JP5033705B2 - 光アイソレータ用積層体の製造方法 - Google Patents
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しかし、接着剤を用いるために、接着層の厚さムラや、接合界面に気泡が介在するといったことが発生する。このため、光アイソレータの挿入損失や消光性能が劣化することがあった。
しかし、現実的には、11mm角以上の大きさのファラデー素子を研磨加工すると平均として0.6μm/mm、最大で1.5μm/mmの反りが発生し、また0.2mm厚の偏光ガラスでは0.1μm/mm程度の反りがある。
また、接着剤の厚さが大きく変動するときは、往々にして気泡を巻き込んでいることが多く、気泡が介在したチップ状素子は光アイソレータの特性が劣化することより、歩留まりが低下するという不利益が発生する。
これを利用して、偏光ガラスの光透過方向の厚さをtp、光透過面の短辺の長さをTpとしたときに、4.5×10−3<tp/Tp<10−2の関係を満たすものとすることによって、接着剤を介して貼り付けると偏光ガラスはファラデー素子に沿うように変形させることができる。この結果、従来は接着剤の厚さが不均一であったり、接着層に気泡が介在していた不具合を無くすことが可能となる。また、偏光ガラスに掛かる歪みを小さくすることができる。従って、このような光アイソレータ用積層体を用いて光アイソレータを作製した場合、挿入損失や消光性能が劣化することを抑制することができる。
このように、偏光ガラスの光透過方向の厚さを、50μm以上150μm以下とすることによって、より偏光ガラスがファラデー素子に沿うように接着したものとすることができるとともに所望特性を発揮できるため、光アイソレータとした場合に、挿入損失や消光性能が劣化することをより抑制することができる。
上述のような、ファラデー素子と偏光ガラスとで構成された積層体を用いて作製された光アイソレータ用積層体は、接着層の厚さバラツキや気泡状の介在物をほとんど含まないものであるため、これを切断したものを用いて作製された光アイソレータは、特性が安定しており、また非常に良好な値を示すものとなっている。
前述のように、安定した特性を示す光アイソレータの開発が待たれていた。
具体的には、偏光ガラスの光透過方向の厚さをtp、光透過面の短辺の長さをTpとした時に、tp、Tpが4.5×10−3<tp/Tp<10−2の関係を満たすように偏光ガラスをファラデー素子の形状に倣うように変形させて偏光ガラスとファラデー素子とで構成される積層体を形成する。このようにすると、偏光ガラスはファラデー素子の反りに倣うように変形するため、接着剤の厚さムラがほとんど見られない光アイソレータ用積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の光アイソレータ用積層体10は、少なくとも、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子12と、該ファラデー素子12の光透過面の両側に、接着層13を介して光透過面で貼り合わされた偏光ガラス11からなるものである。
そして、偏光ガラス11は、光透過方向の厚さをtp、光透過面の辺の長さa、bのうち短い方の辺の長さをTpとしたときに、4.5×10−3<tp/Tp<10−2の関係を満たすものである。
このように、偏光ガラスの光透過方向の厚さtpが、50μm以上150μm以下であれば、偏光ガラスが、よりファラデー素子に沿うように接着したものとすることができる。このため、光アイソレータとした時に、より挿入損失や消光性能が劣化することを抑制することができる。また、このような厚さを有すれば、偏光ガラスとしての所望の特性を奏することができる。
前述のように、本発明の光アイソレータ用積層体は接着層の厚さバラツキや気泡状の介在物をほとんど含まないものであるので、このような光アイソレータ用積層体を切断したものを用いて作製された光アイソレータは、光アイソレータ特性が非常に良好かつ安定したものとすることができる。
まず、少なくとも偏光ガラス11を2枚、ファラデー素子12を1つ準備する。
このように厚さを調整した偏光ガラスを、研磨による歪みによって発生した反りを解消するために、より望ましくは、水素を含む雰囲気で、350〜400℃で50〜100時間加熱処理を行う。
このようにして作製した光アイソレータ用積層体は、前述のように、接着層の厚みムラや気泡状の介在物をほとんど含まないものである。加えて、ファラデー素子に貼り付けられた偏光ガラスにかかる歪が小さいものであるので、光アイソレータとした時に挿入損失や消光性能が劣化することを抑制することができるものとなっている。
(実施例1−6、比較例1−4)
まず、偏波方向が45°異なる2種類の金属分散型偏光ガラス基材を用意した。準備した偏光ガラスは、短辺の長さが15mmのものを7枚×2種類、11mmのものを3枚×2種類準備した。
そして準備した金属分散型偏光ガラス基材の光挿入損失、消光性能、反りを評価した。その結果、光挿入損失の値は0.03dB〜0.06dB、消光性能は、中心波長で44dB〜52dB、反りは平均1.5μm(1μm/mm)、最大2μm(1.3μm/mm)であった。
このとき、研磨時間を変えることで金属分散型偏光ガラス板の厚さを後述する表1、表2に記載したような厚さになるよう調整した。なお、金属分散型偏光ガラス板の厚さが50μ未満になると通常のピンセットで取り扱うことは無理であった。また、真空ピンセットで取り出しても、その後の貼り合わせ工程でワレが生じた。
基準面となるシリコンウェハー上に、予め厚みが既知の金属片を置き、顕微鏡付随のダイアルを校正した後、金属分散型偏光ガラスをシリコンウェハー上にセットして、a1:シリコンウェハー上面の位置、a2:偏光ガラス上面の位置を測定し、a2−a1=Aを求める。
次に、金属分散型偏光ガラスを裏返して、同様に、b1:シリコンウェハー上面の位置、b2:偏光ガラス上面の位置を測定し、b2−b1=Bを求める。
そして、A−Bの値を計算した。この値が反りの値となる。また、異なる大きさの試料を比較するため、試料の単位長さ当たりの反りを求めた。
そしてこのチップ状素子の断面を顕微鏡で観察し、接着剤の厚さを測定し、最大値と最小値を求めた。また、光が通る方向から接着層の状態を観察し、気泡状介在物の有無を確認した。
そして作製した光アイソレータの、光挿入損失と消光性能を評価し、特性が一番悪いものの値を表1、表2に示した。
そして、挿入損失は最大でも0.14dB、また消光比も最小で39dB、最大45dBと非常に良好な値であることが分かった。
Claims (2)
- 少なくとも、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子と、該ファラデー素子の光透過面の両側に接着層を介して光透過面で貼り合わされた偏光ガラスからなる積層体を製造する方法であって、
前記偏光ガラスの光透過方向の厚さをtp、光透過面の短辺の長さをTpとしたときに、前記tp、Tpが4.5×10−3<tp/Tp<10−2の関係を満たす前記偏光ガラスとした後に水素を含む雰囲気で加熱処理を行い、その後貼り合わすことで前記積層体を製造することを特徴とする光アイソレータ用積層体の製造方法。 - 前記偏光ガラスの光透過方向の厚さtpが、50μm以上150μm以下である前記偏光ガラスとした後に貼り合わすことを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ用積層体の製造方法。
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