JP4848839B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を可変とする伝達比可変機構を制御する操舵制御装置に関する。
従来、電動モータを駆動してドライバの操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、電動モータに電流を供給する電気回路中に電流制限用抵抗体を設置することで、電動モータへの許容可能な最大電流値を制限し過電流の防止を図っている。
特開平8−85468号公報
しかしながら、従来技術では、例えば操舵操作の切り始めにおいて短期的に大きな電力が必要となることがあり、電動モータに電流を供給するための発電機における電力負荷を低減することが求められている。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、操舵装置への電力供給を行う車載発電機における電力負荷の低減を図った操舵制御装置を提供することを目的とする。
本発明による操舵制御装置は、車両運転状態に応じて操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を可変とする伝達比可変機構と、伝達比可変機構の出力側で操舵アシスト力を付与するモータを有する電動パワーステアリング装置とを備える操舵装置において、伝達比を可変制御する操舵制御装置にであって、モータに電力を供給する車載発電機による発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定する発電状態判定手段を備え、発電状態判定手段によって、発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、伝達比を、車両運転状態に応じて決定された第1の伝達比から、第1の伝達比よりも大きな第2の伝達比に変更することを特徴としている。
このような操舵制御装置によれば、車載発電機による発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定する発電状態判定手段を備え、この発電状態判定手段によって発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を、車両運転状態に応じて算出された第1の伝達比よりも大きな第2の伝達比に変更することができる。これにより、伝達比を大きくして伝達比可変機構の出力側での回転力を増大させることで、伝達比可変機構の出力側での操舵アシスト力を小さくすることができる。このため、操舵アシスト力を小さくして電動パワーステアリング装置のモータの消費電力を軽減することが可能となり、車載発電機の電力負荷を低減させることができる。なお、ここでいう車両運転状態に応じて算出された第1の伝達比とは、例えば車両の速度、操舵ハンドルの操舵角、操舵角の角速度の一つに基づいて演算された伝達比をいうものとする。また、「所定の閾値」としては、車載発電機が過負荷状態であるか否かの判定を行うことが可能な値を設定することが好ましい。
また、伝達比を、第2の伝達比に変更した後に、第1の伝達比に近づくように小さくすることが好ましい。伝達比を大きくした後に、操舵アシスト力が不足しているとドライバが感じることがないように、伝達比を小さくして伝達比可変機構の出力を減少させて、操舵アシスト力を増加させることが好ましい。これにより、ドライバは、違和感なく操舵ハンドルを操作することができる。
また、伝達比を、第2の伝達比に変更した後に、第1の伝達比よりも小さな第3の伝達比に変更することが好ましい。車載発電機における電力負荷を時間的に平滑化するために、伝達比を大きくした後に、伝達比を第1の伝達比よりも小さくすることが好ましい。これにより、操舵アシストとして必要となる電力負荷及びドライバが入力する操舵力を時間的に平滑化してドライバによる違和感を一層低減させることが可能となる。
また、発電状態判定手段は、車載発電機のデューティ比に基づいて、発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定することが好ましい。これにより、車載発電機における電力負荷の大小を容易に判定することができる。
本発明の操舵制御装置によれば、車載発電機における電力負荷の低減が図られた操舵制御装置を提供することができる。
以下、本発明による操舵制御装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係る車両操舵装置を示す概略構成図である。本実施形態では、操舵制御装置として操舵電子制御ユニット(以下、操舵ECUという。)を備えた車両操舵装置について、操舵ECUおける制御処理が異なる3つの実施形態について説明する。
