JP5034926B2 - 操舵アシスト力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、EPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)における操舵アシスト力を制御する操舵アシスト力制御装置に関し、特に、アシスト切れにより操舵中のステアリングハンドルが急激に重くなるのを防止する操舵アシスト力制御装置に関する。
従来、舵角比(ステアリングハンドルの操舵角に対する操舵輪の転舵角の比)を変化させる機構と、ドライバの操舵力を補助するための操舵アシスト力を発生させる操舵力補助機構とを備え、操舵速度が大きくなるほど舵角比を小さくすることで、操舵力補助機構が発生させる操舵アシスト力の追従遅れを抑制しながらアシスト切れを防止する車両用操舵制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上述の車両用操舵制御装置は、操舵速度を操舵中に変化させた場合にステアリングハンドルの中立位置にズレを発生させてしまうが、ステアリングハンドルの操舵速度にかかわらず、操舵角中立位置付近の操舵角領域では舵角比を大きくしながらもラックストッパ位置付近の操舵角領域では舵角比を小さすることで、その問題を解決しながら操舵力補助機構の追従遅れに起因するアシスト切れを防止する車両用操舵アシスト力制御装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−344120号公報 特開2006−021562号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の車両用操舵アシスト力制御装置は、舵角比を制限することにより、発生させる操舵アシスト力を前もって一律に制限しており、アシスト切れの防止を重視するあまり操舵力補助機構の動きを過度に制限してしまう場合がある。
上述の点に鑑み、本発明は、操舵アシスト力を過度に制限することなくアシスト切れを防止する操舵アシスト力制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る操舵アシスト力制御装置は、モータが発生させる操舵アシスト力を制御する操舵アシスト力制御装置であって、前記モータに供給された電流値又は電圧値に基づいて前記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度を算出する瞬間余裕度算出手段と、ステアリングハンドルで入力された操舵トルクと前記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度とに基づいてモータが発生させる操舵アシスト力を制御する操舵アシスト力制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る操舵アシスト力制御装置であって、前記モータに供給された電流値又は電圧値に基づいて前記モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度を算出するベクトル余裕度算出手段を更に備え、前記操舵アシスト力制御手段は、前記操舵トルクと前記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度及びベクトル的な余裕度とに基づいてモータが発生させる操舵アシスト力を制御することを特徴とする。
また、第三の発明は、第二の発明に係る操舵アシスト力制御装置であって、前記ベクトル余裕度算出手段は、前記モータに供給された電流値又は電圧値と舵角比可変部が車速、操舵速度又は操舵角に応じて変化させた舵角比とに基づいて前記モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度を算出することを特徴とする。
「モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度」とは、余裕電気エネルギー(EPSのアシストモータが利用可能な最大電気エネルギーから現在使用している電気エネルギーを差し引いた値)がその最大電気エネルギーに占める割合を示す指標であり、例えば、最大電流値から現在の電流値を差し引いた値(余裕電流)がその最大電流値に占める割合(電流余裕度)、又は、最大電力値から現在の電力値を差し引いた値(余裕電力)がその最大電力値に占める割合(電力余裕度)等で表される。
「モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度」とは、モータが利用可能な電気エネルギーにおける瞬間的な余裕度の時間的な変化の方向及び大きさを示す指標であり、例えば、電流余裕度の時間的な変化の方向及び大きさ(電流ベクトル余裕度)、又は、電力余裕度の時間的な変化の方向及び大きさ(電力ベクトル余裕度)等で表される。
上述の手段により、本発明は、操舵アシスト力を過度に制限することなくアシスト切れを防止する操舵アシスト力制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る操舵アシスト力制御装置の構成例を示す図であり、操舵アシスト力制御装置100は、EPSのアシストモータ4で発生させる操舵アシスト力(操舵アシストトルク)を制御するための装置であって、制御装置1を備え、CAN(Control Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載LANを介してトルクセンサ2、舵角比可変装置3及びアシストモータ4に接続される。
制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであって、例えば、操舵アシスト力制御手段10、瞬間余裕度算出手段11及びベクトル余裕度算出手段12のそれぞれに対応するプログラムをROMに記憶し、トルクセンサ2、舵角比可変装置3又はアシストモータ4の出力を用いて各手段に対応する演算をCPUに実行させ、その演算結果をアシストモータ4に出力する。
トルクセンサ2は、ステアリングハンドルに入力される操舵トルクを電気信号に変換する装置であって、例えば、ステアリングコラム部に内蔵され、ステアリングハンドル側の入力軸に配置された多極マグネットと、ステアリングギア側の出力軸に配置される集磁リング及びホールICを備えたヨークとを用いてその操舵トルクを検出する。なお、その入力軸とその出力軸とはトーションバーによって連結される。
ステアリングハンドルに操舵トルクが入力されトーションバーが捩れると、トルクセンサ2は、その多極マグネットとそのヨークとの間の相対変位による磁束密度の変化をホールICで検出し、検出した値を操舵トルクとして制御装置1に出力する。
舵角比可変装置3は、舵角比を変化させる装置であり、例えば、車速センサ、操舵角センサ等が検出した車速、操舵速度又は操舵角等に応じて舵角比を変化させる。舵角比可変装置3は、偏心ピン機構により操舵角に応じて機械的にステアリングギアレシオが変化する装置であってもよく、電動アクチュエータにより車速や操舵速度に応じて操舵角に対するピニオン回転角を変化させる装置であってもよい。
舵角比可変装置3は、車速、操舵速度又は操舵角等に応じて変化させた或いは変化する舵角比を制御装置1に出力して、制御装置1が舵角比に応じて各種余裕度を調整できるようにする。
アシストモータ4は、制御装置1からの制御信号に基づいて操舵アシストトルクを発生させるモータであり、例えば、ステアリングコラム部に配置される直流ブラシレスモータであって、操舵アシストトルクを発生させるために使用した電流値及び電圧値を制御装置1にフィードバックする。
次に、制御装置1が有する各種手段について説明する。
操舵アシスト力制御手段10は、操舵アシスト力を決定するための手段であり、例えば、トルクセンサ2が検出したステアリングハンドルにおける操舵トルクに応じてアシストモータ4で発生させる操舵アシスト力を決定する。この場合、操舵アシスト力制御手段10は、原則的に、ステアリングハンドルで入力された操舵トルクに比例させて操舵アシスト力を増大させるようにする。
操舵アシスト力制御手段10は、決定した操舵アシスト力に関する情報を含む制御信号をアシストモータ4に出力し、アシストモータ4は、その制御信号が示す操舵アシスト力を実現するために電流値又は電圧値を変化させる。
瞬間余裕度算出手段11は、モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度を算出するための手段であり、例えば、電流余裕度、又は、電力余裕度を算出する。
瞬間余裕度算出手段11は、例えば、アシストモータ4が出力する現時点の電流値iとROM等に記憶された最大電流値IMAX(アシストモータ4が利用可能な最大の電流値(定数)である。)とを取得して電流余裕度Mgiを算出する。なお、電流余裕度Mgiは、例えば、以下の式(1)で表される。
