JP5032070B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング電源装置に関し、特にスイッチング電源装置が備えるトランスの2次側に設けられた整流用のダイオードで発生するサージを吸収するための技術に関するものである。
図15に従来のスイッチング電源装置の構成を示す。同図に示すスイッチング電源装置は、入力コンデンサCin、スイッチS1〜S4、絶縁トランスT、整流用ダイオードDA、DB、出力インダクタLout、出力コンデンサCout、スイッチング制御回路SCを備えて構成される。このスイッチング電源装置によれば、直流入力電圧Vinが、スイッチS1〜S4からなるフルブリッジ回路のスイッチング動作により交流電圧に変換されて絶縁トランスTの1次巻線L1に供給され、この絶縁トランスTの2次巻線L21,L22には、その巻線比に応じた所望の交流電圧が誘起される。この交流電圧は、整流用ダイオードDA、DBにより整流された後、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutにより平滑されて直流出力電圧Voutとなり、この直流出力電圧Voutが外部に出力される。
ところで、上述の従来技術に係るスイッチング電源装置によれば、スイッチS1〜S4からなるフルブリッジ回路のスイッチング動作により絶縁トランスTの2次巻線L21,L22に誘起される電圧の向きが切り替わる際、この2次巻線や配線などによる寄生インダクタンスに起因して、整流用ダイオードDA,Bのカソード側に、図16に例示するようなサージが発生する。即ち、2次巻線L21,L22に誘起される電圧の向きが切り替わると、整流用ダイオードDAまたはDBが逆バイアス状態とされるが、このとき、いわゆるリカバリ期間において上記寄生インダクタンスに蓄えられたエネルギーが瞬時的に放出され、これがサージとなって整流用ダイオードDAまたは整流用ダイオードDBに印加される。
一般には、上述のサージは、整流用ダイオードDA,DBに公知のCRスナバ回路を併設することにより、ある程度は改善できる。しかしながら、CRスナバ回路は、抵抗素子で電力消費することによりサージを吸収することを基本原理としているため、本来的に電力損失を伴い、電源効率低下の原因となる。又、CRスナバ回路でサージを吸収する際に抵抗素子が発熱するため、その放熱性を考慮すると、CRスナバ回路を構成する抵抗素子のサイズが大きくなる。
このようなCRスナバ回路の問題を解決する従来技術として、サージエネルギーを一旦コイルに蓄えて出力側に放出する無損失スナバ回路がある(特許文献1参照)。
特開平09−224374号公報
上述の従来技術に係る無損失スナバ回路によれば、サージを出力側に放出するまでの電流経路上に多数の素子が介在し、これらの各素子で電力損失が発生するため、電源効率の改善には限界があるという問題がある。
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、電源効率の低下を有効に抑えながら、整流用ダイオードに発生するサージを吸収することができるスイッチング電源装置を提供する事にある。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記センタータップが出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子(例えば整流用ダイオードに対応する構成要素)の各出力端子(例えばカソードに対応する構成要素)がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の入力端子(例えばアノードに対応する構成要素)が第2端子に共通接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各出力端子がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の入力端子が第2端子に共通接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各出力端子がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の入力端子が第2端子に共通接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記センタータップとの間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各入力端子がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の出力端子が出力インダクタを介して第1端子に共通接続され、前記センタータップが第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各入力端子がそれぞれ接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1または第2整流素子の入力端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第1または第2整流素子の入力端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各入力端子がそれぞれ接続されてなるスイッチング電源装置において、前記第1または第2整流素子の入力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記センタータップとの間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第1または第2整流素子の出力端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続されてなるスイッチング電源装置において、前記全波整流回路の第1入力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第2入力部との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第2入力部との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記全波整流回路の第2出力部が第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、前記全波整流回路の第1出力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、前記全波整流回路の第1出力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第1または第2入力との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記全波整流回路の第2出力部に繋がる第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記全波整流回路の第2出力部が第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、前記全波整流回路の第1または第2入力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明は、絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続されてなるスイッチング電源装置において、前記全波整流回路の第1及び第2入力部の一方に一方の電極が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第1出力部に繋がる第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、前記コンデンサの他方の電極と前記第1及び第2入力部の他方との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路とを備え、前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記全波整流回路の第2出力部に繋がる第2端子との間に接続される負荷を共に含み、前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置の構成を有する。
本発明によれば、整流用のダイオードで発生したサージをコンデンサに一旦蓄積し、このコンデンサに蓄積された電力を、インダクタを介して出力側に放電するようにしたので、簡単な構成で電力損失を有効に抑えながらサージを吸収することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を説明する。
<第1実施形態>
まず、図1を参照して本願請求項1に係る発明に対応する第1実施形態を説明する。
図1に、本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す。
なお、同図の絶縁トランスT1の1次側の構成は、前述の図15に示す従来装置における絶縁トランスTの1次側と同様であり、図1では絶縁トランスT1の1次側の構成を省略している。
図1に示すように、本スイッチング電源装置は、センタータップTPが設けられた絶縁トランスT1を備え、その2次側(出力側)には、整流用のダイオードD1,D2からなる整流回路と、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutからなる平滑回路が接続される。即ち、絶縁トランスT1の2次側に設けられたセンタータップTPと第1出力端子TOUT1との間には出力インダクタLoutが接続され、2次巻線L21,L22からなる絶縁トランスT1の2次巻線の一端及び他端には第1及び第2整流用ダイオードD1,D2の各カソードがそれぞれ接続され、これら整流用ダイオードD1,D2のアノードは第2出力端子TOUT2に共通接続される。出力端子TOUT1と出力端子TOUT2との間には、本スイッチング電源装置により給電される負荷Rが接続される。
また、本スイッチング電源装置は、整流用ダイオードD1に発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS11、ダイオードDS12、インダクタLS12、ダイオードDS13を備えると共に、整流用ダイオードD2に発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS21、ダイオードDS22、インダクタLS22、ダイオードDS23を備える。
ここで、上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS11の一方の電極は整流用ダイオードD1のカソードに接続される。このコンデンサCS11の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDS13が接続される。即ち、コンデンサCS11の他方の電極にはダイオードDS13のアノードが接続され、このダイオードDS13のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDS13は、コンデンサCS11の充電経路をなす整流回路として機能する