図1に示す車両操舵装置1は、操舵ハンドル(以下、ハンドルという。)2の操舵力を転舵輪3に伝達させる操舵伝達系に伝達比可変機構4を備え、この伝達比可変機構4は、サーボモータ(電動アクチュエータ)41を内蔵し、このサーボモータ41の回転駆動によりハンドル2の操舵角と転舵輪3との間のギア比(伝達比)を可変とするものである。本実施形態の操舵ECU20は、車両運転状態に応じて可変ギア比を演算し、駆動制御信号を送信してサーボモータ41を回転駆動させてギア比を変更させるものである。
伝達比可変機構4の入力軸5は、ハンドル2と連結され、このハンドル2と共に回転する。ハンドル2の操舵角が入力軸5の回転角に対応するため、入力軸2には、ハンドル2の操舵角として入力軸2の回転角を検知する操舵角センサ10が設置されている。
伝達比可変機構4の出力軸6は、ラックアンドピニオン式ステアリングギアボックス7と連結されている。このステアリングギアボックス7は、タイロッド8を介して転舵輪3に接続されている。出力軸6の回転運動は、ステアリングギアボックス7によって直線運動に変換されタイロッド8が移動して、転舵輪3が転舵される。
伝達比可変機構4は、上記サーボモータ41の他に、このサーボモータ41の回転速度を減速して出力する減速機42と、モータ41の回転位置を検出する回転センサ43とを備えている。この回転センサ43によって検出されたサーボモータ41の回転位置は、操舵ECU20に出力される。減速機42は、例えば波動歯車機構等によって構成される。そして、サーボモータ41の出力は、減速機42によって減速され出力軸6に伝達される。
また、伝達比可変機構4とステアリングギアボックス7との間には、伝達比可変機構4の出力側での回転力に操舵アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置9が設置されている。この電動パワーステアリング装置9は、操舵トルクを検出するトルクセンサ91と、操舵アシスト力を付与するためのモータ92とを備えている。モータ92は、操舵ECU20からの駆動信号を受けて駆動され、ステアリングギアボックス7に入力される回転力をアシストする。
操舵ECU20は、上記操舵角センサ10、サーボモータ41、回転センサ43、トルクセンサ91、モータ92と電気的に接続され、車両操舵装置1の装置全体を制御するものであり、CPU、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路を備えている。
更に、操舵ECU20には、車速センサ21とオルタネータ(車載発電機)22とが電気的に接続され、このオルタネータ22には、エンジン電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)23が電気的に接続されている。
エンジンECU23は、車速センサ21、Gセンサ24を始めとした各種センサと電気的に接続され、エンジン回転数、車速、加速度等の車両運転状態を検出する。そして、エンジンECU23は、車両の運転状態に基づいてオルタネータ22における目標電圧を算出し、オルタネータ22に対して目標電圧が生ずるように指令信号を送信する。
オルタネータ22は、エンジン(不図示)に取付けられエンジンによる回転に伴って発電する交流発電機であり、三相コイルとしてステータに巻かれたステータコイルと、ロータに巻回されたフィールドコイルとを備え、ステータコイルから出力される三相交流を整流して出力する。オルタネータ22は、三相交流電流を発生させるオン動作、電流の発生を停止させるオフ動作を繰り返すことで目標電圧に維持される。
操舵ECU20は、オルタネータ22におけるオン動作、オフ動作の一定時間当たりの比率であるデューティ比Rを検出する。このデューティ比Rがオルタネータ22の発電量に相当する。
ここで、本実施形態の操舵ECU20は、車両運転状態に基づいて可変ギア比を演算すると共に、オルタネータ22における発電量(デューティ比R)が所定の閾値より大きいか否かを判定する発電状態判定手段として機能し、発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、可変ギア比Sを車両運転状態に基づいて算出された基本可変ギア比(第1の伝達比)Xよりも大きな制御可変ギア比(第2の伝達比)nX(n>1)とする制御を行い、オルタネータ22における電力負荷を減少させることができる。なお、「所定の閾値」としては、オルタネータ22が過負荷状態となる発電量(デューティ比R)を選定することができる。
次に、第1実施形態に係る操舵ECU20で制御される車両操舵装置1の動作について説明する。図2は、第1実施形態に係る操舵ECUで実行される可変ギア比制御処理のフローチャートである。
図2に示すように、先ず、ステップS1では、車両運転状態に基づいて基本可変ギア比Xを演算する。操舵ECU20のROMには、運転状態を示す車速、操舵角及び操舵角速度と基本可変ギア比Xとの関係を定めたマップが予め記憶されている。操舵ECU20は、ROMに記憶されたマップを参照し、基本可変ギア比Xを求める。なお、操舵角速度は、操舵角に基づいて演算される。続く、ステップS2では、オルタネータ22からの信号に基づいて、デューティ比Rを算出し、ステップS3に進む。