Mgi=(IMAX−i)/IMAX・・・(1)
式(1)が示すように、電流余裕度Mgiは、最大電流値IMAXと電流値iとの間の差が大きくなるほど大きくなるので、電流値iが小さくなる程大きくなり、電流値iが大きくなる程小さくなる。
また、瞬間余裕度算出手段11は、例えば、アシストモータ4が出力する現時点の電力値wとROM等に記憶された最大電力値WMAX(アシストモータ4が利用可能な最大の電力値(電流値又は電圧値の関数)である。)とを取得して電流余裕度Mgwを算出する。なお、電流余裕度Mgwは、例えば、以下の式(2)で表される。
Mgw=(WMAX−w)/WMAX・・・(2)
電力余裕度Mgwは、電流余裕度Mgiと同様、最大電力値WMAXと電力値wとの間の差が大きくなるほど大きくなるので、電力値wが小さくなる程大きくなり、電力値wが大きくなる程小さくなる。
ベクトル余裕度算出手段12は、モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度を算出するための手段であり、例えば、電流ベクトル余裕度、又は、電力ベクトル余裕度を算出する。
ベクトル余裕度算出手段12は、例えば、瞬間余裕度算出手段11が時刻t1(現在時刻)に算出した電流余裕度Mgi(t1)と時刻t0(前回電流余裕度Mgiを算出した時刻)における電流余裕度Mgi(t0)とに基づいて単位時間(例えば、5ミリ秒)当たりの電流余裕度Mgiの変化Mgi’を導出し、Mgi’が負の値の場合(電流余裕度が減少した場合)に電流ベクトル余裕度Vmgiを算出する。
また、ベクトル余裕度算出手段12は、Mgi’が0以上の場合(電流余裕度が変化しないか増加した場合)には電流ベクトル余裕度Vmgiを最大値(最も余裕がある状態を表す。)に設定する。
このように、電流ベクトル余裕度Vmgiを最大値に設定するのは、操舵アシスト力制御手段10が、後に、各種余裕度に基づいてアシストモータで発生させる操舵アシストトルクを決定する際に、電流ベクトル余裕度以外の余裕度をより重視するようにするためである。
なお、電流ベクトル余裕度Vmgiは、例えば、以下の式(3)で表される。
Vmgi=Mgi/|Mgi’|・・・(3)
式(3)が示すように、電流ベクトル余裕度Vmgiは、電流余裕度Mgiの減少幅が大きいほど小さくなり、また、現時点における電流余裕度Mgi(t1)が小さいほど小さくなるので、現時点における電流値i(t1)が大きい程小さくなり、また、電流値iの増分が大きい程小さくなり、一方、現時点における電流値i(t1)が小さい程大きくなり、また、電流値iの増分が小さい程大きくなる。
また、ベクトル余裕度算出手段12は、例えば、瞬間余裕度算出手段11が時刻t1(現在時刻)に算出した電力余裕度Mgw(t1)と時刻t0(前回電力余裕度Mgwを算出した時刻)における電力余裕度Mgw(t0)とに基づいて単位時間(例えば、5ミリ秒)当たりの電力余裕度Mgwの変化Mgw’を導出し、Mgw’が負の値の場合(電力余裕度が減少した場合)に電力ベクトル余裕度Vmgwを算出する。
また、ベクトル余裕度算出手段12は、電力余裕度Mgwの変化Mgw’が0以上の場合(電力余裕度が変化しないか増加した場合)には電力ベクトル余裕度Vmgwを最大値(最も余裕がある状態を表す。)に設定する。電力ベクトル余裕度以外の余裕度をより重視させるためである。
なお、電力ベクトル余裕度Vmgwは、例えば、以下の式(4)で表される。
Vmgw=Mgw/|Mgw’|・・・(4)
電力ベクトル余裕度Vmgwは、電流ベクトル余裕度Vmgiと同様、電力余裕度Mgwの減少幅が大きいほど小さくなり、また、現時点における電力余裕度Mgwが小さいほど小さくなるので、現時点における電力値w(t1)が大きい程小さくなり、また、電力値wの増分が大きい程小さくなり、一方、現時点における電力値w(t1)が小さい程大きくなり、また、電力値wの増分が小さい程大きくなる。
また、ベクトル余裕度算出手段12は、例えば、舵角比可変装置3の出力に基づいて、電流ベクトル余裕度Vmgi又は電力ベクトル余裕度Vmgwを調整するようにしてもよい。
図2は、舵角比可変装置3による舵角比の設定例を示す図であり、操舵角が中立位置(0°)から左右に大きくなるにつれて舵角比Nが最低舵角比Nminまで減少した後再び増大する設定を示す。
