JP5034615B2 - 液晶表示装置用フレキシブル基板 - Google Patents

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本発明は、主にフレキシブルな液晶表示装置を作製可能なカラーフィルターや、TFTアレイに用いられる液晶表示装置用フレキシブル基板に関するものである。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの急速な普及に伴って、これらのディスプレイを構成するディスプレイ用部材の需要が拡大している。
現在のフラットパネルディスプレイは、その用途をテレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ページャー、携帯用ゲーム機等の携帯型電子機器等にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、および、薄型化が求められている。
その一方で、近年中に実施化が計画されている地上デジタル放送の本格普及や、今後のユビキタスネットワークのさらなる進化に対応して、モバイルディスプレイの普及拡大が確実に予測されることから、これに備えて現在のフラットパネルディスプレイよりもさらに薄型・軽量であるフレキシブルディスプレイの実用化が求められている。
ここで、フレキシブルディスプレイは、従来のフラットパネルディスプレイよりもさらに薄型化・軽量化されるという利点を有するのみならず、自在に変形させることも可能になることから、例えば、ローラブル(巻き取り可能な)モバイルディスプレイを実現することもでき、よりモバイルに適したディスプレイを得ることができるという利点もある。また、フレキシブルディスプレイは、長尺のフィルムを用いて連続プロセスによって製造することも可能になることから、大量生産性に優れるという利点も期待されている。
ところで、現在最も広く普及しているフラットパネルディスプレイは液晶表示装置であるが、当該液晶表示装置は、通常、基材上に複数の開口部を備えるように高精細に形成されたブラックマトリクスと、その開口部内に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルター、および、基材上に無数のTFT電極が規則的に配置されたTFTアレイが液晶層を介して対向するように配置された構成を有している。このような液晶表示装置をフレキシブルなものにするには、上記カラーフィルターおよびTFTアレイに用いられる基材を、光学的等方性を備えるフレキシブル基板に替えることが必要になる。
液晶表示装置に使用可能な程度の光学的等方性を備えるフレキシブル基板としては、従来、シクロオレフィン系樹脂やセルロース誘導体からなる基板が知られている。なかでもシクロオレフィン系樹脂からなる基板は、光学的等方性に優れること、および、吸水性が著しく低いことから、液晶表示装置に用いられる偏光板や、位相差フィルムに好適に用いられている。このため、表示品質に優れたフレキシブルな液晶表示装置を得るには、このようなシクロオレフィン系樹脂からなる基材を、上記カラーフィルターやTFTアレイに用いることが望ましいものである。
しかしながら、このようなシクロオレフィン系樹脂からなる基材を、上記カラーフィルターやTFTアレイを構成する基材として用いると、基材上に所望の精度でブラックマトリクスやTFT電極を形成することが困難であるという問題点があった。すなわち、上記カラーフィルターやTFTアレイは、基板上に上記ブラックトリクスあるいは上記TFT電極が形成されるプロセスにおいてフォトリソグラフィー法等の微細加工手段が用いられるが、そのプロセスにおいて基材に加わる熱や水分等の影響によって基材の寸法が変化してしまい、ブラックマトリクスやTFT電極が形成される精度が損なわれるという問題があった。この点、特許文献1には、シクロオレフィン系樹脂からなる基材の両面にガスバリア層等を形成したディスプレイ用基板が開示されているが、このようなディスプレイ用基板であっても液晶表示装置用の基板に用いる場合には、なお寸度安定性が不十分であるという問題点があった。
特開2006−44231号公報
本発明者らは、このような問題点に鑑みて鋭意検討した結果、液晶表示装置に用いられるフレキシブル基板に寸度変化を及ぼす外的要因としては、従来、プロセス上において基板に加わる熱や、水分が支配的であると考えられており、これまではこれらの要因に対する改善に主眼が置かれてきたが、液晶表示装置に用いられるフレキシブル基板には、その寸度変化を引き起こす特有の原因があることを見出した。
すなわち、液晶表示装置に用いられるフレキシブル基板は、当該基板上にブラックマトリクスおよび着色層、あるいは、TFT電極等を形成するために用いられるものであるが、これらを形成する際には、通常、フォトリソグラフィー法やインクジェット法が用いられるのが一般的である。ここで、フォトリソグラフィー法やインクジェット法では、フォトレジストや特定のインクを基板上に塗布するために溶剤を用いることが必須とされるが、本発明者らの検討により、当該溶剤の影響によってフレキシブル基板に寸度変化が生じることが明らかになったのである。
このような現象は、従来ガラス基板が用いられてきた液晶表示装置においては全く問題になるものではなく、フレキシブル基板を用いる液晶表示装置に特有の問題である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、フレキシブルな液晶表示装置に用いられ、フォトリソグラフィー法やインクジェット法を用いてフレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイ等を高精度で作製すること可能な液晶表示装置用フレキシブル基板を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は温度160℃における耐熱寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、かつ、耐溶剤寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とする、液晶表示装置用フレキシブル基板を提供する。
本発明によれば、160℃における耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率がそれぞれ上記範囲内であることにより、例えば、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターあるいはTFTアレイを作製する際に、インクジェット法やフォトリソグラフィー法が用いられた場合であっても、寸度変化が生じることを防止できる。このため、本発明によれば、フレキシブルな液晶表示装置に用いられ、フォトリソグラフィー法やインクジェット法を用いてフレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイ等を高精度で作製することが可能な液晶表示装置用フレキシブル基板を得ることができる。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、飽和吸水率(23℃)が0質量%〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、例えば、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターやTFTアレイを作製する過程において、基板に水分が曝露されたとしても、これによって寸度変化が生じることを防止することができるからである。
