JP5038156B2 - 半導体素子搭載部材、その製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

半導体素子搭載部材、その製造方法、及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子搭載部を有する半導体素子搭載部材、その製造方法、及び前記半導体素子搭載部材の半導体素子搭載部に半導体素子を搭載した半導体装置に関する。
デジタルカメラやカメラ付き携帯電話等に使用されるCCD撮像素子やCMOS撮像素子等の半導体素子は、通常、半導体素子搭載部材に搭載され、デジタルカメラ等に組込まれる。半導体素子を搭載するための半導体素子搭載部材は、セラミックス等からなる基板、基板の上面外周を取り囲む形状のセラミックス等からなる枠体、基板上面に枠体を気密に接合する接合層、および接合層の厚み方向の中間位置を貫通するリード端子より構成され、基板の上面中央部(半導体素子搭載部)、すなわち枠体により覆われていない部分に半導体素子が搭載される。
半導体素子搭載部材の接合層の形成には、従来、低融点ガラスが用いられていた。しかし、低融点ガラスを用いる方法では、接合層の形成に300〜400℃程度の加熱が必要であり、トンネル型の連続炉が使用されるので、基板に対する、枠体や枠体の上に接合される蓋体の傾きを生じやすいとの問題があった。枠体や蓋体が基板に対して傾いた状態で固定されると、光学系による投影像を、撮像素子の受光面に良好に結像させることができないという問題を生じる。
そこで、低融点ガラスの代りに、熱硬化性樹脂組成物を使用する方法も考えられている。熱硬化性樹脂組成物を使用すれば、トンネル型の連続炉等による加熱を必要とせず、良好な平行度を出しやすい熱プレスの採用が可能となる。
例えば、特開2005−159124号公報(特許文献1)においては、熱硬化性樹脂組成物としてエポキシ樹脂組成物を採用した方法が提案されている。また、特開2005−79147号公報(特許文献2)等には、その硬化物のガラス転移温度の高いエポキシ樹脂組成物が記載されている。
特開2005−159124号公報 特開2005−79147号公報
しかし、特許文献1で提案されているエポキシ樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度(Tg)が低く、半導体素子搭載部材の使用環境の最高温度と比べて十分に高くない場合が多い。また、樹脂組成物等の熱膨張係数はガラス転移温度の前後で変化する。そこで、このエポキシ樹脂組成物を使用した場合は、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されることにより、樹脂硬化物と、金属であるリード端子や基板、枠体を構成するセラミックとの界面で剥離が発生する、あるいは、樹脂硬化物自身にクラックが入り気密が破れる、という問題が生じやすい。
一方、特許文献2等に記載されているエポキシ樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度の高いエポキシ樹脂組成物であるが、このような樹脂組成物は、一般に溶融粘度が高い傾向にあるため、金属であるリード端子とセラミックである基板および枠体を同様に濡らすことができず、その結果、接合層とリード端子や基板、枠体との密着力が低くなり、ガラス転移温度の低い前記のエポキシ樹脂組成物と同様にこの場合も、剥離が発生しあるいは樹脂硬化物自身にクラックが入り、気密が破れる等の問題が生じやすい。
本発明は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物(以後、樹脂硬化物と言うことがある。)より形成され、気密性に優れる接合層を有し、かつ、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面での剥離や、接合層を構成する樹脂硬化物のクラックが生じにくい半導体素子搭載部材、およびその製造方法を提供することを課題とする。本発明は、また、該半導体素子搭載部材に半導体素子を搭載した半導体装置を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を130℃以上とするとともに、枠体側及び基板側にある接合層の端面とリード端子がなす接触角並びに基板側にある接合層の端面と基板がなす接触角が所定の範囲内であり、かついわゆる引けが所定の範囲内である接合層を形成することにより、接合層の気密性に優れ、かつ、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面での剥離や、接合層を構成する樹脂硬化物のクラックが生じにくい半導体素子搭載部材が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上面中央部に半導体素子搭載部を有する基板、半導体素子搭載部を取り囲む形状からなる枠体、基板上面に枠体を気密に接合する接合層、および接合層の厚み方向の中間位置を貫通するリード端子を含む半導体素子搭載部材であって、
接合層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、該硬化物のガラス転移温度が130℃以上であり、
前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ1、
前記リード端子と前記枠体間にある接合層の、前記枠体の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ2、及び
前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記リード端子の内周側にある端面が、前記基板となす接触角θ3、のいずれもが90°未満であり、並びに
前記リード端子と前記基板間にある接合層の前記基板の端部よりの引け、及び前記リード端子と前記枠体間にある接合層の前記枠体の端部よりの引けが、0.6mm以下であることを特徴とする半導体素子搭載部材(請求項1)、を提供するものである。
本発明の半導体素子搭載部材は、上面中央部に半導体素子搭載部を有する基板、半導体素子搭載部を取り囲む形状からなる枠体、基板上面に枠体を気密に接合する接合層、および接合層の厚み方向の中間位置を貫通するリード端子を含む半導体素子搭載部材であり、図1〜2で示される構造を有するものであり、これらの点では、従来の低融点ガラスを用いて製造される半導体素子搭載部材と基本的に同じである。
本発明の半導体素子搭載部材は、接合層が、エポキシ樹脂、硬化剤、および無機質充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物(樹脂硬化物)からなることを特徴の一つとする。すなわち、従来の半導体素子搭載部材の製造に用いられる低融点ガラスの代りに、前記の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を用いるものである。
接合層が熱硬化性樹脂組成物により形成されるので、その製造に、熱プレス等、基板と枠体を精度よく平行に固定することができる手段を用いることができる。従って、この半導体素子搭載部材を用いて、精度の高い撮像装置を得ることができる。
本発明の半導体素子搭載部材は、接合層を構成する樹脂硬化物のガラス転移温度が、130℃以上であることも、その特徴の一つとする。
半導体装置を使用する際、半導体自身から発生する熱や外部環境からの熱によって、半導体搭載部材が熱せられ、接合層の温度が120℃近く、場合によりそれ以上になることがある。また、このような半導体素子搭載部材では、一般に−55〜125℃温度サイクル試験のような信頼性試験(加速試験)が実施されることが多い。さらに高信頼性を要求される用途では、−65〜150℃温度サイクル試験が実施される場合がある。
