JP5036501B2 - 基材の支持装置及びスパッタリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の支持装置とスパッタリング装置に係り、特に、スパッタリングにより被膜が形成されるべき基材を、真空チャンバ内において、ターゲットに対向させた状態で支持するのに用いられる基材の支持装置と、かかる基材の支持装置が真空チャンバ内に設置されてなるスパッタリング装置に関するものである。
従来から、樹脂成形品等からなる基材の表面(意匠面)に、金属表面を擬似的に表現する、所謂金属調の加飾が施された加飾製品が、本物の金属製品に代えて、例えば、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品、携帯電子機器等の様々な製品や物品の表皮材や部品等として、多く利用されてきている。
そして、そのような加飾製品を得る際に実施される、基材表面に金属調の加飾を施す方法の一種として、スパッタリング(スパッタリング法)がある。このスパッタリングは、よく知られているように、スパッタリング装置の真空チャンバ内に、基材と成膜材料からなるターゲットとを所定距離を隔てて対向位置させた状態で、不活性ガスのイオン等の高エネルギー粒子をターゲットに衝突させて、ターゲットから、それを構成する原子やイオン等のスパッタ粒子を飛び出させ(放出させ)、そして、かかるスパッタ粒子を基材表面に付着、堆積させることにより、基材表面にターゲットと同材質の金属膜からなる被膜を形成するようにしたものである。このスパッタリングによれば、例えば、メタリック塗装や金属メッキ等による他の加飾方法を実施した場合に比して、被膜が、基材に対して、極めて薄い膜厚で、しかも十分に大きな密着力をもって形成され、以て、高品質で且つ耐久性に優れた加飾製品を得ることが出来るのである。
ところで、かくの如きスパッタリングを実施する際には、一般に、基材を着脱可能な状態で位置固定に支持する支持装置が真空チャンバ内に設置されたスパッタリング装置が、用いられる。そして、かかる支持装置に対して、基材が、ターゲットと所定距離を隔てて対向せしめられるように支持されて、真空チャンバ内に配置された状態で、スパッタリングが行われる。
このような従来の支持装置にて基材を支持させた状態で、スパッタリングによる基材の加飾を行う場合には、ターゲットから飛び出して、基材とターゲットとの対向方向や、かかる対向方向に対して斜めに交差する方向に飛行するスパッタ粒子が、その飛行方向に拘わらず、基材のターゲットとの対向面に十分な量において到達して、確実に付着、堆積せしめられる。そうして、かかる基材のターゲットとの対向面に対して、被膜が、均一で且つ十分な膜厚をもって形成される。
しかしながら、基材のターゲットとの対向面とは反対側の面には、スパッタ粒子を付着させることが出来ず、従って、それら対向面とそれとは反対側の面とに対して、被膜を一挙に形成することが不可能であった。
また、かかる対向面の周方向に延びる側面、その中でも、特に、ターゲットとの対向方向に対して直角な方向に向かって露呈する側面や、ターゲットの側とは反対側に向かって露呈する側面には、実質的に、基材とターゲットとの対向方向に対して斜めに交差する方向に飛行するスパッタ粒子のうちの一部のみが付着、堆積されるだけとなる。それ故、それらの側面に形成される被膜の膜厚を十分に確保することが困難であった。
しかも、そのような側面においては、スパッタ粒子の入射角が極めて小さいために、所謂射影効果により、スパッタ粒子が層状ではなく柱状に堆積せしめられる。それ故、被膜の膜厚が不均一となってしまうばかりでなく、被膜の基材に対する密着力が低下するといった不具合が生じていた。しかも、被膜と基材との間にアンダーコート層が形成されていない場合には、被膜の基材側とは反対側にトップコート層を形成したときに、トップコート層の含有成分のうちの一部の成分(例えばシンナー等の有機溶剤)が、被膜の薄肉部分に生ずる微小孔等を通じて基材に接触して、基材を侵食することを許容するような膜質の低下が惹起される懸念さえもあったのである。
なお、例えば、下記特許文献1及び2に開示される如く、真空チャンバ内において、基材を一軸回りに回動乃至は回転可能に支持した状態で配置し、かかる回動乃至は回転に伴って、基材のターゲットとの対向面以外の部分を、ターゲットに向かって露呈乃至は対向させ得るようにした技術も、提案されている(なお、ここで言う「ターゲットに向かって露呈する」とは、ターゲットに向かって露呈される面が、ターゲットのスパッタ粒子の放出面に対して、0°よりも大きく且つ90°未満の大きさのなす角を形成するように位置せしめられた状態を言う。以下、同一の意味において使用する)。しかしながら、この技術では、ターゲットに向かって露呈乃至は対向させ得る基材表面が、あくまでも、一部の面に限られるのであって、基材表面の全面をターゲットに向かって露呈乃至は対向させ得るものではなかった。それ故、上述せる如き数々の問題を全て解消することは、到底不可能であったのである。
特開平5−320893号公報 特開平5−51740号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、スパッタリングの実施に際して、真空チャンバ内で基材を支持する装置であって、基材表面のうち、被膜が形成されるべき面の全面をターゲットに向かって露呈乃至は対向させ得るように、基材を支持することが出来、以て、スパッタリングの実施により、基材の被膜が形成されるべき面の全面に対して、可及的に均一で且つ必要な膜厚を有する被膜を、十分に大きな密着力と良好な膜質とをもって、一挙に形成可能とした基材の支持装置を提供することにある。また、本発明にあっては、そのような基材の支持装置を有するスパッタリング装置の新規な構造を提供することをも、その解決課題とするところである。
そして、本発明にあっては、基材の支持装置に係る課題の解決のために、その要旨とするところは、スパッタリングにより被膜が形成されるべき基材を、真空チャンバ内において、成膜材料からなるターゲットに対して所定距離を隔てて対向させた状態で支持するための装置であって、(a)前記基材と前記ターゲットとの互いの対向方向に対して直角な第一の方向に延びる第一の回転軸と(b)該対向方向及び該第一の方向の両方向に対して直角な第二の方向に延びる第二の回転軸と、(c)前記真空チャンバ内に配置されて、前記基材を前記ターゲットに対向させるように支持する支持部材と、(前記第一の回転軸に取り付けられて、該第一の回転軸から側方に延出せしめられ、該第一の回転軸と共に回動乃至は回転可能とされると共に、その先端部が、前記第二の回転軸を介して、前記支持部材の背面に取り付けられ、該支持部材を該第二の回転軸回りに回動乃至は回転可能に保持する保持バーと、(e)所定の回転駆動力を発生する第一の駆動手段を有し、該第一の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記保持バーを前記第一の回転軸回りに回動乃至は回転駆動せしめて、前記支持部材の該第一の回転軸回りの回転乃至は回動を行なう第一の駆動機構と、()所定の回転駆動力を発生する第二の駆動手段を有し、該第二の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記支持部材を、前記第二の回転軸回りに回動乃至は回転駆動させる第二の駆動機構とを含んで構成したことを特徴とする基材の支持装置にある。
なお、ここで言う「対向方向に対して直角」と「対向方向及び該第一の方向の両方向に対して直角」には、対向方向や第一の方向に対して90°よりも僅かに大きな或いは小さな角度も含み、「対向方向に対して実質的に直角」と「対向方向及び該第一の方向の両方向に対して実質的に直角」であることを意味する。以下、同じ意味において使用する。
また、このような本発明に従う基材の支持装置の好ましい態様の一つによれば、前記第一の駆動手段と第二の駆動手段とが互いに同一の駆動手段にて構成される。
さらに、本発明に従う基材の支持装置の望ましい態様の一つによれば、前記支持部材が、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸のうちの少なくとも何れか一方の回転軸回りに回動可能な状態で前記真空チャンバ内に配置されて、前記第一の駆動機構と前記第二の駆動機構の少なくとも何れか一方にて回動せしめられるように構成されると共に、かかる支持部材の回動量を増減して、任意の量に調節する調節機構が更に設けられる。
更にまた、本発明に従う基材の支持装置の別の有利な態様の一つによれば、前記支持部材が、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸のうちの少なくとも何れか一方の回転軸回りに回動可能な状態で前記真空チャンバ内に配置されて、かかる支持部材の回動が、該支持部材に支持される前記基材の表面への前記皮膜の開始から終了までの間に、前記第一の駆動機構と前記第二の駆動機構の少なくとも何れか一方にて、連続して複数回行われるように構成される。