また、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、面内レターデーション(Re)が0nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。これにより本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて液晶表示装置を作製する際に、液晶表示装置の視野角特性等の表示品質を設計することが容易になるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、ガラス転移温度が160℃以上であるシクロオレフィン系樹脂からなる耐熱基材と、上記耐熱基材の両面上に形成され、無機化合物からなる無機化合物膜が用いられた耐溶剤層とを有するものであることが好ましい。本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板がこのような構成を有するものであることにより、確実に上述した160℃における耐熱寸度変化率および上記耐溶剤寸度変化率を本発明で規定する範囲内にすることができるからである。
また、上記耐溶剤層に無機化合物膜が用いられていることにより、上記耐溶剤層を剛性の高いものとすることができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を寸度安定性に優れたものにできるからである。
また、上記耐熱基材としてシクロオレフィン系樹脂からなるものが用いられていることから、液晶表示装置用フレキシブル基板全体として光学的等方性に優れたものにできるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の面内レターデーション(Re)を上述した範囲にすることも容易になるからである。
さらに、耐溶剤層が上記基材の両面に形成されていることから、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板に反りやカールが生じることを防止することができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて、連続プロセスにより高生産性でフレキシブルな液晶表示装置を作成することができるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が上述したような構成を有する場合においては、上記耐溶剤層が、有機化合物からなる有機化合物膜と、上記有機化合物膜の両面上に形成された上記無機化合物膜とを有する有機‐無機複合膜であることが好ましい。耐溶剤層がこのような構成を有するものであることにより、上記耐溶剤層の剛性をより高いものにできるのみではなく、上記耐溶剤層にガスバリア性を付与することが可能になるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の寸度安定性をさらに高いものにできるからである。
また本発明は、上記本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられたことを特徴とするカラーフィルターを提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、寸度安定性に優れたカラーフィルターを得ることができる。また、本発明のカラーフィルターは、例えば、カラーフィルターを製造する過程において、フォトリソグラフィー法やインクジェット法によって着色層やブラックマトリクスが作製された場合であっても、これらの方法に用いられる溶剤や熱の影響によって、基板に寸度変化が生じることを防止できる。このため、カラーフィルターを製造する過程においても基材に寸度変化が生じることを防止できるため、より高精度に着色層やブラックマトリクスが形成されたカラーフィルターを得ることができる。
本発明は、フォトリソグラフィー法やインクジェット法を用いてフレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイ等を高精度で作製すること可能な液晶表示装置用フレキシブル基板を提供できるという効果を奏する。
本発明は、液晶表示装置用フレキシブル基板と、これが用いられたカラーフィルターとに関するものである。以下、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板、および、これが用いられたカラーフィルターについて順に説明する。
A.液晶表示装置用フレキシブル基板
まず、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板について説明する。上述したように本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、温度160℃における耐熱寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、かつ、耐溶剤寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明によれば、160℃における耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率がそれぞれ上記範囲内であることにより、例えば、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターあるいはTFTアレイを作製する際に、インクジェット法やフォトリソグラフィー法が用いられた場合であっても、寸度変化が生じることを防止できる。このため、本発明によれば、フレキシブルな液晶表示装置に用いられ、フォトリソグラフィー法やインクジェット法を用いてフレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイ等を高精度で作製することが可能な液晶表示装置用フレキシブル基板を得ることができる。
以下、このような本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板について詳細に説明する。
1.耐熱寸度変化率
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、160℃における耐熱寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。本発明において耐熱寸度変化率をこのような範囲に規定するのは、耐熱寸度変化率が上記範囲外であると、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際に、基板の寸度変化に起因して高精度でブラックマトリクスや、TFT電極を形成することができないからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率は、上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的な値は本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられるプロセスの条件等に応じて適宜決定することができる。なかでも本発明においては、上記耐熱寸度変化率が、−0.03%〜+0.03%の範囲内であることが好ましく、特に−0.01%〜+0.01%の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明における「耐熱寸度変化率」とは、次のような測定方法によって測定した値を指すものとする。
