JP5037233B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は,自動二輪車,バギー車等の車両に用いる動力伝達装置に関し,特に,エンジン本体に支承されてその外方に向かって突出するエンジンの駆動軸に,ポンプインペラ,タービンランナ及びステータからなるトルクコンバータを取り付け,このトルクコンバータより駆動される出力ギヤを,エンジン本体及びトルクコンバータ間で駆動軸に回転自在に支承させた,車両用動力伝達装置の改良に関する。
かゝる車両用動力伝達装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特開2006−46483号公報
従来のかゝる車両用動力伝達装置では,トルクコンバータより駆動される出力ギヤを,トルクコンバータに邪魔されることなくエンジン本体に近づけることができるので,出力ギヤの駆動反力による駆動軸の曲げモーメントを極力少なくして,出力ギヤを支持する駆動軸の耐久性を確保することができる。
ところで,従来のかゝる車両用動力伝達装置は,エンジンへの組み付けの際には,エンジンの駆動軸の外周に,出力ギヤを備える出力軸,ステータに連なるステータ軸及び,ポンプインペラのポンプハブを順次組み付けていくようになっていたので,その組み付け性が良好とは言えず,また動力伝達装置自体の運搬時には,その構成部品が脱落しないようによう,特別な配慮が必要であった。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,取り扱いや運搬時にはその構成部品の脱落を心配する必要がなく,しかもエンジンへの組み付け性が良好な前記車両用動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,ポンプインペラの外周部に連設されてタービンランナの背面を覆う伝動カバーの中心部に環状のカバーハブを形成し,このカバーハブに隣接してタービンランナの中心部に形成される環状のタービンハブにベアリングのアウタレースを軸方向移動不能に取り付け,また同タービンハブには,出力ギヤを一体に備えて駆動軸の外周面に回転自在に支承される出力軸を第1の溶接部により結合し,ステータを支持すると共にポンプインペラを回転自在に支承する中空のステータ軸を出力軸の外周面で相対回転自在に支承し,ポンプインペラ及びタービンランナ間でステータの軸方向移動を規制する一方,出力軸には,この出力軸上でのステータ軸の軸方向移動を規制する規制手段を設けて,出力ギヤ付きトルクコンバータユニットを構成し,前記ベアリングのインナレースの外端面に当接配置される前記カバーハブの内端面に,前記ベアリングのアウタ及びインナレース間に臨む環状凹部を設け,また前記カバーハブには,前記タービンハブの外周を間隙を存して囲繞して半径方向に張り出すフランジを形成し,このフランジの外端面に重ねられる前記伝動カバーを前記カバーハブに第2の溶接部により結合し,前記環状凹部及び前記間隙により,前記ベアリングのアウタ及びインナレース間に前記タービンランナ及び伝動カバー間の油室を連通する潤滑油路を構成し,前記第1の溶接部との対応位置で前記出力軸及び前記駆動軸間に環状油溜めを設けて,この環状油溜めを前記ベアリングのアウタ及びインナレース間に連通させ,前記カバーハブと前記ベアリングのインナレースとを軸方向に重ねて駆動軸に固着するようにして,前記環状油溜めを駆動軸に形成した排出油路に連通させたことを第1の特徴とする。
尚,前記エンジン本体及び駆動軸は,後述する本発明の実施例中のクランクケース及びクランク軸にそれぞれ対応し,また前記規制手段は係止環39及びスラストワッシャ38に対応する。また更に,前記第1,第2の溶接部は第3環状溶接部15c及び第2環状溶接部15bにそれぞれ対応し,前記環状油溜めは第4環状油溜め43dに対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記出力軸を,タービンハブに結合される第1出力軸半体と,出力ギヤを一体に備える第2出力軸半体とに分割し,これら第1出力軸半体及び第2出力軸半体を第3の溶接部により相互に結合したことを第の特徴とする。
尚,前記第3の溶接部は第4環状溶接部15dに対応する。