このような場合、ガラス転移温度の前後で熱膨張係数が変化するので、接合層を構成する樹脂硬化物自身にクラックが発生しやすくなり、また、樹脂硬化物とリード端子、基板、枠体との界面で剥離が生じて気密が破れる、等の問題が生じやすい。接合層に用いられる樹脂の硬化後のガラス転移温度を130℃以上とすることにより、このような問題の発生を低減できる。接合層に用いられる樹脂の硬化後のガラス転移温度は、より好ましくは150℃以上である。
本発明の半導体素子搭載部材は、さらに、前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ1、前記リード端子と前記枠体間にある接合層の、前記枠体の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ2、及び前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記リード端子の内周側にある端面が、前記基板となす接触角θ3、のいずれもが90°未満であることをその特徴とする。
前記のように、接合層を形成する樹脂硬化物のガラス転移温度を130℃以上とすることにより、剥離やクラック発生の問題を低減できるが、本発明者は、前記のθ1、θ2及びθ3を90°未満とすることにより、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面での剥離や、樹脂硬化物のクラックの発生をさらに低減でき、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、半導体素子を長く安定して動作させることができる半導体素子搭載部材が得られることを見出したのである。その結果、前記のような条件で行われる温度サイクル試験などの信頼性試験後の気密性を保つことも可能となる。
ガラス転移温度が130℃以上であっても、θ1、θ2及びθ3の中の少なくとも一つが90°以上であると、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面に応力が集中しやすくなるため、そこから剥離が生じ、温度サイクル試験のような信頼性試験後の気密が破れる等の不良を発生しやすくなると考えられる。
θ1、θ2及びθ3の値としてより好ましくは、5°以上、70°以下の範囲である。70°以下であれば、端面への応力集中をより避けることができる。5°未満であると、樹脂がリード端子上にはみ出しすぎて、外部電極との電気的接続に悪影響を及ぼす可能性が生じる。
図3は、本発明の半導体素子搭載部材の一部(枠体の一辺に相当する部分)の基板面に垂直な断面を表す模式断面図であり、接触角θ1、θ2およびθ3を示す(図3b)、c)及びd)は、それぞれ、図3a)におけるθ1、θ2およびθ3の部分の拡大図である。)。図3a)、b)に示されるように、θ1は、前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の外周側(図3中の右側)にある端面が、前記リード端子となす接触角である。より具体的には、基板表面と図3で表される断面の交線及びリード端子表面と該断面の交線の両交線に平行で、両交線から等距離にある中線1と、基板の外周側にある接合層の端面と該断面の交線m1、との交点をp1とし、基板の外周側にある接合層の端面とリード端子が接する線と該断面の交点をp2としたとき、p1とp2を結ぶ直線と、リード端子の表面と該断面の交線が形成する角度を、本明細書においては、接触角θ1と定義する。
同様に、枠体表面と図3で表される断面の交線及びリード端子表面と該断面の交線の両交線に平行で、両交線から等距離にある中線2と、枠体の外周側にある接合層の端面と該断面の交線m2との交点をp3とし、枠体の外周側にある接合層の端面とリード端子が接する線と該断面の交点をp4としたとき、p3とp4を結ぶ直線と、リード端子の表面と該断面の交線が形成する角度を、本明細書においては、接触角θ2と定義する(図3a)、c)に図示する。)。また、中線1と、リード端子の内周側にある接合層の端面と該断面の交線m3との交点をp5とし、リード端子の内周側にある接合層の端面と基板が接する線と該断面の交点をp6としたとき、p5とp6を結ぶ直線と、基板の表面と該断面の交線が形成する角度を、本明細書においては、接触角θ3と定義する(図3a)、d)に図示する。)。
なお、リード端子の幅方向で(すなわち図3で表される断面が、リード端子の幅方向に移動したとき)、θ1、θ2及びθ3が変動することがあるが、その場合は、幅方向で変化する角度の最大値を、θ1、θ2及びθ3と定義する。
本発明の半導体素子搭載部材は、さらに、前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の端部よりの引け、及び前記リード端子と前記枠体間にある接合層の、前記枠体の端部よりの引けが、ともに0.6mm以下であることをその特徴とする。少なくともいずれかの引けが0.6mmより大きいと気密不良が生じやすくなる。好ましくは、引けは0.5mm以下であり、より好ましくは、引けは0である。
本発明の半導体素子搭載部材では、前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の端部よりのはみ出し、及び前記リード端子と前記枠体間にある接合層の、前記枠体の端部よりのはみ出しが、ともに0.3mm以下であることが好ましい(請求項2)。少なくともいずれかのはみ出しが0.3mmを超えると、はみ出した樹脂により電気的な接続不良等の問題が発生しやすくなる。すなわち、樹脂のはみ出し量が大きいとリード端子の金属露出部分が小さくなるため、リード端子へのワイヤーボンド接続の不良や、リード端子と外部回路を接続する半田接続の不良等の問題が発生しやすくなる。好ましくは、はみ出しは0.2mm以下である。
なお、引け及びはみ出しとは、接合層の端部と基板の端部又は接合層の端部と枠体の端部との位置関係を表すもので、接合層の端部であって基板又は枠体側に最も内側となる部分と、基板又は枠体の端部との距離を引けと言い、接合層の端部であって基板又は枠体の外周より最も外側となる部分と、基板又は枠体の端部との距離をはみ出しと言い、それぞれ図4に示されている。図4は、本発明の半導体素子搭載部材の一部(枠体の一辺に相当する部分)の基板面に垂直な断面を表す模式断面図であるが、図4中のxがはみ出しを示し、yが引けを示す。
本発明の半導体素子搭載部材を構成する接合層の、少なくとも基板とリード端子との間の弾性率は、150℃で80MPa以上であることが好ましい(請求項3)。ワイヤボンディング等によって半導体素子の端子をリード端子と接続する際、そのプロセス温度である150℃近くまで、リード端子と接する接合層が加熱されることがある。しかし、リード端子と基板との間の接合層、すなわち接合層の基板とリード端子との間の部分の弾性率が、150℃で80MPa以上であれば、接続時にリード端子を下支えする接合層が大きく変形することがない。その結果、接続時の圧力をリード端子に十分加えることができ、またリード端子の振動を防ぐことができるので、接合不良の発生を防ぐことができる。
好ましくは、リード端子と枠体との間の接合層、すなわち接合層のリード端子と枠体との間の部分の弾性率も、150℃で80MPa以上である。この場合は、リード端子と枠体との間の接合層も変形しにくいので、半導体素子の端子をリード端子と接続する際に、基板と枠体の平行度が損なわれたり、気密が破られたりすることを防止できるので、好ましい。