また、本発明に従う基材の支持装置の好適な他の態様の一つによれば、前記支持部材の複数が、前記真空チャンバ内に、前記第一の方向において互いに隣り合って近接し、且つ前記ターゲットに対して、共に対向位置するように配置されると共に、それら隣り合う支持部材同士が、前記第二の駆動機構により、前記第二の回転軸回りに互いに逆方向に回転乃至は回動せしめられるように構成される。
さらに、本発明に従う基材の支持装置の更に別の望ましい態様の一つによれば、前記支持部材の複数が、前記真空チャンバ内に、前記第二の方向において互いに隣り合って近接し、且つ前記ターゲットに対して、共に対向位置するように配置されると共に、それら隣り合う支持部材同士が、前記第一の駆動機構により、前記第一の回転軸回りに互いに逆方向に回転乃至は回動せしめられるように構成される。
更にまた、本発明に従う基材の支持装置の他の有利な態様の一つによれば前記支持部材の複数が、前記真空チャンバ内に、変位可能に配置されると共に、それら複数の支持部材が前記ターゲットと対向する位置に順番に交替で位置せしめられるように、該複数の支持部材の位置を変更する位置変更手段が、更に設けられる。
また、本発明に従う基材の支持装置の好ましい更に他の態様の一つによれば、前記複数の支持部材が、鉛直方向に延びる第三の回転軸回りに回動乃至は回転可能に、且つかかる回動乃至は回転に伴って、順番に交替で、前記ターゲットと水平方向において対向位置せしめられるように配置されている一方、所定の回転駆動力を発生する第三の駆動手段を有し、且つ該第三の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記複数の支持部材を、前記第三の回転軸回りに回動乃至は回転駆動させる第三の駆動機構と、該第三の駆動手段の回転駆動による該複数の支持部材の回動乃至は回転に伴って、該複数の支持部材が、順番に交替で、該ターゲットと対向位置せしめられる毎に、該第三の駆動手段の回転駆動を停止するように、該第三の駆動手段の回転駆動を制御する制御機構とを含んで、前記位置変更手段が構成される。
そして、本発明にあっては、前記せるスパッタリング装置に係る課題の解決のために、真空チャンバ内に、成膜材料からなるターゲットと基材とを、所定距離を隔てて対向配置して、スパッタリングにより、該基材に、該ターゲットを構成する成膜材料よりなる被膜を形成するスパッタリング装置であって、前記真空チャンバ内に、前記せる特徴的な各種の基材の支持装置のうちの一種が設置されて、前記基材が、該支持装置に支持されることにより、該真空チャンバ内に配置されるようになっているスパッタリング装置にある。
要するに、本発明に従う基材の支持装置にあっては、真空チャンバ内において、基材を、支持部材に支持された状態下で、ターゲットに対して所定距離を隔てて対向位置させることが出来る。
また、第一の駆動機構により、支持部材を第一の回動軸回りに回動乃至は回転せしめることで、支持部材に支持された基材を、第一の回転軸回りに回動乃至は回転させることが出来る。そして、それによって、第一の回転軸の延出方向たる第一の方向と、基材とターゲットとの対向方向の両方向に対して直角な第二の方向の両側にそれぞれ位置する基材の側面部分を、ターゲットに向かって露呈させることが可能となる。また、そのような第二の方向の両側にそれぞれ位置する基材の側面部分と対向面のなす角の大きさに応じて、第一の回転軸回りの支持部材の回動乃至は回転角度を適宜に調節すれば、かかる基材の側面部分を、ターゲットに対して対向させることが出来る。更に、基材がターゲットと対向せしめられた状態から、支持部材を第一の回転軸回りに180°だけ回転乃至は回動させれば、基材のターゲットとの対向面とは反対側の面を、ターゲットに対して対向させることも可能となる。
そして、それと同様に、第二の駆動機構により、支持部材を第二の回動軸回りに回動乃至は回転せしめることで、支持部材に支持された基材を、第二の回転軸回りに回動乃至は回転させることが出来る。また、そのような支持部材の回動乃至は回転角度を適宜に調節すれば、第二の回転軸の延出方向たる第二の方向と、基材とターゲットとの対向方向の両方向に対して直角な第一の方向の両側にそれぞれ位置する基材の側面部分を、ターゲットに向かって露呈させたり、対向させたりすることが出来、更には、基材のターゲットとの対向面とは反対側の面を、ターゲットに対して対向させることも可能となる。
従って、かくの如き本発明に従う基材の支持装置に用いれば、基材表面の全面をターゲットに向かって露呈乃至は対向させ得るように、基材を支持することが出来る。そして、その結果、スパッタリングによって、基材の被膜が形成されるべき面の全面に対して、可及的に均一で且つ必要な膜厚を有する被膜を、十分に大きな密着力と良好な膜質とをもって、一挙に、しかも確実に形成することが可能となるのである。
また、本発明に従うスパッタリング装置にあっては、上述の如き優れた特徴を発揮する基材の支持装置が、真空チャンバ内に設置されている。それ故、基材の被膜が形成されるべき面の全面に対して、可及的に均一で且つ必要な膜厚を有する被膜を、十分に大きな密着力と良好な膜質とをもって、一挙に形成することが出来るのであり、以て、より一層高い品質と、更に十分な耐久性とを兼ね備えた加飾製品を得ることが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有するスパッタリング装置の一実施形態として、自動車用内装部品の表面に金属薄膜からなる被膜を形成するのに用いられるスパッタリング装置が、その縦断面形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のスパッタリング装置は、真空チャンバ10を有している。
この真空チャンバ10は、全体として、有底の円筒形状を呈する筐体からなり、鉛直方向に延びる半割円筒形状の固定筒壁部12及び可動筒壁部14と、それら固定筒壁部12と可動筒壁部14の上端及び下端にそれぞれ一体形成された、水平方向に広がる半円板状の上側底壁部16,16及び下側底壁部18,18とを、更に有している。そして、固定筒壁部12と可動筒壁部14とがヒンジ部20を介して互いに連結されており、図2に二点鎖線と実線で示されるように、可動筒壁部14が、ヒンジ部20を回動中心として回動せしめられるのに伴って、真空チャンバ10が開放又は密閉されるようになっている。
また、そのような真空チャンバ10の固定筒壁部12における周方向中央部の内周面上には、ターゲット22が、固定的に取り付けられている。このターゲット22は、長手の矩形平板形状を有し、固定筒壁部12の高さ方向(鉛直方向)に延びるように位置せしめられると共に、後述する如く、スパッタリング操作に際して、高エネルギー粒子が照射されることにより、スパッタ粒子を放出する、厚さ方向の一方の面からなる放出面21が、真空チャンバ10の中心軸:Pに向かって露呈し、且つ真空チャンバ10の径方向(水平方向)に延びる直線(中心軸:Pに対する垂線)と直交するように配置されている。
なお、ここでは、かかるターゲット22が、基材たる自動車用内装部品23の表面に形成される金属薄膜の成膜材料にて構成されている。即ち、例えば、アルミニウムや銅、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属材料が、単独で、或いは2種類以上組み合わされた合金材料として用いられて、ターゲット22が形成されている。そして、図示されてはいないものの、このターゲット22には、それに所定の電圧を印加するための電源装置(図示せず)が接続されている。
さらに、固定筒壁部12の周方向一方側の端部側部分には、ガス排出孔24が、また、周方向他方側の端部側部分には、ガス導入孔26が、それぞれ、穿設されている。そして、ガス排出孔24には、一端部において真空ポンプ(図示せず)に接続されたガス排出パイプ28が、他端部において接続され、また、ガス供給孔26には、一端部において、不活性ガス等の反応ガスを供給するガス供給装置(図示せず)に接続されたガス導入パイプ30が、他端部において接続されている。
一方、可動筒壁部14の下端部には、基台32が、位置固定に設けられている。また、かかる基台32上には、回転ステージ34が設けられている。この回転ステージ34は、円形形状を呈し、基台32の内部に設置された、公知のギヤ機構と電動モータ(図示せず)の協働作動によって、鉛直方向(上下方向)に延びる、第三の回転軸としての回転ステージ34の回転軸:Q(真空チャンバ10の中心軸:Pと同一の軸)回りに回転させられるようになっている。