さらに本発明は,第1の特徴に加えて,前記タービンハブに,前記カバーハブに向かって開口するベアリングハウジングを設け,このベアリングハウジングの内周面と,この内周面に嵌合される前記ボールベアリングのアウタレースの外周面とにそれぞれ形成された環状溝に係止環を係合することにより,前記アウタレースを前記タービンハブに軸方向移動不能に結合したことを第の特徴とする
本発明の第1の特徴によれば,出力ギヤ付きトルクコンバータユニットは,これを一旦組み立てれば,自然分解しないので,その取り扱いや運搬を,部品の脱落を心配することなく行うことができる。またエンジンの駆動軸への組み付け時には,カバーハブとベアリングのインナレースとを軸方向に重ねて駆動軸に固着するだけでよく,組み付け性が良好である。
また,タービンハブには出力軸を第1の溶接部により結合するので,形状が大きく相違するタービンハブ及び出力軸はそれぞれ個別に歩留り良く製作することができる。しかもタービンハブ及び出力軸間を結合する第1の溶接部との対応位置で出力軸及び駆動軸間に環状油溜めを設けるので,溶接部の溶接熱による出力軸の熱歪みを環状油溜めに吸収させて,出力軸及び駆動軸間の相対回転自在の嵌合部を適正に得ることができる。
また,ベアリングのインナレースの外端面に当接配置されるカバーハブの内端面に,ベアリングのアウタ及びインナレース間に臨む環状凹部を設け,またカバーハブには,タービンハブの外周を間隙を存して囲繞して半径方向に張り出すフランジを形成し,このフランジの外端面に重ねられる伝動カバーをカバーハブに第2の溶接部により結合し,前記環状凹部及び前記間隙により,ベアリングのアウタ及びインナレース間にタービンランナ及び伝動カバー間の油室を連通する潤滑油路を構成し,更に前記環状油溜めを排出油路とベアリングのアウタ及びインナレース間とに連通させるので,油室からベアリングへの潤滑油路を確保しつゝ,トルクコンバータのコンパクト化,特に軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
本発明の第の特徴によれば,第1出力軸半体及び第2出力軸半体に対して,それぞれの機能に応じた硬度を付与したり,素材を選択することができる。
本発明の第の特徴によれば,タービンハブを駆動軸に支承させるベアリングでは,インナレースが駆動軸に固着され,アウタレースがタービンハブのベアリングハウジングに嵌合されると共に,係止環を介して軸方向移動不能に結合されることになるから,出力軸からタービンハブに働くステータハブ寄りのスラスト荷重を係止環及びベアリングを介して駆動軸に負担させることができ,その結果,ステータは上記スラスト荷重から解放され,円滑な作動状態を得ることができる。特に,前記係止環は,互いに嵌合するタービンハブのベアリングハウジング内周面とアウタレースの外周面にそれぞれ形成された環状溝に係合されるので,タービンハブの軸方向寸法を延ばすことなく,タービンハブへのアウタレースの固着を行うことができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な一実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る自動二輪車用動力伝達装置の縦断面図,図2は図1の2部拡大図である。
図1において,自動二輪車に搭載されるエンジンEのクランクケース1にクランク軸2がメインベアリング3を介して支承されており,このクランク軸2の,クランクケース1外方に突出した部分には,出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUが取り付けられる。この出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUは,クランク軸2に回転自在に支承される出力ギヤ4と,クランク軸2の端部に連結されて出力ギヤ4を駆動するトルクコンバータTとを備える。クランクケース1の外側面には,出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUを覆うサイドカバー5が接合され,このサイドカバー5は,サブベアリング6を介してクランク軸2の先端部を支承する。
