JP2012098572A - 光アイソレータ用積層体、その製造方法及び光アイソレータ - Google Patents

光アイソレータ用積層体、その製造方法及び光アイソレータ Download PDF

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Abstract

【課題】偏光ガラス母材を貼り合わせた場合でも、光透過面の面内における消光比の劣化が小さい光アイソレータ用積層体、その製造方法、及び光アイソレータを提供する。
【解決手段】ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して、偏光ガラス母材を光透過面で貼り合わせて積層体を製造する方法であって、偏光ガラス母材の作製時の延伸方向の上下を予め調べ、偏光ガラス母材同士の調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置するように貼り合わせて光アイソレータ用積層体を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ等と組み合わせて使用される高性能な光アイソレータ用積層体、その製造方法及び光アイソレータに関する。
半導体レーザ等と組み合わせて使用される光アイソレータは、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子の両側に偏光ガラスを接着剤等で接合した構造が一般的に用いられている。
この構造を持つ光アイソレータは、例えば、偏光ガラス2枚と、ファラデー素子(回転子)とを、偏光ガラスの偏波方向45度付近で消光比が最大となる方向で貼り合わせた積層体(貼り合わせ体)から、0.5mm×0.6mm、厚さ1.0mmの直方体形状のチップ状素子を切り出し、これを磁石と組み合わせることで製造される。
このような積層体から切り出されたチップ状素子を用いる構造の光アイソレータは、偏光ガラス、ファラデー素子を別々に固定する構成と比較して、低コストにできるという利点がある。
積層体を構成する偏光ガラスとしては、還元された金属粒子を含有する構造のものが一般に使われている。
このような偏光ガラスの元となる母材は、特許文献1に記載されているように、バッチ溶融、銀凝縮、延伸、還元で作製され、この後、偏光ガラス母材より切出し、ラップ、研磨工程を経て偏光ガラスが得られる。これらの工程により、一定方向に偏光軸が形成され、偏光ガラスは偏光性能を有する。
特表2006−511834号公報 特開2009−134131号公報
しかし、偏光ガラスの構成成分である金属粒子の偏光軸は、上記のように一定方向に形成されるが、特許文献2の[0007]段落に記載されているように、8mm×8mmの正方形シートの面内でその角度を測定すると、傾き角度が約0.35度と大きな値を示す部分も形成される。
この大きな偏光軸の傾斜が形成された8mm角以上の大きさの偏光ガラス母材を、ファラデー素子に接着剤で中央部の消光比を測定しながら貼り合わせると、基準にした中央部では消光比は約40dBと大きな値を示すが、端部では30dB程度まで劣化するという問題が生じる。
特許文献2では、この問題を解決するために、偏光ガラス母材より複数個の偏光子チップ母材を切り出し、さらにこの偏光子チップ母材より、偏光軸の傾き方向に沿って切り出して多数個の偏光子を製造する方法が開示されている。
しかし、特許文献2に記載の方法では、特許文献2の図3に記載のようなファラデー素子と偏光ガラスとが独立した構成の光アイソレータを製造することはできるが、現在、一般的に使われているチップサイズ0.5mm×0.6mmといった非常に小型の構造体では、0.5mm×0.6mmの大きさの偏光子同士を消光比が最大となる角度で接着剤を用いて貼り合わせる必要があり、多くの手間がかかるために、小型の光アイソレータの製造方法としては不向きである。これは、特許文献2に記載の方法では、偏光軸の傾斜を回避するために、目的とする光アイソレータの大きさにまで偏光ガラス母材を小さく切断してから、角度調整して貼り合わせているためである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、偏光ガラス母材を貼り合わせた場合でも、光透過面の面内における消光比の劣化が小さい光アイソレータ用積層体、その製造方法、及び光アイソレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して、偏光ガラス母材を光透過面で貼り合わせて積層体を製造する方法であって、少なくとも、前記偏光ガラス母材の作製時の延伸方向の上下を予め調べ、前記偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わせることを特徴とする光アイソレータ用積層体の製造方法を提供する。
このように、偏光ガラス母材の作製時の延伸方向の上下を予め調べることで、貼り合わせる偏光ガラス母材の偏光軸の傾きの傾向を調べることができる。そして、偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わせることで、偏光ガラス母材同士の偏光軸の傾き傾向が同じ貼り合わせ向きで所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わせることができるため、積層体の中央部と端部での偏光軸の配置が、上記所定の回転角度から大きく外れることを防止できる。このため、光透過面における偏光軸のばらつき低減のために偏光ガラス母材を小さく切り出して貼り合わせる必要が無く、面内で消光比の劣化がほとんど無いので、光アイソレータを生産性良く作製可能な積層体を製造できる。