また、コンデンサCS11の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、インダクタLS12及びダイオードDS12からなる直列回路が接続される。即ち、インダクタLS12の一端は、上記コンデンサCS11の他方の電極に接続され、インダクタLS12の他端はダイオードDS12のカソードに接続され、このダイオードDS12のアノードは第2出力端子TOUT2に接続される。これらインダクタLS12及びダイオードDS12は、コンデンサCS11の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS21の一方の電極は整流用ダイオードD2のカソードに接続される。このコンデンサCS21の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDS23が接続される。即ち、コンデンサCS21の他方の電極にはダイオードDS23のアノードが接続され、このダイオードDS23のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。ダイオードDS23は、コンデンサCS21の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS21の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、インダクタLS22及びダイオードDS22からなる直列回路が接続される。即ち、インダクタLS22の一端は、上記コンデンサCS21の他方の電極に接続され、インダクタLS22の他端はダイオードDS22のカソードに接続され、このダイオードDS22のアノードは第2出力端子TOUT2に接続される。これらインダクタLS22及びダイオードDS22は、コンデンサCS21の放電経路をなす整流回路として機能する。
絶縁トランスT1の1次側の構成については、前述の図15に示す従来装置と同様であり、図15を援用して、その構成を確認的に説明する。入力端子TIN1と入力端子TIN2との間には、入力コンデンサCinが接続されると共に、スイッチS1及びスイッチS2がこの順に直列接続され、且つ、スイッチS3及びスイッチS4がこの順に直列接続される。スイッチS1とスイッチS2との間の接続点には、図1に示すトランスT1の1次巻線L1の一端が接続され、スイッチS3とスイッチS4との間の接続点には、上記1次巻線L1の他端が接続される。上記スイッチS1,S2,S3,S4は、フルブリッジ型のスイッチング回路を構成し、各スイッチの開閉はスイッチング制御回路SCにより制御される。但し、絶縁トランスT1の1次側のスイッチング回路の構成は、この例に限定されるものではなく、例えばハーフブリッジ型など、他の形式のスイッチング回路を採用しても良い。
次に、本スイッチング電源装置の動作を説明する。
まず、通常の電力変換動作を簡単に説明する。援用する図15において、スイッチS1〜S4からなるスイッチング回路が所定のスイッチング動作(周知のスイッチング動作)を実施することにより、直流入力電圧Vinが交流電圧に変換されて、図1に示すトランスT1の1次巻線L1に供給される。これにより絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に交流電圧がそれぞれ誘起される。2次巻線L21,L22に誘起された各交流電圧は、整流用ダイオードD1、D2によって整流される。整流された電圧は、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutによって平滑され、所望の直流出力電圧Voutとなって出力端子TOUT1,TOUT2を介して外部に出力される。
次に、整流用ダイオードD2を例として、この整流用ダイオードD2に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。
初期状態において、絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22には、整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD1が逆方向にバイアスされる向きに電圧が誘起されているものとする。この状態では、2次巻線L22に誘起された電圧が整流用ダイオードD2により整流されて第1出力端子TOUT1と第2出力端子TOUT2に出力される。
上記初期状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転すると、整流用ダイオードD1が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD2が逆方向にバイアスされた状態となるが、いわゆるリカバリ期間の間、整流用ダイオードD2はオン状態を維持する。このため、絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22と整流用ダイオードD1,D2から構成されるループ内を過電流が流れ、そのエネルギーが2次巻線L21,L22や配線などによる寄生インダクタに蓄積される。
そして、上記リカバリ期間が経過すると、整流用ダイオードD2がオフ状態に移行し、これにより上記過電流のループが遮断される。この結果、上記リカバリ期間において整流用ダイオードD2のカソード側に存在する寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD2のカソードに発生する。このサージによる電流は、図1に点線で示す充電経路CR1(コンデンサCS21〜ダイオードDS23〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD1〜2次巻線L21,L22〜コンデンサCS21)に沿って流れ、これによりコンデンサCS21が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが再び反転する過程で、整流用ダイオードD1が逆方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS21に蓄積された電荷は、図1に一点鎖線で示す放電経路DR1(コンデンサSC21〜2次巻線L22〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜ダイオードDS22〜インダクタLS22〜コンデンサCS21)に沿って流れ、これによりコンデンサCS21が放電される。
このように、本実施形態によれば、整流用ダイオードD2のカソードに発生したサージによるエネルギーはコンデンサCS21に一旦蓄積された後、インダクタLS22を介して出力側に放電される。このときの放電電流の位相は、インダクタLS22により電圧の位相に対して遅延されるので、電圧と電流との積として表されるダイオードDS22における損失が抑制される。同様にして、一方の整流用ダイオードD1で発生するサージによるエネルギーは、コンデンサCS11に一旦蓄積された後、インダクタLS12を介して低損失で出力側に放電される。
以上により、整流用ダイオードD1,D2に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第2実施形態>
次に、図2を参照して、本願請求項2に係る発明に対応する第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第1実施形態に係る図1の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD1に発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS211、ダイオードDS212、インダクタLS212、ダイオードDS213を備えると共に、整流用ダイオードD2に発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS221、ダイオードDS222、インダクタLS222、ダイオードDS223を備える。その他の構成は第1実施形態と同一である。
ここで、第2実施形態における上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS211の一方の電極は整流用ダイオードD1のカソードに接続される。このコンデンサCS211の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間にはダイオードDS213が接続される。即ち、コンデンサCS211の他方の電極にはダイオードDS213のアノードが接続され、このダイオードDS213のカソードは第2出力端子TOUT2に接続される。このダイオードDS213は、コンデンサCS211の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS211の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDS212及びインダクタLS212からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS211の他方の電極には、ダイオードDS212のカソードが接続され、このダイオードDS212のアノードはインダクタLS212の一端に接続され、このインダクタLS212の他端は第2出力端子TOUT2に接続される。これらダイオードDS212及びインダクタLS212は、コンデンサCS211の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS221の一方の電極は整流用ダイオードD2のカソードに接続される。このコンデンサCS221の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間にはダイオードDS223が接続される。即ち、コンデンサCS221の他方の電極にはダイオードDS223のアノードが接続され、このダイオードDS223のカソードは第2出力端子TOUT2に接続される。このダイオードDS223は、コンデンサCS221の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS221の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDS222及びインダクタLS222からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS221の他方の電極には、ダイオードDS222のカソードが接続され、このダイオードDS222のアノードはインダクタLS222の一端に接続され、このインダクタLS222の他端は第2出力端子TOUT2に接続される。これらダイオードDS222及びインダクタLS222は、コンデンサCS221の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD2を例として、整流用ダイオードD2に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第1実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD2が逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD2のカソードに発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図2に点線で示す充電経路CR2(コンデンサCS221〜ダイオードDS223〜整流用ダイオードD1〜2次巻線L21,L22〜コンデンサCS221)に沿って流れ、これによりコンデンサCS221が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS221に蓄積された電荷は、図2に一点鎖線で示す放電経路DR2(コンデンサCS221〜2次巻線L22〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLS222〜ダイオードDS222〜コンデンサCS221)に沿って流れ、これによりコンデンサCS221が放電される。