また、そのような回転ステージ34上には、第一乃至第四の4個の支持装置36a,36b,36c,36dが、回転ステージ34の周方向に等間隔を隔てて設置されている。そして、それら第一乃至第四の各支持装置36a〜dには、後述する如く、自動車用内装部品23を支持する長手矩形の平板からなる、支持部材としての支持板52が、回転ステージ34の回転軸:Qの延出方向たる鉛直方向に延びるように位置せしめられた状態で、それぞれ4個ずつ設けられている。
かくして、ここでは、回転ステージ34の回転軸:Q回りの回転に伴って、第一乃至第四の各支持装置36a〜dが、回転軸:Q回りに円を描くような軌跡で回転(公転)せしめられて、回転ステージ34上での周方向位置が変更せしめられるようになっている。そして、それにより、第一乃至第四支持装置36a〜dが、一つずつ順番に交替で、回転軸:Qと固定筒壁部12に取り付けられたターゲット22との間に位置せしめられるように構成されている。また、そのような回転ステージ34の回転に伴う各支持装置36a〜dの位置変更によって、各支持装置36a〜dに設けられる支持板52も、回転ステージ34の回転軸:Q回りに回転せしめられて、順番に交替で、ターゲット22の放出面21と水平方向において対向位置せしめられるようになっている。
そして、ここでは、回転ステージ34を回転させる電動モータの回転駆動が、固定筒壁部12の外面に設置された、制御機構としてのコントローラ37にて制御されて、第一乃至第四支持装置36a〜dが、第一支持装置36aから順番に、回転ステージ34の回転軸:Qと固定筒壁部12に取り付けられたターゲット22との間に位置せしめられて、各支持装置36a〜dに設けられた支持板52がターゲット22の放出面21と対向位置せしめられる毎に、予め定められた時間の間だけ、回転ステージ34の回転が停止せしめられるようになっている。このことから明らかなように、本実施形態においては、回転ステージ34を回転駆動させる電動モータ(図示せず)にて第三の駆動手段が構成され、また、この電動モータと、それの回転駆動力を回転ステージ34に伝達するギヤ機構(図示せず)と、回転ステージ34とにて第三の駆動機構が構成されている。更に、かかる第三の駆動機構を構成する電動モータ、ギヤ機構、回転ステージ34とコントローラ37とにて、位置変更手段が構成されている。
而して、本実施形態のスパッタリング装置においては、特に、上記の如く、自動車用内装部品23を支持して、回転ステージ34の回転軸:Q回りに回転せしめられる第一乃至第四支持装置36a〜dが、従来には見られない特別な構造を有している。
すなわち、図1乃至図3に示されるように、第一乃至第四の各支持装置36a〜dは、何れも、比較的に太い長手の丸棒材からなる第一の回転軸38を有している。この第一の回転軸38は、前記せるターゲット22の放出面21と支持板52との対向方向たる水平方向に直角な第一の方向としての上下方向(図3中、上下方向)に延出せしめられた状態で、回転ステージ34の回転軸:Qと外周縁との間の略中央部分において、回転可能に支持されている。そして、ここでは、第一乃至第四支持装置36a〜dのそれぞれの第一の回転軸38が、回転ステージ34の回転軸:Qと外周縁との間の略中央部分において、互いに周方向に等間隔を隔てて支持されていることで、上記の如く、第一乃至第四の4個の支持装置36a〜dが、回転ステージ34の周方向において互いに等間隔を隔てて設置されているのである。
また、かかる回転ステージ34における各支持装置36a〜dの第一の回転軸38の支持部分には、その上面において開口し、開口側が底部側よりも大径と為す段差部を有する段付凹所40がそれぞれ一つずつ、設けられている。そして、この段付凹所40の底部に設置される第一電動モータ42の駆動軸に取り付けられた駆動ギヤ44が、第一の回転軸38の下端部に固定された従動ギヤ46に噛合されている。これにより、第一電動モータ42の駆動に伴って、第一の回転軸38が回転駆動せしめられるようになっている。なお、ここでは、第一電動モータ42が、正逆回転可能な、例えばステッピングモータ等からなり、それによって、第一の回転軸38が、第一電動モータ42の正逆回転に伴って往復回動可能とされている。
さらに、各支持装置36a〜dの第一の回転軸38においては、その延出方向(図3中、上下方向)の中央部よりも所定寸法だけ上側に位置する箇所と、かかる中央部よりも所定寸法だけ下側に位置する箇所の二箇所に、それぞれ2個ずつ、合計4個の保持バー48,48が、位置固定に設けられている。そして、それら4個の保持バー48のうち、上側に位置する2個のもののうちの一方と、下側に位置する2個のもののうちの一方が、それぞれ、第一の回転軸38から、その延出方向に対して直角な水平方向、つまり前記せるターゲット22の放出面21と支持板52との対向方向(図3中、左右方向)の一方の側(図3中、右側)に向かって所定長さで延出し、また、上側と下側に各々位置するもののうちの他方が、それぞれ、第一の回転軸38から、一方のものとは逆方向に向かって所定長さで延出せしめられている。また、それら4個の保持バー48のそれぞれの延出先端部には、第一の回転軸38の延出方向と、ターゲット22の放出面21と支持板52との対向方向の両方向に対して直角な第二の方向たる水平方向(図3中、紙面に垂直な方向)に延びる第二の回転軸50が、設けられている。
そして、ここでは、それら4個の保持バー48のうち、第一の回転軸38の中央部よりも上側に位置する2個の保持バー48,48のそれぞれの延出先端部に対して、上側支持板52a,52bが、厚さ方向一方の面に設けられたブラケット54を介して、第二の回転軸50回りに回転可能に取り付けられ、更に、第一の回転軸38の中央部よりも下側に位置する2個の保持バー48,48のそれぞれの延出先端部にも、下側支持板52c,52dが、ブラケット54を介して、第二の回転軸50回りに回転可能に取り付けられている。
換言すれば、第一の回転軸38を間に挟んだ水平方向の一方側たる片側(図3中、右側)に、上側支持板52aと下側支持板52cとが、第二の回転軸50回りに回転可能な状態で、上下方向において互いに隣り合って近接位置せしめられている一方、第一の回転軸38を間に挟んだ水平方向の他方側たる別の片側(図3中、左側)に、上側支持板52bと下側支持板52dとが、第二の回転軸50回りに回転可能な状態で、上下方向において互いに隣り合って近接位置せしめられている。
また、そのような上側及び下側支持板52a〜dにおいては、図示されてはいないものの、ブラケット54の配設側とは反対側の面に、係合突起が一体形成されている。この係合突起は、例えば、樹脂ばね等により弾性変形可能な爪部(図示せず)を有している。そして、この爪部に対して、表面に金属薄膜が形成されるべき自動車用内装部品23が、係合せしめられることにより、各支持板52a〜dにて、取り外し可能に支持され得るようになっている。
なお、ここでは、各支持板52a〜dに支持される自動車用内装部品23が、全体として略矩形状の筐体からなり、かかる筐体の底部の外面が意匠面55とされる一方、意匠面55の上側と下側にそれぞれ位置して、上方と下方とに向かって露呈する側面が、それぞれ、上側側面56と下側側面58とされ、更に、意匠面55の左側と右側にそれぞれ位置して、左方と右方とに向かって露呈する側面が、それぞれ、左側側面60と右側側面62とされている。そのため、前記せる如き回転ステージ34の回転により各支持板52a〜dがターゲット22との対向位置に位置せしめられた際に、意匠面55がターゲット22の放出面21と水平方向において対向配置されるように、自動車用内装部品23が、支持板52に支持されるようになる。
かくして、第一乃至第四の各支持装置36a〜dにあっては、4個の上側及び下側支持板52a〜dが、第一の回転軸38を間に挟んで、各保持バー48の延出方向たる水平方向の両側に、それぞれ2個ずつ、上下方向に並び、且つ上側支持板52a,52b同士、及び下側支持板52c,52d同士が、係合突起の形成側とは反対側の面において互いに対向位置せしめられた状態で、第二の回転軸50回りに回転可能に取り付けられている。また、そうして各支持装置36a〜dに取り付けられた4個の支持板52a〜dの全てが、第一電動モータ42の駆動による第一の回転軸38の回転乃至は回動に伴って、第一の回転軸38回りに自動的に且つ一斉に回転乃至は回動せしめられるようになっている。
そして、それによって、第一乃至第四の各支持装置36a〜dに対して、4個の自動車用内装部品23が、4個の上側及び下側支持板52a〜dに1個ずつ支持された状態で、それら各上側及び下側支持板52a〜dと同様な配置形態で配置されつつ、各支持板52a〜dと共に、第一の回転軸38回りに自動的に回転乃至は回動可能で、且つ第二の回転軸50回りに回転可能とされている。このことから明らかなように、ここでは、第一電動モータ42にて、第一の駆動手段が、また、この第一電動モータ42と駆動ギヤ44と従動ギヤ46とにて、第一の駆動機構が、それぞれ構成されている。なお、図2には、段付凹所40と第一電動モータ42と駆動ギヤ44と従動ギヤ46とが、全て省略されていることが理解されるべきである。
