JP5033840B2 - 太陽電池パネルを製造するためのラミネート方法及び装置 - Google Patents

太陽電池パネルを製造するためのラミネート方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池パネルを製造するためのラミネート方法及び装置に関する。
本発明の適用対象となる太陽電池パネル(太陽電池モジュールと称されることもある)は、構成部材として、表面及び裏面の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂(充填剤)とを備える積層体であれば、その種類を限定するものではない。
例えば、化合物半導体を用いた太陽電池パネル、特にCIGS系太陽電池など、太陽電池セルとして、透明な基板(例えば、ガラス基板などで、表面側の保護部材となるもの)上に薄膜の化合物系の光電変換素子を形成し、その面側に封止接着樹脂を介して保護部材(補強部材とも称される)を配置する太陽電池パネルのラミネート方法に適する。また、太陽電池パネルの表面の保護材及び裏面の保護部材に強化ガラス、プラスチックなどの平板を用いる積層体に適する。
太陽電池パネルの製造に使用される一般的なラミネート装置は、真空環境を生成するチャンバと呼ばれる真空容器と、ヒータなどの発熱体、ならびに真空ポンプによる吸引や流体の注入により、柔軟且つ自在に膨張するラバーシート(ダイヤフラムとも呼ばれる)を主構成品としている(例えば、特許文献1:特開2000-101117)。
一般的に公知となっている、ラミネート装置による太陽電池パネルの製造方法では、チャンバの蓋部分となる真空容器の上部の内側に、ダイヤフラムと呼ばれるラバーシート(ダイヤフラム)を備え、チャンバの部屋部分となる真空容器下部の内側に、ヒータなどの発熱体を備えた構造となっている。ヒータなどの発熱体により、太陽電池の構成部品を加熱するとともに、真空発生器により、チャンバ内部を減圧することで、蓋部材とラバーシート間の膨張した空間により、ラバーシートが真空側に膨張する。それにより、加熱された太陽電池の積層された構成部品を、ラバーシートと加熱板(太陽電池パネル積層体を支持する部材)とにより挟み込んで圧縮する。この真空環境下の加熱工程で、太陽電池パネルの構成部品のひとつである、EVA(エチレン−ビニル−アセテート)と呼ばれる、シート状の封止接着樹脂(充填剤)を溶融し、架橋させる。このようなラミネート方法により、太陽電池パネルの構成部品(積層部品)を一体に接合して、太陽電池パネルが製造されている。
併せて、上記のような、一般的なラミネート方法、ならびにラミネート装置による製造方法のみでは、製造過程において、太陽電池パネルの構成部品として使用するガラスに、反りなどが生じて破損することや、製品の品質が安定しないなどの様々な課題が存在し、ダイヤフラムを用いた一般的なラミネート装置の構造のままでは解決できない。
この解決のために、ダイヤフラム方式を採用した、一般的なラミネート装置の構造を基本形として、多種多様な機構の改善、ならびに制御方法の改善などがなされている。
その一方で、太陽電池の種類は、結晶系シリコン太陽電池が9割近くを占める中で、シリコンに依存しない各種の薄膜系の太陽電池も製造され、実績が出始めている。中でもCIGS系太陽電池は、シリコンを使用しない薄膜化合物系の太陽電池であり、薄膜系の太陽電池の中ではモジュールの変換効率が高い部類に属している。また、製造工程数が結晶系シリコン太陽電池の半分程度であることなどから、低コストの太陽電池として期待されており、且つ環境負荷が小さいことも特徴となっている。さらには、経年変化がないことから長期信頼性に優れており、黒一色の色彩が屋根の外観に似合う、落ち着いた雰囲気であることも手伝い、市場が拡大して行くことが予想されている。
上記、CIGS系太陽電池は、上述の通り、太陽電池セル基板に、シリコンウェハを使用しておらず、基本的には、ソーダライムガラスに、蒸着もしくは硫化させることでCIGS膜を成膜している。このため、CIGS系太陽電池パネルの構成部品は、一面に薄膜を形成したセル基板となるガラス基板(表面側保護部材)と、裏面側の保護材(補強材)となる強化ガラス、並びにそれらの部材間に介在する封止接着樹脂(充填剤:例えばEVA樹脂)を主構成品としている。
一方、従来の一般的なラミネート装置では、表面の保護材となる強化ガラス、EVA樹脂などの第1層目の充填剤、セル基板、第2層目の充填剤、および柔軟な裏面用の保護シートなどを構成部品とする結晶系シリコン太陽電池パネルの製造を目的としている。
このダイヤフラム方式を採用した、ラミネート方法、ならびにラミネート装置では、多種多様な工夫を織込んだとしても、太陽電池パネルの一方がガラス、他方が柔軟なシートなどの材料を使用しなければならず(柔軟なシートは、太陽電池パネルとなるべき構成部品がラミネート工程でラバーシートにより加圧されるときの緩衝材として機能する)。したがって、ラミネートする太陽電池の構成部品が、表面材と裏面材の双方ともガラスなどの脆弱な材料であり、さらには、そのセル基板となるガラス基板の大きさの一辺が、1mを超えるCIGS系太陽電池パネルの製造に適することは容易ではない。
特開2000-101117