このように、本実施形態によれば、ダイオードDS212のカソードがダイオードDS213のアノードに接続されているので、これら2つのダイオードを1つのコンポーネントとして構成することができ、上述の第1実施形態に比較して部品点数を削減することが可能になる。ダイオードDS222,DS223についても同様である。
<第3実施形態>
次に、図3を参照して、本願請求項3に係る発明に対応する第3実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第1実施形態に係る図1の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD1に発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS311、ダイオードDS312、インダクタLS312、ダイオードDS313を備えると共に、整流用ダイオードD2に発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS321、ダイオードDS322、インダクタLS322、ダイオードDS323を備える。その他の構成は第1実施形態と同一である。
ここで、第3実施形態における上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS311の一方の電極は整流用ダイオードD1のカソードに接続される。このコンデンサCS311の他方の電極とセンタータップTPとの間にはダイオードDS313が接続される。即ち、コンデンサCS311の他方の電極にはダイオードDS313のアノードが接続され、このダイオードDS313のカソードはセンタータップTPに接続される。このダイオードDS313は、コンデンサCS311の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS311の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDS312及びインダクタLS312からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS311の他方の電極にはインダクタLS312の一端が接続され、このインダクタLS312の他端はダイオードDS312のカソードに接続され、このダイオードDS312のアノードは第2出力端子TOUT2に接続される。これらダイオードDS312及びインダクタLS312は、コンデンサCS311の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS321の一方の電極は整流用ダイオードD2のカソードに接続される。このコンデンサCS321の他方の電極とセンタータップTPとの間にはダイオードDS323が接続される。即ち、コンデンサCS321の他方の電極にはダイオードDS323のアノードが接続され、このダイオードDS323のカソードはセンタータップTPに接続される。このダイオードDS323は、コンデンサCS321の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS321の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDS322及びインダクタLS322からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS321の他方の電極にはインダクタLS322の一端が接続され、このインダクタLS322の他端はダイオードDS322のカソードに接続され、このダイオードDS322のアノードは第2出力端子TOUT2に接続される。これらダイオードDS322及びインダクタLS322は、コンデンサCS321の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD2を例として、この整流用ダイオードD2に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第1実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD2が逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD2のカソードに発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図3に点線で示す充電経路CR3(コンデンサCS321〜ダイオードDS323〜2次巻線L22〜コンデンサCS321)に沿って流れ、これによりコンデンサCS321が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD2が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサC321に蓄積された電荷は、図3に一点鎖線で示す放電経路DR3(コンデンサCD321〜2次巻線L22〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜ダイオードDS322〜インダクタLS322〜コンデンサCS321)に沿って流れ、これによりコンデンサCS321が放電される。
このように、本実施形態によれば、ダイオードDS312のアノードが整流用ダイオードD1のアノードに接続されているので、これら2つのダイオードを1つのコンポーネントとして構成することができ、上述の第1実施形態に比較して部品点数を削減することが可能になる。ダイオードDS322と整流用ダイオードD2についても同様である。
上述した第1ないし第3実施形態では、コンデンサに蓄積されたサージの放電経路は、基本的には同じであり、充電経路のみが相違している。
<第4実施形態>
図4を参照して、本願請求項4に係る発明に対応する第4実施形態を説明する。
図4に、本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す。なお、同図の絶縁トランスT1の1次側の構成は、前述の図15に示す従来装置における絶縁トランスTの1次側と同様であり、従って図4では絶縁トランスT1の1次側の構成を省略している。
図4に示すように、本スイッチング電源装置は、センタータップTPが設けられた絶縁トランスT1を備え、その2次側(出力側)には、整流用のダイオードD41,D42からなる整流回路と、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutからなる平滑回路が接続される。即ち、2次巻線L21,L22からなる絶縁トランスT1の2次巻線の一端及び他端には第1及び第2整流用ダイオードD41,D42の各アノードがそれぞれ接続され、これら整流用ダイオードD41,D42のカソードが出力インダクタLoutを介して第1出力端子TOUT1に共通接続され、絶縁トランスT1のセンタータップTPは第2出力端子TOUT2に接続され、出力端子TOUT1と出力端子TOUT2との間には、本スイッチング電源装置により給電される負荷Rが接続される。
また、本スイッチング電源装置は、整流用ダイオードD41,D42に発生するサージを吸収するためのスナバ回路として、コンデンサCS41、ダイオードDS42、インダクタLS42、ダイオードDS43を備える。
ここで、上記スナバ回路の構成を詳細に説明する。
上記スナバ回路を構成するコンデンサCS41の一方の電極は整流用ダイオードD1のカソードに接続される。このコンデンサCS41の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDS43が接続される。即ち、コンデンサCS41の他方の電極にはダイオードDS43のアノードが接続され、このダイオードDS43のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDS43は、コンデンサCS41の充電経路をなす整流回路として機能する
また、コンデンサCS41の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、インダクタLS42及びダイオードDS42からなる直列回路が接続される。即ち、ダイオードDS42のカソードは、上記コンデンサCS41の他方の電極に接続され、このダイオードDS42のアノードにはインダクタLS42の一端が接続され、このインダクタLS42の他端は第2出力端子TOUT2に接続される。これらインダクタLS42及びダイオードDS42は、コンデンサCS41の放電経路をなす整流回路として機能する。
なお、絶縁トランスT1の1次側の構成については、前述の図15に示す従来装置と同様であり、その説明を省略する。
次に、本スイッチング電源装置の動作を説明する。
まず、通常の電力変換動作を簡単に説明する。援用する図15において、スイッチS1〜S4からなるスイッチング回路が所定のスイッチング動作(周知のスイッチング動作)を実施することにより、直流入力電圧Vinが交流電圧に変換されて、図4に示すトランスT1の1次巻線L1に供給される。これにより2次巻線L21,L22に交流電圧がそれぞれ誘起される。2次巻線L11,L12に誘起された各交流電圧は、整流用ダイオードD41,D42によって整流される。整流された電圧は、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutによって平滑され、所望の直流出力電圧Voutとなって出力端子TOUT1,TOUT2を介して外部に出力される。
続いて、整流用ダイオードD41を例として、この整流用ダイオードD41に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。
初期状態で、絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22には、整流用ダイオードD42が逆方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD41が順方向にバイアスされる向きに電圧が誘起されているものとする。この状態では、2次巻線L21に誘起された電圧が整流用ダイオードD41により整流されて第1出力端子TOUT1と第2出力端子TOUT2に出力される。
上記初期状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転すると、整流用ダイオードD42が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD41が逆方向にバイアスされた状態となるが、いわゆるリカバリ期間の間、整流用ダイオードD41はオン状態を維持する。このため、絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22と整流用ダイオードD41,D42から構成されるループを過電流が流れ、そのエネルギーが絶縁トランスT1の寄生インダクタに蓄積される。