ステップ3では、オルタネータ22における発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定する。ここでは、ステップS2において得られたデューティ比Rと、オルタネータ22における電力負荷が過負荷であると判定される発電量に相当するデューティ比Kとを比較して、デューティ比Rがデューティ比Kより大きい場合に、オルタネータ22の発電量が所定の閾値より大きいと判定する。閾値より大きいと判定されなかった場合には、ステップS4に進み、閾値より大きいと判定された場合には、ステップS5に進む。
ステップS4では、ステップS1で算出された基本可変ギア比Xを、サーボモータ41に送信する制御信号に設定し、ステップS5では、ステップS1で算出された基本可変ギア比Xをn倍(n>1)した制御可変ギア比nX(例えばn=1.5)を、サーボモータ41に送信する制御信号に設定する。このように、可変ギア比Sを大きくして伝達比可変機構4の出力側での回転力を増大させることで、伝達比可変機構4の出力側で付加する操舵アシスト力を小さくすることができ、モータ92における消費電力が軽減される。これにより、オルタネータ22における過負荷状態を緩和させることができる。
続く、ステップ6では、制御信号を送信してサーボモータ41を駆動し、可変ギア比Sになるように伝達比可変機構4におけるギア比を変更させる。以降、操舵ECU20は、ステップS1〜S6を繰返し実行する。
このように第1実施形態の車両操舵装置1では、操舵ECU20によってオルタネータ22による発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定し、発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、ハンドル2の操舵角と転舵輪3の転舵角との間の可変ギア比Sを、車両運転状態に応じて算出された基本可変ギア比Xよりも大きな制御可変ギア比nXに設定している。このため、可変ギア比Sを大きくして伝達比可変機構4の出力側での回転力を増大させて、電動パワーステアリング装置9による操舵アシスト力を小さくすることができる。その結果、電動パワーステアリング装置9のモータ92による消費電力を軽減し、オルタネータ22の電力負荷を低減させることができる。例えば、ハンドル2の切り始め時など短期的に電動パワーステアリング装置9で消費される電流が大きくなる場合に、電力負荷を低減することができるため、電力不足による他のシステム等への悪影響を防止することができ、信頼性の向上が図られている。
また、操舵ECU20は、オルタネータ22のデューティ比に基づいて、発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定しているため、オルタネータ22における電力負荷の大小を容易に判定することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る操舵ECU25で制御される車両操舵装置について、図3を参照しながら説明する。この第2実施形態の車両操舵装置が第1実施形態の車両操舵装置と違う点は、操舵ECU20に代えて、操舵ECU20とは異なる制御処理を行う操舵ECU25を備える点である。操舵ECU25は、オルタネータ22による発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、可変ギア比Sを、車両運転状態に応じて決定された基本可変ギア比Xから、可変ギア比nXとして大きくした後に、再び、可変ギア比Xに近づくように小さくする。操舵ECU25では、オルタネータ22が過負荷状態となる発電量(デューティ比R)の90%を「所定の閾値」としている。
以下、操舵ECU25における制御処理について説明する。図3は、第2実施形態に係る操舵ECUで実行される制御処理を示すフローチャートである。ステップS1及びステップS2では、第1実施形態と同様に、運転状態に基づいて基本可変ギア比Xを演算し、デューティ比Rを算出し、ステップS13に進む。
ステップ13では、オルタネータ22における発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定する。ここでは、ステップ2において得られたデューティ比Rが、オルタネータ22の電力負荷が過負荷状態となる発電量に相当するデューティ比Kの90%よりも大きい場合に、オルタネータ22の発電量が所定の閾値より大きいと判定する。過負荷状態に対して、10%余裕を持たせている。閾値より大きいと判定されなかった場合には、ステップS4に進み、閾値より大きいと判定された場合には、ステップS15に進む。
ステップS4では、ステップS1で算出された可変ギア比Xを、サーボモータ41に送信する制御信号に設定する。
