JP5034615B2 - 液晶表示装置用フレキシブル基板 - Google Patents
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現在のフラットパネルディスプレイは、その用途をテレビやデスクトップモニターのみならず、携帯用ノートパソコン、携帯電話、携帯用ページャー、携帯用ゲーム機等の携帯型電子機器等にまで広く拡大していることから、さらなる軽量化、小型化、および、薄型化が求められている。
その一方で、近年中に実施化が計画されている地上デジタル放送の本格普及や、今後のユビキタスネットワークのさらなる進化に対応して、モバイルディスプレイの普及拡大が確実に予測されることから、これに備えて現在のフラットパネルディスプレイよりもさらに薄型・軽量であるフレキシブルディスプレイの実用化が求められている。
すなわち、液晶表示装置に用いられるフレキシブル基板は、当該基板上にブラックマトリクスおよび着色層、あるいは、TFT電極等を形成するために用いられるものであるが、これらを形成する際には、通常、フォトリソグラフィー法やインクジェット法が用いられるのが一般的である。ここで、フォトリソグラフィー法やインクジェット法では、フォトレジストや特定のインクを基板上に塗布するために溶剤を用いることが必須とされるが、本発明者らの検討により、当該溶剤の影響によってフレキシブル基板に寸度変化が生じることが明らかになったのである。
このような現象は、従来ガラス基板が用いられてきた液晶表示装置においては全く問題になるものではなく、フレキシブル基板を用いる液晶表示装置に特有の問題である。
また、上記耐溶剤層に無機化合物膜が用いられていることにより、上記耐溶剤層を剛性の高いものとすることができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を寸度安定性に優れたものにできるからである。
また、上記耐熱基材としてシクロオレフィン系樹脂からなるものが用いられていることから、液晶表示装置用フレキシブル基板全体として光学的等方性に優れたものにできるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の面内レターデーション(Re)を上述した範囲にすることも容易になるからである。
さらに、耐溶剤層が上記基材の両面に形成されていることから、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板に反りやカールが生じることを防止することができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて、連続プロセスにより高生産性でフレキシブルな液晶表示装置を作成することができるからである。
まず、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板について説明する。上述したように本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、温度160℃における耐熱寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、かつ、耐溶剤寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、160℃における耐熱寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。本発明において耐熱寸度変化率をこのような範囲に規定するのは、耐熱寸度変化率が上記範囲外であると、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際に、基板の寸度変化に起因して高精度でブラックマトリクスや、TFT電極を形成することができないからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率は、上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的な値は本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられるプロセスの条件等に応じて適宜決定することができる。なかでも本発明においては、上記耐熱寸度変化率が、−0.03%〜+0.03%の範囲内であることが好ましく、特に−0.01%〜+0.01%の範囲内であることが好ましい。
100mm×100mm角の試験片の四隅に、隣り合うマーキング間の距離が80mmになるように微細な十字型のマーキングを施し、各マーキング間の距離を測定する。この試験片をオーブン中で160℃、30分間加熱し、23℃38%RHの恒温恒湿室に1時間放置して冷却した後、各マーキング間の距離を再び測定する。耐熱寸度変化率は下式に基づき算出する。
加熱前のマーキング間の距離:a(μm)
加熱、放置後のマーキング間の距離:b(μm)
耐熱寸度変化率c(%)=(b−a)×100/a
なお、上記耐熱寸度安定性試験は、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際の加工条件を参酌して設定したものである。即ち、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際には、160℃近辺で約30分間加熱されるものである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、耐溶剤寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であることを特徴とするものである。本発明において耐溶剤寸度変化率をこのような範囲に規定するのは、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルターや、TFTアレイに好適に用いられるものであるところ、耐溶剤寸度変化率が上記範囲内であることにより、インクジェット法やフォトリソグラフィーを用いて、カラーフィルターあるいはTFTアレイを製造する場合であっても、高精度で着色層やTFT電極を形成することができるからである。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤寸度変化率は、上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、具体的な値は本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられるプロセスの条件に応じて適宜決定することができる。なかでも本発明においては、上記耐溶剤寸度変化率が、−0.03%〜+0.03%の範囲内であることが好ましく、特に−0.01%〜+0.01%の範囲内であることが好ましい。