本発明の半導体素子搭載部材を構成する基板、枠体、リード端子の構造や材質については、従来の低融点ガラスを用いて製造される半導体素子搭載部材と基本的に同じである。従って、従来の半導体素子搭載部材の製造に使用されているものと同様な、基板、枠体(例えばセラミックス)、リード端子を用いて製造することができる。
基板としては、熱伝導率が10W/mK以上、熱膨張係数が10×10−6/℃以下であるものが好ましい。熱伝導率が10W/mK以上であると、基板の放熱性が高くなるので、高出力、高密度の半導体素子に対応することが可能となる。また、熱膨張係数が10×10−6/℃以下であると、基板の熱膨張係数が、撮像素子等の半導体素子の一般的な熱膨張係数の範囲に近づくので、熱履歴による素子への熱応力の発生を低減でき、撮像素子等の大型化に対応することが可能となる。例えば基板の面積が500mm以上であるような大型の半導体素子搭載部材に好適に適用することが可能となる。
熱伝導率および熱膨張係数についての上記の特性を満足する基板を形成する材料としては、AlN、A1およびSiCからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むセラミックが好ましく例示される。
枠体としては、熱膨張係数が、10×10−6/℃以下で、基板の熱膨張係数との差が3×10−6/℃以下であるものが好ましい。枠体の熱膨張係数を、基板の熱膨張係数に近づけることによって、両者の接合時に反り等の変形が発生するのを防止できるとともに、熱履歴による素子への熱応力の発生を低減でき、撮像素子等の大型化に対応することが可能となる。例えば基板の面積が500mm以上であるような大型の半導体素子搭載部材に好適に適用することが可能となる。
本発明の半導体素子搭載部材は、
エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
その硬化物のガラス転移温度が130℃以上であり、
かつ式Σ(Ei・Mei)+Σ(Hj・Mhj)(式中、Eiはエポキシ樹脂の各成分の、エポキシ樹脂及び硬化剤の全重量に対する重量分率を表し、Meiは、それぞれのエポキシ樹脂の成分の数平均分子量を表し、Hjは硬化剤の各成分の、エポキシ樹脂及び硬化剤の全重量に対する重量分率を表し、Mhjは、それぞれの硬化剤の成分の数平均分子量を表す。)で表される数平均分子量指数が、1200以下である熱硬化性樹脂組成物を、基板の枠体側表面、及び枠体の基板側表面の少なくとも一方に塗布する工程、及び、
塗布された熱硬化性樹脂組成物を硬化し接合層を形成する工程
を含むことを特徴とする製造方法により製造することができる。本発明は、前記の半導体素子搭載部材に加えて、この製造方法も提供するものである(請求項4)。
本発明の製造方法は、基板や枠体の上に塗布され、その硬化により接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物として、前記のように定義される数平均分子量指数が1200以下であるものを用いることを特徴とする。この特徴を有する熱硬化性樹脂組成物を、基板や枠体の上に塗布すると、金属であるリード端子とセラミックを同様に樹脂組成物で濡らすことができ、良好なフィレット形成ができ、その硬化により得られた半導体素子搭載部材において、前記の接触角θ1、θ2及びθ3が90°未満となる。数平均分子量指数は、800以下であると、より好ましい。一方、数平均分子量指数の下限は300以上が好ましい。300未満になると、熱硬化性樹脂組成物の流動性が過度に大きくなり、その結果、前記定義のはみ出しが大きくなりやすくなり、又リード端子の間隔の広い部分等から樹脂組成物が流出し空孔が発生しやすくなり、良好な気密を保つことができなくなる可能性がある。
前記の数平均分子量指数を表す式において、iはエポキシ樹脂の種類を表し、例えば2種のエポキシ樹脂1、2の混合物が用いられる場合は、エポキシ樹脂1については、重量分率E1、数平均分子量Me1で表され、エポキシ樹脂2については、重量分率E2、数平均分子量Me2で表され、Σ(Ei・Mei)は、E1×Me1+E2×Me2である。同様に、jは硬化剤の種類を表し、例えば2種の硬化剤1、2の混合物が用いられる場合は、硬化剤1については、重量分率H1、数平均分子量Mh1で表され、硬化剤2については、重量分率H2、数平均分子量Mh2で表され、Σ(Hj・Mhj)は、H1×Mh1+H2×Mh2である。
熱硬化性樹脂組成物の塗布は、例えば印刷により行うことができる。特に熱硬化性樹脂組成物が液状の場合、その塗布は、スクリーン印刷等の印刷や、転写、ディスペンサー等により、樹脂組成物を基板または枠体の接合部上に、容易に行うことができる。
印刷等の塗布方法を用いれば、必要な部分のみ、すなわち基板と枠体が接合する部分のみに容易に樹脂組成物を塗布することができ、樹脂のシートを使用する場合に必要なシートの除去工程、例えば半導体素子搭載部分からの樹脂のシートの打抜き工程は不要である。またスクリーン印刷等により塗布する場合は、塗布ムラを生ぜず、かつパターン精度に優れるとともに、リード端子を、気密を維持しつつ接合する接合層を容易に形成することができる。
熱硬化性樹脂組成物としては、印刷時の環境を考慮すると、23℃で液状の熱硬化性樹脂組成物がより好ましい(請求項5)。さらに好ましくは、23℃での粘度が20〜500Pa・sの樹脂組成物が好ましい。粘度が、この範囲にある液状熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、優れたパターン精度で印刷することができる。500Pa・sを超える場合や20Pa・s未満の場合は、接合層の気密性低下の原因となる印刷ムラを生じやすい傾向にある。良好な印刷性が得るための特に好ましい粘度範囲は、50〜300Pa・sである。
また、熱硬化性樹脂組成物を硬化する際のボイドの発生を招かないなどの理由により、固形分が80%以上であることが好ましい。すなわち、熱硬化性樹脂組成物としては、固形分が80%以上であり、23℃での粘度が、20〜500Pa・sである液状の熱硬化性樹脂組成物が特に好ましい(請求項6)。
良好な印刷性を得るためには、さらにチキソトロピー指数が1.01〜3.00の範囲にある液状熱硬化性樹脂組成物が好ましい。チキソトロピー指数が1.01未満では、樹脂組成物の塗布後、だれたり流れたりする場合がありパターン精度が低下する。一方、3.00を超えると、印刷等の際に版離れが悪くなり良好な印刷性が得られなくなる。より好ましいチキソトロピー指数の範囲は、1.05〜2.00である。
なお、ここでいう粘度とは、E型粘度計((株)レオロジ製、MR−300VII型)を用いて23℃で測定した値である。また、チキソトロピー指数は、同じE型粘度計を用いて測定した、回転数1rpmにおけるペーストのみかけ粘度η1と、回転数10rpmにおけるペーストのみかけ粘度η10との比(η1/η10)の値を言う。
熱硬化性樹脂組成物の塗布およびリード端子の設置の方法としては、次に述べる方法が例示される。
例えば、スクリーン印刷等の方法により、基板および枠体の接合部の両方に、樹脂組成物を塗布し、この樹脂組成物間にリード端子を挟持する(以後、この方法をプロセス1と言う。)方法が挙げられる。基板および枠体上に塗布された樹脂組成物は、それらの硬化により、それぞれ基板とリード端子間の接合層及び枠体とリード端子間の接合層を形成する。