そして、上記リカバリ期間が経過すると、整流用ダイオードD41がオフ状態に移行し、これにより上記過電流のループが遮断される。この結果、上記リカバリ期間において整流用ダイオードD41のカソード側に存在する寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD41のカソードに発生する。このサージによる電流は、図4に点線で示す充電経路CR4(コンデンサCS41〜ダイオードDS43〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜2次巻線L21〜整流用ダイオードD41〜コンデンサCS41)に沿って流れ、これによりコンデンサCS41が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線に誘起される電圧の向きが再び反転する過程で、整流用ダイオードD41が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS41に蓄積された電荷は、図4に一点鎖線で示す放電経路DR4(コンデンサC41〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLS42〜ダイオードDS42〜コンデンサCS41)に沿って流れ、これによりコンデンサCS41が放電される。
このように、本実施形態によれば、整流用ダイオードD41のカソードに発生したサージによるエネルギーはコンデンサCS41に一旦蓄積された後、インダクタLS42を介して出力側に放電される。このときの放電電流の位相は、インダクタLS42により電圧の位相に対して遅延されるので、電圧と電流との積として表されるダイオードDS42における損失が抑制される。同様にして、一方の整流用ダイオードD42で発生するサージによるエネルギーも、コンデンサCS41に一旦蓄積された後、インダクタL42を介して低損失で出力側に放電される。
以上により、整流用ダイオードD41,D42に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第5実施形態>
次に、図5を参照して、本願請求項5に係る発明に対応する第5実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第4実施形態に係る図4の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD41に発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS511、ダイオードDS512、インダクタLS512、ダイオードDS513を備えると共に、整流用ダイオードD42に発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS521、ダイオードDS522、インダクタLS522、ダイオードDS523を備える。その他の構成は第4実施形態と同一である。
ここで、第5実施形態における上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS511の一方の電極は整流用ダイオードD41のカソードに接続される。このコンデンサCS511の他方の電極と整流用ダイオードD41のアノードとの間にはダイオードDS513が接続される。即ち、コンデンサCS511の他方の電極にはダイオードDS513のアノードが接続され、このダイオードDS513のカソードは整流用ダイオードD41のアノードに接続される。このダイオードDS513は、コンデンサCS511の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS511の他方の電極と整流用ダイオードD41のアノードとの間には、ダイオードDS512及びインダクタLS512からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS211の他方の電極には、ダイオードDS512のカソードが接続され、このダイオードDS512のアノードはインダクタLS512の一端に接続され、このインダクタLS512の他端は整流用ダイオードD41のアノードに接続される。これらダイオードDS512及びインダクタLS512は、コンデンサCS511の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS521の一方の電極は整流用ダイオードD42のカソードに接続される。このコンデンサCS521の他方の電極と整流用ダイオードD42のアノードとの間にはダイオードDS523が接続される。即ち、コンデンサCS521の他方の電極にはダイオードDS523のアノードが接続され、このダイオードDS523のカソードは整流用ダイオードD42のアノードに接続される。このダイオードDS523は、コンデンサCS521の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS521の他方の電極と整流用ダイオードD42のアノードとの間には、ダイオードDS522及びインダクタLS522からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS521の他方の電極には、ダイオードDS522のカソードが接続され、このダイオードDS522のアノードはインダクタLS522の一端に接続され、このインダクタLS522の他端は整流用ダイオードD42のアノードに接続される。これらダイオードDS522及びインダクタLS522は、コンデンサCS521の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD42を例として、この整流用ダイオードD42に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第4実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD42が順方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD42が逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD42に発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図5に点線で示す充電経路CR5(コンデンサCS521〜ダイオードDS523〜2次巻線L22,L21〜整流用ダイオードD41〜コンデンサCS521)に沿って流れ、これによりコンデンサCS521が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD42が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS521に蓄積された電荷は、図5に一点鎖線で示す放電経路DR2(コンデンサCS521〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜2次巻線L22〜インダクタLS522〜ダイオードDS522〜コンデンサCS521)に沿って流れ、これによりコンデンサCS521が放電される。
以上により、整流用ダイオードD41,D42に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第6実施形態>
次に、図6を参照して、本願請求項6に係る発明に対応する第6実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第4実施形態に係る図4の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD41に発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS611、ダイオードDS612、インダクタLS612、ダイオードDS613を備えると共に、整流用ダイオードD42に発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS621、ダイオードDS622、インダクタLS622、ダイオードDS623を備える。その他の構成は第4実施形態と同一である。
ここで、第6実施形態における上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS611の一方の電極は整流用ダイオードD41のアノードに接続される。このコンデンサCS611の他方の電極とセンタータップTPとの間にはダイオードDS613が接続される。即ち、コンデンサCS611の他方の電極にはダイオードDS613のカソードが接続され、このダイオードDS613のアノードはセンタータップTPに接続される。このダイオードDS613は、コンデンサCS611の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS611の他方の電極と整流用ダイオードD41のカソードとの間には、ダイオードDS612及びインダクタLS612からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS611の他方の電極にはインダクタLS612の一端が接続され、このインダクタLS612の他端はダイオードDS612のアノードに接続され、このダイオードDS612のカソードは整流用ダイオードD41のカソードに接続される。これらダイオードDS612及びインダクタLS612は、コンデンサCS611の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS621の一方の電極は整流用ダイオードD42のアノードに接続される。このコンデンサCS621の他方の電極とセンタータップTPとの間にはダイオードDS623が接続される。即ち、コンデンサCS621の他方の電極にはダイオードDS623のカソードが接続され、このダイオードDS623のアノードはセンタータップTPに接続される。このダイオードDS623は、コンデンサCS621の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS621の他方の電極と整流用ダイオードD42のカソードとの間には、ダイオードDS622及びインダクタLS622からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS621の他方の電極にはインダクタLS622の一端が接続され、このインダクタLS622の他端はダイオードDS622のアノードに接続され、このダイオードDS622のカソードは整流用ダイオードD42のカソードに接続される。これらダイオードDS622及びインダクタLS622は、コンデンサCS621の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD42を例として、この整流用ダイオードD42に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第4実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD42が順方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT1の2次巻線L21,L22に誘起される各電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD42が逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、正のサージが整流用ダイオードD42のカソードに発生する。このことは、負のサージが整流用ダイオードD42のアノードに印加されたことと等価であり、本実施形態では、この負のサージを吸収することにより、整流用ダイオードD42に発生するサージを吸収する。