ステップS15では、ステップS1で算出された基本可変ギア比Xをn倍(n>1)した制御可変ギア比nXを、サーボモータ41に送信する制御信号に設定する。操舵ECU25のROMには、デューティ比Rと係数nとの関係を定めたマップ(図4参照)が予め記憶されている。操舵ECU25は、ROMに記憶されたマップを参照して係数nを算出し、制御可変ギア比nXを決定する。例えば、係数nは、デューティ比R=0.9Kの場合にn=1となり、デューティ比R>0.9Kの場合にnはデューティ比Rに比例して増加し、デューティ比R≧Kの場合にn=1.5となるように決定される。
続く、ステップ6では、制御信号を送信してサーボモータ41を駆動し、可変ギア比Sになるように伝達比可変機構4におけるギア比を変更させる。以降、操舵ECU25は、ステップS1,S2,S4,S6,S13及びS15を繰返し実行する。
例えば、オルタネータ22おけるデューティ比Rが0.9Kより大きくなった場合には、ステップS15で可変ギア比Sを制御可変ギア比nX(例えばn=1.5)に設定して基本可変ギア比Xより大きくして、第1実施形態で説明したようにオルタネータ22における発電量を下げることができる。これによって、オルタネータ22おける発電量が低下しデューティ比Rが0.9Kに近づいていく。このとき、ステップS15では可変ギア比Sとして、徐々に小さなnX(n<n)を順次設定する。すなわち、係数n(n、n)は、図4に示すように、デューティ比Rに比例して定まるため、可変ギア比Sを制御可変ギア比nXに変更した後に、制御可変ギア比nXに変更することが可能となり、基本可変ギア比Xに近づくように小さくすることができる。
このように構成しても第1実施形態の操舵ECU20と同様の効果を得ることができ、加えて、可変ギア比Sを大きくした後に、操舵アシスト力が不足しているとドライバが感じることがないように、可変ギア比Sを小さくして伝達比可変機構4の出力側の回転力(すなわち、ドライバによって入力される操舵力)を減少させて、操舵アシスト力を増加させることが可能となる。その結果、ドライバは、違和感なくハンドル2を操作することができる。
また、オルタネータ22の過負荷状態に対して10%の余裕を持たせて閾値を設定しているため、オルタネータ22の電力負荷を一層低減させることができると共に、信頼性の向上が一層図られている。
次に、本発明の第3実施形態に係る操舵ECU26で制御される車両操舵装置について、図5を参照しながら説明する。この第3実施形態の車両操舵装置が第1実施形態の車両操舵装置と違う点は、操舵ECU20に代えて、操舵ECU20とは異なる制御処理を行う操舵ECU26を備える点である。操舵ECU26は、オルタネータ22による発電量が所定の閾値より大きく且つハンドル2が所定の判定基準より速く回された場合に、可変ギア比Sを、車両運転状態に応じて決定された基本可変ギア比(第1の伝達比)Xから、制御可変ギア比(第2の伝達比)nX(n>1)として大きくした後に、基本可変ギア比Xより小さい制御可変ギア比(第3の伝達比)nX(0<n<1)として、可変ギア比Sを小さくする。
以下、操舵ECU26における制御処理について説明する。図5は、第3実施形態に係る操舵ECUで実行される制御処理を示すフローチャートである。ステップS1〜S4、及びステップS6では、第1実施形態と同じ処理を行う。ステップ3において、閾値より大きいと判定されなかった場合には、ステップS4に進み、閾値より大きいと判定された場合には、ステップS21に進む。
ステップ21では、操舵ECU26は、ハンドル2の操舵角の角速度の微分値を算出し、この角速度の微分値の絶対値Wが判定値Qより大きいか否かを判定する。絶対値Wが判定値Qより大きいと判定されなかった場合にはステップS4に進み、絶対値Wが判定値Qより大きいと判定された場合にはステップ22に進む。例えば、ドライバが比較的速めの操舵操作を行った場合には、操作アシスト力が増大しモータ92による消費電力が増加するため、「判定値Q」としては、通常のコーナリング操作で行われる操舵操作よりも速めの操舵速度を検出可能な値とすることが好ましい。
ステップS22では、サーボモータ41に送信される制御信号に可変ギア比Sとして、ステップS1で算出された基本可変ギア比Xをn倍(n>1)した制御可変ギア比nX(例えばn=1.5)を設定し、続くステップS23では、制御信号を送信してサーボモータ41を駆動し、可変ギア比Sになるように伝達比可変機構4におけるギア比を変更させる。このように、第1実施形態と同様に可変ギア比Sを基本可変ギア比Xより大きくして操舵アシスト力を小さくし、モータ92における消費電力を軽減することができる。これにより、オルタネータ22における過負荷状態を緩和させることができる。
続く、ステップS24では、一定時間(例えば2秒)をカウントして、ステップS25に進み、サーボモータ41に送信される制御信号に可変ギア比Sとして、ステップS1で算出された基本可変ギア比Xより小さな制御可変ギア比nX(0<n<1)を設定し、ステップS6に進み、伝達比可変機構4におけるギア比を変更させる。このように、可変ギア比Sを基本可変ギア比Xより小さくすることにより、伝達比可変機構4の出力側での回転力を(すなわち、ドライバによって入力される操舵力)を小さくし、操舵アシスト力を通常より大きくする。以降、操舵ECU26は、ステップS1〜S4,S6,S21〜S25を繰返し実行する。