図1及び図2に示すように,トルクコンバータTは,ポンプインペラ10と,それに対置されるタービンランナ11と,それらの内周部間に配置されるステータ12とからなっており,これら三者10〜12間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路13が画成される。このトルクコンバータTにおいては,ポンプインペラ10がタービンランナ11に対してクランクケース1側に配置される。そして,ポンプインペラ10のシェル外周端部には,タービンランナ11の背面を覆う皿状の伝動カバー14が第1環状溶接部15a(図1参照)により一体に結合され,この伝動カバー14の中心部には環状のカバーハブ14hが第2環状溶接部15b(図2参照)を介して液密に結合される。この結合構造については,後に詳述する。
タービンランナ11のハブ,即ちタービンハブ11hは,上記カバーハブ14hの内側に隣接して配置される。このタービンハブ11hには,カバーハブ14hに向かって開口するベアリングハウジング16が設けられ,このベアリングハウジング16にボールベアリング17のアウタレース17aが嵌着される。その際,互いに嵌合するベアリングハウジング16の内周面とアウタレース17aの外周面にそれぞれ形成された環状溝18,18′に係止環19を係合することにより,アウタレース17aとタービンハブ11hとは軸方向移動不能に結合される。
その際,係止環19は,一つの合口(図示せず)を有していて,拡径方向の張りが付与されており,ベアリングハウジング16の内周面の嵌合溝18は,この係止環19の外周側半部が係合する深さを有し,アウタレース17a外周面の環状溝18′は,係止環19を半径方向内方に収縮させたとき,それ全体を収容し得る深さを有している。而して,アウタレース17aの環状溝18′に係止環19を完全に収めた状態でアウタレース17aをベアリングハウジング16に嵌合すれば,係止環19がベアリングハウジング16の環状溝18の位置に来たとき,係止環19は,それ自体の張りにより拡径して,その外周側半部を環状溝18に係合することなる。こうして,係止環19は,両環状溝18,18′に同時に係合した状態となる。
上記ボールベアリング17のインナレース17bとカバーハブ14hとは,軸方向に重ねてクランク軸2に固着される。具体的には,クランク軸2の小径端部2aにインナレース17bは嵌合されると共に,カバーハブ14hはスプライン嵌合され,そしてこの両者17b,14hは,小径端部2aの根元の段部2cと,小径端部に螺着されるナット20とで挟持されることにより,クランク軸2に固着される。
クランク軸2の外周面には,ポンプインペラ10の軸方向内外に延びる中空の出力軸21が相対回転自在に嵌合され,この出力軸21の一端部は,タービンハブ11hの内周面に嵌合されると共に,第3環状溶接部15cを介してタービンハブ11hに一体に結合される。この出力軸21の他端部は,クランク軸2を支持するメインベアリング3に近接するように延びていて,出力ギヤ4が一体に形成される。この出力ギヤ4は,変速機の入力軸(図示せず)に連結される被動ギヤ7に噛合して,それを駆動する。この出力ギヤ4との対応位置で出力軸21とクランク軸2との間にニードルベアリング22が介装される。
出力軸21は,タービンハブ11hに溶接される第1出力軸半体21aと,出力ギヤ4を一体に備える第2出力軸半体21bとに分割され,出力ギヤ4の硬度を高めるべく,出力ギヤ4を含む第2出力軸半体21b全体の表面に浸炭処理が施される。その後,第1出力軸半体21a及び第2出力軸半体21bは,互いに嵌合されると共に,第4環状溶接部15dにより一体に結合される。
出力軸21の外周面には,一端をタービンハブ11hの内端面に当接させる中空のステータ軸23が相対回転自在に嵌合され,このステータ軸23の外周面にステータ12のハブ,即ちステータハブ12hがスプライン嵌合される。またこのステータ軸23の外周面により,ポンプインペラ10のハブ,即ちポンプハブ10hが軸受ブッシュ24を介して回転自在に支承される。ステータハブ12hの一端面は,タービンハブ11hの内端面に相対回転自在に当接し,その他端面は,スラストニードルベアリング25を介してポンプハブ10hの内端面に当接する。こうして,ステータハブ12hは,タービンハブ11h及びポンプハブ10h間において軸方向移動が阻止される。
ポンプハブ10hより出力ギヤ4側に突出したステータ軸23の端部には,ステータ12の回転を所定の一方向でのみ許容するフリーホイールFが接続される。
上記フリーホイールFは,ステータ軸23の先端に第5環状溶接部15eにより結合されるフリーホイールアウタ30と,ステータ軸23の外周面に軸受ブッシュ26を介して相対回転自在に支承されてフリーホイールアウタ30内に配置されるフリーホイールインナ31と,これらフリーホイールアウタ及びインナ30,31間に介装されるスプラグ等のクラッチ素子32とからなる公知のもので,フリーホイールインナ31に固着される支持板33は,前記サイドカバー5に固着されるストッパピン34に係合して,回転を阻止される。