上述の負のサージによる電流は、図6に点線で示す充電経路CR6(コンデンサCS621〜2次巻線L22〜ダイオードDS623〜コンデンサCS621)に沿って流れ、これによりコンデンサCS621が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT1の2次巻線に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD42が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS621に蓄積された電荷は、図6に一点鎖線で示す放電経路DR6(コンデンサCS621〜インダクタLS622〜ダイオードDS622〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜2次巻線L22〜コンデンサCS621)に沿って流れ、これによりコンデンサCS621が放電される。
以上により、整流用ダイオードD41,D42に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第7実施形態>
図7を参照して、本願請求項7に係る発明に対応する第7実施形態を説明する。
図7に、本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す。なお、同図の絶縁トランスT7の1次側の構成は、前述の図15に示す従来装置における絶縁トランスTの1次側と同様であり、図7では絶縁トランスT7の1次側の構成を省略している。
図7に示すように、本スイッチング電源装置は、絶縁トランスT7を備え、その2次側(出力側)には、整流用のダイオードD71,D72,D73,D74からなる全波整流回路と、出力インダクタLout、出力コンデンサCoutからなる平滑回路が接続される。ここで、整流用ダイオードD71,D73の各カソードは、上記全波整流回路の第1出力部とされ、出力インダクタLoutを介して第1出力端子TOUT1に接続される。整流用ダイオードD72,D74の各アノードは、上記全波整流回路の第2出力部とされ、第2出力端子TOUT1に共通接続される。
また、整流用ダイオードD71のアノードは、整流用ダイオードD72のカソードに接続され、これらの接続点は本全波整流回路の第1入力部とされる。整流用ダイオードD73のアノードは、整流用ダイオードD74のカソードに接続され、これらの接続点は本全波整流回路の第2入力部とされる。絶縁トランスT7の2次巻線L2の一端及び他端は上記全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続される。出力端子TOUT1と出力端子TOUT2との間には、本スイッチング電源装置により給電される負荷Rが接続される。
また、本スイッチング電源装置は、整流用ダイオードD72のカソードに発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCS711、ダイオードDS712、インダクタLS712、ダイオードDS713を備えると共に、整流用ダイオードD74のカソードに発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCS721、ダイオードDS722、インダクタLS722、ダイオードDS723を備える。
ここで、上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCS711の一方の電極は、整流用ダイオードD72のカソード、即ち、上記全波整流回路の第2入力部に接続される。このコンデンサCS711の他方の電極と上記全波整流回路の第1入力部との間にはダイオードDS713が接続される。具体的には、コンデンサCS711の他方の電極にはダイオードDS713のカソードが接続され、このダイオードDS713のアノードは、整流用ダイオードD72のカソードに接続される。このダイオードDS713は、コンデンサCS711の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS711の他方の電極と上記全波整流回路の第1入力部との間には、ダイオードDS712及びインダクタLS712からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS711の他方の電極には、ダイオードDS712のアノードが接続され、このダイオードDS712のカソードにはインダクタLS712の一端が接続され、このインダクタLS712の他端は、上記全波整流回路の第1入力部に接続される。これらインダクタLS712及びダイオードDS712は、コンデンサCS711の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCS721の一方の電極は、整流用ダイオードD72のカソード、即ち、上記全波整流回路の第1入力部に接続される。このコンデンサCS721の他方の電極と上記全波整流回路の第2入力部との間にはダイオードDS723が接続される。具体的には、コンデンサCS721の他方の電極にはダイオードDS723のカソードが接続され、このダイオードDS723のアノードは、整流用ダイオードD74のカソードに接続される。ダイオードDS723は、コンデンサCS721の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS721の他方の電極と上記全波整流回路の第2入力部との間には、ダイオードDS722及びインダクタLS722からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS721の他方の電極には、ダイオードDS722のアノードが接続され、このダイオードDS722のカソードにはインダクタLS722の一端が接続され、このインダクタLS722の他端は、上記全波整流回路の第2入力部に接続される。これらインダクタLS722及びダイオードDS722は、コンデンサCS721の放電経路をなす整流回路として機能する。
なお、絶縁トランスT7の1次側の構成については、前述の図15に示す従来装置と同様であり、その説明を省略する。
次に、本スイッチング電源装置の動作を説明する。
まず、通常の電力変換動作を簡単に説明する。援用する図15において、スイッチS1〜S4からなるスイッチング回路が所定のスイッチング動作(周知のスイッチング動作)を実施することにより、直流入力電圧Vinが交流電圧に変換されて、図7に示す絶縁トランスT7の1次巻線L1に供給される。これにより絶縁トランスT7の2次巻線L2に交流電圧が誘起される。2次巻線L2に誘起された交流電圧は、整流用ダイオードD71,D72,D73,D74によって全波整流される。全波整流された電圧は、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutによって平滑され、所望の直流出力電圧Voutとなって出力端子TOUT1,TOUT2を介して外部の負荷Rに供給される。
続いて、整流用ダイオードD72を例として、この整流用ダイオードD72のカソードに発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。
初期状態で、絶縁トランスT7の2次巻線L2には、整流用ダイオードD72,D73が順方向にバイアスされると共に、整流用ダイオードD71,D74が逆方向にバイアスされる向きに電圧が誘起されているものとする。この状態では、2次巻線L2に誘起された電圧が整流用ダイオードD72,D73により整流されて第1出力端子TOUT1と第2出力端子TOUT2に出力される。
上記初期状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転すると、整流用ダイオードD72,D73が逆方向にバイアスされた状態となり、整流用ダイオードD71,D74は順方向にバイアスされた状態となるが、いわゆるリカバリ期間の間、整流用ダイオードD72,D73はオン状態を維持する。このため、絶縁トランスT7の2次巻線L2と整流用ダイオードD72と整流用ダイオードD74から構成されるループを過電流が流れ、そのエネルギーが絶縁トランスT7の寄生インダクタに蓄積される。
そして、上記リカバリ期間が経過すると、整流用ダイオードD72がオフ状態に移行し、これにより上記過電流のループが遮断される。この結果、上記リカバリ期間において整流用ダイオードD72のカソード側に存在する寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD72のカソードに発生する。このサージによる電流は、図7に点線で示す充電経路CR7(コンデンサCS711〜2次巻線L2〜ダイオードDS713〜コンデンサCS711)に沿って流れ、これによりコンデンサCS711が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが再び反転する過程で、整流用ダイオードD72が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS721に蓄積された電荷は、図7に一点鎖線で示す放電経路DR7(コンデンサCS711〜ダイオードDS712〜インダクタLS712〜整流用ダイオードD71〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜コンデンサCS711)に沿って流れ、これによりコンデンサCS721が放電される。
このように、本実施形態によれば、整流用ダイオードD72のカソードに発生したサージによるエネルギーはコンデンサCS711に一旦蓄積された後、インダクタLS712を介して出力側に放電される。このときの放電電流の位相は、インダクタLS712により電圧の位相に対して遅延されるので、電圧と電流との積として表されるダイオードDS712における損失が抑制される。同様にして、整流用ダイオードD74で発生するサージによるエネルギーは、コンデンサCS721に一旦蓄積された後、インダクタLS722を介して低損失で出力側に放電される。
以上により、整流用ダイオードD72,D74のカソード側、即ち、全波整流回路の入力部に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第8実施形態>
次に、図8を参照して、本願請求項8に係る発明に対応する第8実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第7実施形態に係る図7の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD71,D73のカソードに発生するサージを吸収するためのスナバ回路として、コンデンサCS81、ダイオードDS82、インダクタLS82、ダイオードDS83を備える。その他の構成は第7実施形態と同一である。