このとき、前記偏光ガラス母材として、前記光透過面が8mm角以上の大きさのものを用いることが好ましい。
このように、偏光ガラス母材として、光透過面が8mm角以上の大きさのものを用いることで、多数の光アイソレータを作製するための積層体の貼り合わせ作業時間が大きく低減され、本発明であれば上記大きさの偏光ガラス母材を用いても消光比の劣化が小さいため、高品質の光アイソレータをより生産性良く作製可能な積層体を製造できる。
このとき、前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わせる際に、前記偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の前記延伸方向を前記所定の回転角度ずらして貼り合わせることができる。
このように、偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わせる際に、偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材同士の延伸方向を所定の回転角度ずらして貼り合わせることで、偏光ガラス母材同士の偏光軸を、消光比を大きくするために所定の角度でずらす場合にも、本発明であれば、積層体の面内において、端部でも偏光軸が当該所定のずらす回転角度から大きく外れることを抑制できる。
このとき、前記貼り合わす際に前記偏光ガラス母材同士の偏光軸をずらす回転角度を、45度とすることが好ましい。
このように、偏光ガラス母材同士の偏光軸をずらす回転角度を、45度とすることで、消光比が最大となり、より高品質の光アイソレータ用積層体を製造できる。
また、本発明は、少なくとも、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子と、該ファラデー素子の光透過面の両側に接着層を介して光透過面で貼り合わされた偏光ガラス母材とからなる積層体であって、前記偏光ガラス母材の光透過面の大きさが8mm角以上で、該光透過面の8mm角の面内において最も傾斜している偏光軸の傾斜角度が0.35度以上であり、前記積層体の中央部と端部における消光比の差が5dB以下となるように前記偏光ガラス母材が貼り合わされたものであることを特徴とする光アイソレータ用積層体を提供する。
このように、本発明の積層体において、偏光ガラス母材の光透過面の大きさが8mm角以上で、該光透過面の8mm角の面内において最も傾斜している偏光軸の傾斜角度が0.35度以上であり、積層体の中央部と端部における消光比の差が5dB以下となるように偏光ガラス母材が貼り合わされたものであれば、当該積層体から、消光比の優劣差の小さい多数の光アイソレータを切り出すことができ、生産性良く高品質の光アイソレータを作製できる積層体となる。
このとき、前記偏光ガラス母材が、該偏光ガラス母材同士の作製時の延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わされたものであることが好ましい。
このように、偏光ガラス母材が、該偏光ガラス母材同士の作製時の延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わされたものであれば、確実に面内で消光比の優劣差の少ない積層体となる。
このとき、前記偏光ガラス母材が、前記ファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が回転角度45度ずれた配置となるように貼り合わされたものであることが好ましい。
このように、偏光ガラス母材が、ファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して偏光ガラス母材同士の偏光軸が回転角度45度ずれた配置となるように貼り合わされたものであれば、消光比が最大になり、より高品質の光アイソレータ用積層体となる。
また、本発明の光アイソレータ用積層体を切断して作製されたものであることを特徴とする光アイソレータを提供する。
本発明の光アイソレータ用積層体を切断して作製されたものであれば、低コストで高品質の光アイソレータとなる。
以上のように、本発明によれば、例えば光透過面の大きさが8mm角以上の偏光ガラス母材を貼り合わせた場合でも、偏光ガラス母材同士の偏光軸を正確に所定の配置とすることができ、面内で消光比の優劣差が小さい積層体を製造できるため、当該積層体から、消光比の高い、高品質の光アイソレータを生産性良く作製することができる。
本発明の光アイソレータ用積層体の製造方法により貼り合わされた光アイソレータ用積層体の貼り合わされた状態を示す概略図である。 図1とは逆向きに偏光ガラス母材を貼り合わせた光アイソレータ用積層体の貼り合わされた状態を示す概略図である。 偏光ガラス母材の面内での偏光軸の一例を示す概略図である。 本発明の光アイソレータ用積層体の実施態様の一例を示す概略図である。 偏光ガラス母材の偏光軸マップと、その面内における消光比を示す表である。
偏光ガラスをファラデー素子に貼り合わせて光アイソレータ用積層体を製造する際、偏光ガラス同士の偏光軸の角度が所定の配置から外れてしまい、消光比の劣化部分が形成されてしまうという問題があった。