100mm×100mm角の試験片の四隅に、隣り合うマーキング間の距離が80mmになるように微細な十字型のマーキングを施し、各マーキング間の距離を測定する。この試験片をオーブン中で160℃、30分間加熱し、23℃38%RHの恒温恒湿室に1時間放置して冷却した後、各マーキング間の距離を再び測定する。耐熱寸度変化率は下式に基づき算出する。
加熱前のマーキング間の距離:a(μm)
加熱、放置後のマーキング間の距離:b(μm)
耐熱寸度変化率c(%)=(b−a)×100/a
なお、上記耐熱寸度安定性試験は、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際の加工条件を参酌して設定したものである。即ち、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際には、160℃近辺で約30分間加熱されるものである。
2.耐溶剤寸度変化率
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、耐溶剤寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。本発明において耐溶剤寸度変化率をこのような範囲に規定するのは、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルターや、TFTアレイに好適に用いられるものであるところ、耐溶剤寸度変化率が上記範囲内であることにより、インクジェット法やフォトリソグラフィーを用いて、カラーフィルターあるいはTFTアレイを製造する場合であっても、高精度で着色層やTFT電極を形成することができるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤寸度変化率は、上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的な値は本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられるプロセスの条件に応じて適宜決定することができる。なかでも本発明においては、上記耐溶剤寸度変化率が、−0.03%〜+0.03%の範囲内であることが好ましく、特に−0.01%〜+0.01%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明における上記「耐溶剤性寸度変化率」は、次の測定方法によって測定した値を用いるものとする。
100mm×100mm角の試験片の四隅に、隣り合うマーキング間の距離が80mmになるように微細な十字型のマーキングを施し、各マーキング間の距離を測定する。この試験片を23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中へ5分間浸漬し、エアーブローにて乾燥させた後、各マーキング間の距離を再び測定する。耐溶剤性寸度変化率は下式に基づき算出する。
PGMEA浸漬前のマーキング間の距離:a(μm)
PGMEA浸漬、乾燥後のマーキング間の距離:b(μm)
耐溶剤性寸度変化率c(%)=(b−a)×100/a
なお、上記耐溶剤性寸度安定性試験は、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際の加工条件を参酌して設定したものである。即ち、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際には、PGMEAを主成分溶剤とするインキが約5分間、フレキシブル基板へ接触する。
3.液晶表示装置用フレキシブル基板の構成
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の構成としては、上記耐熱寸度変化率および上記耐溶剤寸度変化率を、本発明で定める範囲内にできる構成であれば特に限定されるものではない。このような構成としては、例えば、耐熱性と耐溶剤性とを兼ね備える材料からなる構成や、耐熱性を有する耐熱基材と、当該耐熱基材上に形成され、耐溶剤性を備える耐溶剤層とを有する構成等を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの構成であっても好適に用いることができるが、なかでも耐熱性を有する耐熱基材と、当該耐熱基材上に形成され、耐溶剤性を備える耐溶剤層とを有する構成(以下、単に「積層構成」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。このような積層構成を採用することにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の用途等に応じて、適宜、上記耐熱基材および耐溶剤層を構成する材料を変更することにより、所望の耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率を両立させることが可能になるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が、上記積層構成を有する場合について図を参照しながら説明する。図1は本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が、上述したような積層構成を有する場合の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板10は、耐熱性を備える耐熱基材1と、上記耐熱基材1の両面上に形成され、耐溶剤性を備える耐溶剤層2とを有する構成であることが好ましい。
以下、このような積層構成を有する液晶表示装置用フレキシブル基板について詳細に説明する。
(1)耐熱基材
まず、本発明に用いられる耐熱基材について説明する。本発明に用いられる耐熱基材としては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の160℃における耐熱寸度変化率を上述した範囲内にできる程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる耐熱基材は、ガラス転移温度が160℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは210℃以上である耐熱材料からなるものが好ましい。耐熱基材としてこのような耐熱材料からなるものが用いられることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率を、より確実に本発明で定める範囲内にすることができるからである。
なお、上記ガラス転移温度は、機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度10℃/min、引っ張り加重1gで測定を行った値を用いるものとする。
本発明に用いられる耐熱材料としては、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの耐熱材料であっても好適に用いることができるが、なかでもシクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。シクロオレフィン系樹脂は吸水性が乏しいことから、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を吸水による寸度変化が生じにくいものとすることができるからである。また、シクロオレフィン系樹脂を用いることにより、本発明に用いられる耐熱基材を、光学的等方性を備えるものにできるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて液晶表示装置を作製する際に、液晶表示装置の視野角特性等の表示品質を設計することが容易になるからである。