この場合、ベクトル余裕度算出手段12は、以下の式(5)、(6)を用いて、電流ベクトル余裕度Vmgi及び電力ベクトル余裕度Vmgwをそれぞれ調整する。
Vmgi=Mgi/|Mgi’|×{1−Kn×(N−Nmin)}・・・(5)
Vmgw=Mgw/|Mgw’|×{1−Kn×(N−Nmin)}・・・(6)
ここで、Knは、舵角比可変装置3のギア比に応じて決まるギア比係数であり、ROMに予め登録されていてもよく、舵角比可変装置3が出力する値であってもよい。
式(5)及び(6)が示すように、電流ベクトル余裕度Vmgi及び電力ベクトル余裕度Vmgwは、舵角比Nが大きい程(レスポンスが速い程)小さくなり、舵角比Nが小さい程(レスポンスが遅い程)大きくなるように調整され、結果として、舵角比Nが大きい程(レスポンスが速い程)、操舵アシストトルクは抑えられ易くなる。
図3は、アシストモータ4で利用される電気エネルギーに関する瞬間余裕度及びベクトル余裕度を説明するための図であり、縦軸を電圧、横軸を電流としたグラフであって、アシストモータ4で利用可能な最大電力値WMAXの変化を太線Lで示す。
また、座標点PA(t0)、PB(t0)、PC(t0)は、時刻t0(前回瞬間余裕度を算出した時刻)における電流値及び電圧値を示す3つの例であり、座標点PA(t1)、PB(t1)、PC(t1)は、時刻t1(現在時刻)における電流値及び電圧値を示す3つの例であり、PA(t0)及びPA(t1)、PB(t0)及びPB(t1)、並びに、PC(t0)及びPC(t1)がそれぞれ対応する組み合わせである。
図3において、現在時刻t1における最大の電流余裕度Mgi(t1)を有する座標点は、x座標値が最も小さいPB(t1)であり、PA(t1)、PC(t1)がそれに続く。
また、現在時刻t1における最大の電力余裕度Mgw(t1)を有する座標点は、x座標値とy座標値との積で表される電力値を最大電力値WMAXで除した値が最も小さいPB(t1)であり、PA(t1)、PC(t1)がそれに続く。なお、最大電力値WMAXは、例えば、各座標点のx座標値又はy座標値とそのx座標値又はy座標値を有する太線L上のy座標値又はx座標との積(例えば、PA(t1)の場合、一点鎖線で示す面積R1と二点鎖線で示す面積R2との二つの電力値がある。)のうちの小さい方の値(例えば、PA(t1)の場合、面積R2となる。)とされる。
また、現在時刻t1における最大の電流ベクトル余裕度Vmgi(t1)を有する座標点の組み合わせは、PC(t0)及びPC(t1)であり、PB(t0)及びPB(t1)、PA(t0)及びPA(t1)がそれに続く。PCは、電流値iが減少しているためその電流ベクトル余裕度Vmgi(t1)が強制的に最大に設定されるからであり、PBは、電流の増分が大きいものの現時点における電流値i(t1)がPAに比べて小さいからである。
また、現在時刻t1における最大の電力ベクトル余裕度Vmgw(t1)を有する座標点の組み合わせも同様に、PC(t0)及びPC(t1)であり、PB(t0)及びPB(t1)、PA(t0)及びPA(t1)がそれに続く。PCは、電力値wが減少しているためその電力ベクトル余裕度Vmgw(t1)が強制的に最大に設定されるからであり、PBは、電力の増分が大きいものの現時点における電力値w(t1)がPAに比べて小さいからである。
ここで、操舵アシスト力制御手段10は、瞬間余裕度算出手段11が算出した瞬間余裕度と、ベクトル余裕度算出手段12が算出したベクトル余裕度と、トルクセンサ2が検出したステアリングハンドルにおける操舵トルクとに基づいて操舵アシスト力を決定する。
例えば、操舵アシスト力制御手段10は、余裕度−抑制トルクマップに基づいて瞬間余裕度及びベクトル余裕度のそれぞれに対応する抑制トルクを導出し、その中から最も大きな抑制トルクを最終的な抑制トルクとして選出する。
「余裕度−抑制トルクマップ」は、ROM等に予め登録された制御用マップであり、各種余裕度に対応する抑制トルクの導出を可能にする。
また、「抑制トルク」(以下、「抑制トルクTr」とする。)は、操舵アシスト力制御手段10がステアリングハンドルに入力された操舵トルクに応じて算出した操舵アシストトルク(以下、「標準アシストトルクTm」とする。)を抑制するためのトルクであり、実際にアシストモータ4が出力する操舵アシストトルク(以下、「実効アシストトルクTf」とする。)を算出するために用いるトルクである。