または、熱硬化性樹脂組成物を、スクリーン印刷等の方法により基板の接合部に塗布し、次にリード端子を塗布された樹脂組成物上の所定の位置に置き、さらにその上に樹脂組成物を塗布し、その後その上に枠体を設置する(以後、この方法をプロセス2と言う。)方法も挙げられる。プロセス2では、基板上に塗布された樹脂組成物が、基板とリード端子間の接合層を形成し、リード端子上に塗布された樹脂組成物が、枠体とリード端子間の接合層を形成する。なお、プロセス2の代わりに、熱硬化性樹脂組成物を、先ず枠体に塗布し、次にリード端子を、塗布された樹脂組成物上の所定の位置に置き、さらにその上に樹脂組成物を塗布し、その後これを、基板の接合部上に設置する方法も採用することができる。
いずれの方法においても、基板とリード端子間の接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物と、枠体とリード端子間の接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物は、同じであっても異なっていてもよく、枠体とリード端子間の接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物の弾性率が150℃で80MPa以上でなくてもよい。ただし、この熱硬化性樹脂組成物も、その硬化物の弾性率が150℃で80MPa以上のものが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物の塗布およびリード端子の設置がされた後、基板と枠体の圧着が行われる。この圧着は、プロセス1においては、基板上に塗布した樹脂組成物と枠体上に塗布した樹脂組成物の間にリード端子を挟んだ状態で行われる。プロセス2においては、リード端子上に塗布した樹脂組成物上の所定の位置に枠体を置いた後、この圧着が行われる。
前記の工程の中で、予備加熱、すなわち硬化の温度よりも低い温度(例えば100℃程度)での加熱を行うことにより熱硬化性樹脂組成物をBステージ状態にし、基板、枠体、リード端子の接合を行う方法も採用される。すなわち、液状熱硬化性樹脂組成物の塗布後、予備加熱により前記樹脂組成物をBステージ状態として、基板または/および枠体とリード端子を接合した後、前記樹脂組成物を硬化する工程を含むことを特徴とする前記の半導体素子搭載部材の製造方法である(請求項7)。
Bステージ状態とは、表面タックのないタックフリー状態であるが、硬化後の接合性(接着性)を損なわない状態を言う。Bステージ状態での圧着後、より高温で熱硬化性樹脂組成物を硬化して接合層を形成する。
Bステージ状態で接合を行うことにより、液状熱硬化性樹脂組成物のダレ等を防止できる。また、接合工程での熱硬化性樹脂組成物の層は表面タックのないタックフリー状態であるので、ハンドリングが良好になってリード端子の挟み込みや接合の際の位置修正を容易に行うことができ生産性をさらに上げることができる等の効果が得られる。
Bステージ状態を経由して接合した場合でも、圧着温度での樹脂組成物の流動性が十分に大きければ、熱プレスによる圧着の際、樹脂組成物が良好に流動して隅々まで行きわたるので、基板と枠体とを気密良く接合できるとともに、リード端子をさらに良好に気密を維持した状態で貫通させることができる。ただし、圧着温度での樹脂組成物の流動性は、リード端子の間隔の広い部分などから樹脂組成物が流出して空孔が発生しない範囲でなければならない。
樹脂のはみ出しや引けを前記の範囲にするために、接合の工程における樹脂厚や各種接合条件の調整が望まれる場合がある。特に、樹脂組成物とリード端子との濡れ性が良い場合は、樹脂のはみ出しが生じやすいので、樹脂厚や各種接合条件の調整が望まれる。
例えば、前記Bステージ状態において、前記熱硬化性樹脂組成物の塗布の厚み(リード端子がある部分では、リード端子の厚みも含む。)が、前記リード端子の厚みの1.10倍以上で、3.00倍以下であることが好ましい(請求項8)。3.00を超えると、樹脂量過多により上記はみ出し量が0.3mmを超え、はみ出した樹脂により電気的な接続不良などの問題が発生しやすくなる。一方、1.10未満であると、樹脂量不足により引けが0.6mmを超え、樹脂量不足のための気密不良が発生しやすくなる。より好ましくは、1.50〜2.50である。
リードフレームの厚みは0.10mm以上、0.25mm以下が望ましい。0.25mmを超えると、リード端子間の空隙率が大きくなりすぎて、気泡巻き込みの原因となり気密不良を起こしやすい。一方、0.10mm未満であると、リード端子の強度が足りず折れ曲がるなどの不具合が発生しやすい。
樹脂組成物の硬化は、プロセス1、プロセス2のいずれにおいても、圧着後、圧力を解放し、恒温槽等を用いて行うことができる。樹脂組成物の硬化により、基板と枠体とを気密に接合するとともに、リード端子を、気密を維持しつつ貫通する接合層が形成され、半導体素子搭載部材を得ることができる。
熱プレスによる場合のプレス温度は、60℃以上140℃以下が好ましい。140℃を超えると、樹脂の硬化が進み増粘し樹脂が隅々まで行き渡らなくなりやすい。一方、60℃未満であると、樹脂の軟化が不十分で流動性が悪化し樹脂が隅々まで行き渡らなくなりやすい。より好ましくは、80℃〜120℃である。
プレス圧力は、0.10MPa以上、1.0MPa以下が好ましい。1.0MPaを超えると、圧力が強すぎて上記はみ出しが0.3mmを超え、はみ出した樹脂により電気的な接続不良などの問題が発生しやすい。一方、0.10MPa未満であると、圧力不足により樹脂が隅々まで行き渡らなくなりやすい。より好ましくは、0.20MPa〜0.60MPaである。
プレス時間は、1秒以上300秒以下が好ましい。300秒を超えると、プレス時間が長すぎて上記はみ出しが0.3mmを超え、はみ出した樹脂により電気的な接続不良などの問題が発生しやすい。一方、1秒未満であると、プレス時間が短すぎて、樹脂が隅々まで行き渡らなくなりやすい。
以上述べたリード端子の厚みや各プレス条件の好ましい範囲内で、本発明の半導体素子搭載部材を作成すると、完成品における樹脂層の厚みが、前記リード端子の厚みの1.05以上3.00以下となり、又、気密性も良好で、樹脂のはみ出しや引けも、上記の好ましい範囲内にある半導体素子搭載部材を得ることができる。完成品における樹脂層の厚みが、前記リード端子の厚みの1.05以上3.00以下の範囲から外れている場合は、気密不良やはみ出し不良になる可能性が高い。
本発明は、さらに、前記の本発明の半導体素子搭載部材を用いた半導体装置(特に撮像装置)を提供する。すなわち、前記の本発明の半導体素子搭載部材の半導体素子搭載部に半導体素子を搭載し、その後、枠体上に蓋体を気密に接合して製造されたことを特徴とする半導体装置(請求項9)を提供する。
このような本発明の半導体装置は、前記のような製造方法で本発明の半導体素子搭載部材を製造した後、その半導体素子搭載部に半導体素子を搭載した後、素子の端子とリード端子を接続し、さらにその後、枠体の上から、透光性素材よりなる蓋体を気密に接合して、半導体素子を外部環境から遮断して封止することにより得ることができる。本発明の半導体装置は、熱プレス等の良好な平行度を保ちやすい工程を用いて製造されるとともに、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面での剥離や、接合層を構成する樹脂硬化物のクラックが生じにくい半導体素子搭載部材を用いているので、受光面と蓋体との平行度を良好に保つとともに、優れた信頼性、耐久性を有し、撮像装置等に好適に用いられる。なお、本発明の半導体装置を構成する蓋体や素子等は、従来の半導体装置で使用されているものと同じものを使用することができる。