フリーホイールインナ31一端面は,スラストワッシャ35を介してフリーホイールアウタ30の内側面に当接し,その他端面は,スラストワッシャ36を介してステータ軸23上の係止環37により受け止められる。こうしてフリーホイールFは,ステータ軸23上に取り付けられる。
一方,フリーホイールアウタ30の外側面は,スラストワッシャ38を介して出力軸21上の係止環39に受け止めるようになっている。
クランク軸2の中心部には,供給油路40及び排出油路41がクランク軸2と一体の隔壁2bを挟んで同軸状に形成される。供給油路40は,クランク軸2により駆動されるオイルポンプ(図1参照)から作動オイルを供給される。供給油路40に供給された作動オイルは,クランク軸2の斜めの第1油孔42a,クランク軸2及び出力軸21間の第1環状油溜め43a,出力軸21の第2油孔42b,出力軸21及びステータ軸23間の第2環状油溜め43b,ステータ軸23の第3油孔42c及び,ステータハブ12hの,スラストニードルベアリング25側端面の複数の入口溝45を順次経て循環回路13のポンプインペラ10側に流入し,該回路13を循環して,ポンプインペラ10からタービンランナ11への伝動を行う。
循環回路13を循環した作動オイルは,タービンハブ11hの内端面の複数の出口溝46,ステータ軸23及び出力軸21間の第3環状油溜め43c,出力軸21の第4油孔42d,出力軸21及びクランク軸2間の第4環状油溜め43d,クランク軸2の斜めの第5油孔42eを順次経て,排出油路41へと流出する。上記第4環状油溜め43dは,タービンハブ11h及び出力軸21間を結合する第3環状溶接部15cとの対応位置に設けられる。
第1環状油溜め43aに供給された作動オイルの一部は,クランク軸2及び出力軸21の嵌合面間を通過して,クランク軸2及び出力軸21間の第5環状油溜め43eに流入し,そしてフリーホイールFや出力ギヤ4内周側のニードルベアリング22に潤滑オイルとして供給されるようになっている。
前記伝動カバー14及びタービンランナ11間には,循環回路13の外周部に連通する油室27が画成され,循環回路13の作動オイルの一部がこの油室27を流入して油室27を満たすようになっている。タービンハブ11h及びボールベアリング17の両外端面は,略面一に並んでおり,そのボールベアリング17のインナレース17bの外端面に当接して配置されるカバーハブ14hの内端面には,ボールベアリング17のインナ及びアウタレース17a間に臨む環状凹部48が設けられる。またカバーハブ14hには,タービンハブ11hの外周を環状間隙49を存して囲繞して半径方向に張り出すフランジ51が形成され,このフランジ51の外端面に重ねられる伝動カバー14が第2環状溶接部15bによりカバーハブ14hに液密に結合される。而して,前記環状凹部48及び環状間隙49は,油室27をボールベアリング17のアウタ及びインナレース17a,17b間に連通する潤滑油路50を構成する。このような構造により,油室27からボールベアリング17への潤滑油路50を確保しつゝ,トルクコンバータTのコンパクト化,特に軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
次に,この実施例の作用について説明する。
出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUの組み立てに当たっては,先ず,ポンプインペラ10にステータ12及びステータ軸23を組み込み,ステータ軸23の外端部には,フリーホイールFを組み込む。
次いで,タービンハブ11hに第3環状溶接部15cにより結合された第1出力軸半体21aをステータ軸23内に嵌挿した後,フリーホイールアウタ30の背面をスラストワッシャ38を介して受け止める係止環39を第1出力軸半体21aに装着する。次いで,タービンハブ11hの内周面にボールベアリング17のアウタレース17aを嵌合すると共に,係止環19を介して軸方向移動不能に結合する。
それから,タービンランナ11の背面を覆う伝動カバー14をポンプインペラ10のシェルに第1環状溶接部15aにより結合すると共に,カバーハブ14hを前記ボールベアリング17のインナレース17bの外端面に重ねる。