ここで、第8実施形態における上記スナバ回路の構成を詳細に説明する。
スナバ回路を構成するコンデンサCS81の一方の電極は、整流用ダイオードD71、D73のカソード、即ち、上記全波整流回路の第1出力部に接続される。このコンデンサCS81の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDS83が接続される。即ち、コンデンサCS81の他方の電極にはダイオードDS83のアノードが接続され、このダイオードDS83のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDS83は、コンデンサCS81の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS81の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDS82及びインダクタLS82からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS81の他方の電極には、ダイオードDS82のカソードが接続され、このダイオードDS82のアノードはインダクタLS82の一端に接続され、このインダクタLS82の他端は第2出力端子TOUT2に接続される。これらダイオードDS82及びインダクタLS82は、コンデンサCS81の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD71を例として、この整流用ダイオードD71に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第7実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD71が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD72が逆方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD71が逆方向にバイアスされた状態になり、整流用ダイオードD73が順方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD71のカソードに発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図8に点線で示す充電経路CR8(コンデンサCS81〜ダイオードDS83〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜2次巻線L2〜整流用ダイオードD71〜コンデンサCS81)に沿って流れ、これによりコンデンサCS81が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD71が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS81に蓄積された電荷は、図8に一点鎖線で示す放電経路DR8(コンデンサCS81〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLS82〜ダイオードDS82〜コンデンサCS81)に沿って流れ、これによりコンデンサCS81が放電される。
以上により、整流用ダイオードD71,D73のカソード側、即ち、全波整流回路の出力部に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
<第9実施形態>
次に、図9を参照して、本願請求項9に本発明の第9実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第7実施形態に係る図7の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD71,D73のカソードに発生するサージを吸収するためのスナバ回路として、コンデンサCS91、ダイオードDS912,DS922、インダクタLS912,LS922、ダイオードDS93を備える。その他の構成は第7実施形態と同一である。
ここで、第9実施形態における上記スナバ回路の構成を詳細に説明する。
スナバ回路を構成するコンデンサCS91の一方の電極は、整流用ダイオードD71、D73のカソード、即ち、上記全波整流回路の第1出力部に接続される。このコンデンサCS91の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDS93が接続される。即ち、コンデンサCS91の他方の電極にはダイオードDS93のアノードが接続され、このダイオードDS93のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDS93は、コンデンサCS91の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCS91の他方の電極と上記全波整流回路の第2入力部との間には、ダイオードDS912及びインダクタLS912からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS91の他方の電極には、ダイオードDS912のカソードが接続され、このダイオードDS912のアノードはインダクタLS912の一端に接続され、このインダクタLS912の他端は上記全波整流回路の第2入力部(整流用ダイオードD74のカソード)に接続される。
また、コンデンサCS91の他方の電極と上記全波整流回路の第1入力部との間には、ダイオードDS922及びインダクタLS922からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCS91の他方の電極には、ダイオードDS922のカソードが接続され、このダイオードDS922のアノードはインダクタLS922の一端に接続され、このインダクタLS922の他端は上記全波整流回路の第1入力部(整流用ダイオードD72のカソード)に接続される。上記ダイオードDS912及びインダクタLS912並びにダイオードDS922及びインダクタLS922は、コンデンサCS91の放電経路をなす整流回路として機能する。
次に、整流用ダイオードD71を例として、この整流用ダイオードD71に発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については前述の第7実施形態と同様であるから、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD71,D74が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD72,D73が逆方向にバイアスされた状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転し、整流用ダイオードD71が逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD71のカソードに発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図9に点線で示す充電経路CR9(コンデンサCS91〜ダイオードDS93〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜2次巻線L2〜整流用ダイオードD71〜コンデンサCS91)に沿って流れ、これによりコンデンサCS91が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転する過程で、整流用ダイオードD71が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCS91に蓄積された電荷は、図9に一点鎖線で示す放電経路DR9(コンデンサCS91〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜インダクタLS912〜ダイオードDS912〜コンデンサCS91)に沿って流れ、これによりコンデンサCS91が放電される。
以上により、整流用ダイオードD71のカソード、即ち、全波整流回路の出力部に発生したサージが有効にコンデンサCS91に吸収され、そのエネルギーがインダクタLS912を介して出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
なお、整流用ダイオードD73のカソードに発生するサージについては、コンデンサCS91に吸収された後、インダクタLS922を介して出力側に放出される。
上述の図9に示す例では、コンデンサCS91の放電経路として、ダイオードDS912及びインダクタLS912からなる整流回路と、ダイオードDS922及びインダクタLS922からなる整流回路とを設けたが、図10および図11に示すように、何れか一方を設けてもよい。ここで、図10に示す例は、コンデンサCS91の放電経路として、ダイオードDS912及びインダクタLS912のみを備えたものである。この場合、整流ダイオードD71及び整流用ダイオードD73の各カソードに発生したサージは、コンデンサCS91に一旦蓄積された後、ダイオードDS912及びインダクタLS912を介して出力側に放電される。図11に示す例は、コンデンサCS91の放電経路として、ダイオードDS922及びインダクタLS922を備えたものである。この例でも同様に、コンデンサCS91に蓄積されたサージは、ダイオードDS922及びインダクタLS922路を介して出力側に放電される。
<第10実施形態>
図12を参照して、本願請求項10に係る発明に対応する第10実施形態を説明する。
図12に、本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示す。なお、同図の絶縁トランスT7の1次側の構成は、前述の図15に示す従来装置における絶縁トランスTの1次側と同様であり、図12では絶縁トランスT1の1次側の構成を省略している。
図12に示すように、本スイッチング電源装置は、絶縁トランスT7の出力側に、整流用のダイオードD71,D72,D73,D74からなる全波整流回路と、出力インダクタLout及び出力コンデンサCoutからなる平滑回路が接続される。ここで、整流用ダイオードD71,D73の各カソードは、上記全波整流回路の第1出力部とされ、出力インダクタLoutを介して第1出力端子TOUT1に接続される。また、整流用ダイオードD72,D74の各アノードは、上記全波整流回路の第2出力部とされ、第2出力端子TOUT1に共通接続される。
整流用ダイオードD71のアノードは、整流用ダイオードD72のカソードに接続され、これらの接続点は本全波整流回路の第1入力部とされる。また、整流用ダイオードD73のアノードは、整流用ダイオードD74のカソードに接続され、これらの接続点は本全波整流回路の第2入力部とされる。絶縁トランスT7の2次巻線L2の一端及び他端は上記全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続される。出力端子TOUT1と出力端子TOUT2との間には、本スイッチング電源装置により給電される負荷Rが接続される。