また、本実施形態では、各支持装置36a〜dの上側及び下側の各支持板52a〜dを第一の回転軸38回りに自動的に回転させる第一電動モータ42の駆動が、回転ステージ34を回転駆動させる電動モータの駆動状態に基づいて、かかる電動モータの駆動を制御する前記コントローラ37にて、駆動制御されるようになっている。
具体的には、第一乃至第四の4個の支持装置36a〜dのうちの何れかが、ターゲット22と回転ステージ34の回転軸:Qとの間に位置せしめられて、回転ステージ34の回転が停止したときに、コントローラ37に内蔵されたタイマ機構の計時が開始され、その計測時間が所定の時間に達するまでの間、第一電動モータ42が所定の回転角度で連続的に複数回にわたって正逆回転せしめられる。そして、かかる計測時間が所定の時間に達したら、第一電動モータ42が一方向に半回転せしめられる。その後、更にタイマ機構による計測時間が所定の時間に達するまでの間、第一電動モータ42が、所定の回転角度で連続的に複数回にわたって正逆回転せしめられ、そして、かかる計測時間が所定の時間に達した時点で停止せしめられる。このように、第一電動モータ42の駆動が、コントローラ37にて制御されるようになっている。また、この第一電動モータ42の正逆回転時における駆動速度も、コントローラ37にて制御可能とされて、第一の回転軸38回りの各支持板52a〜dの回動速度が、任意の大きさに調整可能とされている。
そして、このような第一乃至第四の各支持装置36a〜dには、特に、4個の保持バー48のそれぞれに取り付けられた上側及び下側支持板52a〜dを、第二の回転軸50回りに自動的に回動させるための第二の駆動機構たる回動機構が設けられている。なお、本実施形態では、各支持装置36a〜dに取り付けられた2個の上側支持板52a,52bと2個の下側支持板52c,52dのうち、第一の回転軸38を間に挟んで水平方向の一方側(図3中、右側)において上下に並んで位置せしめられた上側支持板52aと下側支持板52cをそれぞれ回動させる回動機構と、第一の回転軸38を間に挟んで水平方向の他方側(図3中、左側)において上下に並んで位置せしめられた残りの上側支持板52bと下側支持板52dをそれぞれ回動させる回動機構の二つの回動機構が、互いに同一の構造をもって、各支持装置36a〜dにそれぞれ設けられている。それ故、以下の説明では、第一支持装置36aに設けられた2個の回動機構のうちの一つのもののみを例示して、その構造について、詳細に説明することとする。
すなわち、2個の回動機構のうち、第一の回転軸38に対して水平方向の一方側(図3中、右側)に位置せしめられた上側支持板52aと下側支持板52cをそれぞれ回動させる回動機構は、第一の回転軸38と上側及び下側支持板52a,52cとの間に位置せしめられた回動機構用回転軸64と、この回動機構用回転軸64の回転駆動力を上側及び下側支持板52a,52cにそれぞれ伝達する二つの伝達機構65a,65bとを有している。
より詳細には、回動機構用回転軸64は、第一の回転軸38よりも細くて短い丸棒からなり、第一の回転軸38と平行に鉛直方向(上下方向)に延びるように位置せしめられている。そして、その状態で、第一の回転軸38に対して、その長さ方向の中間部に回転不能に取り付けられた複数(ここでは、2個)の支持アーム66,66により、第一の回転軸38と別個に独立して回転可能に支持されている。また、この回動機構用回転軸64においては、その下端部が、そこに取り付けられた従動ギヤ68と共に、回転ステージ34に設けられた前記段付凹所40内に突入せしめられている。そして、かかる従動ギヤ68が、段付凹所40の段差部に設置された第二の駆動手段たる第二電動モータ70の駆動軸に固定される駆動ギヤ72に噛合されている。これによって、回動機構用回転軸64が、第二電動モータ70の駆動に伴って回転駆動せしめられるようになっている。つまり、ここでは、第二の駆動機構たる回動機構が、第二電動モータ70と駆動ギヤ72と従動ギヤ68を含んで構成されている。
一方、二つの伝達機構65a,65bのうち、上側支持板52aに回転駆動力を伝達する上側伝達機構65aは、図3乃至図5に示されるように、円形の回転板74と、比較的に広幅で厚肉の矩形平板からなる案内バー76とを有している。
この上側伝達機構65aの円形の回転板74は、回動機構用回転軸64の上端部に対して、回動機構用回転軸64と一体回転可能な状態で、同軸的に固定されている。また、かかる回転板74の上面の外周部には、円形のピン孔78が穿設されている。
一方、案内バー76は、回転板74の下方において、第一の回転軸38から支持板52a側に、回転板74を超えて、支持板52aにまでは至らない長さで、前記保持バー48と平行に延び出している。そして、第一の回転軸38の上端部に位置固定に取り付けられている。また、かかる案内バー76の回転板74よりも第一の回転軸38側とは反対側に延びる部分には、案内バー76の長さ方向に延びる長孔80が設けられている。
さらに、それら回転板74と案内バー76との間には、第一リンク82が架け渡されるように配置されている。この第一リンク82は、細長い平板形状を有し、厚さ方向一方側の面における長さ方向の一端部に、丸棒状のクランクピン84が一体的に突設され、また、その他端部には、クランクピン84よりも長い丸棒状の摺動ピン86が一体的に突設されている。そして、クランクピン84が、回転板74に設けられたピン孔78内に、また、摺動ピン86が、案内バー76に設けられた長孔80内に、それぞれ摺動可能に遊挿されている。
これによって、回転板74と案内バー76とが、第一リンク82を介して互いに連結されている。また、回転板74の回動機構用回転軸64との一体回転によって、クランクピン84が、円形の軌跡を描くように変位せしめられ、そして、それに伴って、摺動ピン86が、長孔80の内周面に摺動せしめられつつ、長孔80の長さ方向において直線的に往復動せしめられるようになっている。つまり、ここでは、回転板74と案内バー76と第一リンク82とにて、円運動を直線運動に変換するクランク機構が構成されている。
また、そのような第一リンク82の摺動ピン86は、案内バー76の長孔80を貫通して、その先端部が、案内バー76の下面側に所定長さで突出位置せしめられている。そして、この摺動ピン86の先端部には、前記第二の回転軸50と平行に延びる第一回動軸88が設けられていると共に、第一リンク82と平行に延びる第二リンク90が、その長さ方向の一端部において、かかる第一回動軸88回りに回動可能に連結されている。更に、この第二リンク90は、その長さ方向の他端部において、支持板52aの前記保持バー48の取付側の面の上端部に対して、そこに第二の回転軸50と平行に延びるように設けられた第二回転軸92回りに回動可能に連結されている。
かくして、ここでは、第二電動モータ70の駆動による回動機構用回転軸64の一方向(図4及び図5に矢印アで示される時計回りの方向)への回転に伴って、回転板74が、かかる回動機構用回転軸64の回転方向と同一の方向に回転せしめられるようになっている。また、この回転板74の回転によって、図4及び図5に二点鎖線で示されるように、第一リンク82の摺動ピン86とそれに連結された第二リンク90とが、保持バー48の延出方向、つまり、前記せるターゲット22の放出面21と支持板52aとの対向方向(図4及び図5に矢印イにて示される方向)において往復スライド移動せしめられるように構成されている。
これにより、回動機構用回転軸64の回転駆動力が、上側伝達機構65aを介して、前記せるターゲット22と支持板52aとの対向方向での往復スライド運動に変換せしめられた状態で下側支持板52cに伝達されるようになっている。そして、その結果、上側支持板52aが、図4及び図5に二点鎖線で示される如く、第二の回転軸50回りに自動的に往復回動せしめられるように構成されているのである。
一方、下側支持板52cに、回動機構用回転軸64の回転駆動力を伝達する下側伝達機構65bは、前記せる上側伝達機構65aと同一の構成部材を有し、そして、それらの構成部材が、上側伝達機構65aの構成部材とは上下反転して位置せしめられた状態で、支持装置36aに組み付けられている。
すなわち、下側伝達機構65bにおいては、円形の回転板74が、回動機構用回転軸64の下端部に一体回転可能に固定され、この回転板74の上方に、案内バー76が配置されている。また、そのような回転板74と案内バー76とにそれぞれ穿設されたピン孔78と長孔80内に、第一リンク82のクランクピン84と摺動ピン86とが摺動可能に遊挿されることで、それら回転板74と案内バー76とが、第一リンク82にて相互に連結されている。更に、長孔80内に突入し、挿通せしめられた第一リンク82の摺動ピン86の先端部に、第二リンク90が、第二の回転軸50と平行に延びる第一回動軸88回りに回動可能に連結されている。また、この第二リンク90が、下側支持板52cの下端部に対して、第二の回転軸50と平行に延びる第二回動軸92回りに回動可能に連結されている。