そもそも、太陽電池パネルの製造過程において、ラミネートのために、チャンバによる真空環境を生成するとともに、ダイヤフラム方式を用いて、ラバーシートの膨張により太陽電池パネルの構成部品を挟圧するラミネート方法は、表面材と裏面材に挟まれる充填剤や、セル基板の各々の間隙に残存気泡を発生させないことを目的としている。
太陽電池パネルはその利用の性質上、屋外に配置されるため、その温度が上昇する。残存気泡が発生すると、この温度上昇により、太陽電池パネル内部に残った気泡が膨張するため、密閉性が失われ、封止部分から雨水が浸入するなどの原因で劣化し、製品の性能や寿命に影響する。従来技術である、ダイヤフラム方式を採用したラミネート装置は、このことを防いでいると言える。
ところが、太陽電池パネルを製造する過程において、ラミネートのために、ダイヤフラム方式を用いること自体が、ラバーシートによる挟圧という、太陽電池パネルへのストレスを招く。このストレスは、CIGS系の太陽電池に代表されるような、ラミネートする太陽電池パネルの構成部品が、表面の保護材(セル基板など)と裏面の保護部材(補強部材)の双方ともにガラスなどの脆弱な材料を使用している太陽電池パネルでは致命的製造上の欠陥となる。
本発明では、CIGS系の太陽電池に代表されるような、ラミネートする太陽電池パネルの構成部品が、表面の保護部材と裏面の保護部材の双方ともにガラスなどの脆弱な材料を使用している太陽電池パネルにおいて、ダイヤフラム方式を用いることなく、残存気泡を発生させないラミネート方法、ならびに、その製造に適したラミネート装置を提供することを課題とする。ひいては、CIGS系などの太陽電池パネルにおいて、安定した品質の製品を生産し、且つ生産性を良好に保つことを目的とする。
[ラミネート方法について]
本発明の太陽電池パネル用のラミネート方法は、基本的には、次のように構成される。
i)太陽電池パネルの構成要素となる表面側及び裏面側の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂(充填剤)とを、この封止接着樹脂を加熱溶融、架橋させることにより一体に積層化させる太陽電池パネルのラミネート方法において、
(イ)前記保護部材の一方(例えば太陽電池パネルの裏面側の保護部材)を下側にしてその上に封止接着樹脂(例えば架橋剤を含むEVA樹脂)を載置し、前記保護部材の他方(例えば太陽電池パネルの表面側の保護部材)を上側にして封止接着樹脂の上方に封止接着樹脂から離すように保持してこの上側の保護部材と前記封止接着樹脂との間に間隙を維持し、この状態及び真空環境で、少なくとも、下側の保護部材を介して前記封止接着樹脂に融点以上の熱を与えて溶融させ、溶融時に前記封止接着樹脂から発生するガスを、前記間隙を通して放出させる工程と、
(ロ)このガス放出の後に溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させ且つこの上側の保護部材の上からの保持を解除する工程と、を有することを特徴とする太陽電池パネルのラミネート方法。
このラミネート方法は、表面側及び裏面側の保護部材の双方が、例えばガラスなどの脆弱な材料を使用する場合であっても、従来のようなラバーシート(ダイヤフラム)を使用せずにラミネートを可能にするので、加圧による保護部材の破損の発生がなく、且つ封止接着樹脂を溶融させる過程にて生じるガスを封止接着樹脂の上面と上側保護部材間の間隙を流路として放出(真空排気)させるので、残留気泡を太陽電池パネル内に発生させることがない。
前記封止接着樹脂は、加熱溶融前は、例えば、裏面側(下側)の保護部材の上面に直接、密着状態で載置されているので、裏面側の保護部材を加熱することによって、封止接着樹脂を下方から、直接的に溶融温度まで加熱することができる。このとき、封止接着樹脂と裏面側の保護部材との間は密着しているので、前記のガスなどの気体が滞留することなく、封止接着樹脂の開放上面、すなわち、封止接着樹脂とその樹脂溶融時に該樹脂から離れている表面側(上側)の保護部材との間隙を流路としてガスを放出させることができる。かようなガス放出は、真空環境下においてのみ可能なことであり、大気環境では、充填剤と裏面材との間が密着していても、ガスが滞留する現象が見られる。
溶融時のガス放出後に、下側(例えば裏面側)のみならず上側(例えば表面側)の双方の保護部材と封止接着樹脂が高い真空環境下で密着させることで、真空時の圧力と、大気圧との差圧による公式(*1)より、例え僅かな残存気泡が存在したとしても、残留気泡の大気圧での体積は、真空環境下での数千分の1に圧縮されるため、視認できる程度の小さな気泡は、消滅する。
(*1)ボイルの法則 : P=P (P:大気圧,V:大気圧での体積,P: 真空圧,V:真空環境下での体積)
上記(i)のラミネート方法には、次のような構成要件を含むようにしてもよい。
(ii)一つは、溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させる前記工程(ロ)では、前記上側の保護部材(例えば表面側保護部材)を、充填剤の架橋温度まで加熱してから前記封止接着樹脂に密着させてラミネートする。