また、本スイッチング電源装置は、整流用ダイオードD72のカソードに発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCSA11、ダイオードDSA12、インダクタLSA12、ダイオードDSA13を備えると共に、整流用ダイオードD74のカソードに発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCSA21、ダイオードDSA22、インダクタLSA22、ダイオードDSA23を備える。
ここで、上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCSA11の一方の電極は、整流用ダイオードD74のカソード、即ち、上記全波整流回路の第2入力部に接続される。このコンデンサCSA11の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDSA13が接続される。具体的には、コンデンサCSA11の他方の電極にはダイオードDSA13のアノードが接続され、このダイオードDSA13のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDSA13はコンデンサCSA11の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCSA11の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDSA12及びインダクタLSA12からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCSA11の他方の電極には、ダイオードDSA12のカソードが接続され、このダイオードDSA12のアノードにはインダクタLSA12の一端が接続され、このインダクタLSA12の他端は、第2出力端子TOUT2に接続される。これらインダクタLSA12及びダイオードDSA12は、コンデンサCSA11の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCSA21の一方の電極は、整流用ダイオードD72のカソード、即ち、上記全波整流回路の第1入力部に接続される。このコンデンサCSA21の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDSA23が接続される。具体的には、コンデンサCSA21の他方の電極にはダイオードDSA23のアノードが接続され、このダイオードDSA23のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDSA23はコンデンサCSA21の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCSA21の他方の電極と第2出力端子TOUT2との間には、ダイオードDSA22及びインダクタLSA22からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCSA21の他方の電極には、ダイオードDSA22のカソードが接続され、このダイオードDSA22のアノードにはインダクタLSA22の一端が接続され、このインダクタLSA22の他端は、第2出力端子TOUT2に接続される。これらインダクタLSA22及びダイオードDSA22は、コンデンサCSA21の放電経路をなす整流回路として機能する。
なお、絶縁トランスT7の1次側の構成については、前述の図15に示す従来装置と同様であり、その説明を省略する。
次に、整流用ダイオードD74を例として、この整流用ダイオードD74のカソードに発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、通常の電力変換動作については上述の第7ないし第9実施形態と同様であるから、これを省略する。
初期状態で、絶縁トランスT7の2次巻線L2に、整流用ダイオードD71,D74が順方向にバイアスされると共に整流用ダイオードD72,D73が逆方向にバイアスされる向きに電圧が誘起されているものとする。この状態では、2次巻線L2に誘起された電圧が整流用ダイオードD71,D74により整流されて第1出力端子TOUT1と第2出力端子TOUT2に出力される。
上記初期状態から、1次側のスイッチング動作に伴って絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが反転すると、整流用ダイオードD71,D74が逆方向にバイアスされた状態となり、整流用ダイオードD72,D73は順方向にバイアスされた状態となるが、いわゆるリカバリ期間の間、整流用ダイオードD74はオン状態を維持する。このため、絶縁トランスT7の2次巻線L2と整流用ダイオードD72と整流用ダイオードD74から構成されるループを過電流が流れ、そのエネルギーが寄生インダクタに蓄積される。
そして、上記リカバリ期間が経過すると、整流用ダイオードD74がオフ状態に移行し、これにより上記過電流のループが遮断される。この結果、整流用ダイオードD74のカソード側に存在する寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD74のカソードに発生する。このサージによる電流は、図12に点線で示す充電経路CR12(コンデンサCSA21〜ダイオードDSA23〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜2次巻線L2〜コンデンサCSA21)に沿って流れ、これによりコンデンサCSA21が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが再び反転する過程で、整流用ダイオードD74が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCSA21に蓄積された電荷は、図12に一点鎖線で示す放電経路DR12(コンデンサCSA21〜整流用ダイオードD71〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLSA22〜ダイオードDSA22〜コンデンサCSA21)に沿って流れ、これによりコンデンサCSA21が放電される。
このように、本実施形態によれば、整流用ダイオードD74のカソードに発生したサージによるエネルギーはコンデンサCSA21に一旦蓄積された後、インダクタLSA22を介して出力側に放電される。このときの放電電流の位相は、インダクタLSA22により電圧の位相に対して遅延されるので、電圧と電流との積として表されるダイオードDSA22における損失が抑制される。同様にして、整流用ダイオードD72で発生するサージによるエネルギーは、コンデンサCSA11に一旦蓄積された後、インダクタLSA12を介して低損失で出力側に放電される。
以上により、整流用ダイオードD72,D74のカソード側、即ち、全波整流回路の入力部に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
上述の図12に示す例では、コンデンサCSA11の放電経路として、ダイオードDSA12及びインダクタLSA12からなる整流回路を設けると共に、コンデンサCSA21の放電経路として、ダイオードDSA22及びインダクタLSA22からなる整流回路を設けたが、図13に示すように、図12に示す2つのインダクタLSA12,LSA22を1つのインダクタLSA2に置き替え、コンデンサCSA11,CSA21の放電経路として一つのインダクタLSA2を共用するように構成してもよい。具体的には、図13に示す例では、図12に示す構成において、インダクタLSA12,LSA22に代えてインダクタLSA2を設け、ダイオードDSA12,DSA22の各アノードはインダクタLSA2の一端に接続され、このインダクタLSA2の他端は第2出力端子TOUT2に接続される。
図13に示す例によれば、コンデンサCSA21の放電経路DR13は、コンデンサCSA21〜整流用ダイオードD71〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLSA2〜ダイオードDSA22〜コンデンサCSA21の経路から形成され、また、コンデンサCSA11の放電経路は、コンデンサCSA11〜整流用ダイオードD73〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜インダクタLSA2〜ダイオードDSA12〜コンデンサCSA11の経路から形成される。充電経路に関しては、上述の図12に示す場合と同様である。
<第11実施形態>
次に、図14を参照して、本願請求項11に係る発明に対応する第11実施形態を説明する。
本実施形態に係るスイッチング電源装置は、上述の第10実施形態に係る図12の構成におけるスナバ回路に代え、整流用ダイオードD72のカソードに発生するサージを吸収するための第1スナバ回路として、コンデンサCSA11、ダイオードDSB12、インダクタLSB12、ダイオードDSA13を備えると共に、整流用ダイオードD74のカソードに発生するサージを吸収するための第2スナバ回路として、コンデンサCSA21、ダイオードDSB22、インダクタLSB22、ダイオードDSA23を備える。
ここで、上記スナバ回路の各構成を詳細に説明する。
第1スナバ回路を構成するコンデンサCSA11の一方の電極は、整流用ダイオードD74のカソード、即ち、上記全波整流回路の第2入力部に接続される。このコンデンサCSA11の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDSA13が接続される。具体的には、コンデンサCSA11の他方の電極にはダイオードDSA13のアノードが接続され、このダイオードDSA13のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDSA13はコンデンサCSA11の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCSA11の他方の電極と上記全波整流回路の第1入力部との間には、ダイオードDSB12及びインダクタLSB12からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCSA11の他方の電極には、ダイオードDSB12のカソードが接続され、このダイオードDSB12のアノードにはインダクタLSB12の一端が接続され、このインダクタLSB12の他端は上記全波整流回路の第1入力部に接続される。これらインダクタLSB12及びダイオードDSB12は、コンデンサCSA11の放電経路をなす整流回路として機能する。
一方の第2スナバ回路も同様に構成される。即ち、第2スナバ回路を構成するコンデンサCSA21の一方の電極は、整流用ダイオードD72のカソード、即ち、上記全波整流回路の第1入力部に接続される。このコンデンサCSA21の他方の電極と第1出力端子TOUT1との間にはダイオードDSA23が接続される。具体的には、コンデンサCSA21の他方の電極にはダイオードDSA23のアノードが接続され、このダイオードDSA23のカソードは第1出力端子TOUT1に接続される。このダイオードDSA23はコンデンサCSA21の充電経路をなす整流回路として機能する。