ここで、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂とは、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する樹脂を意味するものである。このような上記環状オレフィンからなるモノマーとしては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。
また、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂は上記環状オレフィンからなるモノマーの単独重合体であってもよく、または、共重合体であってもよい。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂は、23℃における飽和吸水率が0.5質量%以下であるものが好ましく、0.4質量%以下であるものがより好ましく、0.3質量%以下であるものがさらに好ましい。このようなシクロオレフィン系樹脂を用いることにより、本発明に用いられる耐熱基材を、吸水による寸度変化の少ないものにできるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板をさらに寸度安定性に優れたものにできるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中に1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ジェイエスアール社製 PN165B、同社製PN260A、同社製PN285A、および同社製PN400A等を挙げることができる。
本発明に用いられる耐熱基材の厚みとしては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板に、所望の自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、なかでも20μm〜750μmの範囲内であることが好ましく、さらに40μm〜600μmの範囲内であることが好ましい。耐熱基材の厚みが上記の範囲よりも薄いと、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板に必要な自己支持性を付与することが困難になる場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を裁断加工する際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである
本発明に用いられる耐熱基材の透明度は、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板に求める透明性等に応じて任意に決定すればよいが、通常、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が低いと、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板のヘイズが所望の値よりも大きくなってしまう場合があるからである。
ここで、耐熱基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、液晶表示装置に用いられるものであるため、耐熱基材としては光学的等方性を備えるものであることが好ましい。なかでも本発明に用いられる耐熱基材は、面内レターデーション(Re)が、50nm以下であることが好ましく、なかでも20nm以下であることが好ましく、特に好ましくは0nmである。耐熱基材の面内レターデーション(Re)が上記範囲内であることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて液晶表示装置を作製する際に、液晶表示装置の視野角特性等の表示品質を設計することが容易になるからである。
なお、上記面内レターデーション(Re)は、上記耐熱基材の面内における遅相軸方向xの屈折率をnx、進相軸方向yの屈折率をny、厚み方向zの屈折率をnz、および、耐熱基材の厚みをdとした場合に、それぞれ以下の式で表されるものである。
Re=(nx−ny)×d
Rth=(((nx+ny)/2)−nz)×d
また、上記面内レターデーション(Re)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
また、本発明に用いられる耐熱基材の厚み方向のレターデーション(Rth)としては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて作製する液晶表示装置の駆動モード等に応じて、視野角特性を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではない。
(2)耐溶剤層
本発明に用いられる耐溶剤層としては、上述した耐熱基材上に形成されることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤性寸度変化率を本発明で定める範囲内にできるものであれば特に限定されるものではない。このような耐溶剤層としては、このような耐溶剤層としては、例えば、硬化された硬化型樹脂からなる硬化型樹脂膜、無機化合物からなる無機化合物膜、および、有機化合物からなる有機化合物膜と、上記無機化合物膜とが複合されて用いられた有機‐無機複合膜とを挙げることができる。
(硬化型樹脂膜)
上記硬化型樹脂膜に用いられる硬化型樹脂としては、硬化させることにより所望の耐溶剤性を備える耐溶剤層を形成することができるものであれば特に限定されるものではない。このような硬化型樹脂としては、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を挙げることができるが、電離放射線硬化性樹脂を用いることが生産効率上好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルギッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂、酢酸プロピオン酸セルロース等を挙げることができ、必要に応じて添加剤として、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加してもよい。
上記硬化剤として、通常、イソシアネートは不飽和ポリエステル系樹脂またはポリウレタン系樹脂に使用され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物及びアゾイソブチロニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステルによく使用される。更に、硬化剤としてのイソシアネートは、2価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートが使用できる。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基((メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタアクリロイルの意味で用い、以下(メタ)は同様の意味とする)等の重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/または単量体を適宜混合した組成物が用いられる。