前記上側の保護部材となる表面側の保護部材は、封止接着樹脂に密着する前に封止接着樹脂の架橋温度まで加熱しているため、この加熱により生じる放射熱によって、封止接着樹脂が上方からも間接的に、補助加熱することができて、封止接着樹脂が溶融温度に達するまでの時間は短縮される。封止接着樹脂を加熱溶融させるために、封止接着樹脂を上下(表裏面側)の保護部材を加熱して熱を与えても、すなわち、封止接着樹脂を、下側の保護部材を介して直接的に加熱し、上側保護部材から間隙を介して間接的に加熱しても、封止接着樹脂上面・上側保護部材間の間隙により封止接着樹脂からの発生ガスが放出されるので、下側保護部材(例えば裏面側保護部材)と封止接着樹脂の間が密着していても、真空環境下において、その間にガスが残留することはない。
封止接着樹脂は、溶融温度に達すると、その表面まで十分に溶融しており、さらに前記のガスなどの気体もほとんど放出されているので、上側保護部材(例えば表面側の保護部材)を封止接着樹脂に密着させると、双方の保護部材に挟み込まれた封止接着樹脂の表面には、前記のガスなどの気体が封じられることなく、封止接着樹脂の流動によって、保護部材を、気泡を発生することなく溶融接着樹脂に密着させることができる。
なお、上記例では、上側保護部材を表面側保護部材とし、下側保護部材を裏面側保護部材としたが、これに限定されず、上側保護部材を裏面側保護部材とし、下側保護部材を表面側保護部材としてもよい。
(iii)前記(ロ)の工程後に、(ハ)前記封止接着樹脂に前記上下の保護部材を密着させた状態で、双方の保護部材から前記封止接着樹脂をその架橋温度(一方の保護部材は、封止接着樹脂の溶融温度であってもよい)にて加熱する。例えば、封止接着樹脂がEVA樹脂である場合には、架橋剤が含有されるが、架橋温度は100℃以上であり、例えば130〜150℃の範囲で架橋反応を進行させる。ちなみにEVA樹脂の融点は、約80℃である。
(iv)前記(ロ)の工程にて溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させると同時に、前記真空環境を破壊して大気開放する。
前記ボイルの法則を利用して、残存気泡を消滅させる場合には、封止接着樹脂が架橋温度に達する前、または架橋が始まる前に、真空環境を破壊し、大気に開放する必要がある。また、その際、封止接着樹脂が流動できるように、上側の保持部材(例えば表面側の保持部材)を、上からの保持(例えばチャック機構を介しての保持)を解除して溶融接着樹脂に密着させる。
(v)前記(イ)の工程では、前記保護部材の他方を静電チャックで吸着して封止接着樹脂の上方に封止接着樹脂から離れるように保持し、
前記(ロ)の工程にて溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させる場合には、前記封止接着樹脂付きの前記下側の保護部材を、昇降機構を介して上昇させ且つ前記静電チャックによる前記上側の保護部材の保持を解除して行う。
[ラミネート装置について]
(vi)本願発明は、基本的には、太陽電池パネルの構成要素となる表面側及び裏面側の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂とを、この封止接着樹脂を加熱溶融、架橋させることにより一体に積層化させる太陽電池パネルのラミネート装置において、
真空ポンプを介して減圧により真空環境を生成することができるチャンバと、
太陽電池パネルの構成要素を前記チャンバ内で載置するための下側支持部材と、
前記下側支持部材に設けられたヒータと、
前記下側支持部材に対向する上側に配置され、前記太陽電池パネルの構成部品の前記保護部材うち最上層に位置する保護部材をもう一方の保護部材及びその上に配置される封止接着樹脂から離して保持し得るチャック機構と、
前記チャック機構に設けられたヒータと、
前記下側支持部材及び前記チャック機構を前記チャンバ内で相対的に昇降させる昇降機構と、
前記(i)から(v)のいずれかの工程を実行するために前記真空ポンプ、前記チャック機構、ヒータ及び前記昇降機構を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
例えば、本発明のラミネート装置では、10Pa(パスカル)程度まで、チャンバ内の気圧を減圧することができる。
この減圧による真空環境下において、チャック機構により、上側の保護部材(例えば表面側の保護部材)を、下側の保護部材(例えば裏面側の保護部材)及びその上に配置される封止接着樹脂から離して保持することで、下側の保護部材の加熱(或いはこれに加えて上側の保護部材を加熱してその放射熱による加熱)により封止接着樹脂を加熱溶融させた時に発生するガスなどの気体を、封止接着樹脂と上側の保護部材との間の開放空間(間隙)を流路として、滞留させることなく真空吸引により放出することができる。
さらには、前記、10Pa(パスカル)程度の真空環境と、約100,000Pa(パスカル)の大気圧の差圧によって、前記ボイルの法則によれば、たとえ、残存気泡が僅かに発生した場合でも、大気圧での体積は、真空環境下での1万分の1に圧縮される。
さらに、上記基本的な構成に加えて次のような構成要件を付加してもよい。
(vii)前記チャック機構は、真空環境下においても保持対象の前記保護部材を吸着することが可能なクーロン力を利用した静電チャックにより構成される。
(Viii)前記ヒータなどの発熱体を、複数枚に分割すれば、断線、破損、劣化などによる、発熱体のメンテナンスを容易にする。また、ヒータなどの発熱体を、複数枚に分割すれば、加熱時の発熱体の寸法変化による、締結部分への影響を軽減させることができる。