また、コンデンサCSA21の他方の電極と上記全波整流回路の第2入力部との間には、ダイオードDSB22及びインダクタLSB22からなる直列回路が接続される。即ち、コンデンサCSA21の他方の電極には、ダイオードDSB22のカソードが接続され、このダイオードDSB22のアノードにはインダクタLSB22の一端が接続され、このインダクタLSB22の他端は、上記全波整流回路の第2入力部に接続される。これらインダクタLSB22及びダイオードDSB22は、コンデンサCSA21の放電経路をなす整流回路として機能する。
なお、絶縁トランスT7の1次側の構成については、前述の図15に示す従来装置と同様であり、その説明を省略する。
続いて、整流用ダイオードD74を例として、この整流用ダイオードD74のカソードに発生するサージの吸収動作を詳細に説明する。なお、電力変換動作については、上述の第10実施形態と同様であるので、これを省略する。
まず、整流用ダイオードD71,D74が順方向にバイアスされた状態から逆方向にバイアスされた状態になると、前述のように、いわゆるリカバリ期間において寄生インダクタに蓄積されたエネルギーが瞬時的に放出され、サージが整流用ダイオードD74のカソードに発生する。
本実施形態では、サージによる電流は、図14に点線で示す充電経路CR14(コンデンサCSA21〜ダイオードDSA23〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜2次巻線L2〜コンデンサCSA21)に沿って流れ、これによりコンデンサCSA21が充電される。
その後、1次側のスイッチング動作に伴って、絶縁トランスT7の2次巻線L2に誘起される電圧の向きが再び反転する過程で、整流用ダイオードD74が順方向にバイアスされる。この場合、コンデンサCSA21に蓄積された電荷は、図14に一点鎖線で示す放電経路DR14(コンデンサCSA21〜整流用ダイオードD71〜出力インダクタLout〜第1出力端子TOUT1〜負荷R〜第2出力端子TOUT2〜整流用ダイオードD74〜インダクタLSB22〜ダイオードDSB22〜コンデンサCSA21)に沿って流れ、これによりコンデンサCSA21が放電される。
このように、本実施形態によれば、整流用ダイオードD74のカソードに発生したサージによるエネルギーはコンデンサCSA21に一旦蓄積された後、インダクタLSB22を介して出力側に放電される。このときの放電電流の位相は、インダクタLSB22により電圧の位相に対して遅延されるので、電圧と電流との積として表されるダイオードDSB22における損失が抑制される。同様にして、整流用ダイオードD72で発生するサージによるエネルギーは、コンデンサCSA11に一旦蓄積された後、インダクタLSB12を介して低損失で出力側に放電される。
以上により、整流用ダイオードD72,D74のカソード側、即ち、全波整流回路の入力部に発生したサージが有効に吸収(抑制)され、そのエネルギーが出力側に放出される。従って、電源効率を低下させることなく、サージから整流用ダイオードを保護することが可能になる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述の第1ないし第3実施形態では、整流用ダイオードD1及びD2に対してそれぞれスナバ回路を設けたが、必要に応じて、何れか一方の整流用ダイオードにスナバ回路を設けるものとしてもよい。同様に、上述の第5および第6実施形態では、整流用ダイオードD41及びD42に対してそれぞれスナバ回路を設けたが、必要に応じて、何れか一方の整流用ダイオードにスナバ回路を設けるものとしてもよい。同様に、上述の第7、第10、第11実施形態では、整流用ダイオードD72及びD74に対してそれぞれスナバ回路を設けたが、必要に応じて、何れか一方の整流用ダイオードにスナバ回路を設けるものとしてもよい。
また、上述の実施形態では、絶縁トランスの1次側のスイッチング回路としてハーフブリッジ型を採用したが、これに限定されることなく、フルブリッジ型など、任意の形式のスイッチング回路を採用することができる。絶縁トランスの2次側の整流回路についても、上述の実施形態に限定されることなく、サージを吸収するためのコンデンサの充電経路と放電経路を設けることが可能であることを限度として、任意の形式の回路を採用することができる。
また、上述の実施形態では、整流素子として整流ダイオードを採用したが、これに限定されることなく、例えば、サイリスタやパワートランジスタを採用することができる。
本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第3実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第4実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第5実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第6実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第7実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第8実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第9実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第9実施形態に係るスイッチング電源装置の第1変形例の回路図である。 本発明の第9実施形態に係るスイッチング電源装置の第2変形例の回路図である。 本発明の第10実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本発明の第10実施形態に係るスイッチング電源装置の変形例の回路図である。 本発明の第11実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 従来技術に係るスイッチング電源装置の回路図である。 サージの波形図である。
符号の説明
T1,T7;絶縁トランス、D1,D2,D41,D42,D71,,D72,D73,D74;整流用ダイオード、Lout;出力インダクタ、Cout;出力コンデンサ、、TIN1,TIN2;入力端子、TOUT1,TOUT2;出力端子、CS11,CS21、CS211,CS221、CS311,CS321,CS41,CS511,CS521,CS611,CS621,CS711,CS721,CS81,CS91,CSA11,CSA21;コンデンサ、DS12,DS22,DS13,DS23、DS212,DS222,DS213,DS223,DS312,DS322,DS313,DS323,DS42,DS43,DS512,DS522,DS513,DS523,DS612,DS622,DS613,DS623,DS712,DS722,DS713,DS723,DS82,DS83,DS912,DS922,DS93,DSA12,DSA22,DSA13,DSA23,DSB12,DSB22,DSB13,DSB23;ダイオード、LS12,LS22,LS212,LS222、LS312,LS322,LS42,LS512,LS522,LS612,LS622,LS712,LS723,LS82,LS912,LS922,LSA12,LSA22,LSA2,LSB12,LSB22;インダクタ。

Claims (6)

  1. 二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記センタータップが出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各出力端子がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の入力端子が第2端子に共通接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 二次側にセンタータップが設けられた絶縁トランスを備え、前記絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端に第1及び第2整流素子の各入力端子がそれぞれ接続され、これら第1及び第2整流素子の出力端子が出力インダクタを介して第1端子に共通接続され、前記センタータップが第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記第1または第2整流素子の出力端子に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
  3. 絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記全波整流回路の第2出力部が第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記全波整流回路の第1出力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
  4. 絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記全波整流回路の第1出力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第1または第2入力との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記全波整流回路の第2出力部に繋がる第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
  5. 絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続され、前記全波整流回路の第1出力部が出力インダクタを介して第1端子に接続され、前記全波整流回路の第2出力部が第2端子に接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記全波整流回路の第1または第2入力部に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第2端子との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
  6. 絶縁トランスの二次巻線の一端及び他端が全波整流回路の第1及び第2入力部にそれぞれ接続されてなるスイッチング電源装置において、
    前記全波整流回路の第1及び第2入力部の一方に一方の電極が接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサの他方の電極と前記全波整流回路の第1出力部に繋がる第1端子との間に接続され、前記コンデンサの充電経路をなす第1整流回路と、
    前記コンデンサの他方の電極と前記第1及び第2入力部の他方との間に接続され、前記コンデンサの放電経路をなす第2整流回路と、
    を備え
    前記充電経路と前記放電経路は、前記第1端子と前記全波整流回路の第2出力部に繋がる第2端子との間に接続される負荷を共に含み、
    前記充電経路を通じて前記負荷に流れる充電電流の方向と、前記放電経路を通じて前記負荷に流れる放電電流の方向は一致することを特徴とするスイッチング電源装置。
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