本発明の半導体素子搭載部材は、気密性を維持しつつリード端子、基板、枠体を接合する接合層を有し、気密性に優れる。また、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、接合層と、基板、枠体やリード端子との界面での剥離や、接合層を構成する樹脂硬化物のクラックが生じにくく、従って気密不良が生じにくい。従って、例えば、温度サイクル試験のような信頼性試験後の気密性が良好である。そして、本発明の半導体素子搭載部材の製造方法によれば、前記の本発明の半導体素子搭載部材を安定的に製造することができる。
このような半導体素子搭載部材を用いた本発明の半導体装置は、長時間の使用によっても気密不良が生じにくいので、優れた信頼性、耐久性を有し、撮像装置等に好適に用いられる。
本発明の半導体素子搭載部材を示す平面模式図である。 図1におけるi−i線断面図である。 本発明の半導体素子搭載部材の一部の断面を表す模式断面図である。 本発明の半導体素子搭載部材の一部の断面を表す模式断面図である。
符号の説明
1. 基板
2. 枠体
3. 半導体素子搭載部
4. リード端子
5、51、52 接合層
先ず、本発明の半導体素子搭載部材の接合層を形成する熱硬化性樹脂組成物を構成する組成について説明する。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等、公知のエポキシ樹脂を使用できる。これらのエポキシ樹脂は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用されるが、ビスフェノールA型エポキシにクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を配合したエポキシ樹脂が、耐熱性、耐湿性、電気特性などの点から好ましい。
中でも、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量が、全エポキシ樹脂中の10重量%以上、40重量%未満の場合がより好ましい。クレゾールノボラックの配合量が10重量%より少ない場合は、耐熱性、耐湿性、電気特性が十分に得られない場合があり、40重量%以上の場合は樹脂の粘度が高くなり、作業性が悪くなる場合がある。特に好ましくは、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の配合量が20〜30重量%である場合であり、この場合は、十分な耐熱性、耐湿性、電気特性が得られ、かつ樹脂の粘度が適当となり作業性もさらに良好となる。
硬化剤としては、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類等、公知の硬化剤を用いることができる。硬化剤の含有割合の範囲は特に限定されず、好ましくは、半導体素子搭載部材の製造の際の硬化温度で、良好な硬化物を与える量が含有される。これらの硬化剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができるが、耐熱性、電気特性などの点からフェノール樹脂系硬化剤を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂や硬化剤の種類を調整することにより、硬化物の弾性率を150℃で80MPa以上とすることができる。
無機質充填剤としては、シリカ、沈降性硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等、公知の無機質充填剤を用いることができ、要求される特性に応じて、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用される。無機質充填剤の形状としては、球状、破砕状、フレーク状などがあるが、無機質充填剤の高充填化により硬化物の高弾性率化を図るため、球状の無機質充填剤が好ましい。無機質充填剤の配合割合を調整することにより、硬化物の弾性率を150℃で80MPa以上とすることができる。無機質充填剤の配合割合は、組成物全体量の1〜95重量%であることが好ましい。1重量%未満では、得られる硬化物が充分な高弾性率を示すことが難しい。一方、95重量%を超えると、粘度が高くなりすぎて流動性が低下するため、良好な印刷性が得られなくなる場合がある。また、圧着時の流動性が低下して、圧着時に樹脂が隅々まで行き渡らず、気密性が低下する場合がある。
熱硬化性樹脂組成物の流動特性は、無機質充填剤の粒度分布にも大きく依存しており、一般に分布が広く粒径の大きい無機質充填剤ほど、樹脂組成物の粘度が低くなり流動性がよい。しかし、粘度の低下のみを目的に大きな粒径を含む無機質充填剤を用いると、硬化中に粒径の大きな無機質充填剤が沈降してボイドを発生させ、気密性を低下させる場合があり、また、沈降により分布が不均一になり、熱膨張係数も不均一となり、信頼性の面からも好ましくない。以上の観点から、無機質充填剤としては、平均粒径が0.1μm〜100μmで、かつ最大粒径が200μm以下の無機質充填剤が好ましい。
溶媒は、前記熱硬化性樹脂組成物を液状とするために添加され、樹脂成分を溶解し樹脂組成物の粘度を下げるものであれば特に限定されない。溶媒には、樹脂組成物の原料由来のもの(例えば、原料のエポキシ樹脂を溶解する溶媒)も含まれるし、樹脂組成物の調整の過程で粘度調整のために添加されるもの等も含まれる。溶媒の含有量は、熱硬化性樹脂組成物としての粘度やチキソトロピー指数、硬化後の弾性率が好ましい範囲となるように調整、配合される。溶媒が使用されない場合もあり得る。
前記熱硬化性樹脂組成物には、以上の配合組成に加えて、本発明の趣旨を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含有することができる。例えば、良好な印刷性を得るために、チクソ性調整剤等を配合してもよい。
また、液状熱硬化性樹脂組成物は、その硬化の過程において、100℃で90分未満の予備加熱によりBステージ状態となった後に硬化に至るものが好ましい。Bステージ状態の接合材の内部は、粘度の上昇が抑えられ、流れ性が良好で、気密を保った接合ができる。なお、100℃で90分未満の予備加熱によりBステージ状態となるものとは、100℃で予備加熱した場合は、90分未満でBステージ状態となるとの意味であり、Bステージ状態とするための温度が100℃に限定されるものではない。
液状熱硬化性樹脂組成物は、基板または枠体上の少なくとも1面に塗布(印刷)される。厚みが、各面で30μm以上となるように、かつ両面での総厚みが100〜500μmの範囲となるように、塗布されることが好ましい。総厚みが100μm未満では、気密を保つことが難しく、一方、500μmを超える場合は、接合の際の樹脂の、基板および枠体間よりのはみ出しが大きくなり、リード端子と、素子または外部電極との電気的接続に悪影響を及ぼすおそれがある。より好ましくは、200〜400μmである。
次に、本発明の半導体素子搭載部材およびその製造方法の一例を図により説明する。図1〜2は、本発明の半導体素子搭載部材を示し、図1は平面模式図である。
図1において、1はセラミックスから成る基板、2はセラミックスから成る枠体、3は半導体素子搭載部であり、この上の破線で示される部分Aに半導体素子が搭載される。枠体2の長辺側には、リード端子4が配設されている。
図2は図1におけるi−i線断面図である。図2に示されるように、基板1と枠体2間には、接合層5が形成されており、その厚み方向の中間位置を貫通するようにリード端子4が配設されている。リード端子4と基板1間にある接合層5の部分が接合層51であり、リード端子4と枠体2間にある接合層5の部分が接合層52である。本発明においては、基板1および枠体2それぞれの接合する側の面に、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷等の方法で所定の平面形状となるよう塗布して、それぞれの面に熱硬化性樹脂組成物の層を形成し、これを予備加熱することによりBステージ状態の層とする。