これに対して、偏光ガラスを偏光軸の傾きに合わせて小さく切り出してから貼り合わせる方法もあるが、この方法では、貼り合わせの工程が切り出した分だけ増えてしまい、生産性が大きく悪化してしまう。
従って、偏光軸の分布を持つ偏光ガラス母材のままで用いても、安定した特性を示す光アイソレータ用積層体の開発が待たれていた。
そこで、本発明者は、光アイソレータの性能を劣化させる偏光ガラスの偏光軸について、その製造方法から調査を行った。
偏光ガラスの偏光性能は、母材作製時の延伸工程で、金属粒子である銀粒子を含有した母材を、ガラスのアニール点より高く、かつ、軟化点より低い温度で延伸させると、大きな応力により、金属粒子の配列方向が揃うことで発揮される。
しかしながら、延伸時の応力の分布が均一にならないため、偏光軸は偏光ガラス母材の面内でばらつきが生じる。
本発明者は、15mm角の光透過面を有する大面積の偏光ガラス母材を用いて、面内での偏光軸のばらつきに起因する消光比の劣化を調べるため、特定の方向、つまり、偏光ガラス母材の中央部で消光性能が最大となる方向の偏光を、当該偏光ガラス母材に入射させて消光比を丹念に測定した。偏光ガラス母材の面内での偏光軸マップと、測定した消光比を図5に示す。
この結果、図5の表に示すように、大きさ15mm角の偏光ガラスでは中央部の消光比は51dBを示したが、X方向の中央部から端部にかけて次第に消光比が劣化し、端部では44dBとなった。ただ、上記測定方向と直交する方向(Y方向)での測定値は、中央部から端部にかけて消光比の劣化はほとんど無く、端部での消光比が50dBと劣化がほとんど観察されなかった。
以上より、特定の方向では劣化が見られるが、その方向と直交する方向ではほとんど劣化が見られないという結果となった。
これは、偏光ガラスの延伸方向が特定の一方向で行われ、この延伸方向にのみ大きな応力が加わるが、応力の大きさが延伸方向では大きさに変化がないものの、延伸方向に垂直な方向で分布があるため、この方向に関しては金属(例えば銀)粒子の配向が完全に揃わず、中央部から端部にかけて次第に偏光軸の傾斜が生じるものと考えられる。
以上のような知見を基に、本発明者は、以下のような本発明を完成させた。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の光アイソレータ用積層体の製造方法により貼り合わされた光アイソレータ用積層体の貼り合わされた状態を示す概略図である。図2は、光アイソレータ用積層体の図1とは逆向きに貼り合わされた状態を示す概略図である。図3は、偏光ガラス母材の面内での偏光軸の一例を示す概略図である。図4は、本発明の光アイソレータ用積層体の実施態様の一例を示す概略図である。
本発明は、図4に示すような、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子13の光透過面の両側に、接着層14を介して、偏光ガラス母材11,12を光透過面で貼り合わせて積層体10を製造する方法であって、偏光ガラス母材11,12の作製時の延伸方向の上下を予め調べ、偏光ガラス母材11,12同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、図1に示すように偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わせる光アイソレータ用積層体10の製造方法である。
貼り合わせた際の偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16を、図1に示すように、例えば45度ずれた配置となるように貼り合わせる場合には、中央部の偏光軸15,16が当該45度ずれた配置となるように貼り合わせる。この場合、本発明の方法で、図1に示すように、偏光ガラス母材11、12の延伸方向の上下を一致させた状態を基準に貼り合わすことで、偏光軸15,16の傾きの傾向が同じである向きが貼り合わせの基準となる。このように、偏光軸15,16の傾き傾向が同じ向きを基準に回転角度45度ずらすため、偏光ガラス母材12の偏光軸15と偏光ガラス母材11の偏光軸16が、積層体10の端部においてもほぼ45度ずれた配置にされる。
例えば、偏光ガラス母材11,12の延伸方向の上下を逆にした位置を基準に貼り合わせた場合(偏光ガラス母材11を図1の状態から180度回転させた場合)、図2に示すような偏光軸15’,16’の配置となる。この場合、偏光軸15’,16’の傾き傾向が逆であるため、偏光軸15’,16’が積層体10’の中央部では45度ずれた配置とされるが、端部にいくほど回転角度45度ずれた配置から外れていき、これが端部における消光比の劣化の原因となる。このため、本発明の方法で貼り合わせることで、偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16の配置を、中央部と端部でほとんど差が無いように所望の配置とすることができる。
従って、本発明で製造される積層体10は、中央部と端部で消光比の差が生じず、例えば、偏光軸15,16のような傾きを有する光透過面が8mm角以上の大きさの偏光ガラス母材11,12を用いた場合でも、面内均一に高い消光比を示す積層体10を製造できる。このため、当該積層体10から高品質の光アイソレータを多数切り出すことができ、光アイソレータの生産性を顕著に向上させることができる。
本発明において、偏光ガラス母材11,12の延伸方向の上下を調べる方法としては、特に限定されず、例えば、偏光ガラス母材11,12の製造時の延伸方向の上下が判明している場合には、偏光ガラス母材11,12に上下がわかる印をつけておくことが好ましい。
