減することができる。
なお、以上の第5の実施の形態から第8の実施の形態において、図15に示す開口部65の長手軸方向の長手軸方向の開口長Wが小さすぎると、第2支持台の膨張が規制ピン66により阻害されて第2支持台が変形する。そのため、開口部65の隙間寸法Wを第2支持台の熱膨張量よりも大きくする必要がある。すなわち、図14に示す第2支持台62の熱膨張方向の中心点69と開口部65の中央部までの距離をLとして、(数5)の条件を満たす必要がある。
一方、開口部65の短手軸方向の隙間寸法Dが大きすぎると、位置規制の作用がなくなるため、規制ピン66の直径と同程度あるいは若干大きいことが望ましい。
また、第2支持台に規制ピンを固定し、この規制ピンが第1支持台に設けた開口部を移動可能な構成としてもよい。また、開口部が第2支持台の端部に設けられた切り欠きであってもよい。
上記の第5ないし第8の実施の形態における第2支持台は、その上に基板23を載せたとき基板23の周囲に第2支持台が存在するように構成されているが、基板23は複数の第2支持台を跨ぐように配置される。このため、その跨いだ部分では基板23は第2支持台のエッジ部分と接触することになり、このようなエッジ部分との接触によって基板23に傷が発生しやすくなる。そこで、第2支持台のエッジ部分のうち、少なくとも基板23と接触するエッジ部分では、図10の突起部45aを形成するときと同様に、エッジ部分を緩やかに曲げて基板23が載置される面に尖った部分ができないようにする。このとき、緩やかに曲げたエッジ部分が挿入できるように第1支持台に溝を設ける。このように構成することで、第2支持台のエッジ部分との接触によって基板23に傷が形成されるのを抑制することができる。
また、上記の第1ないし第3、第5ないし第8の実施の形態において、第2支持台として使用する薄板のチタン金属板などでは、その表面粗さRaは1μm以下のものであるが、この薄板の両面を粗くして使用してもよい。薄板の両面の表面粗さとしては、例えばRa=3μm〜6μmとすると、第1支持台上で薄板が滑りにくくなるとともに、薄板上で基板が滑りにくくなり、焼成時の第2支持台である薄板および基板の移動を効果的に抑制することができる。
なお、以上の実施の形態ではPDPを製造する場合を例として説明したが、例えば液晶パネルやFEDパネルなどの他のディスプレイパネルを製造する方法としても有用であることは言うまでもない。