次に、多数のリード端子4がフレームと一体成形されたリードフレームを、樹脂組成物の層が形成された基板1、および樹脂組成物の層が形成された枠体2で挟み込み、熱プレス等で圧着すると、樹脂組成物の層が一体化し、この樹脂組成物を硬化させることにより基板1と枠体2とが気密に接合され、同時に、気密を維持しつつリード端子4を貫通させた接合層5が形成される。その後、リード端子をフレームから切り離すことで、半導体素子搭載部材が作製される。基板1上に形成された樹脂組成物の層が接合層51となり、枠体2上に形成された樹脂組成物の層が接合層52となる。
次に実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〜15、比較例1〜4
(熱硬化性樹脂組成物の作製)
表1〜4に示す配合に基づき、実施例1〜15、比較例1〜4の液状熱硬化性樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂Aとしては、以下に示す樹脂を用いた。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名:エピクロン850−CRP、大日本インキ化学(株)製:表中では「CRP」と表す。)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製:表中では「828」と表す。)
表中に示されるこれらの樹脂の数平均分子量は、東ソー株式会社製HLC−8220 GPCを用い、GPC法にて測定した値である。以下に示す他の樹脂等の数平均分子量についても同様にして測定した値である。
エポキシ樹脂Bとしては、以下に示す樹脂を用いた。
クレゾールノボラック型固形エポキシ樹脂(商品名:エピクロンN−665、大日本インキ化学(株)製:表中では「N665」と表す。)
クレゾールノボラック型固形エポキシ樹脂(商品名:エピクロンN−695、大日本インキ化学(株)製:表中では「N695」と表す。)
ナフタレン型液状エポキシ樹脂(商品名:エピクロンHP−4032D、大日本インキ化学(株)製:表中では「4032」と表す。)
ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(商品名:エピコート1002、ジャパンエポキシレジン(株)製:表中では「1002」と表す。)
硬化剤としては、以下に示すものを用いた。
ノボラック系フェノール樹脂(商品名:フェノライトTD−2090、大日本インキ化学(株)製:表中では、「TD−2090」と表す。)
ノボラック系フェノール樹脂(商品名:フェノライトTD−2131、大日本インキ化学(株)製:表中では、「TD−2131」と表す。)
アミン系エポキシ樹脂硬化剤(商品名:SEIKACURE−S、和歌山精化工業(株)製:表中では、「SEIKA」と表す。)
イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤(商品名:キュアゾールC11Z、四国化成工業(株)製:表中では、「C11Z」と表す。)
イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤(商品名:キュアゾール2PZL、四国化成工業(株)製:表中では、「2PZL」と表す。)
無機フィラーとしては、球状シリカ(商品名:DENKA高流動性球状シリカFB−910、電気化学工業(株)製)を使用した。
固形分や粘度を調整するため、溶媒としてメチルカルビトールを使用した。
(液状熱硬化性樹脂組成物の物性測定)
弾性率
得られた液状熱硬化性樹脂組成物を硬化して、硬化後の150℃での弾性率を測定した。この弾性率は、引張り動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製、DMS6100)を用いて、JIS K 7244−4に準拠して測定した値である。
粘度
E型粘度計((株)レオロジ製、MR−300VII型)を用いて23℃で測定した。
固形分
JIS−K−6833「接着剤の一般試験方法」に規定される「不揮発分測定」に準拠して測定した。
印刷性(塗布性)
特定パターンで印刷を行い、パターンの欠けの発生、並びに連続印刷性につきチェックし、評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:欠けを生じることなく、連続印刷が可能
△:連続印刷が可能であるが、若干の欠けを生じる
×:常に欠けが生じる、あるいは、連続印刷が不可能
ガラス転移温度(Tg)
得られた液状熱硬化性樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度(Tg)を測定した。具体的には、引張り動的粘弾性測定装置(セイコーインスツル(株)製、DMS6100)を用いてtanδを測定し、tanδの最大値における温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(基板・枠体の作製)
Al,SiO、MgO、CaO、Cr、MnO及びTiOを、有機バインダ、溶剤、可塑剤、および分散剤と混合してスラリーを調整し、このスラリーをスプレイドライ法により顆粒化した。その後、この顆粒をプレス成形し、1500℃で焼成した後、表面をラップ研磨して基板および枠体を得た。
(試験体の作製)
このようにして得られた基板および枠体の各表面の所定箇所に、得られた液状熱硬化性樹脂組成物を、枠体側に140μm、基板側に90μmの厚みで塗布した。このとき、基板は、リード端子が配設される側の長辺の長さが40mm、長辺と交差する短辺の長さが30mmの大きさで、厚みは1.4mmであった。また、枠体は、長辺の長さが40mm、短辺の長さが30mm、長辺側の枠の幅が3mm、短辺側の枠の幅が5.5mmで、厚みは0.9mmであった。
前記の熱硬化性樹脂組成物を基板並びに枠体に塗布した後、各塗布面間に厚み100μmのリードフレームのリード端子部分を挟んだ状態で、熱プレス式の接合装置を用いて圧着して樹脂組成物を硬化させるとともに一体に接合した。その後、リード端子をフレームから切り離し、半導体素子搭載部材を作製した。
熱プレス条件: 120℃×0.6MPa×15秒
作製した半導体素子搭載部材の基板の片面と、枠体の上面との間の平行度を測定したところ、いずれも30μm以下で、基板と枠体とは、高精度の平行状態に位置合わせされていることが確認された。
(θ1、θ2及びθ3の測定)
作製した半導体素子搭載部材を、図1のi−i線で示されるような位置で切断し、400倍の光学顕微鏡でその断面の顕微鏡写真を撮り、その顕微鏡写真からθ1、θ2及びθ3を測定した。
(はみ出し、引けの測定)
作製した半導体素子搭載部材を、図1のi−i線で示されるような位置で切断し、長さ測定機能付の光学顕微鏡を用い400倍で観察し、枠又は基板の端から、はみ出した樹脂の端までの距離を測定し、それぞれ枠よりのはみ出し、又は基板よりのはみ出しとし、両者の中で大きい方をはみ出しの値とした。又、枠又は基板の端から、樹脂の最も引けの大きい箇所までの距離を測定し、それぞれ枠よりの引け、又は基板よりの引けとし、両者の中で大きい方を引けの値とした。
(ワイヤプル強度の測定)
半導体素子搭載領域に露出したリード端子の先端部に、直径30μmのAuワイヤをワイヤボンディングした後、MIL−STD−883E METHOD 2011.7に準拠してワイヤプル強度を測定した。ワイヤプル強度が6g以上であれば、Auワイヤが良好に接続されていると評価し、表中に「○」で示した。そうでないときは表中に「×」で示した。
(気密性の測定と評価)