最後に,第1出力軸半体21aの外端に第2出力軸半体21bを嵌合して,これらを第4環状溶接部15dにより相互に一体に結合して,出力軸21を構成する。
こうして組み立てられた出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUでは,出力軸21はタービンハブ11hとの結合状態に保持され,トルクコンバータTに対する軸方向移動が阻止され,またステータ軸23は,タービンハブ11h,スラストワッシャ38及び係止環39を介して出力軸21上に軸方向移動不能に支持されるので,該ユニットUは自然分解することはなく,したがって運搬や取り扱い中に構成部品の脱落の心配がない。
しかも,この出力ギヤ付きトルクコンバータユニットUのクランク軸2への取り付けに当たっては,クランク軸2の小径端部2aにボールベアリング17のインナレース17bを嵌合すると共に,カバーハブ14hをスプライン嵌合し,これら17b,14hを小径端部2aの根元の段部2cと,小径端部2aに螺着されるナット20とで挟持するだけで,その取り付け作業が完了し,その際,第1,第4環状油溜め43a,43dも供給油路40及び排出油路41に連通するから,その取り付け性が良好であり,またその取り外しも簡単に行うことができるので,メンテナンス性も良好である。
また出力軸21は,ステータハブ12hに結合される第1出力軸半体21aと,出力ギヤ4を一体に備える第2出力軸半体21bとに分割され,そして溶接されるので,その溶接前に,両半体21a,21bに対して,それぞれの機能に応じた硬度を付与したり,素材を選択することができ,例えば,出力ギヤ4の硬度を高めるべく,出力ギヤ4を含む第2出力軸半体21b全体の表面に浸炭処理を容易に施すことができる。
さらに形状が大きく相違するタービンハブ11h及び第1出力軸半体21aはそれぞれ個別に製作され,結合されるので,タービンハブ11h及び第1出力軸半体21aを歩留り良く製作することができ,経済的である。しかもタービンハブ11h及び出力軸21間を結合する第3環状溶接部15cとの対応位置で出力軸21及びクランク軸2間に,第4環状油溜め43dが設けられるので,第3環状溶接部15cの溶接熱による出力軸21の熱歪みを第4環状油溜め43dに吸収させて,出力軸21及びクランク軸2間の相対回転自在の嵌合部を適正に得ることができる。
またタービンハブ11hをクランク軸2に支承させるボールベアリング17では,インナレース17bがクランク軸2に固着され,アウタレース17aがタービンハブ11hの内周面に嵌合されると共に,係止環19を介して軸方向移動不能に結合されるので,出力軸21からタービンハブ11hに働くステータハブ12h寄りのスラスト荷重を係止環19及びボールベアリング17を介してクランク軸2に負担させることができ,その結果,ステータ12は上記スラスト荷重から解放され,円滑な作動状態を得ることができる。特に,前記係止環19は,互いに嵌合するタービンハブ11hのベアリングハウジング16内周面とアウタレース17aの外周面にそれぞれ形成された環状溝18,18′に係合されるので,タービンハブ11hの軸方向寸法を延ばすことなく,タービンハブ11hへのアウタレース17aの固着を行うことができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,フリーホイールFは,ステータハブ12h及びステータ軸23間に介装することもできる。この場合,ステータ軸23の端部に,回転不能の支持板33が連結される。また出力軸21上で係止環39に受け止められるスラストワッシャ38は,ステータ軸23の端面に直接当接させることもできる。
本発明の実施例に係る自動二輪車用動力伝達装置の縦断面図。 図1の2部拡大図。
E・・・・・・・エンジン
T・・・・・・・トルクコンバータ
U・・・・・・・出力ギヤ付きトルクコンバータユニット
1・・・・・・・エンジン本体(クランクケース)
2・・・・・・・駆動軸(クランク軸)
4・・・・・・・出力ギヤ
10・・・・・・ポンプインペラ
11・・・・・・タービンランナ
11h・・・・・タービンハブ
12・・・・・・ステータ
14・・・・・・伝動カバー
14h・・・・・カバーハブ
15b・・・・・第2の溶接部
15c・・・・・第1の溶接部
15d・・・・・第3の溶接部
17・・・・・・ベアリング
17a・・・・・同ベアリングのアウタレース
17b・・・・・同ベアリングのインナレース