例えば、上側保護部材を水平に吊り下げるための静電チャックと、それにより吸着した上側保護部材を加熱するフィルムヒータを、アルミプレートを挟んで一体構成品としている。さらに、これらを1組として、複数組に分割して行列を組むことで、矩形に配置している。また、これらの1組1組は加熱、昇温による寸法変化、特に伸びを考慮して、1組の中央部のみを固定して、互いが伸びを考慮した、間隙を持って重なり、支持し合うように構成している。
前記の機構により、表面材を吸着しながら、加熱することができる。前記のフィルムヒータは、温度調節用の制御機器との組み合わせによって、加熱する温度を制御できるようになっている。また、複数組に分割していることにより、各々のフィルムヒータの温度設定ができるようになっており、温度分布を平準化することを可能としている。
(ix)前記静電チャックを複数に分割すれば、断線、破損、劣化などによる、吸着機構のメンテナンスを容易にする。
例えば、前記のようにヒータを複数に分割する場合において、静電チャックも分割されたヒータと組みにして、各々、分割することが可能である。
(x)前記制御装置は、前記チャック機構により保持された前記保護部材を溶融状態にある封止接着樹脂の一面に密着させるための前記昇降機構の移動量を、数値管理によりデジタル制御するようにしてもよい。このようにすれば、上側の保護部材を封止接着樹脂に密着させる時に、上側および下側の保護部材にかかるストレスを抑制できる。
(xi)前記昇降機構は、水平動作を垂直動作に変換するカム機構よりなる。
例えば、前記昇降機構を、水平に移動制御可能なカム板により構成し、このカム板に昇降移動可能な太陽電池パネルの構成部品を下側から支持する下側支持部材を嵌合させて、カム板の水平動作を下側支持部材の垂直動作に変換することで、太陽電池パネルの上下の保護部材を相対的に昇降させて上側の保護部材(例えば表面部材)を溶融状態の封止接着樹脂に密着させるための移動量を、チャンバ内の真空圧による吸引力などの影響を受け難くして制御することができる。
(xii)前記昇降機構は、その昇降動作を案内するガイドロッドを備え、前記太陽電池パネルの構成部品を支持する前記支持部材が水平の直交2軸方向に向けて形成されたV溝を有し、前記ガイドの上端は、前記支持部材を前記V溝のみで受けるようにしてもよい。
このようにすれば、昇降機構に加熱、昇温による寸法変化、特に伸びが生じたとしても、これをV溝のみで受けることで、加熱時の寸法変化による、昇降ガイド部分への影響を軽減することができる。
本発明によれば、太陽電池パネルの製造過程において、ラミネートするために封止接着樹脂を加熱して溶融させるときに、封止接着樹脂と太陽電池パネルの上側保護部材との間に間隙を設けてあるため、封止接着樹脂が加熱されることによって発生する、ガスなどの気体が、その間隙を流路として、真空発生器により吸引される。このことにより、気泡の原因となるガスなどの気体が、密着前に排気されるため、気泡の要因がなくなり、即ち、残存気泡を発生させることがない。残存気泡などの不良抑制は、生産性の向上に効果的であるとともに、製品の性能、寿命に好影響を与える。
また、本発明によれば、ダイヤフラム方式を採用した一般的なラミネート装置のように、ラバーシートにて太陽電池パネルの保護部材(例えばガラス板)を挟圧することがないので、ラミネートするときにストレスがかかる要因がなくなることから、ストレスを抑制することができる。製品へのストレス軽減による歩留まり向上は、生産性の向上に効果的であるとともに、内在するストレスによる、製品の性能、寿命への悪影響を回避することができる。
本発明のラミネート方法のラミネート適用対象の太陽電池パネルの一例を示す縦断面図。 本発明に係る太陽電池パネルのラミネート方法の実施例の概念を示す図。 本発明のラミネート装置の実施例に係る内部構成を示す正面図。 上記ラミネート装置の内部構成を覆うカバーを取付けた状態の外観図。 上記ラミネート装置における真空チャンバのフルサイズを示す平面図、正面図、左右側面図及びその一部部品を示す説明図。
本発明のラミネート方法のラミネート適用対象の太陽電池パネルは、例えば、裏面の保護部材となる強化ガラス1、封止接着樹脂(充填剤)となるEVAシート2、表面の保護部材で太陽電池の薄膜(例えばCIGS系薄膜)が内側に形成されるセルガラス基板3の積層体よりなる。本文中では、以下、裏面保護部材1、封止接着樹脂2、表面保護部材3を称する。これらの材質は、これに限定されるものではなく、機能的に同様のものであればよい。
ここで、本実施例に係るラミネート方法を、図2の実施例に係る工程に沿って説明する。
工程の説明前に、図2において、符号の4は、静電チャック(チャック機構)とフィルムヒータとを組み合わせた加熱ヘッドである。5は太陽電池パネルの構成部材を載置する下側支持部材となるヒータプレートであり、太陽電池パネルの構成部材を加熱するヒータを備えている。
ヒータプレート(下側支持部材)5と加熱ヘッド(ヒータ付きチャック機構)4とは、真空チャンバ6内で対向配置され、加熱ヘッド4に対してヒータプレート5は、図2では、図示されない昇降機構を介して相対的に上下移動(昇降動作)可能に配置されている。なお、ヒータプレート5の昇降に代えて、加熱ヘッド4をヒータプレート5に対して図示されない昇降機構を介して相対的に上下移動可能となるように配置してもよい。