これらのプレポリマー、オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。
単量体の例としては、スチレン、α‐メチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。
以上の化合物を必要に応じ、1種もしくは2種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
単量体の選定に際して、硬化物の高い剛性を要求される場合には、塗工適性上支障のない範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。
なお、1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性とを調整することもできる。
以上のような1官能アクリレート系単量体としては、2‐ヒドロキシアクリレート、2‐ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。3官能アクリレート系単量体としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
光重合開始剤としては市販の物を使用することができ、例えば、光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製のイルガキュア(184,907)等が好ましい例として挙げられる。光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは3〜7質量部の範囲である。
なお、本発明に用いられる硬化型樹脂は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられる硬化型樹脂膜の厚みとしては、硬化型樹脂の種類に応じて本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤寸度変化率を本発明で定める範囲内にできる程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる硬化型樹脂膜の厚みは、50nm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、さらに300nm〜7μmの範囲内であることが好ましい。硬化型樹脂膜の厚みが上記範囲よりも厚いと、耐溶剤層の剛性が高くなりすぎてしまい、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の可撓性が不十分になってしまう可能性があるからである。また、厚みが上記範囲よりも薄いと、硬化型樹脂膜に用いられる硬化型樹脂の種類によっては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率を本発明で定める範囲内にできなくなるおそれがあるからである。
(無機化合物膜)
次に、上記無機化合物膜について説明する。ここで、本発明に用いられる無機化合物膜は、無機化合物からなることにより緻密な膜として形成することが可能なものであるため、このような無機化合物膜が用いられることにより、本発明に用いられる耐溶剤層にガスバリア性も付与することも可能になる。また、無機化合物膜は、上述した耐熱基材よりも剛性の高いものにすることができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板をさらに寸度安定性に優れたものにできる。
上記無機化合物膜に用いられる無機化合物としては、上述した耐熱基材上に形成されることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤性寸度変化率を本発明で定める範囲内にできるものであれば特に限定されるものではない。このような無機化合物としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、亜鉛、金、銀、銅等の金属;硅素、ゲルマニウム、炭素等の半導体;酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物;炭化珪素等の炭化物、硫化物等を挙げることができる。また、これらから選ばれた二種以上の複合体である酸化窒化物や、さらに炭素を含有してなる酸化炭化物層、無機窒化炭化物層、無機酸化窒化炭化物等も用いることができる。本発明においては、これらのいずれの無機化合物であっても好適に用いることができるが、なかでも酸化アルミニウム、酸化硅素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機酸化物(MOx)、無機窒化物(MNy)、無機炭化物(MCz)、無機酸化炭化物(MOxCz)、無機窒化炭化物(MNyCz)、無機酸化窒化物(MOxNy)、無機酸化窒化炭化物(MOxNyCz)をも散ることが好ましい。ここで、これらの無機化合物を構成する金属元素(M)として好適に用いられるものは、Si、Al、Ti等である。
なお、本発明に用いられる無機化合物は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明に用いられる無機化合物膜の厚みとしては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤性寸度変化率を本発明で定める範囲内にできるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる無機化合物膜の厚みは、10nm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に20nm〜3μmの範囲内であることが好ましく、さらに30nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。無機化合物膜の厚みが上記範囲よりも厚いと、耐溶剤層の剛性が高くなりすぎてしまい、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の可撓性が不十分になってしまう可能性があるからである。また、厚みが上記範囲よりも薄いと、無機化合物の種類によっては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率を本発明で定める範囲内にできなくなるおそれがあるからである。
(有機‐無機複合膜)
次に、上記有機‐無機複合膜について説明する。上記有機‐無機複合膜は、有機化合物からなる有機化合物膜と、上記無機化合物膜とが複合されて用いられたものである。有機‐無機複合膜は、上記無機化合物膜と有機化合物膜とを任意に組み合わせることにより、耐溶剤性以外の諸性能を備える耐溶剤層を形成することができる点において有用である。
耐溶剤層として上記有機‐無機複合膜が用いられた場合について図を参照しながら説明する。図2は上記耐溶剤層として有機‐無機複合膜が用いられた場合の一例を示す概略断面図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板10は、耐熱基材1と、上記耐熱基材1の両面上に形成された耐溶剤層2’を有するものであり、上記耐溶剤層2’が、有機化合物からなる有機化合物膜2aと、上記有機化合物膜2aの両面上に形成され、無機化合物からなる無機化合物膜2bとからなるものであってもよい。