または、偏光ガラス母材11,12を製造時の延伸方向の上下が不明な場合には、例えば、図5に示すような偏光ガラス母材11,12の偏光軸のマップを求めて調べることができる。または、予め、貼り合わせて積層体の構成として、貼り合わせ向きによる消光比の分布を調べることで延伸方向の上下を調べることもできる。
また、ファラデー素子13については、ビスマス置換鉄ガーネット結晶を準備すればよく、例えば、液相エピタキシャル法によって作製したインゴットから、波長1.3μm〜1.6μm帯の光の偏光面を、例えば45度回転させるような所望の厚さにスライス・研磨等の加工を行ったウェーハ状のビスマス置換鉄ガーネット結晶を準備すればよい。
本発明で用いる接着層14としては、特に限定されず、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂の接着剤を用いることができる。
本発明で用いる偏光ガラス母材11,12としても、特に限定されず、バッチ溶融、銀凝縮、延伸、還元等の工程を経て作製された金属分散型偏光ガラス母材を用いることができる。
このとき、偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16が所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わせる場合には、図1に示すように、偏光ガラス母材11,12同士の調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材11,12同士の延伸方向を前記所定の回転角度ずらして貼り合わせることができ、この場合回転角度を45度ずらすことで消光比が最大となり好ましい。
例えば、貼り合わせる際に、偏光ガラス母材11,12同士の延伸方向の上下を一致させた位置から、一方の偏光ガラス母材11を所定の角度回転させ、ファラデー素子13と接着層14を介して貼り合わせる。
このような所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わす際には、図1のように、偏光ガラス母材12に対し、他方の偏光ガラス母材11を回転させることにより所定の回転角度ずらして貼り合わすこともできるが、図3に示すように、偏光ガラス母材11aの辺に対して全体の偏光軸16が予め所定の回転角度傾いた状態になるように切り出した偏光ガラス母材11aを、偏光ガラス母材12と辺や角同士を合わせて貼り合わすこともできる。この際も、偏光ガラス母材11a,12同士の延伸方向の上下が一致した状態を基準に、延伸方向の上下が同じ側になるように貼り合わす。
また、上記のように偏光軸15,16が所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わす以外にも、例えば、偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16が一致するように貼り合わすこともできる。この場合も、延伸方向の上下を一致させて、その位置から微調整すれば、積層体の面内全体で偏光軸15,16がほぼ一致した配置となる。
以上のような本発明の光アイソレータ用積層体の製造方法により、例えば、以下のような本発明の光アイソレータ用積層体を製造することができる。
図4に示す本発明の光アイソレータ用積層体10は、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子13と、ファラデー素子13の光透過面の両側に接着層14を介して光透過面で貼り合わされた偏光ガラス母材11,12とからなる積層体10であって、偏光ガラス母材11,12の光透過面の大きさが8mm角以上で、光透過面の8mm角の面内において最も傾斜している偏光軸の傾斜角度が0.35度以上であり、積層体10の中央部と端部における消光比の差が5dB以下となるように偏光ガラス母材11,12が貼り合わされたものである。
通常、偏光ガラス母材11,12は、延伸工程で偏光軸15,16が傾斜した部分が生じる。偏光ガラス母材11,12の光透過面の大きさが8mm角以上のものとなると、光透過面の8mm角の面内において、偏光方向(中央部の偏光軸)に対して、最も傾斜している偏光軸の傾斜角度が0.35度以上となってしまい、偏光軸の当該傾斜による配置のずれが、積層体10の端部での消光比の劣化を発生させてしまう。しかし、本発明の積層体10であれば、積層体10の中央部と端部における消光比の差が5dB以下となるように偏光ガラス母材11,12が貼り合わされたものであるため、小さなサイズの光アイソレータとしたときの消光比を、例えば偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸を45度ずれた配置とした時、最小でも35dB以上とすることが可能となる。従って、消光比の優劣差の小さい多数の光アイソレータを切り出し可能で、生産性良く高品質の光アイソレータを作製できる積層体となる。
このような、本発明の光アイソレータ用積層体10は、上記したように、偏光ガラス母材11,12の延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、偏光ガラス母材11,12同士の偏光軸15,16が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わすことで、確実に製造可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