本実施例では、加熱ヘッド4は、複数組の静電チャックとフィルムヒータとに分割されているが、これに限定されるものではなく、非分割のものであってもよい。ヒータプレート5についても、分割された構成でも非分割の構成でもよい。
図2において、静電チャックによる裏面保護部材3の吸着及びその解除動作や昇降機構によるヒータプレート5の昇降動作順序は、A、B、C、D、Eの順序となり、AとE、BとDの動作状態は共通する。ただし、加熱状態や真空状態は、順序に応じて異なる。
図2において、工程Aでは、太陽電池の構成部品である裏面保護部材(下側保護部材:例えば強化ガラス)1、封止接着樹脂(EVAシート)2、表面保護部材(上側保護部材:例えばセルガラス基板)3を重ねて、チャンバ6に搬入しヒータプレート5上に載置する。この状態では、まだ表面保護部材3は、封止接着樹脂2の上面に積み重ね状態で搭載されており、封止接着樹脂2と表面保護部材3の間は密着している。この状態でチャンバ6内部を10Pa程度の真空環境にする。
工程Bでは、加熱ヘッド4に表面保護部材3を吸着(保持)させるために、表面保護部材3の上面が加熱ヘッド4に接触するようヒータプレート5を上昇させている。この状態で、加熱ヘッド4の静電チャックを機能させることにより、表面保護部材3を加熱ヘッド4に吸着させ、その後、ヒータプレート5を元の位置に下降させると、裏面保護部材1及び封止接着樹脂2がヒータプレート5の下降動作に追従し、一方、表面保護部材3のみが、加熱ヘッド4に保持(吊持ち)されて、封止接着樹脂2から離れて、工程Cに示すように封止接着樹脂2の上方に間隙cを介して保持される。
この場合、もしヒータプレートに代えて、加熱ヘッド4側に昇降機構を設けた場合には、加熱ヘッド4に表面保護部材3を吸着(保持)させるために、表面保護部材3の上面に加熱ヘッド4が接触するよう加熱ヘッド4を下降させてもよい。そして、この状態で、加熱ヘッド4の静電チャックを機能させることにより、表面保護部材3を加熱ヘッド4に吸着させ、その後、加熱ヘッド4を元の位置に上昇させると、表面保護部材4が裏面保護部材1及び封止接着樹脂2から離れて加熱ヘッド4に保持(吊持ち)されて、工程Cに示すように封止接着樹脂2の上方に間隙cを介して保持することも可能である。
工程Cでは、上記のように封止接着剤2と表面保護部材3との間に間隙cを維持した状態で、封止接着樹脂2を、ヒータプレート5によって裏面保護部材1を介して溶融温度になるまで加熱し、また、表面保護部材3を封止接着剤2の架橋温度になるよう昇温する。この工程Cにより、真空環境下において、表面保護部材3を、裏面保護部材1及びその上に配置される封止接着樹脂2から離して保持することで、ヒータプレート5により封止接着樹脂2を加熱溶融させた時に発生するガスなどの気体を、封止接着樹脂2上面の開放空間(間隙c)を流路として、滞留させることなく真空吸引により外部に速やかに放出することができる。
その後に、工程Dによりヒータプレート5により封止接着樹脂2を、裏面保護部材1を介して溶融温度で加熱した状態(或いは架橋温度まで昇温してもよい)で、かつ表面保護部材3を封止接着樹脂2の架橋温度まで昇温させた状態で、昇降機構を介して表面保護部材3を溶融状態の封止接着樹脂2に密着させる。このとき、デジタル制御により、封止接着樹脂2に対する表面保護部材3の相対的移動量(昇降機構の移動量で、ヒータプレート5を昇降させる場合には、ヒータプレート5の上昇量、加熱ヘッド4を下降させる場合には、加熱ヘッド4の下降量)が指令値により与えられ、両保護部材における加圧などのストレスを抑制する。この工程において、裏面保護部材1、封止接着樹脂2、表面保護部材3の3者間を密着させた状態で封止接着樹脂2の架橋反応が進行し、加熱ヘッド4の静電チャック機能による静電吸着動作を止めて、加熱ヘッド4から表面保護部材3を放す(工程E)。これと同時に、チャンバ6の真空環境を破壊して、大気開放する。これにより、本文中のボイルの法則により、封止接着樹脂2と表面保護部材3の間にわずかな残留気泡が残存して場合でも、十分に小さい気泡であれば、消滅する。封止接着樹脂2の架橋反応が進行した状態でヒータを停止させ、封止接着樹脂2を冷却固化させる。このようにして、ラミネートが完了する。
また、工程Eにて、太陽電池パネルの構成部品1〜3のラミネートが完了して、チャンバ6から、太陽電池パネルの積層体を搬出する。
なお、上記実施例では、表面側の保護部材が一面にCIGS系の薄膜を形成したセルガラス基板であり、前記裏面側の保護部材が強化ガラスである太陽電池パネルを例示したが、これに限定されるものではなく、構成部材として、表面及び裏面の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂(充填剤)とを備える積層体であれば、その種類を限定するものではない。たとえば、構成部材として、表面及び裏面の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂(充填剤)とを備える積層体であれば、その種類を限定するものではない。例えば、表面側保護部材が一面にアモルファスの薄膜を形成したセルガラス基板であり、裏面側保護部材が難燃性の樹脂シートからなるバックシート(例えばETFE(熱可塑性フッ素樹脂))であってもよい。