100mm×100mm角の試験片の四隅に、隣り合うマーキング間の距離が80mmになるように微細な十字型のマーキングを施し、各マーキング間の距離を測定する。この試験片を23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中へ5分間浸漬し、エアーブローにて乾燥させた後、各マーキング間の距離を再び測定する。耐溶剤性寸度変化率は下式に基づき算出する。
PGMEA浸漬前のマーキング間の距離:a(μm)
PGMEA浸漬、乾燥後のマーキング間の距離:b(μm)
耐溶剤性寸度変化率c(%)=(b−a)×100/a
なお、上記耐溶剤性寸度安定性試験は、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際の加工条件を参酌して設定したものである。即ち、フレキシブル基板を用いて、フレキシブルなカラーフィルターやTFTアレイを作製する際には、PGMEAを主成分溶剤とするインキが約5分間、フレキシブル基板へ接触する。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の構成としては、上記耐熱寸度変化率および上記耐溶剤寸度変化率を、本発明で定める範囲内にできる構成であれば特に限定されるものではない。このような構成としては、例えば、耐熱性と耐溶剤性とを兼ね備える材料からなる構成や、耐熱性を有する耐熱基材と、当該耐熱基材上に形成され、耐溶剤性を備える耐溶剤層とを有する構成等を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの構成であっても好適に用いることができるが、なかでも耐熱性を有する耐熱基材と、当該耐熱基材上に形成され、耐溶剤性を備える耐溶剤層とを有する構成(以下、単に「積層構成」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。このような積層構成を採用することにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の用途等に応じて、適宜、上記耐熱基材および耐溶剤層を構成する材料を変更することにより、所望の耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率を両立させることが可能になるからである。
まず、本発明に用いられる耐熱基材について説明する。本発明に用いられる耐熱基材としては、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の160℃における耐熱寸度変化率を上述した範囲内にできる程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる耐熱基材は、ガラス転移温度が160℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは210℃以上である耐熱材料からなるものが好ましい。耐熱基材としてこのような耐熱材料からなるものが用いられることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率を、より確実に本発明で定める範囲内にすることができるからである。
なお、本発明に用いられるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであっても好適に用いることができる。
ここで、耐熱基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
Re=(nx−ny)×d
Rth=(((nx+ny)/2)−nz)×d
また、上記面内レターデーション(Re)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
本発明に用いられる耐溶剤層としては、上述した耐熱基材上に形成されることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の耐溶剤性寸度変化率を本発明で定める範囲内にできるものであれば特に限定されるものではない。このような耐溶剤層としては、このような耐溶剤層としては、例えば、硬化された硬化型樹脂からなる硬化型樹脂膜、無機化合物からなる無機化合物膜、および、有機化合物からなる有機化合物膜と、上記無機化合物膜とが複合されて用いられた有機‐無機複合膜とを挙げることができる。
上記硬化型樹脂膜に用いられる硬化型樹脂としては、硬化させることにより所望の耐溶剤性を備える耐溶剤層を形成することができるものであれば特に限定されるものではない。このような硬化型樹脂としては、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を挙げることができるが、電離放射線硬化性樹脂を用いることが生産効率上好ましい。
なお、1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性とを調整することもできる。
次に、上記無機化合物膜について説明する。ここで、本発明に用いられる無機化合物膜は、無機化合物からなることにより緻密な膜として形成することが可能なものであるため、このような無機化合物膜が用いられることにより、本発明に用いられる耐溶剤層にガスバリア性も付与することも可能になる。また、無機化合物膜は、上述した耐熱基材よりも剛性の高いものにすることができるため、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板をさらに寸度安定性に優れたものにできる。
次に、上記有機‐無機複合膜について説明する。上記有機‐無機複合膜は、有機化合物からなる有機化合物膜と、上記無機化合物膜とが複合されて用いられたものである。有機‐無機複合膜は、上記無機化合物膜と有機化合物膜とを任意に組み合わせることにより、耐溶剤性以外の諸性能を備える耐溶剤層を形成することができる点において有用である。
なお、上記無機化合物膜については、既に説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる耐溶剤層は、少なくとも上記耐熱基材の片面上に形成されていればよいものであるが、本発明においては上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層が形成されていることが好ましい。上記耐溶剤層が両面に形成されていることにより、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターやTFTアレイを作製する際に、いずれの面を用いることも可能になるからである。