21・・・・・・出力軸
21a・・・・・第1出力軸半体
21b・・・・・第2出力軸半体
23・・・・・・ステータ軸
27・・・・・・油室
38,39・・・規制手段(スラストワッシャ,係止環)
41・・・・・・排出油路
43d・・・・・環状油溜め
48・・・・・・環状凹部
49・・・・・・間隙
50・・・・・・潤滑油路
51・・・・・・フランジ

Claims (3)

  1. エンジン本体(1)に支承されてその外方に向かって突出するエンジン(E)の駆動軸(2)に,ポンプインペラ(10),タービンランナ(11)及びステータ(12)からなるトルクコンバータ(T)を取り付け,このトルクコンバータ(T)より駆動される出力ギヤ(4)を,エンジン本体(1)及びトルクコンバータ(T)間で駆動軸(2)に回転自在に支承させた,車両用動力伝達装置において,
    ポンプインペラ(10)の外周部に連設されてタービンランナ(11)の背面を覆う伝動カバー(14)の中心部に環状のカバーハブ(14h)を形成し,このカバーハブ(14h)に隣接してタービンランナ(11)の中心部に形成される環状のタービンハブ(11h)にベアリング(17)のアウタレース(17a)を軸方向移動不能に取り付け,また同タービンハブ(11h)には,出力ギヤ(4)を一体に備えて駆動軸(2)の外周面に回転自在に支承される出力軸(21)を第1の溶接部(15c)により結合し,ステータ(12)を支持すると共にポンプインペラ(10)を回転自在に支承する中空のステータ軸(23)を出力軸(21)の外周面で相対回転自在に支承し,ポンプインペラ(10)及びタービンランナ(11)間でステータ(12)の軸方向移動を規制する一方,出力軸(21)には,この出力軸(21)上でのステータ軸(23)の軸方向移動を規制する規制手段(38,39)を設けて,出力ギヤ付きトルクコンバータユニット(U)を構成し, 前記ベアリング(17)のインナレース(17b)の外端面に当接配置される前記カバーハブ(14h)の内端面に,前記ベアリング(17)のアウタ及びインナレース(17a,17b)間に臨む環状凹部(48)を設け,また前記カバーハブ(14h)には,前記タービンハブ(11h)の外周を間隙(49)を存して囲繞して半径方向に張り出すフランジ(51)を形成し,このフランジ(51)の外端面に重ねられる前記伝動カバー(14)を前記カバーハブ(14h)に第2の溶接部(15b)により結合し,前記環状凹部(48)及び前記間隙(49)により,前記ベアリング(17)のアウタ及びインナレース(17a,17b)間に前記タービンランナ(11)及び伝動カバー(14)間の油室(27)を連通する潤滑油路(50)を構成し,前記第1の溶接部(15c)との対応位置で前記出力軸(21)及び前記駆動軸(2)間に環状油溜め(43d)を設けて,この環状油溜め(43d)を前記ベアリング(17)のアウタ及びインナレース(17a,17b)間に連通させ,
    前記カバーハブ(14h)と前記ベアリング(17)のインナレース(17b)とを軸方向に重ねて駆動軸(2)に固着するようにして,前記環状油溜め(43d)を駆動軸(2)に形成した排出油路(41)に連通させたことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の車両用動力伝達装置において,
    前記出力軸(21)を,タービンハブ(11h)に結合される第1出力軸半体(21a)と,出力ギヤ(4)を一体に備える第2出力軸半体(21b)とに分割し,これら第1出力軸半体(21a)及び第2出力軸半体(21b)を第3の溶接部(15d)により相互に結合したことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
  3. 求項1記載の車両用動力伝達装置において,
    前記タービンハブ(11h)に,前記カバーハブ(14h)に向かって開口するベアリングハウジング(16)を設け,このベアリングハウジング(16)の内周面と,この内周面に嵌合される前記ボールベアリング(17)のアウタレース(17a)の外周面とにそれぞれ形成された環状溝(18,18′)に係止環(19)を係合することにより,前記アウタレース(17a)を前記タービンハブ(11h)に軸方向移動不能に結合したことを特徴とする,車両用動力伝達装置。
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