さらに、MIL−STD−883E METHOD 1010.7に準拠して、−55℃/125℃、及び−65℃/150℃で10サイクルの温度サイクル試験(TCT)を行い、その前後において、MIL−STD−883E METHOD 1014.9に準拠して、基板と枠体との間のHeリークレートを測定し気密性を評価した。Heリークレートが5×10−9Pa・m/secを超える場合は気密性不良と評価し、全数(100個)に対する気密性不良のサンプル数を表中に示した。
以下の表における*1、*2、*3、*4は次の意味を示す。
*1 エポキシ樹脂A、エポキシ樹脂B及び硬化剤の全量に対する重量%を表す。
( )内は、エポキシ樹脂A及びエポキシ樹脂Bの全量に対するそれぞれの重量%を表す。
*2 樹脂組成物中の固形成分全量に対するフィラーの添加割合を、重量%で表わしたものである。
*3 TCT:−55℃〜125℃
*4 TCT:−65℃〜150℃
Figure 0005038156
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表1〜4より明らかなように、本発明例である実施例の半導体素子搭載部材では、TCT前の気密不良数が少なく気密性に優れている。又、TCT後であっても気密不良数が少なく、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、気密不良が生じにくいことが示されている。一方、引けが0.6mmを超える比較例1では、TCT前の気密不良数が多く、気密性が劣る。比較例1の樹脂組成物の固形分は80%未満(75%)であり、その結果引けが0.6mmを超えたと考えられる。
又、数平均分子量指数やθの値が本発明の範囲外である比較例2、及び樹脂硬化物のガラス転移温度が本発明の範囲外である比較例3、4では、TCT後の気密不良数が多く、気密不良が発生しやすいことが示されている。比較例2においては、数平均分子量指数が1200を超えたことにより、θの値が本発明の範囲外となったと考えられる。
なお、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の150℃での弾性率が80MPaより小さい実施例10では、ワイヤプル強度が低い。又、熱硬化性樹脂組成物の塗布時の粘度が500Pa・sより大きい実施例11では印刷性が劣る。
実施例16〜35、比較例5〜8
エポキシ樹脂Aとして、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名:エピクロン850−CRP、表中では「CRP」と表す。)、エポキシ樹脂Bとして、クレゾールノボラック型固形エポキシ樹脂(商品名:エピクロンN−665、表中では「N665」と表す。)、硬化剤として、ノボラック系フェノール樹脂(商品名:フェノライトTD−2131、表中では、「TD−2131」と表す。)、無機フィラーとして、球状シリカ(商品名:DENKA高流動性球状シリカFB−910)を使用し、溶媒としてメチルカルビトールを使用し、固形分が93%で粘度が250Pa・sの液状熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた液状熱硬化性樹脂組成物について、硬化後のガラス転移温度(Tg)を前記と同様にして測定したところ、158℃であった。
実施例1と同様にして基板・枠体を作製した。
(試験体の作製)
作製された基板および枠体の各表面の所定箇所に、得られた液状熱硬化性樹脂組成物を、後述するBステージ状態における平均樹脂塗布厚みが、表5〜9に示される値となるように枠体側及び基板側に塗布した。このとき、基板は、リード端子が配設される側の長辺の長さが40mm、長辺と交差する短辺の長さが30mmの大きさで、厚みは1.4mmであった。また、枠体は、長辺の長さが40mm、短辺の長さが30mm、長辺側の枠の幅が3mm、短辺側の枠の幅が5.5mmで、厚みは0.9mmであった。
前記の熱硬化性樹脂組成物を基板並びに枠体に塗布した後、100℃に加熱してBステージ状態とし、その後各塗布面間に表5〜9に示す厚みを有するリードフレームのリード端子部分を挟み、熱プレス式の接合装置を用いて圧着を行い、樹脂組成物を硬化させるとともに一体に接合した。その後、リード端子をフレームから切り離し、半導体素子搭載部材を作製した。
熱プレス条件: 120℃×0.6MPa×15秒
作製された半導体素子搭載部材について、実施例1と同様にして、θ1、θ2及びθ3の測定、並びに、はみ出し、引け及び気密性の測定、評価を行った。その結果、実施例16〜35、比較例5〜8について、θ1、θ2及びθ3は、45〜55°の範囲にあることを確認した。又、はみ出し、引け及び気密性の測定結果を表5〜9に示す。はみ出しは、実施例1と同様に長さ機能付の光学顕微鏡で測定し、0.3mm以下を良好、0.2mm以下をさらに良好と判断した。
Figure 0005038156
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表5〜9より明らかなように、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度(Tg)が130℃以上(158℃)であり、接触角θ1、θ2、θ3のいずれもが90°未満であり、かつ引けが0.6mm以下である実施例16〜35は、TCT前の気密不良数が少なく気密性に優れている。又、TCT後であっても気密不良数が少なく、使用環境温度の上昇、低下が繰り返されても、気密不良が生じにくいことが示されている。一方、引けが0.6mmを超える比較例5〜8では、TCT前、TCT後いずれも気密不良数が多く、気密性が劣る。
実施例16〜35は、リード端子の厚みは100〜250μmの範囲で変動しているが、いずれも、熱硬化性樹脂組成物のBステージ状態における塗布厚みが、リード端子の厚みの1.10倍以上であり、その結果引けが0.6mm以下となったものと考えられる。一方、比較例5〜8では、熱硬化性樹脂組成物のBステージ状態における塗布厚みが、リード端子の厚みの1.10倍未満であり、その結果引けが0.6mmを超え、気密性が低下したと考えられる。
実施例16〜35の中では、はみ出しが0.3mm以下の実施例16〜31では樹脂はみ出しによる不良がないが、はみ出しが0.3mmを超える実施例32〜35では樹脂はみ出しによる不良が生じている。実施例16〜31は、いずれも、熱硬化性樹脂組成物のBステージ状態における塗布厚みが、リード端子の厚みの3.00倍以下であり、その結果はみ出しが0.3mm以下となったものと考えられる。一方、実施例32〜35では、熱硬化性樹脂組成物のBステージ状態における塗布厚みが、リード端子の厚みの3.00倍を超え、その結果はみ出しが0.3mmを超え、樹脂はみ出しによる不良が生じたと考えられる。
参考例
表10および表11に示す配合に基づき、参考例1〜8の液状熱硬化性樹脂組成物を得た。表10および表11において、樹脂1〜3は、エポキシ樹脂であって、それぞれ、樹脂1は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製)、樹脂2は、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(商品名:エピコート1002、ジャパンエポキシレジン(株)製)、樹脂3は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エピクロンN−695、大日本インキ化学(株)製)である。