また、上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層が形成されている場合、両面上に形成される耐溶剤層の構成は同一であってもよく、あるいは、異なるものであってもよいが、なかでも本発明においては同一の構成を有する耐溶剤層が形成されていることが好ましい。耐熱基材の両面上に形成される耐溶剤層が同一の構成を有することにより、片面側の耐溶剤性が不十分になったり、あるいは、両面に形成された耐溶剤層の物理的特性が異なることに起因して、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が反ったり、カールしてしまったりすることを防止できるからである。
上記ポリエステル樹脂としては、次の多塩基酸成分とジオール成分とから得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。なお、ポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分が用いられた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
本発明に用いられるオキサゾリン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するアクリル樹脂として、例えば、以下に示すようなオキサゾリン基を有するモノマーと、ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーからなるアクリル樹脂を用いることができる。オキサゾリン基を有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンを例示することができる。これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらのなかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板は、160℃における耐熱寸度変化率および耐溶剤寸度変化率がそれぞれ所定の範囲内にあることを特徴とするものであるが、さらに23℃における飽和吸水率が0.5質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以下であることがさらに好ましい。飽和吸水率が上記範囲内であることにより、例えば、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板を用いてカラーフィルターやTFTアレイを作製する過程において、基板に水分が曝露されたとしても、これによって寸度変化が生じることを防止することができるからである。
ここで、上記飽和吸水率は、ASTMD570に準拠し23℃の水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより求められる。
なお、上記面内レターデーション(Re)は、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板の面内における遅相軸方向xの屈折率をnx、進相軸方向yの屈折率をny、厚み方向zの屈折率をnz、および、厚みをdとした場合に、それぞれ以下の式で表されるものである。
Re=(nx−ny)×d
また、上記面内レターデーション(Re)は、例えば、王子計測機器株式会社製 KOBRA−WRを用い、平行ニコル回転法により測定することができる。
次に、本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板について説明する。本発明に用いられる液晶表示装置用フレキシブル基板は、例えば、上述した耐熱基材を用い、上記耐熱基材の両面上に耐溶剤層を形成することによって製造することができる。上記耐熱基材上に耐溶剤層を形成する方法は、一般的に公知の方法の中から、上記耐溶剤層の種類によって適宜選択することができる。例えば、上記耐溶剤層として硬化型樹脂膜が用いられる場合は、上記耐熱基材上に硬化型樹脂を含有する硬化型樹脂膜形成用塗工液を塗布した後、上記硬化型樹脂膜を硬化させることによって形成することができる。このとき、耐熱基材上に硬化型樹脂膜形成用塗工液を塗布する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレー法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等の一般的に公知の方法を用いることができる。
一方、上記耐溶剤層として無機化合物膜が用いられる場合は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法や、HotWire−CVD法、熱CVD法やプラズマCVD法等によって上記耐熱基材上に無機化合物膜を形成することができる。
また、上記耐溶剤層として有機‐無機複合膜が用いられる場合は、上記無機化合物膜を作製する方法と、上記硬化型樹脂膜を作製する方法とを順に実施することによって、上記耐熱基材上に所望の構成を有する有機−無機複合膜を形成することができる。
次に、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、上述した本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられたものである。
このような例において、本発明のカラーフィルター20は、上記基材10として、本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることを特徴とするものである。
また、本発明のカラーフィルターは、カラーフィルターとして寸度安定性に優れたものにできることはもちろんのこと、例えば、カラーフィルターを製造する過程において、フォトリソグラフィー法やインクジェット法によって着色層やブラックマトリクスが形成された場合であっても、これらの方法に用いられる溶剤や熱の影響によって、基板に寸度変化が生じることを防止できる。このため、上記本発明に係る液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、カラーフィルターを製造する過程においても基材に寸度変化が生じることを防止できるため、より高精度に着色層やブラックマトリクスが形成されたカラーフィルターを得ることができる。
さらに本発明のカラーフィルターは、上記本発明の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられていることにより、全体として可撓性を有するものとなる。したがって、本発明のカラーフィルターを用いることにより、例えば、Roll to Rollプロセス等の連続プロセスによって、液晶表示装置を作製することが可能になる。このため、本発明によれば高生産性で液晶表示装置を作製することができる。
なお、本発明のカラーフィルターの具体的構成については、一般的に公知のカラーフィルターと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