図3−1は、上記ラミネート方法を実行するラミネート装置の一例を示す内部構造図である。既述した加熱ヘッド4は、静電チャック10がプレート11に耐熱性の接着材により貼付けられ、フィルムヒータ12は、プレート11とプレート13により挟み込まれて、加熱ヘッド4を形成している。
加熱ヘッド4は、ボルト14により、フレーム15に締結されており、図のごとく、中央部分のみで締結されているため、ヒータ12の温度上昇による、加熱ヘッド4のプレート11や13の伸びの影響を受けにくくなっている。フルサイズのラミネータ装置では、この一体となった加熱ヘッド4が行列に格子状に配列されており、プレート13に設けられている、凹凸状の辺により、互いに支持する構造となっている。
同じく、図3−1において、ヒータプレート5は、昇降機構の中央のガイド17と四方配置のガイド19により支持されている。このヒータプレート5の下面には、ヒータプレート5の四方位置に設けた各水平直交の2軸方向のV溝ガイド18が設けられ、このV溝ガイド18にガイドロッド19の中心先端19aが嵌合することにより、ヒータプレート5がガイド19により支持されている。このV溝のガイド形状は中心部分から2軸方向に延びる溝であるが、放射状に溝であってもよい。このV溝ガイドとガイドロッド中心線端19aの嵌合により、ヒータプレート5の発熱による、伸びなどの寸法変化の影響を軽減している。
ヒータプレート5を昇降させるための昇降機構の構成は次の通りである。
手回しハンドル20には、ボールネジ(図示なし)が連結されており、ボールネジの回転により水平方向(図3−1の紙面と垂直方向)に直線動作する直動ガイド21によって、斜板の板カム22が直動案内され、水平方向に移動するようになっている。斜板の板カム22は、直動ガイド21に配設されており、カムフォロア23と連結されている。カムフォロア23は昇降プレート24と連結されているため、ガイド21を案内として、水平方向に板カム22が移動すると、板カム22の直線的に傾斜しているカム溝に案内されて、カムフォロア23に駆動が伝達される。カムフォロア23は、昇降プレート24を介して、四方ガイド19により案内されるため、垂直方向への動作に変換される。これを昇降機構として、チャンバ25内のヒータプレート5に駆動を伝えている。
なお、図3−1中の構成部品10,11,12,13が、図2の加熱ヘッド4に該当する。
図3−1中、構成部品19,20,21,22,23,24が、図2のヒータプレート5のための昇降機構の駆動部に該当する。
図3−1において、昇降機構の駆動源は、手回しハンドルとしているが、フルサイズのラミネート装置では、単軸のロボットモジュールを配設し、数値制御によるデジタル制御を可能としている。
図3−2において、Vフック 26は、チャンバ25内において、フレーム15を吊り下げる部品となっており、フレーム15の四辺中央に配設されているピン27を受けて、フレーム15を吊り下げている。四辺に設けられたピンを、V溝形状で受けることにより、昇降機構と同様に、中央部分のボルト14が基準となるようにしている。これは、フレーム15が熱影響をうけないように、加熱ヘッドとの間に断熱材 28を配設しているが、伸びた場合を想定した機構である。
同じく、図3−2において、蓋29は、チャンバ25の両側面に配設してあり、材質は強化ガラスを採用している。強化ガラスを採用した目的は、チャンバ25内部における、充填剤の性状変化を監視することにある。蓋29は、パチン錠30により固定されており、この部分が容易に開閉できる構造となっている。パチン錠30による固定を外して、蓋29を開けることにより、チャンバ25(図2のチャンバ6相当)内部に、ラミネートする部品を投入することが可能となる。
同じく、図3−2において、上部ガラス 31、前面ガラス 32は、蓋29と同様に強化ガラスを採用しており、目的も同様である。蓋29と、上部ガラス31により外部からの明かりも取り入れられて、視認性も向上する。さらには、多角的に、視点を多くすることが出来る。この、コンパクトサイズのラミネータ装置は、太陽電池パネルの製造における、ラミネータ装置の実験機として最適と言える。
また、同じく、図3−2において、真空配管 33は、真空発生器と接続する配管部品である。
図4は、太陽電池パネルサイズ、1.1m×1.4mとした、フルサイズのラミネート装置の一例であり、太陽電池パネルの構成部品の搬送は、搬送ローラ 40にて搬送する。搬入側シャッター 41ならびに搬出側シャッタ 42の開閉を空気圧機器やモータまたは油圧機器などを駆動源として、自動化することもできる。その場合、41に隣接して、搬入コンベア、42に隣接して、搬出コンベアなどを設置することが望ましい。
他の部分の構造は、コンパクトサイズのラミネータ装置を大型化したものである。但し、コンパクトサイズのラミネータ装置においては、昇降機構に駆動源を具備しておらず、手回しハンドルとしているが、このフルサイズのラミネート装置では、単軸のロボットモジュールを配設し、数値制御によるデジタル制御を可能としている。
[実施例の効果]
本実施例によれば、次のような効果を奏する。