硬化剤は、ノボラック型フェノール樹脂(商品名:フェノライトTD−2131、大日本インキ化学(株)製)である。また、無機フィラーとして、溶融シリカ(商品名:FB−910、電気化学工業(株)製)、アエロジル((商品名:RY−200、日本アエロジル(株)製)他を使用した。さらに、Bステージ化剤として、アクリル系コアシェル樹脂(商品名:ゼオンF351、日本ゼオン(株)製)を使用した。
(液状熱硬化性樹脂組成物の物性測定と評価)
参考例1〜8で得られた液状熱硬化性樹脂組成物の固形分、粘度、チキソトロピー指数(TI値)を測定し、併せて、印刷性(塗布性)の評価、硬化物のガラス転移温度(Tg)および150℃での弾性率の測定を行った。固形分、粘度、印刷性、ガラス転移温度(Tg)及び150℃での弾性率の測定は、実施例1等で示した方法に基づいて行った。また、チキソトロピー係数は、E型粘度計を用いて測定した、回転数1rpmにおける樹脂組成物のみかけ粘度η1と、回転数10rpmにおける樹脂組成物のみかけ粘度η10との比(η1/η10)を示す。
又、樹脂組成物を100℃で30分予備加熱して、Bステージ状態を示すか否かを、表面タックの有無でチェックし、評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:表面タック無し
×:表面タック有り
実施例1と同様な条件にて、基板・枠体の作製を行い、得られた基板および枠体の各表面の所定箇所に、参考例1〜8で得られた液状熱硬化性樹脂組成物を、基板上に厚さ90μm、枠体上に厚さ140μmで塗布した。このとき、基板は、リード端子が配設される側の長辺の長さが40mm、長辺と交差する短辺の長さが30mmの大きさで、厚みは1.4mmであった。基板の表裏両面の平行度を、JIS B−0022「幾何公差のためのデータム」に準拠して測定したところ、いずれも30μm以下で、高精度の平行状態にあることが確認された。
また、枠体は、長辺の長さが40mm、短辺の長さが30mm、長辺側の枠の幅が3mm、短辺側の枠の幅が5.5mmで、厚みは0.9mmであった。枠体の表裏両面の平行度は10μm以下、短辺の対角線上における平行度は10μm/40mm以下であった。
樹脂組成物を塗布した基板並びに枠体を、100℃で30分加熱した後、各塗布面でリードフレームのリード端子部分を挟んだ状態で、熱プレス式の接合装置を用いて、樹脂組成物を圧着した後、樹脂組成物を硬化させるとともに一体に接合した。その後、リード端子をフレームから切り離し、半導体素子搭載部材を作製した。
その後、ワイヤプル強度の測定を実施例1と同じ条件、評価基準にて行った。その結果を表10及び表11に示す。気密性の測定を実施例1の場合と同様に行い、Heリークレートが5×10−9Pa・m/sec以下であれば、気密性良好と評価し表中に「○」、5×10−9Pa・m/secを超え、1×10−6Pa・m/sec以下の範囲であれば表中に「△」、1×10−6Pa・m/secを超える場合は表中に「×」で示した。
Figure 0005038156
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表10及び表11より明らかなように、参考例1〜8では、優れたワイヤプル強度、印刷性、Bステージ性および気密性が得られている。

Claims (9)

  1. 上面中央部に半導体素子搭載部を有する基板、半導体素子搭載部を取り囲む形状からなる枠体、基板上面に枠体を気密に接合する接合層、および接合層の厚み方向の中間位置を貫通するリード端子を含む半導体素子搭載部材であって、
    接合層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、該硬化物のガラス転移温度が130℃以上であり、
    前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記基板の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ1、
    前記リード端子と前記枠体間にある接合層の、前記枠体の外周側にある端面が、前記リード端子となす接触角θ2、及び
    前記リード端子と前記基板間にある接合層の、前記リード端子の内周側にある端面が、前記基板となす接触角θ3、のいずれもが90°未満であり、並びに
    前記リード端子と前記基板間にある接合層の前記基板の端部よりの引け、及び前記リード端子と前記枠体間にある接合層の前記枠体の端部よりの引けが、0.6mm以下であることを特徴とする半導体素子搭載部材。
  2. 前記リード端子と前記基板間にある接合層の前記基板の端部よりのはみ出し、及び前記リード端子と前記枠体間にある接合層の前記枠体の端部よりのはみ出しが、0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子搭載部材。
  3. 前記接合層の、基板とリード端子との間の弾性率が、150℃で80MPa以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体素子搭載部材。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子搭載部材の製造方法であって、
    エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    その硬化物のガラス転移温度が130℃以上であり、
    かつ式Σ(Ei・Mei)+Σ(Hj・Mhj)(式中、Eiはエポキシ樹脂の各成分の、エポキシ樹脂及び硬化剤の全重量に対する重量分率を表し、Meiは、それぞれのエポキシ樹脂の成分の数平均分子量を表し、Hjは硬化剤の各成分の、エポキシ樹脂及び硬化剤の全重量に対する重量分率を表し、Mhjは、それぞれの硬化剤の成分の数平均分子量を表す。)で表される数平均分子量指数が、1200以下である熱硬化性樹脂組成物を、基板の枠体側表面、及び枠体の基板側表面の少なくとも一方に塗布する工程、及び、
    塗布された熱硬化性樹脂組成物を硬化し接合層を形成する工程
    を含むことを特徴とする半導体素子搭載部材の製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂組成物が、23℃で液状であることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子搭載部材の製造方法。
  6. 前記液状熱硬化性樹脂組成物の固形分が、80%以上であり、23℃での粘度が、20〜500Pa・sであることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子搭載部材の製造方法。
  7. 前記液状熱硬化性樹脂組成物の塗布後、予備加熱により前記樹脂組成物をBステージ状態として、基板または/および枠体とリード端子を接合した後、前記樹脂組成物を硬化する工程を含むことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の半導体素子搭載部材の製造方法。
  8. 前記Bステージ状態において、前記熱硬化性樹脂組成物の塗布の厚みが、前記リード端子の厚みの1.10倍以上で、かつ3.00倍以下であることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子搭載部材の製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体素子搭載部材の前記半導体素子搭載部に、半導体素子を搭載し、その後、枠体上に蓋体を気密に接合して製造されたことを特徴とする半導体装置。
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