なお、実効アシストトルクTfは、例えば、標準アシストトルクTmから抑制トルクTrを差し引くことで算出される。
図4は、余裕度−抑制トルクマップの構成例を示す図であり、例えば、図4(A)が電流余裕度Mgi−抑制トルクTr1のマップ、図4(B)が電力余裕度Mgw−抑制トルクTr2のマップ、図4(C)が電流ベクトル余裕度Vmgi−抑制トルクTr3のマップ、図4(D)が電力ベクトル余裕度Vmgw−抑制トルクTr4のマップをそれぞれ示す。なお、各マップは何れも、各余裕度が大きくなるにつれてそれらに対応する抑制トルクが減少する関係を表す曲線で示されるが、その曲線は、直線(反比例の関係)やステップ状等であってもよい。
操舵アシスト力制御手段10は、瞬間余裕度算出手段11が算出した電流余裕度と図4(A)に示すマップとを用いて抑制トルクTr1を決定し、同様に、電力余裕度と図4(B)のマップとを用いて抑制トルクTr2を決定し、電流ベクトル余裕度と図4(C)のマップとを用いて抑制トルクTr3を決定し、電流余裕度と図4(D)のマップとを用いて抑制トルクTr4を決定する。
その後、操舵アシスト力制御手段10は、算出した四つの抑制トルクTr1〜Tr4の中で最も大きなものを抑制トルクTrとして選出し、標準アシストトルクTmからその抑制トルクTrを差し引くことで実効アシストトルクTfを導出する。
次に、図5を参照しながら、操舵アシスト力制御装置100がアシストモータ4で発生させる操舵アシストトルクを算出する処理(以下、「操舵アシストトルク算出処理」とする。)について説明する。なお、図5は、操舵アシストトルク算出処理の流れを示すフローチャートであり、操舵アシスト力制御装置100は、周期的に(例えば、5ミリ秒毎)、この操舵アシストトルク算出処理を実行するものとする。
最初に、制御装置1は、アシストモータ4がフィードバックする現在時刻t1における電流値i(t1)及び電圧値v(t1)を取得してRAMに記憶する(ステップS1)。
その後、制御装置1は、瞬間余裕度算出手段11により、電流余裕度Mgi(t1)及び電力余裕度Mgw(t1)を算出する(ステップS2)。
その後、制御装置1は、前回取得した時刻t0における電流値i(t0)をRAMから読み出し、電流が増加したか否かを判断する(ステップS3)。
電流が増加したと判断した場合(ステップS3のYES)、制御装置1は、ベクトル余裕度算出手段12により、電流ベクトル余裕度Vmgi(t1)を算出する(ステップS4)。
なお、電流が増加していないと判断した場合には(ステップS3のNO)、制御装置1は、ベクトル余裕度算出手段12により、電流ベクトル余裕度Vmgi(t1)を最大値に設定する(ステップS5)。アシストモータ4で利用される電流は減少傾向にあり、操舵アシストトルクを決定する場合には電流ベクトル余裕度以外の余裕度をより重視させたほうがよいと考えられるからである。
更に、その後、制御装置1は、前回取得した時刻t0における電圧値v(t0)をRAMから読み出し、電圧が増加したか否かを判断する(ステップS6)。
電圧が増加したと判断した場合(ステップS6のYES)、制御装置1は、ベクトル余裕度算出手段12により、電力ベクトル余裕度Vmgw(t1)を算出する(ステップS7)。
なお、電圧が増加していないと判断した場合には(ステップS6のNO)、制御装置1は、ベクトル余裕度算出手段12により、電力ベクトル余裕度Vmgw(t1)を最大値に設定する(ステップS8)。アシストモータ4で利用される電圧は減少傾向にあり、操舵アシストトルクを決定する場合には電力ベクトル余裕度以外の余裕度をより重視させたほうがよいと考えられるからである。
電流余裕度Mgi、電力余裕度Mgw、電流ベクトル余裕度Vmgi及び電力ベクトル余裕度Vmgwを取得した制御装置1は、ROMに記憶された余裕度−抑制トルクマップ(図4参照。)を参照しながら各余裕度に対応する抑制トルクをそれぞれ導出し、それらの中で最大の値を最終的な抑制トルクTrとして選出する(ステップS9)。
なお、電流ベクトル余裕度Vmgi又は電力ベクトル余裕度Vmgwが最大値に設定されている場合には、それらに対応する抑制トルクが最終的な抑制トルクTrとして選出されることはない。
最後に、制御装置1は、操舵アシスト力制御手段10により、トルクセンサ2の出力に基づいて算出される標準アシストトルクTmから最終的に選出された抑制トルクTrを差し引くことで実効アシストトルクTfを算出し(ステップS10)、その実効アシストトルクTfに関する制御信号をアシストモータ4に出力する。