(耐熱基材)
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度165℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN165B(JSR製)を用いた。
耐熱基材の両面に、無機化合物であるSiOx(x=1.5)膜を形成した。SiOxは帰還電極付き圧力勾配型イオンプレーティング装置の成膜室内に配置し、成膜材料には二酸化シリコンを使用し、以下の成膜条件にて酸化珪素の膜厚が100nmとなるようにガスバリア層を設けた。
・成膜圧力 : 8.0×10−2Pa
・プラズマガス用アルゴンガス流量 : 12sccm
・投入電流 : 8.5A
・投入電圧 : 85V
・投入電力 : 7.2kW
以下の式で示されるカルドエポキシ化合物246部、アクリル酸72部、メトキノン0.16部及びトリフェニルホスフィン1.1部、カルビトールアセテート237.6部を加え、95℃まで昇温させ30時間反応させた。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸122部を仕込み、95℃で20時間反応させ、不飽和基含有カルボン酸化合物を得た。
このようにして得た硬化型樹脂膜材料を用いて上記耐熱基材上に形成された両面の無機化合物膜上へ、膜厚が1.0μmの硬化型樹脂膜を形成した。硬化型樹脂膜はスピンコーティング法により塗布し、120℃で2分間乾燥し、さらに160℃で60分間熱風乾燥することによって形成した。
無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.041%及び−0.008%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は<0.1%であり、面内レターデーション(Re)は1.2nm、であった。
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度285℃のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN285A(JSR製)を用いた以外は、実施例1と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.011%及び−0.018%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nm、であった。
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度400℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルムPN400A(JSR製)を用いた以外は、実施例1と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.007%及び+0.042%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は1.3%であり、面内レターデーション(Re)は7nmであった。
無機化合物であるSiOxを形成しなかったこと以外は、実施例2と同様に硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.025%及び−0.036%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
硬化型樹脂膜を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様に無機化合物膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.031%及び−0.021%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
実施例2にて形成された両面の硬化型樹脂膜上へ、さらに無機化合物膜であるSiOxを形成した以外は、実施例2と同様にして、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.005%及び−0.004%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
無機化合物膜や硬化型樹脂膜を形成せず、基材フィルムPN285Aを液晶表示装置用フレキシブル基板とした。
上記液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.092%及び−0.085%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は0.3%であり、面内レターデーション(Re)は18nmであった。
耐熱基材として、厚さが100μm、ガラス転移温度136℃、のシクロオレフィン系樹脂フィルム1410R(日本ゼオン社製)を用いた以外は、実施例6と同様に無機化合物膜および硬化型樹脂膜を積層して、液晶表示装置用フレキシブル基板を作製した。
得られた液晶表示装置用フレキシブル基板の耐熱寸度変化率及び耐溶剤寸度変化率は、それぞれ−0.081%及び−0.099%であった。表1に測定結果をまとめた。また、飽和吸水率(23℃)は<0.1%であり、面内レターデーション(Re)は4nmであった。
2,2’ … 耐溶剤層
2a … 有機化合物膜
2b … 無機化合物膜
10 … 液晶表示装置用フレキシブル基板
20 … カラーフィルター
21 … ブラックマトリクス
22 … 着色層
Claims (2)
- ガラス転移温度が160℃以上であるシクロオレフィン系樹脂からなる耐熱基材と、前記耐熱基材の両面上に形成され、無機化合物からなる無機化合物膜が用いられた耐溶剤層と、を有し、温度160℃における耐熱寸度変化率が、−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、かつ、耐溶剤寸度変化率が−0.05%〜+0.05%の範囲内であり、飽和吸水率(23℃)が0質量%〜0.5質量%の範囲内であり、面内レターデーション(Re)が0nm〜50nmの範囲内である液晶表示用フレキシブル基板であって、前記耐溶剤層が、有機化合物からなる有機化合物膜と、前記有機化合物膜の両面上に形成された前記無機化合物膜とを有する有機−無機複合膜であることを特徴とする、液晶表示装置用フレキシブル基板。
- 請求項1に記載の液晶表示装置用フレキシブル基板が用いられたことを特徴とする、カラーフィルター。
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JP2008256734A (ja) | 2008-10-23 |
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