(1)太陽電池パネルの製造過程において、ラミネートするために封止接着樹脂を加熱して溶融させるときに、封止接着樹脂と太陽電池パネルの上側保護部材との間に間隙を設けてあるため、封止接着樹脂が加熱されることによって発生する、ガスなどの気体が、その間隙を流路として、真空発生器により吸引される。このことにより、気泡の原因となるガスなどの気体が、密着前に排気されるため、気泡の要因がなくなり、即ち、残存気泡を発生させることがない。残存気泡などの不良抑制は、生産性の向上に効果的であるとともに、製品の性能、寿命に好影響を与える。
(2)チャンバ内の真空圧を10Pa程度の真空環境としているため、たとえ、密着時に小さな気泡を巻き込んだとしても、ボイルの法則から、大気圧での体積は、真空環境下での1万分の1程度に圧縮されることから、残存気泡を発生させることがない。残存気泡などの不良抑制は、生産性の向上に効果的であるとともに、製品の性能、寿命に好影響を与える。
(3)太陽電池パネルを積層した状態での架橋工程では、残存気泡が発生しないため、ダイヤフラム方式を採用した一般的なラミネート装置のように、気泡を消散させるための、実質的な加圧時間が不要となるため、ダイヤフラム方式を採用したラミネート装置と比較して、ラミネート工程にかかる時間を短縮することができる。時間短縮は、生産性の向上に効果的である。さらには、同じ生産量で比較すると、装置の設置面積、あるいは、装置の設置高さにおいて、小型化することができるため、工場体積当たりの生産性が向上するとともに、保全性が向上する。
(4)ダイヤフラム方式を採用した一般的なラミネート装置のように、ラバーシートにて挟圧することがないので、ラミネートするときにストレスがかかる要因がなくなることから、ストレスを抑制することができる。製品へのストレス軽減による歩留まり向上は、生産性の向上に効果的であるとともに、内在するストレスによる、製品の性能、寿命への悪影響を回避することができる。
(5)表面保護部材と、封止接着樹脂および裏面保護部材を密着させるための、昇降機構の移動量を、数値管理によりデジタル制御できるようになっているため、ラミネートにおける、充填剤の厚みを均一化することが可能になる。充填剤の厚みの均一化は、内在するストレスによる、製品の性能、寿命への悪影響を回避することができる。
(6)ダイヤフラム方式のラミネート装置のように、膨張、収縮ならびに冷熱を繰り返す、ラバーシートを使用していないため、劣化による交換などを必要としない。定期交換する消耗品がないため、交換時間が不要となり、生産性が向上するとともに、保全性が向上する。
1…裏面側の保護部材(強化ガラス)、2…封止接着樹脂、3…表面側の保護部材(セルガラス基板)、4…支持部材(チャック機構)、5…ヒータプレート、6…真空チャンバ。

Claims (16)

  1. 太陽電池パネルの構成要素となる表面側及び裏面側の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂とを、この封止接着樹脂を加熱溶融、架橋させることにより一体に積層化させる太陽電池パネルのラミネート方法において、
    (イ)前記保護部材の一方を下側にしてその上に封止接着樹脂を載置し、前記保護部材の他方を上側にして封止接着樹脂の上方に封止接着樹脂から離すように保持してこの上側の保護部材と前記封止接着樹脂との間に間隙を維持し、この状態及び真空環境で、少なくとも、下側の保護部材を介して前記封止接着樹脂に融点以上の熱を与えて溶融させ、溶融時に前記封止接着樹脂から発生するガスを、前記間隙を通して放出させる工程と、
    (ロ)このガス放出の後に溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させ且つこの上側の保護部材の上からの保持を解除する工程と、を有することを特徴とする太陽電池パネルのラミネート方法。
  2. 請求項1記載のラミネート方法において、溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させる前記工程(ロ)では、前記上側の保護部材を、前記封止接着樹脂の架橋温度まで加熱してから前記封止接着樹脂に密着させてラミネートする太陽電池パネルのラミネート方法。
  3. 請求項1又は2記載のラミネート方法において、前記下側の保護部材が太陽電池パネルの裏面側の保護部材で、前記上側の保護部材が表面側の保護部材である太陽電池パネルのラミネート方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のラミネート方法において、前記封止接着樹脂に融点以上の熱を与えて溶融させる工程では、前記下側の保護部材を加熱して該部材を介して前記封止接着樹脂に直接熱を与えるのに加えて、前記封止接着樹脂から離してある前記上側の保護部材も加熱して、この上側の保護部材からの放射熱によって、前記接着封止接着樹脂を上方からも間接的に補助加熱する太陽電池パネルのラミネート方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載のラミネート方法において、前記(ロ)の工程後に、
    (ハ)前記封止接着樹脂に前記上下の保護部材を密着させた状態で、双方の保護部材から前記封止接着樹脂をその架橋温度にて加熱して、ラミネートする工程を有する太陽電池パネルのラミネート方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載のラミネート方法において、