以下、このような有機‐無機複合膜について説明する。
なお、上記無機化合物膜については、既に説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記有機‐無機複合膜に用いられる有機化合物膜としては、本発明に用いられる耐溶剤層に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なお、有機‐無機複合膜においては、上記無機化合物膜が十分な耐溶剤性を備えることから、有機化合物膜としては耐溶剤性を備えるものに限定されることなく、任意の性質を有する有機化合物膜を使用することができる。
本発明に用いられる有機化合物膜としては、例えば、上述した硬化型樹脂膜を用いてもよく、あるいは、カルドポリマー等の有機化合物からなるものを例示することができる。
上記カルドポリマーは、以下の式で表されるカルド構造を有するポリマーで、カルド構造を有するモノマーと他の重合性モノマーとから合成され、カルドポリエステル系ポリマー、カルドアクリル系ポリマー、カルドエポキシ系ポリマーなどが適用でき、好ましくはカルドエポキシ系ポリマーである。このようなカルドポリマーを用いる場合は、必要に応じて、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの添加剤、更には、改質用樹脂などを併用することができる。
Figure 0005034615
本発明に用いられるカルドポリマーの具体例としては、例えば、長瀬産業社製 オンコートEX−1040、同社製EX−1030等を挙げることができる。
本発明に用いられる耐溶剤層の構成としては、上記有機化合物膜と、上記無機化合物膜との組み合わせに応じて、任意の構成を用いることができる。したがって、本発明に用いられる耐溶剤層の構成としては、例えば、上述した耐熱基材上に、上記有機化合物膜と上記無機化合物膜とがこの順で積層された構成や、上述した耐熱基材上に、上記無機化合物膜と上記有機化合物膜とがこの順で積層された構成、さらに上記有機化合物膜の両面に上記無機化合物膜が配置された構成等を用いることができる。
(3)その他
本発明に用いられる耐溶剤層は、少なくとも上記耐熱基材の片面上に形成されていればよいものであるが、本発明においては上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層が形成されていることが好ましい。上記耐溶剤層が両面に形成されていることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターやTFTアレイを作製する際に、いずれの面を用いることも可能になるからである。
また、上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層が形成されている場合、両面上に形成される耐溶剤層の構成は同一であってもよく、あるいは、異なるものであってもよいが、なかでも本発明においては同一の構成を有する耐溶剤層が形成されていることが好ましい。耐熱基材の両面上に形成される耐溶剤層が同一の構成を有することにより、片面側の耐溶剤性が不十分になったり、あるいは、両面に形成された耐溶剤層の物理的特性が異なることに起因して、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が反ったり、カールしてしまったりすることを防止できるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が、上述した積層構成を有する場合においては、必要に応じて他の構成が用いられてもよい。このような他の構成としては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の用途等に応じて任意の構成を用いることができる。このような他の構成としては、例えば、上記耐熱基材と、上記耐溶剤層との間に形成され、両者の接着性を向上させる中間層を挙げることができる。
本発明に用いられる中間層としては、上記耐熱基材と耐溶剤層とを所定の強度で接着できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、ポリエステル樹脂およびオキサゾリン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するアクリル樹脂を含有するものが好適に用いられる。このような樹脂を含有する中間層は、上記耐熱基材と耐溶剤層との接着性に優れるからである。
(ポリエステル樹脂)
上記ポリエステル樹脂としては、次の多塩基酸成分とジオール成分とから得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。なお、ポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分が用いられた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
一方、上記ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
なお、上記ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いは、p−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい
(アクリル樹脂)
本発明に用いられるオキサゾリン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するアクリル樹脂として、例えば、以下に示すようなオキサゾリン基を有するモノマーと、ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーからなるアクリル樹脂を用いることができる。オキサゾリン基を有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンを例示することができる。これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらのなかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
また、上記ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付加させたものを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖としては、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシドを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は3〜100であることが好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂には、その他の共重合成分として例えば以下に例示されるモノマーを共重合することができる。すなわち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
4.液晶表示装置用フレキシブル基板