このように第3実施形態の操舵ECU26では、オルタネータ22による発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定し、発電量が所定の閾値より大きいと判定され、且つハンドル2の操舵角の角速度の微分値の絶対値Wが判定値Qより大きいと判定された場合に、可変ギア比Sを、車両運転状態に応じて算出された基本可変ギア比Xよりも大きな制御可変ギア比nX(n=1.5)に設定している。このため、第1実施形態と同様にオルタネータ22の電力負荷を低減させることができる。
また、操舵ECU26は、オルタネータ22における電力負荷を時間的に平滑化するために、可変ギア比を、制御可変ギア比nX(n=1.5)に変更した後に、基本可変ギア比Xよりも小さな制御可変ギア比nX(0<n<1)に変更している。これにより、電力負荷及びドライバによる操舵力を時間的に平滑化してドライバによる違和感を一層低減させることが可能となる。
また、操舵ECU26では、操舵角速度が大きい場合だけ可変ギア比Sを変更するため、電動パワーステアリング装置9での消費電力が短期的に大きくなるときにのみ、電力負荷の低減を行うことができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態において、オルタネータ22のデューティ比を検出し、このデューティ比に基づいてオルタネータ22の発電量が所定の閾値よりも大きいか否かを判定しているが、その他の情報に基づいて判定しても良く、例えば、エンジンの回転数、オルタネータの温度等を検知して発電量が所定の閾値より大きいか否かの判定を行っても良く、オルタネータ22の電圧、電流を測定して判定を行ってもよい。
また、上記実施形態にあっては、操舵ECU20とエンジンECU23とを別々に備える構成としているが、操舵ECU20,25,26における制御処理の一部又は全部をエンジンECUで実行させても良い。
本発明の実施形態に係る車両操舵装置を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る操舵ECUで実行される制御処理の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る操舵ECUで実行される制御処理の動作手順を示すフローチャートである。 オルタネータのデューティ比Rと係数nとの関係を規定したマップを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る操舵ECUで実行される制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…車両操舵装置、2…操舵ハンドル、3…転舵輪、4…伝達比可変機構、9…電動パワーステアリング装置、20,25,26…操舵ECU(操舵制御装置)、22…オルタネータ(車載発電機)、92…モータ。

Claims (4)

  1. 車両運転状態に応じて操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を可変とする伝達比可変機構と、前記伝達比可変機構の出力側で操舵アシスト力を付与するモータを有する電動パワーステアリング装置とを備える操舵装置において、前記伝達比を可変制御する操舵制御装置であって、
    前記モータに電力を供給する車載発電機による発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定する発電状態判定手段を備え、
    前記発電状態判定手段によって、前記発電量が所定の閾値より大きいと判定された場合に、前記伝達比を、前記車両運転状態に応じて決定された第1の伝達比から、前記第1の伝達比よりも大きな第2の伝達比に変更することを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記伝達比を、前記第2の伝達比に変更した後に、前記第1の伝達比に近づくように小さくすることを特徴とする請求項1記載の操舵制御装置。
  3. 前記伝達比を、前記第2の伝達比に変更した後に、前記第1の伝達比よりも小さな第3の伝達比に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の操舵制御装置。
  4. 前記発電状態判定手段は、前記車載発電機のデューティ比に基づいて、前記発電量が所定の閾値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の操舵制御装置。
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