これにより、第二電動モータ70の駆動による回動機構用回転軸64の一方向(図4及び図5に矢印アで示される時計回りの方向)への回転駆動力が、下側伝達機構65bを介して、前記せるターゲット22の放出面21と支持板52aとの対向方向(図4及び図5に矢印イで示される方向)での往復スライド運動に変換せしめられた状態で下側支持板52cに伝達されるようになっている。そして、その結果、回動機構用回転軸64の一方向への回転に伴って、前記せる上側支持板52aの第二の回転軸50回りの往復回動と共に、下側支持板52cも、第二の回転軸50回りに往復回動せしめられるように構成されているのである。
また、ここでは、特に、下側伝達機構65bの回転板74が、上側伝達機構65aの回転板74に対して上下反転せしめられた状態で位置されているものの、それらの回転板74,74にそれぞれ設けられたピン孔78が、鉛直方向において互いに対応する同一位置に位置せしめられている。これにより、回動機構用回転軸64の回転駆動に伴う上側及び下側伝達機構65a,65bのそれぞれの回転板74の回転によって、それら上側及び下側伝達機構65a,65bの第一リンク82同士と第二リンク90同士が、それぞれ一致した動作で作動せしめられるようになっている。
すなわち、例えば、回動機構用回転軸64の回転駆動によって、上側伝達機構65aの第一リンク82と第二リンク90とが、第一の回転軸38から最も離隔する位置にスライド移動したときに、下側伝達機構65bの第一リンク82と第二リンク90も、第一の回転軸38から最も離隔する位置にスライド移動せしめられるようになる。また、その逆に、上側伝達機構65aの第二リンク90が、第一の回転軸38に最も接近する位置にスライド移動したときには、下側伝達機構65bの第二リンク90も、第一の回転軸38に最も接近する位置にスライド移動せしめられるようになる。
これにより、回動機構用回転軸64の回転駆動に伴って、上側支持板52aと下側支持板52cとが、第二の回転軸50回りに互いに逆方向に往復回動せしめられるようになっている。つまり、例えば、図6の(a)に示されるように、上側支持板52aが、反時計回りの方向に回動したときには、下側支持板52cが時計回りの方向に回動せしめられるようになり、また、図6の(b)に示されるように、上側支持板52aが、時計回りの方向に回動したときには、下側支持板52cが反時計回りの方向に回動せしめられるように構成されているのである。
さらに、本実施形態においては、回動用回転軸64を回転駆動させる第二電動モータ70の駆動が、前記せる回転ステージ34を回転駆動させる電動モータや第一の回転軸38を回転駆動させる第一電動モータ42の駆動を制御するコントローラ37にて、回転ステージ34の回転停止に連動するように制御されている。即ち、回転ステージ34の回転が停止せしめられて、その停止状態が継続されている間だけ、ターゲット22と対向せしめられた上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)を往復回動させる第二電動モータ70が駆動せしめられて、それら上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)の往復回動が複数回にわたって連続的に行われるようになっている。換言すれば、後述する如く、ターゲット22と対向せしめられた上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)に支持された自動車用内装部品23に対する被膜の形成開始から終了までの間に、それら上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)が、複数回にわたって連続的に往復回動せしめられるように構成されている。また、第二電動モータ70の駆動速度も、コントローラ37にて制御可能とされて、上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)の回動速度が、任意の大きさに調整可能となっている。
そして、支持装置36aにあっては、上記せる如き構造を有して、第一の回転軸38に対して水平方向の一方側(図3中、右側)に位置せしめられた上側支持板52aと下側支持板52cをそれぞれ往復回動させる回動機構とは別に、かかる回動機構と同一の構成部材を有し、且つそれらの構成部材が、第一の回転軸38を間に挟んだ反対側に対照的に位置せしめられてなる、もう一つの回動機構が設けられている。それによって、第一の回転軸38に対して水平方向の他方側(図3中、左側)に位置せしめられた上側支持板52bと下側支持板52dが、回転ステージ34の回転停止状態が継続されている間だけ、もう一つの回動機構にて、第二の回転軸50回りにそれぞれ複数回にわたって連続的に往復回動せしめられるように構成されている。また、かかる第一支持装置36aを除いた残りの第二乃至第四の3個の支持装置36b〜dも、第一支持装置36aと同一の構造とされている。
而して、かくの如き構造とされた本実施形態のスパッタリング装置を用いて、自動車用内装部品23の表面に金属薄膜を形成する際には、例えば、以下の如き手順に従って作業が進められることとなる。
すなわち、先ず、図2に二点鎖線で示されるように、真空チャンバ10が開放されて、第一乃至第四支持装置36a〜dにそれぞれ4個ずつ設けられた支持板52a〜dに対して、自動車用内装部品23が、各々1個ずつ、図示しない係合突起に係合されて、支持される。
このとき、全ての自動車用内装部品23が、意匠面55を、第一乃至第四支持装置36a〜dの第一の回転軸38側とは反対側に向けた状態とされる。そして、第一の支持装置36aが、ターゲット22と回転ステージ34の回転軸:Qとの間に位置せしめられて、かかる第一支持装置36aにおける水平方向一方側に位置する上側及び下側支持板52a,52cに取り付けられた2個の自動車用内装部品23だけが、それぞれの意匠面55を、真空チャンバ10内のターゲット22の放出面21に対向させた状態で位置せしめられる(図1参照)。また、このような自動車用内装部品23の各支持板52a〜dへの支持操作は、回転テーブル34の回転が停止した状態で行われるが、これはスパッタリング操作の開始前であるため、回転テーブル34が回転停止状態ではあるものの、第一電動モータ42と第二電動モータ70の駆動が、コントローラ37にて停止状態とされている。
次に、図1及び図2に実線で示されるように、真空チャンバ10が密閉され、その状態において、図示しない真空ポンプが作動せしめられることにより、真空チャンバ10内の空気が、ガス排出孔24とガス排出パイプ28とを通じて外部に排出されて、真空チャンバ10内が所定の真空度を有する真空状態とされる。その後、図示しないガス供給装置が作動せしめられて、ガス導入孔26とガス導入パイプ30とを通じて、真空チャンバ10内に、例えばアルゴンガス等の不活性ガスからなる反応ガスが導入される。
そして、反応ガスが真空チャンバ10内に充満したら、真空チャンバ10内に設置されたターゲット22に接続された電源装置が作動せしめられて、ターゲット22に対して所定の電圧が印加される。これによって、ターゲット22の放出面21の前方にプラズマが発生し、ターゲット22の放出面21においてスパッタリング現象が惹起されて、かかる放出面21から無数のスパッタ粒子が放出される(叩き出される)。
また、本操作では、電源装置の作動と同時、つまりスパッタリング操作の開始と同時に、コントローラ37に内蔵されたタイマ機構による計時が開始されて、第一支持装置36aに設けられた2個の第二電動モータ70のうち、ターゲット22と対向位置せしめられた上側及び下側支持板52a,52cを回動させる第二電動モータ70が、タイマ機構による計測時間が所定の時間に達するまで駆動せしめられて、回動機構用回転軸64が回転せしめられる。それにより、それらターゲット22の放出面21と対向位置せしめられた上側及び下側支持板52a,52cが、第二の回転軸50回りに複数回にわたって連続的に往復回動させられる。そして、それと同時に、第一の回転軸38を回転させる第一電動モータ42も、タイマ機構による計測時間が所定の時間に達するまで、正逆両方向に所定の回転角度だけ連続的に回転駆動せしめられて、第一の回転軸38が回動せしめられる。それによって、ターゲット22と対向位置せしめられた上側及び下側支持板52a,52cが、第一の回転軸38回りに複数回にわたって連続的に往復回動させられる。