    前記(ロ)の工程にて溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させると同時に、前記真空環境を破壊して大気開放する太陽電池パネルのラミネート方法。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか1項記載のラミネート方法において、
    前記(イ)の工程では、前記保護部材の他方を静電チャックで吸着して封止接着樹脂の上方に封止接着樹脂から離れるように保持し、
    前記(ロ)の工程にて溶融状態にある前記封止接着樹脂に前記上側の保護部材を密着させる場合には、前記封止接着樹脂付きの前記下側の保護部材を、昇降機構を介して上昇させ且つ前記静電チャックによる前記上側の保護部材の保持を解除して行う太陽電池パネルのラミネート方法。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれか1項記載のラミネート方法において、
    前記表面側保護部材が一面にCIGS系の薄膜を形成したセルガラス基板であり、前記裏面側保護部材が強化ガラスである太陽電池パネルのラミネート方法。
  9. 前記請求項1ないし7のいずれか1項記載のラミネート方法において、
    前記表面側保護部材が一面にアモルファスの薄膜を形成したセルガラス基板であり、前記裏面側保護部材が難燃性の樹脂シートからなるバックシートである太陽電池パネルのラミネート方法。
  10. 太陽電池パネルの構成要素となる表面側及び裏面側の保護部材と、それらの保護部材間に介在する封止接着樹脂とを、この封止接着樹脂を加熱溶融、架橋させることにより一体に積層化させる太陽電池パネルのラミネート装置において、
    真空ポンプを介して減圧により真空環境を生成することができるチャンバと、
    太陽電池パネルの構成要素を前記チャンバ内で載置するための下側支持部材と、
    前記下側支持部材に設けられたヒータと、
    前記下側支持部材に対向する上側に配置され、前記太陽電池パネルの構成部品の前記保護部材うち最上層に位置する保護部材をもう一方の保護部材及びその上に配置される封止接着樹脂から離して保持し得るチャック機構と、
    前記チャック機構に設けられたヒータと、
    前記下側支持部材及び前記チャック機構を前記チャンバ内で相対的に昇降させる昇降機構と、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の工程を実行するために前記真空ポンプ、前記チャック機構、ヒータ及び前記昇降機構を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  11. 請求項10に記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記チャック機構は、真空環境下においても保持対象の前記保護部材を吸着することが可能なクーロン力を利用した静電チャックである太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  12. 請求項10又は11に記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記ヒータなどの発熱体を、複数枚に分割してなる太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  13. 請求項10ないし12のいずれか1項記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記静電チャックを複数に分割してなる太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  14. 請求項10ないし13のいずれか1項記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記制御装置は、前記チャック機構により保持された前記保護部材を溶融状態にある封止接着樹脂の一面に密着させるための前記昇降機構の移動量を、数値管理によりデジタル制御する太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  15. 請求項10ないし14のいずれか1項記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記昇降機構は、水平動作を垂直動作に変換するカム機構よりなる太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
  16. 請求項10ないし15のいずれか1項記載の太陽電池パネル製造用のラミネート装置において、
    前記昇降機構は、その昇降動作を案内するガイドロッドを備え、前記太陽電池パネルの構成部品を支持する前記支持部材が水平の直交2軸方向に向けて形成されたV溝を有し、前記ガイドロッドの上端は、前記支持部材を前記V溝のみで受けるようにした太陽電池パネル製造用のラミネート装置。
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