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、160℃における耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率がそれぞれ所定の範囲内にあることを特徴とするものであるが、さらに23℃における飽和吸水率が0.5質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。飽和吸水率が上記範囲内であることにより、例えば、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターやTFTアレイを作製する過程において、基板に水分が曝露されたとしても、これによって寸度変化が生じることを防止することができるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
さらに、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の光学特性は、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられる液晶表示装置の駆動方式等に応じて、適宜調整すればよいものである。なかでも本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、面内レターデーション(Re)が50nm以下であることが好ましく、なかでも20nm以下であることが好ましく、0nmであることがより好ましい。
なお、上記面内レターデーション(Re)は、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の面内における遅相軸方向xの屈折率をnx、進相軸方向yの屈折率をny、厚み方向zの屈折率をnz、および、厚みをdとした場合に、それぞれ以下の式で表されるものである。
Re=(nx−ny)×d
また、上記面内レターデーション(Re)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
5.液晶表示装置用フレキシブル基板の製造方法
次に、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板について説明する。本発明に用いられる液晶表示装置用フレキシブル基板は、例えば、上述した耐熱基材を用い、上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層を形成することによって製造することができる。上記耐熱基材上に耐溶剤層を形成する方法は、一般的に公知の方法の中から、上記耐溶剤層の種類によって適宜選択することができる。例えば、上記耐溶剤層として硬化型樹脂膜が用いられる場合は、上記耐熱基材上に硬化型樹脂を含有する硬化型樹脂膜形成用塗工液を塗布した後、上記硬化型樹脂膜を硬化させることによって形成することができる。このとき、耐熱基材上に硬化型樹脂膜形成用塗工液を塗布する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレー法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等の一般的に公知の方法を用いることができる。
一方、上記耐溶剤層として無機化合物膜が用いられる場合は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法や、HotWire−CVD法、熱CVD法やプラズマCVD法等によって上記耐熱基材上に無機化合物膜を形成することができる。
また、上記耐溶剤層として有機‐無機複合膜が用いられる場合は、上記無機化合物膜を作製する方法と、上記硬化型樹脂膜を作製する方法とを順に実施することによって、上記耐熱基材上に所望の構成を有する有機−無機複合膜を形成することができる。
B.カラーフィルター
次に、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、上述した本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられたものである。
このような本発明のカラーフィルターについて図を参照しながら説明する。図3は本発明のカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本発明のカラーフィルター20は、基材10と、上記基材10上に形成されたブラックマトリクス21と、前記ブラックマトリクス21の開口部内に形成された複数の着色層22を有するものである。
このような例において、本発明のカラーフィルター20は、上記基材10として、本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルターは、上記本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、寸度安定性に優れたカラーフィルターを得ることができる。
また、本発明のカラーフィルターは、カラーフィルターとして寸度安定性に優れたものにできることはもちろんのこと、例えば、カラーフィルターを製造する過程において、フォトリソグラフィー法やインクジェット法によって着色層やブラックマトリクスが形成された場合であっても、これらの方法に用いられる溶剤や熱の影響によって、基板に寸度変化が生じることを防止できる。このため、上記本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、カラーフィルターを製造する過程においても基材に寸度変化が生じることを防止できるため、より高精度に着色層やブラックマトリクスが形成されたカラーフィルターを得ることができる。
さらに本発明のカラーフィルターは、上記本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、全体として可撓性を有するものとなる。したがって、本発明のカラーフィルターを用いることにより、例えば、Roll to Rollプロセス等の連続プロセスによって、液晶表示装置を作製することが可能になる。このため、本発明によれば高生産性で液晶表示装置を作製することができる。
なお、図3においては、本発明のカラーフィルターの一例として、基材上にブラックマトリクスと、着色層とが形成されたものの例を示したが、本発明のカラーフィルターはこのような構成を有するものに限定されるものではない。本発明のカラーフィルターの構成は、着色層を支持する基材として、本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられているものであれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターを用いて作製される液晶表示装置の種類等に応じて任意の構成とすることができる。
なお、本発明のカラーフィルターの具体的構成については、一般的に公知のカラーフィルターと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1.実施例1
(耐熱基材)
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度165℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN165B(JSR製)を用いた。
(無機化合物膜)
耐熱基材の両面に、無機化合物であるSiOx(x=1.5)膜を形成した。SiOxは帰還電極付き圧力勾配型イオンプレーティング装置の成膜室内に配置し、成膜材料には二酸化シリコンを使用し、以下の成膜条件にて酸化珪素の膜厚が100nmとなるようにガスバリア層を設けた。