このため、上側及び下側支持板52a,52cにそれぞれ支持された2個の自動車用内装部品23も、それら各支持板52a,52cと共に、電源装置の作動開始から所定時間が経過するまでの間、第一の回転軸38回りと第二の回転軸50回りに、同時に複数回にわたって連続的に往復回動せしめられるようになる。そして、それにより、各支持板52a,52cの回動停止状態下では、ターゲット22の放出面21と直交する位置に配置されて、非露呈状態とされた各自動車用内装部品23の左側及び右側側面60,62と上側及び下側側面56,58が、電源装置の作動開始から所定時間が経過するまでの間、第一の回転軸38回りと第二の回転軸50回りの往復回動により、意匠面55と共に、ターゲット22の放出面21に向かって間欠的に連続して露呈されるようになる(放出面21に対して傾斜して対応位置せしめられるようになる)。
かくして、本操作では、上側及び下側支持板52a,52cにそれぞれ支持された2個の自動車用内装部品23の意匠面55だけでなく、上側及び下側側面56,58と左側及び右側側面60,62にも、ターゲット22から放出された(叩き出された)無数のスパッタ粒子94のうち、各側面56〜62とターゲット22の放出面21との対向方向に対して斜めに交差する方向に飛行するスパッタ粒子94に加えて、かかる対向方向に飛行するスパッタ粒子94も、ムラなく確実に付着、堆積せしめられるようになる。また、各自動車用内装部品23の回動により、各側面56〜62が、ターゲット22の放出面21に向かって露呈するように傾けられるため、それら各側面56〜62が、ターゲット22の放出面21に対して直交するように位置せしめられた状態とされている場合に比して、各側面56〜62へのスパッタ粒子94の入射角が十分に大きくされ、それにより、射影効果が抑制されて、各側面56〜62に付着するスパッタ粒子94が、柱状ではなく、層状に堆積されるようになる。そうして、各自動車用内装部品23の意匠面55と上側及び下側側面56,58と左側及び右側側面60,62の全面に、ターゲット22と同一の材質の金属薄膜からなる被膜が、各々形成されるのである。
また、ここでは、特に、図6の(a)及び(b)に示されるように、上側支持板52aと下側支持板52cにそれぞれ支持された2個の自動車用内装部品23が、互いに逆方向に同時に往復回動せしめられるようになっている。それ故、例えば、それら2個の自動車用内装部品23が同一方向に同時に往復回動せしめられるために、上側支持板52aに支持された自動車用内装部品23が図6の(a)と(b)に実線で示された回動位置に達したときに、下側支持板52cに支持された自動車用内装部品23が図6の(a)と(b)に二点鎖線で示された回動位置とされる場合とは異なって、それら2個の自動車用内装部品23の回動途中で、下側支持板52cに支持された自動車用内装部品23の上側側面56(上側支持板52aに支持された自動車用内装部品23の下側側面58)が、上側支持板52aの下端部(下側支持板52cの上端部)の影に隠れるように位置せしめられる射影効果が惹起されて、かかる上側側面56(下側側面58)へのスパッタ粒子94の付着が、上側支持板52aの下端部(下側支持板52cの上端部)にて邪魔されるようなことが、有効に回避され得るようになっている。
そして、電源装置の作動開始からコントローラ37のタイマ機構にて計測される時間が所定の時間に達したら、上側及び下側支持板52a,52cの回動と第一の回転軸38の回動が、図3に示される回動位置において自動的に停止されると同時に、第一の回転軸38が半回転せしめられ、それによって、表面に被膜が形成された2個の自動車用内装部品23をそれぞれ支持する上側及び下側支持板52a,52cの位置と、それとは別の上側及び下側支持板52b,52dの位置が交替させられて、表面に被膜が未だ形成されていない2個の自動車用内装部品23が、それぞれの意匠面55において、ターゲット22の放出面21と対向位置せしめられる。
その後、コントローラ37のタイマ機構による計時が再び開始されて、上側及び下側支持板52b,52dと第一の回転軸38とが、第一の回転軸38の半回転前の上側及び下側支持板52a,52cと第一の回転軸38と同様に自動的に往復連続回動せしめられる。そして、そのような回動が、コントローラ37のタイマ機構にて計測される時間が所定の時間に達するまで、連続して複数回行われるように継続される。かくして、上側及び下側支持板52b,52dにそれぞれ支持された自動車用内装部品23の全面にも、金属薄膜からなる被膜が、可及的に均一な厚さで形成される。
その後、第一の回転軸38が半回転してからコントローラ37のタイマ機構にて計測される時間が所定の時間に達したら、上側及び下側支持板52b,52dと第一の回転軸38の往復回動が停止せしめられる。
そして、それに引き続き、回転ステージ34が回転せしめられ、第一支持装置36aに代えて、第二支持装置36bが、ターゲット22と回転ステージ34の回転軸:Qとの間に位置せしめられたときに、回転ステージ34の回転が停止される。その後、上記と同様な操作が実施されて、第二支持装置36bの4個の支持板52a〜dにそれぞれ支持された自動車用内装部品23の全面に、金属薄膜からなる被膜が形成される。更に、その後、第三支持装置36cと第四支持装置36dが、順番に交替で、ターゲット22と回転ステージ34の回転軸:Qとの間に位置せしめられた状態で、上記と同様な操作が実施され、以て、それら第三及び第四支持装置36c,36dの各支持板52a〜dにそれぞれ支持された自動車用内装部品23の全面に、金属薄膜からなる被膜が形成される。
このように、本実施形態に係るスパッタリング装置を用いれば、第一乃至第四の各支持装置36a〜dに設けられた支持板52にそれぞれ支持された全ての自動車用内装部品23の意匠面55と上側及び下側側面56,58と左側及び右側側面60,62の全面に対して、より多くのスパッタ粒子94が層状に堆積されるため、自動車用内装部品23の被膜が形成されるべき表面の全面に、目的とする被膜が、可及的に均一で且つ必要な膜厚で、しかも、十分に大きな密着力をもって一挙に形成され得る。
また、本実施形態のスパッタリング装置を用いる場合、自動車用内装部品23の表面の被膜が、多くのスパッタ粒子94が層状に堆積されることで、均一な膜厚をもって形成されるため、例えば、被膜と自動車用内装部品23の表面との間にアンダーコート層が形成されていない場合にあっても、被膜の自動車用内装部品23側とは反対側にトップコート層を形成したときに、トップコート層の含有成分のうちの一部の成分が、被膜の薄肉部分に生ずる微小孔等を通じて自動車用内装部品23の表面に接触して、かかる表面を侵食するようなことも未然に防止され得る。これによって、自動車用内装部品23の表面に形成される被膜の膜質の向上が、有利に図られ得ることとなる。
さらに、かかるスパッタリング装置においては、各支持装置36a〜36dの上側支持板52a,52bと下側支持板52c,52dとが互いに逆方向に同時に往復回動されることで、下側支持板52c,52d(上側支持板52a,52b)にそれぞれ支持される自動車用内装部品23の上側側面56(下側側面58)へのスパッタ粒子94の付着が、上側支持板52aの下端部(下側支持板52cの上端部)にて邪魔されるようなことが、有効に回避され得るようになっている。これによって、上側支持板52a,52bと下側支持板52c,52dにそれぞれ支持される自動車用内装部品23の意匠面55と各側面56〜62に各々形成される被膜の厚さのバラツキの発生が、更に一層確実に防止され得るのである。
更にまた、本実施形態にあっては、スパッタリング操作による自動車用内装部品23の表面への被膜の形成開始から終了までの間、各支持板52a〜dの回動に伴って、自動車用内装部品23が、複数回にわたって連続的に往復回動せしめられるようになっている。それ故、例えば、被膜の形成開始から終了までの間に、各支持板52a〜dが一回だけ回動せしめられる場合とは異なって、自動車用内装部品23の表面のうちの特に各側面56〜62に向かって飛行するスパッタ粒子94だけでなく、自動車用内装部品23の周囲に浮遊するスパッタ粒子94も、各側面56〜62に対して効率的且つ積極的に付着せしめられる。これによって、各側面56〜62に形成される被膜の厚さが、より均一に、しかも、ターゲット22の放出面21と対向位置する意匠面55に形成される被膜の厚さと可及的に同程度の厚さと為され得る。
また、本実施形態では、コントローラ37による第二電動モータ70の駆動制御に基づいて、各支持板52a〜dの回動速度が任意にコントロールされ得るようになっている。それ故、例えば、各支持板52a〜dの回動速度を大きくすることで、各側面56〜62へのスパッタ粒子94の付着量を増大させ、また、各支持板52a〜dの回動速度を小さくすることで、各側面56〜62へのスパッタ粒子94の付着量を抑制する等、各支持板52a〜dの回動速度を調節して、各側面56〜62へのスパッタ粒子94の付着量を任意に調整することが出来る。そして、それによって、自動車用内装部品23の各側面56〜62の面積に拘わらず、それら各側面56〜62に形成される被膜を可及的に十分にかつ均一な厚さとすることが可能となる。