まず、図1の偏光ガラス母材12と図3の偏光ガラス母材11aのような、偏波方向が45°異なる2種類の金属分散型偏光ガラス母材を用意した。これらの偏光ガラス母材は、光透過面が15mm角の大きさのものとし、作製時の延伸方向の上下を調べて、当該上下がわかるように印をつけた。また、ファラデー素子として、波長1.3μm〜1.6μm帯の光の偏光面を45°回転させる厚さにスライス・研磨等の加工を行ったウェーハ状のビスマス置換鉄ガーネット結晶を準備した。
用意した偏光ガラス母材を、ファラデー素子の光透過面の両側に、接着層である熱硬化性エポキシ樹脂を介して貼り合わせて積層体を製造した。このとき、上記印により延伸方向の上下が同じ側になる貼り合わせ向きで偏光ガラス母材を貼り合わせた。また、貼り合わせに際しては、偏光ガラス母材同士の中央部の偏光軸が回転角度45°ずれた配置になるように調整した。このときの偏光軸の相対的な位置関係は図1のようになっている。
製造した積層体の面内における消光比を測定した結果を表1に示す。X方向が偏光軸に垂直な方向で、Y方向が偏光軸に平行な方向である。
Figure 2012098572
(比較例)
実施例と同様に、ただし、実施例の貼り合わせ位置から一方を180度回転させた状態、つまり、延伸方向の上下を逆にして貼り合わせた。このときの偏光軸の相対的な位置関係は図2のようになっている。
製造した積層体の面内における消光比を測定した結果を表2に示す。X方向が偏光軸に垂直な方向で、Y方向が偏光軸に平行な方向である。
Figure 2012098572
表1に示すように光アイソレータ用積層体の構成としたときに消光比の劣化が5dB以内となり、最小の消光比でも35dB以上と実用に耐える値を示している。一方、比較例では、表2に示すように、端部の消光比が中央部と比較して10dBと大きく劣化し、面内での最小の消光比が30dBであり、実用上必要とされる33dB未満になっている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…光アイソレータ用積層体、 11、11a、12…偏光ガラス母材、
13…ファラデー素子、 14…接着層、 15、16…偏光軸。

Claims (8)

  1. ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して、偏光ガラス母材を光透過面で貼り合わせて積層体を製造する方法であって、少なくとも、
    前記偏光ガラス母材の作製時の延伸方向の上下を予め調べ、前記偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わせることを特徴とする光アイソレータ用積層体の製造方法。
  2. 前記偏光ガラス母材として、前記光透過面が8mm角以上の大きさのものを用いることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ用積層体の製造方法。
  3. 前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度ずれた配置となるように貼り合わせる際に、前記偏光ガラス母材同士の前記調べた延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の前記延伸方向を前記所定の回転角度ずらして貼り合わせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光アイソレータ用積層体の製造方法。
  4. 前記貼り合わす際に前記偏光ガラス母材同士の偏光軸をずらす回転角度を、45度とすることを特徴とする請求項3に記載の光アイソレータ用積層体の製造方法。
  5. 少なくとも、ビスマス置換鉄ガーネット結晶からなるファラデー素子と、該ファラデー素子の光透過面の両側に接着層を介して光透過面で貼り合わされた偏光ガラス母材とからなる積層体であって、
    前記偏光ガラス母材の光透過面の大きさが8mm角以上で、該光透過面の8mm角の面内において最も傾斜している偏光軸の傾斜角度が0.35度以上であり、前記積層体の中央部と端部における消光比の差が5dB以下となるように前記偏光ガラス母材が貼り合わされたものであることを特徴とする光アイソレータ用積層体。
  6. 前記偏光ガラス母材が、該偏光ガラス母材同士の作製時の延伸方向の上下を一致させた状態を基準に、前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が所定の回転角度位置に配置されるように貼り合わされたものであることを特徴とする請求項5に記載の光アイソレータ用積層体。
  7. 前記偏光ガラス母材が、前記ファラデー素子の光透過面の両側に、接着層を介して前記偏光ガラス母材同士の偏光軸が回転角度45度ずれた配置となるように貼り合わされたものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光アイソレータ用積層体。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の光アイソレータ用積層体を切断して作製されたものであることを特徴とする光アイソレータ。
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