その結果、アシストモータ4は、電流値又は電圧値を変化させて実効アシストトルクTfを発生させる。
以上の構成により、操舵アシスト力制御装置100は、アシストモータ4からのフィードバックを受けて現時点における電流又は電力の瞬間的な余裕度又はベクトル的な余裕度を連続的に導出し、それら余裕度に応じて実際に出力する操舵アシストトルクを連続的に変化させるので、電流又は電力に余裕がない場合には操舵アシストトルクを徐々に抑えるようにしながら、ステアリングハンドルを徐々に重くすることができる。
このように、操舵アシスト力制御装置100は、電流又は電力に余裕がない場合には、ステアリングハンドルを徐々に重くしていくので、突然のアシスト切れにより操舵中にステアリングハンドルが急激に重くなるような状況が発生するのを回避することができる。
また、操舵アシスト力制御装置100は、舵角比の変化に応じて操舵アシストトルクの抑制分を調整するので、車速、操舵角又は操舵速度等に応じて舵角比を変化させる機構を備えたステアリングシステムにおいても、操舵アシスト力を過度に制限することなくアシスト切れを防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、操舵アシスト力制御手段10は、余裕度−抑制トルクマップを用いて各種余裕度に対応する抑制トルクを取得するが、所定の計算式を用いて各種余裕度に対応する抑制トルクを導出するようにしてもよい。
また、上述の実施例において、操舵アシスト力制御装置100は、アシストモータ4から電流値、電圧値、電力値のフィードバックを受けながら各種余裕度を算出して抑制トルクTrを導出した上で実効アシストトルクTfを決定するが、アシストモータ4の温度を監視しながら温度余裕度、温度ベクトル余裕度を算出して抑制トルクTrを導出した上で実効アシストトルクTfを決定するようにしてもよい。
本発明に係る操舵アシスト力制御装置の構成例を示す図である。 舵角比可変装置による舵角比の設定例を示す図である。 アシストモータで利用される電流及び電力に関する瞬間余裕度及びベクトル余裕度を説明するための図である。 余裕度−抑制トルクマップの構成例を示す図である。 操舵アシストトルク算出処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御装置
2 トルクセンサ
3 舵角比可変装置
4 アシストモータ
10 操舵アシスト力制御手段
11 瞬間余裕度算出手段
12 ベクトル余裕度算出手段
100 操舵アシスト力制御装置

Claims (3)

  1. モータが発生させる操舵アシスト力を制御する操舵アシスト力制御装置であって、
    記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度を算出する瞬間余裕度算出手段と、
    前記モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度を算出するベクトル余裕度算出手段と、
    記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度とベクトル的な余裕度とに基づいてモータが発生させる操舵アシスト力を制御する操舵アシスト力制御手段と、
    を備えることを特徴とする操舵アシスト力制御装置。
  2. 前記ベクトル余裕度算出手段は、前記モータに供給された電気エネルギーと舵角比可変部が車速、操舵速度又は操舵角に応じて変化させた舵角比とに基づいて前記モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度を算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載の操舵アシスト力制御装置。
  3. 前記モータが利用可能な電気エネルギーの瞬間的な余裕度は、電流余裕度及び電力余裕度を含み、
    前記モータが利用可能な電気エネルギーのベクトル的な余裕度は、電流ベクトル余裕度及び電力ベクトル余裕度を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵アシスト力制御装置。
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