さらに、本実施形態においては、各支持装置36a〜36dの片側の上側及び下側支持板52a,52cを回動させる第二電動モータ70と、別の片側の上側及び下側支持板52b,52dを回動させる第二電動モータ70とが、互いに独立した別個のものにて構成されて、それら片側の上側及び下側支持板52a,52cの往復回動と、別の片側の上及び下側支持板52b,52dの往復回動とが、互いに独立して行われるようになっている。そのため、ターゲット22の放出面21に対向位置せしめられた自動車用内装部品23を支持する支持板52のみを選択的に往復回動させることが出来、以て、被膜形成操作のランニングコストの低下が有利に実現され得る。
また、本実施形態では、各支持板52a〜dを回動させる第二電動モータ70と、第一の回転軸38を回転乃至は回動させる第一電動モータ42とが、互いに別個の独立したモータにて構成されているため、例えば、それら第一電動モータ42と第二電動モータ70とを同一の1個のモータにて構成する場合とは異なって、各支持板52a〜dを回動させるための機構と第一の回転軸38を回動乃至は回転させるための機構とを互いに別個に構成することが可能となり、以て、それらの機構が、比較的に簡略な構造において実現され得ることとなる。
さらに、本実施形態のスパッタリング装置においては、コントローラ37の制御下での回転ステージ34の回転によって、第一乃至第四支持装置36a〜dのそれぞれに設けられた上側及び下側支持板52a,52c(52b,52d)が、順番に交替で、ターゲット22の放出面21と対向位置せしめられるようになっているところから、多数の自動車用内装部品23の表面に対する被膜の形成操作が、順番に効率良く実施され得る。
なお、ここにおいて、本発明に従う構造を有するスパッタリング装置が、上記せる如き優れた特徴を確実に発揮され得るものであることを確認するために、本発明者等によって実施された比較試験について、詳述する。
すなわち、先ず、図1及び図2に示される如く、第一乃至第四の4個の支持装置36a〜dに設けられた支持板52が第二の回動軸50回りに往復回動可能とされた構造を有するスパッタリング装置を作製して、準備した。
そして、図3に示されるように、第一支持装置36aの上側及び下側の2個の支持板52a,52cに対して、自動車用内装部品23をそれぞれ1個ずつ支持させた。また、それら2個の自動車用内装部品23を、それぞれの意匠面55においてターゲット22の放出面21に対向するように位置せしめた。
次いで、図6の(a)と(b)に示されるように、支持板52a,52cと共に、自動車用内装部品23を第二の回動軸50回りにそれぞれ逆方向に往復回動させた。そして、そのような状態下で、ターゲット22に対して、それに接続された電源装置(図示せず)から所定の電圧を印加することにより、スパッタリング操作を実施して、自動車用内装部品23の意匠面55と上側及び下側側面56,58と左側及び右側側面60,62に被膜を形成した。なお、このとき、各支持板52a,52cの鉛直面に対する回動角度を±30°とし、また、各支持板52a,52bの回動速度を 60(往復)回/minとした。更に、スパッタリング操作は、ターゲット22としてステンレス製の金属板を用いると共に、反応ガスとしてアルゴンガスを用いて、公知のグロー放電スパッタリング法に従って実施した。
その後、図7に示されるように、上側支持板52aに支持された自動車用内装部品23の表面のうち、上側側面56の「部位A」として示される部分と、意匠面55の「部位B」として示される部分と、下側側面58の「部位C」として示される部分のそれぞれに形成された被膜の厚さを、それぞれ、公知の手法により測定した。そして、「部位B」に形成された被膜の厚さを100%としたときの「部位A」と「部位C」とにそれぞれ形成された被膜の厚さの比率を算出した。その結果を図8に示した。なお、図8には、それらの算出値を●で示した。
また、比較のために、支持装置に設けられた支持板を回転乃至は回動させるための構造を何等有しない従来のスパッタリング装置を用いて、支持板に支持される自動車用内装部品を支持板に固定的に支持させた状態下で、上記と同様なスパッタリング操作を行って、自動車用内装部品の表面に被膜を形成した。
そして、かくして被膜が形成された自動車用内装部品の表面のうち、図7に、「部位A」と「部位B」と「部位C」とにてそれぞれ示される部分に相当する部分に形成された被膜の厚さを、それぞれ、公知の手法により測定して、三つの測定値を得た。そして、上記せる如く、支持板と共に自動車用内装部品を第二の回転軸回りに回動させつつ、スパッタリング操作を実施することにより、自動車用内装部品の表面のうちの「部位B」に形成された被膜の厚さと、三つの測定値とを比較して、かかる「部位B」の被膜の厚さを100%としたときの三つの測定値の比率をそれぞれ算出した。その結果を図8に併せて示した。なお、図8には、かくして得られた三つの算出値を■で示した。
図8に示された結果から明らかなように、本発明に従う構造を有するスパッタリング装置を用いて、支持板と共に自動車内装部品を第二の回転軸回りに往復回動させつつ、スパッタリング操作を実施した場合には、自動車用内装部品の上側側面と下側側面に形成される被膜の厚さと、意匠面に形成される被膜の厚さとの差が、後者の被膜の厚さに対して10%程度の十分に小さな値となっている。これに対して、従来装置を用いて、スパッタリング操作を実施した場合には、自動車用内装部品の上側側面と下側側面に形成される被膜の厚さと、意匠面に形成される被膜の厚さとの差が、後者の被膜の厚さに対して40%程度の極めて大きな値となっている。
これによって、本発明に従う構造を有するスパッタリング装置を用いれば、スパッタリング操作の実施時における自動車用内装部品とターゲットと位置関係に拘わらず、自動車用内装部品の被膜が形成されるべき表面部分の全面に、目的とする被膜が、可及的に均一な厚さで形成され得ることが、明確に認識され得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、支持部材としての支持板52a〜dが、それら各支持板52a〜dに支持される基材としての自動車用内装部品23への被膜の形成開始から終了までの間に、第二の回転軸50回りに複数回にわたって連続的に往復回動せしめられるようになっていたが、自動車用内装部品23への被膜の形成操作の間に、各支持部材52a〜dが、第二の回転軸50回りに1回だけ回動せしめられるように構成したり、或いは第二の回転軸50回りに回転せしめられるように構成したりしても良い。
なお、各支持部材52a〜dを第二の回転軸50回りに回転させる場合には、第二の駆動機構として、例示の回動機構に代えて、例えば、回動機構用回転軸64と同様に鉛直方向に延びる回転軸と、それを回転させる第二電動モータ70、駆動ギヤ72、及び従動ギヤ68と、鉛直方向に延びる回転軸の回転を、かかる回転軸に直交するように位置せしめられた第二の回転軸50回りの回転に変換して、鉛直面内での回転となるように回転方向を変えて各支持板52a〜dに伝達する歯車機構(例えば、ウォームとウォームホイールの組合せによる歯車機構)を含んでなる回転機構を始めとした公知の各種の回転機構が採用される。
また、各支持板52a〜dを第二の回転軸50回りに往復回動させる場合にあっても、第二電動モータ70として、例えばステッピングモータ等の正逆回転可能なモータ等を用いれば、上記せる回転機構にて、第二の駆動機構を構成することが出来る。そして、この場合には、第二電動モータ70の回転角度(回転量)や回転速度を、調節機構としてのコントローラ37にて制御可能とすることで、各支持部材52a〜dの回動角度(回動量)や回動速度を、被膜が形成されるべき基材としての自動車用内装部品23の大きさ等に応じて任意に調節することが可能となる。これによって、自動車用内装部品23の大きさ等に拘わらず、自動車用内装部品23の被膜が形成されるべき表面の全面に、目的とする被膜が、可及的に均一に且つ十分な厚さで、十分な密着力をもって確実に形成され得る。また、各支持部材52a〜dの回動角度や回動速度の増減に伴って、被膜の厚さを微調整することも可能となる。
さらに、各支持板52a〜dを第二の回転軸50回りに往復回動させる第二の駆動機構には、各支持板52a〜dに回動可能に取り付けられた第二リンクを往復スライド移動させるクランク機構を含む例示の構造に代えて、例えば、回動機構用回転軸64に一体回転可能に取り付けられたピニオンと、このピニオンに噛合せしめられたラックとの組合せにて、第二リンクを往復スライド移動させる歯車機構を含む構造を採用することも出来る。勿論、その他にも、第二の駆動機構として、公知の各種の構造が採用され得ることは、言うまでもないところである。