<成膜条件>
・成膜圧力 : 8.0×10−2Pa
・プラズマガス用アルゴンガス流量 : 12sccm
・投入電流 : 8.5A
・投入電圧 : 85V
・投入電力 : 7.2kW
(硬化型樹脂膜)
以下の式で示されるカルドエポキシ化合物246部、アクリル酸72部、メトキノン0.16部及びトリフェニルホスフィン1.1部、カルビトールアセテート237.6部を加え、95℃まで昇温させ30時間反応させた。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸122部を仕込み、95℃で20時間反応させ、不飽和基含有カルボン酸化合物を得た。
Figure 0005034615
得られた不飽和基含有カルボン酸化合物138.5部、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート混合物(KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製)10部、光重合開始剤(イルガキュア−907:チバ・スペシャリティケミカルズ社製)3部、メチルセロソルブアセテート352部、シランカップリング剤(KBM−5103:信越化学(株)製)1部を配合し、硬化型樹脂膜材料を得た。
このようにして得た硬化型樹脂膜材料を用いて上記耐熱基材上に形成された両面の無機化合物膜上へ、膜厚が1.0μmの硬化型樹脂膜を形成した。硬化型樹脂膜はスピンコーティング法により塗布し、120℃で2分間乾燥し、さらに160℃で60分間熱風乾燥することによって形成した。
(評価)
無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.041%及び−0.008%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は<0.1%であり、面内レターデーション(Re)は1.2nm、であった。
2.実施例2
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度285℃のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN285A(JSR製)を用いた以外は、実施例1と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.011%及び−0.018%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nm、であった。
3.実施例3
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度400℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN400A(JSR製)を用いた以外は、実施例1と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.007%及び+0.042%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は1.3%であり、面内レターデーション(Re)は7nmであった。
4.実施例4
無機化合物であるSiOxを形成しなかったこと以外は、実施例2と同様に硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.025%及び−0.036%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
5.実施例5
硬化型樹脂膜を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様に無機化合物膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.031%及び−0.021%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
6.実施例6
実施例2にて形成された両面の硬化型樹脂膜上へ、さらに無機化合物膜であるSiOxを形成した以外は、実施例2と同様にして、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.005%及び−0.004%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
7.比較例1
無機化合物膜や硬化型樹脂膜を形成せず、基材フィルムPN285Aを液晶表示装置用フレキシブル基板とした。
(評価)
上記液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.092%及び−0.085%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
8.比較例2
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度136℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルム1410R(日本ゼオン社製)を用いた以外は、実施例6と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
(評価)
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.081%及び−0.099%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は<0.1%であり、面内レターデーション(Re)は4nmであった。
Figure 0005034615
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルターの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 耐熱基材
2,2’ … 耐溶剤層
2a … 有機化合物膜
2b … 無機化合物膜
10 … 液晶表示装置用フレキシブル基板
20 … カラーフィルター
21 … ブラックマトリクス
22 … 着色層

Claims (2)

  1. ガラス転移温度が160℃以上であるシクロオレフィン系樹脂からなる耐熱基材と、前記耐熱基材の両面上に形成され、無機化合物からなる無機化合物膜が用いられた耐溶剤層と、を有し、温度160℃における耐熱寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、かつ、耐溶剤寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、飽和吸水率(23℃)が0質量%〜0.5質量%の範囲内であり、面内レターデーション(Re)が0nm〜50nmの範囲内である液晶表示用フレキシブル基板であって、前記耐溶剤層が、有機化合物からなる有機化合物膜と、前記有機化合物膜の両面上に形成された前記無機化合物膜とを有する有機−無機複合膜であることを特徴とする、液晶表示装置用フレキシブル基板。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられたことを特徴とする、カラーフィルター。
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