更にまた、前記実施形態では、上側支持板52a(52b)と下側支持板52c(52d)とが、第二の駆動機構たる回動機構の1個のものにて回動せしめられるようになっていたが、それら上側支持板52a(52b)と下側支持板52c(52d)とを、互いに独立した別個の第二の駆動機構によって回動させるように為すことも出来る。これによって、上側支持板52a(52b)と下側支持板52c(52d)の回動速度や回動速度を、支持板52毎に互いに別個に制御することが可能となり、以て、それら各支持板52に互いに異なる大きさ等を有する基材(自動車用内装部品23)が支持される場合にも、それら各基材の表面への被膜の形成が、より有利に且つ効率的に実施され得ることとなる。
また、そのような支持板52を回動乃至は回転させる第二の駆動手段(第二電動モータ70)と、第一の回転軸38を回転させる第一の駆動手段(第一電動モータ42)とを、同一の1個の駆動手段にて構成しても良い。それによって、部品の削減に伴う低コスト化の実現が期待され得る。
さらに、前記実施形態では、4個の支持装置36のそれぞれに対して、支持板52が、それぞれ4個ずつ設けられていたが、それら支持装置36や支持板52の個数は、何等これに限定されるものではない。
更にまた、1個の支持装置36に対して、支持板52を複数個設ける場合にも、それら複数の支持板52を第一の回転軸38の延出方向と直交する方向に延びる第二の回転軸50の延出方向において隣り合って近接位置させることも出来る。この場合にあっても、好ましくは、隣り合う支持板52同士が、第一の回転軸38回りに互いに逆方向に回転乃至は回動せしめられるように構成される。これによって、スパッタリング操作の実施時に、隣り合う支持板にそれぞれ支持される基材のうち、支持板の並び方向内側の部分へのスパッタ粒子の付着が、射影効果によって阻害されるようなことが、有利に防止され得ることとなる。
また、前記実施形態では、支持部材が矩形状の平板からなる支持板52にて構成されていたが、この支持部材は、基材をターゲットに対して対向位置させるように支持可能なものであれば、その構造が、何等限定されるものではない。更に、支持部材に対する基材の取付構造も、着脱可能な構造であれば良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車用内装部品に被膜を形成するのに用いられる支持装置とスパッタリング装置とに適用したものの具体例を示したが、本発明は、自動車用内装部品以外の各種の基材に皮膜を形成するのに用いられる支持装置とスパッタリング装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。また、本発明装置を用いて実施されるスパッタリング法も、グロー放電スパッタリング法やイオンビームスパッタリング法等の公知の手法が、何れも採用され得る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有するスパッタリング装置の一実施形態を示す縦断面説明図であって、図2のI−I断面に相当する図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1における部分拡大説明図である。 図2における部分拡大説明図である。 図3における部分拡大説明図である。 図3における部分拡大説明図であって、支持部材の回動状態を説明するための図である。 図5に対応する図であって、本発明に従う構造を有するスパッタリング装置と従来構造を有するスパッタリング装置とを用いて基材の表面に皮膜を形成した後、かかる皮膜の厚さを測定する比較試験を行ったときの皮膜の厚さの測定部位を説明するための図である。 本発明に従う構造を有するスパッタリング装置と従来構造を有するスパッタリング装置とを用いて基材の表面に皮膜を形成した後、かかる皮膜の厚さを測定する比較試験を行ったとき結果を示すグラフである。
符号の説明
10 真空チャンバ 21 放出面
22 ターゲット 23 自動車用内装部品
34 回転ステージ 36 支持装置
38 第一の回転軸 42 第一電動モータ
50 第二の回転軸 52 支持板
64 回動機構用回転軸 65 伝達機構
70 第二電動モータ

Claims (8)

  1. スパッタリングにより被膜が形成されるべき基材を、真空チャンバ内において、成膜材料からなるターゲットに対して所定距離を隔てて対向させた状態で支持するための装置であって、
    前記基材と前記ターゲットとの互いの対向方向に対して直角な第一の方向に延びる第一の回転軸と
    該対向方向及び該第一の方向の両方向に対して直角な第二の方向に延びる第二の回転軸と、
    記真空チャンバ内に配置されて、前記基材を前記ターゲットに対向させるように支持する支持部材と、
    前記第一の回転軸に取り付けられて、該第一の回転軸から側方に延出せしめられ、該第一の回転軸と共に回動乃至は回転可能とされると共に、その先端部が、前記第二の回転軸を介して、前記支持部材の背面に取り付けられ、該支持部材を該第二の回転軸回りに回動乃至は回転可能に保持する保持バーと、
    所定の回転駆動力を発生する第一の駆動手段を有し、該第一の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記保持バーを前記第一の回転軸回りに回動乃至は回転駆動せしめて、前記支持部材の該第一の回転軸回りの回転乃至は回動を行なう第一の駆動機構と、
    所定の回転駆動力を発生する第二の駆動手段を有し、該第二の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記支持部材を、前記第二の回転軸回りに回動乃至は回転駆動させる第二の駆動機構と、
    を含んで構成したことを特徴とする基材の支持装置。
  2. 前記支持部材の複数が、前記真空チャンバ内に、前記第一の方向において互いに隣り合って近接し、且つ前記ターゲットに対して、共に対向位置するように配置されると共に、それら隣り合う支持部材同士が、前記第二の駆動機構により、前記第二の回転軸回りに互いに逆方向に回転乃至は回動せしめられるようになっている請求項1に記載の基材の支持装置。
  3. 前記支持部材が、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸のうちの少なくとも何れか一方の回転軸回りに回動可能な状態で前記真空チャンバ内に配置されて、かかる支持部材の回動が、該支持部材に支持される前記基材の表面への前記皮膜の開始から終了までの間に、前記第一の駆動機構と前記第二の駆動機構の少なくとも何れか一方にて、連続して複数回行われるようになっている請求項1又は請求項2に記載の基材の支持装置。
  4. 前記支持部材が、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸のうちの少なくとも何れか一方の回転軸回りに回動可能な状態で前記真空チャンバ内に配置されて、前記第一の駆動機構と前記第二の駆動機構の少なくとも何れか一方にて回動せしめられるように構成されると共に、かかる支持部材の回動量を増減して、任意の量に調節する調節機構が更に設けられている請求項1乃至請求項のうちの何れか1項に記載の基材の支持装置。
  5. 前記支持部材の複数が、前記真空チャンバ内に、変位可能に配置されると共に、それら複数の支持部材が前記ターゲットと対向する位置に順番に交替で位置せしめられるように、該複数の支持部材の位置を変更する位置変更手段が、更に設けられている請求項1乃至請求項のうちの何れか1項に記載の基材の支持装置。
  6. 前記複数の支持部材が、鉛直方向に延びる第三の回転軸回りに回動乃至は回転可能に、且つかかる回動乃至は回転に伴って、順番に交替で、前記ターゲットと水平方向において対向位置せしめられるように配置されている一方、所定の回転駆動力を発生する第三の駆動手段を有し、且つ該第三の駆動手段にて発生せしめられる回転駆動力によって、前記複数の支持部材を、前記第三の回転軸回りに回動乃至は回転駆動させる第三の駆動機構と、該第三の駆動手段の回転駆動による該複数の支持部材の回動乃至は回転に伴って、該複数の支持部材が、順番に交替で、該ターゲットと対向位置せしめられる毎に、該第三の駆動手段の回転駆動を停止するように、該第三の駆動手段の回転駆動を制御する制御機構とを含んで、前記位置変更手段が構成されている請求項に記載の基材の支持装置。
  7. 前記第一の駆動手段と第二の駆動手段とが互いに同一の駆動手段にて構成されている請求項1乃至請求項のうちの何れか1項に記載の基材の支持装置。
  8. 真空チャンバ内に、成膜材料からなるターゲットと基材とを、所定距離を隔てて対向配置して、スパッタリングにより、該基材に、該ターゲットを構成する成膜材料よりなる被膜を形成するスパッタリング装置であって、
    前記真空チャンバ内に、前記請求項1乃至請求項のうちの何れか1項に記載の基材の支持装置が設置されて、前記基材が、該支持装置に支持されることにより、該真空チャンバ内に配置されるようになっているスパッタリング装置。
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